第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、情報と制御の独創技術をコアとし、環境に優しい安全で快適な社会の実現及びCS(顧客満足)経営に徹した事業活動を行い、また、人間尊重を基本とした人との出会いを大切にする企業グループを目指し、グループ経営の高効率化を図り、株主価値の向上を目指すことを基本方針としております。

 


 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、2022年から2026年を最終年度とする中期経営計画(SEIKO IC2026)において、目標とする経営指標として売上高、営業利益、営業利益率、ROE及びROICを掲げております

 

(3) 経営環境及び優先的に対処すべき課題

当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念などの影響による海外景気の下振れリスク、資源・エネルギー及び原材料価格の高騰、外部調達材料の入荷遅れなど、依然として先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

一方、脱炭素化やデジタル化をはじめとするサステナブルな社会の実現に貢献する製品・サービス、ソリューションへのニーズは、今後も拡大していくことが期待されます。

当社グループは、このような事業環境を成長のチャンスと捉え、中期経営計画(SEIKO IC2026)の3年目である2024年度においては、以下の施策に取り組んでまいります。

 

①デジタルファースト(デジタル技術を活用した社会課題解決)
 AI、IoT、センサー、ロボット、AR/MRグラスなどデジタル技術を活用したスマート保安ソリューションの提供により、生産設備やインフラ設備の保全・保安業務の省人化・効率化を図るなど社会インフラのスマート化に貢献してまいります。

 また、当社の強みを活かし、港湾向けスマートソリューションや健康経営ソリューションなどスマート社会に対応したソリューションサービスを展開してまいります。

 

②脱炭素社会の実現(カーボンニュートラルへの取り組み)
 再生可能エネルギーや蓄電池を活用した独自の総合エネルギーソリューションの提供により、お客様のBCP対策や脱炭素化の取組に貢献するとともに、脱炭素に関わる次世代技術を積極的に取り入れ、循環型社会の実現に貢献してまいります。

 また、中国、アジアを中心に、再エネ・省エネソリューションをグローバルに展開してまいります。

 

③One 正興(グループ総合力の発揮)
 GX・DXなどの動きが加速する中で、当社グループが持つ、OT(制御・運用技術)・IT(情報技術)・プロダクト(モノづくり)・AIを活かしたグループ総合力により、お客様にOneストップでトータルソリューションを提供してまいります。

 また、生産性向上に向けたスマートファクトリー化に取り組むとともに、多様な人財の育成・活用や積極的なオープンイノベーションの推進により、新技術・新事業の創出や海外への事業展開を加速してまいります。

 

 

当社グループは、多様な人財が活躍できるよう、ダイバーシティ&インクルージョンや職場環境の整備・働き方改革・健康経営などの推進を通じて、従業員のエンゲージメント向上に努めるとともに、温室効果ガス排出量の削減やIR活動の強化、コーポレートガバナンスの充実を図ることにより、企業価値を向上させ、株主様をはじめとする全てのステークホルダーの皆さまから信頼される企業グループを目指してまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

  なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

  当社グループは、2022年3月に公表した「中期経営計画 SEIKO IC2026」において、企業活動・事業活動を通じた社会課題解決によりサステナブルな社会の実現に貢献するという基本方針「サステナビリティ経営」のもと、以下の3つの重点方針を掲げております。

 

 

(3つの重点方針)

 ① デジタルファースト(デジタル技術を活用した社会課題解決)
 ② 脱炭素社会の実現(カーボンニュートラルへの取り組み)
 ③ One正興(グループ総合力の発揮)

 

(サステナビリティ基本方針)
 正興グループは、「最良の製品・サービスを以て社会に貢献す」という社是のもと、事業活動を

通じた社会課題の解決により、持続可能な社会の実現と中長期的な企業価値の向上に取り組んでま

いります。
 1.事業活動を通じて、温室効果ガス排出量の削減や省エネルギー化、省資源化に取り組むととも

   に、製品・ソリューションの提供を通じて、脱炭素社会の実現を目指します。また、デジタル

     技術を活用したスマートインフラの提供を通じて、スマート社会の実現を目指します。
 2.法令や社会規範を遵守し、誠実で公正な企業活動を遂行するとともに、適切な情報開示と積極

