第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における我が国経済は、輸出入が横ばいとなったものの、雇用情勢が改善し、設備投資にも持ち直しの動きがみられるなど、緩やかな回復を続けた。また海外では、中国経済が減速傾向にあるものの、全体としては、米国やユーロ圏などを中心に引き続き回復基調での推移となった。

こうした中、当社グループでは、液晶テレビ「AQUOS 4K NEXT※1」や「ヘルシオ ホットクック※2」、IGZO 液晶ディスプレイ※3、蓄電池連携DCハイブリッドエアコン※4など、独自商品・特長デバイスの創出と販売強化に努めた。このほか、モバイル型ロボット電話「RoBoHoN※5」やプラズマクラスター空気清浄機「蚊取空清※6」などの開発も進めた。また、インセル型液晶タッチディスプレイ※7の量産も開始した。さらに、安定した経営基盤の早期確立に向け、「2015~2017年度 中期経営計画」の3つの重点戦略である①事業ポートフォリオの再構築、②固定費削減の断行、③組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んだ。

しかし、当連結会計年度の業績は、コンシューマーエレクトロニクス、エネルギーソリューション、ディスプレイデバイスの売上が減少したことにより、売上高が2,461,589百万円(前年度比88.3%)となった。また、コンシューマーエレクトロニクス、ディスプレイデバイスの業績悪化により、営業損失は161,967百万円(前年度は48,065百万円の営業損失)、経常損失は192,460百万円(前年度は96,526百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は255,972百万円(前年度は222,347百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。

なお、資金面では、平成27年6月に総額225,000百万円の優先株を発行し、中期経営計画の遂行を支える資本の増強と成長分野への投資資金の調達を行っている。

 

※1 4原色技術を用い8K解像度を実現した4K液晶テレビ。2015年5月21日公表「『AQUOS 4K NEXT』<80V型:LC-80XU30>を発売」参照。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150521-a.html

※2 業界で初めて、水を使わず、火を使わず、健康的な「無水調理」が手軽にできる自動調理鍋。下記URL参照。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150917-a.html

※3 透明な酸化物半導体を採用したディスプレイ。下記URL参照。

http://www.sharp.co.jp/igzo/

※4 蓄電池のDC(直流)電力をAC(交流)に変換することなく室外機に供給し、省エネを実現するエアコン。2015年11月27日公表「業界初「DCハイブリッドエアコン」を発売」参照。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/151127-a.html

※5 小型で手軽に携帯できるモバイル型ロボット電話。2016年4月14日公表「モバイル型ロボット電話『RoBoHoN(ロボホン)』の販売を開始」参照。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/160414-a.html

※6 蚊の習性と空気清浄機の吸引力を利用し、薬剤を使わずに粘着式「蚊取りシート」で捕獲する蚊取り機能を搭載したプラズマクラスター空気清浄機。2016年3月17日公表「プラズマクラスター空気清浄機『蚊取空清』を発売」参照。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/160317-a.html

※7 タッチセンサー部の機能を内蔵した液晶ディスプレイ。2015年6月17日公表「スマートフォン向けインセル型液晶タッチディスプレイを量産開始」参照。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/150617-a.html

 

セグメントの業績は、概ね次のとおりである。

なお、第3四半期連結累計期間より報告セグメントの区分を変更している。以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組替えた数値で比較している。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載している。

 

①コンシューマーエレクトロニクス

液晶テレビや携帯電話、空気清浄機などの販売が減少した。利益面では、中国の販売子会社において売上高の大幅な減少に伴う今後の取引方針の変更等により、取引先との販売促進費用の支払が必要となる可能性が高いことから販売促進引当金を当連結会計年度末より計上したため、収益性が悪化した。この結果、売上高は810,733百万円(前年度比 82.5%)、セグメント損失は21,830百万円(前年度は19,083百万円のセグメント利益)となった。

 

②エネルギーソリューション

太陽電池の販売が減少した。利益面では、ソーラーパネルの原材料(ポリシリコン)に係る買付契約評価引当金繰入額が減少したため、損失額は縮小した。この結果、売上高が156,834百万円(前年度比57.9%)、セグメント損失は18,425百万円(前年度は62,679百万円のセグメント損失)となった。

