1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について
2.監査証明について
3.連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表等を適正に作成することができる体制の整備について
当社は、連結財務諸表等の適正性を確保するための特段の取組及びIFRSに基づいて連結財務諸表を適正に作成することができる体制の整備を行っています。その内容は次のとおりです。
(1)会計基準等の内容を適切に把握し、または会計基準の変更等について的確に対応するため、金融庁、公益財団法人財務会計基準機構、外部研修会等から会計基準等に関する必要な情報の収集を行っています。
(2)IFRSの適用については、国際会計基準審議会が公表するプレスリリースや基準書を随時入手し、最新の基準の把握を行っています。また、IFRSに基づく適正な連結財務諸表等を作成するために、IFRSに準拠した社内規程やマニュアル、指針等を整備し、これらに基づいて会計処理を行っています。
(3)当社の主な情報取扱部門の責任者で組織された「ディスクロージャー委員会」において、連結財務諸表等の記述内容の妥当性及びその開示に関する手続きの適正性を審議しています。
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|
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|
(単位:百万円) |
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注記 番号 |
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
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資産 |
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流動資産 |
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現金及び現金同等物 |
5 |
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営業債権及び契約資産 |
6,23 |
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その他の金融資産 |
12 |
|
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|
棚卸資産 |
7 |
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その他の流動資産 |
14 |
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|
流動資産合計 |
|
|
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非流動資産 |
|
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|
持分法で会計処理されている投資 |
11 |
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|
その他の金融資産 |
12 |
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|
有形固定資産 |
8,28 |
|
|
|
使用権資産 |
9,28 |
|
|
|
のれん及び無形資産 |
10,28 |
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|
繰延税金資産 |
13 |
|
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|
その他の非流動資産 |
14,24 |
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非流動資産合計 |
|
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|
資産合計 |
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|
(単位:百万円) |
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注記 番号 |
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
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負債 |
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|
流動負債 |
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|
短期負債及び一年以内返済長期負債 |
15 |
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リース負債 |
31 |
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営業債務 |
16 |
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|
未払金及び未払費用 |
31 |
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|
その他の金融負債 |
19 |
|
|
|
未払法人所得税 |
|
|
|
|
引当金 |
18 |
|
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|
契約負債 |
23 |
|
|
|
その他の流動負債 |
20,23 |
|
|
|
流動負債合計 |
|
|
|
|
非流動負債 |
|
|
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|
長期負債 |
15 |
|
|
|
リース負債 |
31 |
|
|
|
その他の金融負債 |
19 |
|
|
|
長期未払法人所得税 |
13 |
|
|
|
退職給付に係る負債 |
17 |
|
|
|
引当金 |
18 |
|
|
|
繰延税金負債 |
13 |
|
|
|
契約負債 |
23 |
|
|
|
その他の非流動負債 |
20,23 |
|
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|
非流動負債合計 |
|
|
|
|
負債合計 |
|
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|
資本 |
21 |
|
|
|
親会社の所有者に帰属する持分 |
|
|
|
|
資本金 |
|
|
|
|
資本剰余金 |
|
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|
利益剰余金 |
3,32 |
|
|
|
その他の資本の構成要素 |
3,32 |
|
|
|
自己株式 |
|
△ |
△ |
|
親会社の所有者に帰属する持分合計 |
30 |
|
|
|
非支配持分 |
33 |
|
|
|
資本合計 |
|
|
|
|
負債及び資本合計 |
|
|
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|
|
(単位:百万円) |
|
|
注記 番号 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
売上高 |
23 |
|
|
|
売上原価 |
7,17,24,28 |
△ |
△ |
|
売上総利益 |
|
|
|
|
販売費及び一般管理費 |
17,22,25, 26,28 |
△ |
△ |
|
持分法による投資損益 |
11 |
|
|
|
その他の損益 |
17,27,28, 31,33 |
△ |
△ |
|
営業利益 |
|
|
|
|
金融収益 |
29 |
|
|
|
金融費用 |
17,29 |
△ |
△ |
|
税引前利益 |
|
|
|
|
法人所得税費用 |
13 |
|
△ |
|
当期純利益 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
当期純利益の帰属 |
|
|
|
|
親会社の所有者 |
|
|
|
|
非支配持分 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
1株当たり当期純利益(親会社の所有者に帰属) |
30 |
|
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|
基本的1株当たり当期純利益 (円) |
|
|
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|
希薄化後1株当たり当期純利益(円) |
|
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|
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|
(単位:百万円) |
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注記 番号 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
当期純利益 |
|
|
|
|
その他の包括利益-税効果調整後 |
21 |
|
|
|
純損益に振り替えられることのない項目 |
|
|
|
|
確定給付制度の再測定 |
|
|
△ |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する 金融資産 |
|
|
△ |
|
純損益に振り替えられることのない項目の合計 |
|
|
△ |
|
純損益に振り替えられる可能性のある項目 |
|
|
|
|
在外営業活動体の換算差額 |
|
|
△ |
|
キャッシュ・フロー・ヘッジの公正価値の 純変動 |
|
|
|
|
純損益に振り替えられる可能性のある項目の合計 |
|
|
△ |
|
その他の包括利益(△は損失) 合計 |
|
|
△ |
|
当期包括利益(△は損失) 合計 |
|
|
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|
|
当期包括利益(△は損失) の帰属 |
|
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|
|
親会社の所有者 |
|
|
|
|
非支配持分 |
|
|
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(単位:百万円) |
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注記 番号 |
資本金 |
資本 剰余金 |
利益 剰余金 |
その他の資本の 構成要素 |
自己株式 |
親会社の所有者に帰属する持分合計 |
非支配 持分 |
資本合計 |
|
2023年3月31日残高 |
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|
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|
△ |
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|
包括利益 |
|
|
|
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|
|
|
|
当期純利益 |
|
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|
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|
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|
|
|
|
その他の包括利益 -税効果調整後 |
21 |
|
|
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|
|
|
|
|
|
当期包括利益(△は損失) 合計 |
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
ヘッジ対象の非金融資産 への振替 |
21 |
|
|
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
その他の資本の構成要素 から利益剰余金への振替 |
21 |
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
配当金 |
21 |
|
|
△ |
|
|
△ |
△ |
△ |
|
自己株式の取得 |
|
|
|
|
|
△ |
△ |
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△ |
|
自己株式の売却 |
|
|
△ |
|
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|
株式に基づく報酬取引 |
22 |
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|
非支配持分との取引等 |
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|
△ |
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△ |
△ |
△ |
|
2024年3月31日残高 |
|
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|
△ |
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|
包括利益 |
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|
当期純利益 |
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|
|
|
その他の包括利益 -税効果調整後 |
21 |
|
|
|
△ |
|
△ |
△ |
△ |
|
当期包括利益(△は損失) 合計 |
|
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
ヘッジ対象の非金融資産 への振替 |
21 |
|
|
|
△ |
|
△ |
|
△ |
|
その他の資本の構成要素 から利益剰余金への振替 |
21 |
|
|
|
△ |
|
|
|
|
|
配当金 |
21 |
|
|
△ |
|
|
△ |
△ |
△ |
|
自己株式の取得 |
|
|
|
|
|
△ |
△ |
|
△ |
|
自己株式の売却 |
|
|
△ |
|
|
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|
|
|
|
株式に基づく報酬取引 |
22 |
|
△ |
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|
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|
|
|
|
非支配持分との取引等 |
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|
△ |
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|
△ |
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2025年3月31日残高 |
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△ |
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(単位:百万円) |
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注記 番号 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
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|
当期純利益 |
|
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
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有形固定資産、使用権資産、のれん及び 無形資産の減損 |
28 |
|
|
|
法人所得税費用 |
|
△ |
|
|
営業債権及び契約資産の増減額(△は増加) |
|
|
△ |
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棚卸資産の増減額(△は増加) |
|
|
|
|
営業債務の増減額(△は減少) |
|
△ |
△ |
|
引当金の増減額(△は減少) |
|
△ |
|
|
契約負債の増減額(△は減少) |
|
|
|
|
退職給付に係る負債の増減額(△は減少) |
|
△ |
△ |
|
その他(純額) |
24,27,28 |
△ |
△ |
|
小計 |
|
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利息の受取額 |
|
|
|
|
配当金の受取額 |
|
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|
|
利息の支払額 |
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△ |
△ |
|
法人所得税の支払額 |
|
△ |
△ |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
|
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|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
35 |
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有形固定資産の取得 |
|
△ |
△ |
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有形固定資産の売却 |
|
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|
無形資産の取得 |
|
△ |
△ |
|
持分法投資及びその他の金融資産の取得 |
|
△ |
△ |
|
持分法投資及びその他の金融資産の売却及び償還 |
|
|
|
|
新規連結子会社の取得 (取得した現金及び現金同等物控除後) |
37 |
△ |
△ |
|
連結子会社又はその他の事業に対する支配の喪失 (処分した現金及び現金同等物控除後) |
33 |
|
|
|
その他(純額) |
8 |
△ |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
△ |
△ |
|
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|
(単位:百万円) |
|
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注記 番号 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
35 |
|
|
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短期借入債務の増減額(△は減少) |
15 |
△ |
△ |
|
長期借入債務による調達額 |
15 |
|
|
|
長期借入債務の返済額 |
15 |
△ |
△ |
|
リース負債の返済額 |
15 |
△ |
△ |
|
親会社の所有者への配当金の支払額 |
21 |
△ |
△ |
|
非支配持分への配当金の支払額 |
|
△ |
△ |
|
自己株式の取得 |
|
△ |
△ |
|
自己株式の売却 |
|
|
|
|
非支配持分との取引 |
|
△ |
△ |
|
その他(純額) |
15 |
△ |
△ |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
△ |
△ |
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現金及び現金同等物に係る換算差額 |
|
|
△ |
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現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
|
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△ |
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現金及び現金同等物の期首残高 |
5 |
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売却目的で保有する資産への振替に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
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|
△ |
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現金及び現金同等物の期末残高 |
5 |
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1.報告企業
パナソニック ホールディングス株式会社は日本に所在する企業です。当社(以下、原則として連結子会社を含む)は、総合エレクトロニクスメーカーとして関連する事業分野について、国内外のグループ各社との緊密な連携のもとに、開発・生産・販売・サービス活動を展開しています。
当社の主な事業内容及び主要な活動は、「4.セグメント情報」に記載しています。
2.作成の基礎
(1)連結財務諸表がIFRSに準拠している旨
当社の連結財務諸表は、連結財務諸表規則第1条の2に掲げる「指定国際会計基準特定会社」の要件を満たすことから、同第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しています。
連結財務諸表は、2025年6月20日において、代表取締役 社長執行役員 楠見雄規及び執行役員(グループCFO)
和仁古明により承認されています。
(2)測定の基礎
当社の連結財務諸表は、「3.重要性がある会計方針」に記載している金融商品、退職給付制度に係る負債(資産)の純額及びトルコ・リラを機能通貨とする子会社における超インフレ経済下の会計上の調整等を除き、取得原価を基礎として作成しています。
(3)機能通貨及び表示通貨
当社の連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円で表示しており、百万円未満を四捨五入しています。
3.重要性がある会計方針
(1)連結の基礎
① 子会社
子会社とは当社により支配されている企業をいいます。支配とは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャーまたは権利を有し、かつ企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、当社の連結財務諸表に含まれています。
子会社が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表を調整しています。
グループ会社間の債権債務残高、取引高及びグループ会社間取引によって発生した未実現損益は連結財務諸表の作成にあたり消去しています。
支配を喪失しない子会社に対する所有持分の変動は、資本取引として会計処理しています。支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しています。なお、支配の喪失から生じた利得及び損失には、継続保有される残存持分を公正価値で再測定したことによる損益が含まれます。
② 関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、当社がその財務及び営業方針に対して重要な影響力を有しているものの、支配または共同支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、共同支配の取決めのうち、事業を各投資企業から独立した事業体が担っており、各投資企業は当該事業体の純資産に対してのみ権利を有するものをいいます。共同支配の取決めとは、複数の当事者が共同支配により経済活動を行う契約上の取決めがあり、重要な意思決定が支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合をいいます。
関連会社及び共同支配企業への投資は、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失する日まで持分法を用いて会計処理しています。
持分法の適用に際し、持分法適用会社となる関連会社または共同支配企業が適用する会計方針が当社の適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社または共同支配企業の財務諸表を調整しています。
関連会社または共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得または損失を純損益として認識しています。
(2)企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、取得日の公正価値で認識しています。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及び取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定され、条件付対価の取決めから生じた資産または負債の公正価値も含まれています。取得費用は、発生した期間において費用として認識しています。
非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値または被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しています。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社及び各子会社の各機能通貨に換算しています。
決算日における外貨建貨幣性項目は決算日の為替レートで、公正価値で測定される外貨建非貨幣性項目は当該公正価値の算定日の為替レートで、それぞれ機能通貨に換算しています。
当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。
② 在外営業活動体の換算
在外営業活動体の資産及び負債は決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しています。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。ただし、超インフレ経済下にある子会社の収益及び費用は、超インフレ会計の適用により決算日の為替レートで換算しています。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。
(4)超インフレの調整
2022年度の期首時点において、トルコ共和国の物価指数が3年間累積インフレ率100%超となったことを示したため、当社は、トルコ・リラを機能通貨とする子会社について、超インフレ経済下で事業活動を行っていると判断しました。このため、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に従い、2022年度の期首より、当該子会社の財務諸表について、会計上の調整を加えています。
IAS第29号は、超インフレ経済下にある子会社の財務諸表について、報告期間末日現在の測定単位に修正した上で、当社の連結財務諸表に含めることを要求しています。当該子会社は、取得原価で表示されている非貨幣性項目について、取得日を基準に累積インフレ率を用いて修正しています。非貨幣性項目のうち報告期間末日現在の測定単位で表示されているものと貨幣性項目については、修正していません。正味貨幣持高にかかるインフレの影響は、連結損益計算書において金融収益又は金融費用に含めて表示しています。また、当該子会社の修正後の財務諸表は、決算日の為替レートにより換算し、連結財務諸表に反映しています。
(5)金融商品
① 非デリバティブ金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社は、金融資産のうち、株式及び債券は約定日に当初認識しています。その他のすべての金融資産は取引の実施日に当初認識しています。
金融資産は、当初認識時に、償却原価で測定する金融資産と公正価値で測定する金融資産に分類しています。この分類は、金融資産が負債性金融商品か資本性金融商品かによって次のとおり分類しています。
負債性金融商品である金融資産は、次の条件がともに満たされる場合には、主に償却原価で測定する金融資産に分類し、それ以外の場合には純損益を通じて公正価値で測定する金融資産へ分類しています。
(a)契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
(b)金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
売買目的で保有する資本性金融商品を除き、資本性金融商品である金融資産は、原則として、資本性金融商品ごとに、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、取得に直接起因する取引費用は発生時に純損益に計上の上、当初認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産及び償却原価で測定する金融資産は、取得に直接起因する取引費用を公正価値に加算した金額で当初認識しています。なお、重大な金融要素を含まない営業債権は、当初認識時に取引価格で測定しています。
(ⅱ)事後測定
(a)償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定し、利息は「金融収益」として純損益に認識しています。
(b)公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類することを選択した資本性金融商品については、公正価値の変動額はその他の包括利益に認識しています。累積利得又は損失は、認識を中止した場合に利益剰余金に振り替えています。ただし、配当金は「金融収益」として純損益に認識しています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産については、公正価値の変動額は純損益に認識しています。