     的な対話を通じて、全てのステークホルダーから信頼される企業を目指します。
 3.社員のワークライフバランスや多様性を尊重し、安全で健康的に働ける快適な職場環境の整備

     に取り組みます。

 

 

 

  上記の方針に基づいてサステナビリティ活動を推進し、持続可能な社会の実現を目指してまいります。

 

 (1)ガバナンス

  当社グループは、「サステナビリティ委員会」を設置し、同委員会で気候変動を含むサステナビリティ課題への方針・施策の検討、進捗モニタリングを行っております。サステナビリティ委員会は、当社の代表取締役社長を委員長とし、業務執行取締役及び執行役員をメンバーとして、原則年2回開催しております。

  総務部は同委員会の事務局を担うとともに、各事業部門・グループ横断的プロジェクトと連携し、サステナビリティ関連の戦略・施策の立案・実行をサポートしております。また、同部門は、グループ全体のリスクマネジメントを主管する部門であり、リスクマネジメントを推進するグループ横断的委員会「内部統制・コンプライアンス委員会及びその小委員会」の事務局として、各リスクの所管部門及び専門委員会と連携し、全社的なリスクマネジメントの統合的な管理を行っております。

  当社の取締役会は、サステナビリティ委員会から定期的に報告を受け、上記プロセスの監視・監督を行っております。

 

 

(2)リスク管理

  当社グループでは、リスク発生の未然防止及び会社損失の最小化を図る目的で、「危機管理規程」を制定し、各リスクカテゴリーに対応するリスク所管部門・専門委員会がリスクの洗い出し・特定・評価及び対応策の検討を行うとともに、総務部及びグループ横断的委員会が組織横断的リスク状況の監視や全社的対応を行っております。また、品質・環境委員会を中心に環境リスクを特定し、各部署が目標に沿った取組を進めるために、国際規格ISO9001・14001に基づく品質・環境マネジメントシステム体制を構築しております。

  総務部は、リスクカテゴリーごとのリスク管理状況を調査し、その結果を定期的に当社の取締役会及び経営会議に報告しております。

 

  (3)気候変動に関する戦略、指標・目標

    ①戦略

  当社グループは、気候変動を含む環境問題への対応を重要な経営課題の一つとして認識し、「脱炭素社会の実現」を中期経営計画 SEIKO IC2026の重点方針として掲げております。

  環境活動への取組については、環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001を運用し、環境負荷低減を組織的に推進しております。事業活動が地球環境に与える影響を的確に捉え、製品・サービスのライフサイクルを通して、環境保全と汚染の予防に努めてまいります。また、事業活動の全域で環境保全に取り組み、地域社会と地球環境に貢献してまいります。

  特に、以下の項目については、重点目標として取り組んでまいります。

 

(重点目標)

 

 a.エネルギー使用量の削減と再生可能エネルギーの導入(再エネ由来電力化)
 

 b.廃棄物等発生量の削減と再資源化の推進
  

 c.有害物質の削減推進
  

 d.環境配慮製品の設計・開発・販売
  

 e.生産性向上や製品品質の向上による環境負荷の抑制

 

 カーボンニュートラル実現への取組につきましては、温室効果ガス(GHG)排出量の削減を目指し、グループ横断的プロジェクトを設置し活動を推進しております。

 具体的な施策としましては、古賀事業所を様々なエネルギーソリューションの開発拠点として位置付け、2021年には、「創エネ」「蓄エネ」でNetZEBを実現するエンジニアリング棟(Eサイト)を建設、また、当社独自の蓄電システムを活用したエネルギーマネジメントシステムにより、エネルギー使用量削減に取り組むとともに、再エネ由来電力化を進めております。

 2050年のカーボンニュートラルに向け、自社の操業により排出されるGHG排出量削減と製品・ソリューションの提供など事業を通じた社会課題の解決により、脱炭素社会の実現を目指してまいります。

 

   ※NetZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、快適な室内環境を実現しながら、省エネと創エネにより、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を指します。

 

    ②指標・目標

 当社グループは、GHG排出量Scope1、Scope2について、実績の集約と毎月のモニタリングを行いながら、2050年度のカーボンニュートラル達成に向けたGHG排出量抑制目標を下記のとおり設定し、取り組んでまいります。