 

③ビジネスソリューション

価格下落の影響はあったものの、海外でカラー複合機の販売が伸長した結果、売上高は355,196百万円(前年度比 103.5%)、セグメント利益は35,814百万円(前年度比 114.4%)となった。

 

④電子デバイス

カメラモジュールの販売が伸長した。利益面では、急激な価格下落及びたな卸資産の滞留状況等を鑑み、たな卸資産の評価基準を変更し、たな卸資産評価損を追加計上したものの、売上の増加により収益性が改善した。この結果、売上高は490,029百万円(前年度比 105.0%)、セグメント利益は1,491百万円(前年度比 220.6%)となった。

 

⑤ディスプレイデバイス

テレビ用大型液晶パネルや中国スマートフォン向けの中小型液晶パネルの販売が減少した。利益面では、売上の減少に加え、一部工場において生産調整を行ったことや、急激な価格下落及びたな卸資産の滞留状況等を鑑み、たな卸資産の評価基準を変更し、たな卸資産評価損を追加計上したことにより収益性が悪化した。この結果、売上高は771,548百万円(前年度比 85.1%)、セグメント損失は129,173百万円(前年度は594百万円のセグメント利益)となった。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ82,678百万円(35.6%)減少し、当連結会計年度末には149,533百万円となった。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の支出は、18,866百万円であり、前連結会計年度に比べ36,205百万円増加した。これは、前連結会計年度に比べて、たな卸資産の増減額が増加から減少に転じたものの、税金等調整前当期純損失が42,288百万円増加したほか、仕入債務の増減額が増加から減少に転じたことなどによるものである。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、40,513百万円であり、前連結会計年度に比べ24,470百万円(152.5%)増加した。これは、前連結会計年度に比べて、投資有価証券の売却による収入が29,602百万円減少したことなどによるものである。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の支出は、15,360百万円であり、前連結会計年度に比べ120,730百万円(88.7%)減少した。これは、前連結会計年度に比べて、短期借入金の純増減額が増加から減少に転じたものの、社債の償還による支出が99,002百万円減少したほか、種類株式の発行による収入が224,606百万円あったことなどによるものである。

 

(注) 消費税等の会計処理は税抜方式によっている。以下「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」に記載されている金額も同様である。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

コンシューマーエレクトロニクス

742,899

△24.0

エネルギーソリューション

147,488

△43.6

ビジネスソリューション

350,704

+4.0

電子デバイス

450,030

+7.2

ディスプレイデバイス

639,782

△19.6

合計

2,330,903

△16.5

(注)1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去している。

2 上記の金額には、外注製品仕入高等を含んでいる。

3 平成27年10月1日付の組織変更に伴い、第3四半期連結累計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成している。

 

(2)受注状況

 当社グループは原則として見込生産を行っている。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

コンシューマーエレクトロニクス

798,314

△18.7

エネルギーソリューション

155,422

△42.6

ビジネスソリューション

348,451

+1.5

電子デバイス

458,022

+9.9

ディスプレイデバイス

701,380

△9.3

合計

2,461,589

△11.7

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去している。

2 平成27年10月1日付の組織変更に伴い、第3四半期連結累計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成している。

3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりである。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

APPLE INC.

553,007

19.8

667,299

27.1

 

3【対処すべき課題】

 

(1)当面の対処すべき課題の内容等

 国内経済は雇用環境の改善が続き、設備投資が増加傾向にあることに加え、各種経済対策による下支え効果もあり、緩やかな回復が続くと見込まれる。海外は、アメリカの金融政策とその影響、中国をはじめとするアジア新興諸国の経済の先行き、資源価格や為替の動向、地政学的リスクなどに留意する必要はあるが、全体として、回復基調を維持することが期待される。

 当社グループは、抜本的構造改革の断行による安定的収益基盤の構築を図り、平成27年5月に「2015~2017年度中期経営計画」を発表し、3つの重点戦略である①事業ポートフォリオの再構築、②固定費削減の断行、③組織・ガバナンスの再編・強化に取り組んできた。

