第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。

 なお、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 事業等のリスク (4)内部統制・法的手続・法的規制等に関するリスク」の項目番号に対応したものです。

 

(⑥ 情報管理)

 NECグループは、通常の事業遂行に関連して、個人番号(マイナンバー)を含む多数の個人情報や機密情報を保有しています。近年、企業や機関が保有する情報や記録が流出しまたは不正なアクセスを受けるといった事件が多発していますが、NECグループが保有する顧客または従業員に関する個人情報や機密情報が流出しまたは不正なアクセスを受け、それが不正に使用された場合には、NECグループは法的な責任を負い、規制当局による処分を受ける可能性があり、NECグループの評価およびブランド価値が損なわれる可能性があります。

 NECグループは、個人情報を個人情報保護法等の関係法令に従い取り扱わなければなりませんが、NECグループが、かかる情報を保護できなかった場合、これにより生じた経済的損失または精神的苦痛に対し、賠償しなければならない場合があります。また、情報保護対策を実施するために、多額の費用が発生し、または通常業務に支障が生じる可能性があります。加えて、情報漏えい事故が発生した場合には、NECグループの業務、システムまたはブランドに対する社会的信用が低下し、NECグループに対する顧客および市場からの信頼を失い、NECグループの事業、業績および財政状態に重大な悪影響を与える可能性があります。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定、締結等はありません。

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)業績の状況

 当第3四半期連結累計期間の世界経済は、米国や欧州などの先進国は堅調に推移したものの、中国やロシア、ブラジルなどを中心に新興国の成長が鈍化したことなどから、全体としては成長の

ペースが非常に緩やかとなりました。

 日本経済は、消費税率の引き上げによる影響が一巡したものの、個人消費や製造業を中心とした生産活動など、全体的に横ばいで推移しました。

 このような事業環境のもと、当第3四半期連結累計期間の売上高は、1兆9,491億円と前年同期に比べ529億円(2.6%)減少しました。これは、エンタープライズ事業が増収となったものの、パブリック事業やテレコムキャリア事業が減収となったことや、その他の事業が物流サービス事業の非連結化などにより減収となったことなどによるものです。

 収益面につきましては、営業損益は、前年同期に比べ174億円悪化し、183億円の利益となりました。これは、エンタープライズ事業の売上が増加したものの、パブリック事業やテレコムキャリア事業の売上が減少したことなどによるものです。

 経常損益は、退職給付費用が減少したものの、営業損益の悪化に加え、為替差損益が悪化したことなどにより、前年同期に比べ211億円悪化し、152億円の利益となりました。

 税金等調整前四半期純損益は、投資有価証券売却益が増加したものの、経常損益の悪化などにより、前年同期に比べ158億円悪化し、207億円の利益となりました。

 親会社株主に帰属する四半期純損益は、税金等調整前四半期純損益の悪化に加え、前年同期にNECフィールディング㈱の完全子会社化に伴う非支配株主持分の取り込みがあったことなどにより、前年同期に比べ224億円悪化し、3億円の利益となりました。

 

 セグメント別の業績は以下のとおりです。なお、セグメント別の売上高については、外部顧客への売上高を記載しています。

 

     a.パブリック事業

 パブリック事業の売上高は、官公向けで前年同期にあった大型案件の売上が減少したことなどにより、前年同期に比べ303億円(5.8%)減少し、4,956億円となりました。

 営業損益は、売上の減少に加え、拡販活動強化による費用の増加などにより、前年同期に比べ153億円悪化し、224億円の利益となりました。

 

b.エンタープライズ事業

 

 エンタープライズ事業の売上高は、流通・サービス業向け、製造業向けで共に大型案件があったことなどにより、前年同期に比べ299億円(15.9%)増加し、2,177億円となりました。

 営業損益は、売上の増加に加え、システム構築サービスの収益性改善などにより、前年同期に比べ98億円改善し、126億円の利益となりました。

 

c.テレコムキャリア事業

 