(ⅲ)認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてが移転している場合において、認識を中止しています。
(ⅳ)減損
償却原価で測定する金融資産については、期末日ごとに、当該資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを判定し、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無に応じて、次の金額を貸倒引当金として認識しています。
(a)信用リスクが当初認識時点から著しく増加していない場合
12ヵ月の予想信用損失と同額
(b)信用リスクが当初認識時点から著しく増加している場合
全期間の予想信用損失と同額
(c)信用リスクが当初認識時点から著しく増加している金融資産のうち、信用減損している客観的証拠が存在する場合
全期間の予想信用損失と同額
信用減損の客観的証拠が存在するかどうかを判断する場合に、当社が用いる要件には以下のものがあります。
・発行者又は債務者の重大な財政的困難
・契約違反(債務不履行又は期日経過事象など)
・借手が破産又は他の財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
・当該金融資産についての活発な市場が財政上の困難により消滅したこと
なお、営業債権、契約資産及びリース債権については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を認識しています。
貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しています。それ以降の期間において、貸倒引当金を減額する客観的事象が発生した場合は、その戻入額を純損益で認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しています。すべての金融負債は公正価値で当初測定していますが、償却原価で測定する金融負債については、公正価値から直接帰属する発行費用を控除した金額で測定しています。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しています。
(a)償却原価で測定する金融負債
実効金利法による償却原価で測定しています。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、「金融費用」として純損益に認識しています。
(b)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定し、その変動額は純損益に認識しています。
(ⅲ)認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、または失効になった場合に認識を中止しています。
③ デリバティブ及びヘッジ会計
当社は、為替リスク及び商品価格の変動リスクをヘッジするために、為替予約、通貨スワップ、通貨金利スワップ及び商品先物等のデリバティブを利用しています。これらのデリバティブは、契約が締結された時点の公正価値で当初認識され、その後も公正価値で事後測定しています。
デリバティブの公正価値の変動は純損益に認識しています。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジの有効部分はその他の包括利益として認識しています。
当社は、ヘッジ手段とヘッジ対象の関係、リスク管理目的及び種々のヘッジ取引の実施に関する戦略について正式に文書化しています。また、当社は、ヘッジ取引に使用されているデリバティブがヘッジ対象の公正価値またはキャッシュ・フローの変動を高い程度で相殺しているか否かについて、ヘッジ取引開始時及びそれ以降も継続的に評価しています。
ヘッジ会計に関する要件を満たすヘッジは、次のように分類し、会計処理しています。
(ⅰ)公正価値ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額は、純損益として認識しています。ヘッジされるリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動は、ヘッジ対象の帳簿価額を調整するとともに、純損益として認識しています。
(ⅱ)キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る公正価値の変動額のうち、有効な部分はその他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益に認識しています。
その他の包括利益に計上されたヘッジ手段に係る金額は、ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で純損益に振り替えています。ただし、ヘッジ対象が非金融資産または非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産または非金融負債の当初の帳簿価額の修正として振り替えています。
④ 金融資産と金融負債の相殺
当社は、金融資産及び金融負債について、資産及び負債として認識された金額を相殺するため法的に強制力のある権利を有し、かつ、純額で決済するか、もしくは資産の実現と債務の決済を同時に実行する意思を有している場合にのみ相殺し、純額で表示しています。
(6)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっています。
(7)棚卸資産
棚卸資産は取得原価または正味実現可能価額のいずれか低い金額で測定しています。取得原価は、主として平均法に基づいて算定し、購入原価、加工費及び、現在の場所及び状態に至るまでに要したすべての費用を含んでいます。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における予想売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。
(8)有形固定資産
① 認識及び測定
有形固定資産については、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しています。
取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復義務に係る費用の当初見積額が含まれています。
② 減価償却
有形固定資産(土地等の償却を行わない資産を除く)は、見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却を行っています。
主な見積耐用年数は、次のとおりです。
・建物及び構築物 5~50年
・機械装置及び運搬具 2~15年
・工具器具及び備品 1~10年
減価償却方法、見積耐用年数及び残存価額は、連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(9)のれん及び無形資産
① のれん
企業結合により取得したのれんは、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。のれんの償却は行わず、減損テストを実施しています。
② 無形資産
無形資産については、原価モデルを採用し、耐用年数を確定できる無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額、耐用年数を確定できない無形資産については、取得原価から減損損失累計額を控除した額で表示しています。
開発活動における支出については、次のすべての要件を立証できた場合に限り資産として認識し、その他の支出はすべて発生時に費用として認識しています。
(ⅰ)使用または売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
(ⅱ)無形資産を完成させ、さらにそれを使用または売却するという意図
(ⅲ)無形資産を使用または売却できる能力
(ⅳ)無形資産が蓋然性の高い将来の経済的便益を創出する方法
(ⅴ)無形資産の開発を完成させ、さらにそれを使用または売却するために必要となる、適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
(ⅵ)開発期間中の無形資産に起因する支出を、信頼性をもって測定できる能力
耐用年数を確定できる無形資産については、当該資産が使用可能になった日から、見積耐用年数にわたり定額法で償却を行っています。
主な見積耐用年数は次のとおりです。
・ソフトウェア 2~5年
・技術 3~34年
・顧客 2~29年
・商標 16年
償却方法及び見積耐用年数は連結会計年度末において見直しを行い、必要に応じて改定しています。
(10)リース
① リースの定義
当社は、下記のリースの定義に基づいて契約がリース又はリースを含んでいるかを判定しています。
・資産が特定されている
・特定された資産の使用からの経済的便益のほとんどすべてを得る権利を有している
・特定された資産の使用を指図する権利を有している
② 借手としてのリースの会計処理
当社は、原則としてすべてのリースについて、リース期間にわたり原資産を使用する権利である使用権資産とリースの支払義務であるリース負債をそれぞれ認識しています。リース期間については、リースの解約不能期間に加えて、行使することが合理的に確実である場合におけるリースの延長オプションの対象期間と、行使しないことが合理的に確実である場合におけるリースの解約オプションの対象期間を含む期間として決定しています。当社は、リース開始日時点での未決済のリース料総額を貸手の計算利子率もしくは借手の追加借入利子率を用いて割引いた金額でリース負債を測定し、償却原価法に基づいて事後測定しています。
使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した金額で測定し、リース期間にわたって定額法で償却しています。なお、リース期間が12ヵ月以内の短期リース及び原資産が少額であるリースについては、使用権資産とリース負債を認識せず、発生時に費用処理しています。
③ 貸手としてのリースの会計処理
当社がリースの貸手である場合、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類しています。原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを移転するか否かを総合的に評価し、移転する場合はファイナンス・リースに、そうでない場合はオペレーティング・リースに分類しています。この評価の一環として、リース期間が原資産の経済的耐用年数の大部分を占めているかなど、特定の指標を検討しています。
・当社が中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理しています。
・サブリースの分類は、ヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定し、ヘッドリースを短期リースとして費用処理している場合は、オペレーティング・リースとして分類しています。
・契約がリース要素と非リース要素を含む場合、IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用して契約における対価を独立販売価格に比例して按分しています。
当社は、オペレーティング・リースによるリース料をリース期間にわたり定額法により収益として認識しています。ファイナンス・リースによるリース料については、正味リース投資未回収額に等しい金額で債権として認識し、リース料を正味リース投資未回収額に対する一定の期間リターン率を反映するパターンに基づいて、リース期間にわたり金融収益として計上しています。
(11)非金融資産の減損
非金融資産(棚卸資産及び繰延税金資産等を除く)については、資産又は資金生成単位の減損の兆候の有無を判定しています。減損の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額を見積り、減損テストを実施します。
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず、毎期減損テストを実施しています。当社は、1月1日を基準日としてのれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストを少なくとも年1回行っており、さらに、減損の兆候がある場合は、その都度減損テストを行っています。
全社資産は独立したキャッシュ・インフローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、当該全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額に基づき減損テストを行っています。
回収可能価額は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法に基づく使用価値、及び、ディスカウント・キャッシュ・フロー法及び類似上場会社比較法等に基づく処分費用控除後の公正価値のいずれか高い金額で算定されます。ディスカウント・キャッシュ・フロー法は、取締役会が承認した直近の事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しています。将来見通しの予測期間は事業計画の期間を基礎に、過去の経験を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しています。また、割引率は、資金生成単位ごとに設定した加重平均資本コストを基礎に算定し、成長率は、資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しています。
資産又は資金生成単位の回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その帳簿価額を回収可能価額まで減額し、差額を減損損失として純損益で認識しています。
のれん以外の減損損失は、過年度に減損損失を認識した資産又は資金生成単位について、当該減損損失の戻入の兆候の有無を判定しています。戻入の兆候がある場合には、当該資産又は資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、回収可能価額が帳簿価額を超える場合には、減損損失の戻入を行っています。減損損失の戻入額は、過年度に減損損失が認識されていなかった場合の減価償却及び償却控除後の帳簿価額を上限として、純損益で認識しています。のれんの減損損失については、戻入を行っていません。
関連会社及び共同支配企業への投資の帳簿価額の一部に含まれる当該投資に係るのれんについては、他の部分と区分せず、当該投資を一体の資産として、減損の対象としています。
(12)売却目的で保有する非流動資産又は処分グループ
非流動資産又は処分グループの帳簿価額が、継続的使用ではなく、主として売却取引によって回収が見込まれる場合に、売却目的保有に分類しています。なお、1年以内に売却の可能性が非常に高く、かつ、当該資産又は処分グループが現在の状態で直ちに売却可能である場合にのみ、上記要件に該当するものとしています。売却目的保有に分類した非流動資産又は処分グループについては、帳簿価額又は売却費用控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定し、減価償却又は償却は行っていません。
(13)投資不動産
投資不動産とは、賃貸収入またはキャピタル・ゲイン、もしくはその両方を得ることを目的として保有する不動産をいいます。その他の非流動資産に含まれる投資不動産の測定については、有形固定資産に準じて原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で表示しています。投資不動産は、見積耐用年数(主に1年~45年)にわたり、定額法で減価償却を行っています。
(14)法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成され、企業結合に関連するもの及びその他の包括利益又は資本に直接認識される項目を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、連結会計年度末において施行又は実質的に施行されている税率及び税法を用いて、税務当局に納付又は税務当局から還付されることが予想される金額で測定しています。
繰延税金は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除等について認識しています。企業結合以外の取引で、かつ会計上又は税務上のいずれの純損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。また、のれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識していません。なお、取引時に同額の将来減算一時差異と将来加算一時差異が生じる取引については、繰延税金資産と繰延税金負債をそれぞれ認識しています。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関連する将来加算一時差異については、原則として繰延税金負債を認識しますが、当社が一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な将来にその差異が解消されない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識していません。子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に関連する将来減算一時差異については、一時差異が予測可能な将来に解消される可能性が高く、かつ、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得がある場合にのみ認識しています。
繰延税金は、期末日に制定又は実質的に制定されている税率及び税法に基づき、一時差異が解消される時に適用されると予測される税率を用いて測定しています。
繰延税金資産及び負債は、税金資産及び負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ法人所得税が同一の税務当局によって実質的に同一の納税主体に対して課されている場合に相殺しています。
繰延税金資産は、将来減算一時差異、未使用の税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除のうち、将来課税所得に対して利用できる可能性が高いものに限り認識しています。繰延税金資産は期末日に見直し、税務便益が実現する可能性が高くなくなった部分について減額しています。
なお、法人所得税の不確実な税務ポジションについて、税法上の解釈に基づき還付又は納付が発生する可能性が高い場合には、合理的な見積額を資産又は負債として認識しています。
また、当社は、グローバル・ミニマム課税制度(適格国内ミニマム課税ルールを含む、経済協力開発機構(OECD)により公表された第2の柱モデルルール)の導入に伴い各国で制定又は実質的に制定された税制により生じる法人所得税に関連する繰延税金資産及び負債については認識しないという一時的な例外規定を適用しています。
(15)未払金及び未払費用
未払金及び未払費用は、主として償却原価で測定し、金融負債に分類しています。
(16)従業員給付
① 退職後給付
当社は、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
(ⅰ)確定給付制度
確定給付負債又は資産の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値を控除して算定されます。この計算による資産計上額は、制度からの返還又は将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。確定給付制度債務は予測単位積増方式を用いて算定され、その現在価値は将来の見積給付額を割り引いて算定されます。割引率は、給付支払の見積時期及び金額を反映した期末時点の優良社債の市場利回りを参照して決定しています。
当期勤務費用及び確定給付負債又は資産の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。
過去勤務費用は、即時に純損益で認識しています。
数理計算上の差異を含む、確定給付負債又は資産の純額の再測定は、発生時にその他の包括利益で認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えています。
(ⅱ)確定拠出制度
確定拠出年金制度への拠出は、従業員が労働を提供した期間における要拠出額を従業員給付費用として純損益に認識しています。
② 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算を行わず、従業員が関連する労働を提供した時点で従業員給付費用として純損益に認識しています。
賞与及び有給休暇費用については、それらを支払う法的及び推定的債務を負っており、かつその金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、負債として認識しています。
(17)引当金
過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、引当金額は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しています。
(18)資本
① 普通株式
当社が発行した普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用は資本から控除しています。
② 自己株式
自己株式を取得した場合は、その直接取得費用を含む取得原価を資本から控除しています。
自己株式を売却した場合には、受取対価を資本の増加として認識しています。
(19)株式報酬
当社は、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員等に対するインセンティブ制度として、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。譲渡制限付株式報酬制度における報酬は、付与日において、付与した当社普通株式の公正価値を参照して測定し、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
上述の株式報酬制度を導入したことに伴い、従来の株式報酬型ストックオプション制度は、既に付与されている新株予約権を除いて廃止されています。なお、当該制度のもとで、付与されたストックオプションについては、付与日における公正価値で見積り、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデルを用いて算定しています。
当社の一部の連結子会社は、従業員及び上級幹部に対するインセンティブ制度として、譲渡制限付株式ユニット(RSU)制度及びプロフィット・インタレスト・ユニット(PIU)制度を導入しています。RSU制度及びPIU制度における報酬は、付与日時点の各ユニットの公正価値を参照して、最終的に権利確定するユニット数及び権利確定期間の見積りに基づき、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。RSUの公正価値は、付与日時点において算定された企業価値評価額を基礎として、非流動性ディスカウントを考慮して測定しています。PIUの公正価値は、オプション価格法を用いて付与日時点において算定された評価額に、非流動性ディスカウントを考慮して測定しています。また、その後の情報により、権利が確定するユニット数や権利確定期間が従前の見積りと異なることが示された場合には、必要に応じて見積りを修正しています。
(20)収益
当社は、下記の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約の識別
ステップ2:履行義務の識別
ステップ3:取引価格の算定
ステップ4:取引価格の履行義務への配分
ステップ5:履行義務の充足による収益の認識
当社は、主に家庭用製品、産業用製品、製造機器及び消耗品等の製品販売取引を行っています。これらの取引については、原則として、製品の引渡時点において、顧客が当該製品に対する支配を獲得し、当社が履行義務を充足することから、当該製品の引渡時点において収益を認識しています。この他に、当社は、工事請負や役務の提供を行っています。これらの取引については、次の要件のいずれかに該当する場合には、一定の期間にわたり、顧客に財又はサービスの支配の移転が行われ、当社が履行義務を充足することから、原則として、その進捗度に応じて収益を認識しています。
・顧客が、当社の履行によって提供される便益を、当社が履行するにつれて同時に受け取って消費する
・当社の履行が、資産(例えば、仕掛品)を創出するか又は増価させ、顧客が当該資産の創出又は増価につれてそれを支配する
・当社の履行が、当社が他に転用できる資産を創出せず、かつ、当社が現在までに完了した履行に対する支払いを受ける強制可能な権利を有している
当社は、製品、機器、据付及びメンテナンス等の組み合わせによる多様な取引を行っています。このような取引については、次の要件を共に満たす場合、別個の財又はサービスを移転する約束のそれぞれを履行義務として識別しています。
・顧客がその財又はサービスからの便益を、それ単独で又は顧客にとって容易に利用可能な他の資源と組み合わせて得ることができる
・財又はサービスを顧客に移転する約束が、契約の中の他の約束と区分して識別可能である
このような取引については、各履行義務の基礎となる別個の財又はサービスの契約開始時の独立販売価格を算定し、取引価格を当該独立販売価格に比例して各履行義務に配分しています。独立販売価格は、当社が独立の取引で当該財又はサービスを顧客へ販売する価格に基づいて算定しています。
売上高は、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額(以下、「取引価格」)で測定しています。ただし、契約において約束された対価が変動性のある金額(以下、「変動対価」)を含んでいる場合には、変動対価を見積り、その不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めています。
当社は、以下の要件のいずれかに該当する場合には、顧客と締結した複数の契約を結合して、単一の契約として会計処理しています。
・契約が単一の商業目的を有するパッケージとして交渉されている
・1つの契約で支払われる対価の金額が、他の契約の価格又は履行に左右される
・複数の契約で約束した財又はサービスが単一の履行義務である
当社は、当社が取引の当事者であるか、代理人であるかを、約束した財又はサービスを顧客に移転する前に当社が支配しているか否かで判断し、その判断に際しては、契約ごとに以下の指標を考慮しています。
・財又はサービスを提供する約束の履行について、主たる責任を有している
・財又はサービスを顧客に移転する前、又は顧客への支配の移転の後に、当社が在庫リスクを有している
・財又はサービスの価格の設定において当社に裁量権がある
当社が取引の当事者であると判断した場合には、当該取引に関する売上高を総額で表示し、代理人であると判断した場合には、当該取引に関する売上高を純額で表示しています。
当社は、製品が合意された仕様に従っているという保証に加えて顧客に製品保証サービスを提供している場合には、当該サービスを別個の履行義務として識別し、取引価格の一部を当該履行義務に配分した上で、延長保証期間にわたり収益を認識しています。
(21)政府補助金
政府補助金は、当社が補助金を受領し、その補助金に付帯する諸条件を遵守することが合理的に確かである場合に、公正価値で測定し、補助金で補填することが意図されている関連コストを費用として認識する期間に純損益として認識し、関連する費用から控除しています。また、資産の取得に対する政府補助金は、関連する資産の取得原価から直接減額しています。
(22)1株当たり利益
基本的1株当たり利益は、親会社の所有者に帰属する当期純利益を、当連結会計年度中の自己株式を控除した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり利益は、希薄化効果を有するすべての潜在的普通株式の影響を調整して算定しています。
(23)重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
当社は、連結財務諸表を作成するために、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定の設定を用いています。実際の業績は、会計上の見積り及びその基礎となる仮定とは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は、継続して見直され、会計上の見積りの見直しによる影響は、当該見直しを行った連結会計期間及び将来の連結会計期間において認識されます。
翌連結会計年度において重要な修正をもたらすリスクのある仮定及び見積りに関する項目は、次のとおりです。なお、「3.重要性がある会計方針」に記載のある見積りの内容については、該当箇所に記載のとおりです。
・繰延税金資産の回収可能性(「13.法人所得税」参照)
・確定給付制度債務(「17.従業員給付」参照)
・非金融資産(のれんを含む)の減損(「28.非金融資産の減損」参照)
繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期や見込額等により回収可能性を評価しています。事業計画には、製品・サービスごとの市場成長率や主要顧客への販売見込を含む、市場動向等に関する仮定が含まれており、将来の不確実な経済情勢の変動などにより、これらの仮定に変化が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性に影響を及ぼす可能性があります。
確定給付制度債務は、市場金利の変動に応じた割引率の変化により、重要な影響を受ける可能性があります。
非金融資産の減損テストにおける回収可能価額は、将来の不確実な経済情勢の変動などにより、事業計画、割引率及び成長率等の見積りの前提に変化が生じた場合、重要な影響を受ける可能性があります。
なお、2025年3月末までに公表された米国の関税政策の対象となる可能性がある取引の金額を生産地・商流に基づいて把握し、当社負担及び顧客への価格転嫁方針、生産地・販売価格・商流の見直しなどを踏まえた当社グループへの利益影響、並びに各国の経済政策・通商政策動向がもたらす経済への影響を評価して、繰延税金資産の回収可能性や非金融資産の減損などの会計上の見積りを実施しています。また、米国の関税政策がもたらす将来の不確実な経済条件の変動により、これらの会計上の見積りは重要な影響を受ける可能性があります。
また、会計方針の適用にあたっての判断が、資産、負債、収益及び費用の計上金額に重要な影響を与える項目は、次のとおりです。
・子会社、関連会社及び共同支配企業の範囲(「11.持分法で会計処理されている投資」、「33.主要な子会社」参照)
・契約がリースであるか又はリースを含むか否かの決定(「9.リース」参照)
・金融資産の分類(「12.その他の金融資産」参照)
・引当金の認識(「18.引当金」参照)
・収益認識(「23.収益」参照)
・非金融資産の減損テスト実施に当たっての資金生成単位の判別(「28.非金融資産の減損」参照)
・非金融資産の減損の兆候の有無の評価(「28.非金融資産の減損」参照)
・償却原価で測定する金融資産の信用リスクの著しい増加の有無(「31.金融商品」参照)
(24)未適用の公表済み基準書及び解釈指針
連結財務諸表の承認日までに新設または改訂が行われた公表済みIFRS基準書及び解釈指針のうち、当連結会計年度末において適用していない主なものは、次のとおりです。
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基準書 |
基準名 |
強制適用時期 (以降開始年度) |
当社適用年度 |
新設・改訂の内容 |
