文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、経営理念である「顧客第一主義」を念頭に、当社の商品を選んでいただいたお客様のニーズにおこたえするとともに、貴重なエネルギー資源を有効に利用して世界に通用する商品を提供し、社会に貢献することを経営の基本方針としております。
また、高度な「情報通信技術」や「コンピューター応用技術」との融合を進化させ、未来のための電気エネルギー制御を究め、技術の進歩に寄与していきます。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、安定経営を基軸とした着実な収益の向上により、中長期的な業容の拡大を目指しており、経営指標として、連結営業利益率5%以上及び自己資本比率55%以上を中期目標としております。これらを継続的に確保することにより、財務体質を強化し企業価値の向上を図ります。
(3)経営環境
世界経済及びわが国経済は、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進展し、緩やかな回復が続いたものの、金融市場の変動や地政学的リスクなど多くの懸念材料を抱えており、予断を許さない状況にあります。
当社グループを取り巻く経済環境は、主要顧客である造船業界において、好調なLNG船や自動車運搬船等の需要を背景に一定の受注量が継続すると予想されます。一方、設備投資関係では、国内において人手不足を背景とする自動化・省力化投資、グリーン関連並びにデジタル関連に向けた設備投資を中心に、底堅く推移すると予想されます。海外においては、政策金利の引き上げや世界的な金融引締めにより、緩やかに減速すると予想されます。
(4)経営戦略並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、様々な顧客のニーズへの的確かつ迅速な対応によって顧客満足度を高め、シェアの維持・拡大に全力をあげてまいります。そのために、営業活動の強化、設計・生産の改善活動の継続による生産性及び品質レベルの向上を図るとともに、市場ニーズを反映した新製品の開発や他社との研究開発プロジェクトへの参画にも努めてまいります。
また、品質、営業・サービス、技術開発、生産場所及び購買等のすべてについて、当社グループが持つグローバルな組織の有効活用と更なる最適化の追求をTEAM TERASAKIとして目指してまいります。
加えて、経営全般においては、内部統制システムの一層の強化を図り、強化した統制システムを有効に運用するとともに、法令遵守に向けた教育の更なる徹底等、経営理念の一つとしてあげております企業倫理に基づく積極的な取り組みにより、広くCSR(企業の社会的責任)を果たしてまいります。更に、コーポレート・ガバナンスを強化し、より透明性の高い経営の実現、経営の機動性向上の両立を図るとともに、BCP(事業継続計画)を強化し、企業の永続的発展に努めてまいります。
当社グループの大きな課題といたしましては、原材料の高騰及び為替の変動等があげられます。原材料については、銅及び銀価格が高騰・高止まりすれば利益圧迫要因となることから、これらを含め総合的な原価低減活動を推進してまいります。また、為替変動への対応については、為替中立型を目指しその影響を最小限にとどめるよう営業、購買、生産、財務及び設備投資等、総括的な改革・改善に取り組んでまいります。
なお、重大な感染症の流行により、当社グループの一部又は全部の操業が停止する場合があります。このような事態が生じた場合は、当社グループ従業員、顧客及び取引先等への感染防止に努めるとともに、生産拠点、調達先及び調達ルートの変更等により事業活動への影響を低減してまいります。
セグメント別には次のような活動に取り組んでまいります。
「日本」
船舶用システム製品は、一定の受注量が見込まれる新造船に対して、当社製品の受注に結びつけるための営業活動強化及び顧客満足度の向上に努めてまいります。また、環境対応ビジネスの拡大や、最適エネルギーマネジメントシステム、IoT及びビッグデータ活用などの技術を利用した研究開発にも取り組み、1隻あたりの当社の活躍度を高めて受注・売上増を図ってまいります。
産業用システム製品は、配電制御システムや分散型エネルギーシステム向け製品を機軸として、脱炭素に向けた新エネルギー関連の制御システム、分散型電源市場や国内・海外の鉄道関連とプラント案件等の営業活動を強化し受注・売上増を図ってまいります。
メディカルデバイスは、売上拡大に向けて、製品開発力の向上及びビジネスパートナーとの共創力強化に注力してまいります。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、GSN(グローバル・サービス・ネットワーク)の拡充と舶用グリーン・エンジニアリングビジネス及びレトロフィットビジネス(耐用年数が過ぎた遮断器の換装等)の拡大、船員トレーニングサービスの拡販により、更なる事業展開を推進してまいります。
機器製品は、新製品の拡販、グリーン市場、海外舶用市場、新興国インフラ市場に対してのマーケティング及び営業活動の強化による顧客数増加、OEM(相手先ブランド製品製造)戦略の強化に注力し、受注・売上増を図ってまいります。
「アジア」
