当社グループは、企業に求められる経営の在り方や事業環境の変化など将来を見据え、「京三グループの永続的成長」を目的として「成長」と「サステナブル」を基本方針に掲げた2025年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定し、達成に向け取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、受注、売上、利益共に前期を上回りました。
しかしながら、中期経営計画最終年度の取り組みのうち、パワーエレクトロニクス事業の拡大や新規事業の受注・売上、棚卸資産や借入金の縮減など財務基盤の強化に繋がる目標は未達成であり、継続的な課題として今後も改善に取り組みます。
2025年4月からスタートした新たな中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」は、前中期経営計画における未達事項を是正するとともに、経営重要課題であるマテリアリティに紐づく「12の基本戦略」に取り組みます。
[脱炭素社会貢献]
①製品の低消費電力化、小型・軽量化、小設備化、および生産体制の効率化等による京三グループ全体でのCO2排出量削減
②開発から廃棄に至る製品ライフサイクル全体での環境負荷の低減
[革新的な製品開発]
③顧客のオペレーションやメンテナンスの省力化を実現する製品開発
④DXを活用した新製品・サービスの創出と知財戦略強化
⑤新たなグローバルマーケットへ挑戦する新規事業の創出
[経営基盤・ガバナンスの強化]
⑥生産プロセスの変革とグローバルサプライチェーンの強化による生産性向上
⑦マーケティング活動による潜在ニーズの先読みと新規市場開拓
⑧企業価値最大化に向けたグループガバナンス強化
⑨資本収益性の向上、および成長投資とステークホルダーへのリターン
[人的資本の充実]
⑩事業戦略に沿った人的資本確保
⑪成長意欲を持ち、挑戦する人財の育成と組織力の強化
⑫DE&I推進による働きやすい職場環境づくりと従業員エンゲージメントの向上
「KYOSAN Next Step 2028」策定にあたっては、これまで当社が大切にしてきた「安全・安心」「社会への貢献」といった価値観の本質は不変としつつ、「企業理念、企業ビジョン、行動規範」を見直しました。また、経営戦略体系における「KYOSAN Next Step 2028」を含めた関連性を、社員およびステークホルダーがわかりやすく理解できるような簡潔な形に整理しました。
[企業理念]
『新しい価値を創造し、人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献します』
[企業ビジョン]
『めざす企業像「信頼度ナンバーワンKYOSAN」』
[行動規範]
『Be professional:プロフェッショナルとしての矜持』
全社員が経営戦略体系を理解し、共有することにより当社グループの持続的成長を実現します。
また、資本収益性の向上と、成長投資ならびにステークホルダーへの安定的な還元を持続するため、資本コスト、株価を意識した経営を推進してまいります。
今後も当社グループは、新たな企業理念のもとに掲げた目指す企業像「信頼度ナンバーワンKYOSAN」の実現に向け、高い専門性とスキルを発揮し、プロフェッショナルとして進化し続けることで、顧客価値と企業価値の最大化を追求し、社会の持続的発展に貢献してまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「新しい価値を創造し、人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献します。」との企業理念のもと、目指す企業像「信頼度ナンバーワンKYOSAN」に向かって社会課題の解決に貢献することで、企業価値の向上と持続可能な社会の実現を目指すことをサステナビリティに対する基本方針としております。
当社グループは、経営の重要課題や事業横断的課題などを経営幹部が議論する場として、社長を議長とする「コーポレート戦略会議」を設置し、迅速かつ適切・公正な経営を推進しています。
「コーポレート戦略会議」は、社長執行役員を議長として、本部長、事業部長等で構成しており、全社もしくは複数部門に跨る経営課題について方針や方向性を議論し、経営計画達成のために必要な経営資源の配分を含めた調整を行うことを目的として、原則月1回開催するほか必要に応じて臨時に開催しております。
サステナビリティに関する取り組みは重要な経営課題と認識しており、「コーポレート戦略会議」において、マテリアリティおよび各施策の決定、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を実施し、定期的に取締役会へ報告します。
また、当社グループは、当社グループにもたらす経営上の重大リスクを認識することで、経営リスクの回避、および経営への影響の最小化に向けたリスク管理を行うために「リスク管理委員会」を設置し、当社および子会社の経営リスクを認識、分析し、リスク統制を行っております。リスク管理委員会の傘下に個別リスク委員会として「経営・財務リスク委員会」「災害リスク委員会」「情報リスク委員会」を置いており、これら個別リスク委員会の活動状況は、各個別リスク委員会の委員長がすみやかにリスク管理委員会に報告を行うとともに、リスク管理委員長の判断により、リスク管理責任者に報告等を行っております。