 しかし、平成28年3月期は、ディスプレイデバイス事業において、期初の想定をはるかに上回る中国市場向けのスマートフォン用液晶の販売減や価格競争激化による単価ダウンの影響などにより、平成27年10月26日に売上高・営業利益について通期業績予想の下方修正をすることとなった。さらに第3四半期連結累計期間において親会社株主に帰属する四半期純損失を1,083億円計上し、これに伴い、財務の健全化を示す自己資本比率は第3四半期連結会計期間末において8.6%と第1四半期連結会計期間末の12.3%から低下するに至った。

 こうした状況を受け、当社グループでは、鴻海精密工業股份有限公司と戦略的提携を結び、平成28年4月2日に、鴻海精密工業股份有限公司、鴻海精密工業股份有限公司の完全子会社であるFoxconn(Far East) Limited、Foxconn Technology Pte. Ltd.及びSIO International Holdings Limitedを割当先とする第三者割当による新株式(普通株式及びC種種類株式)の発行に関し、割当予定先と株式引受契約を締結した。(注)

 これら新株式の発行は、金融商品取引法に基づく有価証券届出書の効力発生及び各国の関係当局の許認可が得られることなどを払込みの条件としている。

 当社グループは、今回の戦略的提携により、将来的な売上の拡大やコスト競争力向上などを通じた利益率の改善、急激な景気変動等にも耐えうる財務及び事業基盤の強化を図り、経営再建を果たしていく。

 

(注)詳細については、当社ホームページに掲載のニュースリリース参照。

・平成28年2月25日付ニュースリリース

http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2016/160225.pdf

・平成28年3月30日付ニュースリリース

http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2016/160330-3.pdf

 

(2)会社の支配に関する基本方針

① 基本方針の内容

 当社取締役会は、当社グループのように製造業を営む企業が、企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるためには、中長期的な視点により先端技術や製造技術を自社内で開発、活用し、また、この間に顧客、取引先、従業員等のステークホルダーとの良好な協力関係を構築することが必要不可欠であると考えている。

 また、当社グループの買収を企図した当社取締役会の賛同を得ない当社株式の買付行為であっても、これに応じるか否かは、最終的には当社株主において判断されるべきものであると考えているが、その目的等からみて企業価値・株主共同の利益に明白な侵害をもたらすものや、株主に株式の売却を強要するおそれのあるものなどの不適切な買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えており、このような不適切な買付行為が行われる場合には、それに対して相当の対抗措置を発動することも必要であると考えている。

 

② 基本方針の実現に資する特別の取り組み

 当社グループは、「誠意と創意」の経営信条の下、時代を先取りする独自商品の開発を通じて、企業価値の向上に努めるとともに、社会への貢献を果たしてきた。

 また、当社グループは、先進のエレクトロニクス技術を駆使し、顧客のニーズを捉えた革新的な商品やサービスを創出することが、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにつながると考えている。

 

 こうした考えの下、「2015~2017年度 中期経営計画」では、以下の3つの重点戦略を着実に実行し、「抜本的構造改革の断行による安定的収益基盤の構築」を目指してきた。

イ 事業ポートフォリオの再構築

 当社の事業を、顧客や事業特性に応じた下記の5つのカンパニーに再編。

・コンシューマーエレクトロニクスカンパニー

・エネルギーソリューションカンパニー

・ビジネスソリューションカンパニー

・電子デバイスカンパニー

・ディスプレイデバイスカンパニー

ロ 固定費削減の断行

 事業構造・拠点改革の推進、希望退職や海外拠点縮小に伴う人員削減、本社のスリム化や緊急人件費対策などを実行。

ハ 組織・ガバナンスの再編・強化

 上記カンパニー制導入のほか、以下の人事改革を実行。

(a)等級・報酬制度の見直し

(b)処遇の適正化

(c)実力ベースの人材登用徹底

(d)組織のフラット化・シンプル化

 このほか、コンプライアンス意識やステークホルダーの視点をもって事業活動に取り組むことにより企業の社会的責任を果たすとともに、環境・教育・社会福祉の分野を中心とした様々な社会貢献活動の推進により、広く社会からの期待に応え、信頼と評価を高めるよう推進していく。また当社は、株主への利益還元を経営上の最重要課題の一つと考えており、連結業績と財務状況並びに今後の事業展開等を総合的に勘案し、長期的な視点に立って、株主への利益還元に取り組んでいく。

