第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、情報と制御の独創技術をコアとし、環境に優しい安全で快適な社会の実現及びCS(顧客満足)経営に徹した事業活動を行い、また、人間尊重を基本とした人との出会いを大切にする企業グループを目指し、グループ経営の高効率化を図り、株主価値の向上を目指すことを基本方針としております。

 


 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、2022年から2026年を最終年度とする中期経営計画(SEIKO IC2026)において、目標とする経営指標として売上高、営業利益、営業利益率、ROE及びROICを掲げております。最終年度となる2026年12月期の目標値は、売上高400億円、営業利益36億円、営業利益率9.0%、ROE15.0%、ROIC11.0%であります。

 

(3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、デジタル活用の重要性が一層増大しております。また、持続可能な社会、脱炭素社会の実現に向けて、今後ますます再生可能エネルギーの導入やエネルギー利用の効率化へのニーズが高まってくることが予想されます。
 当社グループは、このような事業環境を成長のチャンスと捉え、2022年度からスタートする新中期経営計画(SEIKO IC2026)を策定し、以下の施策に取り組んでまいります。

 

①デジタルファースト(デジタル技術を活用した社会課題解決)
 AI(人工知能)、IoT、5G、ロボットなどの最新技術を各事業分野に展開し、デジタル技術でスマート社会に対応した新製品・サービスを提供することにより、さまざまな社会課題解決の実現を目指してまいります。

 

②脱炭素社会の実現(カーボンニュートラルへの取り組み)
 再生可能エネルギーを活用した独自のソリューションにより、アジアを中心にグローバル展開し、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。

 

③One 正興(グループ総合力の発揮)
 当社グループが持つ、OT(制御・運用技術)・IT(情報技術)・プロダクト(モノづくり)・AIを活かし、Oneストップでトータルソリューションをお客さまに提供するとともに、スマートファクトリー化の推進など生産性の向上に取り組んでまいります。
 また、多様な人財の育成・活用や積極的なオープンイノベーションの推進により、新技術・新事業の創出や海外への事業展開を加速してまいります。

 

当社グループは、企業活動・事業活動を通じた社会課題解決により、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。また、健康経営の推進やIR活動の強化、コーポレートガバナンスの充実を図ることにより、企業価値を向上させて、株主さまをはじめとするすべてのステークホルダーの皆さまから信頼される企業グループを目指してまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 事業環境について

当社グループの事業は、電力システム、受配電システム、制御システム等の設備投資の動向に影響を受けます。当社グループの利益計画は、国内外の設備投資動向予測を織り込んで策定しておりますが、その動向が予想を超えて変化した場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では事業環境の変化による経営成績の変動リスクに備えて、各事業の状況や市場動向のモニタリングにより新規事業の推進や海外事業の拡大に取り組んでおります。

(2) 法的規制について

当社グループの事業は、事業展開している国及び地域での規制並びに法令等の適用を受けており、これらの遵守に努めております。また一部の事業に関しては、日本国内での事業活動に際し、建設業法の法的規制の適用を受け、特定建設業許可及び一般建設業許可を受けております。

当社グループでは、コンプライアンス体制を強化しており、現時点において、当該許認可等の処分事由や取消事由に該当する事実の発生はないと認識しております。しかしながら、今後において、規制並びに法令等に変更が発生した場合、また万が一法令違反等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、各種規制並びに法令等の事前確認と遵守に向けた啓発活動に努めております。

(3) 入札制度について

当社グループでは、官公庁等に電気設備及び水処理設備等を販売しております。これらの販売に際しては官公庁等が実施する入札に応募することになりますが、入札制度の変更や過当競争による入札価格の低下により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、入札情報等の収集及び分析に努めるとともに、入札競争力向上を図っております。

(4) 事故・災害・感染症等のリスクについて

予期せぬ事故及び災害並びに感染症等の発生により、当社グループ及び販売先並びに仕入先等の活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、非常時の対応マニュアルの整備、社員の安否確認方法及び緊急連絡体制の確立、災害発生を想定した実施訓練などに取り組んでおります。

(5) 取引先の信用リスクについて

当社グループの事業は、製品引渡後に代金が支払われる請負契約が多いため、代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では信用リスクに備えて、信用調査等に基づく取引先の評価を厳格に行い、各取引先に供与する信用上限である「与信限度額」を設定し、その範囲での取引を基本としております。

(6) 技術力について

当社グループでは、市場ニーズに基づいた製品開発及び製品化のため、各事業部門で研究開発を行っておりますが、開発計画が予定通りに進捗せず、市場投入が遅れた場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、研究開発の統括部署において開発状況のモニタリングを行っており、各事業部門からの定期的な成果報告などで開発計画の進捗管理を行っております。