「コーポレート戦略会議」は「リスク管理委員会」と連携し、当社グループにおけるリスクおよび機会の内容を踏まえ、サステナビリティ推進に関する戦略や施策を検討しております。

当社グループでは、当社グループが取り組むべき社会課題として重要性が高いと思われるマテリアリティ(経営重要課題)を特定するために、国際的なフレームワークであるGRIスタンダードなどを参照し、ステークホルダーの重要度と、当社事業との関連性を踏まえ、①社会課題の把握・整理・抽出、②重要性の評価(アンケートによるステークホルダーの意見集約)、③妥当性評価(社外役員ダイアログの実施)、④マテリアリティの特定とKPI指標の設定、の4つのステップを実施しました。
これらのプロセスおよび「コーポレート戦略会議」での議論を踏まえて、(1)脱炭素社会貢献、(2)革新的な製品開発、(3)経営基盤・ガバナンスの強化、(4)人的資本の充実の4項目を当社グループにおけるマテリアリティとすることを2023年3月24日開催の取締役会において決議し、「コーポレート戦略会議」において、各マテリアリティに設定したKPI に基づき進捗を確認し、是正措置を講じると共に、必要に応じた見直しを図ってまいりました。
各マテリアリティにおける戦略と目標は下表のとおりです。
なお、管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業等取得率および労働者の男女の賃金の差異については「
当社グループは2026年3月期より3ヶ年の中期経営計画 "KYOSAN Next Step 2028" を策定いたしました。本中期経営計画においては、2022年4月の「中期経営計画2025」策定時に描いた「2032年にありたい姿」に関して重要な変更はなく、2028年までの3年間は前中期経営計画に引き続いて「2032年にありたい姿」の実現を目指す第2段階であると位置付けているため、4項目のマテリアリティを変更しておりません。
2028年3月期を期限とする各マテリアリティにおける戦略と目標は下記のとおりです。
当社グループの事業、経営成績、財政状態、株価等に影響を及ぼす可能性があると考えられる主なリスク要因につきましては、以下のようなものがあります。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項につきましても、投資判断、当社の事業活動を理解するうえで重要と考えられる事項については情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクを認識し、その発生の回避・コントロール、および発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、これらのリスクは当社グループに関係するすべてのリスクを網羅するものではありません。また、記載内容のうち、将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 事業環境に関するリスク
① 信号システム業界の需要動向等による影響
当社グループは主力の鉄道信号システムや道路交通システムについて、国内事業の製品納期あるいは工事竣工時期が顧客の年度予算との兼ね合いから期末に集中する傾向があり、この影響により売上高が下半期に偏重する傾向にあります。また、当社の売上の多くは、顧客からの個別案件であり、顧客の設備投資計画や更新時期によって、年度ごとに経営成績に変動が生じる可能性がありますが、できる限り納期調整等を行い平準化に努めてまいります。
② 半導体、FPD業界の需要動向等による影響
当社グループのパワーエレクトロニクス事業における主力の半導体・FPD製造装置用電源装置について、顧客要求への対応力強化や高付加価値製品の開発等を進めておりますが、各々の業界における短期・中長期的な需給サイクルや技術革新の進捗によって、経営成績に大きな変動が生じる可能性があります。
③ 当社製品の特性に起因する影響
当社グループは高品質、安全性、高信頼性に配慮した設計・製造に努めております。特に、鉄道信号・道路交通システム等の製品につきましては、交通インフラを支える公共性の高い製品であり、製品品質についてはデザインレビューの徹底、確実な出荷検査の実施等により万全を期しておりますが、使用部品等の要因により出荷検査段階では発見できない製品不具合を発生させる可能性があります。その場合には、該当する製造ロット部品の全数検査を行う等の同機種対策を迅速に行い、影響の拡大防止を図ります。
④ 原材料の調達に起因する影響
当社グループは製品の製造に使用する原材料を複数のサプライヤから調達しています。これらのサプライヤとは取引基本契約を締結し、安定的な取引を行っておりますが、市況の変化により原材料価格や人件費が上昇した場合、製品価格の引き上げや利益率の低下に繋がる可能性があります。また原材料の供給不足が生産工程に影響することがあります。
(2) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは海外の国・地域に8カ所の拠点等を有し、成長戦略の重要な取り組みの一つとして海外事業展開に注力しております。商社、エンジニアリング会社等との協力関係の下、現地法人を基点とした現地生産や現地企業との協業を深度化する等、積極的に事業のグローバル展開を進めております。そのため、グローバル人財の増強と育成は急務であり、海外拠点要員の早期育成と現地採用をバランスよく実施してまいります。また、現地従業員のための安全マニュアル等の整備を図っておりますが、当該国・地域の社会・政治・経済情勢、衛生環境、為替、税務、知的財産権等を含む現地の政情、法規制や商慣習等による、いわゆるカントリーリスクが国・地域ごとに異なることから、現地専門機関、弁護士事務所等と緊密に連携を図り、リスク回避およびリスク発生時の対応に備えております。