 テレコムキャリア事業の売上高は、海外において海洋システムや通信運用管理ソリューション(TOMS)などが増加したものの、国内事業が減少したことにより、前年同期に比べ166億円(3.3%)減少し、4,867億円となりました。

 営業損益は、売上が減少したことなどにより、前年同期に比べ90億円悪化し、164億円の利益となりました。

 

d.システムプラットフォーム事業

 

 システムプラットフォーム事業の売上高は、ハードウェアが増加したことなどにより、前年同期に比べ29億円(0.6%)増加し、5,187億円となりました。

 営業損益は、前年同期並みの131億円の利益となりました。

 

e.その他

 

 その他の売上高は、携帯電話の出荷台数やスマートエネルギー事業が減少したことや、物流サービス事業を非連結化したことなどにより、前年同期に比べ388億円(14.4%)減少し、2,303億円となりました。

 営業損益は、売上が減少したことなどにより、前年同期に比べ54億円悪化し、112億円の損失となりました。

 

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、221億円の支出で、運転資本が改善したことなどにより、前年同期に比べ113億円改善しました。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、269億円の支出で、前年同期に比べ154億円支出額が減少しました。これは、事業買収に伴う支出が減少したことなどによるものです。

 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、490億円の支出となり、前年同期に比べ267億円改善しまし

た。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還や配当金の支払いなどを行ったものの、コマーシャル・ペーパーや社債の発行による資金調達を行ったことなどにより、418億円の収入となりました。

 上記の結果、現金及び現金同等物は、1,717億円となり、前年度末に比べ94億円減少しまし

た。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

① 対処すべき課題

 当社は、平成27年5月に東京電力㈱との電力保安通信用機器の取引に関して独占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立ち入り検査を受けました。

 当社は、従来からコンプライアンスを経営上の重要な課題の一つとして捉え、その徹底に努めてまいりましたが、立ち入り検査を受けた事実を厳粛かつ真摯に受け止め、公正取引委員会の調査に全面的に協力しております。

 

② 株式会社の支配に関する基本方針

 当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のありかたは、株主が最終的に決定するものと考えています。一方、経営支配権の取得を目的とする当社株式の大量買付行為や買収提案があった場合には、買収提案に応じるか否かについての株主の判断のため、買収提案者に対して対価等の条件の妥当性や買付行為がNECグループの経営方針や事業計画等に与える影響などに関する適切な情報の提供を求めるとともに、それが当社の企業価値および株主共同の利益の向上に寄与するものであるかどうかについて評価、検討し、速やかに当社の見解を示すことが取締役会の責任であると考えています。また、状況に応じて、買収提案者との交渉や株主への代替案の提示を行うことも必要であると考えます。

 当社は、現在、買収提案者が出現した場合の対応方針としての買収防衛策をあらかじめ定めていませんが、買収提案があった場合に、買収提案者から適切な情報が得られなかったとき、株主が買収提案について判断をするための十分な時間が与えられていないとき、または買付行為が当社の企業価値および株主共同の利益の向上に反すると判断したときには、その時点において実行可能で、かつ株主に受け入れられる合理的な対抗策を直ちに決定し、実施する予定です。また、今後の事業環境、市場動向、関係法令等の動向により適当と認めるときは、当社の企業価値および株主共同の利益の向上を目的として、買収提案に対抗するための買収防衛策をあらかじめ導入することも検討します。

 

(4)研究開発活動

 NECグループでは、「2015中期経営計画」で掲げた社会ソリューション事業の推進により、人が豊かに生きるための安全・安心・効率的・公平な社会の実現を目指しています。その実現に向けて中央研究所は、社会ソリューション事業の軸となる既存事業向けの技術成果を創出するとともに、社会に対して新たな価値を提供しうる将来事業向けの革新的技術成果を創出することで、NECグループの持続的な発展を支えていきます。

 具体的には、ビッグデータの解析により新たな価値を創造する「データサイエンス」の技術領域と、これを支えるICT基盤技術であり、かつ社会インフラが抱えるより大規模・複雑な課題に対応するために必要な「プラットフォーム」の技術領域を中心に、研究開発を推進しています。