 

 (目標)

 

区分

目標年度

 

 

2030年度

2050年度

 

 

GHG排出量

(Scope1、2)

当社及び国内グループ会社の事業所内で使用する電力を実質100%再エネ由来電力化することで、国内GHG排出量を2020年度比で約80%削減

カーボンニュートラル

 

 

 

 (実績)

 

Scope1、2

単位

2020年

2021年

2022年

2023年

 

GHG排出量(国内)

t-CO2

1,795

1,888

1,971

1,935

 

再エネ由来電力の割合(国内)

0.8

2.1

8.2

8.4

 

 ※再エネ由来電力の割合:使用電力のうち、再エネ由来電力によるエネルギー自己消費量の割合

 

(4)人的資本・多様性に関する戦略、指標・目標

    ①戦略

 当社グループは、「最良の製品・サービスを以て社会に貢献す」という社是のもと、お客様や社会の現在、将来のニーズの探索から新しい価値を創造していくことができる人財の確保と育成を行うことで、持続的な成長を目指します。

 持続的な成長を実現するための原動力は人であり、「多様な人財の個の成長が企業価値創造の源泉である」と考え、人的資本経営を推進します。

 多様な人財がOne正興となって総合力を発揮し、あらゆる変革を成し遂げることができるように、以下の重点目標のもと、人財の育成と社内環境の整備に取り組んでおります。

 

(重点目標)

 ・多様な個性を尊重し、チャレンジ精神ある人財が創造性を発揮できる組織風土
 ・キャリア形成と能力開発の支援
 ・自律性、チャレンジ精神の重視と実行者への評価
 ・職場環境の改善と心身の健康

 

 当社グループの人財の多様性の確保を含む人財育成及び社内環境整備に関する方針と取組は下記のとおりであります。

    ア.人財の多様性の確保を含む人財育成に関する方針と取組

     a.人財の多様性の確保   

 変化の激しい事業環境において、中長期的に企業価値を向上させていくためには、非連続的なイノベーションを生み出すことが重要であり、その原動力となるのは、多様な人財の掛け合わせです。当社では年齢、性別、国籍、人種、障がい者、宗教などに関係なく多様な人財の採用を積極的に行い、それぞれの特性や能力を最大限に活かせる職場環境の整備を行っております。

 

      ・女性社員の積極採用

 当社単体では、技術系採用が多く、その母数となる理系の女性学生の比率が少ないこともあり、結果として女性管理職比率が低いという課題を抱えております。そのため、サステナビリティ方針のマテリアリティとして、女性管理職比率を2040年に20%にすることを目標に掲げております。その具体的な取組として、新卒採用における女性の割合を3割以上と目標に掲げ、文系理系職問わず、女性採用を積極的に推進しております。

 

      ・事業戦略に沿った人財の採用

 今後の事業戦略の実現に必要な専門知識、技術、経験などを有する人財を計画的に採用するとともに、あらゆる業務の生産性向上や新たな価値の創出に資するGX・DX推進に向けて、全社員を対象にした教育を実施していきます。

 また、海外事業の拡大を見据え、海外人財も積極的に採用しております。その際、就業において宗教上の配慮を要する場合には、配属前に職場へ教育を行うなど、社員が職場環境に馴染みやすいように配慮を行っております。

 

      ・障がい者雇用

 誰もが自立した生活を送れる社会を実現するため、障がい者雇用にも積極的に取り組んでおります。特に特別支援学校からの定期的な採用等により雇用の安定確保に努めております。

 

     b.人財の育成

 「最良の製品・サービスを以て社会に貢献す」という社是のもと当社では、社員の成長が企業最大の財産(価値)と位置付けるとともに、「会社の役割は社員の自己実現の場を提供することにある」という考えのもと、「与えられる教育」から「自ら学ぶ教育」へと個々の自律性を尊重した教育体制を導入しております。また、多様な価値観、年齢、職種の者との勉強会やミーティングなど、双方向コミュニケーションを重視した独自の制度を導入し、人財育成の向上を図っております。

 

