文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、経営理念を以下のとおり定め、お客様にご満足いただける新たな価値を提供していきます。
1 お客様にご満足いただける新たな価値を創造し続けます。
日東工業グループは、お客様にとっての価値を理解し、満足いただける製品やサービスを提供していきます。
われわれは価値創造を継続的に行うことにより、お客様との信頼関係を築き、強化していくことを大切にします。
2 人間尊重の精神に基づいた企業活動を進めます。
従業員一人ひとりの個性を尊重し、能力を生かし、育てることにより、新しい価値を創造する組織への更なる進化を図ります。
公正公平な人事評価と適材適所の人材配置により、従業員が職務を通じて自己実現を果せる会社であることを誓います。
3 高い倫理観、道徳観に根ざしたコンプライアンス経営を実践します。
日東工業グループは、社会規範に則った公明正大な経営を常に行います。
誠実な行動と日々のたゆまぬ努力の積み重ねによって、安全・安心な、より高い品質の製品・サービスを提供します。
4 美しい地球を次世代へつなぐことに貢献します。
電気と情報を主な事業領域とする日東工業グループは、企業市民として環境保護に努めていきます。
また同時に、再生可能エネルギーの活用を促進する技術等を通じ、持続可能性を高めることに貢献する価値を創造します。
5 株主価値を高める経営を常に行います。
過去の成功を守ることや目先の利益を追うことを優先し、未来への投資を後回しにするようなことはしません。
株主価値を最大化する中長期的な成長と持続的な利益の創出を経営目標として、変わらず良い会社であり続けるために改善・改革を日々積み重ねます。
(2) 当社グループの経営環境
1 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」では、定量目標として連結売上高1,250億円、連結営業利益100億円を設定しました。
目標達成に向けて、中期経営計画最終年度となる2020年度においては新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件の獲得、テレワーク関連商材の拡販に注力しました。また、2018年10月に当社製品の価格改定を実施したほか、2019年1月に北川工業株式会社をグループ化しました。これらの取り組みが奏功した結果、中期経営計画策定時に設定した定量目標を超過達成することが出来ました。
<2020中期経営計画 結果> (単位:億円)
新たに策定した2023年度を最終年度とする「2023中期経営計画」の財務目標は以下のとおりです。

2 中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題
当社グループは長期ビジョンを踏まえ2023年度を最終年度とする新たな中期経営計画「2023中期経営計画」を策定しました。
<長期ビジョン>

<2023中期経営計画>

「2023中期経営計画」の取り組みは以下のとおりです。
① 電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業(日東工業㈱、㈱新愛知電機製作所、南海電設㈱、㈱大洋電機製作所、㈱ECADソリューションズ、Gathergates Group Pte Ltd、NITTO KOGYO BM (THAILAND)CO.,LTD、ELETTO(THAILAND)CO.,LTD、日東工業(中国)有限公司)
(イ)コア事業競争力の追求
[配電盤事業戦略]
配電盤事業では、労働人口減少による人手不足や設備の老朽化による電気事故の発生など、配電盤業界の抱える課題に取り組むことで、業界の発展に貢献します。その実現のために、当社グループの多様な技術やノウハウを結集し、お客様の使いやすさを追求した製品開発や既存製品の改良、お客様の利便性と効率を追求した仕組みの構築、当社グループのアフターサービス機能の強化を行い、ユーザーが気付いていない隠れた価値を創出することで、お客様に信頼される存在となることを目指します。
[キャビネット事業戦略]
キャビネット事業では、市場の変化とニーズを敏感に捉え、新製品や新たな価値を投入することで社会インフラの構築に貢献します。ゲリラ豪雨を再現できる風雨試験装置などを活用し、昨今の異常気象など過酷な自然環境にも耐えうる性能・品質を有した製品を開発します。
また、様々な案件の受注を通して技術力を高めるとともに、2024年4月に稼働予定である瀬戸工場の生産体制を構築し、事業基盤を進化させていきます。
[情報通信関連事業戦略]
情報通信関連事業では、情報通信インフラに関わる幅広い製品群と長年にわたり培ってきた高い技術力で、超スマート社会(Society5.0)の実現に貢献します。
第5世代移動通信システム「5G」を中心に今後成長が見込まれる情報通信インフラ関連市場において、お客様へのソリューション提案力と技術力を武器に対応領域を拡大します。
また、同市場向け製品の主力工場である栃木野木工場の生産能力拡充やWeb販売支援ツール機能の強化などにより、拡大する需要に対応できる体制を構築します。
(ロ)グローバル化
[海外事業戦略]
海外事業では、海外拠点に強固な事業体制を構築し、優良な製品とサービスで社会インフラ構築に貢献します。
安定した事業運営と利益を生み出せる体制作り、事業の選択と集中・不採算事業の縮小、グループ連携によるシナジー創出に取り組みます。
また、販売手法・販売体制・物流網の構築や生産体制の整備により、配電盤とコンポーネントの両輪ビジネスを確立し、海外事業拡大を目指します。