(7) カントリーリスクについて

当社グループは、中国及び東南アジア地域において事業を推進しております。これらの地域において、経済、政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではカントリーリスクに備えて、当該地域の拠点と緊密なコミュニケーションをとることに加え、取引先及び金融機関などから情報収集を行っております。

 

(8) 資産保有リスクについて

当社グループでは、営業活動のため、有価証券等の資産を保有しており、時価の変動等により経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産については、資産グループが属する事業の経営環境の悪化等により、減損損失の計上が必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では資産保有リスクに備えて、有価証券については個別銘柄ごとに保有意義を検証し、取締役会にて保有の適否を判断しております。また、固定資産については各事業部門の経営計画のモニタリングを行い、経営環境の変化を的確に把握して、減損の兆候の早期発見と経営計画の修正を行っております。

(9) 製品の欠陥について

当社グループの製品の品質には万全を期しておりますが、契約不適合責任、製造物責任による損害賠償が発生した場合は、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、グループ横断的な品質管理・改善活動に向けた体制を整備し、品質確保及び改善に向けた取組みを行っております。

(10) 関連当事者との関係について

当社グループでは、関連当事者との良好な関係を維持し、取引を増加させることで共通の利益を増加させるよう努めておりますが、今後、予期せぬ要因で良好な関係を維持することができなくなった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 業績の季節的変動について

当社グループの業績は、販売先の設備投資予算の執行状況により、第1四半期連結会計期間と第4四半期連結会計期間に、売上高及び利益が偏重する傾向にあります。当社では業績の季節的変動に備えて、受注計画及び工事計画の精査による生産の平準化対策を行い、当社グループの生産拠点である古賀事業所の安定した生産高の確保に取り組んでおります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度は、地球温暖化やそれに伴う様々な自然環境の悪化を背景に脱炭素の機運が高まり、COP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)の開催をはじめ、世界各国の企業や団体による取り組みが進みました。また2020年から続くコロナ禍はデジタル化を一気に加速させ、人々の働き方や生活様式が一変しました。こうした流れを受けて、企業においては再エネ・省エネ投資に加えて、デジタルトランスフォーメーションを指向した情報化投資が加速しました。
 このような状況の中、当社グループは創立100周年を迎え、中期経営計画(SEIKO IC2021)のもと、「事業の拡大」と「高収益体質への転換」の実現に向け、「グループ総合力発揮による社会インフラ事業の展開」「海外事業の拡大」「生産性の向上」の3つの重点施策に取り組んでまいりました。
 当連結会計年度の業績は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、海外拠点では営業・生産活動が一時的に停滞し、サービス部門でも再生可能エネルギー関連で工事着工や進捗遅れが発生したことにより売上高が減少したものの、全社で付加価値向上に取り組み、電力部門及び環境エネルギー部門などの国内主力事業は堅調に推移しました。
 その結果、当連結会計年度の業績は、電力部門の情報制御や発変電分野、環境エネルギー部門の公共分野や情報部門が堅調に推移したことにより、受注高は26,994百万円前期比 1.9%増)、売上高は24,596百万円同 5.2%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は1,406百万円同 6.1%増)、経常利益は1,540百万円同 14.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,056百万円同 1.6%増)となりました。
 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

(電力部門)
 電力会社における業務のデジタル化、高度化、省人化を目的とした運用・制御システムに加えて、再エネの固定価格買取制度(FIT)が適用される水力発電所向けシステムが堅調に推移し、売上高は7,388百万円前期比 24.2%増)、セグメント利益は607百万円同 23.3%増)となりました。

(環境エネルギー部門)
 国内において、公共分野の水処理設備向け監視制御システムが堅調であったものの、一般産業向けが低調となりました。また中国において、新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動が停滞したことなどにより、売上高は11,065百万円前期比 5.7%減)、セグメント利益は426百万円同 23.5%減)となりました。

(情報部門)
 受託開発分野においては、国内でセキュリティシステムや金融機関向けシステムが堅調に推移し、フィリピンでも日系企業向けのシステム開発が増加しました。一方、港湾分野においては、受注は堅調であったものの、売上が次年度に集中したことにより、売上高は1,182百万円前期比 4.4%減)となりましたが、利益率は改善し、セグメント利益は156百万円同 112.1%増)となりました。
(サービス部門)
 顔認証カメラ等の需要が一巡したことで販売数が減少しました。太陽光発電設備関連製品は堅調に推移し、売上高は3,022百万円前期比 3.3%増)となりましたが、利益率は悪化し、セグメント利益は99百万円同 17.3%減)となりました。