      ・評価制度

 人事評価制度においては、バランス・スコアカードを導入し、「財務・顧客・内部プロセス・組織能力」の4つの視点で目標設定と評価を行っております。特に、育成が必要な若年層には、自律的に学ぶこと、新しいことにチャレンジすることのウェイトを高くし、また、管理職には部下育成の評価指標を取り入れるなど、部下のモチベーションアップ、人財育成・能力開発等に積極的に展開しております。

 

      ・1on1の推進

 上司と部下による1on1ミーティングを定期的に行っております。部下の自発的な意見をベースとした対話型コミュニケーションを行うことにより、部下の成長促進、各部の組織力の強化に繋げております。

 

      ・エルダー制度

 入社3年未満の社員(若手社員)に他部署の先輩社員が教育係(エルダー)となり、仕事に対する考え方やメンタルケアを行っております。また、この制度により、若手社員だけでなくエルダー側のマネジメントスキルも向上し、双方のステップアップが図られております。

 

      ・管理職候補育成制度

 次世代リーダー育成を目的とした管理職育成研修に取り組んでおります。戦略策定や実行力、経営スキルやコミュニケーション能力向上、リーダーとしてのマインドの確立等により、管理職候補生の育成に努めております。

 

      ・公的資格取得推奨・業績表彰

 公的資格の中で、事業戦略上必要な資格を取得推奨資格とし、難易度を考慮したうえでランク付けをしております。ランクに応じて、取得による報奨金の支給と昇格ポイントの付与、また、顕著な功績者に対する業績表彰の施行等により、社員のモチベーション・能力アップを図るとともに、自発的に学び発展する組織風土の醸成に取り組んでおります。

 

    イ.社内環境整備に関する方針と取組

 当社では、社員及び全ての関係者が安全に就業することのできる職場環境の整備、また社員とその家族の心と身体の健康増進を支援する健康経営を推進しております。

 

      ・健康経営

 企業が健全であるためには、社員が心身ともに健康であることが必要と考えております。

 「健康は自分のため、ご家族のため、会社のため、全ての仕事に挑戦する第一歩の基本条件である」という考えのもと、社員の健康管理に力をいれてきました。

 その結果、「健康経営優良法人ホワイト500」に継続認定されており、2024年には「健康経営銘柄」にも選定されております。

      <正興グループ健康経営宣言>

 社員の健康を重要な経営資源の一つと捉え、ご家族を含めた自発的な健康維持増進活動に対する積極的な支援と組織的な健康づくりの推進で、「社員が活き活きと仕事ができる」企業グループを目指します。

 

      ・安全衛生

 安全衛生業務を総括管理するため、全社総括安全衛生管理者を置き、中央安全衛生委員会を年2回開催しております。

 この委員会は、全社安全・衛生活動の評価及び改善、社員の健康管理等を調査審議、安全・衛生に関する基本方針・計画作成等を行い、各事業所の安全衛生委員会に安全衛生管理活動方針の計画等の通達を行っております。また、各安全衛生委員会は通達方針に基づき、安全衛生パトロール、リスクアセスメントの実施、長時間労働対策等に取り組んでおります。

 

      ・労働時間の管理

 ワークライフバランス実現のためには、時間外労働の削減が必須であり、そのためには、労働時間の把握と管理が不可欠です。当社においては、入退門システム等により、勤怠管理を1分単位で行っており、各部署・個人の業務量の把握と人員配置の適正化など、労働生産性の向上と時間外労働の削減に取り組んでおります。

 また、ワーク(労働時間)のみならずライフ(休日)においても、従来の年次有給休暇、半日有給休暇に加え、今年度より1時間単位での有給休暇制度を導入し、より一層社員のニーズに応じた有給休暇取得に対応しております。

 

      ・男性育休の推進

 育児と仕事を両立できるように、社内環境整備に力を入れており、女性の育児休職取得率は、100%となっています。また、2022年度からは男性の育児休暇取得の推進を行っております。 男性が積極的に育児参加することで、職場全体の育児への理解が深まると同時に、性的役割分担の見直しや、業務プロセスの改善に繋がると考え、管理職への説明会を実施しております。サステナビリティ方針のマテリアリティとして、社員の育児休職取得率100%を設定し、性別に関わらず活躍できる職場、組織、会社を目指します。

 

    ②指標・目標

  人的資本・多様性に関する取組における、当社の主な指標及び目標と当年度の実績は以下のとおりです。


    ※当社単体、正社員の目標及び実績

 