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IFRS第9号 IFRS第7号 |
金融商品 金融商品:開示 |
2026年1月1日 |
2027年3月期 |
金融資産の分類の明確化、金融負債の認識中止要件の追加及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する開示規程の改訂 |
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IFRS第9号 IFRS第7号 |
金融商品 金融商品:開示 |
2026年1月1日 |
2027年3月期 |
自然依存電力契約による財務上の影響を適切に報告するための改訂 |
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IFRS第18号 |
財務諸表における表示及び開示 |
2027年1月1日 |
2028年3月期 |
IAS第1号の表示及び開示に関する要求事項を置き換え |
これらの適用による当社の連結財務諸表への影響は検討中です。
(25)会計方針の変更
当社は、当連結会計年度の期首より、以下の基準書を適用しています。
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基準書 |
基準名 |
新設・改訂の内容 |
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IAS第1号 |
財務諸表の表示 |
負債の流動又は非流動への分類に関する要求事項を明確化 特約条項付の長期債務に関する情報の開示を拡充 |
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IFRS第16号 |
リース |
セール・アンド・リースバック取引の取引後の会計処理を明確化 |
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IAS第7号 IFRS第7号 |
キャッシュ・フロー計算書 金融商品:開示 |
サプライヤー・ファイナンス契約に関する開示を要求 |
IAS第1号及びIFRS第16号の改訂による当社の連結財務諸表への重要な影響はありません。IAS第7号及びIFRS第7号の改訂による影響については、「16. 営業債務」に記載のとおりです。
4.セグメント情報
(1)報告セグメントの概要
当社の報告セグメントは、当社の構成単位のうち独立した財務情報が入手可能で、最高経営意思決定者が、経営資源の配分の決定及び業績の検討のため、定期的に評価を行う対象となっているものであり、「くらし事業」「オートモーティブ」「コネクト」「インダストリー」「エナジー」の5つに区分して開示しています。
「くらし事業」は、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、洗濯機、掃除機、美・理容器具、家庭用空調機器、業務用空調機器、ヒートポンプ式温水給湯暖房機、換気・送風機器、空気清浄機、ショーケース、業務用冷蔵庫、照明器具、ランプ、配線器具、太陽光発電システム、燃料電池、コンプレッサー、自転車、介護関連等の開発・製造・販売を行っています。「オートモーティブ」は、車載インフォテインメントシステム、ヘッドアップディスプレイ、車載スピーカーシステム、車載スイッチ、先進運転支援システム(ADAS)等の開発・製造・販売を行っています。「コネクト」は、航空機内エンターテインメントシステム・通信サービス、電子部品実装システム、溶接機、プロジェクター、パソコン・タブレット、サプライチェーンマネジメントソフトウェア(SCM)等の開発・製造・販売を行っています。「インダストリー」は、電子部品、モーター、FAデバイス、電子材料等の開発・製造・販売を行っています。「エナジー」は、車載用円筒形リチウムイオン電池、一次電池(乾電池、マイクロ電池)、小型二次電池(単品セルとそのシステム商品)等の開発・製造・販売を行っています。
「その他」は、報告セグメントに含まれない事業セグメントやその他の事業活動であり、テレビ、デジタルカメラ、業務用カメラシステム、ビデオ機器、オーディオ機器、固定電話、水まわり設備、内装建材、外装建材、原材料の販売等が含まれています。
なお、2024年4月1日付で、一部の事業をセグメント間で移管しています。
また、2024年12月2日付でパナソニック オートモーティブシステムズ㈱(以下、「PAS」)の株式譲渡が完了したことに伴い、一部の事業をセグメント間で移管しています。
従来の「オートモーティブ」のうち、引き続き当社の連結対象となる事業は「その他」に区分し、「オートモー
ティブ」は、PASの株式譲渡に伴い非連結化した事業の非連結化するまでの期間(当連結会計年度は約8ヵ月分)の売上高及び損益で算出しています。また、PASの株式譲渡に伴い非連結化した事業の非連結化後の期間の持分法による投資損益は「その他」に含めています。
前連結会計年度及び当連結会計年度のセグメント情報については、移管後の形態に合わせて組み替えて表示しています。
(2)セグメント情報
セグメント情報は、次のとおりです。
① 前連結会計年度(2023年4月1日~2024年3月31日)
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
その他 |
消去・ 調整 |
連結計 |
||||
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くらし 事業 |
オート モーティブ |
コネクト |
インダ ストリー |
エナジー |
||||
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売上高 |
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外部顧客に対するもの |
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セグメント間取引 |
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△ |
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計 |
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△ |
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利益(△は損失) |
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△ |
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減価償却費及び償却費(注1) |
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資本的支出 (注2) |
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② 当連結会計年度(2024年4月1日~2025年3月31日)
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(単位:百万円) |
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報告セグメント |
その他 |
消去・ 調整 |
連結計 |
||||
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くらし 事業 |
オート モーティブ |
コネクト |
インダ ストリー |
エナジー |
|||
|
売上高 |
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|
外部顧客に対するもの |
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セグメント間取引 |
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△ |
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計 |
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△ |
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利益(△は損失) |
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△ |
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減価償却費及び償却費(注1) |
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資本的支出 (注2) |
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(注1) 有形固定資産、使用権資産、及び無形資産
(注2) 有形固定資産及び無形資産の発生ベースの金額(企業結合による増加を除く)
報告セグメントの会計方針は、注記「3.重要性がある会計方針」で記載している当社の会計方針と同一です。
セグメント間における取引は、独立企業間価格を基礎として行われています。
報告セグメントの利益は、営業利益をベースとした数値です。
「消去・調整」欄には、セグメント間の内部取引消去や、セグメントに帰属しない損益及び連結会計上の調整が含まれています。
前連結会計年度及び当連結会計年度の利益に関する調整には、本社部門等の損益(前連結会計年度における一部の固定資産売却益を含む)が含まれています。また、連結会計上の調整として、本社部門で管理している企業結合で取得したのれんの減損損失等やセグメントに帰属しない持分法による投資損益等が含まれています。なお、PAS株式の譲渡損失及び関連費用は、「消去・調整」に含めています。
(3)製品及びサービスに関する情報
「(1)報告セグメントの概要」、「(2)セグメント情報」に同様の情報を開示しているため、記載を省略しています。
(4)地域に関する情報
地域別の売上高(顧客の所在地別に分類)及び非流動資産(持分法で会計処理されている投資、金融資産、繰延税金資産及び確定給付資産の純額を除く)は、次のとおりです。
① 売上高
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
日本 |
3,404,518 |
3,420,244 |
|
米州 |
2,121,939 |
1,840,586 |
|
欧州 |
978,700 |
969,767 |
|
アジア・中国他 |
1,991,263 |
2,227,588 |
|
連結計 |
8,496,420 |
8,458,185 |
|
米州のうち、米国 |
2,012,050 |
1,575,191 |
|
アジア・中国他のうち、中国 |
810,472 |
966,966 |
② 非流動資産(持分法で会計処理されている投資、金融資産、繰延税金資産及び確定給付資産の純額を除く)
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
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日本 |
1,296,926 |
1,312,656 |
|
米州 |
2,140,347 |
2,593,547 |
|
欧州 |
238,953 |
206,302 |
|
アジア・中国他 |
474,275 |
448,883 |
|
連結計 |
4,150,501 |
4,561,388 |
|
米州のうち、米国 |
2,118,087 |
2,574,637 |
(注) 本邦以外の区分に属する主な国または地域
米州…………………北米、中南米
欧州…………………欧州、アフリカ
アジア・中国他……アジア、中国、オセアニア
売上高について、米国、中国を除いて、独立区分して開示する必要のある重要な国はありません。
非流動資産について、米国を除いて、独立区分して開示する必要のある重要な国はありません。
(5)主要な顧客に関する情報
外部顧客への売上高が10%を超える単一の相手先がないため、記載を省略しています。
5.現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び3ヵ月以内に償還期限の到来する短期投資からなっており、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における連結財政状態計算書上の残高と連結キャッシュ・フロー計算書上の残高は一致しています。なお、現金及び現金同等物は、償却原価で測定される金融資産に分類しています。
6.営業債権及び契約資産
営業債権及び契約資産の内訳は、次のとおりです。なお、営業債権は償却原価で測定される金融資産に分類しています。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
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受取手形 |
48,135 |
44,598 |
|
売掛金 |
1,161,864 |
1,146,521 |
|
契約資産 |
163,087 |
137,000 |
|
控除:貸倒引当金 |
△12,036 |
△11,947 |
|
合計 |
1,361,050 |
1,316,172 |
7.棚卸資産
棚卸資産の内訳は、次のとおりです。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
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製商品 |
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仕掛品 |
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原材料 |
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合計 |
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前連結会計年度及び当連結会計年度に費用として認識した棚卸資産の評価減の金額は、それぞれ55,762百万円及び56,441百万円であり、連結損益計算書の「売上原価」に含めています。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の評価減の戻入額に重要性はありません。
8.有形固定資産
(1)帳簿価額の増減
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(単位:百万円) |
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土地 |
建物及び 構築物 |
機械装置及び運搬具 |
工具器具及び備品 |
建設仮勘定 |
合計 |
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2023年3月31日残高 |
193,056 |
362,901 |
373,540 |
110,361 |
132,518 |
1,172,376 |
|
取得 |
133 |
31,785 |
40,702 |
43,224 |
452,160 |
568,004 |
|
科目間振替 |
20,810 |
40,749 |
85,217 |
27,831 |
△174,607 |
- |
|
処分または売却目的で保有する資産への振替 |
△1,900 |
△11,172 |
△4,080 |
△910 |
△8,221 |
△26,283 |
|
減価償却費 |
- |
△41,749 |
△103,967 |
△61,521 |
- |
△207,237 |
|
減損損失 |
△116 |
△246 |
△4,010 |
△544 |
△22 |
△4,938 |
|
為替換算差額 |
4,298 |
12,139 |
19,399 |
5,364 |
15,919 |
57,119 |
|
2024年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
取得 |
11,338 |
26,221 |
45,243 |
40,774 |
645,276 |
768,852 |
|
科目間振替 |
1,765 |
82,514 |
113,533 |
30,876 |
△228,688 |
- |
|
処分または売却目的で保有する資産への振替 |
△2,574 |
△19,810 |
△40,027 |
△11,407 |
△13,939 |
△87,757 |
|
減価償却費 |
- |
△47,037 |
△109,805 |
△64,292 |
- |
△221,134 |
|
減損損失 |
△12 |
△476 |
△22,319 |
△1,013 |
△82 |
△23,902 |
|
為替換算差額 |
△629 |
△2,420 |
△2,495 |
△718 |
△9,948 |
△16,210 |
|
その他 |
△7,330 |
4,670 |
△14,685 |
1,482 |
△60,771 |
△76,634 |
|
2025年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
減価償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
前連結会計年度の「処分または売却目的で保有する資産への振替」には、投資不動産への振替が含まれています。
当連結会計年度の「その他」には、主に有形固定資産の取得に対する政府補助金による直接減額74,077百万円や、投資不動産への振替が含まれています。
上記政府補助金のうち、当連結会計年度に受領した16,797百万円については、連結キャッシュ・フロー計算書上、投資活動によるキャッシュ・フローの「その他(純額)」に含めて表示しています。
(2)取得原価
(単位:百万円)
|
|
土地 |
建物及び 構築物 |
機械装置及び運搬具 |
工具器具及び備品 |
建設仮勘定 |
合計 |
|
2023年3月31日残高 |
212,553 |
1,362,783 |
2,132,203 |
927,104 |
132,580 |
4,767,223 |
|
2024年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
2025年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
(3)減価償却累計額及び減損損失累計額
|
(単位:百万円) |
|
|
土地 |
建物及び 構築物 |
機械装置及び運搬具 |
工具器具及び備品 |
建設仮勘定 |
合計 |
|
2023年3月31日残高 |
△19,497 |
△999,882 |
△1,758,663 |
△816,743 |
△62 |
△3,594,847 |
|
2024年3月31日残高 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
2025年3月31日残高 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
9.リース
(1)借手側
当社は、不動産(土地、建物及び構築物)、機械装置及び運搬具、工具器具及び備品等を賃借しています。リース条件は個々に交渉され、各契約当事者が事業上のニーズにより柔軟に対応できるよう、幅広く異なる契約条件となっています。延長オプション及び解約オプションは、主に不動産のリースに含まれ、特に国内の一部の不動産賃貸借においては借手が繰り返し延長オプションを行使することが可能な契約となっています。当社はそれらの不動産を事業に活用する上で、必要に応じて延長オプションの行使を判断しています。なお、当社による行使が合理的に確実でない場合には、オプション期間に関連した支払いはリース負債の測定に含めていません。また、重要な購入選択権、エスカレーション条項及びリース契約によって課された制限(配当、追加借入及び追加リースに関する制限等)はありません。
リースに係る収益及び費用は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
リースに係る費用 |
|
|
|
使用権資産の減価償却費 |
76,516 |
72,430 |
|
短期リース費用 |
8,212 |
10,583 |
|
少額資産リース費用 |
5,966 |
6,476 |
|
変動リース料(注) |
2,636 |
3,810 |
|
リース負債に係る金利費用 |
5,005 |
5,700 |
|
リースに係る収益 |
|
|
|
使用権資産のサブリースによる収益 |
1,846 |
2,097 |
(注)リース負債の測定に含めていない変動リース料に係る費用です。
リースに係るキャッシュ・アウトフローの合計額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ97,541百万円及び100,273百万円です。
使用権資産の帳簿価額の増減(原資産のクラス別)は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
使用権資産 |
|||||
|
不動産 |
機械装置 |
車両運搬具 |
工具器具 及び備品 |
その他 |
合計 |
|
|
2023年3月31日残高 |
214,259 |
7,241 |
9,971 |
6,226 |
1,136 |
238,833 |
|
取得 |
84,242 |
12,628 |
7,927 |
868 |
3,692 |
109,357 |
|
処分または売却目的で保有する資産への振替 |
△6,784 |
△3 |
△30 |
△75 |
△28 |
△6,920 |
|
減価償却費 |
△58,977 |
△7,873 |
△6,380 |
△1,223 |
△2,063 |
△76,516 |
|
為替換算差額 |
9,997 |
487 |
356 |
26 |
198 |
11,064 |
|
その他 |
△5,477 |
77 |
△134 |
146 |
298 |
△5,090 |
|
2024年3月31日残高 |
237,260 |
12,557 |
11,710 |
5,968 |
3,233 |
270,728 |
|
取得 |
78,737 |
9,559 |
8,316 |
2,925 |
1,952 |
101,489 |
|
処分または売却目的で保有する資産への振替 |
△13,585 |
△667 |
△941 |
△298 |
△4 |
△15,495 |
|
減価償却費 |
△57,339 |
△5,149 |
△6,284 |
△1,339 |
△2,319 |
△72,430 |
|
為替換算差額 |
△1,598 |
△130 |
△89 |
△38 |
△44 |
△1,899 |
|
その他 |
△2,121 |
8 |
610 |
△112 |
370 |
△1,245 |
|
2025年3月31日残高 |
241,354 |
16,178 |
13,322 |
7,106 |
3,188 |
281,148 |
リース負債の満期分析については、注記「31.金融商品 (3)流動性リスク管理」に記載しています。
(2)貸手側
① ファイナンス・リース
当社は、リースを含むと判定されるソリューション関連の情報機器等を、ファイナンス・リースとして会計処理しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末のリース料債権(割引前)の満期分析は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
1年以内 |
1,711 |
3,379 |
|
1年超2年以内 |
1,134 |
3,081 |
|
2年超3年以内 |
861 |
2,579 |
|
3年超4年以内 |
652 |
1,745 |
|
4年超5年以内 |
603 |
1,528 |
|
5年超 |
2,988 |
6,617 |
|
合計 |
7,949 |
18,929 |
|
未獲得金融収益 |
△381 |
△715 |
|
正味リース投資未回収額 |
7,568 |
18,214 |
また、リースを含むと判定される特定の顧客との製品供給契約に関連する機械装置及び運搬具に関して、当該供給契約に基づいて顧客から回収する金額のうち、リース要素に含まれる固定リース料を超える金額を変動リース料として収益計上しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において収益計上した変動リース料は、それぞれ12,843百万円及び7,336百万円です。
② オペレーティング・リース
将来の受取リース料(報告期間後に受け取る割引前のリース料)の満期分析は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
1年以内 |
2,590 |
2,748 |
|
1年超2年以内 |
2,037 |
1,903 |
|
2年超3年以内 |
1,710 |
1,558 |
|
3年超4年以内 |
1,124 |
929 |
|
4年超5年以内 |
1,006 |
584 |
|
5年超 |
2,102 |
2,000 |
|
合計 |
10,569 |
9,722 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社が貸手となるオペレーティング・リース契約によるリース収益(指数又はレートに基づかない変動リース料を除く)は、それぞれ13,040百万円及び13,862百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、指数又はレートに基づかない変動リース料に係る収益に重要性はありません。
(3)セール・アンド・リースバック
前連結会計年度及び当連結会計年度において、セール・アンド・リースバック取引から生じた利得又は損失に重要性はありません。
10.のれん及び無形資産
(1)帳簿価額の増減
|
(単位:百万円) |
|
|
のれん |
無形資産 |
|||||
|
ソフトウェア |
技術 |
顧客 |
商標 |
その他 |
合計 |
||
|
2023年3月31日残高 |
1,077,620 |
120,085 |
128,095 |
355,036 |
103,758 |
11,642 |
718,616 |
|
取得 |
- |
68,577 |
24,686 |
- |
- |
9,626 |
102,889 |
|
企業結合による増加 |
15,659 |
- |
3,375 |
2,730 |
189 |
- |
6,294 |
|
償却費 |
- |
△43,263 |
△37,927 |
△26,511 |
△4,364 |
△4,166 |
△116,231 |
|
減損損失 |
△11,455 |
△132 |
△2,079 |
- |
- |
△162 |
△2,373 |
|
為替換算差額 |
120,698 |
3,591 |
7,831 |
44,902 |
13,611 |
2,490 |
72,425 |
|
処分・その他 |
- |
△207 |
△71 |
- |
- |
△31 |
△309 |
|
2024年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
取得 |
- |
78,158 |
16,890 |
- |
- |
2,401 |
97,449 |
|
企業結合による増加 |
104,323 |
- |
17,456 |
15,363 |
67 |
- |
32,886 |
|
償却費 |
- |
△47,965 |
△27,101 |
△29,077 |
△4,692 |
△3,330 |
△112,165 |
|
減損損失 |
△1,437 |
△1,446 |
△2 |
△532 |
- |
△26 |
△2,006 |
|
為替換算差額 |
△13,313 |
△505 |
△1,389 |
△4,686 |
307 |
△238 |
△6,511 |
|
処分・その他 |
△23,407 |
△14,916 |
△39,990 |
- |
- |
△1,244 |
△56,150 |
|
2025年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
償却費は、連結損益計算書の「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含めています。
取得のうち、内部開発による増加額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ41,434百万円及び30,931百万円です。これらは、主にソフトウェア及び技術に関するものです。
耐用年数を確定できない無形資産は、上表の「商標」及び「その他」に含まれており、帳簿価額の合計は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ46,638百万円及び44,810百万円です。このうち主なものは商標であり、事業が継続する限り基本的に存続するため、耐用年数を確定できないと判断しています。
(2)取得原価
(単位:百万円)
|
|
のれん |
無形資産 |
|||||
|
ソフトウェア |
技術 |
顧客 |
商標 |
その他 |
合計 |
||
|
2023年3月31日残高 |
1,482,641 |
509,052 |
637,578 |
466,958 |
155,912 |
49,919 |
1,819,419 |
|
2024年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
|
2025年3月31日残高 |
|
|
|
|
|
|
|
(3)償却累計額及び減損損失累計額
|
(単位:百万円) |
|
|
のれん |
無形資産 |
|||||
|
ソフトウェア |
技術 |
顧客 |
商標 |
その他 |
合計 |
||
|
2023年3月31日残高 |
△405,021 |
△388,967 |
△509,483 |
△111,922 |
△52,154 |
△38,277 |
△1,100,803 |
|
2024年3月31日残高 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
|
2025年3月31日残高 |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
△ |
(4)個別に重要な無形資産
個別に重要な無形資産は、Blue Yonder Holding, Inc.を2021年度に完全子会社化したことに伴い計上した「顧客」であり、前連結会計年度及び当連結会計年度における帳簿価額はそれぞれ299,554百万円及び271,752百万円、残存償却期間はそれぞれ14年及び13年です。
11.持分法で会計処理されている投資
(1)関連会社に対する投資
当社にとって個別に重要性のある関連会社はありません。個別に重要性のない関連会社に対する投資の帳簿価額及び当期包括利益の持分取込額は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
投資の帳簿価額 |
149,199 |
195,750 |
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
当期純利益 |
4,897 |
13,789 |
|
その他の包括利益 |
2,788 |
1,342 |
|
当期包括利益 |
7,685 |
15,131 |
(2)共同支配企業に対する投資
① 重要な共同支配企業