(その他)

 発変電所向け工事が堅調に推移したことや、オフィス向けの調光フィルムの販売が増加したこと等により、売上高は1,937百万円前期比 26.1%増)、セグメント利益は116百万円同 44.0%増)となりました。

 

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,885百万円増加25,793百万円となりました。負債は、

前連結会計年度末に比べ1,092百万円増加14,853百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ793百万円増加10,940百万円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ25百万円増加1,845百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、1,638百万円前連結会計年度は644百万円の減少)となりました。これは、電力部門において情報制御システム関連の大型プロジェクトが進んだこと等で売上債権が1,219百万円増加したものの、税金等調整前当期純利益1,540百万円の計上や、たな卸資産の減少650百万円及び仕入債務の増加652百万円等により収入が増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、1,785百万円前連結会計年度は617百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得により1,672百万円支出したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により得られた資金は、154百万円前連結会計年度は1,518百万円の増加)となりました。これは、古賀事業所のリニューアル投資のために長期借入1,600百万円を実行し、収入が増加した一方で、長期借入金133百万円の返済や短期借入金974百万円の減少、及び配当金302百万円の支払い等により、支出が発生したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

電力部門

7,255

+26.1

環境エネルギー部門

10,411

△15.8

情報部門

1,173

△0.1

サービス部門

3,069

+2.3

その他

1,784

+6.2

合計

23,694

△1.2

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  金額は、販売価格によっております。

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4 金額には、仕入実績を含んでおります。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

電力部門

7,623

+10.6

5,128

+4.8

環境エネルギー部門

12,476

+0.2

11,026

+14.8

情報部門

1,197

+16.0

581

+2.9

サービス部門

3,756

△18.5

3,845

+23.8

その他

1,938

+27.5

497

+0.7

合計

26,994

+1.9

21,078

+13.0

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

電力部門

7,388

+24.2

環境エネルギー部門

11,065

△5.7

情報部門

1,182

△4.4

サービス部門

3,022

+3.3

その他

1,937

+26.1

合計

24,596

+5.2

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

九州電力㈱

5,061

21.6

6,992

28.4

 

3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成において見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき会計上の見積りを行っております。特に、工事進行基準による収益の計上については、会計上の見積りが経営成績等に重要な影響を与えると判断しております。なお、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成において採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a. 財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度における流動資産の残高は16,945百万円前連結会計年度は16,473百万円)となり、471百万円増加いたしました。
 これは、仕掛品が減少(2,333百万円から1,621百万円に減少)したものの、受取手形及び売掛金が増加(10,885百万円から12,155百万円に増加)したためであります。
(固定資産)
 当連結会計年度における固定資産の残高は8,848百万円前連結会計年度は7,434百万円)となり、1,414百万円増加いたしました。
 これは、主に有形固定資産が取得により増加(4,137百万円から5,399百万円に増加)したためであります。

 

(流動負債)
 当連結会計年度における流動負債の残高は11,252百万円前連結会計年度は11,573百万円)となり、320百万円減少いたしました。
 これは、主に短期借入金が減少(3,190百万円から2,475百万円に減少)したためであります。
(固定負債)
 当連結会計年度における固定負債の残高は3,600百万円前連結会計年度は2,186百万円)となり、1,413百万円増加いたしました。

 これは、主に長期借入金が1,237百万円増加したためであります。

(純資産)
 当連結会計年度における純資産の残高は10,940百万円前連結会計年度は10,147百万円)となり、793百万円増加いたしました。
 これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が増加(4,817百万円から5,570百万円に増加)したためであります。

 

b. 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は24,596百万円前期比 5.2%増)となり、前連結会計年度と比較して1,213百万円増加いたしました。セグメント別の売上高につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は4,415百万円前期比 5.9%増)となり、前連結会計年度と比較して246百万円増加し、売上総利益率は0.2ポイント増加し、18.0%となりました。これは、主に電力部門が堅調に推移したためであります。

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して164百万円増加し、3,008百万円前期比 5.8%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度と比較して81百万円増加し、1,406百万円前期比 6.1%増)、営業利益率は5.7%となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、当連結会計年度は補助金収入が発生したこと等により、前連結会計年度と比較して57百万円増加し、183百万円前期比 45.4%増)となりました。

営業外費用は、投資有価証券評価損の発生がなかったこと等により、前連結会計年度と比較して54百万円減少し、49百万円前期比 52.5%減)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度と比較して192百万円増加し、1,540百万円前期比 14.3%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における法人税等合計は、前連結会計年度と比較して176百万円増加し、484百万円前期比 57.2%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が増加したことや、前連結会計年度に発生していた完全子会社の吸収合併による税務上の繰越欠損金の引継ぎや、税効果会計の評価見直しによる税負担の軽減効果がなくなったためであります。

