1【提出理由】

当社は、2025年4月24日開催の取締役会において、2025年7月1日を効力発生日として、当社がフォトニクスシステムおよびモバイルシステム等のネットワークプロダクトの研究・開発・設計・製造・販売・企画・保守・運用事業(以下、「対象事業」という。)に関して有する権利義務を会社分割(簡易新設分割)により新設する1FINITY株式会社に承継すること(以下、「本会社分割」という。)を内容とする新設分割計画の承認を決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項および企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第7号の2の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

 

2【報告内容】

(1) 新設分割の目的

当社は、2023年5月に公表した中期経営計画の中で、2030年に向けたビジョンを、「デジタルサービスによってネットポジティブを実現するテクノロジーカンパニー」への変革と定めました。そのビジョンの実現に向け、「事業モデル・ポートフォリオ戦略」を重点戦略の一つとして掲げ、2025年までの3年間を、持続的な成長と収益力向上のモデル構築期間として位置づけています。

本会社分割は、この中期経営計画に沿った対象事業における戦略的な取り組みの一つであり、対象事業を一貫して担う専業会社として1FINITY株式会社(以下、この項において「1FINITY」という。)を新設することで対象事業を強化すると共に、独立した企業として経営責任の明確化と経営判断の迅速化を図ります。また、併せて、対象事業に係るグループ会社を1FINITY配下に移管します。この新たなフォーメーションにより、グローバル市場でのビジネス成長、製品およびコスト競争力の強化、ならびに新たなビジネス領域への挑戦に取り組むことで、最先端のテクノロジーを最大限に活用した製品の早期提供やソフトウェア技術へのシフト、AIデータセンター市場への拡大などを通じて、変化の激しい市場環境への迅速な対応とイノベーションの創出を目指します。

 

(2) 新設分割の方法、新設分割に係る割当ての内容その他の新設分割計画の内容

①新設分割の方法
当社を新設分割会社とし、設立する1FINITY株式会社を新設分割設立会社とする新設分割です。なお、本分割は会社法第805条に定める簡易新設分割に該当するため株主総会の承認を得ることなく行います。

②新設分割に係る割当ての内容
本分割に際し新設分割設立会社となる1FINITY株式会社が発行する普通株式8,000株は、すべて新設分割会社となる当社に割当交付いたします。

③その他の新設分割計画の内容
当社が2025年4月24日の取締役会で承認した新設分割計画の内容は後記「新設分割計画書」のとおりです。

 

(3) 新設分割に係る割当ての内容の算定根拠

本分割は当社単独での新設分割であり、新設分割設立会社の株式の全てが当社に割り当てられるため、第三者機関による算定は実施しておりません。割当て株式数につきましては、新設分割設立会社の資本金の額等を考慮し、前記株式数を新設分割会社に交付することが相当であるとの判断に基づき決定したものであります。

 

(4) 新設分割設立会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容

商号

1FINITY株式会社

本店の所在地

神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号

代表者の氏名

代表取締役社長 森林 正彰

資本金の額

4億円

純資産の額

691億円(予定)

総資産の額

722億円(予定)

事業の内容

通信機器・装置・システムの研究、開発、設計、製造、販売、企画および保守・修理サポート

 

(以下、新設分割計画書の写し)

 

新 設 分 割 計 画 書

 

 

富士通株式会社(以下「甲」という。)は、以下の計画に従い、新たに設立する会社(以下「乙」という。)に甲の通信機器・装置・システム事業(以下「本件事業」という。)を承継させる新設分割(以下「本件新設分割」という。)を行う。

 

第1条(承継する事業の定義)

「本件事業」の定義は次のとおりとする。

通信機器・装置・システムの研究、開発、設計、製造、販売、企画および保守・修理サポート事業

 

第2条(効力発生日)

乙の設立年月日および本件新設分割の効力発生日は2025年7月1日(以下「分割期日」という。)とする。ただし、分割期日までに本件新設分割に関する必要な手続き等が終了しないときは、これを変更することができる。

 

第3条(乙の目的、商号、本店の所在地、本店の所在場所および発行可能株式総数)

乙の目的、商号、本店の所在地、本店の所在場所および発行可能株式総数は以下のとおりとする。

(1)目的

1.通信機器・装置・システムの研究、開発、設計、製造、販売、企画および保守・修理サポート

2.前号に付帯または関連するソフトウェアおよび部品の設計、開発、製造、製作、ライセンス、販売、輸出入

3.前各号に付帯または関連する一切の業務

(2)商号       1FINITY株式会社

(3)本店の所在地   神奈川県川崎市

(4)本店の所在場所  神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号

(5)発行可能株式総数 20,000株

 