船舶用システム製品は、LNG船や自動車運搬船等の高付加価値船の需要が好調な中国や韓国の造船業界において、原価低減に注力しながら営業力の強化を図るとともに、環境対応ビジネスを拡大し、1隻あたりの当社の活躍度を高めることで、売上の拡大及び収益の改善に努めてまいります。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、フィールド・エンジニアの育成を継続し、環境対応のエンジニアリングビジネスの受注・売上増を図ってまいります。
機器製品においては、新製品の拡販、東アジア・東南アジア各国内向け市場、日系企業の設備投資案件、舶用市場とインフラ関連市場及びデジタル関連市場向け等を中心に営業活動の強化を図り、シェアの拡大に努めてまいります。
「ヨーロッパ」
機器製品において、新製品の拡販、マーケティング及び営業活動の強化により、欧州、中東及びアフリカ向けのシェア拡大を図るとともに、OEM(相手先ブランド製品製造)販売先との協力関係を更に強化し、顧客数を増やし販売量の拡大を図ってまいります。また、ライフサイクル及びレトロフィットビジネスの更なる拡大にも取り組んでまいります。
①ガバナンス
当社グループは,地球環境の保全が人類共通の最重要課題の一つであることを認識し,企業活動のすべての面において環境の保全に配慮し,持続的発展が可能な社会の構築に貢献します。
ISO45001 及び ISO14001に則ったHSE(労働安全衛生・環境)マネジメントシステムにおいて、総務担当取締役を委員長とする中央HSE(労働安全衛生・環境)委員会にて、気候変動を含む当社の全ての環境活動を評価・管理します。また、代表取締役 社長執行役員はトップマネジメントとして、年1回のマネジメントレビューを通してマネジメントシステムの有効性を評価し、その改善を指示する責任と権限を有しています。
②リスク管理
当社グループは、全社的なリスクマネジメント推進に関わる課題・対応策を協議・承認する組織として,取締役会の下に気候変動関連リスクを含む全体のリスクマネジメント委員会を設置しております。
リスクマネジメント委員会は、代表取締役 社長執行役員を委員長として、気候変動関連リスクを含むリスクマネジメント取組全体の方針・方向性を決定すると共に、定期的に取締役会に報告しております。
特定した気候関連リスクについては、中央HSE委員会で活動計画を策定します。
③人的資本に関する戦略
当社グループは、「人を活かす 私たちは同僚と共に働くことを喜びとし、それぞれの一度しかない人生をテラサキでのびのびと生きることができるように努力します」を経営方針に掲げ、「性別、国籍、年齢等を含む多様性は会社の大きな財産であり、能力の違いと個の尊重の組み合わせが組織の多様な成長を作り出す」という考えのもと、当社における中核人材の多様性の確保に取り組んでおります。
<指標と目標>
1.指導職以上における女性割合を2025年までに10%とする。
2.全社員の平均時間外労働時間を2017年度対比で1時間減らす。(2017年度実績12.7時間/月)
3.平均有給休暇取得率70%以上を継続する。
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2020年度 |
2021年度 |
2022年度 |
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指導職以上における女性割合 |
(%) |
8.2 |
8.8 |
8.9 |
|
全社員の平均時間外労働時間(月) |
(時間) |
9.7 |
12.2 |
12.4 |
|
平均有給休暇取得率 |
(%) |
74.2 |
82.0 |
84.8 |
(注)1.内閣府より公表された「指導的地位に占める女性の割合」の目標について、当社では「指導的地位」を指導職(課又は係の組織の一部を担当し、その長として統括し、課長又は係長を補佐する職務)に置き換え、目標としております。
2.本指標における取り組みは、連結子会社全てで行われていないため、目標及び実績は提出会社の数値を記載しております。
・多様性について
当社グループは、女性、外国人、中途採用者について、公平に採用、昇級・昇格の対象としており、それぞれ、中核人材として登用されている者もおります。女性や外国人の役員及び管理職への登用については、現状少数であり、目標管理が難しいことから、女性の指導職以上への登用を目標に設定しておりますが、今後目標設定の必要性を含め検討を進めてまいります。
・社内環境整備について
当社グループは、多様な人材にとって働きやすく、個々の能力を十分に発揮できるよう努めております。当社及び一部の連結子会社において、育児・介護休業制度・短時間勤務制度、消滅する有給休暇を将来の育児、介護、本人の傷病治療のために積立ておく年次有給休暇の積立制度(最大20日)、カムバック制度(育児・介護・配偶者の転勤等の理由で退職した従業員に再度活躍の場を提供する制度)、時間単位休暇を導入しております。
長時間労働削減の対策として、フレックスタイム適用範囲の拡大や、週2回ノー残業デーを設定し、また有給休暇取得奨励日を設定するなど、有給休暇を取得しやすい環境作りに努めております。
・人材育成について
毎年度において能力開発推進計画書を作成し、計画的に各組織・階層・職種別に人材の能力開発を行い、加えて自己啓発のサポートを行う様、人的資本への投資を行っております。
