当連結会計年度におけるわが国の経済は、国内外で政治面の不安材料が見られるものの、好調な海外経済や日銀の緩和継続等により、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の利上げや米中貿易摩擦への懸念といった要因もあり、景気の先行きは不透明な状況にあります。また、相次ぐ日本の製造メーカーの検査不正、品質偽装もあり、製品の安全性や品質が改めて問われる環境となっています。
こうした状況のなか、当社グループは以下の取り組みにより、お客様にご満足いただける新たな価値を提供していきます。
1 コア事業競争力の追求(技術力、製品提案力強化)
日々刻々と変化するビジネス環境において、お客様のニーズは多様化しています。当社グループはそうしたニーズにお応えするために、技術力と製品提案力をさらに強化していきます。
当社は2017年12月、株式会社ワコムからエンジニアリングソリューション事業を取得し、電気設計CAD事業会社として、株式会社ECADソリューションズを設立しました。配電盤・制御盤の設計・製造分野における経営資源や事業ノウハウを融合することで、より付加価値の高いサービスの提供を目指します。これにより、盤関連事業につきましては、グループ会社の知識・経験を結集した「盤プロフェッショナル企業集団」として、分・配電盤、制御盤の全ての盤関連市場における事業競争力をさらに強化していきます。
2 グローバル化(東南アジアにおける配電盤事業の確立)
当社グループは、成長を続ける海外市場において事業基盤を早期に確立するため、東南アジア地域を中心としたビジネス展開に注力します。
シンガポールにつきましては、Gathergates Group Pte Ltdが苦戦を強いられていますが、早期の黒字化実現に尽力し同社を起点とした東南アジア地域での配電盤ビジネスの拡大を図ります。
タイにつきましては、現地金属加工会社との資本業務提携を行い現地社会や顧客に適した配電盤事業の体制構築を図りました。同社の生産技術力や販売ルートの活用により現地市場での競争力をいっそう高め、同国での配電盤事業の成長を目指します。
3 新規ビジネスの展開(新たな技術・企業との融合)
IoT、AIなどの技術革新が社会・産業の仕組みを大きく変えようとするなか、従来製品の「モノ価値」に「コト価値」をプラスすることで新たな価値の創造に注力します。
当社が2016年に開始した高機能感震ブレーカー(地震・雷 I o T)の実証実験では、得られたデータを災害に対する強靭化プロジェクトに提供し利活用するとともに、新たに地方自治体と高機能感震ブレーカーを利用した地域の防災システムの実証プロジェクトにも着手、地域社会の安全な暮らしのサポートを進めます。これらの取り組みから得られた知見を活かし、「コト価値」の創造による事業領域の拡大を目指します。
また、新規事業として既に展開している充電インフラビジネスにつきましては、グループ会社やビジネスパートナーとの連携をさらに深めることにより、ハードの製造・販売のみならず、保守・メンテナンス・課金など幅広いサービスの提供を推し進めます。
4 生産体制・経営基盤の強化
「コア事業競争力の強化」「グローバル化」「新規ビジネスの展開」といった事業戦略を推進するためには、生産体制ならびに経営基盤の強化が重要となります。
生産体制につきましては、お客様にご満足いただける品質・コスト・納期の実現を目指し、徹底的な業務改革・製造改革を行い、受注・設計・業務・製造の整流化とコスト削減をすることで、さらなる生産性の向上に努めます。
経営基盤につきましては、新たに品質統括部を設置し、生産・開発担当以外の役員の管掌とすることで、品質管理の独立性を高め、一層の製品の安全性確保および品質保持に努めます。また、当社グループの事業戦略を支えるため、必要な経営資源を適切に確保し、グループ間で相互活用することでグループシナジーを最大化するよう推進していきます。
当社グループはこうした施策により、電気と情報を明日へつなげる価値創造企業グループとして、より多くのお客様のニーズにお応えし、企業価値の向上に努めていきます。
当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2018年3月31日)時点において当社グループが判断したものです。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避および発生したときの対応に万全を尽くす所存です。
事業環境について
当社グループの製品は電設電材、FA制御、情報通信の各分野に供給されていますが、その需要は国内の設備投資動向に関連するものが多く、最終的には国内の景気動向の影響を大きく受けます。情報通信分野においては技術革新が急速に進んでおり、なかでも情報通信関連流通事業で保有する在庫の陳腐化等により当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
原材料価格について
当社グループは鉄、ステンレス、樹脂材料、伸銅品などの原材料を使用した製品を製造していますが、国際的な政治・経済情勢や商品市況の動向により原材料等の仕入価格が上昇し、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
品質について