(ハ)新規ビジネスの展開
[事業領域拡大戦略]
事業領域拡大では、新しい技術や視点の製品・サービスを提供することにより、脱炭素社会、安全で強靭な社会、ニューノーマルな社会の実現に貢献します。
EVインフラ、エネルギーマネジメント、防災・減災、働き方改革など、新たな事業領域に向けて、現在保有している基盤技術にIoT技術と各種サービスを付帯させた製品を開発・提供していきます。
② 電気・情報インフラ関連 流通事業(サンテレホン㈱およびその子会社)
電気・情報インフラ関連 流通事業では、超スマート社会(Society5.0)の実現に向け、市場のニーズに的確に対応するなど、情報通信関連のリーディングカンパニーとして次世代ICTインフラ構築の中核を担うソリューションパートナーを目指します。
また、第二の事業の柱を担う新たな付加価値提供型ビジネスを創造するため、ファシリティービジネスモデルの確立およびDX実現化に向けた推進サポートを行います。
海外事業においては、日本で確立したビジネスモデルを構築し、成長戦略の一端を担えるよう取り組みを強化します。
③ 電子部品関連 製造事業(北川工業㈱およびその子会社)
電子部品関連 製造事業では、国内事業で新たな成功モデルを創造し、海外事業でそれらの成功モデルを展開するとともに重点市場の売上拡大を目指します。
国内事業においては、樹脂成形技術、EMC対策技術、熱対策技術の融合により既存市場を深耕するとともに、既存製品と新製品による未開拓市場の販売拡大に取り組みます。また、顕在化しているニーズの対応に加え、潜在的なテーマを予測し、利便性や付加価値を提供できる「先行提案型の製品開発」に取り組みます。
海外事業においては、日本で培ったEMC対策などのノウハウを活用することで、自動車市場、ICT市場、家電・OA機器市場での売上拡大を目指します。また、今後の市場動向を踏まえ、最適生産や拠点の統合・拡大などにより、経営資源を有効に活用します。
④ グループ経営基盤
当社グループのDXを推進するため、クラウド基盤・次世代ネットワーク技術を活用したグループICTインフラ基盤を構築します。
グループ全体のセキュリティレベル統一や高可用性基盤の構築による広域災害対策の強化などにより、グループ全体の事業継続性を確保します。また、グループ各社との迅速で安全な情報連携や人財プラットフォーム構築によるタレントマネジメントに取り組みます。
当社グループはこうした施策により、地球の未来に「信頼と安心」を届ける企業グループとして、より多くのお客様のニーズにお応えし、企業価値の向上に努めていきます。
当社グループは、「内部統制委員会」を設置し、取締役社長の下にリスク管理体制を構築しています。平時においては、各委員会および各本部において「経営リスク管理規程」に従いリスクの軽減等に取り組むとともに、有事においては「緊急時対応要領」に基づき対応する体制を整備し、リスク管理体制の推進を図っています。また主要な各グループ会社からもリスク管理活動に係る報告を受けています。
当社グループの財政状態および経営成績等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)時点において当社グループが判断したものです。当社グループは、これらのリスクを認識したうえで、発生の回避および発生したときの対応に万全を尽くす所存です。
(1)事業活動に係るリスク
1 事業環境について
当社グループの製品需要は、国内の民間非居住建築物棟数や機械受注に関連するものが多く最終的には国内の景気動向の影響を大きく受けます。また、情報通信分野および電子部品分野の製品においては技術革新が急速に進んでおり、保有する在庫の陳腐化や案件の失注等により当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業環境では、当該リスクが顕在化する可能性は常にあると認識していますが、コア事業競争力を高めるとともに、事業領域の拡大、東南アジア地域を中心とした海外事業基盤の確立や新規ビジネスの確立などの諸施策を推し進めています。
2 品質について
当社グループが提供している製品は、厳重な品質管理体制のもと製造・出荷されています。不具合等が発生した場合には迅速な対応を行う管理体制を構築していますが、消費生活用製品安全法および製造物責任法に関連した問題が発生した場合には、社会的評価、企業イメージ低下のリスクがあり、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが提供している製品は多品種であり個別仕様に基づくものも多くあるなど、当該リスクを完全に排除することは困難であると認識していますが、設計品質の向上、生産工程の改善、検査体制の拡充や品質教育の充実など品質保証体制の強化を着実に進めています。
3 情報システム、情報セキュリティについて
当社グループは、販売や生産等の事業活動において情報システムに依存しており、また顧客、仕入先、従業員等に関する機密情報や個人情報を扱うことがあります。不測の事態により情報システムの長期間停止、個人情報の流出などが発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
高度化するサイバー攻撃などにより当該リスクを完全に排除することは困難であると認識していますが、情報システムに対する外部攻撃対策、コンピュータウイルス対策、セキュリティ遵守に関する従業員教育等の実施により当該リスクの低減に努めるとともに、積極的に新しい情報システムの活用を継続しています。
4 労働環境について
