第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針
 当社グループは、世界中の人々がより安心、快適に暮らせる社会の実現を願い、1928年の設立以来、鉄道や道路交通など、社会インフラの発展と維持に貢献する事業を展開しています。2016年4月には、近年のグローバル化や産業技術の急激な変化を勘案し、創業60周年を機に制定された企業理念を「日本信号グループ理念」に改定いたしました。「私たちの使命」である“「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という想いのもと、一丸となり企業活動に取り組んでおります。
 2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートし、10年後の創立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指して、グローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。

 

(2)目標とする経営指標

当社は、2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートいたしました。

長期経営計画を展開した最初の中期経営計画である「21中計」(2019年度から2021年度)では、2021年度に連結売上高1,200億円、営業利益率10.0%、ROE9.0%を達成することを経営目標に設定しています。

 

(3)中長期的な戦略経営
 長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、デジタルディスラプション(デジタル技術による破壊的イノベーション)で既存産業が淘汰される大変革期の到来に対して、従来の延長線上にない新しいビジネスのあり方を追求し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることで国内外の社会的課題を解決していくことを目指しております。長期経営計画を3年ごとに展開した最初の中期経営計画である「21中計」では、2019年度から2021年度を日本信号グループの構造改革期と位置付け、ビジネスのグローバル化とソリューション化を推進しております。
 構造改革の一環として、組織再編を進めております。「鉄道信号」と「スマートモビリティ」の両事業部を統合し、交通システム事業部といたしました。これにより鉄道や自動車に限らない様々なモビリティのシームレスな連携(Mobility as a Service)の実現を目指します。また、自動車の自動運転技術実用化に向けた取り組みに特化した組織として「スマートモビリティ推進室」を新設し、ラスト1マイルのソリューションに向けたシステム開発、事業活動の強化を図っております。「スマートシティ」においても、決済システムに関するリソースの共有化による営業の強化を図るためにスマートパーク営業部を、駅ナカでの安全・安心、シームレスな連携を実現するためにステーション安全ソリューション営業部を、それぞれAFC営業部に統合いたしました。また、スマートシティ統括技術部を創設し、ロボティクス技術とセンシング技術を中核とした製品開発に取り組んでおります。

 

(4)対処すべき課題

2019年度よりスタートした新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を3年ごとに展開し、最初の中期経営計画として「21中計」を策定しました。その中で、2019年度から2021年度を日本信号グループの構造改革期と位置づけ、ビジネスのグローバル化とソリューション化を推進するため、以下の4つの重点課題に取り組んでおります。

 

<重点課題1>「変化を先取りしたビジネス創出と技術力の強化」
 セキュリティ・自動運転など新分野の開拓強化等を狙う事業再編、国際事業の拡充、О&M(Operation & Maintenance / 運用・保守)ソリューションビジネスの立ち上げにより、開発・事業成長の加速を目指します。

 

<重点課題2>「競争力あるQCD実現」
 設計・ものづくり改革と国際事業の事業基盤強化をテーマに、設計共通化やフロントローディングによる品質向上、自動化や各種ツールの活用により効率化を進めると共に、海外におけるものづくり体制の整備に取り組みます。

 

 

<重点課題3>「成長のための人材育成・確保」
 人材の獲得・育成、働き方改革と生産性向上、外部リソースの活用など、多面的に取り組み、中期経営計画、長期経営計画の実現に資する人材を確保していきます。

 

<重点課題4>「持続的な企業価値向上」
 社会インフラシステムを担う企業としてESGと2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)を強く意識した経営を推進します。またグループ再編も継続して進めることで、日本信号グループの価値最大化を追求していきます。
「21中計」では、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」達成への力強い第一歩を踏み出すべく、国内外での成長に必要な経営資源を獲得するための投資を計画しています。事業の拡大に対しては、戦略的な部門に配置する人員を増員するとともに、業務の効率化、設備投資による労働生産性の向上によって対応してまいります。
 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大への対応といたしましては、社会インフラを担う企業グループとして、関係する皆様並びに従業員の安全確保に努め、テレワークなど働き方の見直しによって感染リスクを軽減して事業を継続している状況にあります。本件による世界経済への影響は戦後最大とも言われており、収束の時期も極めて不透明な状況にあります。コロナ禍における接触を避けた生活様式が収束後も継続・定着し、社会や経済が構造的に変化することが想定されます。これに伴い、社会(交通)インフラシステムのニーズも大きく変化いたします。
 当社は、創業100周年に向けて「安全と信頼の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します」という日本信号グループ理念のもと、機動的な経営施策の実行を図り、このような困難な状況にあっても事業を維持・継続し、国内外の社会的課題の解決に取り組んでまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクとしては、主に以下のようなものがあります。但し、全てのリスクを網羅しているわけではなく、現時点では予見できないリスクや重要と評価されていないリスクについても、将来影響を受ける可能性がないか注視しております。