特に、自律的人材の育成は企業として必達すべき目標であり、ビジネススキル、ヒューマンスキル、リーダーシップなど様々なスキルをOff-JTを通じて適切な教育を図っております。
そして、新しい技術は日進月歩の発展を遂げており、専門技術の育成についてはOJT及び設計・ものづくり道場や配電盤トレーニングルームを活用した教育を行っております。加えて、社内技術発表会、生産革新活動など、社員一丸となって取り組むことで協力し合える関係づくりを構築し、テラサキの技術を支える人材育成を支えております。
また、キャリア自律のきっかけ、適切な人材配置及び多様性のある人材育成の観点から、自部門もしくは他部門へのジョブローテーションを推進しております。さらに、海外進出を果たして半世紀を超える歴史の中で半数以上が海外の社員でもあり、グローバル人材の育成を強化すべきことは言うまでもなく、英会話学習などを手厚くすることでテラサキ社員が前向きに成長するための環境整備に重点を置いております。
当社が更に発展・成長し続けるためにも果敢にチャレンジする精神を大切にし、人材育成に注力してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識した上で、その発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
(1)設備投資動向の影響について
当社グループの事業は、船舶、ビル、工場等を対象とする配電制御システム等のシステム製品の製造・販売、これに付帯するエンジニアリング及びライフサイクル並びにその主要な構成部品でもある低圧遮断器等の機器製品の製造販売が主体となります。
システム製品及び機器製品ともにその収益は、設備投資の動向に影響を受けます。当社グループの利益計画は、国内外の設備投資動向予測値を織り込んで策定しておりますが、その動向が予想を超えて変化した場合は当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(2)特定の業界等への高い依存度について
当社グループは、船舶用配電制御システム等の製造・販売を主要事業の1つとして行っているため、顧客である海運造船業界に対する依存度が高くなっております。船舶用以外のマーケットにも製品販売を伸長していく方針でありますが、主要事業の一つである海運造船業界の経営成績の動向によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(3)法的規制等について
当社グループの事業は、当社が事業を展開する国及び地域における規制並びに法令等の適用を受けており、それらを遵守して事業運営を行っておりますが、当社グループが事業を展開する国及び地域における規制並びに法令等の変更が、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(4)為替レート変動について
当社グループは、外貨建てによる製品の販売及び仕入等を行っております。為替レートのリスクを軽減するため為替予約等の手段を講じておりますが、急激な為替レートの変動が生じた場合、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(5)海外活動に潜在するリスクについて
当社グループは、欧州・中国及び東南アジア等海外で生産及び販売をしております。当社グループは、現地の情勢を随時把握して適切に対処していく方針でありますが、現地の法的規制の状況や慣習等に起因する例えば労働争議等の不測の事態が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)新技術を用いた製品の開発、製造及び市場投入時期について
製品の開発、製造及び市場投入時期等は、綿密な計画を立てて進めておりますが、その過程で予期せぬ問題が生じ、開発経費の増加、製造コストの増加及び市場投入時期の遅延等が発生した場合は、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(7)退職給付債務について
当社グループの退職給付費用及び債務は、日本の会計基準に基づき、割引率等数理計算上で設定される前提や長期期待運用収益率により算出されております。当社グループの年金資産の時価が下落した場合、又は、数理計算上の前提条件に変更があった場合に発生する退職給付費用の増加は、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
(8)固定資産の減損について
当社グループの継続的な経営成績の悪化、事業環境の著しい悪化、保有する固定資産の市場価値の下落、並びに固定資産の使用範囲又は方法の変化に伴い発生する固定資産の減損損失は、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。
(9)製造物責任について
当社グループは、顧客に対し電気の供給及び制御の安全に係る製品及びサービスを提供しております。製品等の故障が顧客に深刻な損失をもたらす危険性があり、当社グループは製品の故障が原因で生じた損失に対する責任を問われる可能性があります。当社ではそれらに備えPL保険に加入しておりますが、補償費用がPL保険の補償限度額を超えた場合もしくはPL保険の適用対象外である場合には、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(10)金利の変動について