当社グループの事業活動は、多くの役職員が携わることにより成立しています。人員の恒久的な不足、労働環境等の悪化による労災事故、労務コンプライアンス問題など、それらにともなう役職員のモラル低下などは当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
労働に対する価値観の多様化が進むなか、当該リスクが常に存在するものであることを認識していますが、グループとして「働きがい改革」を掲げ、安全対策、労働時間管理、相談窓口設置やモチベーション向上施策の実施などにより、健康的でやりがいのある職場環境を実現することで当該リスクの低減に努めています。
5 原材料の調達について
当社グループは鋼材、ステンレス材、樹脂材、伸銅材などの原材料を使用した製品を製造しています。国際的な政治・経済情勢や商品市況の動向により調達価格の高騰や供給が逼迫した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
供給が市況に左右される原材料を多く使用しているため当該リスクを完全に排除することは困難であると認識していますが、海外調達を含めた購買先の分散、機動的な在庫確保や使用部材の仕様変更などの施策を進めるとともに、共同購買などグループでの購買力を高めることで当該リスクの低減に努めています。
(2)経営戦略や中長期に顕在化する可能性のあるリスク
1 人材確保、人材育成について
当社グループの持続的な成長には、優秀な人材の確保や育成促進が前提となります。積極的な採用活動、外部専門知識の活用や社内教育制度の充実などを進めていますが、事業展開に必要な人材の確保が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続き採用手法の多様化、柔軟な人事制度、多様な人材の登用や教育制度の充実を図ることなどにより、持続的な成長に必要な人材の確保に努めていきます。
2 デジタル技術の進化について
デジタル革命の流れは、経営スピード、顧客との関係性や競争力などへ、より一層の影響を及ぼすものと予想されます。現在の競争優位の維持が困難となった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続きデジタル技術の活用を推進し、優位性のある販売システムやコスト競争力を高めることなどにより事業の競争優位性の維持に努めるとともに、ICTインフラ基盤の構築を通じてグループ経営基盤の強化を進めていきます。
3 事業ポートフォリオについて
当社グループは主に配・分電盤ならびにコンポーネントの製造、販売等を行う電気・情報インフラ関連 製造・工事・サービス事業をコア事業として、ネットワーク商材を扱う電気・情報インフラ関連 流通事業、電磁波環境コンポーネント等の製造、販売を行う電子部品関連 製造事業により構成されています。当社グループの業績はコア事業をおもに担う日東工業株式会社の業績に連動性が高く、コア事業の低迷は当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続きコア事業の一層の強化、各セグメント事業の成長、グローバル化の推進に加えて、EVインフラ、エネルギーマネジメント、防災・減災、働き方改革などに関連した事業領域の拡大、新規ビジネスへのチャレンジなどを通じてグループとしての成長に努めていきます。
4 海外事業展開について
当社グループは海外でも事業を展開しており、当社グループの成長の重要なキーとなっていますが、事業の低迷、国際的な政治・経済動向あるいは戦争、テロ、大規模自然災害、感染症の発生等により当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続き成長を続ける海外市場において強固な事業体制を構築し、東南アジア地域を中心としたビジネス展開に注力するとともに、グループガバナンス体制の強化を図ることによりグループとしての成長に努めていきます。
5 知的財産について
当社グループは多くの知的財産権を保有し、権利保護のため適切に維持、管理しています。また、第三者の知的財産権についても侵害することのないよう適時適切に調査検討しています。しかし、第三者との間で、無効、模倣、侵害等の知的財産権の問題が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
海外市場展開においては知的財産権の管理、とりわけ第三者の知的財産権への侵害等を回避することは事業活動に不可欠なものと認識しており、特許公報、海外規格の調査などを強化することにより当該リスクの低減に努めていきます。
6 環境問題について
地球環境に対する問題意識の高まりは、事業活動におけるエネルギー使用の合理化、環境負荷物質の規制強化による製品対応のみならず、当社グループの環境問題、とくに気候変動リスクの取り組み姿勢への評価などは当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
引き続き製造工程における廃棄物の抑制、エネルギー使用の合理化、地球環境に配慮した製品開発等に加えて、グリーンエネルギーへの切り替え、サプライチェーンや配送を含めたグループの事業活動全般にわたる環境課題に対する取り組みを強化することにより当該リスクの低減に努めていきます。
(3)その他
1 大規模災害等について
当社グループの中核企業である日東工業株式会社の本社および主要工場は、今後発生が予想される南海トラフ地震による被災の可能性が高い地域にあります。こうした大規模自然災害等が発生した場合、工場建屋や生産設備の被災、サプライチェーンの復旧遅れ、電力供給不足等により、生産能力および物流機能等に大きな影響が生じ、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