3 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関するリスクについて、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 事業環境について

当社グループの事業は、電力システム、受配電システム、制御システム等の設備投資の動向に影響を受けます。当社グループの利益計画は、国内外の設備投資動向予測を織り込んで策定しておりますが、その動向が予想を超えて変化した場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では事業環境の変化による経営成績の変動リスクに備えて、各事業の状況や市場動向のモニタリングにより新規事業の推進や海外事業の拡大に取り組んでおります。

(2) 法的規制について

当社グループの事業は、事業展開している国及び地域での規制並びに法令等の適用を受けており、これらの遵守に努めております。また一部の事業に関しては、日本国内での事業活動に際し、建設業法の法的規制の適用を受け、特定建設業許可及び一般建設業許可を受けております。

当社グループでは、コンプライアンス体制を強化しており、現時点において、当該許認可等の処分事由や取消事由に該当する事実の発生はないと認識しております。しかしながら、今後において、規制並びに法令等に変更が発生した場合、また万が一法令違反等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、各種規制並びに法令等の事前確認と遵守に向けた啓発活動に努めております。

(3) 入札制度について

当社グループでは、官公庁等に電気設備及び水処理設備等を販売しております。これらの販売に際しては官公庁等が実施する入札に応募することになりますが、入札制度の変更や過当競争による入札価格の低下により、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、入札情報等の分析に努めるとともに、入札競争力向上を図っております。

(4) 事故・災害・感染症等のリスクについて

予期せぬ事故及び災害並びに感染症等の発生により、当社グループ及び販売先並びに仕入先等の活動に支障をきたした場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、非常時の対応マニュアルの整備、社員の安否確認方法及び緊急連絡体制の確立、災害発生を想定した実施訓練などに取り組んでおります。

(5) 取引先の信用リスクについて

当社グループの事業は、製品引渡後に代金が支払われる請負契約が多いため、代金受領前に取引先が信用不安に陥った場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では信用リスクに備えて、信用調査等に基づく取引先の評価を厳格に行い、各取引先に供与する信用上限である「与信限度額」を設定し、その範囲での取引を基本としております。

(6) 技術力について

当社グループでは、市場ニーズに基づいた製品開発及び製品化のため、各事業部門で研究開発を行っておりますが、開発計画が予定通りに進捗せず、市場投入が遅れた場合は、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、研究開発の統括部署において開発状況のモニタリングを行っており、各事業部門からの定期的な成果報告などで開発計画の進捗管理を行っております。

(7) カントリーリスクについて

当社グループは、中国及び東南アジア地域において事業を推進しております。これらの地域において、経済、政情の悪化、法律・規則の変更、労使関係の悪化等が、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではカントリーリスクに備えて、当該地域の拠点と緊密なコミュニケーションをとることに加え、取引先及び金融機関などから情報収集を行っております。

 

(8) 資産保有リスクについて

当社グループでは、営業活動のため、有価証券等の資産を保有しており、時価の変動等により経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、固定資産については、資産グループが属する事業の経営環境の悪化等により、減損損失の計上が必要となった場合には、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では資産保有リスクに備えて、有価証券については個別銘柄ごとに保有意義を検証し、取締役会にて保有の適否を判断しております。また、固定資産については各事業部門の経営計画のモニタリングを行い、経営環境の変化を的確に把握して、減損の兆候の早期把握と経営計画の修正を行っております。

(9) 製品の欠陥について

当社グループの製品の品質には万全を期しておりますが、契約不適合責任、製造物責任による損害賠償が発生した場合は、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社ではこのようなリスクに備えて、グループ横断的な品質管理・改善活動に向けた体制を整備し、品質確保及び改善に向けた取組を行っております。

(10) 取引先との関係について

当社グループでは、取引先との良好な関係を維持し、取引を増加させることで共通の利益を増加させるよう努めておりますが、今後、予期せぬ要因で良好な関係を維持することができなくなった場合、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 業績の季節的変動について