当社グループが生産している製品は、厳重な品質管理体制のもと製造・出荷されています。不具合等が発生した場合には迅速な対応を行う管理体制を構築していますが、消費生活用製品安全法および製造物責任法に関した問題が発生した場合には、社会的評価、企業イメージ低下のリスクがあり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
知的財産について
当社グループは多くの知的財産権を保有し、権利保護のため適切に維持・管理しています。また、第三者の知的財産権についても侵害することのないよう適時適切に調査検討しています。しかし、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
環境問題について
当社グループの事業は、鈑金、塗装等の工程を有しているため、環境関連法令の適用を受けています。事業活動においてこれらを遵守することは勿論のことですが、環境負荷物質の規制強化による製品対応が必要な場合には、費用が増加する可能性があります。
情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動において顧客、仕入先、従業員等に関する機密情報や個人情報を扱うことがあります。システムへの外部攻撃対策、コンピュータウイルス対策、セキュリティ遵守に関する従業員教育等を実施していますが、不測の事態により情報の流出や滅失が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
人材確保について
当社グループの持続的な成長には、優秀な人材の確保や育成促進が必要です。積極的な採用活動、外部専門知識の活用や社内教育制度の充実などを進めていますが、事業展開に必要な人材の確保が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
海外事業展開について
当社グループは海外でも事業を展開しており、国際的な政治・経済動向あるいは戦争、テロ、大規模自然災害の発生等による影響を受ける可能性があります。また、事業の一部を外貨建てで行っているため、為替レートに予期しない大きな変動が生じた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
その他リスク
当社グループの中核企業である日東工業株式会社の本社および主要工場は、今後発生が予想される東海および東南海地震による被災の可能性が高い地域にあります。こうした大規模自然災害等が発生した場合、工場建屋や生産設備の被災、サプライチェーンの復旧遅れ、電力供給不足等により、生産能力および物流機能等に大きな影響が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社では大規模災害時の生産および販売への影響を最小限に抑えるため、防災訓練、安否確認訓練、各種耐震対策、データ管理の二重化等、事業継続計画の整備を積極的に進めています。
当期連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用環境の改善などにより緩やかな回復基調で推移しました。海外経済におきましても米国は雇用・所得環境の改善により景気の拡大が進み、欧州やアジアなども総じて緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、米国の通商政策動向や中東・北朝鮮問題などの地政学的リスク、揺らぐ国内政権基盤など様々な不安材料を抱えており、景気の先行きに不透明感が残る状況にあります。
当業界におきましては、企業収益の改善などにより民間非居住建築物棟数や設備投資は緩やかながら持ち直しの動きを見せているものの、新設住宅着工戸数は弱い動きで推移したほか、太陽光発電システム市場の縮小により企業間競争の激しさが増すなど、総じて先行きに予断を許さない事業環境が続いています。
このような情勢下にあって当社グループは、日東工業株式会社単体の売上が増加したほか、情報通信関連流通事業の売上が堅調に推移した結果、売上高は108,080百万円と前期比1.4%の増収となりました。
しかし、日東工業株式会社単体の変動費等の悪化および海外子会社の業績が低調に推移したことから営業利益は5,751百万円と前期比12.8%の減益、経常利益は5,625百万円と前期比12.1%の減益、親会社株主に帰属する当期純利益は2,883百万円と前期比36.0%の減益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
(配電盤関連製造事業)
(イ)配電盤部門
配電盤部門につきましては、企業の設備投資需要の緩やかな持ち直しにより、既存市場における高圧受電設備や分電盤の売上が増加しましたが、太陽光発電に関連した接続箱・キュービクルの売上が減少したほか、子会社のGathergates Group Pte Ltdの売上が減少した結果、売上高は41,395百万円と前期比3.4%の減収となりました。
(ロ)キャビネット部門
キャビネット部門につきましては、設備投資需要の回復を背景に、FA制御向けのキャビネットやステンレス・自立キャビネットなどの売上が堅調に推移したほか、WEB機能を活用した当社独自システムによる短納期、高品質の穴加工キャビネットの売上が増加しました。また、通信キャリアやデータセンター市場の需要が堅調に推移したことによりシステムラックの売上も増加した結果、売上高は22,019百万円と前期比4.7%の増収となりました。
(ハ)遮断器・開閉器部門