 これらのほか、③の取り組みを行っている。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって支配されることを防止するための取り組み

 当社は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付行為(以下、「大量買付行為」といい、そのような買付行為を行う者を「大量買付者」という。)に関するルールを『当社株式の大量買付行為に関する対応プラン』(以下、「本プラン」という。)として定めており、その概要は次のとおりである。

イ ①の基本方針に記載のとおり、当社取締役会は、当社株式の大量買付行為に応じるか否かについては、最終的には当社株主において判断されるべきものであると考えているが、株主が適切な判断を行うためには、大量買付者及び当社取締役会の双方から必要かつ十分な情報が提供される必要があると考えており、そのためには、大量買付行為が行われる際の一定の合理的なルールを設定しておくことが不可欠であると考えている。

ロ 当社取締役会が設定するルールでは、大量買付者に対して、a)一定の期間内に当社取締役会に対して必要かつ十分な情報提供をすること、b)当社取締役会による一定の評価期間が経過した後に大量買付行為を開始することを求めている。

ハ 当社取締役会は、大量買付者がルールを遵守しない場合、あるいは、ルールを遵守していてもその行為が当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうと判断される場合には、当社グループの企業価値・株主共同の利益を確保するため、対抗措置を発動することがある。

ニ 当社取締役会による大量買付行為の検討・対抗措置の発動にあたっては、社外取締役、社外監査役及び外部の有識者の中から選任される3名以上の委員により構成される特別委員会の勧告を最大限尊重し、最終決定する。なお、以下の場合には、原則として株主意思確認総会を開催し、当社取締役会はその決議に従う。

・特別委員会が、対抗措置発動についてあらかじめ株主総会の承認を得るべき旨の留保を付した場合

・当社取締役会が株主の意思を確認することが適切であると判断した場合

ホ 当社取締役会が、対抗措置の発動を決定した後、大量買付者から必要かつ十分な情報の提供があり、当社グループの企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資すると特別委員会が勧告し、当社取締役会が判断した場合は、対抗措置を取り止める。

 

④ 本プランに対する取締役会の意見

 当社取締役会は、以下の理由から、本プランが①の基本方針に沿っており、また、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断している。

イ 本プランは、大量買付者が大量買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、及び当社取締役会の評価期間が経過した後にのみ当該大量買付行為を開始することを求め、これを遵守しない場合、あるいは、遵守していても当社グループの企業価値・株主共同の利益を著しく損なうような不適切な大量買付行為が行われる場合には、当社取締役会が大量買付者に対して相当の対抗措置を発動することがあることを明記している。

ロ 本プランは、当社株主が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の代替案の提示を受ける機会の提供をルール化し、当社株主及び投資家が適切な投資判断を行える環境を整えるものである。また、本プランの発効・継続は、当社株主の承認を条件としている。

ハ 本プランは、不適切な大量買付行為に対して、当社取締役会が対抗措置を発動する場合を事前かつ詳細に開示するものであり、対抗措置の発動は本プランに従って行われる。さらに、大量買付行為に関して当社取締役会が評価、検討、対抗措置の発動等を行う際には、外部専門家等から助言を得るとともに、特別委員会の意見を最大限尊重すること、株主の意思を確認することが適切と判断した場合は株主意思確認総会を開催し、取締役会はその決議に従うことを定めており、本プランには当社取締役会による適正な運用を担保するための手続が盛り込まれている。

 

⑤ 本プランの有効期間

 本プランは、平成26年6月25日に開催された当社第120期定時株主総会において株主の承認を得ており、その有効期間は平成29年6月30日までに開催される第123期定時株主総会終結の時までとなっている。

 

(注) 本プランの詳細については、当社ホームページに掲載のニュースリリース参照。

・平成27年5月14日付ニュースリリース

http://www.sharp.co.jp/corporate/ir/pdf/2015/150514-1.pdf

 

