第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
  また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2020年4月1日~2020年12月31日)の世界経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を抑制するため、ロックダウンをはじめとする厳格かつ広範な公衆衛生上の措置がとられ、各国の経済活動に大幅な制約が生じました。しかしながら、収束の見通しは立っておらず、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。

国内経済においては、段階的な経済活動の再開とともに景気回復の兆しもみられましたが、新型コロナウイルス感染症の患者数が再び増加傾向に転じており、景気や業績の先行きに対する見方は、なおも慎重にならざるを得ない状況にあります。

このような状況下ではありますが、当社グループは、中期経営計画の重点課題である変化を先取りしたビジネス創出と技術力強化の一環として、デジタルトランスフォーメーションを踏まえた製品やサービスの開発と営業活動に注力いたしました。また、コスト削減による収益力の向上や、従業員のテレワーク推進など、働き方の見直しに取り組んでまいりました。

当第3四半期連結累計期間の経営成績といたしましては、受注高は59,726百万円(前年同期比23.0%減)、売上高は54,555百万円(前年同期比17.9%減)となりました。損益面につきましては、営業利益は1,665百万円(前年同期比56.0%減)、経常利益は2,285百万円(前年同期比47.4%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は1,854百万円(前年同期比30.9%減)となりました。

 

  セグメントの状況といたしましては、以下のとおりです。

[交通運輸インフラ事業]

「鉄道信号」では、国内市場において、JR・私鉄各社向けの運転制御装置であるATC(自動列車制御装置)やCTC(列車集中制御装置)等の各種信号保安装置の設置工事の受注・売上がありました。また、鉄道の設備情報・沿線情報・サービス情報をIoTネットワークによって収集・蓄積・分析するシステム「Traio(トレイオ)」を開発し納入したほか、国内初となる踏切を有するATS(自動列車停止装置)区間の在来線における自動運転の実証運転にも取り組んでおり、作業の自動化や機械化を推進することで、鉄道に従事する労働人口減少など、顧客の経営課題解決に貢献する新たな製品やサービスの開発に取り組んでおります。

海外市場においては、バングラデシュ・ダッカやインド・アーメダバードにおける信号保安装置の売上がありました。また、鉄道インフラ投資が活発化している台湾での事業拡大を目的に、エンジニアリング子会社を設立いたしました。

道路交通安全システムを中心とする「スマートモビリティ」では、交通管制システムの中央装置や道路情報板等の受注・売上がありました。また、埼玉県の浦和美園地区で行われた公道・自動運転バス実証実験では、地域型MaaS(Mobility as a Service)の基盤となる移動データの見える化や、インフラと車両との連携技術の確認に取り組んでまいりました。

結果といたしましては、受注高は32,734百万円(前年同期比15.0%減)、売上高は28,885百万円(前年同期比10.5%減)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は2,759百万円(前年同期比14.0%減)となりました。

 

[ICTソリューション事業]

駅務ネットワークシステムを中心とする「AFC」では、国内市場において、新駅開業に伴う対応や、ホームドアの全国展開、駐車場管理機器等の受注・売上がありました。また、顔認証システムを利用した次世代改札機の実用化に向けた開発も推進しております。

海外市場においては、バングラデシュ・ダッカやインド・アーメダバードにおけるホームドアの納入、インド・チェンナイにおけるメトロの延伸に伴うAFCシステムの納入など、アジア諸国のプロジェクトに取り組んでまいりました。

セキュリティーソリューションシステムを中心とする「スマートシティ」では、当社が有する電波・通信技術を応用した地中レーダーや、スピーディーに危険物の有無を判定できるX線手荷物検査機等の受注・売上がありました。また、新たにラインナップに加えた吸塵型清掃ロボット(CLINABO CL02)については、駅や商業ビルの感染症予防対策や清掃の人手不足に広く貢献でき、社会のニーズに適合する製品として、今後の販売拡大に努めてまいります。

