OKIグループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであります。
OKIは、創業以来の「進取の精神」を脈々と受け継ぎ、140年を超える歴史の中で常に現場のお客さまの課題に寄り添い、止まることが許されないミッションクリティカルな社会インフラを支える商品・サービスを提供してきました。「社会の大丈夫を作っていく。」企業として、地球上のすべての人々の生活の基盤を向上させていくことがOKIの使命であります。
中期経営計画2025は「成長へ舵を切り、縮小均衡から脱却する」という基本方針のもと、「2019年度水準へ業績を回復し、棄損した財務基盤を回復」することと「2026年度以降の将来事業の創出」をテーマに、2025年度の売上高4,500億円、営業利益180億円、自己資本比率30%という経営目標を立てました。「成長への舵切り1st Stage」として掲げた施策をやり切ってこの目標を達成し、創業150周年となる2031年をターゲットに将来事業を拡大する「成長への舵切り2nd Stage」(2026年度~)へとつなげてまいります。
(1)中期経営計画2025経営目標の状況
2024年度は、売上高・営業利益が2019年度水準まで回復し、財務基盤も着実に回復しております。2025年度は、中期経営計画2025で掲げた当期純利益目標100億円に対して140億円、ROE目標8%に対して9.4%、自己資本比率目標30%に対して37%、ネットD/Eレシオ目標0.7倍に対して0.5倍と、いずれも目標を上回る水準を目指しております。
(2)事業戦略の状況
<成長事業>
◇パブリックソリューション
成長事業として堅調に推移しております。
社会インフラソリューションは、消防・防災・道路市場への対応強化継続とともに、キャリア向けプロダクツの自営ネットワーク市場への展開などに取り組んでおります。
特機システムは、防衛力整備需要拡大を追い風に、技術開発・生産能力増強、海外展開強化に取り組んでおります。
◇EMS
半導体市場やFA・ロボット市場の低迷長期化による減収減益を踏まえ、2025年度は収益力回復に注力しております。さらに次期中期経営計画に向けて戦略を再検討してまいります。
<安定化事業>
◇エンタープライズソリューション
2023年度・2024年度の新紙幣対応案件終了後も、国内金融市場における更改需要は継続し、市場機会の獲得にも取り組んでおります。さらに、ベトナム・アジア市場におけるビジネス拡大、ベトナムへの生産移管によるコストダウンに取り組んでおります。規模・収益ともに安定化のうえ、次期中期経営計画では「安定化事業」からの脱却を目指してまいります。
◇コンポーネントプロダクツ
プリンターの開発・生産に関する事業統合によるエトリア株式会社への参画をテコに構造改革の推進に目途をたて、その効果を実現し、中長期での安定収益化を目指してまいります。
<将来事業創出>
・CFBは、フォトニクス、パワー半導体の2026年度量産化に向け、2025年度での準備完了に取り組んでおります。
・グローバルでは、シリコンバレーを拠点にオープンイノベーション活動に取り組むとともに、共創ファンドを活用しながら、グローバルサウス地域での社会課題解決を目指し、スタートアップ企業との連携を加速しております。
OKIグループ(当社及び連結子会社)のサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在においてOKIグループが判断したものであり、組織名については当連結会計年度末現在のものであります。
OKIグループは、企業理念に掲げた「進取の精神」のもと、「社会の大丈夫をつくっていく。」企業としてモノづくり・コトづくりを通じて社会課題の解決に貢献するとともに、ステークホルダーの皆様の信頼に応える誠実な企業活動を実践しております。
(1)サステナビリティ全般
① ガバナンス
OKIグループは持続的な成長を目的に、特定したマテリアリティに基づく取り組みを推進しております。社長執行役員の指示のもと、サステナビリティの専任組織であるサステナビリティ推進部門、サステナビリティ推進部門担当役員と各主管部門が連携を取りながらマネジメントを行い、サステナビリティの取り組みを推進する体制としております。
サステナビリティに関する重要事項については、経営会議において決定しております。上述の専任組織をはじめとする関係部門から、マテリアリティを具体化した環境・社会・ガバナンスの取り組み状況や課題について、経営会議への報告を行っております。取締役会に対しては、事業に大きな影響を及ぼす事項が報告されます。
サステナビリティ推進体制

<ESG連動報酬>
当社は、取締役の個人別の報酬等にESG(自社拠点CO2排出量の削減率や女性幹部社員比率等)に関する指標を業績評価指標として採用しております。詳細については、「
<業務執行におけるガバナンスの強化>
2024年度は、グループ全体のサステナビリティ体制を改善することを目的に、サステナビリティ推進部門及び担当役員を中心に関連部門と議論を重ね、サステナビリティ分野における外部の動向や内部の課題を抽出し、グループとして中長期に対応する範囲やレベルを設定しました。これを基に、人権、労働安全衛生に関するグループ全体、自社内、サプライチェーン、それぞれの推進計画を策定し、2025年1月から活動をスタートさせております。
当社グループのガバナンス全般については、「
② 戦略
社会やステークホルダーの期待・要請を踏まえ、OKIを取り巻く社会課題の再整理を行ったうえで、サステナビリティ戦略の一環として中期経営計画2025の策定に合わせてマテリアリティをアップデートし、日々の事業活動の中で推進しております。
3つの貢献分野での「社会課題を解決するモノ、コトの実現」と、その基盤となる「事業活動を通じた環境負荷低減」「価値を創出し続ける企業文化への変革」「持続的成長を支える経営基盤強化」を実践し、ESGの取り組みを着実に進めております。中期経営計画2025の最終年度である2025年度の定性的・定量的な目標の進捗を管理するとともに、その進捗を適切に開示し、自社の課題や社会の要請を的確に把握して活動の強化につなげております。
<「社会の大丈夫をつくっていく。」企業としてサステナビリティ経営を実践>

マテリアリティを設定するにあたり、当社が込めた想いと主な価値創造の貢献分野、及び主な取り組みテーマは次のとおりであります。
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マテリアリティ |
私たちの想い |
主な価値創造の貢献分野 |
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社会課題を解決するモノ、コトの実現 |
企業理念に掲げた「進取の精神」のもと「社会の大丈夫をつくっていく。」、すなわち、止まることが許されないミッションクリティカルな商品・サービスの提供を通じて社会課題を解決していくことは、OKIグループとして不変のあるべき姿であり、不断の努力で取り組んでまいります。 |
・安心・便利な社会インフラに貢献 ・働きがいと生産性向上に貢献 |
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・地球環境の保全に貢献 |
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マテリアリティ |
私たちの想い |
主な取り組みテーマ |
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事業活動を通じた環境負荷低減 |
より良い地球環境を次世代に継承するため、グループ全体の環境方針や環境ビジョンに基づき、事業活動を通じた環境負荷低減に取り組んでおります。 |
・自社拠点の環境負荷低減 |
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価値を創出し続ける企業文化への変革 |