 なお、鴻海精密工業股份有限公司、Foxconn(Far East) Limited、Foxconn Technology Pte. Ltd.及び

SIO International Holdings Limitedを割当先とする第三者割当による新株式(普通株式及びC種種類株式)の発行を予定しており、当該株式の発行後においては、本プランを継続する必要性が小さくなると考えられることから、廃止することを検討している。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っている。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っている。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性がある。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがある。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものである。

 

(1)世界市場の動向・海外事業について

 当社グループは、日本だけではなく、欧米やアジア諸国を中心に世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性がある。さらに、各地域における事業の監督や調整の困難さ、世界経済の低迷から受ける影響の増加、外国の法令及び課税等に関するリスク、事業を行うに際しての多様な基準や慣行、貿易制限、政治的不安定及びビジネス環境の不確実性、日本との政治的・経済的関係の変化及び社会的混乱並びに人件費の増加及び労働問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

(2)為替変動の影響

 当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、平成26年3月期60.7%、平成27年3月期65.2%、平成28年3月期69.5%である。また、当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売するなど、製造された国以外の国においても当社製品を販売している。このため、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っているが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性がある。

 

(3)特定の製品・顧客に対する依存について

 当社グループの電子デバイス、液晶ディスプレイ及びデジタル情報機器の売上高は、当社グループの売上高の過半数を占めているため、こうした製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現、又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性がある。

 また、当社グループは、特に電子デバイス、液晶ディスプレイ及び携帯電話について、その顧客が少数に限られており、当社グループの売上高の相当程度の部分は、当該少数の特定の顧客に対するものである。こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。また、当該顧客が、当社グループの財務状況に対する懸念から、当社グループとの取引規模を縮小する可能性や、特定の製品について、当該顧客の関連会社との取引を優先する可能性もある。さらに、こうした少数の顧客との取引関係の維持・発展のために、当社グループの業務に関して様々な制限を受ける可能性がある。

 

(4)戦略的提携・協業等について

 当社グループは、平成28年4月2日に、鴻海精密工業股份有限公司を中心とするグループ企業4社(以下「鴻海精密工業グループ」という。)との間で株式引受契約を締結した。同契約では、当社普通株式3,281,950,697株を1株当たり88円にて、C種種類株式11,363,636株を1株当たり8,800円にて、第三者割当による新株式を鴻海精密工業グループが引き受けることを定めている。払込期日は平成28年6月28日から平成28年10月5日を予定している。

 鴻海精密工業グループからの出資により、当社の自己資本比率の改善、現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資の実行、鴻海精密工業グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となる。

 

 また、当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、サムスン電子グループ及びクアルコムグループ等の外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、協力関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 この他、かかる提携・協業に関連して、同業他社との提携・協業の実施が制限される可能性があり、提携・協業の条件により当社の業務の自由度が制限される可能性がある。例えば、当社は、サムスン電子グループに対して、当社がビジネス・ソリューション事業の一部の売却を実行する場合の優先的交渉権を付与している(もっとも当社には現状当該事業の売却の意図はない。)。

 

(5)取引先等について

 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービス等の提供を受けている。それら取引先については、十分な信用調査のうえ取引を行っているが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、法令違反等の不祥事の発生や、サプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、一部の部材等について供給業者が限られていることなどにより、調達先から部材等が十分に供給されない、あるいは、調達した部材等の品質が十分でないことが考えられる。そのような場合には、代替的な調達先との間で現在の調達先との取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見つけられない可能性がある。これらにより、当社グループの製品の品質の低下、コストの増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 また、当社グループは、特定の顧客との間の契約に基づき、当社グループの製品の売買代金として前受金の支払いを受けている。現在、かかる前受金の返還債務は、当該顧客に対する当社グループの売買代金売掛債権と相殺されているが、当社グループの財務状況により、当該顧客との間の契約に従ってこれらの前受金の大部分の返還が求められる可能性がある。前受金の返還が求められる場合、当社グループの営業キャッシュ・フローに悪影響を及ぼす可能性がある。

 