近い将来、南海トラフ地震による被災の確率は高いと認識しています。当社では人命を最優先に、大規模災害時の生産および販売への影響を最小限に抑えるため、防災訓練、安否確認訓練、各種耐震対策、データ管理の二重化等、事業継続計画の整備を積極的に進めています。
2 新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染拡大防止による経済活動の停滞がより一層長期にわたった場合、民間設備投資の腰折れ、電気・通信インフラ工事の中止や遅延による需要の減少などが想定され、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、一部在宅勤務によるテレワーク実施や事業所内の飛沫対策、出勤者への検温実施の徹底などの対策を講じてきました。また、一部の海外調達品の在庫確保や国内調達への代替などに取り組んできました。提出日現在(2021年6月30日)全事業所において概ね通常通りの稼働をしています。しかしながら顧客への訪問の自粛など営業活動は引き続き制限を受けており、断続的な感染拡大やそれにともなう緊急事態宣言による影響が出ています。引き続き感染症拡大防止対策を継続して安全確保に努めたうえで事業継続を進めています。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、コロナ禍の影響から企業収益や個人消費が急速に悪化しました。経済活動の段階的な再開とともに景気回復の兆しが見えつつも、新型コロナウイルス感染症が再拡大するなど未だに収束時期は見通せず、先行き不透明な状況が続いています。
当業界におきましては、機械受注は持ち直しの動きが見られたものの、新設住宅着工戸数や民間非居住建築物棟数は軟調に推移しており、今後の動向に注視が必要な事業環境となりました。
このような情勢下にあって当社グループは、2018年3月期よりスタートした「2020中期経営計画」に基づき、次世代のビジネスモデル創造に向け、コア事業である配・分電盤ならびにその部材の製造・販売強化に加え、海外事業や新規事業を早期に確立すべく、各種施策に取り組みました。当連結会計年度においては、第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件獲得により、情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。しかし、コロナ禍の影響から配電盤関連製造事業や電子部品関連事業の売上が減少した結果、売上高は137,902百万円と前期比1.1%の減収、営業利益は12,333百万円と同0.6%の減益となりました。一方、為替換算の影響などにより経常利益は12,660百万円と同5.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と同9.7%の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(配電盤関連製造事業)
(イ)配電盤部門
配電盤部門につきましては、5G関連等の設備投資案件を獲得したものの、前期計上の学校空調に関連した製品の売上剥落やコロナ禍の影響による売上減少などにより、売上高は39,909百万円と前期比15.9%の減収となりました。
(ロ)キャビネット部門
キャビネット部門につきましては、5G関連等の設備投資に伴いシステムラックの売上が増加したほか、GIGAスクール構想に関連した設備投資案件を獲得したことにより一部製品の売上が増加しました。しかし、コロナ禍の影響やFA関連市場の停滞によりボックス等の売上が減少した結果、売上高は22,716百万円と同7.6%の減収となりました。
(ハ)遮断器・開閉器部門
遮断器・開閉器部門につきましては、自然災害に対する防災意識の高まりから商用電源と非常用電源を切り替える開閉器の売上が増加したほか、海外子会社であるELETTO(THAILAND)CO.,LTDの売上が増加した結果、売上高は5,521百万円と同6.4%の増収となりました。
(ニ)パーツ・その他部門
パーツ・その他部門につきましては、コロナ禍の影響やFA関連市場の停滞によるボックス等の売上減少に伴い、熱関連機器や盤用パーツの売上が減少した結果、売上高は5,867百万円と同11.4%の減収となりました。
以上の結果、配電盤関連製造事業の売上高は74,015百万円と前期比11.7%の減収、セグメント利益(営業利益)は9,432百万円と同6.7%の減益となりました。
(情報通信関連流通事業)
情報通信関連流通事業につきましては、5G関連やGIGAスクール構想案件の売上が好調に推移したほか、中・大型オフィス移転案件を獲得したことにより主力のネットワーク機器やその部材の売上が増加しました。加えて、テレワーク需要拡大によりヘッドセットやスピーカーフォンなどの売上が増加したことなどから、売上高は49,893百万円と前期比22.4%の増収、セグメント利益(営業利益)は1,943百万円と同81.6%の増益となりました。
(工事・サービス事業)