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 (1)経済、市場に基づくリスク
 当社グループは、交通インフラに関わるシステムやサービスの提供を当社の基幹事業としております。その主要顧客である国内鉄道各事業者の設備投資や、警察等の公共投資の影響を強く受ける分野であります。
 そのため、感染症や災害等により人や貨物の輸送量が減少し、運輸収入に大きな影響が生じた場合、国内鉄道事業者の設備投資や公共事業投資が減少して市場規模が縮小し、当社グループの経営成績に重大な影響を与える可能性があります。

 また、主要顧客の設備投資及び公共投資が当社の需要の中心となっているため、当社グループの売上の比重は期末に高くなる傾向があります。

 

(2)製品の特性に基づくリスク
 当社グループで製造・販売している鉄道信号や交通信号システム、駅務自動化システム関連の製品は、重要な社会インフラである「交通」を支えております。また、実証実験に参画している鉄道と自動車の自動運転に係わる新技術なども含め、極めて高い安全性が求められます。そのため、故障・誤動作等の障害が発生した場合、深刻な公共交通のマヒあるいは利用者の人命や財産に関わる安全を損なう事態を招く恐れがあり、各関係者の被害に関する損害の賠償請求を受け、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
 当社グループが何よりも優先すべきことは「安全と信頼」であり、これを頑なに守り続けることが必要であります。そうしたことから、グループ理念に掲げる安全への想いを未来に継承していく拠り所として、安全信頼創造センターを設立し、安全理論の研究、蓄積や社員の安全教育を実施しております。

 

(3)競合、取引先に関するリスク
 主要顧客である国内鉄道各事業者や、警察等の官公庁からの発注は一般競争入札に基づいており、参入業者間の競合による価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。
 また、海外事業についても同様であり、特に欧州企業や中国企業との価格競争の激化は、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

(4)災害に対するリスク
 当社グループは、主力生産事業所を埼玉・栃木の二県に集中して展開しております。これらの事業所及び本社を含む首都圏において、大規模地震や台風・豪雨・洪水等の自然災害による生産設備への被害、製品輸送、製品保管中の事故等、不測の事態が発生した場合、操業停止を含め、当社グループの生産能力が著しく低下する可能性があります。
 このような大規模災害が発生した場合に指揮命令系統を早期に確立するための事業継続計画(BCP)を制定し、従業員の安否確認システムを利用した訓練をしております。
 また、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を契機に「新型感染症対策基本方針書」及び「新型感染症対策行動計画」の見直しを図り、国際事業の拡大やテレワークなど新しい働き方の運用を踏まえて、社員の安全確保と事業の継続について定めております。

 

(5)海外展開に関するリスク
 当社グループは、アジアを中心に積極的な海外展開を図っております。そのため各国の経済・市場の動向に関するリスクだけではなく、政治的リスクや気候変動リスクにより、事業開発の遅れが生じるリスクがあります。

   また、テロ・紛争・戦争、感染症等のリスクがあり、社員の安全確保のため、営業拠点からの退避や事業そのものからの撤退を余儀なくされる恐れもあります。また、これらの事象により為替相場が変動し、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

(6)新規事業に関するリスク
 当社グループは、既存事業特有のリスク低減を目指し、より安定した強固な企業基盤を確立すべく、既存事業の海外展開や、MaaS、自動運転、ロボティクスといった新分野の技術開発に積極的に取り組み、新市場の開拓を目指しております。
 しかしながら、参入を検討している新市場規模が縮小した場合、又は技術開発の遅れにより、新事業から撤退等の事態に陥った場合、新たな成長ドライバーを獲得するまで、依然としてこれらのリスクが残存することになります。