新たな価値の創造には、多様な社会要求の変化に対する柔軟な思考と挑戦が必要であります。それを生み出す土台が人的資本の充実やダイバーシティ&インクルージョン、ウェルビーイングであり、その上にイノベーション活動があって、変革に結び付くものと考え、各種の取り組みを進めております。 |
・全員参加型イノベーションによる価値創出 |
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・多様な人材が前向きに活躍できる施策の推進 |
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持続的成長を支える経営基盤強化 |
リスク管理とコンプライアンス遵守、人権配慮、サプライチェーンのCSRなどを実践していくことは、社会の一員としての責任を果たすだけでなく、企業価値の向上ひいては社会の持続的成長の実現につながるものと考え、取り組んでおります。 |
・リスク管理・コンプライアンスの徹底 |
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・人権尊重の徹底 |
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・責任ある調達活動の推進 |
③ リスク管理
OKIグループのサステナビリティ全般のリスクは、サステナビリティ推進部門が中心となり、外部動向や社内状況などを踏まえ、関連部門への共有や連携を図り管理しております。
サステナビリティリスクは、その性質により、全社的な経営判断が必要なリスク、事業に関連し認識・特筆すべきリスク、法令のように各社各部門に共通に存在しグループ横断的に管理すべき共通リスクに大別し、それぞれに有効な方法で管理されております。
また、2024年度には、「自社の人権」「サプライヤーの人権・環境・倫理」のリスク管理に関して、「人権方針に則った人権デュー・ディリジェンス」「サステナブル調達」「責任ある鉱物調達」の取り組みについて強化策を推進しております。
④ 指標及び目標(マテリアリティ目標)
マテリアリティに対する2024年度実績と2025年度以降の目標については、以降の「気候変動への対応」、並びに「人的資本・多様性」の章をご参照ください。一部2024年度の実績は、
(2)気候変動への対応
OKIグループは、気候変動が深刻化するなか、社会課題の解決を通してより良い地球環境を次世代に継承することをミッションと捉え、環境に関連する経営上のリスクや機会を中長期の視点で考慮し、環境経営を推進しております。気候変動については、緩和(温暖化の防止・省エネルギー・再生可能エネルギーの利用拡大)と適応(温暖化の結果などで生じるとされる風水害による被害への対応)に大別し、管理しております。この取り組みはTCFD※のスキームにより情報開示するとともに、自社の取り組みを環境マネジメントシステムISO14001とTCFDに照らして確認しております。
※ TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)気候変動に対する企業の対応について、投資家への情報開示の必要性に関する提言
① ガバナンス
サステナビリティ全般に記載した内容のほか、2023年度より執行役員の中から環境責任者を任命し、気候変動を含む環境ガバナンスを強化しております。環境責任者は環境の領域において、グループ全体方針及び中期計画の立案を行い、グループ全体計画の達成に対する責任を負っております。
環境マネジメント体制

OKIグループでは、環境マネジメントシステムの国際認証ISO14001を、グループ全体で統合認証として取得しております。独自に認証取得している拠点も含め、国内外全19カ所の生産拠点におけるISO14001の取得率は100%となっております。
② 戦略
シナリオ分析によるリスクと機会の特定及び対応を実施しております。
・国際機関が発行する気候変動に関するレポートなどを踏まえて、物理的/移行リスクを特定し、気温上昇が4℃になった場合の気候変動の激甚化、気温上昇を1.5℃に抑えるための社会変動を念頭にシナリオ分析を行っております。
・シナリオ分析においては、後述のとおり気候変動、資源循環、汚染の予防の観点も網羅し、これらのシナリオ下におけるリスクと機会を特定、対応策を設定して、今後発生しうる事象への柔軟な対応力の向上を図っております。
<シナリオ分析を踏まえた戦略>
気候変動のシナリオを2つに大別し、リスクと機会を想定しながら事業を進めております。気温上昇が3~4℃になると、風水害などの激甚化による物理的リスクが高まるため、サプライチェーン上のBCM/BCP対策を進めております。一方で、OKIグループが環境貢献商品と位置づける防災情報システムなど、得意分野のニーズも高まることが期待されます。気温上昇を1.5℃に抑えるための社会変化が進むと、脱炭素商品へのニーズが増加することから、ハードウェア製品の省電力化や、お客様や社会の脱炭素に貢献するソリューションの拡大など、環境貢献商品の取り組みを推進しております。
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シナリオ分析 |
リスク機会プロセスへの対応 |
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カテゴリー |
想定する事象 |
リスク/機会 |
将来の財務への影響 |
時間軸※ |
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1.5℃シナリオ<移行リスク> |
脱炭素ニーズの一層の高まり、広範囲化 |
リスク |
・商品の省エネ基準や顧客要求未達による受注減 |
中期 |
・商品:ハードウェア製品の省電力化 ・サプライチェーン:お取引先とのコミュニケーションの強化 ・拠点:省エネの徹底と再エネの導入によるCO2削減 |
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・事業拠点における脱炭素強化に伴うコストアップ |
中期 |
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機会 |
・脱炭素/省力化ソリューション需要の拡大 ・再エネ普及を支援する技術ニーズの拡大 ・商品に対する再エネ駆動型製品の需要拡大 |
中期 |
・商品:脱炭素に資する環境貢献商品の拡大と創出 例:IoTやAIを活用した脱炭素/省力化ソリューションの創出、再エネ駆動型ハードウェア製品の拡大、研究開発の強化(AI軽量化など) |
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4℃シナリオ<物理的リスク> |
異常気象の増加と激甚化 |
リスク |
・拠点・調達先:工場や調達先の被災 ・拠点:気温上昇に伴う空調費用の増加 |
短期 |
・拠点:気候変動BCP/BCMの強化 ・調達先:調達BCPの強化 |
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機会 |
・商品:防災・減災高度化需要の拡大 |
中期 |
・商品:防災情報システムの事業展開強化 |
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※ 時間軸の定義 長期=10年以上/中期=3~10年未満/短期=1~3年未満
③ リスク管理
気候変動関連リスクについては、以下の対応を実施しております。
・年に1回以上、気候変動に関連する最近の事象を抽出し、これらがもたらすリスクや機会の影響度/頻度/発生時期などを評価し、重要度を特定しております。
・上記のリスクと機会に対する対応策を検討し、環境経営のグループ全体の計画を策定し、各組織や各拠点の環境実行計画に落とし込んでおります。これらの計画の実行状況は内部監査などによりチェックされ、必要に応じて是正されます。このプロセスはOKIグループ全体の環境マネジメントシステムにおいて統合的に管理されております。
④ 指標及び目標