(3) 自然災害等に関するリスク
① 自然災害等による操業への影響
当社の生産活動は神奈川県横浜市の本社・工場を拠点としております。本社については免震構造、工場については耐震構造の建屋としており、大規模地震の発生に対しても安全を確保できる構造となっております。さらに地震発生時の電気、水道、ガス等のインフラ停止に備えて、飲料水、食料等の生活必需品の備蓄、自家発電設備を設置しており、併せて、富士山の大規模噴火に備えて降灰対策の計画を策定するなど、復旧までの事業継続体制を整えております。
今後も引き続き事業継続計画の定期的な見直し、改善を図ってまいります。
② 大規模な感染症の発生による影響
新型コロナウイルスは5類感染症へ移行されておりますが、今後、大規模な感染症が再び発生した場合には、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは引き続き感染症全般の拡大防止に努めるとともに、感染症による被害を受けた場合においても企業としての供給責任を果たすため、事業継続計画の継続的な見直し、改善を図ってまいります。
(4)環境規制・気候変動に関するリスク
当社グループは、地球温暖化防止、水質汚濁、大気汚染、騒音、土壌汚染、廃棄物処理、使用する有害化学物質などにおいて、国内外の環境法令の遵守に努めております。また、気候変動対応については、2022年度から気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)のフレームワークをもとに、様々なリスクと機会の把握に努めると共に、「脱炭素社会貢献」をマテリアリティ(経営重要課題)として位置付け、適切な情報開示、対応を進めております。将来、環境規制への適応が極めて困難な事象や不測の事態が発生する場合には、環境対応に関する費用の増加や事業活動停止などの可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、「新しい価値を創造し、人々の安全・安心・快適な暮らしと社会の持続的発展に貢献します」との企業理念のもと、事業活動を通じ、地球規模の課題である気候変動の緩和のための取り組みを推進しリスクの低減を図るとともに、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。
(5) 情報セキュリティに関するリスク
当社グループは社会の公共性、公益性、安全性に深くかかわる企業として、情報セキュリティ基本方針において情報セキュリティに関するリスクは重大な問題と捉え、情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、サイバー攻撃対策、不正アクセス対策、コンピューターウイルス対策等を講じております。事業のグローバル展開が進展し、また、テレワークの定着等により情報関連のインシデントリスクが増しており、インシデント発生時には顧客への損害補償や営業機会の損失、社会的信用の失墜等のため企業の存続が危ぶまれる事態を招く可能性もあります。
当社グループは、情報セキュリティ基本方針に基づき情報システム部門の強化やIT環境の整備等に努めるとともに、システム上のセキュリティ強化や当社グループの情報を扱うすべての従業員、関係者を対象とした教育の徹底によって、情報セキュリティリスクの低減に努めております。
(6) その他のリスク
当社グループは、常に新しい会計基準等に基づき会計処理を行い決算に反映させておりますが、誤った会計処理によって決算の内容に影響を与えるリスクがあると認識しており、関係者による事例を用いた説明、会計処理のダブルチェック等によりこれらのリスクを排除するべく対応しております。
当社グループは、安全対策とセキュリティを一段と強化し、重要な財産である人的資源と大切な資産を各種の災害から保全するとともに、事業遂行上のリスク管理を目的とするリスク管理委員会体制の下、グループリスク管理体制およびグループコンプライアンス体制を強化し推進しております。また、内部監査室による内部監査結果を社長、取締役会、監査役会へ報告し、グループ内でリスク情報を共有することで再発防止に繋げております。
当社グループは、引き続きコンプライアンスの徹底とガバナンスの強化に努めてまいります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、中国経済の減速などによる景気の下押しリスク、また世界的な物価上昇や米国の政策動向、グローバルな地政学的リスクなどにより、先行きが不透明な状況が継続いたしました。
このような状況の下、当社グループは「成長」と「サステナブル」を基本方針とする「中期経営計画2025」の最終年度の目標達成に向けて全社戦略、事業戦略にもとづいて各事業活動に取り組んでまいりました。また、「サステナビリティ基本方針」「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの考え方」「人権方針」の下で具体的な取り組みを進めるとともに、「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」提言への賛同を表明し、当社ウェブサイトにおいて提言に基づく情報開示を進めております。