当社にとって重要性のある共同支配企業は、当社とトヨタ自動車㈱との合弁により設立したプライム ライフ テクノロジーズ㈱(以下、「PLT」)です。PLTは、当社が50%の持分を保有し、トヨタ自動車㈱と共同支配を有するジョイント・ベンチャーであり、当社とトヨタ自動車㈱の出資比率は同一です。PLTの主な傘下子会社は、当社の連結子会社であった、パナソニック ホームズ㈱、パナソニック建設エンジニアリング㈱、㈱松村組、及び、トヨタ自動車㈱の傘下子会社であった、トヨタホーム㈱、ミサワホーム㈱です。主要な事業場所は日本であり、主要な事業の内容は街づくり・新築請負等の住宅関連事業です。
PLTの要約連結財務情報と当社グループの投資の帳簿価額との調整表は、以下のとおりです。
(ⅰ)連結財政状態計算書に関する要約情報
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
流動資産 |
636,192 |
677,458 |
|
非流動資産 |
820,547 |
879,485 |
|
資産合計 |
1,456,739 |
1,556,943 |
|
流動負債 |
440,866 |
499,981 |
|
非流動負債 |
666,786 |
689,487 |
|
負債合計 |
1,107,652 |
1,189,468 |
|
資本 |
349,087 |
367,475 |
|
非支配持分 |
8,325 |
18,534 |
|
非支配持分控除後の資本 |
340,762 |
348,941 |
|
資本のうち当社グループ持分 |
170,332 |
174,419 |
|
連結調整(のれん相当額等) |
13,201 |
10,600 |
|
投資の帳簿価額 |
183,533 |
185,019 |
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、上記の流動資産に含まれる現金及び現金同等物は、それぞれ149,957百万円及び141,620百万円です。また、流動負債に含まれる金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)は、それぞれ203,275百万円及び245,837百万円であり、非流動負債に含まれる金融負債(営業債務及びその他の債務並びに引当金を除く)は、それぞれ614,766百万円及び638,458百万円です。
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書に関する要約情報
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
売上高 |
1,019,236 |
1,089,984 |
|
減価償却費及び償却費 |
△55,680 |
△58,025 |
|
金融収益 |
2,817 |
2,947 |
|
金融費用 |
△22,564 |
△25,428 |
|
法人所得税費用 |
△3,873 |
△5,150 |
|
当期純利益 |
7,555 |
10,469 |
|
その他の包括利益 |
2,600 |
4,833 |
|
当期包括利益 |
10,155 |
15,302 |
|
当期純利益(当社グループ持分割合) |
3,777 |
5,234 |
|
連結調整 |
△839 |
△88 |
|
当期純利益のうち当社グループ持分 |
2,938 |
5,146 |
|
その他の包括利益のうち当社グループ持分 |
1,299 |
2,416 |
|
当期包括利益のうち当社グループ持分 |
4,237 |
7,562 |
|
当社グループが受け取った配当金 |
3,063 |
2,527 |
② 個別に重要性のない共同支配企業
個別に重要性のない共同支配企業に対する投資の帳簿価額及び当期包括利益の持分取込額は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
投資の帳簿価額 |
91,249 |
116,624 |
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
当期純利益(△は損失) |
△3,540 |
1,021 |
|
その他の包括利益(△は損失) |
505 |
△432 |
|
当期包括利益(△は損失) |
△3,035 |
589 |
12.その他の金融資産
(1)内訳
その他の金融資産の内訳は、次のとおりです。なお、デリバティブ資産には、ヘッジ手段として指定したものが含まれています。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
償却原価で測定する金融資産 |
|
|
|
定期預金 |
60,654 |
67,014 |
|
未収入金 |
84,402 |
66,819 |
|
その他 |
40,252 |
38,373 |
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
デリバティブ資産 |
90,398 |
43,161 |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
株式 |
151,290 |
117,143 |
|
その他 |
286 |
437 |
|
リース債権 |
7,568 |
18,214 |
|
合計 |
434,850 |
351,161 |
|
うち流動資産 |
227,456 |
165,475 |
|
うち非流動資産 |
207,394 |
185,686 |
(2)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社では、主に取引又は事業上の関係の維持・強化を目的に保有している株式を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品に指定しています。
① 主な銘柄ごとの公正価値
主な銘柄ごとの公正価値は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
銘柄 |
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
|
PHCホールディングス㈱ |
12,072 |
|
ルネサスエレクトロニクス㈱ |
11,127 |
|
㈱TBSホールディングス |
8,340 |
|
大和ハウス工業㈱ |
6,928 |
|
Nouveau Monde Graphite Inc. |
4,334 |
|
冰山冷熱科技股份㈲ |
2,118 |
|
㈱きんでん |
1,996 |
|
その他 |
104,375 |
|
合計 |
151,290 |
|
(単位:百万円) |
|
銘柄 |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
PHCホールディングス㈱ |
9,972 |
|
㈱TBSホールディングス |
5,429 |
|
大和ハウス工業㈱ |
5,037 |
|
Nouveau Monde Graphite Inc. |
2,822 |
|
㈱きんでん |
2,480 |
|
冰山冷熱科技股份㈲ |
2,345 |
|
住友不動産(株) |
1,359 |
|
その他 |
87,699 |
|
合計 |
117,143 |
その他は主に非上場株式であり、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における公正価値は、それぞれ92,394百万円及び76,077百万円です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における非上場株式の主な銘柄は海外におけるベンチャー投資です。
② その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の認識の中止
当社は、主に保有資産の効率化を目的とした政策保有株式の見直しに伴い、前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の一部を処分して認識を中止しています。
処分時の公正価値及び累積利得又は損失は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
公正価値 |
66,060 |
28,741 |
|
累積利得又は損失 |
40,369 |
20,604 |
なお、上記累積利得又は損失は、税効果考慮前の金額であり、前連結会計年度及び当連結会計年度において、処分に伴って利益剰余金へ振り替えた税効果考慮後のその他の包括利益の累積利得又は損失は、それぞれ28,063百万円(利得)及び14,227百万円(利得)です。
13.法人所得税
(1)繰延税金
① 繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳及び増減内容
繰延税金資産及び負債の主な内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
連結財政状態計算書 |
連結損益計算書 |
||
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
繰延税金資産 |
|
|
|
|
|
棚卸資産 |
60,523 |
52,374 |
5,186 |
△3,363 |
|
引当金及び未払人件費等 |
69,431 |
61,940 |
△2,392 |
△6,144 |
|
有形固定資産 |
85,789 |
92,364 |
△6,262 |
7,994 |
|
退職給付に係る負債 |
12,840 |
13,428 |
△2,258 |
△1,068 |
|
繰越欠損金 |
193,750 |
196,285 |
136,729 |
7,990 |
|
繰越税額控除 |
15,898 |
16,840 |
△21,738 |
1,162 |
|
研究開発費 |
45,120 |
45,305 |
2,933 |
764 |
|
リース負債 |
49,065 |
57,901 |
3,919 |
9,731 |
|
その他 |
130,702 |
114,769 |
35,114 |
△3,177 |
|
繰延税金資産 合計 |
663,118 |
651,206 |
151,231 |
13,889 |
|
繰延税金負債 |
|
|
|
|
|
有価証券 |
△32,830 |
△22,082 |
- |
- |
|
無形資産 |
△162,947 |
△142,448 |
12,933 |
12,675 |
|
使用権資産 |
△47,385 |
△55,245 |
△3,067 |
△8,969 |
|
その他 |
△124,150 |
△115,806 |
△21,959 |
2,751 |
|
繰延税金負債 合計 |
△367,312 |
△335,581 |
△12,093 |
6,457 |
|
繰延税金資産 純額 |
295,806 |
315,625 |
139,138 |
20,346 |
繰延税金資産及び負債の増減内容は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
期首残高(繰延税金資産 純額) |
179,286 |
295,806 |
|
純損益として認識 |
139,138 |
20,346 |
|
その他の包括利益として認識 |
△13,406 |
9,535 |
|
連結範囲の異動他 |
△9,212 |
△10,062 |
|
期末残高(繰延税金資産 純額) |
295,806 |
315,625 |
② 繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除
当社は、繰延税金資産の認識にあたり、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の一部又は全部が、将来の課税所得を減額できる又は税額を控除できる可能性が高いかどうかを考慮しています。繰延税金資産の最終的な回収可能性は、一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除が将来減算される期間における課税所得の水準により決定されます。当社はこの検討において、繰延税金負債の実現予定時期、将来の課税所得の予測及び税務戦略を考慮しています。過去の課税所得の水準及び将来繰延税金資産が減算される期間の課税所得の予測に基づき、当社は、当連結会計年度末において認識された繰延税金資産は実現する可能性が高いと考えています。回収可能性の評価の結果、一部の将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除については繰延税金資産を認識していません。
繰延税金資産を認識していない将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除の金額並びに繰越期限は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(2024年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
金額 |
|
将来減算一時差異 |
379,591 |
|
繰越欠損金 |
|
|
2024年度から2033年度まで繰り越すことができるもの |
32,463 |
|
2034年度以降または無期限に繰り越すことができるもの |
125,135 |
|
繰越欠損金 合計 |
157,598 |
|
繰越税額控除 |
38,132 |
(ⅱ)当連結会計年度末(2025年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
金額 |
|
将来減算一時差異 |
355,985 |
|
繰越欠損金 |
|
|
2025年度から2034年度まで繰り越すことができるもの |
48,319 |
|
2035年度以降または無期限に繰り越すことができるもの |
98,053 |
|
繰越欠損金 合計 |
146,372 |
|
繰越税額控除 |
48,153 |
当社は、日本国内においてグループ通算制度を適用していますが、上記には同制度の適用外である、地方税(住民税及び事業税)にかかる繰越欠損金を含めていません。繰延税金資産を認識していない地方税にかかる繰越欠損金の金額は、前連結会計年度末において、住民税分342,776百万円及び事業税分1,421,237百万円(繰越期限は2024年度から2033年度)、当連結会計年度末において、住民税分302,446百万円及び事業税分1,297,252百万円(繰越期限は2025年度から2034年度)です。
③ 繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に関する将来加算一時差異
当社が一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予見可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には、繰延税金負債を認識していません。なお、認識している繰延税金負債については、上記「①繰延税金資産及び繰延税金負債の主な内訳及び増減内容」の「繰延税金負債 その他」に含めています。
繰延税金負債を認識していない子会社等に対する投資に関する将来加算一時差異の総額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ1,557,303百万円及び1,740,358百万円です。
(2)法人所得税費用
① 法人所得税費用の内訳
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
当期税金費用 |
98,934 |
122,239 |
|
繰延税金費用 |
|
|
|
一時差異等の発生及び解消 |
△36,196 |
△12,200 |
|
繰延税金資産の修正及び取崩 |
△102,942 |
△8,146 |
|
繰延税金費用 計 |
△139,138 |
△20,346 |
|
法人所得税費用 合計 |
△40,204 |
101,893 |
当期税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。これに伴う当期税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ40,139百万円及び2,755百万円です。
繰延税金費用には、従前は税効果未認識であった税務上の欠損金、税額控除又は過去の期間の一時差異から生じた便益の額が含まれています。これに伴う繰延税金費用の減少額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ124,139百万円及び3,821百万円です。また、税制変更の影響により、繰延税金費用が前連結会計年度は112百万円増加、当連結会計年度は5,063百万円減少しています。
なお、前連結会計年度の当期税金費用及び繰延税金費用には、前連結会計年度において連結子会社であるパナソニック液晶ディスプレイ㈱(以下、「PLD」)の清算を決議し、清算手続において連結子会社であるパナソニック出資管理(同)のPLDに対する債権を放棄したことによる、税務ベネフィット認識額を含んでいます。
また、当連結会計年度よりグローバル・ミニマム課税制度が施行されており、同制度にかかる当期税金費用を18,988百万円計上しています。
② 実効税率の調整
当社は、主に法人税、住民税及び事業税を課されており、これらを基礎として計算した法定実効税率は、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに30.6%です。ただし、海外子会社についてはその所在地における法人税等が課されています。
また、当社及び一部の子会社は、グループ通算制度を適用しています。
法定実効税率と実際負担税率との差異は、次のとおりです。
|
(単位:%) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
法定実効税率 |
30.6 |
30.6 |
|
海外連結子会社の税率差 |
△4.0 |
△4.1 |
|
税務上損金算入されない費用 |
0.3 |
0.4 |
|
未認識の繰延税金資産の変動 |
8.7 |
3.1 |
|
子会社等への投資に伴う税効果 |
△29.3 |
2.7 |
|
税額控除 |
△2.0 |
△1.3 |
|
税務上益金算入されない米国インフレ抑制法に基づく補助金 |
△13.5 |
△13.5 |
|
グローバル・ミニマム課税 |
- |
3.9 |
|
その他 |
△0.3 |
△0.8 |
|
実際負担税率 |
△9.5 |
21.0 |
14.その他の資産
その他の資産の内訳は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
前払金 |
29,058 |
22,659 |
|
前払費用 |
69,784 |
62,884 |
|
未収消費税等 |
57,364 |
39,882 |
|
未収法人所得税 |
76,609 |
68,744 |
|
退職給付に係る資産 |
99,651 |
84,547 |
|
投資不動産 |
38,019 |
45,439 |
|
政府補助金(注) |
197,013 |
258,553 |
|
その他 |
104,781 |
140,517 |
|
合計 |
672,279 |
723,225 |
|
うち流動資産 |
235,729 |
264,046 |
|
うち非流動資産 |
436,550 |
459,179 |
(注)政府補助金は、米国インフレ抑制法や米国カンザス州の投資誘致補助金制度に基づき認められる税額控除です。
直接支払を受けることで資金化すると見込まれる額を、受領するまでその他の資産として計上しています。
前連結会計年度末は「その他の非流動資産」に、当連結会計年度末は「その他の流動資産」と「その他の
非流動資産」に含めて表示しています。
15.短期負債及び長期負債
(1)内訳
短期負債及び長期負債の内訳は、次のとおりです。なお、短期負債及び長期負債は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
① 前連結会計年度末(2024年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
帳簿価額 |
平均利率(%) (注1) |
返済期 |
|
流動負債 |
|
|
|
|
1年内償還予定社債(注2) |
251,369 |
- |
- |
|
短期借入金 |
5,916 |
7.0 |
- |
|
1年内返済予定長期借入金 |
4,814 |
1.5 |
- |
|
流動負債 合計 |
262,099 |
- |
- |
|
非流動負債 |
|
|
|
|
社債(注2) |
1,082,788 |
- |
2025~2081年度 |
|
長期借入金 |
1,249 |
1.4 |
2025~2029年度 |
|
非流動負債 合計 |
1,084,037 |
- |
- |
|
合計 |
1,346,136 |
- |
- |
② 当連結会計年度末(2025年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
帳簿価額 |
平均利率(%) (注1) |
返済期 |
|
流動負債 |
|
|
|
|
1年内償還予定社債(注2) |
99,969 |
- |
- |
|
短期借入金 |
3,056 |
38.6 |
- |
|
1年内返済予定長期借入金 |
4,214 |
1.5 |
- |
|
流動負債 合計 |
107,239 |
- |
- |
|
非流動負債 |
|
|
|
|
社債(注2) |
1,171,468 |
- |
2026~2081年度 |
|
長期借入金 |
1,113 |
1.4 |
2026~2030年度 |
|
非流動負債 合計 |
1,172,581 |
- |
- |
|
合計 |
1,279,820 |
- |
- |
(注1)平均利率については、期末残高に対する加重平均利率を記載しています。
(注2)社債の契約条件は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
銘柄 |
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
利率 (%) |
償還期 |
|
第14回 無担保普通社債 |
100,000 |
- |
0.934 |
2024年度 |
|
第17回 無担保普通社債 |
130,000 |
130,000 |
0.47 |
2026年度 |
|
2024年満期 米ドル建無担保普通社債(注3) |
151,410 |
- |
2.679 |
2024年度 |
|
2029年満期 米ドル建無担保普通社債(注3) |
75,705 |
74,760 |
3.113 |
2029年度 |
|
第18回 無担保普通社債 |
30,000 |
30,000 |
0.23 |
2025年度 |
|
第19回 無担保普通社債 |
70,000 |
70,000 |
0.37 |
2029年度 |
|
第21回 無担保普通社債 |
70,000 |
70,000 |
0.19 |
2025年度 |
|
第22回 無担保普通社債 |
20,000 |
20,000 |
0.29 |
2027年度 |
|
第23回 無担保普通社債 |
30,000 |
30,000 |
0.39 |
2030年度 |
|
第1回利払繰延条項・期限前償還条項付 |
150,000 |
150,000 |
0.74 |
2081年度 |
|
第2回利払繰延条項・期限前償還条項付 |
100,000 |
100,000 |
0.885 |
2081年度 |
|
第3回利払繰延条項・期限前償還条項付 |
150,000 |
150,000 |
1.0 |
2081年度 |
|
第24回 無担保普通社債 |
145,000 |
145,000 |
0.709 |
2028年度 |
|
第25回 無担保普通社債 |
30,000 |
30,000 |
1.051 |
2030年度 |
|
第26回 無担保普通社債 |
85,000 |
85,000 |
1.342 |
2033年度 |
|
2034年満期 米ドル建無担保普通社債(注3) |
- |
74,760 |
5.302 |
2034年度 |
|
第27回 無担保普通社債 |
- |
40,000 |
0.941 |
2027年度 |
|
第28回 無担保普通社債 |
- |
20,000 |
1.074 |
2029年度 |
|
第29回 無担保普通社債 |
- |
40,000 |
1.24 |
2027年度 |
|
第30回 無担保普通社債 |
- |
15,000 |
1.455 |
2029年度 |
(注3)米ドル建無担保普通社債に係る為替リスクをヘッジするため、通貨金利スワップを行っています。当該通貨金利スワップにより米ドル建固定金利を日本円建固定金利に交換しており、交換後の実質負担利率は下記のとおりです。
2024年満期 米ドル建無担保普通社債(1,000百万米ドル) 0.2369%
2029年満期 米ドル建無担保普通社債(500百万米ドル) 0.5034%
2034年満期 米ドル建無担保普通社債(500百万米ドル) 1.8186%
なお、当該通貨金利スワップはヘッジ指定されており、ヘッジ会計の影響については、注記「31.金融商品 (5)デリバティブ及びヘッジ会計」に記載のとおりです。
(注4)2026年10月14日及びそれ以降の各利払日、または、税制事由もしくは資本性変更事由が生じかつ継続している場合に、当社の選択により期限前償還が可能です。
(注5)2028年10月14日及びそれ以降の各利払日、または、税制事由もしくは資本性変更事由が生じかつ継続している場合に、当社の選択により期限前償還が可能です。
(注6)2031年10月14日及びそれ以降の各利払日、または、税制事由もしくは資本性変更事由が生じかつ継続している場合に、当社の選択により期限前償還が可能です。
(2)財務活動から生じた負債の変動
財務活動から生じた負債の変動は、次のとおりです。
① 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
(単位:百万円)
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
② 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
(単位:百万円)
|
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(注)デリバティブは、外貨建社債の為替リスクをヘッジする目的で保有している通貨金利スワップです。
(3)負債の担保に供している資産
わが国の慣行として、短期及び長期の銀行借入金については、取引約定書により、銀行からの要求があれば現在及び将来の債務に対して担保及び保証の設定を行うことがあります。また、支払期限が到来した場合や当該借入金の返済が不履行となった場合には、銀行は銀行預金と銀行に対する当該債務を相殺する権利があります。
また、各々の取引契約書において、銀行は追加的な担保差入や一定の資産に対する抵当権の設定を要求できることが定められています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、負債の担保に供している資産に重要性はありません。
16.営業債務
(1)営業債務の内訳
営業債務の内訳は、次のとおりです。なお、営業債務は、償却原価で測定される金融負債に分類しています。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
支払手形 |
277,369 |
258,626 |
|
買掛金 |
888,786 |
783,883 |
|
合計 |
1,166,155 |
1,042,509 |
(2)サプライヤー・ファイナンス契約
当社グループは、第三者金融機関及び一部の仕入先との間でサプライヤー・ファイナンス契約を締結しており、当該契約に基づいて、営業債務の一部を第三者金融機関に対して支払いを行っています。
仕入先は、当該契約に基づいて、第三者金融機関により割引後の金額で、早期支払いを受けることができます。
また、当社グループは、サプライヤー・ファイナンス契約のための担保資産あるいは第三者による保証の提供を行っていません。
(単位:百万円)
|
|
当連結会計年度期首 (2024年4月1日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
サプライヤー・ファイナンス契約の対象 |
230,656 |
184,098 |
|
上記のうち、仕入先がすでに第三者 |
(注) |
125,547 |
(注)当社グループは、「サプライヤー・ファイナンス契約」(IAS第7号及びIFRS第7号の改訂)に基づく経過措置を
適用しており、適用初年度の期首現在の情報を開示していません。
サプライヤー・ファイナンス契約の対象である営業債務の支払期日は、サプライヤー・ファイナンス契約の対象ではない比較可能な営業債務の支払期日とほぼ同じであり、第三者金融機関に対して請求日の15日から180日後の支払いです。
当連結会計年度において、サプライヤー・ファイナンス契約の対象となる営業債務の帳簿価額に、重要な非資金変動はありません。
当社グループから第三者金融機関への支払いは、営業サイクルの一部であるため、営業キャッシュ・フローに含まれています。そのため、当社グループでは、仕入先がすでに第三者金融機関から支払いを受けている帳簿価額125,547百万円は非資金取引とみなしています。
当社グループが締結しているサプライヤー・ファイナンス契約は、当該契約に参加していない他の仕入先と合意した通常の支払い条件と比較して大幅な延長をもたらすものではないため、サプライヤー・ファイナンス契約による重大な流動性リスクを抱えていません。
17.従業員給付
(1)確定給付制度
当社は、確定給付型の制度として、外部積立による年金制度(確定給付年金制度)や、退職一時金制度を設けています。これらの制度における給付額は、主として勤続年数及び給与に基づいて計算されます。外部積立による年金制度に関しては、当社及び年金運用受託機関は、制度加入者の利益を最優先にして行動することが法令により求められており、所定の方針に基づき制度資産の運用を行う責任を負っています。また、当社は、将来にわたり確定給付年金制度が定める掛金の拠出義務を負っており、掛金の額は法令が認める範囲で定期的に見直されます。
2002年4月1日より、当社及び一部の子会社は、上記の年金制度を改定してポイント制を導入するとともに、退職一時金制度からキャッシュバランス年金制度に移行しました。また、2013年度に、従来の確定給付年金制度について、2013年7月1日以降の積立分(将来分)を確定拠出年金制度へ移行し、さらに、2019年度に、一部従業員の2013年6月30日以前の積立分(過去分)についても、確定拠出年金制度へ移換しています。これに伴い、これらの会社が加入事業所であったパナソニック企業年金基金は、2020年7月1日付で、基金型確定給付企業年金から規約型確定給付企業年金に移行し、パナソニックグループ確定給付企業年金となっています。
① 確定給付制度債務の現在価値
確定給付制度債務の現在価値の変動は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
期首残高 |
1,201,864 |
1,086,328 |
|
当期勤務費用 |
7,165 |
6,762 |
|
利息費用 |
18,480 |
19,690 |
|
確定給付制度の再測定 |
|
|
|
人口統計上の仮定の変更により生じた 数理計算上の差異 |
△1,538 |
34 |
|
財務上の仮定の変更により生じた 数理計算上の差異 |
△28,649 |
△53,225 |
|
その他 |
3,700 |
△566 |
|
給付額 |
△127,234 |
△97,384 |
|
為替換算差額 |
19,268 |
237 |
|
清算 |
△6,728 |
1,014 |
|
企業結合及び処分による増減 |
- |
1,141 |
|
期末残高 |