第4条(乙の定款)

本件新設分割により設立すべき乙の定款は別紙1のとおりとする。

 

第5条(乙の設立時取締役)

乙の設立時取締役は次のとおりとする。

森林 正彰

 

第6条(乙の設立時監査役)

乙の設立時監査役は次のとおりとする。

増山 健二

 

第7条(乙が承継する資産、債務、その他権利義務)

乙は、本件新設分割の効力発生日において、本件事業にかかる次に掲げる資産、債務、契約上の地位、その他権利義務を甲から承継する。なお、債務の承継は免責的債務引受の方法による。乙の承継する資産および債務は、2024年3月31日を算定基準日とし、同日現在の甲の貸借対照表を基礎として、分割期日までの増減を加減したうえで確定する。

 

承継する資産、債務および契約上の地位ならびにその他権利義務

①本件事業にかかる製品、半製品、原材料およびその他の流動資産

②専ら本件事業にかかる土地、建物、構築物、附属設備、機械装置、工具器具、測定器類、什器備品、社内設置計算機、ソフトウェアおよびその他の固定資産

③別途特定する投資有価証券

④本件事業に専ら実施または使用している産業財産権、著作権、ノウハウ

⑤本件事業にかかる投資その他の資産

⑥本件事業にかかる固定繰延税金資産

⑦本件事業にかかる債務(本件新設分割の効力発生日前において既に発生している債務および当該効力発生日前の原因に基づき当該効力発生日後に発生する債務(偶発債務、潜在債務、簿外債務等の認識されていない債務を含む。)を含み、後記の承継対象から除外する権利および義務の①に掲げる債務を除く。)

⑧本件事業に専ら属する契約(本件事業以外の甲の事業にも関連するものを除き、雇用契約を除く。)に係る契約上の地位およびこれに基づく権利義務(本件新設分割の効力発生日前において既に発生している権利義務および効力発生日前の原因に基づき効力発生日後に発生する権利義務その他明示的に移転・承継の対象とされた債務以外の本件事業に関連するすべての債務(未発生のものその他の偶発債務、潜在債務、簿外債務等の認識されていない債務を含む。)を含む。)

 

ただし、次に掲げる権利および義務については、承継の対象から除外するものとする。

①本件事業にかかる債務のうち、買掛債務、未払債務および甲の貸借対照表上の勘定科目上のその他の負債(引当債務を除く)

②本件事業にかかる売掛債権および甲の貸借対照表上の勘定科目上のその他債権

③本件事業に属する製品の販売および保守に関する甲と顧客との間の契約、ならびに本件事業に属する製品の部品等の調達に関する甲と甲の調達先との間の契約(甲がその関係会社と締結したものを含む)に係る契約上の地位およびこれに基づく権利義務(本効力発生日前において既に発生している権利義務および本効力発生日前の原因に基づき本効力発生日後に発生する権利義務その他明示的に移転・承継の対象とされた債務以外の本件事業に関連するすべての債務(未発生のものその他の偶発債務、潜在債務、簿外債務等の認識されていない債務を含む。)を含む。)

④本件事業にかかる第三者への特許の実施許諾契約

⑤譲渡不可のソフトウェアライセンス

 

第8条(雇用契約)

本件事業に従事する従業員は甲からの出向とすることから、乙は雇用契約を承継しない。

 

第9条(新設会社が分割に際して発行する株式の種類および数ならびにその割当に関する事項)

乙は本件新設分割に際して普通株式8,000株を発行し、そのすべてを甲に割り当てる。

 

第10条(新設会社の資本金および資本準備金)

乙の資本金および資本準備金は次のとおりとする。

(1)資本金   400百万円

(2)資本準備金 株主資本等変動額(会社計算規則第49条第1項に定める株主資本等変動額をいう。)から前号の額を減じて得た額

 

第11条(分割承認総会)

甲は、会社法第805条の規定により、株主総会において本分割計画書の承認を得ることなく、本件新設分割を行う。

 

第12条(移転手続)

甲は乙に承継させる資産について、登記、登録、通知等、権利の移転に必要な手続を乙と協力し、本件新設分割後遅滞なく実施する。

 

第13条(事情変更の場合)

甲は、本分割計画書作成後、分割期日までの間に、故意、過失、または不可抗力により本件事業またはこれにかかる財産に変動が生じたときは、分割条件を変更し、または本件新設分割を取りやめることができる。