OKIグループでは、気候変動への対応に関する各戦略に対し、以下の指標を設け管理をしております。
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テーマ |
指標 |
2025年度までの 行動計画・目標 |
2030年度目標 |
2050年度目標 |
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全体 |
環境貢献商品の拡大と創出※1 |
環境貢献売上高の対全体売上高比率の増加(35%) |
50% |
― |
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気候変動の緩和 |
自社拠点からのCO2排出量削減※1(2020年度比) |
21.0%削減 |
42.0%削減 ※2 |
バリューチェーン全体でネットゼロ※3 |
|
調達先と製品使用時のCO2排出量削減(2020年度比) |
12.5%削減 |
25.0%削減 ※2 |
※1 マテリアリティ項目
※2 SBT(Science Based Targets, パリ協定が求める水準と整合した温室効果ガス排出削減目標)1.5℃基準認定済み
※3 SBTネットゼロ基準認定済み
<実績>
・当社Webサイトをご参照ください。2024年度の各指標に関する実績は、統合報告書「
・Webサイト サステナビリティ
(3)人的資本・多様性
OKIグループは、人材を最も重要な経営資本と位置づけ、多様な人材が前向きに挑戦できる環境の整備と社員の成長支援に取り組んでおります。
人事責任者によるマネジメントのもと、コーポレート部門である人事総務部が、経営戦略に連動した人材戦略や具体的な施策を立案するとともに、各種施策の推進や人事制度の運用について、各事業部等部門及びOKIグループ各社と連携して取り組んでおります。
① 戦略
中期経営計画2025においては、マテリアリティ「価値を創出し続ける企業文化への変革」の取り組みテーマの一つとして「多様な人材が前向きに活躍できる施策の推進」を掲げております。イノベーションの推進やグローバルビジネスのリスタートなどの戦略を遂行し、価値創造につなげていくためには、前向きに挑戦できる組織風土の醸成、人材の多様性の実現、多様な経験と学びの機会の整備などを推進する必要があります。人材マネジメントと経営戦略との連動性を一層高めるとともに、グループOne Teamによる取り組みと人材への投資を強化しております。
<人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針>
OKIグループが、社会やお客様の多様なニーズを的確に理解し、最適な商品・サービスを提供し続けるためには、経営から現場に至るまであらゆる領域で多様性を保ちながら適材を確保する必要があると認識しております。また、OKIグループの年齢構成は50歳代にピークがあり今後離脱が増えること、加えて、特に、ニーズを理解しDXにつなげていける人材、グローバルに活躍できる人材、競争力あるモノづくりを実現する人材等は労働市場での獲得競争が激しいことが想定されております。これらの現状を踏まえ、OKIグループでは経営戦略の実現に必要なさまざまな経験・知識・スキルを持った人材の獲得と育成、一人ひとりが十分に能力を発揮できるための成長支援を推進してまいります。
<社内環境整備に関する方針>
OKIグループは、社員一人ひとりが働きやすく、働きがいを感じられる職場環境の実現を重視しております。「心理的に安全な職場」「心身の健康」「働きがいの醸成」が実現できている状態を『OKI Well being』と定義し、多様な人材が前向きに挑戦できる環境づくりに取り組んでおります。社員エンゲージメントの向上、全員参加型イノベーションの推進、組織を越えた自由闊達なコミュニケーションの促進を通じて、挑戦する風土の醸成を目指しております。さらに、社員一人ひとりが最大限に力を発揮できるよう、仕事と育児の両立支援をはじめとする多様な働き方を支える諸制度を整備しております。
戦略に基づく各種取り組みは、以下のとおりであります。
・人材の多様化に向けた取り組み
性別などの属性にかかわらずさまざまな経験、知識及びスキルを持った人材が活躍する状態を目指し、女性活躍の推進、外部人材の獲得などを推進しております。
・社員の成長支援の取り組み
2024年度は、特に、若手・中堅社員に自らの意思で成長の場を獲得できる機会を増やす取り組みを実施いたしました。具体的には、国内の社会課題解決型プロジェクトへの参画や、開発途上国の課題や支援活動に直接触れる機会、さらには、OKIグループの海外拠点のポストに「グローバルチャレンジ」と称して意欲ある社員が手を挙げて挑戦できる機会を提供しました。社員の自律的キャリア形成を積極的に支援することで社員の成長が加速されると考えております。
・安心・安全な職場環境の整備に向けた取り組み
多様な人材が自分らしく安心・安全に働くことができるよう、仕事とプライベートの両立支援制度などの拡充、社員の健康と安全の実現に向けた各種取り組みを推進しております。2024年度は、育休取得者が担当する業務が育休期間中にも円滑に行われるよう支援した社員を対象に、最大10万円を分配して支給する育休サポート報奨金制度を新設いたしました。また、不妊治療補助金や育児家事援助金、ベビーシッター割引券等の施策も導入しております。子育てをする社員だけでなく、サポートする周りの社員も含めて会社は支援してまいります。
・前向きに挑戦できる組織風土の醸成に向けた取り組み
前向きに挑戦できる組織風土の醸成と組織パフォーマンスの向上のための取り組みとして、部門横断のワークショップやオフサイトミーティング等を行っております。
② 指標及び目標
OKIグループでは、人的資本・多様性に関する各戦略に対し、以下の指標及び目標を設け管理をしております。
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戦略(大項目) |
指標 |
目標 |
2023年度実績 |
2024年度実績 |
|
人材の多様化に向けた取り組み |
|
( |
5.1%※3 |
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|
安心・安全な職場環境の整備に 向けた取り組み |
|
( |
78.6% |
|
|
健康経営の推進(OKI) <からだ>肥満予防・肥満者数の低減:肥満者率 |
( |
30.9% |
|
|
|
健康経営の推進(OKI) <こころ>メンタルヘルス不調の予防:ストレスチェック受検率 |
( |
93.7% |
|
|
|
健康経営の推進(OKI) <いしき>行動につながる健康意識向上:運動習慣定着率 (1回30分以上の軽く汗をかく運動を週2日以上、1年以上実施している社員の割合) |
( |
27.3% |
|
|
|
前向きに挑戦できる組織風土の醸成に向けた取り組み |
|
( |
53% |
|
※1 マテリアリティ項目
※2 ポジティブ回答:とてもそう思う/どちらかと言えばそう思う
※3 2024年4月1日時点の実績
※4 2025年4月1日時点の実績
OKIグループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(経営成績等)の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには以下のようなものがあります。なお、当該事項は2025年3月31日現在においてOKIグループが判断したものであります。
また、業績に影響を与える要因は、これらに限定されるものではありません。OKIグループはこれらのリスクを認識し、その影響の低減に取り組んでまいります。
(1)世界の政治経済の動向に係るもの
OKIグループの製品に対する需要は、製品を販売している日本国内、海外の各地域の政治経済状況の影響を受けます。