遮断器・開閉器部門につきましては、既存市場の分電盤、キャビネットなどの売上が増加したことに伴い、ブレーカおよび開閉器の売上が増加したことや、子会社である株式会社新愛知電機製作所の機器事業の売上が増加したことなどにより、売上高は5,204百万円と前期比9.6%の増収となりました。
(ニ)パーツ・その他部門
パーツ・その他部門につきましては、キャビネットの売上増加などに伴い、盤用パーツや熱関連機器の売上が増加したほか、当連結会計年度に子会社化した株式会社ECADソリューションズが売上増加に寄与した結果、売上高は5,433百万円と前期比10.2%の増収となりました。
以上の結果、配電盤関連製造事業の売上高は、74,053百万円と前期比0.7%の増収、セグメント利益(営業利益)は4,603百万円と前期比14.8%の減益となりました。
(情報通信関連流通事業)
情報通信関連流通事業につきましては、主力製品であるネットワーク機器やLANケーブルの売上が堅調に推移したほか、監視カメラ関連製品の売上が増加しました。しかし、太陽光発電システム市場の縮小により関連商材の売上が減少したことや、人件費等の販管費が増加した結果、売上高は31,619百万円と前期比3.7%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,033百万円と前期比3.0%の減益となりました。
(工事・サービス事業)
工事・サービス事業につきましては、電話設備工事や電気設備工事の売上が増加しましたが、前期に計上した大型防災案件の売上が剥落した結果、売上高は2,407百万円と前期比7.4%の減収、セグメント利益(営業利益)は112百万円と前期比15.9%の減益となりました。
当期の財政状態の概況は、次のとおりです。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて9.6%増加し、68,585百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加2,107百万円や受取手形及び売掛金の増加2,607百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて9.3%減少し、35,661百万円となりました。これはのれんの減少1,846百万円などによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて2.3%増加し、104,246百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて8.4%増加し、19,790百万円となりました。これは主に未払法人税等の増加1,155百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて4.7%減少し、1,394百万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少186百万円などによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて7.4%増加し、21,184百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、剰余金の配当1,820百万円などによる減少がある一方、親会社株主に帰属する当期純利益を2,883百万円計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べて1.1%増加し、83,061百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ3,144百万円増加の28,283百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは6,616百万円(前連結会計年度9,787百万 円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益5,556百万円の計上に対し、売上債権の増加額2,510百万円や法人税等の支払額1,426百万円などによる資金の減少があった一方で、減価償却費の計上3,756百万円やのれん償却額の計上2,473百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△1,882百万円(前連結会計年度△4,336百万円)となりました。これは主に投資有価証券の売却及び償還による収入1,769百万円などによる資金の増加があった一方で、生産設備合理化のための有形固定資産の取得による支出2,873百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出618百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△1,716百万円(前連結会計年度△1,771百万円)となりました。これは主に配当金の支払額1,822百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
当社グループは「配電盤関連製造事業」「情報通信関連流通事業」「工事・サービス事業」の事業活動を展開しています。
当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりであり、「配電盤関連製造事業」については部門別の実績を記載しています。
