第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、世界中の人々がより安心、快適に暮らせる社会の実現を願い、1928年の設立以来、鉄道や道路交通など、社会インフラの発展と維持に貢献する事業を展開しています。2016年4月には、近年のグローバル化や企業の合従連衡の加速、産業技術の急速な進歩、ダイバーシティの進展など事業環境の変化を勘案し、創業60周年を機に制定された企業理念を「日本信号グループ理念」に改定いたしました。

「私たちの使命」である“「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という想いのもと、一丸となり企業活動に取り組みます。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、グローバル社会に適応したサスティナブル成長企業を目指し、2020年度を最終年度とする長期経営計画「Vision-2020 3E」を2009年に策定し、現在推進しております。その中で、2021年3月期に、連結売上高2,000億円、営業利益率10%以上、ROE(自己資本当期純利益率)15%以上を経営目標として設定しています。

 

(3)中長期的な経営戦略

長期経営計画「Vision-2020 3Eでは、その達成のために4段階の戦略シナリオを描き、中期経営計画で具体的な施策として展開しています。2015年4月には、第3期(2015年度~2018年度)の中期経営計画(14中計)をスタートさせています。

14中計のポイントは、二点あります。

一点目は「時代変化への適応」です。環境の変化を先取りして、グローバル市場で戦える生産体制を確立し、顧客・地域・社会の成長や発展に貢献する、価値のある商品・サービスの提供を通じて、「世界のお客様から必要とされる企業」になることを目指します。

二点目は「事業成長の加速」です。国内市場が成熟するなか、新たなイノベーションの創出によって国内外の交通インフラニーズに応えるリーディングカンパニーへと成長を遂げていきます。

そのために14中計では、M&Aを含む大型成長投資の実行や国内周辺市場など新分野開拓による事業領域の拡大を積極的に進めるとともに、海外市場におけるビジネスモデルの確立に向けた動きを加速していきます。

また、事業成長を担う人材育成の仕組みづくりやマザープラントの構築、グローバルなインフラ整備などを実行し、持続的な成長を確かなものにしていきます。

14中計は当初、2015年度から2017年度にかけて適用する予定でしたが、当社は現在、事業環境の変化に対応するべく、創立100周年にあたる2028年をターゲットとした次期長期経営計画の検討を進めております。これに基づき新たな中期経営計画を来期第137期からスタートさせるため、第3期中期経営計画を1年延長いたしました。

 

(4)対処すべき課題

第136期は、急激に進展したグローバル化やIoT・ビッグデータ・AI等のデジタル技術の発展を背景に、これらに対応する「コトづくり」を強化し、サービスやソリューションを提供するワンストップソリューションプロバイダへの転換を図ってまいります。

また、海外案件のプロジェクト運営管理の強化を図り、グループ会社を含めた国際事業基盤を確立し、更なるグローバルビジネスの拡大に努めてまいります。

当社は100周年に向け「安全と信頼の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します」という「日本信号グループ理念」のもと、社会的課題の解決に貢献してまいります。

 

   (当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

(1)基本方針の内容

 当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆様の自由な意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではありません。

 しかしながら、わが国の資本市場においては近年、対象となる企業の経営陣との協議や合意等のプロセスを経ることなく、一方的に大量買付行為又はこれに類似する行為を強行する動きが見られ、こうした大量買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 これに対し当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、“私たちは、「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という日本信号グループ理念や、後述(2)②に示す当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉を十分に理解し、ステークホルダーであるお客様、株主の皆様、協力企業の皆様、地域社会の皆様、従業員との信頼関係を維持し、こうしたステークホルダーの方々の期待に応えていきながら、中・長期的な視点に立って当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持、向上させるものでなければならないと考えております。

 したがって、当社といたしましては、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保することを基本方針としております。

 

(2)基本方針の実現に資する特別な取組み

 ①当社グループの経営理念及び基本的な事業運営の考え方

  当社は、1929年2月に営業を開始して以来、一貫して交通インフラの分野に携わり、“私たちは、「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という日本信号グループ理念のもと、2018年2月には創業89周年を迎えました。

 このように、公共性の高い事業分野において、永年に亘り社会に製品を提供し続けてきた企業として、当社は常に重い社会的責任と公共的使命を担っております。そのため、高い専門的技能と厳格な倫理教育を背景とした製品品質の管理、より安全・快適な交通インフラを支える新製品開発はもちろんのこと、人命にかかわる製品を製造していることに十分留意した長期的な視点に立脚した事業運営が不可欠であると考えます。