 「データサイエンス」の技術領域では、見える化技術によって従来よりも広く深い情報を入手・分析し、複雑化・不確実化する社会システムの将来を予測することによって、社会システム全体のダイナミックな最適制御を実現していきます。「プラットフォーム」の技術領域では、

コンピューティングやネットワーキング、セキュリティの分野においてNECグループが保有するユニークな技術を発展させることにより、即時性・遠隔性・堅牢性を実現するための研究開発を進めています。

 また、グローバルに研究成果を創出するため、北米、欧州、中国、シンガポール、日本に研究開発拠点を設置し、それぞれの地の利を生かした研究開発を推進するとともに、顧客や世界最先端の技術を有する研究パートナーとのオープンイノベーションを通じて、より大きな社会価値を創出することに挑戦しています。

 

 NECグループのセグメント別の主な研究開発の内容は、次のとおりです。

 

(パブリック事業)

官公、公共、医療、金融およびメディア向けの事業領域における、システムやソリューションの研究開発を行っています。

 

(エンタープライズ事業)

製造業および流通・サービス業向けの事業領域における、システムやソリューションの研究開発を行っています。

 

(テレコムキャリア事業)

通信キャリア向けの事業領域における、ネットワークシステムやソリューションの研究開発を行っています。

 

(システムプラットフォーム事業)

ハードウェア、ソフトウェア、企業ネットワークおよびサービス事業領域における、システム基盤の研究開発を行っています。

 

(その他)

環境・エネルギー事業領域における、蓄電池をはじめとするエネルギー・コンポーネントおよびエネルギー・マネジメント・システムの研究開発を行っています。

 

 当第3四半期連結累計期間における主な研究開発活動の成果は、次のとおりです。

 

・土に含まれる水分量から、土砂斜面の危険度を高精度に算出できるデータ解析技術を開発(パブリック事業)

 

・顔認証技術などと組み合わせることで、街中・駅・観光地での防犯やおもてなしサービスなどに適用可能な、大量の映像から特定のパターンで出現する対象を高速に検索できるAI(人工知能)技術「時空間データ横断プロファイリング」を開発(パブリック事業)

 

・ビッグデータ分析技術を用いた実証実験において日配品の廃棄を約40%削減することに成功した、適正な発注を実現する小売業向けソリューションを発売(エンタープライズ事業)

 

製品等の固有の紋様をデータベースと照合することで製品個体や製造元を瞬時かつ高精度に識別する「物体指紋認証技術」を強化し、金属以外にも多様な材質の物体の認識を実現(エン

 タープライズ事業)

 

・大量・多様なIoT(Internet of Things)デバイスを低負荷でモバイルネットワークに接続できる通信技術を開発し、モバイルネットワークの標準化団体(3GPP)の国際標準規格に採用(テレコムキャリア事業)

 

・救急車やドクターカーなど、高速移動によりモバイル通信の環境が不安定な場合においても高画質なライブ映像配信が可能な「適応レート制御技術」を開発(テレコムキャリア事業)

 

ビッグデータに混在する多数の規則性を発見する「異種混合学習技術」などを用いた予測結果に基づき、人間に代わって戦略や計画の立案といった高度な判断を行うことを可能とするAI技術「予測型意思決定技術」を開発(システムプラットフォーム事業)

 

・システム全体の詳細な動作状態から学習した定常状態との比較・分析により、未知のサイバー攻撃等の異常をリアルタイムに自動検知するAI技術「自己学習型システム異常検知技術」を開発(システムプラットフォーム事業)

 

・太陽光発電において、気象変化等による発電量の予測と当たる確率を高精度で把握することにより、太陽光発電事業者に対する最適な出力抑制量の配分を可能にする一括制御技術を開発(その他)

 

 当第3四半期連結累計期間におけるNECグループ全体の研究開発費は、88,070百万円であり、セグメントごとの内訳は、次のとおりです。

 

パブリック事業             10,414百万円

エンタープライズ事業           1,797百万円

テレコムキャリア事業          34,336百万円

システムプラットフォーム事業      29,043百万円

その他                 12,480百万円