固定金利による資金調達等を行い、市場金利の変動の影響を避けるよう資金調達を行っておりますが、今後の市場金利の著しい変動は、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(11)災害等のリスクについて
当社グループが事業活動を行うにあたり、地震や台風等の自然災害、火災、戦争、テロ、コンピューターウィルス等による障害が起こった場合、当社グループの製造設備等に損害を受け、その一部又は全部の操業が停止することがあります。このような事態が生じた場合に備えて、定期的な防災訓練や社員安否確認システムの導入等を実施するとともに、保険(地震保険、水害保険等を除く)に加入しておりますが、生産活動遅延による損失や、製造設備等の復旧に要する費用が発生した場合、全て保険にて賄えるという保証はなく、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(12)価格競争について
当社グループが事業展開する市場における価格競争は大変厳しいものとなっております。販売価格の低下に対して当社グループは、既存製品のモデルチェンジや新製品の開発、コスト削減に向けた生産体制の改革等の諸施策により安定した利益の確保に努めておりますが、競争のさらなる激化や長期化により、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(13)原材料・部品の価格高騰及び入手難について
当社グループは、製品の製造のため銅、銀、鋼材等の原材料及び部品、組立外注品等を購入しておりますが、これらは世界経済の状況や原材料産出国の環境により、場合によっては、価格の高騰や入手が困難となる事態になる恐れもあります。当社グループにとって、特に銅価格の高騰が大きく影響いたします。当社では、安定調達及び原価低減活動に努めておりますが、原材料・部品の価格高騰又は入手難が生じた場合には、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。
(14)コンプライアンスに関するリスクについて
当社グループの事業は、当社が事業を展開する国及び地域における規制並びに法令等の適用を受けており、それらを遵守して事業運営を行っておりますが、取締役・執行役員及び従業員等が遵守すべき法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受けたり、お客様からの信頼を失ったりする可能性があります。当社グループでは、コンプライアンス体制の強化に努め研修を行うなど予防策を講じておりますが、法令違反を問われることがあった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
(15)重大な感染症の流行について
当社グループが事業活動を行うにあたり、重大な感染症の流行により、当社グループの一部又は全部の操業が停止する場合があります。このような事態が生じた場合は、当社グループ従業員、顧客及び取引先等への感染防止に努めるとともに、生産拠点、調達先及び調達ルートの変更等により事業活動への影響を低減してまいります。しかしながら、想定以上の拡大及び長期化等により、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中国の一部地域における新型コロナウイルス感染症の再拡大、ウクライナ情勢悪化に伴うエネルギー価格の高騰、欧米におけるインフレの加速と政策金利の引き上げ等により、先行きの不透明感が強まったものの、新型コロナウイルス感染症対策と経済活動の両立が進展し、緩やかな回復が続きました。米国では、底堅く推移した個人消費や設備投資により、景気の持ち直しがみられましたが、インフレの抑制を最優先とした金利上昇の影響により、そのペースに鈍化がみられました。欧州の主要国及び英国では、行動制限の緩和により景気は回復傾向であったものの、エネルギー価格高騰に伴う価格転嫁でインフレが継続し、景気回復のペースが抑制されました。中国においては、ゼロコロナ政策による一部地域のロックダウンや同政策緩和後の感染拡大により、景気回復のペースが鈍化しました。その他の新興国については、インフレの進行や通貨安等の影響はあったものの、総じて景気は緩やかな回復基調で推移しました。わが国においては、経済活動制限の緩和により個人消費に持ち直しの動きがみられたものの、急激な為替変動やエネルギー価格の高騰によるインフレの進行が、景気回復のペースを鈍化させました。
当社グループを取り巻く経済環境は、国内においては民間の設備投資が堅調に推移しました。海外における設備投資は、一部の地域においては感染症の影響を受けたものの、総じて堅調に推移しました。当社の主要顧客である造船業界においては、鋼材価格の高騰を受けた船価の上昇等により新造船の受注環境は軟調ながらも、LNG船や海上輸送の脱炭素実現に向けた次世代燃料船の需要が高まり、手持ち工事量は高い水準を維持しました。一方、半導体や樹脂製品を中心とした部品の供給制約や、銅をはじめとする原材料価格、物流コスト及びエネルギー価格の高騰が継続し、製造コストへの影響が続きました。
