文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、経営理念を以下のとおり定め、お客様にご満足いただける新たな価値を提供していきます。
1 お客様にご満足いただける新たな価値を創造し続けます。
日東工業グループは、お客様にとっての価値を理解し、満足いただける製品やサービスを提供していきます。
われわれは価値創造を継続的に行うことにより、お客様との信頼関係を築き、強化していくことを大切にします。
2 人間尊重の精神に基づいた企業活動を進めます。
従業員一人ひとりの個性を尊重し、能力を生かし、育てることにより、新しい価値を創造する組織への更なる進化を図ります。
公正公平な人事評価と適材適所の人材配置により、従業員が職務を通じて自己実現を果せる会社であることを誓います。
3 高い倫理観、道徳観に根ざしたコンプライアンス経営を実践します。
日東工業グループは、社会規範に則った公明正大な経営を常に行います。
誠実な行動と日々のたゆまぬ努力の積み重ねによって、安全・安心な、より高い品質の製品・サービスを提供します。
4 美しい地球を次世代へつなぐことに貢献します。
電気と情報を主な事業領域とする日東工業グループは、企業市民として環境保護に努めていきます。
また同時に、再生可能エネルギーの活用を促進する技術等を通じ、持続可能性を高めることに貢献する価値を創造します。
5 株主価値を高める経営を常に行います。
過去の成功を守ることや目先の利益を追うことを優先し、未来への投資を後回しにするようなことはしません。
株主価値を最大化する中長期的な成長と持続的な利益の創出を経営目標として、変わらず良い会社であり続けるために改善・改革を日々積み重ねます。
(2) 当社グループの経営環境
2019年度の当社グループ業績は、小中学校への空調設備事業や東京オリンピック・パラリンピックに関連するインフラ整備事業など、好調な事業環境に支えられ順調に推移してきました。しかしながら、2020年2月より広がった新型コロナウイルスの感染拡大防止による経済活動の停滞は、景気の下振れリスクを急激に高める状況となっています。当社グループを取り巻く事業環境へ大きく影響を及ぼすことが予想され、先行きに予断を許さない状況となりました。
このような状況の中、当社グループは以下の取り組みにより、お客様に満足いただける新たな価値を提供し続けることで持続的な成長を目指していきます。
1 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」において、連結売上高1,250億円、連結営業利益100億円を達成目標としていましたが、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果により売上が増加したほか、2018年10月から実施した当社製品の価格改定や2019年1月にグループ化した北川工業株式会社が業績に寄与したことなどにより、2019年度にこの目標を達成することができました。
一方、最終年度である2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大防止による経済活動の停滞が当社グループを取り巻く事業環境へ大きく影響を及ぼすことが予想されることから、連結売上高1,290億円、連結営業利益77億円を目標としました。
2 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社グループは「挑戦 次世代のビジネスモデルへ」を中期基本方針として掲げ、「2020中期経営計画」を策定しました。この方針を実現するために、①コア事業競争力の追求、②グローバル化、③新規ビジネスの展開、④生産体制・経営基盤の強化、を戦略の柱として定めました。苦戦を余儀なくされている戦略もありますが、当社の優位性である「安定品質」「量産する技術力」「効率的販売システム」をさらに磨き、コア事業競争力を強化すると同時に、グループ会社やアライアンス企業と協業し、次世代のビジネスモデル構築に向けて積極的に取り組んでいきます。
① コア事業競争力の追求(技術力、製品提案力強化)
主力製品である、キャビネットおよび配電盤関連製品では、お客様のニーズに合わせた製品・サービスで圧倒的No.1企業に成長させることを目指し、WEBを活用したキュービクル図面自動作成システムを2020年4月にリリースしたほか、2020年度に予定している盤用パーツ選定サイトのリリースなどにより、顧客利便性の向上を図ります。また情報通信関連市場では、文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」や次世代の移動通信システム「5G」構築において、量産対応できる高性能キャビネットや情報通信ラックの需要が高まることが期待でき、当社グループとしても適切にニーズを捉えた受注活動を行っていきます。
社会的課題への対応として、当社独自の放電検出技術を用い、火花放電による電気火災の未然防止に貢献する「スパーテクト」(JECAフェア2019「経済産業大臣賞」受賞)の発売や老朽化した受電設備のリニューアル提案を行い、人命・建築物・財産等を保護するための活動に取り組んでいきます。
子会社である北川工業株式会社では、EMCセンターをリニューアルしたことにより電子化が進む各種車載機器の試験が可能となり、その対策までを含めたトータルのソリューション提案力が高まりました。今後も、お客様のニーズに合わせたソリューションの提案を目指し、技術力・製品提案力の強化に努めます。
② グローバル化(東南アジアにおける配電盤事業の確立)