なお、「工事・サービス事業」については、生産実績、商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
|
部門別 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
配電盤関連 製造事業 |
配電盤 |
43,197 |
△1.0 |
|
キャビネット |
24,260 |
10.1 |
|
|
遮断器・開閉器 |
5,253 |
12.4 |
|
|
パーツ・その他 |
5,214 |
2.7 |
|
|
合計 |
77,925 |
3.3 |
|
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
|
部門別 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
情報通信関連流通事業 |
27,372 |
2.4 |
|
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
|
部門別 |
当連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
||
|
配電盤関連 |
配電盤 |
41,395 |
△3.4 |
|
キャビネット |
22,019 |
4.7 |
|
|
遮断器・開閉器 |
5,204 |
9.6 |
|
|
パーツ・その他 |
5,433 |
10.2 |
|
|
小計 |
74,053 |
0.7 |
|
|
情報通信関連流通事業 |
31,619 |
3.7 |
|
|
工事・サービス事業 |
2,407 |
△7.4 |
|
|
合計 |
108,080 |
1.4 |
|
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針および見積り基準に基づき計上しています。
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、上記「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりです。
当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費および新製品ならびに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を充当しています。当連結会計年度においては、継続的に行っている生産設備の合理化・更新や新製品の生産対応に加えて、菊川工場の試験設備等の支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。また、今後も既存設備の更新や海外生産拠点への投資を予定していますが、運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、従来と同様に財務内容及び営業キャッシュ・フロー等による自己資金を主に充当することとしています。
経営者の問題認識と今後の方針については、次のとおりです。
当社は、「優良な製品を以て社会に貢献し、生産性向上により会社と従業員の発展繁栄を期する。」の社是のもと、5つのCSR経営方針を掲げています。
1 お客様にご満足いただける新たな価値を創造し続けます。
2 人間尊重の精神に基づいた企業活動を進めます。
3 高い倫理観、道徳観に根ざしたコンプライアンス経営を実践します。
4 美しい地球を次世代へつなぐことに貢献します。
5 株主価値を高める経営を常に行います。
また、「挑戦、次世代のビジネスモデルへ」という中期基本方針のもと、以下の実現に尽力します。
1 コア事業競争力の追求(技術力、製品提案力強化)
2 グローバル化(東南アジアにおける配電盤事業の確立)
3 新規ビジネスの展開(新たな技術・企業との融合)
4 生産体制・経営基盤の強化
(株式の取得による会社等の買収)
当社は2017年9月13日付で、株式会社ワコム(以下、「ワコム」といいます)から、新設分割によりワコムのエンジニアリングソリューション事業を承継する会社の全株式を取得する株式譲渡契約を締結しました。
詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりです。
(吸収合併契約)
当社は2018年3月26日開催の取締役会において、2018年5月31日を期日として、100%子会社であるJBP-Ⅰ株式会社(以下、「JBP-Ⅰ」といいます)を吸収合併することを決議し、合併契約を締結しました。
合併契約の概要は、次のとおりです。
(1) 合併の方式
当社を存続会社とする吸収合併方式で、JBP-Ⅰは解散しました。
(2) 合併に係る割当ての内容
当社の完全子会社との合併であるため、本合併による新株の発行、資本金の増加および合併交付金、その他一切の対価の支払はありません。
(3) 引継資産・負債の状況
当社は、一切の資産、負債及び権利義務を合併期日において引継ぎました。
(4) 合併後の状況
本合併による、名称、所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金、決算期の変更はありません。
(5) 今後の見通し
本合併は当社の完全子会社との合併であるため、当社連結業績への影響は軽微です。