OKIグループの海外市場は米州、欧州、アジア等であり、当該地域における売上は当連結会計年度においては500億円(連結売上高比率11.1%)を占めております。これらの海外市場をはじめとする各地域においてエネルギー不足、物価上昇、サプライチェーンの混乱等が発生した場合、OKIグループ製品への需要縮小や、部品供給不足によるハードウェア製品の製造遅延等が発生し、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、各国での急激な金融引き締めによる景気後退及びそれに伴う需要の縮小、製品に対する輸入規制、関税政策、世界的に強化されつつある環境規制や各国で施行される情報保護関係等の各地域の法律・規制等の変更により、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、各事業における海外向け売上については、定期的に売上状況等をモニタリングするとともに、海外各国の政治経済の変動による影響を極力早期に認識するよう努め、また各種規制、法律の動向についても日本本社で把握、対応を行い、さらに売上が個別地域に過度に集中しないようにする等適切な対策が必要であることを認識しております。また、サプライチェーンリスクについては、調達先の拡大や設計変更による代替部材対応等によりその影響の低減を図っております。
(2)カントリーリスクに係るもの
OKIグループは海外に30の子会社を有しており、数多くの販売・生産拠点が存在しております。対象地域は、主な生産・製造拠点としてタイ、ベトナム、また、主な販売拠点として欧州、米国のほか、インド等があります。
それらの国、地域において、感染症等の疾病の蔓延に起因した社会的混乱、生産、物流の停滞等が発生する可能性があり、その影響を受け、原材料部品の調達の支障、生産の遅延等により事業そのものに影響が及ぶ可能性があることを認識しております。
さらには、クーデター・紛争・革命、または、暴動・テロ・自然災害等による社会的混乱、それらに関連して、OKIグループの資産の接収、収用、また、人的・物的被害が発生する可能性があることを認識しております。
そのようなリスクが高まる場合、または、具体的な危機事象が発生した場合は、代替の原材料部品・物流ルートの確保、また、関連する拠点の機能の移管、それらの影響により人財が不足する場合は、補完人員の確保等の代替手段の確保が必要であると考えております。
また、発生した事象を的確に分析し、採算性等から適切な事業運営が継続できないと判断した場合には、撤退も含めた対応の検討が必要であることを認識しております。
(3)外国為替の影響に係るもの
OKIグループは海外での事業展開、主要製品の生産を行っており、日本国内、海外の政治経済の状況に影響を受ける為替変動リスクにさらされております。その結果、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、外貨建て資産と負債のポジション不均衡に対して、一定の方針に基づき為替予約やマリー取引等によりリスクヘッジを実施しております。さらに、投機的な取引は原則禁止しております。これらにより、OKIグループとして外国為替の影響を極力抑制するよう努めております。
なお、当連結会計年度における具体的に為替レートが1円円安に変動した場合の各通貨が営業利益に与える影響は、ユーロは欧州での利益増により約1億円の良化、米ドルは調達・製造コスト増等により約2億円の悪化となっております。
(4)金融市場・金利変動に係るもの
OKIグループの有利子負債は、金融市場及び金利変動の影響を受けます。現在のOKIグループの長期・短期借入金残高の合計は982億円でありDEレシオは0.7倍となっております。また、当連結会計年度における支払利息は23億円となりました。金融市場、または、OKIグループの信用力の変動等により、借入金利の上昇、資金調達方法の制限等が発生した場合、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、借入には、金利スワップ取引を行う等さまざまな対策を講じるとともに、健全な借入レベルを維持することで、OKIグループとして金利上昇の影響を極力抑制するよう努めております。
また、株式市場の低迷や資産の運用環境が悪化した場合には、OKIグループが保有する上場株式や年金資産の価値が下落し、評価損の計上や純資産の減少により、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
保有する上場株式の縮減や年金資産の定期的なポートフォリオの見直しなどによりOKIグループとして金融市場の影響を極力抑制するよう努めております。
(5)法規制に係るもの
OKIグループは事業展開する日本国内、海外の各地域において、事業・投資の許認可、国家安全保障、環境関連法規制、情報保護関連規制、外国貿易及び外国為替法関連規制、競争法関連規制、贈収賄関連規制、経済制裁規制等の理由による輸出入制限、税務制度等といったさまざまな法規制の適用を受けております。
日本国内、海外において、これらの法規制(類似・同種の法規制含む)等を遵守できなかった場合、追加費用が発生し、事業活動に支障をきたす可能性があります。加えて、お客様の信用、社会の負託を失うこととなり、結果としてOKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
しかしながら、上記の法規制をはじめとしてOKIグループの事業に密接に関係する各法規制については、OKIグループ内にて法規制の遵守を徹底させるべく、統括する主体となる部署を指定し、社員教育の推進、遵守状況のモニタリング等、全社横断的に法規制の遵守を推進しております。
また、必要に応じ、弁護士、コンサルタント等の専門家並びに専門機関の協力を得て、対策を講じております。
(6)市場の動向・製品・サービスに係るもの
①市場動向・顧客需要の変動に係るリスク
防衛、民間航空、海洋の各事業領域においては、国内防衛予算の増加及び民間航空機市場の成長を背景とした外部市場環境を捉え、生産能力増強のための工場拡大、グループ内での技術者シフト、供給能力の向上に取り組んでおります。
この事業領域においては、地政学的リスクに伴う部材調達遅延、労働者不足による生産遅延等により、契約した製品の供給遅延が生じて、成長機会を捉えきれない可能性が考えられます。
部材調達の懸念に対しては、入手性と原価率とのバランスを考慮しつつも、お客様への製品供給責任を果たすことが重要と考え、内製化できる部分や代替品を採用できる部分を見極めてまいります。労働者不足に対しては、グループ内での技術者のシフトに加え、キャリア採用・新人採用の拡大も図りながら、中長期にわたる技術者の確保に努めております。
現金処理機、ATM、発券端末といったメカトロ製品とそのサービス提供の事業環境においては、少子高齢化・人口減少に伴う労働力不足、キャッシュレス・ペーパーレス等の現物レス化による市場縮小という2つのリスクがあります。
これらのリスクに対しては、環境変化を事業機会と捉え、セルフ化・省人化を実現する商品の品揃えを強化してまいります。さらにパートナーのお客様には組込みが容易なモジュールとして提供してまいります。
また、新規市場として医療分野での人手による作業、監査業務などの支援機器、空港のセルフ化・自動化機器、製造現場における組立支援ツールなど、各種業種における人手不足・労働力不足に対する課題解決をテーマに研究開発投資を行ってまいります。
プリンター、PBXは成熟から減少へ市場が変化しており、この分野は事業の縮小が避けられない状況にあります。プリンターは海外販売比率が高く、海外景況の悪化による販売減少の可能性があります。さらに商品をグローバルに展開する上では、各地域の規制に対応できない場合、市場から受け入れられない可能性があります。
これらのリスクに対してプリンター、PBXは販売力強化、市場シェア維持施策により影響の最小化・残存者利益の最大化を図ってまいります。同時に、残存者利益によって得た利益を積極的に今後成長が期待できる領域へ投資・育成することで、事業全体の規模維持・安定化を進めてまいります。