1,086,328 |
964,031 |
当期勤務費用は、連結損益計算書の「売上原価」または「販売費及び一般管理費」に含めています。
利息費用は、連結損益計算書の「金融費用」に含めています。
清算は、未払金への振替分を除き、連結損益計算書の「その他の損益」に含めています。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、いずれも10年です。
確定給付制度債務の現在価値の算定に使用した重要な数理計算上の仮定は、次のとおりです。
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
割引率 |
1.9% |
2.6% |
他の仮定に変化がないとして、割引率が変動した場合に確定給付制度債務の現在価値に与える影響は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
仮定の変動 |
確定給付制度債務の現在価値への影響 |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
|
0.5%の上昇 |
47,205(減少) |
41,685(減少) |
|
0.5%の低下 |
51,088(増加) |
39,114(増加) |
感応度分析は他の仮定に変化がないことを前提としており、実際には他の仮定の変化が感応度分析に影響する可能性があります。
② 制度資産の公正価値
各年金制度は異なる投資方針を有し、受給者に対する将来の年金給付に対応できる十分な制度資産を確保すべく策定されており、継続的にその準拠性及び適切性を個別に監視しています。また、当社は、年金制度ごとに、制度資産の長期的な期待収益率を考慮した上で、資本性金融商品及び負債性金融商品の最適な組み合わせからなる「基本」ポートフォリオを策定しています。制度資産は、中長期的な期待収益を生み出すべく、「基本」ポートフォリオの指針に基づいて個別の資本性金融商品及び負債性金融商品に投資されます。当社は、この「基本」ポートフォリオを修正する必要があるかどうかを判断するため、制度資産の長期的な期待収益と実際の運用収益との乖離幅を毎年検証しています。当社は、制度資産の長期的な期待収益率を達成するために必要に応じて「基本」ポートフォリオの見直しを行います。
当社の制度資産は約30%を資本性金融商品、約30%を負債性金融商品で運用し、生命保険会社の一般勘定などのその他資産で約40%を運用しています。
当社の主要な年金制度において、資本性金融商品は主に上場株式であり、日本株式、他の先進国の株式、エマージング市場株式など幅広く分散されています。負債性金融商品は主に国債・公債、社債から構成されており、格付けがトリプルB格以上、流動性が高く、償還日が適切であるなどの発行条件に制限し、種類、地理など適切な分散投資を行っています。生命保険会社の一般勘定は、一定の予定利率と元本が保証されています。その他の投資にはファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資、プライベートエクイティ投資等が含まれています。ファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資は、主に頻繁に取引される上場株式・債券を投資対象とし、より安定的に収益を得られることを目指しています。プライベートエクイティ投資は、相関関係が低い資産に分散しています。
制度資産の公正価値の変動は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
期首残高 |
1,177,164 |
1,186,670 |
|
利息収益 |
18,357 |
21,465 |
|
確定給付制度の再測定 |
|
|
|
制度資産に係る収益 |
93,775 |
△32,359 |
|
事業主拠出 |
11,954 |
8,767 |
|
給付額 |
△124,520 |
△94,918 |
|
為替換算差額 |
16,668 |
254 |
|
清算 |
△6,728 |
△1,305 |
|
企業結合及び処分による増減 |
- |
△39 |
|
期末残高 |
1,186,670 |
1,088,535 |
なお、当社は、翌連結会計年度に5,597百万円の掛金を拠出する予定です。
制度資産の種類別の公正価値は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(2024年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
活発な市場における 公表市場価格があるもの |
活発な市場における 公表市場価格がないもの |
合計 |
|
現金及び現金同等物 |
44,881 |
- |
44,881 |
|
資本性金融商品 |
|
|
|
|
国内株式 |
87,223 |
- |
87,223 |
|
外国株式 |
13,652 |
- |
13,652 |
|
信託合同口・投資信託(注1) |
- |
265,926 |
265,926 |
|
負債性金融商品 |
|
|
|
|
国債・公債 |
51,866 |
- |
51,866 |
|
信託合同口(注2) |
- |
297,005 |
297,005 |
|
生命保険会社の一般勘定 |
- |
306,771 |
306,771 |
|
その他(注3) |
- |
119,346 |
119,346 |
|
合計 |
197,622 |
989,048 |
1,186,670 |
(ⅱ)当連結会計年度末(2025年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
活発な市場における 公表市場価格があるもの |
活発な市場における 公表市場価格がないもの |
合計 |
|
現金及び現金同等物 |
112,436 |
- |
112,436 |
|
資本性金融商品 |
|
|
|
|
国内株式 |
12,722 |
- |
12,722 |
|
外国株式 |
8,610 |
- |
8,610 |
|
信託合同口・投資信託(注1) |
- |
217,298 |
217,298 |
|
負債性金融商品 |
|
|
|
|
国債・公債 |
50,205 |
- |
50,205 |
|
社債 |
- |
2,137 |
2,137 |
|
信託合同口(注2) |
- |
280,709 |
280,709 |
|
生命保険会社の一般勘定 |
- |
294,064 |
294,064 |
|
その他(注3) |
- |
110,354 |
110,354 |
|
合計 |
183,973 |
904,562 |
1,088,535 |
(注1) 信託合同口・投資信託は主に上場株式に投資し、約40%を国内株式、約60%を外国株式に運用しています。
(注2) 信託合同口は主に日本国債と外国国債に投資しています。
(注3) 主にファンドオブファンズ投資、株式ロング・ショート・ヘッジファンド投資が含まれています。
③ 資産上限額の影響
資産上限額の影響の変動は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
||
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
期首における影響額 |
- |
45,613 |
|
利息収益 |
- |
- |
|
確定給付制度の再測定 |
|
|
|
資産上限額の影響の変動 |
45,613 |
38,566 |
|
期末における影響額 |
45,613 |
84,179 |
(注)確定給付制度が積立超過である場合に、連結財政状態計算書に計上する確定給付資産(その他の非流動資産)は、確定給付制度からの返還及び確定給付制度に対する将来掛金の減額という利用可能な将来の経済的便益の現在価値を上限としています。
④ 連結財政状態計算書において認識している資産及び負債
確定給付制度について連結財政状態計算書に計上している資産及び負債の金額は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
確定給付制度債務の現在価値 |
1,086,328 |
964,031 |
|
制度資産の公正価値 |
1,186,670 |
1,088,535 |
|
資産上限額の影響 |
45,613 |
84,179 |
|
合計 |
△54,729 |
△40,325 |
|
連結財政状態計算書上の金額 |
|
|
|
退職給付に係る負債 |
44,922 |
44,222 |
|
退職給付に係る資産 |
99,651 |
84,547 |
|
純額 |
△54,729 |
△40,325 |
(2)確定拠出制度
確定拠出制度に関して費用として計上された金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ36,160百万円及び36,025百万円です。
(3)従業員給付費用
連結損益計算書上、「売上原価」及び「販売費及び一般管理費」に含まれる従業員給付費用の合計は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,874,205百万円及び1,937,571百万円です。また、「その他の損益」に含まれる従業員給付費用の合計は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ11,546百万円(費用)及び11,029百万円(費用)です。
18.引当金
当連結会計年度における引当金の増減内訳は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
製品保証引当金 |
構造改革引当金 |
その他 |
合計 |
|
2024年3月31日残高 |
46,088 |
2,820 |
96,680 |
145,588 |
|
期中増加額 |
20,846 |
19,898 |
31,224 |
71,968 |
|
期中減少額(目的使用) |
△19,951 |
△14,094 |
△34,698 |
△68,743 |
|
その他 |
△9,216 |
- |
△20,406 |
△29,622 |
|
2025年3月31日残高 |
37,767 |
8,624 |
72,800 |
119,191 |
引当金の流動、非流動区分ごとの内訳は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
流動負債 |
138,531 |
113,346 |
|
非流動負債 |
7,057 |
5,845 |
|
合計 |
145,588 |
119,191 |
製品保証引当金は、製品及びサービスの品質・性能につき、一定期間の品質保証をしており、そのアフターサービスに対する費用支出に備えるため、保証期間内のサービス費用見込額を過去の実績を基礎にして計上しています。
構造改革引当金は、国内外における経営効率改善やコスト効率化を目的として実施する構造改革活動に係る費用を見積り、引当計上したものです。支払時期は、将来の事業計画等の影響を受けますが、通常、発生から1年以内に完了する短期的性質のものです。
その他の引当金には、品質対応・市場対策に係る引当金等が含まれています。
品質対応・市場対策に係る引当金は、市場措置にかかる費用を個々の案件ごとに合理的に見積り可能な金額を引当計上したものです。
19.その他の金融負債
その他の金融負債の内訳は、次のとおりです。
なお、前連結会計年度末まで、償却原価で測定する金融負債の「その他」に含めて表示していた「売却として会計処理していないセール・アンド・リースバックに係る金融負債」については、当連結会計年度末より金額的重要性が増したため、独立掲記し、前連結会計年度末の記載を組み替えて表示しています。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
償却原価で測定する金融負債 |
|
|
|
預り金 |
86,273 |
67,624 |
|
設備関係支払手形 |
14,683 |
6,691 |
|
長期未払金 |
488 |
- |
|
売却として会計処理していないセール・ |
7,539 |
15,841 |
|
その他(注) |
24,115 |
62,271 |
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 |
|
|
|
デリバティブ負債 |
22,284 |
25,511 |
|
その他 |
6,974 |
4,132 |
|
合計 |
162,356 |
182,070 |
|
うち流動負債 |
148,158 |
125,459 |
|
うち非流動負債 |
14,198 |
56,611 |
(注)当連結会計年度末の「償却原価で測定する金融負債」の「その他」には、One Network Enterprises, Inc.の支配獲得のために付与した一定の条件でBlue Yonder株式を取得できる権利(ユニット)のうち、負債として認識している部分が含まれています(「37.企業結合」参照)。
20.その他の負債
その他の負債の内訳は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
未払人件費等 |
248,553 |
229,642 |
|
返金負債 |
180,435 |
268,414 |
|
未払消費税等 |
25,093 |
28,000 |
|
その他 |
63,752 |
60,278 |
|
合計 |
517,833 |
586,334 |
|
うち流動負債 |
506,821 |
480,952 |
|
うち非流動負債 |
11,012 |
105,382 |
21.資本
(1)資本管理
当社は、経営活動における資金運用と原資調達の方法・条件等を管理して、投下資金の効率向上による資金コスト軽減と財務構造の安定良化を図ることを基本方針としています。
また、事業収益力強化並びに継続的な在庫削減、設備投資の絞込み、保有資産の見直し等によりフリーキャッシュ・フローを創出・向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。
当社が資本管理として用いる主な指標は、次のとおりです。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
ネット資金(注1) |
△445,697百万円 |
△653,214百万円 |
|
親会社所有者帰属持分比率 |
48.3% |
50.2% |
|
親会社所有者帰属持分当期純利益率 |
10.9% |
7.9% |
|
フリーキャッシュ・フロー(注2) |
288,055百万円 |
△63,843百万円 |
|
設備投資額(注3) |
568,004百万円 |
768,852百万円 |
|
減価償却費(注4) |
207,237百万円 |
221,134百万円 |
(注1) 「現金及び現金同等物」及び「その他の金融資産」に含まれる定期預金等の合計から、有利子負債のうち「短期負債及び一年以内返済長期負債」、「長期負債」及び「リース負債」(流動負債及び非流動負債)の合計を差し引いて算出しています。
(注2) 営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計です。
(注3) 「有形固定資産」の発生ベースの増加額です。
(注4) 「有形固定資産」の減価償却費です。
なお、当社が適用を受ける重要な資本規制はありません。
(2)資本金
当社の発行可能株式総数及び発行済株式数は、次のとおりです。
なお、当社が発行する株式はすべて無額面の普通株式であり、発行済株式は全額払込済みです。
|
(単位:株) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
発行可能株式総数 |
4,950,000,000 |
4,950,000,000 |
|
発行済株式数 |
|
|
|
期首残高 |
2,454,056,597 |
2,454,261,297 |
|
期中増減(注) |
204,700 |
185,200 |
|
期末残高 |
2,454,261,297 |
2,454,446,497 |
(注)前連結会計年度及び当連結会計年度における期中増加は譲渡制限付株式報酬制度に基づく新株式発行によるものです。
上記の発行済株式数に含まれる自己株式数は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ119,915,128株及び119,857,118株です。また、関連会社が保有する当社の株式数は前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、いずれも14,828,453株です。
(3)資本剰余金及び利益剰余金
わが国の会社法では、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金額の25%に達するまで、剰余金が配当により減少する金額の10%を資本準備金または利益準備金として積み立てることが要求されています。資本準備金及び利益準備金は、配当原資とすることはできませんが、株主総会の決議を経て資本剰余金、その他の剰余金または資本金に振り替えることが可能です。
また、取得した自己株式については、分配可能額の計算に含めることが制限されています。取得した自己株式に関して、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ209,359百万円及び209,248百万円を分配可能額の計算に含めることが制限されています。
(4)その他の資本の構成要素
その他の資本の構成要素の内訳及び増減内容は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
純損益に振り替えられる ことのない項目 |
純損益に振り替えられる 可能性のある項目 |
合計 |
||
|
確定給付制度の 再測定 |
その他の包括 利益を通じて 公正価値で 測定する金融資産 |
在外営業活動体の換算差額 |
キャッシュ・ フロー・ヘッジの 公正価値の純変動 |
||
|
2023年3月31日残高 |
- |
37,428 |
431,992 |
△5,656 |
463,764 |
|
当期発生額 |
|
|
|
|
|
|
税効果調整前 |
74,649 |
20,268 |
505,798 |
11,071 |
611,786 |
|
税効果額 |
△20,888 |
△3,406 |
- |
△3,387 |
△27,681 |
|
税効果調整後 |
53,761 |
16,862 |
505,798 |
7,684 |
584,105 |
|
純損益への振替額 |
|
|
|
|
|
|
税効果調整前 |
- |
- |
△668 |
△6,232 |
△6,900 |
|
税効果額 |
- |
- |
- |
1,902 |
1,902 |
|
税効果調整後 |
- |
- |
△668 |
△4,330 |
△4,998 |
|
その他の包括利益 -税効果調整後(△は損失) |
53,761 |
16,862 |
505,130 |
3,354 |
579,107 |
|
非支配持分への帰属 |
774 |
1,509 |
8,551 |
△28 |
10,806 |
|
ヘッジ対象の非金融資産への振替 |
- |
- |
- |
△3,503 |
△3,503 |
|
利益剰余金への振替 |
△52,987 |
△28,063 |
- |
- |
△81,050 |
|
2024年3月31日残高 |
- |
24,718 |
928,571 |
△5,777 |
947,512 |
|
当期発生額 |
|
|
|
|
|
|
税効果調整前 |
△17,168 |
△18,136 |
△77,552 |
7,992 |
△104,864 |
|
税効果額 |
4,681 |
2,498 |
△388 |
△2,372 |
4,419 |
|
税効果調整後 |
△12,487 |
△15,638 |
△77,940 |
5,620 |
△100,445 |
|
純損益への振替額 |
|
|
|
|
|
|
税効果調整前 |
- |
- |
△31,211 |
3,787 |
△27,424 |
|
税効果額 |
- |
- |
- |
△1,157 |
△1,157 |
|
税効果調整後 |
- |
- |
△31,211 |
2,630 |
△28,581 |
|
その他の包括利益 -税効果調整後(△は損失) |
△12,487 |
△15,638 |
△109,151 |
8,250 |
△129,026 |
|
非支配持分への帰属 |
305 |
△1,873 |
△766 |
56 |
△2,278 |
|
ヘッジ対象の非金融資産への振替 |
- |
- |
- |
△1,483 |
△1,483 |
|
利益剰余金への振替 |
12,792 |
△14,227 |
- |
- |
△1,435 |
|
2025年3月31日残高 |
- |
△3,274 |
820,186 |
934 |
817,846 |
(5)配当
① 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
(ⅰ)配当金の支払額
|
決議 |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
配当の原資 |
1株当たり 配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
|
2023年5月10日 取締役会 |
普通株式 |
35,012 |
利益剰余金 |
15.0 |
2023年3月31日 |
2023年6月2日 |
|
2023年10月30日 取締役会 |
普通株式 |
40,850 |
利益剰余金 |
17.5 |
2023年9月30日 |
2023年11月30日 |
(ⅱ)基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
|
決議 |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
配当の原資 |
1株当たり 配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
|
2024年5月9日 取締役会 |
普通株式 |
40,851 |
利益剰余金 |
17.5 |
2024年3月31日 |
2024年6月3日 |
② 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
(ⅰ)配当金の支払額
|
決議 |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
配当の原資 |
1株当たり 配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
|
2024年5月9日 取締役会 |
普通株式 |
40,851 |
利益剰余金 |
17.5 |
2024年3月31日 |
2024年6月3日 |
|
2024年10月31日 取締役会 |
普通株式 |
46,692 |
利益剰余金 |
20.0 |
2024年9月30日 |
2024年12月2日 |
(ⅱ)基準日が当期に属する配当のうち、配当の効力発生日が翌期となるもの
|
決議 |
株式の種類 |
配当金の総額 (百万円) |
配当の原資 |
1株当たり 配当額 (円) |
基準日 |
効力発生日 |
|
2025年5月9日 取締役会 |
普通株式 |
65,369 |
利益剰余金 |
28.0 |
2025年3月31日 |
2025年6月2日 |
22.株式報酬制度
(1)当社の株式報酬制度
① 譲渡制限付株式報酬制度
当社は、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えるとともに、当社株主との一層の価値共有を進めることを目的として、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員等に対し、譲渡制限付株式報酬制度を導入しています。
この制度のもと、付与対象者は、当社との間で譲渡制限付株式割当契約を締結した上で、当社から支給された金銭報酬債権の全部を現物出資財産として払込み、当社の普通株式について発行又は処分を受けることとなります。譲渡制限期間は、当該割当契約に基づき、原則として割当を受けた日より当社の取締役、取締役を兼務しない執行役員、フェロー、もしくは当社子会社の取締役及び執行役員または当社の取締役会が予め定める地位のいずれの地位からも退任または退職した直後の時点までの期間としています(2022年7月以前発行分は、原則として、割当を受けた日より3年間から30年間までの間で当社の取締役会が予め定める期間)。また、譲渡制限期間満了時点又は譲渡制限解除時点において、譲渡制限が解除されない本割当株式については、当社が無償で取得することとなります。
前連結会計年度及び当連結会計年度に割当された譲渡制限付株式は、次のとおりです。
なお、割当日における1株当たり公正価値は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2023年6月23日、2024年6月21日及び2024年7月30日(取締役会決議日の前営業日)の東京証券取引所における当社普通株式の終値に基づき測定しています。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||||
|
割当日 |
2023年7月13日 |
2024年7月11日 |
2024年8月21日 |
|||
|
譲渡制限付株式の付与数 |
当社普通株式 |
204,700株 |
当社普通株式 |
179,700株 |
当社普通株式 |
5,500株 |
|
割当日における 1株当たり公正価値 |
|
1,674.5円 |
|
1,309円 |
|
1,206円 |
② 株式報酬型ストックオプション制度
当社は、当社株主と株価変動のメリットとリスクを共有し、長期的な業績向上及び企業価値向上に向けた動機付けを高めることを目的として、当社取締役(社外取締役を除く)及び当社執行役員等に対し、2014年度に株式報酬型ストックオプション(新株予約権)制度を導入し、2018年度まで運用してきました。
この制度のもとで付与された新株予約権は付与日に完全に権利確定しています。新株予約権は、行使できる期間内において、当社の取締役、役員及びこれらに準ずる地位を喪失した日(以下、「地位喪失日」という)の翌日以降、行使できます。なお、2016年度8月以降に発行した新株予約権については、地位喪失日の翌日、または、新株予約権の割当日の翌日から3年間を経過した日の翌日のいずれか早い日から行使できます。また、新株予約権の行使価格は1株当たり1円です。
新株予約権を行使した場合、原則として、新株予約権1個当たり当社普通株式100株が付与されます。ただし、当社が当社普通株式の株式分割(当社普通株式の株式無償割当てを含む)または株式併合を行う場合には、一定の算式により付与株式数を調整します。
行使期間は割当契約に定められた期間であり、その期間内に行使されない場合は、当該新株予約権は失効します。
なお、株式報酬型ストックオプション制度のもとで、2014年度から2018年度の期間中、新株予約権の付与を受ける資格を有しており、かつ、海外在勤であった者に対しては、当該者が帰任した際に、海外在勤期間中に留保していた新株予約権が付与されます。2020年度7月発行新株予約権は、この取り扱いにより発行されたものです。
前連結会計年度及び当連結会計年度において存在する当社のストックオプションは、次のとおりです。
|
名称 |
付与日 |
付与数 |
付与日における 新株予約権1個 当たり公正価値 |
行使期間 |
|
パナソニック株式会社 2014年度8月発行 新株予約権 |
2014年8月22日 |
2,088個 |
105,400円 |
自 2014年8月23日 至 2044年8月22日 |
|
パナソニック株式会社 2015年度8月発行 新株予約権 |
2015年8月20日 |
1,729個 |
112,400円 |
自 2015年8月21日 至 2045年8月20日 |
|
パナソニック株式会社 2016年度8月発行 新株予約権 |
2016年8月23日 |
5,800個 |
71,300円 |
自 2016年8月24日 至 2046年8月23日 |
|
パナソニック株式会社 2017年度8月発行 新株予約権 |
2017年8月23日 |
3,561個 |
112,800円 |
自 2017年8月24日 至 2047年8月23日 |
|
パナソニック株式会社 2018年度7月発行 新株予約権 |
2018年7月18日 |
3,473個 |
106,400円 |
自 2018年7月19日 至 2048年7月18日 |
|
パナソニック株式会社 2020年度7月発行 新株予約権 |
2020年7月13日 |
58個 |
63,300円 |
自 2020年7月14日 至 2050年7月13日 |
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるストックオプション数の変動及び加重平均行使価格は、以下のとおりです。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
オプション数 (個) |
加重平均行使価格(円/株) |
オプション数 (個) |
加重平均行使価格(円/株) |
|
|
期首未行使残高 |
6,990 |
1 |
6,368 |
1 |
|
期中付与 |
- |
- |
- |
- |
|
期中失効 |
- |
- |
- |
- |
|
期中行使 |
△622 |
1 |
△867 |
1 |
|
期中満期消滅 |
- |
- |
- |
- |
|
期末未行使残高 |
6,368 |
1 |
5,501 |
1 |
|
期末行使可能残高 |
5,552 |
1 |
4,685 |
1 |
期中行使されたストックオプションの行使日における加重平均株価は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ1,457円及び1,136円です。また、未行使のストックオプションの行使価格は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、いずれも1株当たり1円であり、加重平均残存契約年数は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、期末未行使残高についてはそれぞれ7.6年及び6.9年、期末行使可能残高についてはそれぞれ5.7年及び4.7年です。
(2)連結子会社の株式報酬制度
① 譲渡制限付株式ユニット(RSU)制度
当社の一部の連結子会社は、同社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを目的として、同社の一部の従業員に対し、譲渡制限付株式ユニット(RSU)制度を導入しています。
この制度のもと、付与対象者は、同社との間で譲渡制限付株式ユニット契約を締結した上で、付与日においてユニットを付与され、契約で定められた業績条件を満たすことにより権利が確定し、同社の議決権制限株式の付与又は一定の事由が生じた場合には金銭その他の財産の交付を受けます。業績条件は、付与日から譲渡制限付株式ユニット契約で定められた期間にわたって継続して勤務し、同社の株式がいずれかの金融商品取引所に上場され一定期間が経過した場合の他、一定の事由が生じた場合に達成されます。なお、譲渡制限付株式ユニット契約には、権利確定前に付与対象者が同社を退職した場合や特定の事由による場合にはユニットの権利を失効することや、一定の事由が生じた場合にはその時点のユニットの公正価値により同社が当該RSUの全部又は一部を取得することなどが含まれています。
費用は、業績条件の達成可能性が高いと判断した時点において、付与日からその時点までの期間について認識し、その後は権利が確定するまでの期間にわたり認識します。
前連結会計年度及び当連結会計年度に付与されたRSUの付与数及び加重平均公正価値は、次のとおりです。