当社グループは、成長を続ける海外市場において事業基盤を早期に確立するため、東南アジア地域を中心としたビジネス展開に注力します。
シンガポールにつきましては、収益性を重視した営業活動の継続とインフラ産業市場への参入によりビジネスの拡大を図り、利益貢献できる体制作りに努めます。
タイにつきましては、子会社であるNITTO KOGYO BM(THAILAND) CO.,LTDにおいてキャビネットおよび配・分電盤を生産する新工場を建設中(2020年11月稼働予定)であり、製販一貫体制を確立することで「コスト競争力」「納期対応力」「品質」をより高め、事業拡大および収益力強化に努めます。
③ 新規ビジネスの展開(新たな技術・企業との融合)
IoT、AIなどの技術革新が社会・産業の仕組みを大きく変えようとする中、従来製品の「モノ価値」に「コト価値」をプラスすることで新たな価値の創造に注力します。
新規事業ではエネルギー関連のスタートアップ企業であるデジタルグリッド株式会社へ出資し、発電事業者と消費者間の電力取引を可能とする技術に対応した分電盤開発を目指しています。また通信機能を有する乾電池の開発・製造事業を行うノバルス株式会社と協業し、電気と情報インフラをIoTで見守る製品やサービスの事業化を目指しています。
EV事業につきましては、中期経営計画において新規事業の柱としていましたが、当初の想定に比べ電気自動車充電インフラ整備が遅れており、見込みと実績の乖離が大きい状況となっています。このような環境の中、2019年度は「家庭での毎日の充電環境を快適に」をコンセプトとした製品(Pit-C3)を発売しました。電気自動車充電インフラ整備は時間がかかることが想定されますが、引き続き事業拡大に取り組んでいきます。
④ 生産体制・経営基盤の強化
2020年度は、既存事業と新規事業をバランスよく成長させることを目指し、戦略企画部門として事業企画統括部を新設しました。
また、配電盤関連製品の生産能力増強と生産効率化を図るため、愛知県瀬戸市に新工場の建設準備を進めています(2024年4月生産開始予定)。さらに、2020年3月に取得した当社栃木野木工場の隣接地にて、システムラックをはじめとする情報通信関連製品の生産能力拡充を目的とした工場ならびに南東北エリアから首都圏、関東圏をカバーする物流拠点の構築を予定しています。
3 新型コロナウイルス感染症の影響及び当社グループの取り組み
2020年2月より広がった新型コロナウイルスの感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年3月期第2四半期以降、緩やかに回復するという前提に基づいた各セグメントへの影響及び当社グループの取り組みは以下のとおりです。
配電盤関連製造事業や工事・サービス事業においては、民間非居住建築物棟数の減少や民間設備投資の腰折れ、ゼネコンの建設工事遅延等による電気・通信インフラ工事の停滞と市場縮小などが懸念され、その影響は半年前後遅れて当業界へ波及すると想定しています。
情報通信関連流通事業や電子部品関連事業においては、オリンピック・パラリンピックの延期やオフィス関連市場の停滞、自動車メーカーの生産ライン停止など、業績に与える影響が一部表面化してきていますが、第2四半期以降は緩やかに回復していくと想定しています。
これらの影響を踏まえ、海外生産品目につきましては、一部国内代替生産・調達が可能な体制づくりや在庫の積み増しなどを行っています。また、テレワークの定着や通信量の増大、GIGAスクール構想の加速などにより、情報通信に関連した市場が活況となると考えており、社会に求められる情報通信機器及び関連する製商品を速やかに提案できるよう、グループ全体で取り組んでいきます。
当社グループはこうした施策により、電気と情報を明日へつなげる価値創造企業グループとして、より多くのお客様のニーズにお応えし、企業価値の向上に努めていきます。
当社グループは、「内部統制委員会」を設置し、取締役社長の下にリスク管理体制を構築しています。平時においては、各委員会および各本部において「経営リスク管理規程」に従いリスクの軽減等に取り組むとともに、有事においては「緊急時対応要領」に基づき対応する体制を整備し、リスク管理体制の推進を図っています。また主要な各グループ会社からもリスク管理活動に係る報告を受けています。
当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2020年3月31日)時点において当社グループが判断したものです。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避および発生したときの対応に万全を尽くす所存です。
(1)事業活動に係るリスク
1 事業環境について
当社グループの製品需要は、国内の民間非居住建築物棟数や機械受注に関連するものが多く最終的には国内の景気動向の影響を大きく受けます。また、情報通信分野および電子部品分野の製品においては技術革新が急速に進んでおり、保有する在庫の陳腐化や案件の失注等により当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業環境では、当該リスクが顕在化する可能性は常にあると認識していますが、コア事業競争力を高めるとともに、東南アジア地域を中心とした海外事業基盤の確立や新規ビジネスの確立などの諸施策を推し進めています。
2 品質について