工事・サービス事業につきましては、オフィスレイアウト変更やテレワーク対応、GIGAスクール構想関連などの特需案件を多く獲得しました。しかし、コロナ禍の影響により従来の工事案件等が減少した結果、売上高は2,799百万円と前期比1.0%の減収となりました。一方、外部委託費が縮小したことなどにより、セグメント利益(営業利益)は251百万円と同23.3%の増益となりました。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業につきましては、コロナ禍の影響から欧州向けの人工呼吸器の需要が高まったことに伴い、関連するEMC対策製品の売上が増加しました。また、下半期においては国内外の自動車関連市場や業務用エアコンに関連した製品の需要が急速に回復しました。しかし、上半期における同市場の低迷などの影響が大きく、売上高は11,194百万円と前期比6.4%の減収、セグメント利益(営業利益)は689百万円と同31.9%の減益となりました。
当期の財政状態の概況は、次のとおりです。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて5.5%増加し、81,785百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加4,858百万円などによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて0.8%増加し、46,027百万円となりました。これは主に退職給付に係る資産の増加1,399百万円などによるものです。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べて3.7%増加し、127,812百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて10.7%減少し、26,550百万円となりました。これは主に短期借入金の減少1,605百万円や未払法人税等の減少1,185百万円などによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて3.3%減少し、2,515百万円となりました。これは主に長期未払金の減少53百万円などによるものです。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べて10.1%減少し、29,066百万円となりました。
(純資産)
純資産合計は、剰余金の配当2,229百万円などによる減少がある一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上8,827百万円などにより、前連結会計年度末に比べて8.6%増加し、98,746百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4,680百万円増加の34,301百万円となりました。
なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは12,250百万円(前連結会計年度12,649百万円)となりました。これは、税金等調整前当期純利益12,629百万円の計上に対し、減価償却費の計上3,857百万円やのれん償却額の計上859百万円などによる資金の増加があった一方で、法人税等の支払額5,050百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは△3,857百万円(前連結会計年度4,920百万円)となりました。これは定期預金の払戻による収入837百万円などによる資金の増加があった一方で、固定資産の取得による支出4,939百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは△3,880百万円(前連結会計年度△26,925百万円)となりました。これは、短期借入金の純減少額1,597百万円や配当金の支払額2,227百万円などによる資金の減少があったことによるものです。
当社グループは「配電盤関連製造事業」「情報通信関連流通事業」「工事・サービス事業」「電子部品関連事業」の事業活動を展開しています。
当連結会計年度の「生産、受注及び販売の実績」をセグメント別に示すと以下のとおりであり、「配電盤関連製造事業」については部門別の実績を記載しています。
なお、「工事・サービス事業」については、生産実績、商品仕入実績を定義することが困難であるため記載していません。
当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注)1 金額は仕入価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
2 上記の金額には、消費税等は含まれていません。
当社グループは製品の性質上、原則として需要予測による見込生産方式をとっているため、記載を省略しています。
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
当連結会計年度においては、第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件獲得により、情報通信関連流通事業の売上が大幅に伸長しました。しかし、コロナ禍の影響から配電盤関連製造事業や電子部品関連事業の売上が減少した結果、売上高は137,902百万円と前期比1.1%の減収、営業利益は12,333百万円と同0.6%の減益となりました。一方、為替換算の影響などにより経常利益は12,660百万円と同5.2%の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と同9.7%の増益となりました。