(6)財務状態の及ぼす影響について

 当社グループは、事業資金を銀行・生命保険会社等の金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しており、総資産に対するこうした借入等の割合は当連結会計年度末現在45.4%となっている。このうち当該借入等に対する短期借入等の占める割合は88.7%となっている。このため、当社グループは、こうした借入等の返済のためキャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性がある。また、既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性がある。当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入れに係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結営業利益及び連結当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入れについて期限の利益を喪失する可能性がある。さらに、当社が当該財務制限条項に違反する場合、社債その他の借入れについても期限の利益を喪失する可能性がある。

 また、㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っている。

 こうした当社グループの借入等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性も存する。

 

(7)技術革新について

 当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争の激化、技術標準の変化、技術の陳腐化、代替技術の出現などにより、新製品を適時に導入することができない、製品在庫の増加や開発資金を回収できないなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、技術面以外に、価格やマーケティングの観点からも厳しい競争下にあり、当社グループがかかる競争を勝ち抜いていくことができるとは限らない。競合他社との熾烈な競争の結果次第では、当社グループとして既存の事業の縮小又は撤退を余儀なくされる可能性があり、かかる事業の縮小又は撤退のために追加的費用が発生する可能性がある。さらに、当社グループは、他社との共同開発契約に基づいて協力して研究開発を行っており、かかる協力関係を維持できない、協力関係から十分な成果が得られない、又は協力関係の円滑な解消ができない可能性がある。

 

(8)知的財産権について

 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外において特許権、商標権その他の知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めている。

 しかしながら、特許出願等に対し権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等がなされる場合等により、当社グループの十分な権利保護が受けられない可能性があり、また、ライセンス提供によるロイヤリティー収益が十分に確保できない可能性がある。加えて、当社グループ保有の知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に行使できない可能性がある。また、当社グループが第三者から受けているライセンスがライセンス期間の満了その他何らかの理由により終了する可能性や、第三者により知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性があり、さらに、第三者による侵害の主張が認められた場合に多額の対価の支払い、当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性がある。

 また、当社グループからライセンスを受けている他社が第三者に買収された場合には、従来当社グループがライセンスを付与していない第三者がライセンスを獲得し、その結果、当社グループが知的財産権の優位性を失う可能性や、当社グループと当該第三者との間の提携等により従来当社グループの事業にはなかった新たな制約が課せられる可能性とこれらを解決するために新たな対価支払いを強いられる可能性がある。さらに、かかる提携等が他の第三者との既存のライセンス契約に抵触していると主張された場合には、当該提携等の解約等を強いられる可能性もある。

 また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っているが、発明者より「相当の対価」を求める訴訟を提起される可能性がある。

 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(9)長期投資・長期契約について

 当社グループは、これまで製造設備等に対し積極的な投資を行っており、多くの固定資産を有している。かかる製造設備等については、それらが想定通り稼働しないこと、又は設備の性質や契約上の制約から他製品のための転用が難しいこと等から、想定していたような収益の獲得に結びつかず、場合によっては減損損失を計上する必要が生ずるなど、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。また、当社グループは、のれん等の固定資産も有している。今後、事業の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。

 加えて、当社グループは、多数の長期契約を有しており、それらの長期契約の多くは、その契約期間中、固定価格又は定期的にのみ調整される価格による取引を約束するものであるため、当該契約期間における価格又は費用の変動は当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性がある。特に、ソーラーパネルの原材料に関してこうした契約が存在しており、中でもポリシリコンの購入契約は、最長で平成32年末まで、合計して17,733トン(当連結会計年度末現在)を直近の時価水準を大幅に上回る価格(当連結会計年度末現在の時価を加重平均で1キログラム当たり約3,212円上回る。)で購入することを当社グループに義務づけるものとなっている。そのため、ポリシリコンの市場価格の更なる下落により、追加の損失が発生する可能性がある。また、ポリシリコンの期末における購入契約には転売が禁止されているものがあるため、将来使用見込みが無くなった場合には回収が困難となり、追加の損失が発生する可能性がある。