当社グループ(当社及び連結子会社)は、「配電盤関連」を事業の中心として「電設電材」「FA制御」「情報通信」各分野の商品を研究開発し、幅広く市場に展開しています。
当連結会計年度の研究開発活動については、機能、性能、デザイン性などの先進性を追求するとともに、安全、環境、品質への配慮と省スペース、省施工などをテーマにした商品の研究開発ならびに既存製品の原価低減活動を行いました。
当連結会計年度の研究開発費は2,154百万円で、当連結会計年度の研究成果のうち主なものは次のとおりです。
分電盤は、商用電源の確保が困難な場所にも設置可能な完全独立電源システムを製品化しました。太陽電池と蓄電池で電力を賄うことができ、公衆無線LANシステム、工事現場の計測器、避難場所における携帯電話充電、LED照明などの電源用途にご利用いただけます。
住宅用分電盤は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及に貢献し、省エネ・創エネ・蓄エネをサポートするHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)に対応した住宅用分電盤「エネウェイ」を開発しています。経済産業省では、「2020年までにハウスメーカー等の建築する注文戸建住宅の過半数でZEHを実現すること」を目標としています。ZEHにはHEMSの設置が必要不可欠であるため、HEMS対応住宅用分電盤はその中心的な役割を担います。
また、地震による電気火災を防止する感震ブレーカーの普及取り組みとして、業界初となる感震機能付ブレーカーを搭載した新築住宅向けの感震機能付住宅用分電盤、既設住宅向けの感震機能付ブレーカーユニットを発売しました。
光接続箱関連製品は、ラックマウント用スライド式スプライスユニットの省スペースタイプをラインナップし、光ネットワーク市場向け商品の強化を図りました。
キャビネットは、LAN、IoTなどの情報インフラを支える小型ラック、HUB収納キャビネット壁掛けタイプを同一デザインコンセプトでモデルチェンジを行いました。従来製品に比べ小型ラックでは約30%、HUB収納キャビネットでは約20%の軽量化を行い設置や移動時の作業負担を大幅に軽減、あわせて外装パネルのツールレス着脱や配線作業性向上に繋がる機能を追加し、省施工性を実現しました。
その他、宅配荷物の再配達をなくす手段として、戸建て向け宅配ボックスを開発しました。屋外用キャビネットで培ってきた技術を活かし、優れた耐久性と高い防水性を持ち合わせ、簡単操作の捺印機構を搭載しています。
システムラックは、データセンターなど基幹ネットワーク装置の大型化に対応するため、FSコアネットワークラックの機種追加によりラインナップを充実させました。
遮断器・開閉器は、感震リレーとブレーカを一体化した業界初の感震機能付ブレーカーを発売しました。家庭用ホーム分電盤及び産業用分電盤に取付け可能で、住宅以外の工場、飲食店などにも使用範囲が広がり、「感震ブレーカー」の普及促進に貢献しました。さらに、他社の住宅用分電盤を感震仕様の分電盤にリニューアルすることが可能であり、安全・安心に貢献する製品として高く評価され、第65回電設工業展の製品コンクールにおいて「一般社団法人日本電設工業協会会長賞」を受賞しました。
その他、「高機能感震ブレーカー(地震・雷IoT)実証実験」においては、地震に関する有用なデータとIoTのノウハウが蓄積されてきました。また地震IoTの仕組みを応用した掛川市地域防災システム実証プロジェクトを進めるなど、新たなビジネスに向けた取り組みを推進しています。
分電盤用パーツは、分電盤の接続パーツ及び分電盤分岐部を構成するセット品のラインナップを充実し、分電盤の分岐構成の自由度向上、小型化及びリニューアルコストの低減、セット品による部品選定の容易化を実現しました。
キャビネット用パーツは、自立キャビネット用のLED照明パネルを機種追加しました。
熱関連製品は、冷却能力2,000~3,000Wの高容量ノンフロンタイプの盤用クーラを機種追加し、環境にやさしい製品のラインナップを充実しました。
EV・PHEV用充電スタンドは、既に発売中の親機と子機を組み合わせて使用する、親子連携機能付充電器を活用し、大型商業施設にて実証実験を開始しました。充電設備全体が消費するピーク電力を抑制し、既存の電力設備や電気料金のなかで複数台同時の充電が可能となることを実証し、IoTを活用した充電サービスの有効性を検証しています。
当社製品は、情報化社会の発展に伴い、屋外に設置される監視カメラ、基地局など情報通信インフラの重要度が増す中、ゲリラ豪雨、強風、地震などの過酷な自然環境にも耐える性能が要求されています。当社は、業界に先駆け暴風雨を模擬できる「風雨試験設備」及び実際の地震の揺れを再現可能な「3軸耐震試験設備」を導入し、新たな市場開拓や顧客要求満足を目指した研究体制を整えました。
①風雨試験設備
2017年4月より稼動を開始し、暴風雨、台風などを想定した性能評価の検証を行っています。当社製品のインフラとしての機能維持のために必要な技術課題を検証しています。
②3軸耐震試験設備
2017年8月より稼動を開始し、東西、南北、上下の全方向に同時に加震することが可能となりました。国内で観測された地震波の再現や各種規格に定められた地震波形による信頼性の高い試験評価を実施することで、耐震性能要求が厳しい通信市場への当社製品の採用に繋げています。