新型コロナウイルス感染症による2021年3月期業績への影響については、国内事業においては、コロナ禍のマイナス影響を受けた一方、テレワーク需要の高まりなどにより関連商材の売上が堅調に推移したほか、オフィスレイアウト変更に伴うネットワーク工事などの売上が増加しました。海外事業においては、中国は比較的早期に回復したものの、シンガポールではロックダウンの影響により生産・販売活動が停滞、タイでは新設した配電盤工場の設備導入が遅れ、稼働開始が延期となるなど、全般的に厳しい状況となりました。
セグメント別の売上高及び営業利益の分析内容は以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1 売上高におけるセグメント間の取引については相殺消去しています。
2 営業利益の各セグメントの金額は、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
配電盤関連製造事業は、5GやGIGAスクール構想に関連した設備投資案件を獲得したことにより一部製品の売上が増加したものの、前期計上の学校空調に関連した製品の売上剥落やコロナ禍の影響による売上減少などにより、減収減益となりました。
情報通信関連流通事業は、5G関連やGIGAスクール構想案件の売上が好調に推移したほか、中・大型オフィス移転案件やテレワーク需要拡大などにより売上が増加したことなどから、増収増益となりました。
工事・サービス事業は、オフィスレイアウト変更やテレワーク対応、GIGAスクール構想関連などの特需案件を多く獲得したものの、コロナ禍の影響により従来の工事案件等が減少した結果、全体では減収となりました。一方、利益面では外部委託費が縮小したことなどにより増益となりました。
電子部品関連事業は、コロナ禍の影響から欧州向けの人工呼吸器の需要が高まったことに伴い、関連するEMC対策製品の売上が増加しました。また、下半期においては国内外の自動車関連市場や業務用エアコンに関連した製品の需要が急速に回復しました。しかし、上半期における同市場の低迷などの影響が大きく、通期では減収減益となりました。
営業利益以下の分析内容は以下のとおりです。
(経常利益)
為替換算の影響などにより営業外損益が改善し、経常利益は12,660百万円と前期比5.2%の増益となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別損益については大きな変動はなく、税金等調整前当期純利益は前期比5.7%増益の12,629百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
コロナ禍の影響などによる交際費の減少に伴い税効果会計適用後の法人税等の負担率が減少したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は8,827百万円と前期比9.7%の増益となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の198円93銭から218円16銭に増加しました。
2020年度を最終年度とする「2020中期経営計画」結果と、2023年度を最終年度とする「2023中期経営計画」は以下のとおりです。
(単位:億円)
(注)1 2017年3月期において策定したものです。
2 2021年3月期において策定したものです。
3 2021年5月13日に公表したものです。
2021年3月期は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの第5世代移動通信システム「5G」や「GIGAスクール構想」案件の獲得、テレワーク関連商材の拡販に注力したことにより、2020中期経営計画の目標である連結売上高1,250百万円、連結営業利益100百万円を達成しました。
また、2021年度から2023年度の3年間を対象とした「2023中期経営計画」を新たに策定し、最終年度である2023年度の財務目標を連結売上高1,500億円、連結営業利益130億円、連結ROE7.0%以上としました。なお、本計画については、新型コロナウイルス感染拡大の市況影響が、2022年度から緩やかに回復していくことを前提とし、中期経営計画最終年度までに感染拡大前の水準まで業績を回復させることを目指すとともに、2024年度以降の成長に向けた準備(足場固め)にも重点を置き進めていきます。連結ROEについては、2024年4月稼働予定の瀬戸工場関連費用など大型投資による業績への影響を勘案した数値とし、株主資本コストを上回る水準を維持することを目指します。
「2023中期経営計画」の初年度となる2022年3月期の計画につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動への制約は徐々に緩和され、段階的に経済活動が再開すると判断していますが、前期計上したGIGAスクール構想案件の売上剥落などもあり売上高136,000百万円(前期比1.4%の減収)、営業利益は9,500百万円(同23.0%の減益)を見込んでいます。
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが12,250百万円、投資活動によるキャッシュ・フローが△3,857百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが△3,880百万円となりました。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の29,620百万円から4,680百万円増加し、34,301百万円となりました。
当連結会計年度における借入金残高は3,133百万円となっていますが、本借入金額は当社グループの資産額を鑑みるに十分返済可能な額であり、当社グループの資本の財源及び資金の流動性に与える影響は軽微であると考えています。