このような状況のもと、当連結会計年度の売上高は、産業用システム製品(産業用配電制御システム等)の国内及び海外プラント向け等が減少したものの、機器製品(低圧遮断器等)の国内、欧州及びマレーシア向けが増加したこと、また船舶用システム製品(船舶用配電制御システム等)のコンテナ船及び陸電供給システム等が増加したことにより、44,253百万円と前年同期比16.9%の増加となりました。営業利益は2,868百万円と前年同期比75.2%の増益、経常利益は3,479百万円と前年同期比79.0%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、2,345百万円と前年同期比83.8%の増益となりました。
製品別の売上高は、システム製品(配電制御システム等)が22,935百万円と前年同期比11.8%の増加、機器製品が21,317百万円と前年同期比22.9%の増加となりました。
システム製品の受注高は、造船市況の回復を背景に船舶用システム製品の受注が増加したこと等により、前年同期を19.1%上回る31,451百万円となりました。その結果、受注残高は前連結会計年度末より8,515百万円増加し、31,629百万円となりました。
なお、機器製品は、計画生産を行っているため、上記受注高、受注残高には含めておりません。
当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績は以下のとおりです。
「日本」
船舶用システム製品は、コンテナ船及び陸電供給システム等が増加したことにより、売上は前年同期と比べ大幅に増加しました。
産業用システム製品は、国内及び海外プラント向けが減少したこと等により、売上は前年同期と比べ減少しました。
メディカルデバイスは、海外における新規設備投資が低調に推移したものの、国内において需要が増加したこと等により、売上は前年同期と比べ増加しました。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、海洋環境規制関連工事及び産業エンジニアリング案件が減少したものの、国内鉄道関連施設のエンジニアリング案件が増加したことにより、売上は前年同期と比べ若干増加しました。
以上により、システム製品全体の売上は前年同期と比べ増加しました。
機器製品は、海外向けにおいて西アジア及びオセアニア向けが低調に推移したものの、国内向けは設備投資及び舶用市場向けが増加したことから、機器製品全体の売上は前年同期と比べ増加しました。
その結果、当セグメントの売上高は24,553百万円と前年同期比11.6%の増加、セグメント利益は2,332百万円と前年同期比15.4%の増益となりました。
「アジア」
船舶用システム製品の売上は、前年同期と比べ増加しました。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、船舶向け点検作業が増加したこと等により、売上は前年同期と比べ増加しました。
機器製品は、マレーシア国内向けが好調であったことから、売上は前年同期と比べ大幅に増加しました。
その結果、当セグメントの売上高は13,512百万円と前年同期比26.4%増加、セグメント利益は985百万円と前年同期比614.0%の増益となりました。
「ヨーロッパ」
機器製品は、欧州、英国内及び中近東向けが好調であったことから、売上は前年同期と比べ増加しました。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、ブレーカの更新工事が増加し、売上は前年同期と比べ増加しました。
その結果、当セグメントの売上高は6,188百万円と前年同期比19.8%の増加、セグメント利益は438百万円と前年同期比80.0%の増益となりました。
②財政状態の状況
資産の部では、現金及び預金が413百万円減少した一方、棚卸資産が4,084百万円及び受取手形、売掛金及び契約資産が1,500百万円それぞれ増加したこと等により、流動資産は前期末比6,280百万円増加し、42,894百万円となりました。
固定資産では、投資その他の資産のその他が281百万円減少した一方、有形固定資産が1,392百万円及び退職給付に係る資産が99百万円それぞれ増加したこと等により、前期末比1,243百万円増加し、17,048百万円となりました。
その結果、資産合計は前期末比7,524百万円増加し、59,943百万円となりました。
負債の部では、支払手形及び買掛金が947百万円及び電子記録債務が493百万円それぞれ増加したこと等により、流動負債は前期末比2,627百万円増加し、14,064百万円となりました。
固定負債では、長期借入金が1,084百万円及びその他の固定負債が824百万円それぞれ増加したこと等により、前期末比2,135百万円増加し、5,248百万円となりました。
その結果、負債合計は前期末比4,762百万円増加し、19,313百万円となりました。