 

(7)情報システムセキュリティリスク
 当社グループは、事業上の重要情報や、事業の遂行過程で得た取引先等の機密情報を有しております。当該情報の盗難・紛失等を防ぐため、情報取扱管理規程の整備、情報システムのセキュリティ強化、社員に対するITセキュリティ教育を実施しております。
 しかし、不測の事態によって、機密情報の漏洩や想定を超えるサイバー攻撃を受けることで、データの破壊、改ざん、流出、システム障害等を引き起こす可能性があり、その結果、当社グループの経営成績に悪影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績

 当連結会計年度における世界経済は、長引く米中通商交渉に対する警戒感を背景に減速基調で推移しておりました。加えて、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中で猛威をふるい、感染拡大の収束時期の見通しが立たないことから、先行きの不透明感を強めております。国内経済においても、感染拡大の影響で予断を許さない状況が続き、長引く企業の経済活動縮小や個人消費の減少により景気は急速に悪化しております。
 このような厳しい状況下でありますが、当社グループは、「インフラの進化」を安全・快適のソリューションで支えることにより、国内外の社会的課題を解決していくことを使命として、2019年度より新たな長期経営計画(Vision-2028 EVOLUTION 100)をスタートいたしました。創立100周年(2028年)に向けて、世界の人々から必要とされる企業グループになることを目指し、従来の延長線上にはないグローバル化の深化やデジタル技術の大変革期に適応し、「持続可能な開発目標(SDGs)」や社会との共生を目指して持続的成長のための事業構造改革に取り組んでおります。
 当期の経営成績といたしましては、受注高は118,604百万円(前期比4.6%増)、売上高は111,675百万円(前期比11.8%増)となりました。損益面につきましては、営業利益は8,912百万円(前期比27.3%増)、経常利益は9,674百万円(前期比22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,584百万円(前期比24.1%増)となり、過去最高の業績となりました。

 

なお、当連結会計年度における各セグメントの概況は、以下のとおりであります。 

 〔交通運輸インフラ事業〕

「鉄道信号」では、国内市場において、JR・私鉄各社向けの各種信号保安装置の販売に取り組み、列車の走行、停止、駅と列車のドア制御連携などをトータルで管理するATO(Automatic Train Operation/自動列車運転装置)の拡販やATC(Automatic Train Control/自動列車制御装置)など各種信号保安装置をはじめとした機器の受注・売上がありました。東京都交通局からは都営大江戸線において、海外で多数の導入実績を持ち、安全性と信頼性で高い評価を受けている当社製CBTC(Communications Based Train Control/無線式列車制御システム)「SPARCS」の受注がありました。また、労働人口減少に対応するため、CBM(Condition Based Maintenance/状態基準保全)及び鉄道の自動運転を基礎としたO&M(Operation & Maintenance/運用・保守)ソリューションの提案も積極的に行いました。

 海外市場においては、当社製CBTC「SPARCS」を搭載したジャカルタ都市高速鉄道、韓国の金浦都市鉄道が開業を迎えました。また、台湾鐵路管理局からは、各種信号装置の保守・更新を受注したほか、台湾交通部鉄道局より台湾・嘉義市街高速鉄道高架化計画電子連動システム工事を受注いたしました。そのほか、新興国の旺盛な鉄道インフラ需要に応えるべく、営業活動を推進しております。
 道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、小型化・軽量化した新型LED交通信号灯器や新型パーキングメーター、停電などにより電力供給が断たれた場合に自動で起動する発動発電機の受注・売上がありました。また、当期は内閣府主導による戦略的イノベーションプログラムや、JR東日本気仙沼線BRTのバス自動運転の技術実証等7件の実証実験に参加し、研究開発に活かしてまいりました。
 結果といたしましては、受注高は62,790百万円(前期比8.8%増)となり、売上高につきましては55,966百万円(前期比7.3%増)となりました。また、損益面では6,243百万円のセグメント利益(前期比2.0%減)となりました。

 