当連結会計年度の受注および売上につきましては、信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業ともに前期を上回りました。
利益面につきましては、売上高の増加に加え、利益創出に向けた取り組みの結果、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前期を上回りました。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高81,951百万円(対前期比8,306百万円増)、売上高85,367百万円(同14,842百万円増)、営業利益6,112百万円(同3,620百万円増)、経常利益6,646百万円(同3,386百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,783百万円(同1,349百万円増)となりました。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
〔信号システム事業〕
鉄道信号システムにおける受注は、海外ではインド向け電子連動装置、国内では各鉄道事業者向けATC地上装置等の信号設備やホームドアなどの受注があり、前期を上回りました。
売上は、海外ではインドやシンガポール向けの信号設備、国内では各鉄道事業者向け連動装置やATC地上装置等の信号設備やホームドアなどの売上があり、前期を上回りました。
道路交通システムでは、交通信号灯器用白熱電球の製造が2028年3月で終了することに伴い信号灯器のLED化需要が高まったことから受注、売上とも堅調に推移しました。
この結果、当事業では受注高66,396百万円(対前期比4,229百万円増)、売上高71,128百万円(同10,756百万円増)、セグメント利益は9,721百万円(同2,305百万円増)となりました。
〔パワーエレクトロニクス事業〕
受注は、半導体製造装置用電源装置はメモリ市場が回復途上であるものの市場全体の回復基調により前期を上回ったことに加え、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置で前倒し受注があったことから、前期を上回りました。
売上は、半導体製造装置用電源装置は需要回復に伴い増加したこと、また、フラットパネルディスプレイ製造装置用電源装置は海外の顧客を中心として増加したことから、前期を上回りました。
この結果、当事業では受注高15,554百万円(対前期比4,076百万円増)、売上高14,239百万円(同4,085百万円増)、セグメント利益は1,191百万円(同1,476百万円増)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は92,833百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,040百万円減少しました。これは主に、契約資産が3,180百万円減少したことによるものです。
固定資産は33,171百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,518百万円減少しました。これは主に、投資有価証券が1,876百万円減少したことによるものです。
この結果、資産合計は126,005百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,558百万円の減少となりました。
当連結会計年度末における流動負債は58,437百万円となり、前連結会計年度末に比べて9,118百万円減少しました。これは主に、短期借入金と1年内返済予定の長期借入金が合わせて7,000百万円、電子記録債務が2,356百万円それぞれ減少したことによるものです。
固定負債は15,855百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,496百万円増加しました。これは主に、長期借入金が4,000百万円増加したことによるものです。
この結果、負債合計は74,293百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,622百万円の減少となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は51,711百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,063百万円増加しました。これは主に、利益剰余金が3,529百万円増加したことによるものです。