当社グループの資金需要のうち主なものは、部材購入費、人件費および新製品ならびに合理化・省力化用の設備投資にかかるものです。また、市場優位性確保のための研究開発投資についても積極的に行っています。
当社グループの運転資金及び設備資金については、主に自己資金を充当しています。当連結会計年度においては、生産設備の取得・更新のほか、基幹システムの再構築やNITTO KOGYO BM(THAILAND)CO.,LTDにおける新工場建屋建築工事などによる支出があり、キャッシュ・フローが減少する主な要因となっていますが、投資活動による支出は、営業活動によるキャッシュ・フローの範囲内に収まっています。また、今後の運転資金、設備資金及び研究開発投資資金については、従来と同様に財務内容及び営業キャッシュ・フロー等による自己資金を主に充当することとしています。なお、愛知県瀬戸市に建設予定の瀬戸工場については、約250億円の大型投資になることが見込まれることから、今後の所要資金は自己資金及び金融機関からの借入金等により賄う予定です。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、当該影響による経済活動への制約は徐々に緩和され、段階的に経済活動が再開するという前提で2022年3月期の経営計画を策定しており、提出日現在において当該事象が当社グループのキャッシュ・フローや資金の流動性に与える影響は一時的なものであると考えています。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の収束時期は未だ不透明であることから、想定以上に事態が悪化した場合に備え、グループ資金の効率化の推進や新たな資金調達方法の検討など、資金の流動性を確保するための取り組みを進めています。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成にあたり、棚卸資産、有価証券、有形・無形固定資産、各引当金等の計上に関しては、一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠した当社グループ会計方針および見積り基準に基づき計上しています。上記の会計上の見積りは、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示および報告対象期間の収益・費用の金額に影響を与える様々な見積りや仮定を用いており、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しています。
該当事項はありません。
当社グループは、「配電盤関連製造事業」及び「電子部品関連事業」において各分野の商品を研究開発し、幅広く市場に展開しています。
当連結会計年度の研究開発費は
1 配電盤関連製造事業
当連結会計年度の研究開発活動については、機能、性能、デザイン性などの先進性を追求するとともに、安全、環境、品質への配慮と省スペース、省施工などをテーマにした商品の研究開発ならびに既存製品の原価低減活動を行いました。
当セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は
配電盤は、最大設備容量250kVAに対応したキュービクル・小型シリーズを機種追加しました。小規模設備に適したコンパクトな高圧受電設備で、アンカーボルト後打ち可能な構造、ベース部に吊り上げ構造を採用し、省施工に貢献します。
住宅用分電盤は、停電時に太陽光発電や蓄電池からの給電に切替えを行う『電源切替機能付ホーム分電盤』の開発と機種追加を行いました。同製品の活用により停電時に予備電源に切替え、ライフラインに必要な電源確保が可能となります。
また、海外開発部門ではNITTO KOGYO BM(THAILAND)CO.,LTD.新工場立ち上げに合わせ、ローカル市場向け分電盤シリーズの拡充を行いました。ターゲット市場の多角化により売上確保に貢献します。
その他、デジタルグリッド株式会社が提供するデジタルグリッドプラットフォームを利用した電力取引実証プロジェクトに参加しています。当社はデジタルグリッド社の電力を識別する技術や電力融通制御指令に対応した分電盤の開発を目指し、再生可能エネルギーの円滑な拡大と誰もが電力取引に参加できる環境づくりに貢献していきます。
働き方改革に伴うテレワークスペースやWeb会議用個室スペースの需要増加を背景に、当社の筐体製造技術を活かした『プライベートボックス』を開発しました。機能としては消火装置、換気ファン、鍵、照明、USBポート、コンセント等を標準装備し、防火性や防犯性、換気性に優れています。またボックス内部に吸音パネルを装備し、外部からの音を低減しました。更に空間をデザインする株式会社サンゲツとのコラボレーションにより、お客様の様々なニーズにお応えし快適なプライベート空間を実現します。
キャビネットは、近年の地球温暖化によるゲリラ豪雨や大型台風に伴う暴風雨など異常気象を背景に、耐風雨性能を大幅に向上させた『耐風雨キャビネット タフテクト』を開発しました。一般財団法人建材試験センターの団体規格JSTM W 6401「キャビネット及び宅配ボックスの水漏れ試験方法」に基づき、製品の風雨等級WPコードで業界最高レベルのWP50H、IP66を満足しました。さらに耐風雨性能のみならず、防錆性、安全性にも優れています。