当社グループが提供している製品は、厳重な品質管理体制のもと製造・出荷されています。不具合等が発生した場合には迅速な対応を行う管理体制を構築していますが、消費生活用製品安全法および製造物責任法に関連した問題が発生した場合には、社会的評価、企業イメージ低下のリスクがあり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供している製品は多品種であり個別仕様に基づくものも多くあるなど、当該リスクを完全に排除することは困難であると認識していますが、設計品質の向上、生産工程の改善、検査体制の拡充や品質教育の充実など品質保証体制の強化を着実に進めています。
3 情報システム、情報セキュリティについて
当社グループは、販売や生産等の事業活動において情報システムに依存しており、また顧客、仕入先、従業員等に関する機密情報や個人情報を扱うことがあります。不測の事態により情報システムの長期間停止、個人情報の流出などが発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
高度化するサイバー攻撃などにより当該リスクを完全に排除することは困難であると認識していますが、情報システムに対する外部攻撃対策、コンピュータウイルス対策、セキュリティ遵守に関する従業員教育等の実施により当該リスクの低減に努めています。
4 労働環境について
当社グループの事業活動は、多くの役職員が携わることにより成立しています。人員の恒久的な不足、労働環境等の悪化による労災事故、労務コンプライアンス問題など、それらにともなう役職員のモラル低下などは当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
労働に対する価値観の多様化が進むなか、当該リスクが常に存在するものであることを認識していますが、グループとして「働きがい改革」を掲げ、安全対策、労働時間管理、相談窓口設置やモチベーション向上施策の実施などにより、健康的でやりがいのある職場環境を実現することで当該リスクの低減に努めています。
(2)経営戦略や中長期に顕在化する可能性のあるリスク
1 人材確保、人材育成について
当社グループの持続的な成長には、優秀な人材の確保や育成促進が前提となります。積極的な採用活動、外部専門知識の活用や社内教育制度の充実などを進めていますが、事業展開に必要な人材の確保が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続き採用手法の多様化、柔軟な人事制度、多様な人材の登用や教育制度の充実をはかることなどにより、持続的な成長に必要な人材の確保に努めていきます。
2 デジタル技術の進化について
デジタル革命の流れは、経営スピード、顧客との関係性やコスト競争力などへ、より一層の影響を及ぼすものと予想されます。現在の競争優位の維持が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続きデジタル技術の活用を推進し、優位性のある販売システムやコスト競争力を高めることなどにより事業の競争優位性の維持に努めます。
3 事業ポートフォリオについて
当社グループは主に配・分電盤ならびにコンポーネントの製造、販売をコア事業として、ネットワーク商材を扱う情報通信関連流通事業、電磁波環境コンポーネント等の製造、販売を行う電子部品関連事業等により構成されています。当社グループの業績はコア事業を担う日東工業株式会社の業績に連動性が高く、コア事業の低迷は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続きコア事業の一層の強化、各セグメント事業の成長、グループ内シナジーの活用やグローバル化の推進、新規ビジネスへのチャレンジなどを通じてグループとしての成長に努めます。
4 海外事業展開について
当社グループは海外でも事業を展開しており、当社グループの成長の重要なキーとなっていますが、事業の低迷、国際的な政治・経済動向あるいは戦争、テロ、大規模自然災害、感染症の発生等により当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続き成長を続ける海外市場において事業基盤を早期に確立するため、東南アジア地域を中心としたビジネス展開に注力して当社グループの成長に努めます。
5 知的財産について
当社グループは多くの知的財産権を保有し、権利保護のため適切に維持、管理しています。また、第三者の知的財産権についても侵害することのないよう適時適切に調査検討しています。しかし、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
海外市場展開においては知的財産権の管理、とりわけ第三者の知的財産権への侵害等を回避することは事業活動に不可欠なものと認識しており、特許公報、海外規格の調査などを強化することにより当該リスクの低減に努めます。
6 環境問題について
地球環境に対する問題意識の高まりは、事業活動におけるエネルギー使用の合理化、環境負荷物質の規制強化による製品対応のみならず、当社グループの環境問題への取り組み姿勢への評価なども当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続き製造工程における廃棄物の抑制、エネルギー使用の合理化、地球環境に配慮した製品開発等に加えて、サプライチェーンや配送を含めたグループの事業活動全般にわたる環境課題に対する取り組みを強化することにより当該リスクの低減に努めます。
(3)その他
1 大規模災害等について