当社グループの業績は、販売先の設備投資予算の執行状況により、第1四半期連結会計期間と第4四半期連結会計期間に、売上高及び利益が偏重する傾向にあります。当社では業績の季節的変動に備えて、受注計画及び工事計画の精査による生産の平準化対策を行い、当社グループの生産拠点である古賀事業所の安定した生産高の確保に取り組んでおります。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、世界的な金融引き締めによる海外景気の下振れや中国経済の先行き懸念など、景気の下振れリスクのある中、公共設備や国内製造業における設備投資は底堅く推移するなど、緩やかな回復基調が続きました。しかしながら、今後も世界的な景気減速が懸念されており、原材料やエネルギー価格の高騰、為替変動による物価上昇などにより、依然として先行き不透明な状況にありますが、企業のカーボンニュートラルやデジタル化をはじめとする省人化投資など、ビジネスモデル変革に向けた成長投資は今後も拡大していくことが期待されます。
 このような状況の中、当社グループは中期経営計画(SEIKO IC2026)の基本方針である「企業活動・事業活動を通じた社会課題解決により、サステナブルな社会の実現に貢献する」のもと、「デジタル技術を活用した社会課題解決」「カーボンニュートラルへの取り組み」「One 正興によるグループ総合力の発揮」の3つの重点施策に取り組んでまいりました。
 その結果、当連結会計年度の業績は、環境エネルギー部門の公共分野や、電力部門、情報部門、その他部門の電子制御機器分野が堅調に推移し受注高は30,541百万円前期比 4.7%増)、売上高は27,071百万円同 8.3%増)、営業利益は1,622百万円同 12.6%増)、経常利益は1,816百万円同 12.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,202百万円同 11.1%増)となりました。
 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメント区分の変更を行っており、以下の前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

(電力部門)
 発電・変電所向け受配電・制御装置や配電機器製品、IT(情報技術)を活用した現地操作支援や遠隔設備監視といった、スマート保安システムが堅調に推移したことや、原価低減取り組みの効果により、売上高は6,939百万円前期比 0.4%増)、セグメント利益は699百万円同 3.9%増)となりました。

 

(環境エネルギー部門)
 国内公共分野において、受注が堅調に推移したものの部材調達遅延や現地工事進捗遅れの影響により改善が遅れ、売上高は10,963百万円前期比 4.9%増となりました。また、中国経済停滞により中国事業が落ち込んだことにより、セグメント利益は301百万円同 32.7%減)となりました。

 

(情報部門)
 スマート港湾システムの展開やヘルスケアシステムの開発が堅調に推移し、売上高は1,414百万円前期比 19.3%増)、セグメント利益は188百万円同 26.7%増)となりました。
 

(サービス部門)
 太陽光発電所向け設備や受変電システムの大口案件があったことにより、売上高は4,665百万円前期比 17.4%増)、セグメント利益は52百万円同 109.5%増)となりました。

 

(その他)

 電子制御機器製品が堅調に推移したことや、発電・変電所向け工事案件が増加したことにより、売上高は3,086百万円前期比 24.5%増)、セグメント利益は380百万円同 161.8%増)となりました。

 

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ699百万円増加28,755百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べ948百万円減少15,542百万円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べ1,647百万円増加13,212百万円となりました。

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ70百万円減少2,248百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、3,190百万円前連結会計年度は79百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益1,816百万円を計上や、仕入債務が1,226百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、771百万円前連結会計年度は498百万円の支出)となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入が151百万円あった一方で、有形固定資産の取得により926百万円支出したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は、2,499百万円前連結会計年度は1,040百万円の獲得)となりました。これは、短期借入金の減少1,814百万円、長期借入金の返済228百万円、配当金395百万円の支払い等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

電力部門

7,102

+5.6

環境エネルギー部門

10,983

+3.8

情報部門

1,412

+20.5

サービス部門

4,602

+16.1

その他

3,102

+22.6

合計

27,204

+8.9

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  金額は、販売価格によっております。

3 金額には、仕入実績を含んでおります。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

電力部門

7,533

△0.0

6,346

+10.3

環境エネルギー部門

14,607

+16.6

15,879

+29.9

情報部門

1,539

+25.7

750

+20.5

サービス部門

3,619

△27.8

3,842

△21.3

その他

3,241

+12.9

1,930

+8.8

合計

30,541

+4.7

28,749

+13.8

 

(注) セグメント間の取引については、相殺消去しております。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