 

第14条(分割の効力)

本件新設分割は法令に定められた官庁の承認が得られないときは、その効力を失う。

 

第15条(競業避止義務)

甲は、本件新設分割の効力発生後においても、乙に対して、本件事業に関し競業避止義務を負わないものとする。

 

第16条(その他の事項)

本分割計画書に定めのない事項その他本件新設分割に関し必要な事項については、本件新設分割計画の趣旨に基づき甲がこれを決定する。

 

以 上

 

 

2025年4月24日

神奈川県川崎市中原区上小田中四丁目1番1号

富士通株式会社

代表取締役社長  時田 隆仁

 

 

 

別紙1

定 款

 

第1章 総 則

 

第1条(商号)

 当会社は、1FINITY株式会社と称し、英文では1FINITY Inc.と表示する。

 

第2条(目的)

 当会社は、次の各号に記載する事業を営むことを目的とする。

  1.通信機器・装置・システムの研究、開発、設計、製造、販売、企画および保守・修理サポート

  2.前号に付帯または関連するソフトウェアおよび部品の設計、開発、製造、製作、ライセンス、販売、輸出入

  3.前各号に付帯または関連する一切の業務

 

第3条(本店所在地)

 当会社は、本店を神奈川県川崎市に置く。

 

第4条(機関)

 当会社は、株主総会および取締役のほか、次の機関を置く。

(1)監査役

 

第5条(公告方法)

 当会社の公告は、電子公告とする。ただし、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合は、官報に掲載する方法により行う。

 

第2章 株 式

 

第6条(発行可能株式総数)

 当会社の発行可能株式総数は20,000株とする。

 

第7条(株式の譲渡制限)

 当会社の株式を譲渡により取得するには、株主または取得者は株主総会の承認を受けなければならない。

 

第8条(基準日)

 当会社は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載または記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使することができる株主とする。

2 前項のほか、必要があるときは、取締役の決定によりあらかじめ公告して、一定の日の最終の株主名簿に記載又は記録されている株主又は登録株式質権者をもって、その権利を行使することができる株主又は登録株式質権者とみなすことができる。

 

第3章 株主総会

 

第9条(招集時期)

 当会社の定時株主総会は、毎事業年度の終了後3か月以内に招集し、臨時株主総会は、必要がある場合に招集する。

 

第10条(招集権者)

 株主総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役が招集する。

 

第11条(株主総会の議長)

 株主総会の議長は、取締役がこれにあたる。

2 取締役に事故があるときは、当該株主総会で議長を選出する。

 

第12条(株主総会の決議)

 株主総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、出席した議決権を行使することができる株主の議決権の過半数をもって行う。

 

第13条(決議及び報告の省略)

 取締役または株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。

2 取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合において、当該事項を株主総会に報告することを要しないことにつき株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該事項の株主総会への報告があったものとみなす。

 

第14条(議事録)

 株主総会の議事については、議事の経過の要領および結果ならびにその他法令に定める事項を記載または記録し、その原本を株主総会の日から10年間本店に備え置く。

 

第4章 取締役

 

第15条(取締役の員数)

 当会社の取締役は、1名とする。

 

第16条(取締役の任期)

 取締役の任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

2 任期満了前に退任した取締役の補欠として選任された取締役の任期は、前任者の任期満了の時までとする。

 

第17条(報酬等)

 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として当会社から受ける財産上の利益は、株主総会の決議をもって定める。

 

第5章 監査役

 

第18条(員 数)

 当会社の監査役は、1名とする。

 

第19条(任 期)

 監査役の任期は、選任後4年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。

2 任期満了前に退任した監査役の補欠として選任された監査役の任期は、前任者の任期満了の時までとする。

 

第20条(報酬等)

 監査役の報酬等は、株主総会の決議をもって定める。

 

第6章 計 算

 

第21条(事業年度)

 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までとする。

 

第22条(剰余金の配当)

 剰余金の配当は、毎事業年度末日現在の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して行う。

 

第7章 附 則

 

第23条(最初の事業年度)

 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から2026年3月31日までとする。

 

第24条(設立時取締役等)

 当会社の設立時の取締役、監査役および代表取締役は、次のとおりである。

設立時取締役    森林 正彰

設立時監査役    増山 健二

設立時代表取締役  森林 正彰

 

第25条(法令の準拠)

 この定款に規定のない事項は、全て会社法その他の法令に従う。

 

 

以 上