当社グループの中核企業である日東工業株式会社の本社および主要工場は、今後発生が予想される南海トラフ地震による被災の可能性が高い地域にあります。こうした大規模自然災害等が発生した場合、工場建屋や生産設備の被災、サプライチェーンの復旧遅れ、電力供給不足等により、生産能力および物流機能等に大きな影響が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
近い将来、南海トラフ地震による被災の確率は高いと認識しています。当社では人命を最優先に、大規模災害時の生産および販売への影響を最小限に抑えるため、防災訓練、安否確認訓練、各種耐震対策、データ管理の二重化等、事業継続計画の整備を積極的に進めています。
2 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞が長期にわたった場合、民間設備投資の腰折れ、電気・通信インフラ工事の停滞による需要の減少や工場の操業停止、サプライチェーンの途絶、物流網の混乱など供給力の維持が困難な状況に陥ることなどが想定され、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一部在宅勤務によるテレワークや自宅待機、出勤者への検温実施の徹底などの対策を講じてきました。また一部の海外調達品の在庫確保や国内調達への代替などに取り組んできました。一時期操業を停止していました海外生産拠点を含めて提出日現在(2020年6月29日)では通常通りの稼働をしています。しかしながら顧客への訪問の自粛など営業活動は引き続き制限を受けており、また感染拡大の第2波の到来が懸念されます。感染症拡大防止対策を継続して安全確保に努め事業継続を進めます。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、米中貿易交渉の長期化をはじめとする海外経済の不確実性に加え、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響から、第4四半期以降、景気の下振れリスクが急激に高まる状況となりました。
当業界におきましては、民間非居住建築物棟数や機械受注は緩やかに増加していたものの、足元では減少に転じ、先行きに予断を許さない事業環境となりました。
このような情勢下にあって当社グループは、2018年3月期よりスタートした「2020中期経営計画」に基づき、次世代のビジネスモデル創造に向け、コア事業である配・分電盤ならびにコンポーネントの製造・販売強化に加え、海外事業や新規事業を早期に確立すべく、各種施策に取り組みました。当連結会計年度においては、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果や熱中症対策として導入が進んだ学校空調に関連した案件を数多く獲得したことにより配電盤関連製造事業の売上が増加したほか、ネットワーク関連商材の需要が好調に推移したことなどにより情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。さらに、2018年10月に実施した当社製品の価格改定や2019年1月に子会社化した北川工業株式会社およびその子会社が売上・利益の増加に寄与した結果、売上高は139,421百万円と前期比19.2%の増収、営業利益は12,402百万円と同91.6%の増益、経常利益は12,038百万円と同87.9%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,048百万円と同98.9%の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(配電盤関連製造事業)
(イ)配電盤部門
配電盤部門につきましては、既存市場の売上が増加したほか、学校空調に関連した高圧受電設備や分電盤の売上が増加したことなどにより、売上高は47,472百万円と前期比9.6%の増収となりました。
(ロ)キャビネット部門
キャビネット部門につきましては、FA関連市場に減速感がみられたものの、通信インフラに関わる大型案件の獲得などによりシステムラックの売上が増加したほか、2018年10月に実施した当社製品の価格改定が売上増加に寄与した結果、売上高は24,585百万円と同4.3%の増収となりました。
(ハ)遮断器・開閉器部門
遮断器・開閉器部門につきましては、近年多発する自然災害による防災意識の高まりから商用電源と非常用電源を切り替える開閉器の売上が増加しましたが、子会社である株式会社新愛知電機製作所の機器事業の売上が減少したことなどにより、売上高は5,188百万円と同2.2%の減収となりました。
(ニ)パーツ・その他部門
パーツ・その他部門につきましては、FA関連市場の売上が低調であったことから熱関連機器の売上は伸び悩んだものの、分電盤の売上増加に伴い盤用パーツの売上が増加した結果、売上高は6,619百万円と同3.9%の増収となりました。
以上の結果、配電盤関連製造事業の売上高は、83,866百万円と前期比6.7%の増収となりました。また、売上増加に加え、海外子会社であるGathergates Group Pte Ltdにおいて、収益性を重視した営業活動や短納期案件獲得に注力したほか、コスト削減が奏功したことなどにより、セグメント利益(営業利益)は10,113百万円と同82.4%の増益となりました。
(情報通信関連流通事業)
情報通信関連流通事業につきましては、大型オフィス移転やデータセンター市場における案件を数多く獲得したほか、ネットワーク関連商材の売上が増加しました。さらに、第4四半期後半からテレワーク需要拡大に伴う関連商材の売上増加などもあり、売上高は40,774百万円と前期比23.9%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,070百万円と同14.8%の増益となりました。