 一方、鉄道信号・道路交通信号システムの専門メーカーとして蓄積したコア技術、ノウハウを応用した新事業の創造に果敢に挑戦し、企業の持続的な成長に常に取り組まねばならないと考えております。特に、駅務ネットワークシステムとパーキングソリューションは現在の当社の業績を支える柱のひとつになるまでに成長した新事業の好例であります。

 現在では、「ビジョナリービジネスセンター(VBC)事業」として、微細加工技術により実現した共振ミラー「ECO SCAN」を取り扱うMEMS事業、遠隔・非接触による不明物検出ソリューションを提供するEMS事業等を成長・発展させる方向で取り組んでおります。

 

 ②当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉について

  当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉は、ⅰ)安全・快適な交通運輸インフラを永年に亘り支えてきた「技術・品質力」、ⅱ)公共性の高い仕事に携わる者として強い誇りと使命感を持った「人材力」、ⅲ)鉄道信号・道路交通信号システムで培ったコア技術・ノウハウを応用した新製品の「開発力」にあると考えます。

 

 ③経営計画に基づく具体的施策による企業価値・株主共同の利益の向上のための取組み

 当社は、今後も「安全と信頼」を社会に提供する企業として存続し、全てのステークホルダーの皆様の満足度をより向上させていかねばならないと考えております。その具体的な取組みとして、企業理念に基づく明確なビジョンと将来像及び実現計画の立案が必須と考え、2009年度から2020年度までの12年間の指針として長期経営計画「Vision-2020 3E」を策定し、遂行中であります。

  本計画は、

(a)品質向上・高付加価値製品の開発に継続的に取り組むことによって国内既存事業により得られた利益を、成長事業領域である海外市場ならびに新規事業に投資し、事業拡大サイクルを構築する「事業成長」

(b)環境変化に迅速に対応できる事業体制の構築、グループ企業の自立化、意思決定の迅速化、管理精度の向上等の構造改革により実現する「品質第一」

を主な柱として、企業価値の高いサスティナブル(持続可能)な成長企業となることを最終目標としております。

 

(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

  当社は、2016年6月24日開催の当社第133回定時株主総会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持し、向上させることを目的として、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の導入(更新)を決議いたしました。本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となる又は20%以上とすることを目的とする、当社が発行者である株券等の買付行為もしくはこれに類似する行為又はこれらの提案(当社取締役会が友好的と認めるものを除き、市場内外取引、公開買付け等の買付方法の如何を問いません。本プランにおいて「買付等」といい、当該買付等を行う者を「買付者」といいます。)を適用対象とし、買付者に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保したうえで、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。なお、買付者には、本プランに係る手続を遵守いただき、本プランに係る手続の開始後、当社取締役会が本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関する決議を行うまでの間、買付等を進めてはならないものとしております。

  買付者が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は当該買付者及び買付者の特定株主グループ(以下「買付者等」といいます。)による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)をその時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。

 本プランにおいては、原則として、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断について、取締役の恣意的判断を排するため、独立委員会規則に従い勧告される、当社経営陣から独立した企業経営等に関する専門的知識を有する者のみから構成される独立委員会の判断を尊重するとともに、株主の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。現在の独立委員会は、独立性の高い社外の有識者3名により構成されています。

  本プランの有効期間は、2019年3月末日に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時までであります。但し、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、または、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プラン及び本プランに基づく委任はその時点で廃止・撤回されます。

  なお、上記の内容は概要を記載したものであり、本プランの詳細については、以下の当社ウェブサイトに掲載しております2016年5月10日付当社プレスリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について」をご参照ください。

(当社ウェブサイト http://www.signal.co.jp/ir/index.html)

 

(4)上記の各取組みに対する当社取締役会の判断及び理由

  前記(2)の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるための具体的施策であって基本方針の実現に資するものです。したがって、これらの取り組みは、前記(1)の基本方針に沿い、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。

  また、本プランは前記(3)記載のとおり、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって導入されたものであり、前記(1)の基本方針に沿うものです。さらに、本プランは経済産業省及び法務省の「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」(2005年5月27日公表)の定める三原則を完全に充足し、また、経済産業省企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」(2008年6月30日公表)の提言内容にも合致しており、その内容においても当社取締役会の判断の客観性・合理性が確保されるように設計されています。したがって、当該取り組みは株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

 

2【事業等のリスク】

本有価証券報告書に記載した事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、以下のようなものがあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については、投資者に対する情報開示の観点から記載をしております。