システムラックは、文部科学省が打ち出した「GIGAスクール構想」に関連した『タブレット収納庫』を製品化しました。『タブレット収納庫』は、学校・オフィスなどで、タブレットPC・タブレット端末などを充電しながら収納できる製品です。タブレット端末の場合、40台まで収納可能で、鍵付き仕様(ドア・背面板)によりセキュリティ性を確保しています。また、大型キャスター、移動用ハンドル、電源ケーブル用フックを装備し移動が容易です。
遮断器・開閉器は、商用電源と蓄電池からの給電に切り替える自動電源切替開閉器で高容量の75Aを機種追加しました。また、住宅用分電盤のリニューアルに最適な主幹用感震ブレーカーを発売し、地震発生時の電気火災防止に貢献しています。
その他、スタートアップ企業との協業により、当社設備機器と連携する簡易IoT製品の開発を進めています。
熱関連製品は、『ステンレス製ルーバー』をモデルチェンジしました。近年の屋外インフラ設備では、キャビネット内部の機器発熱と日射による温度上昇の対策が重要視されており、換気面積約70%向上、クリーム色塗装の標準化、高風量タイプの機種追加、火災予防条例対応フィルターの標準装備など、従来モデルに対するお客様からの要望を改善し、新たな製品として発売し、屋外キャビネットの熱対策に貢献します。
EV用普通充電器は、エネルギーマネジメントが可能な新型充電器『Pit-2G』を開発しました。4G通信モデルは、Webアプリを使って充電スケジュール設定や充電出力の調整などの遠隔制御が可能です。この機能により、電力需要の大きい昼間は充電を止め、夜間になってから自動で充電を始めるようにするなどのデマンド値上昇の抑制ができます。また、従来の約2倍の出力が出せる6kWモデルもラインナップしました。EV用普通充電器のリーディングカンパニーとしてEV促進および脱炭素社会の実現に寄与していきます。
その他、昨年度開発した、電気火災の主な原因となる火花放電を検出し、電気火災の未然防止に貢献する放電検出ユニット「スパーテクト」の普及拡大を図るとともに、シリーズ強化に取組んでいます。
当社製品は、情報化社会の発展に伴い、屋外に設置される監視カメラ、携帯基地局など情報通信インフラの重要度が増す中、ゲリラ豪雨、強風、地震などの過酷な自然環境にも耐える性能が要求されています。当社は、業界に先駆け暴風雨を模擬できる「風雨試験設備」及び実際の地震の揺れを再現可能な「3軸耐震試験設備」を導入し、新たな市場開拓や顧客要求を満足する製品の研究開発を行っています。キャビネットに対する保護性能評価は、「危険な箇所への接近や外来固形物の侵入」と「水の浸入に対する保護」について別々に試験評価され、IP性能(防塵・防水性能)で表示されていますが、屋外キャビネットで風と雨を同時に試験評価するため、一般財団法人建材試験センターと国立研究開発法人防災科学技術研究所のご協力をいただき、風雨等級(WP)で性能表示される風雨性能評価基準を制定しました。
また、今後成長が見込まれる分野に向けた研究も進めています。次世代技術を構築するため、データセンター関連では熱対策技術、屋外用設備については騒音対策や屋外設置環境技術、また省エネルギーおよび安全性に関する研究や防災関連では放電検出技術の研究を行っています。
2 電子部品関連事業
当連結会計年度の研究開発活動については、電磁波障害や省力化・自動化に付随する問題を中心に、熱マネジメント、振動衝撃問題や音問題などの対策技術(ソフトソリューション)・対策製品を含めた各種環境対策技術の開発および薄膜技術の応用開発に取り組みました。
当セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費は
(1) 電磁波環境コンポーネント部品
CO2削減に向けて自動車の電動化が加速する中で、HEV・EV・PHEV等の環境自動車(もしくは「新エネルギー自動車」)用ノイズフィルターの高インピーダンス化やユニット化の取り組みを強化しました。
また、基板上でのグランド強化部材として振動耐久性に優れた低背仕様の自動実装グランド部品を新たに開発しました。
(2) 精密エンジニアリングコンポーネント部品
通信機器や金融端末市場向けにUSBやHDMI等のコネクターの抜け防止製品を開発しました。また、多機能化の要求に対応すべく、樹脂と金属の複合部材の開発も強化しました。
ほかにも、信州大学と共同で国プロジェクトに参画し、SDGsへ貢献する新規カーボンナノチューブ複合樹脂の研究を進めています。
(3) 熱対策技術
自動車市場において自動運転技術に必要な高速画像処理や各種センサーの搭載増加や、環境自動車に搭載されるバッテリーの容量拡大や小型化に対する温度管理の重要性から熱対策製品の需要が拡大しており、これらに向けた高熱伝導性能や低反発性を向上した熱伝導シートの新製品を開発しました。また、5G時代を迎えた通信機器市場においては、SoCなど高密度高実装デバイス向けにディスペンサーによる自動実装塗布が可能で、グリスの様な液だれしない液状熱伝導材の汎用タイプを新たに開発しました。
(4) 振動・衝撃・音対策技術
車載市場において振動対策部材の開発や振動・衝撃対策材料として独自の新規素材の開発を進めています。
また、素材開発のみならず実機評価からの最適な振動対策支援も積極的に進め、ソフトソリューションサービスにも注力しています。
(5) 薄膜技術応用開発
機能性薄膜の各種機能性(透明性、導電性、反射率、色味等)を変化・向上させた製品をお客様と共同開発することにより、幅広いマーケットへの展開を実施しています。
(6) 素材開発
材料コンパウンド技術を活用した医療用材料や環境対応材料、コンポジット材料、ナノスケール素材、薄膜を応用するセンサーの研究開発を進めています。さらにセンサーのモジュール化には、保有するコア技術である樹脂成形、スパッタリング、コーティングなどの融合や新技術開発を目指しています。