 〔ICTソリューション事業〕

駅務自動化システムを中心とする「AFC」では、国内市場においては、様々なラインナップを誇るホームドアで、JR・私鉄や公営交通において受注・売上があり、業績を牽引いたしました。視覚障がいのある方がホームドアに接近した際の案内や、車両の開扉案内をする装置の開発も進めております。他にも多言語対応次世代券売機などの新製品の拡販に努めたほか、消費税増税に対応するためのシステム改修を行いました。

海外市場においては、インドのチェンナイメトロ公社より延伸9駅分のAFCシステム一式を受注したほか、インド、タイ、バングラデシュなどのアジア諸国を中心としたプロジェクトの履行に努めております。
 今後の取り組みといたしましては、音声対話による駅案内を行う駅案内ロボットの開発・販売を進めてまいります。また、顔認証システムを利用した次世代改札機の実用化に向けた開発も推進してまいります。
 パーキングシステムソリューションやセキュリティシステムソリューションを中心とする「スマートシティ」では、国際線旅客ターミナルビルにおいて顔認証によるスムーズな搭乗を可能にするPRS(Passenger Reconciliation System/旅客通過確認システム)の受注・売上がありました。
 また、スタジアムやアミューズメント施設などの不特定多数の人が集まる場所において、従来よりも短時間で検査可能なX線手荷物自動検査装置の受注・売上がありました。キャッシュレス社会の到来に向けて、QRコードでの決済が可能なパーキングシステムの拡販にも努めてまいりました。
 結果といたしましては、受注高は55,814百万円(前期比0.3%増)となり、売上高につきましては55,709百万円(前期比16.8%増)となりました。また、損益面では6,209百万円のセグメント利益(前期比59.2%増)となりました。
 

b.財政状態

当連結会計年度末における総資産は、時価の下落等による投資有価証券の減少3,072百万円等がありましたものの、受取手形及び売掛金の増加1,548百万円、繰延税金資産の増加1,050百万円、有形・無形固定資産の増加337百万円、たな卸資産の増加235百万円、現金及び預金の増加179百万円等により、前連結会計年度末に比べ328百万円増加の137,971百万円となりました。
 負債は、支払手形及び買掛金の増加1,608百万円、短期借入金の増加795百万円、電子記録債務の増加196百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,815百万円増加の58,323百万円となりました。
 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益6,584百万円の計上等がありましたものの、自己株式の取得3,500百万円、その他有価証券評価差額金の減少3,776百万円、配当金の支払1,621百万円等により、前連結会計年度末に比べ2,487百万円減少の79,648百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は12,566百万円となり、前連結会計年度末に比べ179百万円増加いたしました。
 各キャッシュ・フローの状況につきましては、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払△2,760百万円等がありましたものの、税金等調整前当期純利益9,662百万円の計上、減価償却費2,066百万円の計上等により、9,160百万円の資金の増加(前年同期は3,291百万円の資金の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の取得による支出△2,328百万円、有形・無形固定資産の取得による支出△2,254百万円等により、4,600百万円の資金の減少(前年同期は2,437百万円の資金の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる資金の増加784百万円等がありましたものの、自己株式の取得による支出△3,500百万円、配当金の支払による支出△1,621百万円等により、4,367百万円の資金の減少(前年同期は426百万円の資金の増加)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

交通運輸インフラ事業

56,122

108.5

ICTソリューション事業

55,841

116.7

合計

111,963

112.4

 

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比
(%)

金額(百万円)

前年同期比
(%)

交通運輸インフラ事業

62,790

108.8

48,607

116.3

ICTソリューション事業

55,814

100.3

25,084

100.4

合計

118,604

104.6

73,691

110.4

 

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

交通運輸インフラ事業

55,966

107.3

ICTソリューション事業

55,709

116.8

合計

111,675

111.8

 

(注) 上記金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①経営成績等の分析

当連結会計年度は、10年後の100周年に向けて長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を策定し、ビジネス転換や、事業ドメイン、人材・組織、技術開発などに関する戦略を定めました。また、長期経営計画を3年ごとに展開した「21中計」をスタートさせ、同期間を当社の構造改革期と位置づけ、ビジネスのグローバル化とソリューション化を推進しております。
 売上高については、交通運輸インフラ事業においてはJR各社向けの信号設備更新や海外案件の増加があったこと、ICTソリューション事業においてはホームドアの売上が牽引したことにより111,675百万円(前期比11.8%増)と増加しております。