なお、企業経営において、より確実かつ継続的に企業価値を向上させるために、当社グループでは定期的なリスクの洗出しに努め、企業活動におけるさまざまなリスクを統合的に把握し、より的確な経営判断を実現したいと存じますが、当社株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクをすべて網羅するものではありませんので、この点にご留意下さい。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の主要な生産品

当社グループの販売している主要な製品は、顧客からの個別受注生産品であり、顧客の設備投資の抑制や、更新需要の先送り等によっては、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

また、主要顧客である国内鉄道各事業者や、警察等の官公庁からの発注は一般競争入札にもとづいており、近年の参入業者の増加による価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える場合があります。

 

(2)業界の特性に基づくリスク

当社グループの主要事業のうち、「鉄道信号」、「スマートロード」及び「駅務ネットワークシステムを中心とするAFC」につきましては、主要顧客である国内鉄道各事業者の設備投資や、警察等の公共投資の影響を強く受ける分野であります。

そのため、国内鉄道路線の新設計画及び設備更新動向並びに公共投資動向等により、市場規模の変動を招き、当社グループの経営成績に重大な影響を与える場合があります。

また、主要顧客の設備投資及び公共投資が当社の需要の中心となっているため、当社グループの売上の比重は期末に高くなる傾向があります。

 

(3)当社の製品の特性に基づくリスク

当社グループで製造・販売しております「鉄道信号」「スマートロード」「駅務ネットワークシステムを中心とするAFC」等の製品は、鉄道・道路等社会基盤のひとつである「交通」を支える極めて公共性の高い製品であります。そのため、故障・誤動作等の障害が発生した場合、深刻な公共交通のマヒあるいは利用者の人命に関わる事態を招く恐れがあり、各関係者よりそれぞれの被害に関する損害の賠償請求を受ける可能性があります。

 

(4)海外展開、新事業等に関する課題

当社グループは、前述のような既存事業特有のリスク低減を目指し、より安定した強固な企業基盤を確立すべく、既存事業の海外展開や、MEMS、地中埋設物探知システムといった新分野の技術開発に積極的に取り組み、新市場の開拓を目指しております。

しかしながら、海外展開の不首尾、技術開発の遅れによる新事業よりの撤退等の事態に陥った場合、依然としてこれらのリスクが残存することになります。

 

(5)災害等による影響

当社グループは、主力生産事業所を埼玉・栃木の二県に集中して展開しております。

従いまして、関東地方北部において大規模地震災害等、操業停止を余儀なくされる事象が発生した場合、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、中国や新興国経済の減速、米国の政策等による世界経済の不確実性の高まりなど、先行き不透明な状況が続きました。一方、国内においては雇用・所得環境が改善し、緩やかな景気回復基調で推移しております。

このような状況のもと当社グループは、長期経営計画に掲げる「グローバル社会に適応したサスティナブル成長企業」となるべく、成長・投資戦略、人材戦略、ものづくり戦略を推進してまいりました。

当連結会計年度の経営成績といたしましては、受注高は99,581百万円(前期比12.3%増)、売上高は83,770百万円(前期比2.0%増)となりました。損益面につきましては、交通運輸インフラセグメントの一部案件で当初の予想を超える初期的な開発費が発生したことにより、営業利益は2,061百万円(前期比51.7%減)、経常利益は2,955百万円(前期比43.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,051百万円(前期比41.4%減)となりました。

以上のとおり、増収減益という結果になりましたが、受注残高は過去最高となっております。第136期は収益性の向上に努め、経営基盤を強化して業績の回復を図ってまいります。

 

なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。 

 〔交通運輸インフラ事業〕

「鉄道信号」では、国内市場においては、JR・私鉄各社向けの信号保安装置をはじめとした各種機器のほか、訪日外国人へのサービス向上に資する多言語に対応した自動旅客案内装置の受注・売上がありました。
 海外市場においては、アジアや南米の国々を中心に、信号システムを受注したほか、引き続き無線式信号保安システム“SPARCS”を戦略商品として営業活動に取り組みました。
 具体的には、インド アーメダバード・メトロ事業(第1期)信号システム、タイ バンコクレッドライン 信号システム、アルゼンチン共和国向け自動列車停止装置(ATS)などの案件を受注いたしました。
 また、インドの鉄道信号システム会社と資本業務提携契約を締結しております。これにより、当社グループのインド事業を更に拡大・加速させてまいります。

道路交通安全システムを中心とする「スマートロード」では、視認性や工事のやりやすさを追求した小型で軽量な信号灯器の拡販に努めたほか、非常用電源装置など、新事業における営業展開を進めてまいりました。