以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して16百万円増加し、1,056百万円前期比 1.6%増)、ROEは0.7ポイント減少し、10.0%となりました。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因について

「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

 

d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フローの分析)

当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して25百万円増加し、1,845百万円となりました。なお、各キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(資金需要)

当社グループの資金需要は営業・生産活動に必要な運転資金の他に、設備投資及び研究開発費並びに配当支払いなどがあります。なお、重要な設備の新設等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画」に記載しております。

(資金調達)

当社グループは資金需要に対して、営業活動により獲得した資金を充当し、不足分については取引先金融機関から調達しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

技術導入契約

 

契約会社名

相手方の名称

国名

内容

契約年月日

有効期間

㈱正興電機製作所

㈱日立製作所

日本

配電盤関係

1961年5月1日

(*1)

発変電所集中制御用制御装置及び配電自動制御システム

1975年2月21日

(*1)

火力発電所用コントロールセンタ、ロードセンタ、磁気遮断器及び真空遮断器内蔵の所内高圧閉鎖配電盤

1981年6月26日

(*1)

原子力発電所用コントロールセンタ、パワーセンタ

1983年6月1日

(*2)

 

(注) 1  *1  いずれか一方から特段の申し出がない限り2年毎に自動更新されます。

*2  いずれか一方から特段の申し出がない限り3年毎に自動更新されます。

2  上記契約に基づくロイヤリティとして売上高の2%~3%を支払っております。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、電力・環境などの社会インフラ事業に加え、カーボンニュートラルを実現する蓄電システム・小水力発電システム、AI搭載のロボット・カメラ、DX事業、健康経営支援ソリューション事業に対して重点的に研究開発資源を配分し、「グループ総合力発揮による社会イノベーション事業の展開」「海外事業の拡大」「生産性の向上」の3つの重点課題に取り組んでおり、事業活動を通じた社会課題解決により、サステナブルな社会の実現に貢献してまいります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額で142百万円であり、この中には受託研究等の費用39百万円が含まれております。

 

(1) 電力事業

正興グループの総合力を発揮し、これまで培ってきた技術に新規技術を導入して事業の拡大を推進しております。

2021年度は、国の補助事業を活用して「ローカル5Gとロボットで巡視点検の自動化(スマート保安)」の実証、県の補助事業を活用した「AI機能内蔵ARスマートグラスによる遠隔操作支援DXプラットフォームの開発」、MRグラスを利用した、設備操作支援システムの開発などを行い、新たな事業への開始の年度となりました。

また、既存の変電所の監視制御装置について、次期及び次世代を見据えた仕様の検討を電力会社殿と共同で進めております。

当事業に係る研究開発費は、38百万円であります。

 

 

(2) 環境エネルギー事業

水処理システムへのAI導入に向けた「水処理のAI導入の研究」を大学と共同研究で進めております。また、パワーエレクトロニクス分野では、カーボンニュートラルの実現に貢献する製品としてソーラカーポート、中容量蓄電システム(出力:50/100kW・蓄電容量:215/410kWh)の販売を開始いたしました。

ロボット分野では、電力事業と共同でローカル5G通信の巡視点検ロボットの実証を行い、電力関連の市場展開を進めております。

当事業に係る研究開発費は、35百万円であります。

 

(3) 情報事業

2021年度は、国土交通省が進めている港湾関連データ連携基盤(サイバーポート:港湾分野の電子化を進展して業務の効率に寄与する)の開発、生体認証による入退リーダの開発など売上に直結した開発となりました。

当事業に係る研究開発費は、12百万円であります。

 

(4) その他

その他の分野では、制御機器・電子装置分野、オプトロニクス分野及び新エネルギー分野の技術開発・製品開発を行っております。

制御機器・電子装置分野では、保有シーズを活かして顧客ニーズに応じた製品開発を行っております。当年度の主な取組みテーマは、「電力会社向け変電所一括監視装置」、「スナップアクションSWの量産化」などです。

オプトロニクス分野では、新素材液晶開発による市場拡大の方針のもと、「車両向け高耐久性液晶製品」に取り組み、大手自動車メーカーに電子シェードとして採用されました。また、次世代の調光フィルムとして「遮光・カラー調光機能液晶」の開発を推進しております。

新エネルギー分野では、大学との共同研究で「塩分濃度差発電(水素生成)の研究」、資源エネルギー庁補助事業を活用した「マイクログリッドの研究」に取り組んでおります。

その他分野に係る研究開発費は、56百万円であります。