電力部門

6,939

+0.4

環境エネルギー部門

10,963

+4.9

情報部門

1,414

+19.3

サービス部門

4,665

+17.4

その他

3,086

+24.5

合計

27,071

+8.3

 

(注) 1  セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

九州電力㈱

5,851

23.4

6,806

25.1

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 重要な会計上の見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成において見積りが必要となる事項につきましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき会計上の見積りを行っております。特に、一定の期間にわたり進捗率に応じて充足される履行義務に係る収益の計上については、会計上の見積りが経営成績等に重要な影響を与えると判断しております。なお、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果とは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表作成において採用している重要な会計上の見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 a. 財政状態の分析

(流動資産)

 当連結会計年度における流動資産の残高は18,480百万円前連結会計年度は19,365百万円)となり、885百万円減少いたしました。
 これは、主に受取手形、売掛金及び契約資産が減少(13,965百万円から13,181百万円に減少)したためであります。
(固定資産)
 当連結会計年度における固定資産の残高は10,274百万円前連結会計年度は8,689百万円)となり、1,584百万円増加いたしました。
 これは、主に有形固定資産の増加(5,276百万円から5,768百万円に増加)や、投資有価証券の上昇等(3,047百万円から4,140百万円に増加)によるものであります。

 

(流動負債)
 当連結会計年度における流動負債の残高は12,271百万円前連結会計年度は13,167百万円)となり、896百万円減少いたしました。
 これは、主に支払手形及び買掛金が増加(4,484百万円から5,548百万円に増加)した一方で、短期借入金が減少(4,253百万円から2,466百万円に減少)したためであります。
(固定負債)
 当連結会計年度における固定負債の残高は3,271百万円前連結会計年度は3,322百万円)となり、51百万円減少いたしました。

 これは、繰延税金負債が増加(118百万円から455百万円に増加)した一方で、長期借入金が減少(1,009百万円から780百万円に減少)したことや、退職給付に係る負債が減少(1,935百万円から1,797百万円に減少)したためであります。
(純資産)
 当連結会計年度における純資産の残高は13,212百万円前連結会計年度は11,565百万円)となり、1,647百万円増加いたしました。
 これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加(6,229百万円から7,036百万円に増加)や、投資有価証券が時価の上昇によりその他有価証券評価差額金が増加(1,107百万円から1,875百万円に増加)したためであります。

 

b. 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は27,071百万円前期比 8.3%増)となり、前連結会計年度と比較して2,064百万円増加いたしました。セグメント別の売上高につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。

(売上総利益)

当連結会計年度における売上総利益は4,671百万円前期比 4.5%増)となり、前連結会計年度と比較して200百万円増加し、売上総利益率は0.6ポイント減少し、17.3%となりました。これは主に環境エネルギー部門において中国経済停滞により中国事業が落ち込んだためであります。

(営業利益)

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度と比較して18百万円増加し、3,048百万円前期比 0.6%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度と比較して182百万円増加し、1,622百万円前期比 12.6%増)、営業利益率は6.0%となりました。

(経常利益)

当連結会計年度における営業外収益は、固定資産売却による収入が発生したこと等により、前連結会計年度と比較して26百万円増加し、261百万円前期比 11.4%増)となりました。

営業外費用は、利息の支払いが増加したこと等により、前連結会計年度と比較して4百万円増加し、67百万円前期比 7.6%増)となりました。

以上の結果、当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度と比較して204百万円増加し、1,816百万円前期比 12.7%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度における法人税等合計は、前連結会計年度と比較して84百万円増加し、613百万円前期比 15.9%増)となりました。これは、税金等調整前当期純利益が増加したことや、税効果会計の評価見直しによる税負担の軽減効果がなくなったためであります。

以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して119百万円増加し、1,202百万円前期比 11.1%増)、ROEは0.1ポイント増加し、9.7%となりました。

 

c. 経営成績に重要な影響を与える要因について

「3 事業等のリスク」に記載しております。

 

 

d. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(キャッシュ・フローの分析)

当社グループの当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して70百万円減少し、2,248百万円となりました。なお、各キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

(資金需要)

当社グループの資金需要は営業・生産活動に必要な運転資金の他に、設備投資及び研究開発費並びに配当支払いなどがあります。なお、重要な設備の新設等については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除去等の計画」に記載しております。