また、各国の規制情報を素早く把握し製品への適用を進めるとともに、省エネ・省資源といった環境性能を一段と高める製品を提供してまいります。
プリンター事業については、2025年10月から開発・生産に関する事業をエトリア株式会社に統合することを発表しました。当該事業の統合により開発力の強化やコストダウンを図りながら、お客様に付加価値の高い商品を安定して提供できるようエトリア株式会社と協力してまいります。
EMS/DMS事業(設計・製造受託サービス事業)や部品事業、エンジニアリング事業領域におけるリスクとしては、半導体製造装置(フラッシュメモリー関連)やFA・ロボット関連などの市況低迷が継続し、既存のお客様の需要が落込む可能性があります。また、部材・燃料費、人件費の高騰などによる原価圧迫による利益減少により経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
EMS事業におけるビジネスリスクに対しては、市況好調な領域(AI半導体関連等)や海外チャネル拡大に向けたリソース強化によるポートフォリオの多角化に加え、タイムリーな価格転嫁等により収益減少リスクの解消を図り、事業成長を実現してまいります。
②競争激化に係るリスク
技術革新のスピードに追随できない場合や、顧客ニーズの変化に応える技術開発ができない場合には競争力の低下や市場シェアの縮小につながり、経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
「中期経営計画2025」では、技術コンセプト「エッジプラットフォーム」を提唱し、AI・データ技術とコンポーネント技術の強化を重要な柱としていますが、この計画の実行に支障が生じた場合、計画した成長目標の達成が困難になる可能性があります。
また、道路・交通、消防・防災、官公といった社会インフラ事業におけるデジタル化は省エネルギーやCO2削減といった側面で重要な役割を担っております。社会インフラ市場におけるデジタル化の更なる加速に対応するためには、技術の進展と活用が不可欠であります。これらに遅れをとった場合、新領域における事業機会を逸する可能性があります。さらに、お客様のニーズの変化に迅速に対応できなかった場合、計画通りにビジネスを獲得できない可能性も考えられます。
対応策としては、研究開発への積極的な投資により、新製品や新サービス、革新的な技術開発を進め、競争優位性を高めるとともに、新たなビジネスチャンスを捉え事業拡大につなげてまいります。
③サプライチェーンに係るリスク
社会インフラ市場、及びキャリアネットワークを中心とする通信インフラ市場は、次世代社会インフラや次世代ネットワークなどへ大きく変化・発展していくものと予想されます。
この領域での主要なリスクとしては、世界的に需要が増加しているサーバー機器、半導体、光ファイバー、IoT機器などの製品や部材の供給不足や価格変動、過去に販売した製品の品質に関するトラブル、案件失注などによる売上・利益の減少が挙げられます。
これらのリスクに対応するため、主要製品や部品の調達先の多様化を進めるとともに、内製化を推進し、国内外のサプライチェーン環境の変化に対応する力を強化してまいります。また、開発製品の省電力化、クラウド化によるサーバーやストレージ機器共有の合理化を通じて、省電力化への貢献にも取り組んでまいります
メカトロ製品、プリンター、PBX、各種IoT製品は、部品・原材料についてサプライヤーと連携し安定調達に努めておりますが、天災や事故等によりサプライヤーの生産活動が停止した場合には、部品・原材料の調達に困難が生じる可能性があります。これに加えて、外国の関税政策の変更等により、輸入部品・原材料の価格上昇やサプライヤーからの供給そのものに支障が生じる可能性があります。サプライヤーの生産・供給能力に支障が生じる場合、部品・原材料の調達が困難となり、製造プロセスや納期に遅れが生じることが懸念されます。これらの事態が発生した場合、生産に影響が生じる可能性があります。
これらの部品・原材料の調達リスクに対し、サプライヤーとの連携を強化し調達課題を検知した際は影響の極小化に向けて代替部材の採用を促進する体制を組んでおります。
④新規事業に係るリスク
OKIは、イノベーション戦略2025において「物流」「ヘルスケア・医療」「高度遠隔運用」「CFB(Crystal Film Bondingの略)」の4領域をイノベーション注力領域と位置付け、パートナー各社との共創により市場参入を目指しています。
新規事業におけるリスクとしては、研究・開発投資が市場のニーズに合致せず想定ユーザー数を獲得することができない可能性や、開発遅延、品質問題等の発生により、ビジネス機会の逸失や売上が想定を下回る可能性があります。これらに対してはリスクに応じて技術開発の軌道修正、パートナー戦略の見直し等によりリスクを回避してまいります。
(7)調達に係るもの
国内外での自然災害・紛争・テロ等や調達先の事業方針転換等の不測の事態が発生することによる資材調達不足、それらの影響を受けてOKIグループ自体の工場稼働率が低下した場合、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。また、サプライチェーンにおける人権侵害の発生も調達先の操業に影響を与え、資材調達の不足や遅延が生じる可能性があります。
OKIグループでは特定の製品、部品や材料を複数の調達先より調達する仕組みをとっております。資材不足、生産設備の非稼働が余儀なくされる場合は、資材調達先の代替確保、代替生産設備の確保や適切な在庫管理等に尽力する体制を構築しております。また、調達先へのサステナブル調査の実施等により、人権侵害等のリスクについても配慮した取組みを進めてまいります。
これらによりOKIグループとして調達に係るリスクの影響を極力抑制するように努めております。
(8)重要な特許知的財産関連契約及び技術援助契約に係るもの
OKIグループは、日本国内、海外の複数の企業との間で知的財産関連契約または技術援助契約を締結しております。これらの契約が適正に遂行されない場合の他、不公平な内容で契約が締結された場合、また、その知的財産、援助技術が適正に活用されない場合には、OKIグループの関連する日本国内、海外の事業に影響を及ぼす可能性があります。
なお、OKIグループの製品・サービスには、OKIグループ独自の技術を効果的に活用し、多方面にわたり、その性能に反映させております。他方で、他者の知的財産を尊重すると共に、OKIグループの製品・サービスに許可なく実施することのないように侵害予防調査を実施しております。
また、関連する契約に関しては、社内の知的財産及び法務に関連する専門部署による内容の精査等を実施しております。あわせて専門人財の育成、配置や経験豊富かつ知見ある国内外の弁護士との連携を積極的に行っております。
(9)品質に係るもの
OKIグループは、国内外の生産拠点及び生産委託先において厳格な品質管理を実施し、製品・サービスの品質向上に努めております。しかしながら、品質責任が十分に担保されない場合、その欠陥によりリコール対応費用やお客様への賠償責任が発生する可能性があります。さらに、欠陥への対応に多額の対策費用を必要とするほか、問題が企業ブランドや製品ブランドを損なうことで顧客の信頼を失い、OKIグループの経営に影響を及ぼす可能性があります。
こうしたリスクを抑制するために、OKIグループでは「品質理念」に基づき、事業ごとに品質責任と権限を定め、各事業の特性に応じた品質マネジメントシステムを構築しております。商品の企画から製造・保守・運用に至るまで、すべての業務プロセスにおいて品質向上を追求し、継続的な改善に努めております。
また、品質問題に関係する情報はグループ全体で一元管理され、適時かつ適切に関連部門と共有される体制を整備しております。これにより迅速な対応を可能とし、品質問題の早期解決につなげております。
特に安全性の確保については、法令遵守を基本としつつ、OKIグループが掲げる「商品安全基本方針」に基づき、安全・安心の確保に取り組んでおります。