なお、付与日における1ユニット当たり公正価値は、付与日時点において算定された企業価値評価額を基礎として、非流動性ディスカウントを考慮して測定しています。予想配当は公正価値の測定に織り込んでいません。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
RSUの付与数(ユニット) |
474,929 |
143,133 |
|
1ユニット当たり加重平均公正価値(米ドル) |
566.91 |
586.82 |
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるRSUのユニット数の変動は、以下のとおりです。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
権利数 (ユニット) |
権利数 (ユニット) |
|
|
期首未行使残高 |
- |
474,929 |
|
期中付与 |
474,929 |
143,133 |
|
期中失効 |
- |
△50,536 |
|
期中行使 |
- |
- |
|
期末未行使残高 |
474,929 |
567,526 |
|
期末行使可能残高 |
- |
- |
② プロフィット・インタレスト・ユニット(PIU)制度
当社の一部の連結子会社は、同社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブを与えることを目的として、同社の一部の上級幹部に対し、プロフィット・インタレスト・ユニット(PIU)制度を導入しています。
この制度のもと、付与対象者は、同社との間でユニット引受契約を締結した上で、付与日においてユニットを付与され、契約で定められた業績条件を満たすことにより権利が確定し、権利確定時点における公正価値を基礎として決定された交換比率により同社の議決権制限株式との交換、又は一定の事由が生じた場合には金銭その他の資産の交付を受けます。業績条件は、付与日からユニット引受契約で定められた期間にわたって継続して役務提供し、同社の株式がいずれかの金融商品取引所に上場され一定期間が経過した場合の他、一定の事由が生じた場合に達成されます。なお、ユニット引受契約には、権利確定前に付与対象者から同社への役務提供がされなくなった場合や特定の事由による場合にはユニットの権利を失効することや、一定の事由が生じた場合にはその時点のユニットの公正価値により同社が当該PIUの全部又は一部を取得することなどが含まれています。
費用は、業績条件の達成可能性が高いと判断した時点において、付与日からその時点までの期間について認識し、その後は権利が確定するまでの期間にわたり認識します。
前連結会計年度に付与されたPIUの付与数及び加重平均公正価値は、次のとおりです。
なお、付与日における1ユニット当たり公正価値は、オプション価格法を用いて付与日時点において算定された評価額に、非流動性ディスカウントを考慮して測定しています。予想配当は公正価値の測定に織り込んでいません。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
PIUの付与数(ユニット) |
396,893 |
- |
|
1ユニット当たり加重平均公正価値(米ドル) |
340.75 |
- |
前連結会計年度及び当連結会計年度におけるPIUのユニット数の変動は、以下のとおりです。
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
権利数 (ユニット) |
権利数 (ユニット) |
|
|
期首未行使残高 |
- |
396,893 |
|
期中付与 |
396,893 |
- |
|
期中失効 |
- |
△22,932 |
|
期中行使 |
- |
- |
|
期末未行使残高 |
396,893 |
373,961 |
|
期末行使可能残高 |
- |
- |
(3)株式報酬費用
株式報酬に関して計上された費用は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ318百万円及び261百万円です。
なお、株式報酬に関して計上された費用は、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」に含めています。
23.収益
(1)顧客との契約から認識した収益
前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書に計上している「売上高」8,496,420百万円及び8,458,185百万円は、主に「顧客との契約から認識した収益」です。
(2)収益の分解
当社は、顧客との契約から生じる収益を、その性質を適切に反映する製品別及び地域別(顧客の所在地別)に分解しています。製品別及び地域別の収益は、報告セグメント毎に分解しています。
くらし事業の製品は、「くらしアプライアンス」「空質空調」「コールドチェーンソリューション」「エレクトリックワークス」「その他」に区分しています。「くらしアプライアンス」には、冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、洗濯機、掃除機、美・理容器具等が含まれています。「空質空調」には、家庭用空調機器、業務用空調機器、ヒートポンプ式温水給湯暖房機、換気・送風機器、空気清浄機等が含まれています。「コールドチェーンソリューション」には、ショーケース、業務用冷蔵庫等が含まれています。「エレクトリックワークス」には、照明器具、ランプ、配線器具、太陽光発電システム、燃料電池等が含まれています。「その他」には、コンプレッサー、自転車、介護関連等が含まれています。
オートモーティブの製品は、「車載コックピットシステム」「車載エレクトロニクス」「その他」に区分しています。「車載コックピットシステム」には、車載インフォテインメントシステム、「車載エレクトロニクス」には、ヘッドアップディスプレイ、車載スピーカーシステム、車載スイッチ、先進運転支援システム(ADAS)等が含まれています。「その他」には、他社買入商品が含まれています。
コネクトの製品は、「ハードウェアソリューション」「SCMソリューション」に区分しています。「ハードウェアソリューション」には、航空機内エンターテインメントシステム・通信サービス、電子部品実装システム、溶接機、プロジェクター、パソコン・タブレット等が含まれています。「SCMソリューション」には、現場ソリューションカンパニーのソリューション事業、SCMソフトウェア等が含まれています。
インダストリーの製品は、「電子デバイス」「FAソリューション」「電子材料」「その他」に区分しています。「電子デバイス」には、コンデンサ(導電性高分子、xEV用フィルム、アルミハイブリッド)、EVリレー等が含まれています。「FAソリューション」には、産業用モーター(サーボモーター、車載モーター、空調モーター)、FAデバイス(PLC、光電センサー、レーザーマーカー)等が含まれています。「電子材料」には、高機能多層材料、半導体デバイス材料、成形材料等が含まれています。「その他」には、他社商材等が含まれています。
エナジーの製品は、「車載」「産業・民生」に区分しています。「車載」には車載用円筒形リチウムイオン電池、「産業・民生」には一次電池(乾電池、マイクロ電池)、小型二次電池(単品セルとそのシステム商品)等が含まれています。
その他は、エンターテインメント&コミュニケーション、ハウジング及び原材料の販売等が含まれています。エンターテインメント&コミュニケーションには、テレビ、デジタルカメラ、業務用カメラシステム、ビデオ機器、オーディオ機器、固定電話等、ハウジングには、水まわり設備、内装建材、外装建材等が含まれています。
これらの分解した収益は、次のとおりです。
なお、注記「4.セグメント情報」に記載のとおり、2024年4月1日付で、一部の事業をセグメント間で移管しています。
また、2024年12月2日付でPASの株式譲渡が完了したことに伴い、一部の事業をセグメント間で移管しています。従来の「オートモーティブ」の製品のうち、引き続き当社の連結対象となる事業に係る製品は、「その他」に区分し、「オートモーティブ」は、PASの株式譲渡に伴い、非連結化した事業の非連結化するまでの期間の売上高で算出しています。
前連結会計年度及び当連結会計年度の収益の分解については、移管後の形態に合わせて組み替えて表示しています。
① 前連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
報告セグメント |
製品別 |
売上高 |
|
地域別 |
売上高 |
|
くらし事業 |
くらしアプライアンス |
917,686 |
|
日本 |
1,554,776 |
|
空質空調 |
693,509 |
|
米州 |
391,044 |
|
|
コールドチェーンソリューション |
354,844 |
|
欧州 |
211,014 |
|
|
エレクトリックワークス |
673,226 |
|
アジア・中国他 |
936,309 |
|
|
その他 |
453,878 |
|
|
|
|
|
小計(注1) |
3,093,143 |
|
小計(注1) |
3,093,143 |
|
|
オートモーティブ |
車載コックピットシステム |
554,382 |
|
日本 |
452,587 |
|
車載エレクトロニクス |
370,091 |
|
米州 |
335,926 |
|
|
その他 |
159,795 |
|
欧州 |
143,276 |
|
|
|
|
|
アジア・中国他 |
152,479 |
|
|
小計(注1) |
1,084,268 |
|
小計(注1) |
1,084,268 |
|
|
コネクト |
ハードウェアソリューション |
769,708 |
|
日本 |
325,045 |
|
SCMソリューション |
382,386 |
|
米州 |
490,461 |
|
|
|
|
|
欧州 |
163,844 |
|
|
|
|
|
アジア・中国他 |
172,744 |
|
|
小計(注1) |
1,152,094 |
|
小計(注1) |
1,152,094 |
|
|
インダストリー |
電子デバイス |
526,466 |
|
日本 |
249,242 |
|
FAソリューション |
74,615 |
|
米州 |
65,503 |
|
|
電子材料 |
150,649 |
|
欧州 |
174,646 |
|
|
その他 |
155,266 |
|
アジア・中国他 |
417,605 |
|
|
小計(注1) |
906,996 |
|
小計(注1) |
906,996 |
|
|
エナジー |
車載 |
599,221 |
|
日本 |
85,203 |
|
産業・民生 |
335,206 |
|
米州 |
714,974 |
|
|
|
|
|
欧州 |
30,518 |
|
|
|
|
|
アジア・中国他 |
103,732 |
|
|
小計(注1) |
934,427 |
|
小計(注1) |
934,427 |
|
|
その他(注2) |
1,325,492 |
|
|
|
|
|
合計 |
8,496,420 |
|
|
|
|
(注1)収益の分解の「小計」と、注記「4.(2)セグメント情報」の「外部顧客に対する売上高」との差額は、各セグメントの製品を他のセグメントで販売した売上高に関する調整等です。
(注2)その他には、エンターテインメント&コミュニケーションの製品売上高346,917百万円及びハウジングの製品売上高396,021百万円が含まれています。
② 当連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
報告セグメント |
製品別 |
売上高 |
|
地域別 |
売上高 |
|
くらし事業 |
くらしアプライアンス |
932,542 |
|
日本 |
1,642,872 |
|
空質空調 |
773,869 |
|
米州 |
391,317 |
|
|
コールドチェーンソリューション |
362,773 |
|
欧州 |
202,578 |
|
|
エレクトリックワークス |
684,904 |
|
アジア・中国他 |
1,002,518 |
|
|
その他 |
485,197 |
|
|
|
|
|
小計(注1) |
3,239,285 |
|
小計(注1) |
3,239,285 |
|
|
オートモーティブ |
車載コックピットシステム |
353,491 |
|
日本 |
283,868 |
|
車載エレクトロニクス |
230,401 |
|
米州 |
218,220 |
|
|
その他 |
102,120 |
|
欧州 |
93,102 |
|
|
|
|
|
アジア・中国他 |
90,822 |
|
|
小計(注1) |
686,012 |
|
小計(注1) |
686,012 |
|
|
コネクト |
ハードウェアソリューション |
838,953 |
|
日本 |
361,297 |
|
SCMソリューション |
434,851 |
|
米州 |
388,559 |
|
|
|
|
|
欧州 |
214,496 |
|
|
|
|
|
アジア・中国他 |
309,452 |
|
|
小計(注1) |
1,273,804 |
|
小計(注1) |
1,273,804 |
|
|
インダストリー |
電子デバイス |
548,294 |
|
日本 |
235,607 |
|
FAソリューション |
84,622 |
|
米州 |
67,517 |
|
|
電子材料 |
171,865 |
|
欧州 |
161,773 |
|
|
その他 |
137,400 |
|
アジア・中国他 |
477,284 |
|
|
小計(注1) |
942,181 |
|
小計(注1) |
942,181 |
|
|
エナジー |
車載 |
471,896 |
|
日本 |
83,077 |
|
産業・民生 |
409,083 |
|
米州 |
650,837 |
|
|
|
|
|
欧州 |
38,089 |
|
|
|
|
|
アジア・中国他 |
108,976 |
|
|
小計(注1) |
880,979 |
|
小計(注1) |
880,979 |
|
|
その他(注2) |
1,435,924 |
|
|
|
|
|
合計 |
8,458,185 |
|
|
|
|
(注1)収益の分解の「小計」と、注記「4.(2)セグメント情報」の「外部顧客に対する売上高」との差額は、各セグメントの製品を他のセグメントで販売した売上高に関する調整等です。
(注2)その他には、エンターテインメント&コミュニケーションの製品売上高344,882百万円及びハウジングの製品売上高404,555百万円が含まれています。
(3)履行義務に関する情報
履行義務に関する情報(財又はサービスの内容、履行義務を充足する時期及びその決定、変動対価)は、次のとおりです。なお、当社は履行義務の充足時点から、通常1年以内に支払いを受けており、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれていないため、その影響について対価の調整を行っている顧客との契約はありません。
また、当社は、製品、機器、据付及びメンテナンス等の組み合わせによる多様な取引契約を顧客と締結しています。このような契約については、一定の要件を満たす場合、別個の履行義務として識別し、それぞれに配分した取引価格を、その履行義務の充足に応じて収益として認識しています。
① 製品の売上
当社は、主に家庭用製品(くらし事業における「くらしアプライアンス」、「空質空調」、エナジーにおける「産業・民生」等)、産業用製品及び製造機器(くらし事業における「空質空調」、「コールドチェーンソリューション」、「エレクトリックワークス」、オートモーティブにおける「車載コックピットシステム」、「車載エレクトロニクス」、コネクトにおける「ハードウェアソリューション」、インダストリーにおける「電子デバイス」、「FAソリューション」、「電子材料」、エナジーにおける「車載」、「産業・民生」等)、及び消耗品等の製品販売を行っています。
これらの取引については、原則として、製品の引渡時点において顧客がその支配を獲得した一時点で、履行義務を充足することから、当該製品の引渡時点において収益を認識しています。また、特定の顧客との長期契約に基づく製品の供給については、一定の期間にわたり履行義務を充足することから、その進捗度に応じて収益を認識しています。
売上高は、顧客への約束した財又はサービスの移転と交換に企業が権利を得ると見込んでいる対価の金額(以下、「取引価格」)で測定しています。
当社は、主に消費者向け販売店に対して支払う価格下落の補償や販売リベートを、売上高から控除しています。このように契約において約束された対価が変動性のある金額(以下、「変動対価」)を含んでいる場合には、変動対価に関する不確実性がその後に解消される際に、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めています。また、当社は、顧客から対価を受け取り、その対価の一部又は全部を顧客に返金すると見込んでいる場合には、当該金額を返金負債として認識しています。
② 請負工事契約
当社は、住宅、電気・建築設備、環境関連設備(くらし事業における「エレクトリックワークス」)、防災・セキュリティ関連設備に関する設計・施工(コネクトにおける「SCMソリューション」)、システムインテグレーション(コネクトにおける「SCMソリューション」)等を行っています。
これらの取引については、原則として、一定の期間にわたり履行義務を充足することから、その進捗度に応じて収益を認識しています。工事の進捗度を合理的に測定できる場合にのみ、期末日における見積総原価に対する累積実際発生原価の割合に基づくインプット法を使用して、売上高を計上しています。当初の売上高の見積り、完成までの進捗状況に変更が生じる可能性がある場合、見積りの見直しを行っています。
工事の進捗度を合理的に測定できない場合には、発生した原価のうち回収可能性が高いと判断される部分と同額を売上高として計上しています。原価は、それらが生じた会計期間に売上原価として純損益に認識しています。
請負工事契約において、工事完成前に受領した金額のうち、履行義務を果たしていない部分について、契約負債として認識しています。
③ 役務の提供
当社は、①製品の売上及び②請負工事契約に付随して発生する修理依頼やメンテナンス、電気・建築設備、環境関連設備や防災・セキュリティ関連設備に関する調査・分析・監理・メンテナンス等の役務提供を行っています。
これらの取引による売上高は一定の期間にわたり履行義務を充足することから、原則として、②請負工事契約と同様に、その進捗度に応じて収益を認識しています。また、一部の契約については、契約期間にわたり定額で収益を認識しています。
なお、当社は、一部の販売取引に付随して発生する製品保証サービスについて、一定の期間にわたって履行義務を充足することから、延長保証期間にわたり収益を認識しています。
また、コネクトにおける「SCMソリューション」のソフトウェアやアプリケーションの提供サービスは、一定の期間にわたって履行義務を充足することから、顧客による利用期間にわたって収益を認識しています。更に、「ハードウェアソリューション」のリペアサービスなどは、顧客に定額又は従量制で課金を行っており、一定の期間にわたって履行義務を充足することから、顧客による利用期間にわたって収益を認識しています。
(4)残存履行義務に配分した取引価格
期末日時点で充足されていない履行義務に配分した取引価格の総額は、当連結会計年度末において365,488百万円(前連結会計年度末:352,143百万円)です。当該金額は、主にソフトウェア等の提供サービス、工事契約に係るものであり、顧客による利用期間や、工事の進捗に応じてそれぞれ収益認識しています。ソフトウェア等の提供サービスや主な工事契約については概ね4年以内(前連結会計年度末:4年以内)に、その他の工事契約等については概ね11年以内(前連結会計年度末:10年以内)に収益認識する見込みです。
なお、実務上の便法の使用を選択し、当初の予想期間が1年以内の契約について、期末日時点で充足されていない履行義務に配分した取引価格は、上記金額に含まれていません。また、上記取引金額には、重要な変動対価の金額の見積りは含まれていません。
(5)契約残高
顧客との契約から生じた営業債権、契約資産及び契約負債の残高は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
顧客との契約から生じた資産 |
1,361,050 |
1,316,172 |
|
営業債権 |
1,197,963 |
1,179,172 |
|
契約資産 |
163,087 |
137,000 |
|
顧客との契約から生じた負債 |
354,101 |
298,085 |
|
契約負債 |
354,101 |
298,085 |
契約資産は主に、顧客との契約について期末日時点で一部又は全部の履行義務を果たしているが、まだ請求していない財又はサービスに係る対価に対する当社の権利に関連するものです。契約資産は、対価に対する権利が無条件になった時点で債権に振り替えられます。
契約負債は主に、顧客から商品代金として受け入れた前受金や、継続してサービスの提供を行う場合における未履行のサービスに対して支払いを受けた対価です。また、前連結会計年度末の契約負債には、米国インフレ抑制法に基づき認められる補助金のうち顧客と有効活用していくと見込まれる106,141百万円が含まれています。
当連結会計年度に契約負債が減少した主な要因は、当該補助金に関連する契約負債について、顧客を通してユーザーへの還元が見込まれるため、当連結会計年度末においては、返金負債として「その他の流動負債」及び「その他の非流動負債」に、752百万円、101,021百万円をそれぞれ含めて表示していることによるものです。
なお、前連結会計年度末の契約負債残高のうち、当該補助金に関連するものを除き、ほとんど全てを、当連結会計年度に収益として認識しています。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において、過去の期間に充足(又は部分的に充足)した履行義務から認識した収益の額に重要性はありません。
(6)契約コストから認識した資産
前連結会計年度及び当連結会計年度における顧客との契約獲得の増分コスト又は契約履行のためのコストから認識した資産の残高に、重要性はありません。なお、認識するはずの資産の償却期間が1年内である場合、実務上の便法の使用を選択し、顧客との契約獲得の増分コストを発生時に費用処理しています。
24.政府補助金
政府補助金のうち主なものは、米国インフレ抑制法に基づくものです。当該補助金は、EV向け電池の製造・販売に伴い認められる税額控除ですが、税額控除としての利用に加えて、政府からの直接支払や第3者への譲渡により資金化することができます。政府から直接支払を受けることにより資金化すると見込まれる金額を「売上原価」の減額として処理し、受領するまで、「その他の流動資産」または「その他の非流動資産」に計上しています。
「売上原価」から減額した金額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ188,172百万円及び206,244百万円です。また、「その他の非流動資産」に計上した金額は、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、それぞれ197,013百万円及び205,531百万円です。なお、当連結会計年度において、過年度に発生した補助金にかかる権利を第三者へ譲渡し、182,631百万円を受領しました。
また、連結キャッシュ・フロー計算書においては、受領すると見込まれる当該補助金の増減額を営業活動によるキャッシュ・フローの「その他(純額)」に含めて表示しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ△188,172百万円及び△11,017百万円(△は増加)が含まれています。
加えて、米国カンザス州の投資誘致補助金制度であるAttracting Powerful Economic Expansion Actに基づく補助金があります。当該補助金は、適格事業施設への投資に対して認められる税額控除で、税額控除としての利用に加えて、政府からの直接の支払いにより資金化することができます。投資が認可された時に対象資産から補助金の額を控除し、政府から直接支払をうけると見込まれる金額を、受領するまで「その他の流動資産」または「その他の非流動資産」に計上しています。
なお、一定期間内に量産を開始しない場合や、操業を一定期間継続しない場合には、政府へ返還する必要があります。
25.販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費の内訳は、次のとおりです。
|
|
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
従業員給付費用 |
|
|
|
広告宣伝費 |
|
|
|
運送保管料 |
|
|
|
減価償却費及び償却費 |
|
|
|
その他 |
|
|
|
合計 |
|
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26.研究開発費
研究開発費は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
研究開発費 |
491,224 |
477,753 |
27.その他の損益
前連結会計年度における「その他の損益」には、固定資産売却益が
なお、固定資産売却益は、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローにおける「その他(純額)」に含めて表示しています。
当連結会計年度における「その他の損益」には、PAS株式の譲渡に関連する費用
なお、PAS株式の譲渡損は、連結キャッシュ・フロー計算書上、営業活動によるキャッシュ・フローにおける「その他(純額)」に含めて表示しています。
28.非金融資産の減損
(1)減損損失
有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産に関するセグメント別の減損損失計上額及び減損損失の戻入額は、以下のとおりであり、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」及び「その他の損益」に含まれています。「売上原価」に含まれる減損損失計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ2,668百万円及び22,292百万円です。また、「その他の損益」に含まれる減損損失計上額は、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ16,098百万円及び5,064百万円です。また、前連結会計年度において、「その他の損益」に10,352百万円の減損損失の戻入を計上するとともに、連結キャッシュ・フロー計算書においては、「当期純利益」に含まれる当該戻入を、営業活動によるキャッシュ・フローの「その他(純額)」にて調整しています。なお、セグメント別金額は、減損テストにおいて配分される資金生成単位が属するセグメント別の金額であり、内部管理上、各セグメントに配分される金額とは一致せず、のれんの減損損失の一部については、注記「4.セグメント情報」の「消去・調整」欄に含まれています。
前連結会計年度のセグメント別金額については、当連結会計年度のセグメント形態に合わせて組み替えて表示しています。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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くらし事業 |
2,204 |
1,075 |
|
オートモーティブ |
12,515 |
- |
|
コネクト |
3,301 |
1,075 |
|
インダストリー |
133 |
1,670 |
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エナジー |
- |
- |
|
その他(△は戻入) |
△9,739 |
23,536 |
|
連結計 |
8,414 |
27,356 |
前連結会計年度において、当社は、「オートモーティブ」セグメントに帰属する車載機器事業ののれんに関して減損損失を計上しました。これは、当該事業の収益性悪化に伴い、帳簿価額が回収できないと見込まれたことによるものです。処分費用控除後の公正価値は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法及び類似上場会社法等により測定しており、当該公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。ディスカウント・キャッシュ・フロー法による測定に使用した割引率は、前連結会計年度において、11.3%(税引前)です(前回の測定に使用した割引率は10.9%)。
また、「その他」の有形固定資産に関して、遊休土地の売却に伴う回収可能価額の見直しの結果、減損損失の戻入を計上しました。
当連結会計年度において、当社は、「その他」の有形固定資産等に関して、関連する事業の収益性悪化に伴い、減損損失を計上しました。
(2)のれん及び耐用年数を確定できない無形資産
① 減損テスト
のれん及び耐用年数を確定できない無形資産の減損テストにおける各資金生成単位の回収可能価額は、処分費用控除後の公正価値と使用価値のいずれか高い金額で算定されます。
各資金生成単位に配分されたのれん及び耐用年数を確定できない無形資産のうち、個別に重要なものは、「コネクト」セグメントに帰属するブルーヨンダーに係るのれんです。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該資金生成単位に配分されたのれんの帳簿価額は、それぞれ855,674百万円及び947,538百万円です。
個別に重要なのれんが配分された資金生成単位の回収可能価額は、ディスカウント・キャッシュ・フロー法に基づく使用価値、及び、ディスカウント・キャッシュ・フロー法及び類似上場会社比較法に基づく処分費用控除後の公正価値のいずれか高い方により測定しており、公正価値測定のヒエラルキーのレベルはレベル3です。ディスカウント・キャッシュ・フロー法は、事業計画を基礎とした将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しています。将来見通しの予測期間は、過去の経験を反映させ、外部情報とも整合性を取ったうえで策定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、9年です。当該事業計画には、市場予測、市場におけるサービスの拡大等の仮定が含まれています。成長率は、当該資金生成単位が属する市場もしくは国の長期平均成長率を勘案して決定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、4.0%です。割引率は、当該資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に算定しており、前連結会計年度及び当連結会計年度において、それぞれ11.5%及び11.1%(税引前)です。なお、前連結会計年度及び当連結会計年度においては、回収可能価額(処分費用控除後の公正価値)は、帳簿価額を十分に上回っており、上記の減損判定に用いた主要な仮定(成長率、割引率等)が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、帳簿価額が回収可能価額を上回る可能性は低いと判断しています。
② のれん
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、各資金生成単位に配分されたのれんのうち、個別に重要でないものの帳簿価額の合計は、それぞれ346,848百万円及び321,150百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における減損損失は、それぞれ11,455百万円及び1,437百万円です。
③ 耐用年数を確定できない無形資産