結果といたしましては、受注高は26,991百万円(前年同期比30.8%減)、売上高は25,669百万円(前年同期比24.8%減)となりました。また、損益面につきましては、セグメント利益は1,167百万円(前年同期比62.6%減)となりました。

 

(2) 財政状態の状況

 当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ、たな卸資産の増加11,292百万円等がありましたものの、受取手形及び売掛金の減少18,842百万円、現金及び預金の減少2,790百万円等により8,437百万円減少し、129,534百万円となりました。

 負債は、支払手形及び買掛金の減少4,332百万円、未払法人税等の減少2,025百万円、賞与引当金の減少1,442百万円、電子記録債務の減少879百万円等により、前連結会計年度末に比べ8,929百万円減少の49,393百万円となりました。

 純資産は、利益剰余金の配当による減少1,621百万円等がありましたものの、当第3四半期連結累計期間の親会社株主に帰属する四半期純利益1,854百万円の発生等により、前連結会計年度末に比べ492百万円増加の80,140百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は9,779百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,787百万円の減少となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少等がありましたものの、たな卸資産の増加、仕入債務の減少等により、522百万円の資金の減少(前年同期は4,766百万円の資金の増加)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却等がありましたものの、有形固定資産の取得等により、907百万円の資金の減少(前年同期は2,243百万円の資金の減少)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入れによる資金の増加がありましたものの、配当金の支払等により、1,350百万円の資金の減少(前年同期は4,943百万円の資金の減少)となりました。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,785百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

(5) 対処すべき課題

2019年度よりスタートした新たな長期経営計画「EVOLUTION 100」では、デジタルディスラプション(デジタル化による市場再編)で既存産業が淘汰される大変革期の到来に対して、従来の延長線上にない新しいビジネスのあり方を追求し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることにより国内外の社会的課題を解決し、世界中の人々から必要とされる企業グループとなることを目指してまいります。

「EVOLUTION 100」のタイトルは、激変する経営環境に適応し、創業100周年(2028年度)、その先の100年に向けて、日本信号グループを大きく変革(=EVOLUTION)させることをメッセージ化しています。

長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」を展開した最初の中期経営計画である「21中計」では、2019年度から2021年度を日本信号グループの構造改革期と位置付け、ビジネスのグローバル化とソリューション化を推進いたします。

「21中計」では以下の4つの重点的課題に取り組んでおります。

 

 <重点課題1>「変化を先取りしたビジネス創出と技術力の強化」

セキュリティ自動運転など新分野の開拓強化等を狙う事業再編、国際事業の拡充、O&M(Operation & Maintenance/運用・保守)ソリューションビジネスの立ち上げにより、開発と事業成長の加速を目指してまいります。

 

 <重点課題2>「競争力あるQCD実現」

  設計・ものづくり改革と国際事業の事業基盤強化をテーマに、設計共通化やフロントローディングによる品質向上、自動化や各種ツールの活用により効率化を進めると共に、海外におけるものづくり体制の整備に取り組んでまいります。

 

 <重点課題3>「成長のための人材育成・確保」

  人材の獲得・育成、働き方改革と生産性向上、外部リソースの活用など、多面的に取り組み、中期経営計画、長期経営計画の実現に資する人材を確保してまいります。

 

 <重点課題4>「持続的な企業価値向上」

  社会インフラシステムを担う企業としてESGと2015年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs)を強く意識した経営を推進いたします。また、グループ再編も継続して進めることで、日本信号グループの価値最大化を追求してまいります。

  「21中計」では、長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」達成への力強い第一歩を踏み出すべく、国内外での成長に必要な経営資源を獲得するための投資を計画しています。事業の拡大に対しては、戦略的な部門に配置する人員を増員するとともに、業務の効率化と設備投資による労働生産性の向上によって対応してまいります。

  当社は、創業100周年に向けて「安全と信頼の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します」という日本信号グループ理念のもと、機動的な経営施策の実行を図り、事業を維持・継続し、国内外の社会的課題の解決に取り組んでまいります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。