さらに、品質不正の防止に向けた取り組みとして、教育・品質アンケート・現場調査などの施策を実施し、現場レベルでの運用徹底を図っております。これらの施策を通じ、OKIグループとして品質に関するリスクの影響を可能な限り抑えるための努力を継続しております。
(10)M&A、アライアンスに係るもの
OKIグループは、業容拡大、経営の効率化等を目的に、研究開発、製造、販売等、多岐にわたり他社とのアライアンス、事業買収、関係会社の統合等を国内、海外で適宜推進しております。これらの活動はグループの事業ポートフォリオ強化にとって有効な手段であると考えております。双方が有する技術、お客様基盤、人財等経営資源の有効活用につながり、持続的な事業成長の機会に直結するものと認識しております。
しかしながら、経営戦略、製品・技術開発、資金調達等について相手先と当初想定した協力関係が維持できない場合や、不公平な内容の契約締結、関連契約の相手先による一方的な反故、契約違反等が発生した場合、また、M&A、アライアンスにより参入を計画した市場において、当初想定した市場の開拓がなされない場合は、OKIグループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
その対策として相手先との取引開始時には、先方についての信用調査、コンサルタントの活用、また、各種の契約締結時には、社内の知的財産、及び法務に関連する専門部署による内容の精査、市場調査等を実施し、M&A及びアライアンスに関するリスクの影響を極力抑制するよう努めております。
(11)環境保全に係るもの
OKIグループでは、生産活動において、大気・水質・土壌汚染等の原因となりうる化学物質等を使用・排出する工場があります。また、工場やオフィスにおける電力等のエネルギーの使用やお客様による製品使用を通じて間接的にCO2を排出しております。
気候変動に伴う社会変動リスク(移行リスク)としては、投資家やお客様等から、再生可能エネルギーの導入等による温室効果ガスの排出量の抑制等への要求が急速に高まりつつあり、こうした要求に応えられない場合や、OKIが得意とするIoT、AI、制御等の技術を気候変動に伴うビジネス機会に活かせない場合には、販売機会の逸失等につながる可能性があるものと考えられます。
OKIグループでは当該リスクを低減するために、ISO14001統合認証を取得し、環境法規制等の遵守、環境負荷の低減活動、環境関連データの監視、再生可能エネルギーの導入検討のほか環境貢献売上高の拡大等を推進しております。
これらの活動により、OKIグループに関連する環境リスクは限定的と考えております。
(12)情報セキュリティに係るもの
OKIグループでは、業務において多種多様なコンピューターシステムを利用、運用しております。システムの利用、運用については、適切な使用、システムトラブルの回避、情報の社外漏洩の防止等を実施すべく、各種マニュアル類の制定、システム機器の適切な取扱いの励行、情報の暗号化、多要素認証導入等、多方面にわたり様々な対応を行っております。
しかしながら、防御策を講じてもなお外部からのサイバー攻撃、コンピューターウイルスの感染、システム機器の不適切な取扱等により、システムの停止、データの紛失・改ざんや個人情報、機密情報といった情報漏洩の発生等の可能性があること、及びそれらの事象発生による企業価値やブランドの毀損、信用低下などのレピュテーションリスクを招く可能性があることを認識しております。
特に企業を狙ったサイバー攻撃が多発しておりますが、OKIグループにおいても、過去に海外子会社のサーバーを経由して第三者による日本のファイルサーバーへの不正アクセスを受けました。この事案を受け、OKIグループではエンドポイント・セキュリティツールの全端末への導入及び24時間365日の監視体制の構築等により対策を強化しております。
OKIグループでは、このような事態を極力抑制するため、社員教育の徹底、システムの運用状況のモニタリング、情報セキュリティの推進体制の整備を継続、推進しております。特に新たに認識した課題については、是正並びに強化策の対応を推進しております。
また、サプライチェーン全体における情報セキュリティレベルの向上を目指し、重要な秘密情報を取り扱うお取引先を対象に、情報セキュリティ施策に関する取り組み状況の確認を継続的に実施しています。この取り組みでは、OKIが作成したチェックリストを基にお取引先がセルフチェックを実施し、その結果を独自の評価指標で点数化しています。この取り組みを通じて、OKIとお取引先が課題を共有し、問題点の改善に向け、対策を進めています。
(13)人財に係るもの
OKIグループが、社会やお客様のニーズを理解し、最適な商品・サービスを提供し続けるために、経営から現場まであらゆる領域で多様性を持ちながら適材を確保し、一人ひとりが十分に力を発揮する必要があります。また、年齢構成に起因して今後離脱が増える可能性もあります。加えて、特に、ニーズを理解しDXにつなげていける人財、グローバルに活躍できる人財、競争力あるモノづくりを実現する人財等は労働市場での獲得競争が激しさを増すことが想定されております。
こうした背景のなか、離脱者の補完や事業計画で必要としている人財の確保ができない場合、今後のOKIグループの中長期的な事業推進に影響を及ぼす可能性があります。
OKIグループでは、質・量ともに十分な人財を確保するために、採用方法の見直し・強化、種々の採用形態・チャネル開拓等を推進しております。また、特に若手・中堅社員には、自らの意思で成長の場を獲得できる機会を増やしていくことで成長を促し、会社全体の人財の質を高め、事業場間の人員シフトやシニア人財の活用にもつなげてまいります。
さらに、多様な人財が自分らしく安心・安全に働くことができるよう、育休サポート報奨金制度の導入等、仕事とプライベートの両立支援制度などの拡充、社員の健康と安全の実現に向けた各種取り組みを推進しております。
(14)人権に係るもの
OKIグループでは、事業活動を行う国や地域における法規制を遵守しつつ、国際的な人権の原則の尊重に取り組んでおります。しかしながら、予期せぬ事態によりOKIグループで差別やハラスメント等の人権問題が発生した場合、行政罰や顧客との取引停止の可能性に加え、OKIグループの社会的信頼の失墜や企業価値を低下させるリスク等があり、事業活動全般に影響を与えるとともに、経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。
OKIグループは、「国連グローバル・コンパクト」の署名企業として、「国際人権章典」、「労働における基本的原則及び権利に関する国際労働機関(ILO)宣言」などの人権に関わる国際規範を尊重し、国連「ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)」に基づいた取り組みを推進しております。こうした考え方について、グループのすべての役員・社員、そしてOKIグループの事業、製品やサービスに直接関わるサプライヤーその他の関係者にも理解を得るため、UNGPを踏まえた「OKIグループ人権方針」を制定し、調達先に対しては「OKIグループサステナブル調達ガイドライン」に基づいた人権、労働などの取り組みに関する調査を計画的に実施する等、人権デュー・ディリジェンスの取り組みや、社内浸透のための教育にも力を入れております。
2025年3月期の活動の成果は、次のとおりであります。
日本経済は、雇用及び所得環境の改善のもと、各種政策の効果によって緩やかな回復基調で推移しました。一方、物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や為替変動など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
このような環境下、社会インフラを止めず、その維持に貢献する企業として、「安心・便利な社会インフラ」「働きがいと生産性向上」「地球環境の保全」の3つの貢献分野で社会課題の解決につながる価値を提供していくことが、創業150年を迎える2031年に向けたOKIのありたい姿です。このありたい姿の実現に向け、昨年度から中期経営計画2025(中計2025)をスタートさせました。中計2025の2年目となる今年度は、カルチャー改革とスタイルチェンジを加速させ、成長への舵切りを更に進めております。