損益面につきましても、売上高の増加及び原価率の改善などによって利益は大幅に増加し、営業利益8,912百万円(前期比27.3%増)、経常利益9,674百万円(前期比22.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6,584百万円(前期比24.1%増)となりました。

 

②資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、現在、運転資金及び設備投資資金は、内部資金又は借入により資金を調達しております。このうち借入による資金調達については、運転資金は期限が1年以内の短期借入金により調達しております。

当社グループは、その健全な財政状態、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力により、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備資金を調達することが可能であると考えております。

 

③経営方針・経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等

  長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をより具体的な取り組み・施策に展開した、3年ごとの中期経営計画「21中計」の初年度の経営上の目標値としましては、売上高1,050億円、営業利益率7.0%、並びにRОE7.0%としておりました。
 当期における当社グループの経営成績は、売上高1,116億円、営業利益8.0%、並びにRОE8.1%となり、2期連続の増収増益で過去最高の業績を達成し、収益性・効率性の各指標で目標値を上回ることができました。

 

④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益、及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果とは異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

 

a.完成工事高及び完成工事原価

当社及び連結子会社においては、社内の原価管理部門が策定した工事原価総額に基づき、成果の確実性が認められる工事について、工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)により完成工事高を計上しております。工事原価総額は、受注案件ごとに過去の実績等を考慮して、当初策定していますが、想定外の事象の発生等により、完成工事高及び完成工事原価が影響を受け、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

 

b.受注損失引当金

当社及び連結子会社においては、社内の原価管理部門が策定した原価総額に基づき、受注済みの案件のうち、当該受注契約の履行に伴い、翌期以降に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積ることが可能なものについては、将来の損失に備えるため翌期以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上しております。受注損失引当金は、受注案件ごとに過去の実績等を考慮して、当初策定していますが、想定外の事象の発生等により、見積りを超えた原価が発生する場合は、当社グループの業績を変動させる可能性があります。

 

c.退職給付

当社及び連結子会社2社においては、各種退職給付及び年金制度を有しており、退職給付債務及び退職給付費用を、割引率等のさまざまな仮定に基づいて算出しております。将来の経済環境の変化などによる割引率等の仮定の変更は、将来の退職給付債務、退職給付費用及び制度への必要拠出額に影響を与える可能性があります。また、実際の結果は、当社及び連結子会社2社の仮定と異なる場合があり、当該差異は、発生時にその他の包括利益として認識しております。

 

d.繰延税金資産

当社及び連結子会社は、繰延税金資産について、回収可能性が見込まれるものに限り認識しております。繰延税金資産の評価は将来の課税所得の見積りと税務上、実現可能と見込まれる計画に依拠します。仮に、将来の市場環境や経営成績の悪化により将来の課税所得が見込みを下回る場合は、繰延税金資産の金額が大きく影響を受ける可能性があります。
 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動については、主に当社研究開発室において、産学連携を含め中長期的な視点に立った事業拡大および基盤技術強化のための研究開発と各事業分野にまたがる技術プラットフォームの構築を行っております。また、各事業分野の事業拡大のための次世代商品開発を行っております。

研究開発室では、自動運転、オペレーション・メンテナンス、ロボット、セキュリティ機器、センシング技術、画像解析技術等の開発を行っております。

 

セグメント別の主な研究開発活動は次のとおりであります。

[交通運輸インフラ事業]

   ・次世代無線式列車制御システム

   ・センサーメンテナンスネットワーク

   ・次世代踏切システム

・高度化歩行者等支援情報通信システム

・自動運転向け路車協調システム

研究開発費の金額は1,596百万円であります。

 

[ICTソリューション事業]

・ハンディキャップ検知

・予兆監視システム

・X線手荷物自動検査装置

・顔認証、QRコードを用いたシンクライアントによる改札システム

・フロアプロジェクションマッピング

・精算機プラットフォーム開発

・駐車場サーバの開発

研究開発費の金額は1,290百万円であります。