前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、各資金生成単位に配分された耐用年数を確定できない無形資産のうち、個別に重要でないものの帳簿価額の合計は、それぞれ46,638百万円及び44,810百万円です。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度における減損損失は、重要ではありません。
29.金融収益及び金融費用
(1)金融収益
金融収益の内訳は、次のとおりです。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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受取配当金 |
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その他の包括利益を通じて公正価値で測定 する金融資産 |
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受取利息 |
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償却原価で測定する金融資産 |
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従業員給付に係る利息純額 |
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為替差益 |
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その他 |
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合計 |
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(2)金融費用
金融費用の内訳は、次のとおりです。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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支払利息 |
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償却原価で測定する金融負債 |
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リース負債 |
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従業員給付に係る利息純額 |
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その他 |
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|
|
その他 |
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|
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合計 |
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(3)金融資産の譲渡
当社は、売上債権等の金融資産を、非連結の組成された事業体に譲渡しています。当該事業体は第三者である金融機関によって組成され、それらの金融機関が事業の一環として運営しており、当社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社の関連性は低いと判断しています。
当社は、これらの組成された事業体への契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行っていません。これらの組成された事業体に対する関与の主な内容は、限定的な信用補完の提供、債権の回収代行及び回収代行に係る手数料の受取です。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、全体の認識が中止された売上債権等の譲渡による譲渡損失は、それぞれ1,764百万円及び1,667百万円です。当該損失は、支払利息として連結損益計算書の「金融費用」に含まれています。
当社は、全体の認識が中止された金融資産に対してサービス業務提供の義務を留保していますが、サービス業務提供の費用と受取手数料の額に重要な差異は無いため、前連結会計年度末及び当連結会計年度末において、サービス業務資産及び負債を計上していません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における認識の中止を行った金融資産に対する継続的関与から生じる損失の最大エクスポージャーは、譲渡された資産を限られた特定の条件下で買い戻す義務の残高の合計であり、それぞれ2,115百万円及び1,996百万円です。
30.1株当たり情報
1株当たり親会社所有者帰属持分は、次のとおりです。
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前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
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1株当たり親会社所有者帰属持分 |
1,946円62銭 |
2,010円81銭 |
基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益及び希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益の調整計算は、次のとおりです。
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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親会社の所有者に帰属する当期純利益 |
443,994百万円 |
366,205百万円 |
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当期純利益調整額 |
△16百万円 |
△12百万円 |
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基本的1株当たり当期純利益の計算に使用する当期純利益 |
443,978百万円 |
366,193百万円 |
|
当期純利益調整額 |
16百万円 |
12百万円 |
|
希薄化後1株当たり当期純利益の計算に使用する当期純利益 |
443,994百万円 |
366,205百万円 |
|
期中平均普通株式数 |
2,334,173,939株 |
2,334,437,587株 |
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希薄化効果 |
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ストックオプションによる普通株式増加数 |
679,250株 |
576,601株 |
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譲渡制限付株式報酬制度による普通株式増加数 |
81,854株 |
77,423株 |
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希薄化後の期中平均普通株式数 |
2,334,935,043株 |
2,335,091,611株 |
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基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益 |
190円21銭 |
156円87銭 |
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希薄化後1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益 |
190円15銭 |
156円83銭 |
31.金融商品
(1)財務上のリスク管理方針
当社は、事業活動を遂行する過程において、様々な財務上のリスク(信用リスク、流動性リスク、市場リスク)にさらされており、これらのリスクを回避又は低減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っています。
また、デリバティブは、実需取引のリスク緩和を目的とした取引に限定しており、投機的なデリバティブを保有または発行していません。
(2)信用リスク管理
当社は、主に、営業債権、契約資産及びリース債権に係る顧客の信用リスク、為替リスク及び商品価格の変動リスクをヘッジするために保有するデリバティブに係る取引相手である金融機関の信用リスクにさらされています。
営業債権、契約資産及びリース債権については、与信管理に関する社内規程に従い、取引先の経営内容の把握や信用度の判定を行って取引の適否を検討するとともに、取引開始後は、債権管理に関する社内規程に従い、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、取引の経過、回収の内容、債権残高の推移動向を継続して記録管理し、また、取引先の経営内容・動向等の情報を積極的に収集することで、財務状況の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っています。
また、デリバティブ取引については、信用度の高い金融機関等とのみ取引を行っており、契約相手の信用度が高いことから、信用リスクは小さいと考えています。
保有する担保及びその他の信用補完を考慮に入れない連結会計年度末における信用リスクに対する最大エクスポージャーは、注記「29. 金融収益及び金融費用」に記載された認識の中止を行った金融資産、債務保証を除き、連結財政状態計算書における金融資産の帳簿価額です。なお、認識の中止を行った金融資産等について、譲渡債権が債務不履行となった場合等に、当社が負うと予想される債務の総額は、当連結会計年度末において、最大1,996百万円です。
① 貸倒引当金の増減
当社では、営業債権、契約資産及びリース債権と、営業債権、契約資産及びリース債権以外の債権等に区分して貸倒引当金の金額を算定しています。
営業債権、契約資産及びリース債権については、常に全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上しています。営業債権、契約資産及びリース債権以外の債権等については、原則として12ヵ月の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上していますが、契約で定められた弁済条件を履行できない場合には、それが相手先の事務処理上の誤りによるものである場合等を除き、信用リスクが当初認識時点より著しく増加したものとして、全期間の予想信用損失と同額で貸倒引当金を計上することとしています。
また、いずれの金融資産についても、債務者からの弁済条件の見直しの要請、債務者の深刻な財政難、債務者の破産等による法的整理の手続の開始等があった場合には、信用減損金融資産として取り扱っています。また、将来回収できないことが明らかな金額は、金融資産の帳簿価額を直接減額し、対応する貸倒引当金の金額を減額しています。
貸倒引当金の金額は、次のように算定しています。
・営業債権、契約資産及びリース債権
当該債権等を弁済期日の経過日数等に応じて区分し、その区分に応じて算定した過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を乗じて算定しています。
・営業債権、契約資産及びリース債権以外の債権等
信用リスクが著しく増加していると判定されていない資産については、同種の資産の過去の貸倒実績率に将来の経済状況等の予測を加味した引当率を帳簿価額に乗じて算定しています。ただし、信用リスクが著しく増加していると判定された資産及び信用減損金融資産に該当する場合には、当該資産に係る回収見込額を個別に見積り、当該資産の当初の実効金利で割り引いた現在価値の額と、帳簿価額との間の差額をもって算定しています。
貸倒引当金の増減は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
期首 |
13,819 |
12,036 |
|
期中増加額 |
3,285 |
2,510 |
|
期中減少額(目的使用) |
△2,378 |
△1,010 |
|
期中減少額(戻入) |
△1,899 |
△986 |
|
連結除外 |
△1,592 |
△342 |
|
その他 |
801 |
△261 |
|
期末 |
12,036 |
11,947 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において初めて認識した金融資産について、当初認識時点で貸倒引当金を計上したものは重要ではありません。
また、前連結会計年度及び当連結会計年度において貸倒引当金の変動に影響を与えるような総額での帳簿価額の著しい増減はありません。
② 貸倒引当金の計上対象となる金融資産の帳簿価額の総額
貸倒引当金の計上対象となる金融資産の帳簿価額の総額は、次のとおりです。
(ⅰ)営業債権、契約資産及びリース債権
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(単位:百万円) |
|
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前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
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期日経過なし |
1,291,769 |
1,245,555 |
|
期日経過後3ヵ月以内 |
63,186 |
76,088 |
|
期日経過後3ヵ月超1年以内 |
16,161 |
16,578 |
|
期日経過後1年超 |
9,538 |
8,112 |
|
合計 |
1,380,654 |
1,346,333 |
なお、前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、報告期間中に直接償却されたものの依然として回収活動の対象となっている金融資産の契約残高に重要性はありません。
(ⅱ)営業債権、契約資産及びリース債権以外の債権等
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、営業債権、契約資産及びリース債権以外の債権等については、信用リスクが著しく増加していると判断したものはなく、その帳簿価額に対する信用リスクに重要性はありません。
(3)流動性リスク管理
流動性リスクは、当社が、期限の到来した金融負債の返済義務を履行することができなくなるリスクです。当社では、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針とし、事業を推進しています。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資等のため、所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
主な金融負債の期日別の残高は、次のとおりです。
① 前連結会計年度末(2024年3月31日)
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(単位:百万円) |
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帳簿価額 |
契約上の金額 |
1年以内 |
1年超 5年以内 |
5年超 |
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非デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
営業債務 |
1,166,155 |
1,166,155 |
1,166,155 |
- |
- |
|
短期負債及び一年以内返済長期負債 |
262,099 |
265,232 |
265,232 |
- |
- |
|
長期負債 |
1,084,037 |
1,139,929 |
- |
659,753 |
480,176 |
|
リース負債 |
280,143 |
293,696 |
71,557 |
151,213 |
70,926 |
|
未払金及び未払費用 |
524,682 |
524,682 |
524,194 |
488 |
- |
|
その他の金融負債 |
38,628 |
38,530 |
24,799 |
10,230 |
3,501 |
|
合計 |
3,355,744 |
3,428,224 |
2,051,937 |
821,684 |
554,603 |
|
デリバティブ負債(純額決済) |
22,284 |
22,284 |
22,284 |
- |
- |
|
デリバティブ負債(総額決済) 受取 |
- |
- |
- |
- |
- |
|
支払 |
- |
- |
- |
- |
|
|
デリバティブ資産(注) |
△59,411 |
△78,285 |
△47,263 |
△8,339 |
△22,683 |
(注)一年以内返済長期負債及び長期負債に含まれる外貨建社債の為替リスクをヘッジする目的で保有している通貨金利スワップのうち、デリバティブ資産に計上されているものです。
② 当連結会計年度末(2025年3月31日)
|
(単位:百万円) |
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帳簿価額 |
契約上の金額 |
1年以内 |
1年超 5年以内 |
5年超 |
|
非デリバティブ金融負債 |
|
|
|
|
|
|
営業債務 |
1,042,509 |
1,042,509 |
1,042,509 |
- |
- |
|
短期負債及び一年以内返済長期負債 |
107,239 |
107,601 |
107,601 |
- |
- |
|
長期負債 |
1,172,581 |
1,259,455 |
- |
893,474 |
365,981 |
|
リース負債 |
288,423 |
305,602 |
66,086 |
164,375 |
75,141 |
|
未払金及び未払費用 |
463,464 |
463,464 |
463,464 |
- |
- |
|
その他の金融負債 |
82,244 |
87,738 |
28,916 |
51,781 |
7,041 |
|
合計 |
3,156,460 |
3,266,369 |
1,708,576 |
1,109,630 |
448,163 |
|
デリバティブ負債(純額決済) |
21,021 |
21,021 |
21,021 |
- |
- |
|
デリバティブ負債(総額決済) 受取 |
4,490 |
△212,815 |
△106,345 |
△15,855 |
△90,615 |
|
支払 |
197,154 |
104,661 |
5,877 |
86,616 |
|
|
デリバティブ資産(注) |
△19,489 |
△29,945 |
△2,056 |
△27,889 |
- |
(注)長期負債に含まれる外貨建社債の為替リスクをヘッジする目的で保有している通貨金利スワップのうち、デリバティブ資産に計上されているものです。
また、当社は、安定的な資金調達手段確保のため、複数の取引銀行とコミットメントライン契約を締結しています。当該契約に基づく借入未実行残高は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
コミットメントラインの総額 |
600,000 |
600,000 |
|
借入実行残高 |
- |
- |
|
差引額 |
600,000 |
600,000 |
(4)市場リスク管理
当社は国際的に事業を展開し、為替レート、金利及び商品価格の変動から生ずる市場リスクにさらされています。当社はこれらのリスク変動を継続的に監視し、ヘッジの機会を検討することによって、これらのリスクを評価しています。
① 為替リスク
外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコスト及び価格、並びに、資金調達に伴う外貨建社債は、為替相場の変動リスクにさらされており、当社の事業、業績及び財政状態はその影響を受ける可能性があります。当社は、主に為替予約や通貨金利スワップ等のデリバティブの利用により、為替リスクの緩和に努めています。
(ⅰ)為替リスクのエクスポージャー
当社における為替リスクのエクスポージャー(純額)の主なものは、次のとおりです。なお、デリバティブにより為替リスクがヘッジされている金額は除いています。
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
米ドル(千米ドル) |
470,903 |
470,985 |
|
ユーロ(千ユーロ)(△は負債) |
113,753 |
△19,952 |
|
人民元(千人民元) |
94,815 |
15,837 |
(ⅱ)為替変動リスクの感応度分析
当社が各連結会計年度末に保有する外貨建て金融商品において、日本円が、米ドル、ユーロ及び人民元に対してそれぞれ1%円高になった場合に、税引前利益に与える影響額は、次のとおりです。なお、日本円が米ドル、ユーロ及び人民元に対してそれぞれ1%円安になった場合は、以下の表と同額で反対の影響があります。
本分析は、その他すべての変数が一定であることを前提としています。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
米ドル |
△713 |
△704 |
|
ユーロ |
△186 |
32 |
|
人民元 |
△20 |
△3 |
② 金利リスク
有利子負債は主に固定金利により調達している社債及び借入金であり、金利リスクは当社のキャッシュ・フローにとって重要ではありません。
③ 商品価格の変動リスク
当社は、長期の購買契約に基づいて非鉄金属等の原材料を調達しており、相場変動等による商品価格の変動リスクにさらされています。当社では、商品先物等のデリバティブの利用により、商品価格の変動リスクの緩和に努めています。
④ 市場価格の変動リスク
当社は、保有する国内外の企業等の株式から生じる株価変動リスクにさらされています。当社では、資本性金融商品について、定期的に公正価値や発行体の財務状況等を把握し、保有状況を継続的に見直しています。
(5)デリバティブ及びヘッジ会計
当社が保有するデリバティブは、主に為替予約、通貨金利スワップ及び商品先物です。当社は、外貨建てで取引されている製品・サービスなどのコスト及び価格の為替相場の変動による影響を、為替予約等でヘッジしているほか、外貨建社債等に係る為替相場の変動による影響を、通貨金利スワップによりヘッジしています。また、長期の購買契約に基づく非鉄金属等の調達に係る相場変動等による商品価格の変動リスクを、商品先物等でヘッジしています。これらは、いずれもキャッシュ・フロー・ヘッジに該当します。
当社は、ヘッジ関係の開始時及び継続期間中にわたり、ヘッジ対象取引のキャッシュ・フローの変動がヘッジ手段のキャッシュ・フローの変動により相殺される経済的関係にあることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しているかどうかの定性的な評価、あるいはヘッジ対象とヘッジ手段の価値が同一のリスクにより価値変動が相殺しあう関係にあることの定量的評価を通じて、ヘッジ対象とヘッジ手段の間の経済的関係の存在を確認しています。
また、当社は、ヘッジ関係の開始時にヘッジ対象の数量とヘッジ手段の数量に基づいて適切なヘッジ比率を設定しており、原則として1対1の関係となるよう設定しています。なお、当社は、通貨金利スワップに係る外貨ベーシス・スプレッドをヘッジ手段としての指定から除外していますが、純損益に及ぼす影響は重要ではありません。
また、当社は有効性の高いヘッジを行っているため、通常、重要な非有効部分は発生しないと想定しています。
① 前連結会計年度
(ⅰ)連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度末においてヘッジ指定されている重要なデリバティブは、次のとおりです。
(為替リスクに係るもの)
|
ヘッジ手段 |
想定元本(合計) |
平均レート |
帳簿価額(注1) (単位:百万円) |
|
|
資産 |
負債 |
|||
|
為替予約 |
|
|
|
|
|
ドル売り/円買い |
1,115,664千米ドル |
144.57円/ドル |
- |
5,590 |
|
ユーロ売り/円買い |
115,341千ユーロ |
160.55円/ユーロ |
- |
245 |
|
ドル買い/円売り |
564,102千米ドル |
147.09円/ドル |
1,954 |
- |
|
通貨金利スワップ |
|
|
|
|
|
米ドル(注2) |
1,500,000千米ドル |
108.13円/ドル |
59,411 |
- |
|
人民元 |
8,000,000千人民元 |
20.36円/人民元 |
4,350 |
- |
(注1)連結財政状態計算書において、ヘッジ手段に係る資産の公正価値は「その他の金融資産」、ヘッジ手段に係る負債の公正価値は「その他の金融負債」にそれぞれ含めています。
なお、当社が為替変動リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は、為替予約については最長で約6ヵ月、通貨金利スワップについては最長で約6年です。
(注2)米ドルの通貨金利スワップは、米ドル建無担保普通社債の為替リスクをヘッジするために行っています。当該通貨金利スワップにより、米ドル建固定金利を日本円建固定金利に交換しており、交換後の実質負担利率は注記「15.短期負債及び長期負債 (1)内訳」に記載のとおりです。
前連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金」の残高(税効果考慮後)は、次のとおりです。
なお、前連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しなくなったヘッジ関係はありません。
|
(単位:百万円) |
|
ヘッジ対象リスク |
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
|
為替リスク |
△7,067 |
|
商品価格の変動リスク |
1,290 |
|
合計 |
△5,777 |
前連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
前連結会計年度における、ヘッジ会計を適用したことによる純損益及びその他の包括利益への影響は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
ヘッジ対象リスク |
その他の包括利益に 計上したヘッジ損益 (税効果調整前) |
その他の資本の 構成要素から純損益 への組替調整額 (税効果調整前) |
組替調整額の 連結損益計算書上 の表示科目 |
ヘッジ対象の 資産の取得価額に 振り替えた金額 (税効果調整前) |
|
為替リスク |
5,773 |
△6,232 |
金融収益(費用) |
- |
|
商品価格の変動リスク |
5,298 |
- |
売上原価 |
△5,046 |
前連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
前連結会計年度における、為替リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、主としてヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによるものです。
なお、当社はキャッシュ・フロー・ヘッジ目的で保有する通貨金利スワップについて、外貨ベーシス・スプレッド部分をヘッジ指定から除外し、ヘッジコストとして処理していますが、当該ヘッジコストについて、その他の包括利益及び純損益への組替調整額として処理した金額に重要性はありません。
② 当連結会計年度
(ⅰ)連結財政状態計算書におけるヘッジ会計の影響
当連結会計年度末においてヘッジ指定されている重要なデリバティブは、次のとおりです。
(為替リスクに係るもの)
|
ヘッジ手段 |
想定元本(合計) |
平均レート |
帳簿価額(注1) (単位:百万円) |
|
|
資産 |
負債 |
|||
|
為替予約 |
|
|
|
|
|
ドル売り/円買い |
761,326千米ドル |
149.06円/ドル |
888 |
- |
|
ユーロ売り/円買い |
98,732千ユーロ |
158.95円/ユーロ |
- |
289 |
|
ドル買い/円売り |
385,887千米ドル |
148.94円/ドル |
44 |
- |
|
通貨金利スワップ |
|
|
|
|
|
米ドル(注2) |
1,000,000千米ドル |
134.80円/ドル |
19,489 |
3,283 |
(注1)連結財政状態計算書において、ヘッジ手段に係る資産の公正価値は「その他の金融資産」、ヘッジ手段に係る負債の公正価値は「その他の金融負債」にそれぞれ含めています。
なお、当社が為替変動リスクによるキャッシュ・フローの変動をヘッジしている期間は、為替予約については最長で約8ヵ月、通貨金利スワップについては最長で約10年です。
(注2)米ドルの通貨金利スワップは、米ドル建無担保普通社債の為替リスクをヘッジするために行っています。当該通貨金利スワップにより、米ドル建固定金利を日本円建固定金利に交換しており、交換後の実質負担利率は注記「15.短期負債及び長期負債 (1)内訳」に記載のとおりです。
当連結会計年度末における、継続しているヘッジに係る「キャッシュ・フロー・ヘッジ剰余金」の残高(税効果考慮後)は、次のとおりです。
なお、当連結会計年度において、ヘッジ会計を適用しなくなったヘッジ関係はありません。
|
(単位:百万円) |
|
ヘッジ対象リスク |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
為替リスク |
△244 |
|
商品価格の変動リスク |
1,178 |
|
合計 |
934 |
当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はないため、ヘッジ非有効部分を認識する基礎として用いたヘッジ対象の公正価値の変動の記載は省略しています。
(ⅱ)連結損益計算書及び連結包括利益計算書におけるヘッジ会計の影響
当連結会計年度における、ヘッジ会計を適用したことによる純損益及びその他の包括利益への影響は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
ヘッジ対象リスク |
その他の包括利益に 計上したヘッジ損益 (税効果調整前) |
その他の資本の 構成要素から純損益 への組替調整額 (税効果調整前) |
組替調整額の 連結損益計算書上 の表示科目 |
ヘッジ対象の 資産の取得価額に 振り替えた金額 (税効果調整前) |
|
為替リスク |
6,079 |
3,787 |
金融収益(費用) |
- |
|
商品価格の変動リスク |
1,913 |
- |
売上原価 |
△2,138 |
当連結会計年度において純損益に認識したヘッジの非有効部分の金額に重要性はありません。
当連結会計年度における、為替リスクに関するその他の資本の構成要素から純損益への組替調整額は、主としてヘッジ対象が純損益に影響を与えたことによるものです。
なお、当社はキャッシュ・フロー・ヘッジ目的で保有する通貨金利スワップについて、外貨ベーシス・スプレッド部分をヘッジ指定から除外し、ヘッジコストとして処理していますが、当該ヘッジコストについて、その他の包括利益及び純損益への組替調整額として処理した金額に重要性はありません。
(6)金融資産と金融負債の相殺