当連結会計年度の業績は、以下のとおりであります。
パブリックソリューション事業、エンタープライズソリューション事業、コンポーネントプロダクツ事業が堅調に推移し、EMS事業の需要低迷によるマイナスをカバーした結果、売上高は4,525億円、前年度比306億円の増収となりました。
利益面につきましては、人件費や成長投資による固定費の増加があったものの、増収によるプラス影響により、営業利益は前年度比1億円減益となる186億円となりました。経常利益は、為替差損益の悪化等により、前年度比15億円減益となる168億円、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度比131億円減益の125億円となりました。
事業別の業績状況は、以下のとおりであります。
パブリックソリューション事業の売上高は1,305億円、前年度比365億円増収、営業利益は141億円、同97億円増益となりました。社会インフラソリューション、特機システムともに伸長し、売上高は1.4倍規模に拡大、営業利益率も2倍の10%水準になりました。
エンタープライズソリューション事業の売上高は1,798億円、前年度比3億円減収、営業利益は131億円、同89億円減益となりました。前年度後半からの大型案件等により売上・利益とも高水準で推移しました。
コンポーネントプロダクツ事業の売上高は758億円、前年度比24億円増収、営業利益は29億円、同23億円増益となりました。利益重視のマネジメントにより営業利益は改善しました。
EMS事業の売上高は659億円、前年度比80億円の減収、営業損失は8億円、同19億円悪化となりました。半導体市場やFA・ロボット市場の低迷長期化により、2期連続減収減益となりました。
その他の事業の売上高は4億円、前年度比と同等、営業損失は将来事業創出に向けたR&Dなど成長に不可欠な投資を行ったため、15億円、前年度比4億円悪化となりました。
総資産は前年度末から124億円減少の4,110億円となりました。自己資本は、親会社株主に帰属する当期純利益を125億円計上した一方で、その他の包括利益累計額が55億円減少したこと及び普通配当を26億円実施したこと等により、前年度末に対して44億円増加の1,456億円となりました。その結果、自己資本比率は35.4%となりました。
資産では主に、棚卸資産が58億円、投資有価証券が49億円減少しております。
負債では主に、借入金が減少しており、前年度末1,100億円から118億円減少し、982億円となりました。
また、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローとをあわせたフリー・キャッシュ・フローは197億円の収入(前年度104億円の収入)となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益を計上したことにより、393億円の収入(同247億円の収入)となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、主に固定資産の取得による支出があったことにより、196億円の支出(同143億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、主に借入金及びリース債務の返済による支出により、179億円の支出(同157億円の支出)となりました。
以上の要因により、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は前年度末の344億円から362億円となりました。
事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金又は借入金等により充当することとしております。
主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、事業活動に必要な運転資金、設備投資等の資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。
現在保有している手元現預金に加え、コミットメントラインも保有しており十分な流動性を確保しております。
OKIグループは財務規律を重視し、成長に必要となる投資に重点をおいて実行してまいります。
また、運転資金の効率的な調達を行うため当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在の未使用残高は、804億円となっております。
なお、当連結会計年度末の借入金及びリース債務の概要は以下のとおりであります。
(単位:億円)
|
契約債務 |
年度別要支払額 |
||||
|
合計 |
1年以内 |
1年超 3年以内 |
3年超 5年以内 |
5年超 |
|
|
短期借入金 |
231 |
231 |
- |
- |
- |
|
長期借入金 |
750 |
182 |
378 |
190 |
- |
|
リース債務 |
76 |
28 |
26 |
14 |
9 |
(注)1.連結貸借対照表上、「短期借入金」として表示されている1年内に返済予定の長期借入金(182億円)は、
本表においては、「長期借入金」として表示しております。
2.オペレーティング・リース取引のうち、解約不能のものに係る未経過リース料は37億円であります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
2025年3月31日現在における重要な契約は、下記のとおりであります。
(1)技術提携契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約対象機器 |
契約の内容 |
契約期間 |
|
当社 |
International Business Machines Corporation |
米国 |
情報処理機器 |
特許実施許諾 (クロスライセンス) |
契約特許 存続期間中 |
|
当社 |
キヤノン(株) |
日本 |
プリンター、 FAX、複合機 |
特許実施許諾 (クロスライセンス) |
契約特許 存続期間中 |
(2)事業提携契約
|
契約会社名 |
相手先 |
国名 |
契約の内容 |
|
当社 |
Hewlett-Packard Company |
米国 |
1992年4月7日に情報通信分野でのシステムインテグレーションビジネスを強化することを目的として、双方向かつ長期的な関係を維持・発展させるための基本契約を締結しました。 |
|
当社 |
シスコシステムズ合同会社 |
日本 |
2000年2月9日に、同社製品の再販及びこれに付加価値化を行い、トータルソリューションをエンドユーザーに提供するパートナーとして基本契約を締結しました。 |
(3)借入契約
|
借入先 |
契約締結時期 |
契約の内容 |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2021年2月 |
安定資金の確保を目的とした総額112億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2022年3月 |
安定資金の確保を目的とした総額203億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2023年7月 |
安定資金の確保を目的とした総額222億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2024年1月 |
安定資金の確保を目的とした総額170億円のシンジケートローン |
|
みずほ銀行 三井住友銀行 他 |
2025年1月 |
安定資金の確保を目的とした総額188億円のシンジケートローン(注1) |
(注1)みずほ銀行及び三井住友銀行、他26行と2025年1月21日付で締結した当該契約(当連結会計年度末現在の借入残高は188億円、弁済期限は2030年1月24日)には、以下のとおり財務制限条項が付されております。