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、8,132百万円となり前連結会計年度末に比べ1,051百万円減少しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは3,743百万円のプラスとなり、前連結会計年度に比べ9,648百万円の収入増となりました。これは売上債権の増減額が6,319百万円の収入増、棚卸資産の増減額が6,160百万円の支出減となったことが主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは317百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ2,034百万円の収入減となりました。これは、投資有価証券の売却による収入が2,543百万円減少したことが主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは4,452百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ11,860百万円の支出増となりました。これは借入金の収支が短期と長期を合わせて11,732百万円、返済側の増加となったことが主な要因です。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) いずれの相手先に対する販売実績も総販売実績に対し10%未満であるため、主要な販売先の記載を省略しております。
中期経営計画2025の最終年度となる当連結会計年度の経営成績につきましては、前項「(1)経営成績等の状況の概要①」に記載のとおり、全体としては、受注、売上、利益共に前期を上回りました。利益面につきましては、販売費及び一般管理費が増加したものの売上高の増加、業務効率化などの取り組みにより、前期を上回りました。
全社的な取り組みにつきましては、新たな中期経営計画「KYOSAN Next Step 2028」策定にあたり、これまで当社が大切にしてきた「安全・安心」「社会への貢献」といった価値観の本質は不変としつつ、「企業理念、企業ビジョン、行動規範」を見直しました。また、経営戦略体系における「KYOSAN Next Step 2028」を含めた関連性を、社員およびステークホルダーがわかりやすく理解できるような簡潔な形に整理しました。全社員が経営戦略体系を理解し、共有することにより当社グループの持続的成長を実現します。また、資本収益性の向上と、成長投資ならびにステークホルダーへの安定的な還元を継続するため、資本コスト、株価を意識した経営を推進してまいります。
信号システム事業につきましては、生産管理の強化によるリードタイムの短縮に引き続き注力するとともに、インド・ヨーロッパを中心とする海外マーケットにおける受注拡大に努めます。また、GOA2.5自動運転や無線式列車制御システムの製品化、CBM(設備のリアルタイム監視情報)を活用した保守作業軽減に資する製品の拡販などにより顧客価値を拡大させるとともに、新規顧客からの受注獲得を目指します。道路交通システムでは、AI・IoT、高速通信等を駆使した製品の納入、モビリティ変革やスマートシティ対応製品の開発と、自治体等が主導する自動運転の実証実験への参画を継続します。
パワーエレクトロニクス事業につきましては、主力製品である半導体製造装置用電源装置において、2026年3月期からの市況回復を見込んで生産性向上・生産現場の高度化を推進し、新規製品の投入による製品領域の拡大等の取り組みにより、マーケットシェアと売上の拡大をめざしてまいります。
今後も社会全体の取り組みに協力するとともに、企業の社会的責任・役割を遂行するため適切に対処してまいります。
信号システム事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が88,775百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,850百万円減少しました。これは主に、受取手形、売掛金、契約資産が合わせて1,281百万円、その他有価証券が1,975百万円それぞれ減少したことによるものであります。
パワーエレクトロニクス事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が21,425百万円となり、前連結会計年度末に比べて645百万円減少しました。これは主に、棚卸資産が809百万円減少したことによるものであります。
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用および当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループの資金の流動性につきましては、手許の運転資金につきましては当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
当社は、財務上の特約が付された借入金契約を締結しております。
(注1)
① 連結貸借対照表における純資産の部の金額を、当該決算期の直前の決算期末日の金額または契約締結の直前決算期末日の金額のいずれか大きい方の75%以上に維持すること。
② 連結損益計算書上の経常損益につき2期連続して損失を計上しないこと。
(注2)
① 各年度の決算期及び第2四半期の末日における連結貸借対照表における「純資産の部」から「繰延ヘッジ利益」、「新株予約権」及び「非支配株主持分」の数値を控除した金額を、契約締結直前決算期末日比及び前年同期比の各々75%のいずれか高い方の水準以上に維持すること。
② 各年度の決算期末日の連結損益計算書における経常損益が契約締結直前決算期末日以降の決算期につき、2期連続して損失とならないようにすること。
当連結会計年度の研究開発費は、信号システム事業
研究開発につきましては、事業戦略の上で急務となっております製品開発および製品改良等の研究課題に取り組んでおります。