(工事・サービス事業)
工事・サービス事業につきましては、高圧受電設備や分電盤等に関連した工事の売上が増加したほか、ネットワーク設備工事の売上が堅調に推移した結果、売上高は2,827百万円と前期比4.0%の増収となりました。一方、人件費や経費等の増加によりセグメント利益(営業利益)は204百万円と同6.4%の減益となりました。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業につきましては、米中貿易交渉や減速する中国経済の影響から輸出用の半導体製造装置や工作機械に関連した製品の売上が弱い動きで推移しました。一方、国内外の業務用エアコンに関連した製品の売上が堅調に推移したほか、国内自動車関連市場の電装部品や海外自動車関連市場の先進運転支援システム(ADAS)に用いられるEMC対策製品の案件を獲得した結果、売上高は11,954百万円、セグメント利益(営業利益)は1,011百万円となりました。
なお、当セグメントは前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、前期比については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
当期の財政状態の概況は、次のとおりです。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて18.8%減少し、77,540百万円となりました。これは主に現金及び預金の減少11,946百万円や有価証券の減少8,999百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1.7%減少し、45,672百万円となりました。これは主にのれんの減少2,984百万円などによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて13.2%減少し、123,212百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて26.9%減少し、29,716百万円となりました。これは主に短期借入金の減少14,416百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて5.5%減少し、2,601百万円となりました。これは主に繰延税金負債の減少440百万円などによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて25.5%減少し、32,317百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,048百万円による増加がある一方、北川工業株式会社の完全子会社化に伴う非支配株主持分の減少13,524百万円や剰余金の配当1,823百万円などによる減少により、前連結会計年度末に比べて7.8%減少し、90,895百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,313百万円減少の29,620百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは12,649百万円(前連結会計年度8,046百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益11,949百万円の計上に対し、売上債権の増加額2,238百万円や法人税等の支払額3,394百万円などによる資金の減少があった一方で、減価償却費の計上4,034百万円やのれん償却額の計上717百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは4,920百万円(前連結会計年度△13,308百万円)となりました。これは主に新工場用地取得や生産設備合理化のための有形固定資産の取得による支出5,937百万円や連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出815百万円などによる資金の減少があった一方で、定期預金の払戻による収入8,619百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入3,891百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△26,925百万円(前連結会計年度16,048百万円)となりました。これは、主に北川工業株式会社の完全子会社化のための支出10,582百万円に加え、短期借入金の純減少額14,634百万円、配当金の支払額1,823百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
当社グループは「配電盤関連製造事業」「情報通信関連流通事業」「工事・サービス事業」「電子部品関連事業」の事業活動を展開しています。
当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりであり、「配電盤関連製造事業」については部門別の実績を記載しています。
なお、「工事・サービス事業」については、生産実績、商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3 前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しています。