純資産の部では、退職給付に係る調整累計額が288百万円減少した一方、為替換算調整勘定が908百万円増加し、加えて、親会社株主に帰属する当期純利益2,345百万円の計上により利益剰余金が2,110百万円増加したこと等から、純資産合計は前期末比2,761百万円増加し、40,629百万円となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ413百万円減少し、当連結会計年度末には11,357百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は663百万円(前年同期は39百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益3,466百万円、仕入債務の増加による収入1,294百万円、売上債権の増加による支出1,257百万円、棚卸資産の増加による支出3,914百万円及び法人税等の支払による支出874百万円等によります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,314百万円(前年同期は933百万円支出)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,421百万円及びその他の収入104百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1,196百万円(前年同期は923百万円支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入2,200百万円及び配当の支払による支出234百万円等によるものであります。
④生産・受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
(千円) |
26,385,511 |
123.7 |
|
アジア |
(千円) |
14,892,387 |
140.0 |
|
ヨーロッパ |
(千円) |
6,379,517 |
121.7 |
|
合計 |
(千円) |
47,657,416 |
128.1 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.受注実績
当社グループが生産・販売しております製品は配電制御システム等のシステム製品と低圧遮断器等の機器製品であります。システム製品については受注生産を行っており、機器製品については計画生産を行っております。従って、システム製品について、その受注実績を記載しております。
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。
|
|
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
|||
|
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
|
システム製品 |
31,451,677 |
119.1 |
31,629,750 |
136.8 |
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
|
日本 |
(千円) |
24,553,145 |
111.6 |
|
アジア |
(千円) |
13,512,090 |
126.4 |
|
ヨーロッパ |
(千円) |
6,188,220 |
119.8 |
|
合計 |
(千円) |
44,253,456 |
116.9 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における販売先については、いずれも販売実績が総販売実績の100分の10未満でありますので記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 [経理の状況]1.連結財務諸表(1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は経営指標として、連結営業利益率5%以上及び自己資本比率55%以上を継続的に確保することを中期目標としております。当連結会計年度におきましては、連結営業利益率は6.5%、自己資本比率は67.7%と、中期目標を達成することができました。
船舶用システム製品は、配電制御システムの受注強化に加え、環境・省エネ関連製品の受注拡大や、最適エネルギーマネジメントシステム、IoT及びビッグデータ活用などの技術を利用した研究開発への取り組みにより、船舶1隻あたりの当社の活躍度を高めるべく活動してまいりました。
機器製品は、新製品の開発及び設備投資を行ってまいりました。
産業用システム製品は、国内外の鉄道関連及びプラント案件への受注強化に努めてまいりました。
メディカルデバイスは、医療業界のニーズに合った新製品開発に取り組んでまいりました。
エンジニアリング及びライフサイクルサービスは、GSN(グローバル・サービス・ネットワーク)の拡充、船舶用及び産業用システム製品におけるエンジニアリング事業の強化に注力するとともに、お客様のニーズに合った提案を行ってまいりました。
今後も引き続きTEAM TERASAKIとして緊密に連携し、様々な顧客のニーズへ的確かつ迅速な対応によって顧客満足度を高めるとともに、設計・生産改善活動の強化による原価低減と生産性向上により更なる業務改善に取り組んでまいります。
a.当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.当連結会計年度の財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
c.キャッシュ・フローの分析
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2[事業の状況] 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンド
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
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自己資本比率(%) |
71.7 |
72.2 |
67.7 |
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時価ベースの自己資本比率(%) |
33.5 |
26.5 |
24.8 |
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キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
0.8 |
56.5 |
- |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
104.5 |
1.2 |
- |
自己資本比率: 自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率: 有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ: 営業キャッシュ・フロー/利払い
(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を払っている全ての負債を対象としております。
4.営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
5.2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
e.資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資本政策につきましては、財務の健全性や資本効率など最適な資本構成を勘案しながら、会社の将来の成長のための内部留保の充実と、株主への利益還元の最適なバランスを考えて実施していくことを基本としております。
また、資金の流動性につきましては、当社グループの事業運営上の必要な資金の流動性を安定的に確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。この方針のもと、短期の運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期の運転資金の調達は金融機関からの長期借入を基本とした資金調達を行っております。
当連結会計年度においては、生産設備等の有形固定資産の取得に2,402百万円、研究開発関連の投資に841百万円の支出を行いました。これらの投資のための所要資金は、借入及び自己資金にて賄っております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は4,679百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は11,357百万円となっております。
該当事項はありません。
当社グループは、多種多様な顧客が要求する各種の配電・制御・監視システム及び同関連機器(低圧遮断器等)と医療用機器を適時市場へ提供することを目的として製品開発を行っております。経営環境の変化が著しい現在、変化する顧客のニーズを把握することを最大の課題と考え、市場調査を綿密に行っております。その結果と当社グループ保有の技術の融合により的確な新製品の開発と市場へのいち早い提供を基本方針としております。
当社グループの研究開発活動には、新技術・新製品の開発と既存製品の改良・改善及びその応用があります。システム製品(配電制御システム等)及び機器製品(低圧遮断器等)はその技術の根幹が異なるため、それぞれ個別の組織で研究開発を行っております。
システム製品の研究開発拠点は日本セグメントの当社とテラメックス㈱両社の開発部門であり、機器製品の研究開発拠点は当社の開発部門であります。当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
当連結会計年度における当社グループの主要な研究開発の成果は、以下のとおりであります。
システム製品
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製品名 |
製品の特徴・概要 |
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船舶用高遮断高圧配電盤 |
大型コンテナ船、大型LNG運搬船、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備等の電力の大容量化に対応した、船舶用高遮断高圧配電盤であります。(開発継続中) |
機器製品
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製品名 |
製品の特徴・概要 |
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気中遮断器 |
計測精度及び通信機能を向上させた新型の気中遮断器(ACB)であります。(開発完了) |