①各年度の決算期の末日における連結の貸借対照表における株主資本の金額を2024年3月決算期の末日における連結の貸借対照表における株主資本の金額の75%以上に維持すること。
②各年度の決算期における連結の損益計算書に示される営業損益が、2024年3月期以降の決算期につき2期連続して損失とならないようにすること。なお、本号の遵守に関する最初の判定は2025年3月期及びその直前の期の決算を対象として行われる。
③各年度の決算期における連結の損益計算書に示される親会社株主に帰属する当期純損益が、2024年3月期以降の決算期につき2期連続して損失とならないようにすること。なお、本号の遵守に関する最初の判定は 2025年3月期及びその直前の期の決算を対象として行われる。
(注2)2024年4月1日前に締結された契約については、財務制限条項に関する記載を省略しております。
(4)その他
① 連結子会社の一部事業譲渡
当社は、2024年5月21日開催の取締役会において、連結子会社である沖マイクロ技研株式会社の精密小型モーター事業について、マブチモーター株式会社に譲渡することを決議し、2024年6月4日付で事業譲渡契約を締結いたしました。
1)譲渡の理由
当社とマブチモーター株式会社は、沖マイクロ技研株式会社のステッピングモーターなどの信頼性の高い技術力及び製品ラインアップと、マブチモーター株式会社の技術、販売チャネル及び顧客基盤とを組み合わせることにより相乗効果を生み出し、製品開発と市場開拓の推進により新規事業の創出と既存事業の拡大を図ることができると判断し、今回の事業譲渡の合意に至りました。
2)譲渡する事業の内容
精密小型モーター事業
3)譲渡の時期
2025年7月1日(予定)
② 持分譲渡契約
当社は、2024年12月19日開催の取締役会において、連結子会社である沖電気軟件技術(江蘇)有限公司及び日冲信息(大連)有限公司の一部の持分についてFPTジャパンホールディングス株式会社へ譲渡することを決議し、2024年12月25日付で持分譲渡契約を締結いたしました。
1)持分譲渡する会社の事業の内容
沖電気軟件技術(江蘇)有限公司:ソフトウェア及び通信機器の設計・開発及びサービス
日冲信息(大連)有限公司:プリンターのソフトウェア・ハードウェア開発
2)持分譲渡の時期
2025年7月1日(予定)
③ 事業統合契約
当社は、株式会社リコー(以下、リコー社)と東芝テック株式会社(以下、東芝テック社)が2024年7月1日に組成した複合機等の開発・生産を担う合弁会社エトリア株式会社(以下、ETRIA社)への参画に向け、当社、リコー社、ETRIA社の3社間で、2025年10月1日を効力発生日として、会社分割等によりプリンターの開発・生産に関する事業を統合(以下、本事業統合)するに当たっての諸条件を定めた契約及び、本事業統合に係る株主間契約を当社、リコー社、東芝テック社の3社間で締結することを2025年2月13日開催の取締役会で決議し、同日付で両契約を締結いたしました。
詳細は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)に記載のとお
りであります。
OKIグループ(当社及び連結子会社)は、2023年5月に発表した「中期経営計画2025」のとおり、「『進取の精神』をもって、情報社会の発展に寄与する商品を提供し、世界の人々の快適で豊かな生活の実現に貢献する」という企業理念のもと、「社会の大丈夫をつくっていく。」のキーメッセージ実現に向けて、成長領域へ向けた研究開発と先行技術開発に集中して技術開発を取り組んでおります。
当連結会計年度のOKIグループの研究開発費は
(1)全社共通等領域における活動
OKIは、光ファイバーセンサー技術で洋上風力発電の海底電力ケーブルの異常予兆をリアルタイムに検知し、メンテナンスや導入コストを削減可能にする検討を開始しました。損保ジャパン株式会社、SOMPOリスクマネジメント株式会社と連携し、異常予兆検知サービスを付帯した新たな保険商品開発などの検討を進めていきます。
OKIは、シリコンフォトニクス技術を活用し、多彩な光センサーを実現する超小型光集積回路チップを開発しました。これにより、次世代の光通信やセンサー技術の発展が期待されます。
OKIは、屋内外を問わず、倉庫などに保管された荷物の保管位置を自動記録・追跡する「荷物位置自動測位技術」を開発しました。これにより操作ミスによる荷物の紛失を防ぐことができ、保管管理における業務効率向上に寄与します。
OKIは、CFB技術(注)を用いた薄膜アナログICの3次元集積を実現しました。新技術により、高精度・低コスト半導体デバイスのヘテロジニアス集積を可能にし、AIや自動運転向けの高機能化ニーズに応えます。
(注)CFB:Crystal Film Bondingの略。OKIが開発した、結晶膜を成長基板から剥離し異種材料基板へ接合する技術。なお、CFBは沖電気工業株式会社の登録商標であります。
OKIは、健康行動の習慣化を支援する行動変容プラットフォーム「Wellbit™」を開発し、その第一弾として、健康経営に取り組む企業に向けに睡眠習慣を改善するサービス「Wellbit™Sleep」を発売しました。従業員の生産性向上に貢献します。
全社共通等に係る研究開発費は、3,241百万円であります。
(2)事業セグメントにおける活動
(パブリックソリューション)
OKIは、ディープラーニングを活用し、海中音から船舶を分類する「船舶分類AIシステム技術」を開発しました。これにより、海洋監視や環境保護の分野での応用が期待されます。
また、国立研究開発法人科学技術振興機構の経済安全保障重要技術育成プログラムにおいて、「海面から海底に至る空間の常時監視技術と海中音源自動識別技術の開発」を受託しました。これにより、海洋の安全保障や資源管理に貢献します。
株式会社OKIコムエコーズは、洋上発電開発や海底資源開発などでの使用を想定した、コンパクトで持ち運び可能な水中音圧計「SW1050」を発売しました。これにより、水中音の計測や監視が簡単に行え、現場作業者の負担を軽減し、より精確なデータ収集と分析に寄与します。
(エンタープライズソリューション)
OKIは、流通小売店舗や交通機関、配送業界向けに、バックヤードに限定せず設置可能なリサイクル型入出金装置「USCOSⅢ」を発売しました。コンパクトな筐体でありながら最大4,000枚の硬貨回収に対応しています。今後も自動化技術を活かし、多様な業界の課題解決を支援していきます。
(コンポーネントプロダクツ)
OKIは、カーボンニュートラル実現に向け、製造現場の電力使用量を設備単位で正確に把握するためのセンサーネットワークを構築することのできる無線技術「SmartHop®」を保有しており、CFP算定に不可欠なCO2排出量の見える化を実現、環境負荷軽減に取り組む企業のESG経営に貢献しています。従来比で導入コストや工事費を大幅に削減し、レイアウト変更や多様なセンサーにも柔軟に対応が可能です。今後は、さらに収集したデータの活用を含めたGXソリューションの実現へと繋げていきます。
また、電源や配線が不要で設置が容易な「ゼロエナジーIoTシリーズ」に新たに多様なアナログセンサーを接続できるアナログセンサーIFユニットを開発しました。橋梁の塩害や支承部、山岳部の落石状況など、幅広い遠隔モニタリングの現場で活用されています。今後はLTE不感地帯への非地上系ネットワーク(NTN)の活用や、大容量電源モデルへの展開など、インフラの安心・安全を実現するため、国内外を問わず、さらなる適用範囲の拡大を目指してまいります。
(EMS)
OKIサーキットテクノロジー株式会社は、従来比55倍の放熱性を実現する「凸型銅コイン埋め込みプリント配線板技術」を開発しました。これにより、小型装置や宇宙空間などで空冷技術が使用できない高性能電子機器の熱対策が大幅に向上します。
事業セグメント毎の研究開発費の内訳は次のとおりであります。
パブリックソリューション
エンタープライズ
コンポーネントプロダクツ
EMS
その他 710百万円