2 前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度においては、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果や熱中症対策として導入が進んだ学校空調に関連した案件を数多く獲得したことにより配電盤関連製造事業の売上が増加したほか、ネットワーク関連商材の需要が好調に推移したことなどにより情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。さらに、2018年10月に実施した当社製品の価格改定や2019年1月に子会社化した北川工業株式会社およびその子会社が売上・利益の増加に寄与した結果、売上高は139,421百万円と前期比19.2%の増収、営業利益は12,402百万円と同91.6%の増益となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症による2020年3月期業績への大きな影響はありませんでした。
セグメント別の売上高及び営業利益の分析内容は以下のとおりです。
セグメント別 決算ハイライト(連結)
(単位:百万円)
(注)前連結会計年度の2019年1月に新設した報告セグメントであり、対前期増減率については比較対象となる期間が異なるため記載していません。
配電盤関連製造事業は、国内建設需要等、堅調であった内需の当業界への波及効果のほか、学校空調に関連した高圧受電設備等の売上増加や価格改定効果などにより増収増益となりました。加えて、海外子会社の赤字縮小も増益に寄与しました。
情報通信関連流通事業は大型オフィス移転やデータセンター市場における案件獲得のほか、第4四半期後半にはテレワーク関連商材の売上増加などもあり、増収増益となりました。
工事・サービス事業は、高圧受電設備等に関連した工事の売上増加などにより増収となったものの、人件費や経費等の増加により減益となりました。
電子部品関連事業は、輸出用の半導体製造装置や工作機械に関連した製品の売上が弱い動きをみせましたが、国内外の業務用エアコンに関連した製品や国内自動車関連市場の売上が堅調に推移しました。
営業利益以下の分析内容は以下のとおりです。
(経常利益)
為替差損が増加したことなどにより営業外損益が悪化し、経常利益は12,038百万円と前期比87.9%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
投資有価証券評価損が増加したことなどにより特別損益が悪化し、税金等調整前当期純利益は前期比80.6%増益の11,949百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
損金不算入ののれん償却額の減少などにより税効果会計適用後の法人税等の負担率が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8,048百万円と前期比98.9%の増益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の100円02銭から198円93銭に増加しました。
なお、2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」の進捗状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注)1 2020年5月15日に公表したものです。
2 2017年3月期において策定したものです。
2020年3月期においては、連結売上高及び連結営業利益ともに中期経営計画の当初目標を達成しました。しかしながら、2020年5月15日に公表した2021年3月期計画については、新型コロナウイルス感染症の影響などを考慮し減収減益計画としており、中期経営計画最終年度の目標についても未達となる見込みです。なお、上記計画については、新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年3月期第2四半期以降緩やかに回復することを前提とし試算しています。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが12,649百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが4,920百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△26,925百万円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の38,934百万円から9,313百万円減少し、29,620百万円となりました。なお、前連結会計年度に比べて投資活動及び財務活動によるキャッシュ・フローが著しく変動している主な理由は、前連結会計年度において子会社化した北川工業株式会社の株式取得の際に調達した借入金の一部を返済したことによるものです。当該借入金返済にあたっては、営業キャッシュ・フロー等による自己資金に加え、定期預金の払戻や有価証券の売却などにより対応しています。投資活動によるキャッシュ・フローがプラスになっているのはこのためです。
当連結会計年度における借入金残高は4,738百万円となっていますが、本借入金額は当社グループの資産額を鑑みるに十分返済可能な額であり、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に与える影響は軽微であると考えています。