(資金調達)

当社グループは資金需要に対して、営業活動により獲得した資金を充当し、不足分については取引先金融機関から調達しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

技術導入契約

 

契約会社名

相手方の名称

国名

内容

契約年月日

有効期間

㈱正興電機製作所

㈱日立製作所

日本

配電盤関係

1961年5月1日

(*1)

発変電所集中制御用制御装置及び配電自動制御システム

1975年2月21日

(*1)

火力発電所用コントロールセンタ、ロードセンタ、磁気遮断器及び真空遮断器内蔵の所内高圧閉鎖配電盤

1981年6月26日

(*1)

原子力発電所用コントロールセンタ、パワーセンタ

1983年6月1日

(*2)

 

(注) 1  *1  いずれか一方から特段の申し出がない限り2年毎に自動更新されます。

*2  いずれか一方から特段の申し出がない限り3年毎に自動更新されます。

2  上記契約に基づくロイヤリティとして売上高の2%~3%を支払っております。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、中期経営計画 (SEIKO IC2026)で「デジタルファースト」「脱炭素社会の実現」「One 正興」の基本方針のもと、市場・技術・ノウハウの共有化を図る「グループ横断プロジェクト」を設置しております。

研究開発においては、「DX(デジタル)プロジェクト」、「脱炭素プロジェクト」で創出された新たなソリューションの実現を目指しております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は総額で144百万円であり、この中には受託研究等の費用15百万円が含まれております。

セグメントごとの研究開発活動を示すと次の通りであります。

 

(1) 電力事業

電力会社殿の変電所の設備操作でヒューマンエラーを防止する「操作支援システム」の市場拡大を目的として新たに「特別高圧のお客様」向けに連係基盤(共通プラットフォーム)を開発し動作検証を実施しました。

また、新型巡視点検ロボットを使って変電所での自走及び画像・サーモデータ収集などの実証を行い、「遠隔設備監視システム」への組込みを計画しています。

一方、既存製品では、新型真空遮断器のシリーズ化(600・1200・2000A)を行い、九州電力㈱殿以外の電力会社へ展開を進めています。さらに、低需要地区の用途に合ったコスト低減型の地中開閉器塔の開発も行いました。

当事業に係る研究開発費は、73百万円であります。

 

 

(2) 環境エネルギー事業

水処理システムでは、経済産業省・厚生労働省が連携し水道事業体・ベンダー参画のもと、データ流通を共通化したルールによる標準仕様で構築された「水道標準プラットフォーム」を活用できる水処理システムの開発を進めています。  

ゲートウェイ装置の開発に引続き、当年度は、水道事業体の方で利用される上位の監視・制御のアプリケーションソフトの開発を行いました。

AIカメラを活用した水位警戒支援システムの開発を自治体と共同で進めています。画像からの水位計測及び水位予測により水位計測設備の簡素化と浸水予知の実現を目指しています。

また、大学と共同研究している偏光技術の成果では、カメラによる遠隔監視時に、計器のカバーに外光が映り込む外光の影響を除去する撮像処理を用いて光の映り込みの軽減及び計器文字盤を鮮明化できる技術を開発し、特許出願をしています。

当事業に係る研究開発費は、28百万円であります。

 

(3) 情報事業

ヘルスケアに関する開発は、大学と共同研究で進めており、スマートフォンの加速度センサーのデータを活用する研究で「体力測定アプリ」の開発に成功しております。検証後、健康システム「Health Ledger」へ組込みを予定しています。また、MCI(軽度認知症)の検知データとして活用する研究も引続き進めています。

当事業に係る研究開発費は、8百万円であります。

 

(4) その他

その他の分野では、制御機器・電子装置分野、オプトロニクス分野の技術開発・製品開発を行っています。

制御機器・電子装置分野では、保有シーズを活かして顧客ニーズに応じた製品開発を行っています。当年度の主な取組テーマは、電力会社と共同開発・製品化を行っている「動作特性測定装置」及び「エナジーハーベスト対応高圧充電表示器」「CTセンサー」などであります。

オプトロニクス分野では、次世代を担う新しい調光素子「遮光・カラー調光機能液晶」の開発を推進しております。

その他分野に係る研究開発費は、34百万円であります。