結果といたしましては、受注高は54,762百万円(前期比16.1%増)となり、売上高につきましては43,774百万円(前期比1.2%減)となりました。また、損益面では1,190百万円のセグメント利益(前期比69.1%減)となりました。

 

 〔ICTソリューション事業〕

駅務ネットワークシステムを中心とする「AFC」では、従来型の自動改札機・自動券売機に加え、ユーザーインターフェイスを刷新し、デザイン性、操作性を向上させ、多言語に対応した訪日外国人向け次世代券売機など新製品の拡販に努めました。また、駅利用者の安全を守るホームドアの普及を進めるべく、鉄道事業各社のニーズに合わせたドアの開発に努めました。オフィスビル事業者へは、指紋認証に対応した新しいセキュリティゲートの提案・販売を行いました。

パーキングシステムソリューションを中心とする「スマートパーク」では、大型商業施設などに設置される大規模駐車場やポイントサービスに対応した精算機、盗難防止機能を強化した駐車場管理機器・システムの受注・売上拡大に継続して取り組みました。また、社会問題化している駅ホームからの転落事故を抑止するため、監視の目となる3D距離画像センサの拡販に努めました。

結果といたしましては、受注高は44,819百万円(前期比8.0%増)となり、売上高につきましては39,996百万円(前期比5.8%増)となりました。また、損益面では3,892百万円のセグメント利益(前期比8.6%増)となりました。

 

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

① 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

交通運輸インフラ事業

44,238

103.3

ICTソリューション事業

39,748

102.9

合計

83,987

103.1

 

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比
(%)

金額(百万円)

前年同期比
(%)

交通運輸インフラ事業

54,762

116.1

36,265

143.5

ICTソリューション事業

44,819

108.0

17,008

139.6

合計

99,581

112.3

53,273

142.2

 

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

交通運輸インフラ事業

43,774

98.8

ICTソリューション事業

39,996

105.8

合計

83,770

102.0

 

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2)財政状態

 当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金の減少1,400百万円等がありましたものの、たな卸資産の増加1,749百万円、有形・無形固定資産の増加1,522百万円、受取手形及び売掛金の増加1,059百万円等により、前連結会計年度末に比べ5,429百万円増加の129,727百万円となりました。
 負債は、支払手形及び買掛金の減少839百万円、未払法人税等の減少274百万円等がありましたものの、短期借入金の増加5,649百万円等により、前連結会計年度末に比べ5,280百万円増加の50,326百万円となりました。
 純資産は、配当金の支払1,518百万円、自己株式の取得1,045百万円等がありましたものの、親会社株主に帰属する当期純利益2,051百万円の計上、その他有価証券評価差額金の増加615百万円等により、前連結会計年度末に比べ149百万円増加の79,401百万円となりました。

 

 

(3)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は11,137百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,400百万円減少いたしました。
 各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。
 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,192百万円の計上がありましたものの、たな卸資産の増加△1,749百万円や売上債権の増加△1,059百万円、仕入債務の減少△929百万円等により、305百万円の資金の減少となりました。
 
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却収入227百万円等がありましたものの、有形・無形固定資産の取得による支出△3,880百万円、投資有価証券の取得による支出△568百万円等により、4,153百万円の資金の減少となりました。
 
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出△1,045百万円、配当金の支払による支出△1,517百万円等がありましたものの、短期借入れによる資金の増加5,693百万円により、3,111百万円の資金の増加となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金又は借入により資金を調達しております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については期限が1年以内の短期借入金により調達しております。

 当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動については、主に当社研究開発センターにおいて、産学連携を含め中長期的な視点に立った事業拡大および基盤技術強化のための研究開発と各事業分野にまたがる技術プラットフォームの構築を行っております。また、各事業分野の事業拡大のための次世代商品開発を行っております。

研究開発センターでは、自動運転オペレーション・メンテナンス、ロボット、セキュリティ機器、画像解析技術等の開発を行っております。

 

セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりであります。

[交通運輸インフラ事業]

   ・次世代無線式列車制御システム

   ・センサーメンテナンスネットワーク

   ・次世代踏切システム

・歩行者支援システム

・交差点情報提供システム

・大型車向けソナーシステム

 ・集約回線向け無線装置

・斜面崩落予測システム

研究開発費の金額は1,153百万円であります。

 

[ICTソリューション事業]

・案内ロボット

・自動手荷物チェックイン機

・自動搭乗手続きゲート

・新型車番認識システム

・フラップレス駐車システム

・タブレット式駐車料金決済システム

・X線手荷物検査装置

・インテリジェントITV

研究開発費の金額は1,434百万円であります。