当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費および新製品ならびに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を充当しています。当連結会計年度においては、継続的に行っている生産設備の合理化・更新や新製品の生産対応に加えて、愛知県瀬戸市や栃木県下都賀郡野木町に工場建設予定地の取得による支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。また、今後も既存設備の更新や海外生産拠点への投資を予定していますが、運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、従来と同様に財務内容及び営業キャッシュ・フロー等による自己資金を主に充当することとしています。なお、愛知県瀬戸市に建設予定の瀬戸工場については、約200億円の大型投資になることが見込まれることから、今後の所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金等により賄う予定です。
なお、新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞が、2021年第2四半期以降緩やかに回復することを前提として2021年3月期の経営計画を試算しており、提出日現在において当該事象が当社グループのキャッシュ・フローや資金の流動性に与える影響は一時的なものであると考えています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明であり、予断を許さない状況が続くことから、想定以上に事態が悪化した場合に備え、グループ資金の効率化の推進や新たな資金調達方法の検討など、資金の流動性を確保するための取り組みを進めています。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針および見積り基準に基づき計上しています。上記の会計上の見積りは、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。特に以下の項目については重要な会計上の見積りが必要となります。
固定資産の減損
減損の兆候がある資産グループの内、回収可能価額が帳簿価額を著しく下回った場合に、その差額を減損損失に計上しますが、回収可能価額は、資産グループの正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後、業績の顕著な低下、不動産取引相場や賃料相場等が変動した場合等には減損損失の計上が必要となる可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、同感染症の蔓延やその対策の実施に伴う事業活動の縮小が、財務諸表にどのような影響を与えるのかを評価し、反映させることが必要となることから、上記に係る追加の検討を行っています。2021年3月期第2四半期以降緩やかに回復することを前提として検討を行った結果、2020年3月期の連結財務諸表について追加で会計上の手当を検討すべき事象は発生していません。
(固定資産の取得)
当社は、2020年2月25日開催の取締役会において、以下のとおり固定資産の取得を決議し、不動産売買契約を締結しました。
1 土地(愛知県瀬戸市)の取得
(1) 固定資産取得の理由
配電盤関連製造事業における生産体制の整備拡充および老朽化が進む当社名古屋工場の移転を目的に新工場用地を取得しました。2024年4月生産開始に向け、新工場を建設する予定です。
(2) 取得資産の概要
①名称 日東工業株式会社 瀬戸工場
②所在地 愛知県瀬戸市八床町22番の4
③敷地面積 250,077㎡
④取得価額 1,455百万円
⑤取得資金 自己資金
⑥日程 契約締結日 2020年2月27日
土地引渡日 2020年3月23日
建物竣工 2023年12月
生産開始 2024年4月
2 土地および建物(栃木県下都賀郡野木町)の取得ならびに賃貸借契約の締結
(1) 固定資産取得の理由
経営基盤強化の観点から、更なる生産体制の拡充および物流対応力の向上を目的に当社栃木野木工場隣接の土地および建物を取得しました。これにより、システムラックをはじめとする情報通信関連製品の生産能力拡充を図るとともに、南東北エリアから首都圏、関東圏をカバーする物流拠点を構築する予定です。
(2) 取得資産の概要
①所在地 栃木県下都賀郡野木町川田1番1
②敷地面積 78,758.28㎡
③取得価額 1,375百万円
④取得資金 自己資金
⑤日程 契約締結日 2020年3月16日
物件引渡日 2020年3月16日
(3) 取得相手先の概要
①名称 栗田工業株式会社(以下「栗田工業」といいます。)
②所在地 東京都中野区中野4丁目10番1号
③代表者役職・氏名 代表取締役 門田 道也
④上場会社と当該会社の関係 相手先と当社との間には、関連当事者として特筆すべき事項はありません。
(4) 賃貸借契約
本物件は取得相手先である栗田工業が現在クリタ開発センターとして使用しており、当社は栗田工業との間で最短2年間、最長3年間の賃貸借契約(貸主:当社、借主:栗田工業)を固定資産の取得と同時に締結しました。
当社が予定している生産体制の拡充および物流対応力の向上は上記賃貸借契約期間終了後に進めていきます。