当社では、デリバティブ資産及びデリバティブ負債について、マスターネッティング契約またはそれに類似する契約に基づいて取引を行っており、契約当事者間で決済の不履行が起きた場合は、当該取引先に対する債権債務を純額で決済することとなっています。
前連結会計年度末における、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品はありません。また、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の金額は4,995百万円です。
当連結会計年度末における、同一の取引相手先に対して認識した金融資産及び金融負債のうち、金融資産と金融負債の相殺の要件に従って相殺された金融商品はありません。また、強制可能なマスターネッティング契約または類似の契約の対象であるが、金融資産と金融負債の相殺の要件の一部または全部を満たさないため相殺していない金融商品の金額は7,876百万円です。
(7)金融商品の公正価値
① 公正価値と帳簿価額の比較
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
||
|
帳簿価額 |
公正価値 |
帳簿価額 |
公正価値 |
|
|
長期負債(一年以内返済長期負債を含む) |
1,340,220 |
1,314,196 |
1,276,764 |
1,239,339 |
公正価値は、市場価格または将来のキャッシュ・フローを連結会計年度末における観察可能な割引金利を使用して計算した現在価値に基づいて算定しており、すべてレベル2(「② 公正価値測定のヒエラルキー」参照)に分類しています。
上記以外の償却原価で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は、帳簿価額と近似しています。
② 公正価値測定のヒエラルキー
IFRS第13号「公正価値測定」では、公正価値を、その測定のために使われるインプット情報における外部からの観察可能性に応じて、次の3つのレベルに区分することが規定されています。
・レベル1:活発な市場における公表価格により測定された公正価値
・レベル2:レベル1以外の、観察可能なインプットを直接又は間接的に使用して算出された公正価値
・レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む、評価技法から算出された公正価値
公正価値の測定に使用される公正価値測定のヒエラルキーのレベルは、公正価値の測定の重要なインプットのうち、最も低いレベルにより決定しています。
公正価値で測定される金融商品の内訳は、次のとおりです。
(ⅰ)前連結会計年度末(2024年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
|
金融資産: |
|
|
|
|
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
|
デリバティブ資産 |
|
|
|
|
|
為替予約 |
- |
13,163 |
- |
13,163 |
|
通貨スワップ |
- |
82 |
- |
82 |
|
通貨金利スワップ |
- |
63,761 |
- |
63,761 |
|
商品先物 |
9,882 |
3,510 |
- |
13,392 |
|
小計 |
9,882 |
80,516 |
- |
90,398 |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
|
株式 |
58,896 |
- |
92,394 |
151,290 |
|
その他 |
- |
286 |
- |
286 |
|
小計 |
58,896 |
286 |
92,394 |
151,576 |
|
合計 |
68,778 |
80,802 |
92,394 |
241,974 |
|
金融負債: |
|
|
|
|
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 |
|
|
|
|
|
デリバティブ負債 |
|
|
|
|
|
為替予約 |
- |
5,710 |
- |
5,710 |
|
商品先物 |
4,308 |
12,266 |
- |
16,574 |
|
その他 |
- |
- |
6,974 |
6,974 |
|
合計 |
4,308 |
17,976 |
6,974 |
29,258 |
(ⅱ)当連結会計年度末(2025年3月31日)
|
(単位:百万円) |
|
|
レベル1 |
レベル2 |
レベル3 |
合計 |
|
金融資産: |
|
|
|
|
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
|
デリバティブ資産 |
|
|
|
|
|
為替予約 |
- |
7,201 |
- |
7,201 |
|
通貨金利スワップ |
- |
22,359 |
- |
22,359 |
|
商品先物 |
9,289 |
4,312 |
- |
13,601 |
|
小計 |
9,289 |
33,872 |
- |
43,161 |
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
|
|
|
|
|
株式 |
41,066 |
- |
76,077 |
117,143 |
|
その他 |
- |
437 |
- |
437 |
|
小計 |
41,066 |
437 |
76,077 |
117,580 |
|
合計 |
50,355 |
34,309 |
76,077 |
160,741 |
|
金融負債: |
|
|
|
|
|
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 |
|
|
|
|
|
デリバティブ負債 |
|
|
|
|
|
為替予約 |
- |
2,873 |
- |
2,873 |
|
通貨金利スワップ |
- |
4,490 |
- |
4,490 |
|
商品先物 |
5,698 |
12,450 |
- |
18,148 |
|
その他 |
- |
- |
4,132 |
4,132 |
|
合計 |
5,698 |
19,813 |
4,132 |
29,643 |
レベル1に区分した市場性のある株式及び商品先物等は、十分な取引量と頻繁な取引がある活発な市場における調整不要な市場価格で評価しています。
レベル2に区分したデリバティブに含まれている為替予約、通貨スワップ、通貨金利スワップ、商品先物等は、評価技法を用いて評価され、為替レート、市場金利及び商品先物市場価格などの観察可能な市場インプットを使用した価格モデルに基づき定期的に検証しています。
レベル3に区分した株式は非上場株式であり、当社の定める最も適切かつ関連性の高い入手可能なデータを利用するための方針と手続きに基づき、当該投資先の将来の収益性の見通し、純資産価額や当該投資先が保有する主要な資産等の定量的な情報を総合的に考慮した適切な評価方法により公正価値を測定しています。当該評価の合理性については、会計担当部門が様々な手法を用いて検証しており、部門管理者の承認を受けています。なお、検証の具体的な手法には、外部評価機関の利用が含まれています。
レベル3に区分したその他の金融負債は、当社の定める最も適切かつ関連性の高い入手可能なデータを利用するための方針と手続に基づき、支払条件が達成されると見込まれる時期及びその時期に見込まれる支払額を多重的な将来予想と確率分布を用いて見積り、貨幣の時間価値を考慮して、公正価値を算定しています。
レベル3に区分した金融商品について、観察可能ではないインプットを合理的に考え得る代替的な仮定に変更した場合に重要な公正価値の増減は見込まれていません。
レベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しています。前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル間の重要な振替が行われた金融商品はありません。
公正価値測定のヒエラルキーのレベル3に分類された経常的に公正価値で測定される金融商品の増減の内訳は、次のとおりです。
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
|
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 |
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 |
|
期首残高 |
109,090 |
- |
92,394 |
6,974 |
|
購入・増加 |
2,419 |
6,974 |
8,468 |
- |
|
売却 |
△23,639 |
- |
△12,106 |
- |
|
利得又は損失(注) |
4,524 |
- |
△12,679 |
△2,842 |
|
期末残高 |
92,394 |
6,974 |
76,077 |
4,132 |
(注)その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する利得又は損失は、連結包括利益計算書の「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産」または「在外営業活動体の換算差額」に含めており、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に関する利得又は損失は、連結損益計算書の「その他の損益」に含めています。
32.超インフレの調整
2022年度の期首時点において、トルコ共和国の物価指数が3年間累積インフレ率100%超となったことを示したため、当社は、トルコ・リラを機能通貨とする子会社について、超インフレ経済下で事業活動を行っていると判断しました。このため、IAS第29号「超インフレ経済下における財務報告」に従い、2022年度の期首より、当該子会社の財務諸表について、会計上の調整を加えています。
当社は、トルコ・リラを機能通貨とする子会社の財務諸表の修正のため、Turkish Statistical Instituteが公表するトルコの消費者物価指数から算出する変換係数を用いています。2014年3月31日以降の消費者物価指数及び変換係数は、次のとおりです。
|
財政状態計算書日 |
消費者物価指数 (2014年3月31日=100) |
変換係数 |
|
2014年3月31日 |
100 |
12.45 |
|
2015年3月31日 |
108 |
11.57 |
|
2016年3月31日 |
116 |
10.77 |
|
2017年3月31日 |
129 |
9.68 |
|
2018年3月31日 |
142 |
8.78 |
|
2019年3月31日 |
170 |
7.33 |
|
2020年3月31日 |
190 |
6.56 |
|
2021年3月31日 |
221 |
5.64 |
|
2022年3月31日 |
356 |
3.50 |
|
2023年3月31日 |
535 |
2.33 |
|
2024年3月31日 |
902 |
1.38 |
|
2025年3月31日 |
1,245 |
1.00 |
33.主要な子会社
(1)当社グループの構成
当連結会計年度末における当社の主要な子会社は、次のとおりです。
|
主要な子会社 |
主要な事業の内容 (注) |
所在地 |
議決権の 所有割合 (%) |
|
パナソニック㈱ |
くらし事業 |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック エンターテインメント &コミュニケーション㈱ |
その他 |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック ハウジング ソリューションズ㈱ |
その他 |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック コネクト㈱ |
コネクト |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック インダストリー㈱ |
インダストリー |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック エナジー㈱ |
エナジー |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック オペレーショナル エクセレンス㈱ |
その他 |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック マーケティング ジャパン㈱ |
くらし事業 |
日本 |
100.0 |
|
パナソニック ノースアメリカ㈱ |
くらし事業、コネクト、インダストリー、エナジー |
アメリカ |
100.0 |
|
Blue Yonder Holding, Inc. |
コネクト |
アメリカ |
100.0 |
|
パナソニック アビオニクス㈱ |
コネクト |
アメリカ |
100.0 |
|
ハスマン㈱ |
くらし事業 |
アメリカ |
100.0 |
|
パナソニック ブラジル㈲ |
くらし事業 |
ブラジル |
100.0 |
|
パナソニック ホールディング オランダ㈲ |
全社 |
オランダ |
100.0 |
|
パナソニックHVAC チェコ㈲ |
くらし事業 |
チェコ |
100.0 |
|
パナソニック アジアパシフィック㈱ |
くらし事業、インダストリー、その他 |
シンガポール |
100.0 |
|
パナソニック ライフソリューションズ インド㈱ |
くらし事業 |
インド |
100.0 |
|
パナソニック台湾㈱ |
くらし事業 |
台湾 |
69.8 |
|
パナソニック チャイナ㈲ |
くらし事業 |
中国 |
100.0 |
|
パナソニックAPチャイナ㈲ |
くらし事業 |
中国 |
100.0 |
(注) 「主要な事業の内容」の欄には、セグメントの名称を記載しています。なお、報告セグメントに帰属しない事業については、「その他」と記載しています。また、全社機能(金融等)については、「全社」と記載しています。
なお、前連結会計年度末から当連結会計年度末までの主要な子会社の変動として、パナソニック オートモーティブシステムズ㈱は、2024年12月2日付で株式譲渡が完了したことに伴い、当社の連結子会社ではなくなりました。
以上を除いて、主要な子会社及び議決権の所有割合に重要な変動はありません。
(2)重要性のある非支配持分を有する子会社
前連結会計年度及び当連結会計年度において、当社の子会社のうち重要性のある非支配持分を有する会社はありません。
(3)支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動
前連結会計年度及び当連結会計年度において、支配の喪失に至らない子会社に対する親会社の所有持分の変動のうち、重要なものはありません。
(4)子会社に対する支配の喪失に伴う損益
前連結会計年度において、子会社に対する支配の喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益のうち、重要なものはありません。
当連結会計年度において、子会社に対する支配の喪失に伴う所有持分の変動について認識した損益のうち、重要なものは次のとおりです。
オートモーティブ事業
当社は、2024年3月29日開催の取締役会において、オートモーティブ事業を譲渡する旨を決議し、2024年12月2日に当該事業を営む当社100%出資の連結子会社であったパナソニック オートモーティブシステムズ㈱の全株式をApollo Global Management, Inc.が投資助言するファンドの子会社であるStar Japan Acquisition㈱(以下、「新PAS親会社」)に譲渡するとともに、新PAS親会社の全株式を保有する持株会社であるStar Japan Holdings㈱の株式の20%を取得しました。これにより、22,978百万円の事業譲渡損を認識し、連結損益計算書の「その他の損益」に計上しています。このうち、残存保有持分を公正価値で測定することにより認識した損益は重要ではありません。なお、当該事業譲渡損はセグメントに帰属しない損益として「消去・調整」に含めています。
(5)子会社又はその他の事業の支配喪失に伴うキャッシュ・フロー
前連結会計年度及び当連結会計年度において、子会社又はその他の事業の支配喪失に伴うキャッシュ・フロー並びに支配喪失時の資産及び負債の主な内訳は、次のとおりです。
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
|
受取対価 |
5,416 |
234,735 |
|
受取対価のうち現金及び現金同等物 |
5,416 |
206,785 |
|
支配を喪失した子会社又はその他の事業の現金及び現金同等物 |
2,707 |
140,586 |
|
連結子会社又はその他の事業に対する支配の喪失によるキャッシュ・フロー |
2,709 |
66,199 |
|
支配喪失時の資産及び負債の主な内訳 |
|
|
|
流動資産(現金及び現金同等物を除く) |
9,418 |
281,158 |
|
非流動資産 |
2,277 |
165,040 |
|
流動負債 |
12,711 |
267,284 |
|
非流動負債 |
132 |
23,373 |
34.関連当事者
(1)関連会社及び共同支配企業との取引
当社と関連会社及び共同支配企業との取引及び債権債務残高は、次のとおりです。
なお、関連会社及び共同支配企業との取引は、独立第三者間取引を基礎とした一般的な取引条件で行っています。
① 関連会社及び共同支配企業に対する当社の債権残高及び債務残高
|
(単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度末 (2024年3月31日) |
当連結会計年度末 (2025年3月31日) |
|
関連会社 |
|
|
|
債権残高 |
6,201 |
59,944 |
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債務残高 |
59,601 |
62,372 |
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共同支配企業 |
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債権残高 |
16,818 |
25,468 |
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債務残高 |
24,670 |
15,370 |
② 関連会社及び共同支配企業に対する当社の売上高、購入高及びサービスの受領
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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関連会社 |
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売上高 |
54,291 |
197,278 |
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購入高及びサービスの受領 |
250,768 |
262,431 |
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共同支配企業 |
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売上高 |
90,065 |
81,431 |
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購入高及びサービスの受領 |
166,337 |
147,697 |
(2)主要な経営幹部の報酬
当社の主要な経営幹部(取締役及び社外取締役)に対する報酬は、次のとおりです。
① 前連結会計年度及び当連結会計年度の支給実績額
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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基本報酬 |
668 |
665 |
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業績連動報酬(短期) |
207 |
255 |
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株式報酬 |
215 |
179 |
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合計 |
1,090 |
1,099 |
② 前連結会計年度及び当連結会計年度の業績連動報酬の引当計上額
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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業績連動報酬(短期) |
239 |
239 |
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業績連動報酬(中期) |
87 |
1 |
35.非資金取引
重要な非資金取引は、次のとおりです。
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(単位:百万円) |
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前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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リースにより取得した使用権資産 |
109,357 |
98,662 |
サプライヤー・ファイナンス契約に係る非資金取引については、「16.営業債務」をご参照ください。
36.資産の取得及びサービスの購入等に係るコミットメント
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における主な契約残高は、有形固定資産やサービスに関する購入契約等が含まれており、それぞれ259,896百万円及び125,550百万円です。
37.企業結合
One Network Enterprises, Inc.の支配獲得
当社の連結子会社であるパナソニック コネクト㈱の子会社であるBlue Yonder Holding, Inc.(以下、「Blue Yonder」)は、2024年8月1日に、米国のOne Network Enterprises, Inc.(以下、「One Network」)のすべての株式を取得し、One Networkの支配を獲得しました。
本件取引により、One NetworkのデジタルサプライチェーンネットワークとBlue Yonderのサプライチェーン機能を組み合わせることによる革新的で未来志向のテクノロジーを融合した End to End の統合サプライチェーンエコシステムの提供が可能となります。これにより、お客様の経営課題を解決するとともに、エネルギー消費量の削減、資源の有効活用を通じて、持続可能な社会の実現を目指します。
One Networkの支配持分獲得のために支払われた対価の公正価値(暫定的金額の調整後)は、135,935百万円です。支払対価としては現金のほか、一定の条件でBlue Yonder株式を取得できる権利(以下、「ユニット」)が含まれています。当該ユニットの一部(36,435百万円)は、一定の条件でBlue Yonderに買取請求できる権利が付与されていることから負債として認識し、他の権利については資本として認識しています。当該ユニットに係る負債は連結財政状態計算書の「その他の金融負債(非流動)」に、資本は「非支配持分」に含めて表示しています。なお、ユニットの公正価値は、主にオプション価格法を用いて測定しています。株式の取得に関連して発生した費用は重要ではありません。
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(単位:百万円) |
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現金 |
85,079 |
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ユニット |
50,856 |
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合計 |
135,935 |
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支配獲得日において取得した資産及び引き継いだ負債の金額(暫定的金額の調整後)は、以下のとおりです。
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(単位:百万円) |
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現金及び現金同等物 |
6,901 |
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営業債権及び契約資産 |
2,912 |
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のれん |
104,081 |
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無形資産 |
31,675 |
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その他の取得資産 |
789 |
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取得資産計 |
146,358 |
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営業債務 |
1,737 |
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繰延税金負債 |
6,375 |
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その他の引継負債 |
2,311 |
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引継負債計 |
10,423 |
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取得純資産計 |
135,935 |
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「のれん」の内容は、主に期待される将来の収益力に関連して発生したものです。認識された「のれん」は、すべて「コネクト」セグメントに帰属し、税務上損金算入は見込んでいません。「無形資産」には技術、顧客等が含まれています。
当連結会計年度の連結損益計算書に含まれているOne Networkの売上高及び純損益は、重要ではありません。
なお、上記企業結合に係るプロ・フォーマ情報は、当連結会計年度の連結損益計算書に含まれていない金額に重要性がないため開示していません。
38.偶発負債
当社の子会社であるパナソニック インダストリー㈱(以下、「PID」)の電子材料事業部が製造・販売する電子材料部品において、米国の第三者安全科学機関であるUL Solutions(以下、「UL」)の認証登録等の際、複数の不正行為を行っていたこと(以下、「本件」)が判明しました。これを受け、PIDは、社外有識者による外部調査委員会を2024年1月12日付で設置のうえ調査を実施し、2024年11月1日に調査報告書を公表しました。
本件に関連して、一部の製品のUL認証が取り消しとなり、一部の製品のUL認証の取り扱いについては、PIDとULとの間で協議が続けられています。また、PIDを含む当社子会社の一部の拠点のISO9001認証及びIATF16949認証が取り消し又は一時停止となりました。
PIDは、本件に関して、外部調査委員会より指摘を受けた、品質保証の本質に関する理解不足や組織風土の問題、品質コンプライアンス体制の不備等の原因分析を踏まえて再発防止策を策定及び遂行し、今後もUL認証品として販売を継続する必要があるものについて、その認証の取得に向けた取り組みを継続しています(一部の製品については認証取得済み)。取り消し又は一時停止となったISO9001認証及びIATF16949認証についても、その認証の取得又は一時停止の解除に向けた取り組みを継続しています。
また、当社グループ全体においても、外部の法律事務所と連携し、品質コンプライアンスに関する不適切行為を対象とした徹底的な自主調査を実施しています。
本件やその他の品質不正行為によって、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点ではその影響額を合理的に見積もることが困難なため、連結財務諸表には反映していません。
当社及び一部の子会社は、取引、租税、製品、知的財産権等に関して、複数の訴訟の被告となる、政府機関の調査を受けるなど、複数の法的手続に関与しています。
当社及び一部の子会社は、これらの訴訟や調査に対応していますが、訴訟や調査の結果によっては損害賠償金や制裁金が課される可能性があるため、金額は不確定であるものの、合理的に見積り可能な制裁金を引当計上しています。
当社及び一部の子会社はいくつかの訴訟をかかえていますが、それらの訴訟による損害が仮に発生したとしても、連結財務諸表に重要な影響を及ぼすものではないと考えています。
当社は、訴訟や当局の調査に関して、引当金以外の追加的な費用範囲の見積りは開示していません。調査や法的手続等には、複数の法的論点が存在し、多数の関与者が含まれ、あるいは関連法律が複雑又は不透明な海外案件もあり、そのような見積りは困難なためです。
39.後発事象
(グループ経営改革に伴う構造改革費用)
当社は、2025年5月9日の取締役会において、同日付で発表する「グループ経営改革の進捗」について決議しました。これには、2月4日の取締役会で決議し、同日付で発表した「グループ経営改革」の具体的施策(人員の適正化など)や、2026年度の収益改善効果目標が示されています。
人員の適正化に関する具体的施策としては、社員一人あたりの生産性が高い組織へと変革すべく、グループ各社で営業部門・間接部門を中心に業務効率の徹底的な見直しを行うとともに、必要な組織・人員数を再設計し、また、収益改善が見通せない赤字事業の終息や拠点統廃合も進め、これらにより、グローバルで人員を適正化します。
今回の人員の適正化を含むグループ経営改革に伴う構造改革費用として、2025年度に1,300億円の損失を見込んでいます。
①当連結会計年度における半期情報等
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中間連結会計期間 |
当連結会計年度 |
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売上高(百万円) |
4,251,310 |
8,458,185 |
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税引前中間利益又は 税引前利益(百万円) |
250,959 |
486,289 |
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親会社の所有者に帰属する中 間(当期)純利益(百万円) |
188,909 |
366,205 |
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基本的1株当たり親会社の所有者に 帰属する中間(当期)純利益(円) |
80.92 |
156.87 |
②訴訟等
当社に関する重要な訴訟等は、連結財務諸表注記「38.偶発負債」に記載のとおりです。