当社グループは、「配電盤関連製造事業」及び「電子部品関連事業」において各分野の商品を研究開発し、幅広く市場に展開しています。
当連結会計年度の研究開発費は
1 配電盤関連製造事業
当連結会計年度の研究開発活動については、機能、性能、デザイン性などの先進性を追求するとともに、安全、環境、品質への配慮と省スペース、省施工などをテーマにした商品の研究開発ならびに既存製品の原価低減活動を行いました。
当セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は
配電盤は、商用電源の確保が困難な場所にも設置可能な独立電源システムのラインナップ強化として、太陽電池と独立電源盤を一体化した可搬型タイプと大容量40Wタイプを追加して使用用途の拡大を図りました。
住宅用分電盤は、電気火災を未然に防止する防災製品として、放電検出ユニット『スパーテクト』、放電検出ユニット付ホーム分電盤、既設の住宅用分電盤に機能追加できる放電検出増設ユニットを開発しました。電気火災は年間約1,000件のペースで発生しており、その主な要因は、コンセントとプラグの間に溜まった埃が吸湿することで発生するトラッキング現象やコード・ケーブル類のショートなどから生じる火花放電であり、電気火災全体の40%以上を占めています。放電検出ユニットは、当社独自の技術で電気火災の主な原因となる火花放電を検出し、電気火災の未然防止に貢献します。
LAN、IoTなどの情報インフラを支えるHUB収納キャビネットにおいて、小型通信機器収納用ボックスのモデルチェンジを行いました。軽量化やツールレスでのドア着脱など、施工性・作業性が向上しています。
システムラックは、データセンター向けにセキュリティー管理が容易なICキータイプを開発しました。また、ラックの排熱対策に有効な背面風向ガイド、省施工のケーブルホルダー、薄型のコンセントバーなどオプションの充実を図りました。
遮断器・開閉器は、商用電源と非常用電源を切り替える機能が付いた分電盤に搭載する主管ブレーカとして、従来のものより小型化した製品を開発しました。それにより、分電盤全体の小型化に貢献しています。
また、中小ビルをターゲットとした高機能感震ブレーカー『ガルサーチ』の製品化に向け、実証実験を進めています。複数フロアに設置された地震センサーのデータを、電力線通信技術を使って集約・演算し、通電火災を防ぐためにブレーカーを遮断します。併せて、地震データをクラウドで蓄積・分析して、ビルの被害状況、地域の震度分布の様子を知らせる事ができます。
その他、スタートアップ企業との協業により、当社設備機器と連携する簡易IoT製品の開発を進めています。
熱関連製品は、高圧受電盤の天井面から強制換気をおこなう換気装置として、屋外天井取付型ファンを発売しました。防水性が高く、高風量のため屋外に設置する高圧受電盤の安定稼働に貢献します。
当社製品は、情報化社会の発展に伴い、屋外に設置される監視カメラ、携帯基地局など情報通信インフラの重要度が増す中、ゲリラ豪雨、強風、地震などの過酷な自然環境にも耐える性能が要求されています。当社は、業界に先駆け暴風雨を模擬できる「風雨試験設備」及び実際の地震の揺れを再現可能な「3軸耐震試験設備」を導入し、新たな市場開拓や顧客要求を満足する製品の研究開発を行っています。キャビネットに対する保護性能評価は、「危険な箇所への接近や外来固形物の侵入」と「水の浸入に対する保護」について別々に試験評価され、IP性能(防塵・防水性能)で表示されていますが、新たに一般財団法人建材試験センターと国立研究開発法人防災科学技術研究所のご協力をいただき、屋外キャビネットの風と雨を同時に試験評価し、風雨等級(WP)で性能表示される風雨性能評価基準を独自に制定し、当社製品の評価を開始しました。
また、今後成長が見込まれる分野に向けた研究も進めています。次世代技術を構築するため、データセンター関連では熱対策技術、また屋外用設備については騒音対策・屋外設置環境技術や省エネルギーおよび安全性に関する研究、さらに防災関連では放電検出技術の研究を行っています。
2 電子部品関連事業
当連結会計年度の研究開発活動については、電磁波障害や省力化・自動化に付随する問題を中心に、熱マネジメント、振動衝撃問題や音問題などの対策技術(ソフトソリューション)・対策製品を含めた各種環境対策技術の開発および薄膜技術の応用開発に取り組みました。
当セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は
(1) 電磁波環境コンポーネント部品
産業機器やアプライアンス市場において、増加傾向にあるインバータノイズに対し低周波帯域~中周波帯域にて高減衰となるノイズフィルターのシリーズ開発を実施、販売を開始しました。自動車市場では、HEV・EV・PHEV等の環境自動車(もしくは「新エネルギー自動車」)向けノイズフィルターに注力し、大電流時に高効果を発揮可能な製品、ハーネス保護や固定機能を兼ねた製品の開発を強化しました。
(2) 精密エンジニアリングコンポーネント部品
アプライアンス市場向けに基板上のスペーサー部材の多機能化を目的とした開発を行い、販売を開始しました。
(3) 熱対策技術
通信市場に於いて、SoCに代表される高密度高実装デバイス向けの高熱伝導シートの開発またディスペンスでの塗布が可能な上に、液だれしない低粘度性を有する液状熱伝導材の新規開発を行いました。
(4) 振動・衝撃・音対策技術
OA市場やアプライアンス市場に向けてファンの振動対策部材の開発や各種装置の静粛性が求められることから、搭載機器のメカニカル音を低減させる新規静音シートの開発を実施し、販売を開始しています。