 また、堺工場において太陽電池を生産するために必要な電気等の供給につき、複数のサプライヤーとの間で長期契約を締結している。当該契約の当連結会計年度末の未経過残高は合計で38,064百万円(残年数は1.5年から12.75年)となっており、いずれも中途解約は不能である。当該電気等の供給に関する長期契約により、年間480メガワットの太陽電池生産が可能となっているが、堺工場における実際の生産量は現在年間160メガワット程度に留まっており、これらの長期契約は、エネルギーソリューション事業の割高な生産コストの原因となっている。

(10)製造物責任について

 当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準に従って各種の製品を製造しているが、当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性がある。当社は、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しているが、予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(11)法的規制等について

 当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けている。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、知的財産権、製品安全、環境・リサイクル関連、内部統制、労務規制等の各種法規制の適用を受けている。これら各種法規制の変更及び変更に伴う法規制遵守対応のための追加的費用発生の場合、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 また、当社製品に関連した事故が発生した場合、消費生活用製品安全法や関連通達による事故報告及び公表制度に基づく事故情報の公表により当社ブランドイメージが低下する可能性がある。

 

(12)訴訟その他法的手続きについて

 当社グループは全世界で事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有している。当社グループが訴訟その他の法的手続きの当事者となった場合、各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によっては巨額の損害賠償金や罰金等の支払いを命じられる可能性もある。

 なお、TFT液晶事業に関し、欧州委員会競争総局等による調査を受けており、また、北米等において損害賠償を求める民事訴訟が提起されている。かかる手続きや訴訟の結果について、将来発生する可能性のある損失を合理的に見積り、必要と認められる額を訴訟損失引当金に計上しているが、現時点ですべてを予測・見積ることは困難である。また、現在進行中の手続きに加え、今後新たに規制当局による調査や民事訴訟の提起がなされる可能性もある。

 いずれも、不利な結果が生じる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(13)個人情報、その他情報流出について

 当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有している。これら情報の保護に細心の注意を払っており、全社管理体制の下、管理規程を遵守するための従業員教育及び内部監査の実施等の施策を推進しているが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(14)大規模自然災害の発生について

 当社グループは、地震・台風を始めとした大規模自然災害に備え、被害を最小限に抑えるため、予防・応急対策及び早期復旧・復興に向けた事業継続計画を作成し、影響の回避に努めているが、想定を超えた災害の発生により、当社グループ及び取引先の事業活動に直接的または間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(15)電力不足および電気料金上昇に伴うリスクについて

 東日本大震災に伴う原発事故を契機に生じている電力問題は、国内外の市場環境に様々な悪影響を与えており、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼしている。

 今後も電力供給不足に伴う電力使用制限や電気料金値上げ等の事態に至った場合には、工場の操業低下やコスト負担増加等で当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がある。

 

(16)有能な人材確保における競争について

 当社グループの再生と成長には、技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保が欠かせない。しかし、現下の経営状況を鑑みると新たな人材の獲得は厳しいことに加え、人材の流動性は非常に高まっている。従ってこれらの状況により、現在在籍している人材の流出防止や新たな人材獲得、並びに、当社の事業経営を担う重要な従業員の能力向上が適切に推進できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

(17)その他の主な変動要因

 上記の他、当社グループの業績は、事故や紛争・暴動・テロ等の人為的災害、新型インフルエンザや新たな感染症の流行、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性がある。

 

(18)継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社グループは、当連結会計年度において引き続き、営業損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上した結果、単体及び連結ともに債務超過となり、重要な営業キャッシュ・フローのマイナスとなった。また、平成28年3月31日期日のシンジケートローン契約は、平成28年3月30日に期間を延長したが、当連結会計年度末現在においては、1ヶ月間(期日は平成28年4月30日)の延長に留まっていた。また、単体及び連結ともに債務超過のため、シンジケートローン契約の期限の利益の喪失事由に該当している。こうした状況により、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しているが、「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施しているため、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められない。従って、「継続企業の前提に関する事項」には該当していない。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社グループにおける主な技術導入契約及び技術援助契約等の概要は次のとおりである。

(1)技術導入契約

相手先

国名

又は

地域

契約内容

契約期間

インターデジタル・テクノロジー・コーポレーション

アメリカ

携帯電話の時分割多元接続(TDMA)技術に関する特許実施権の許諾(注)2

自 平成23年5月1日

至 平成28年4月30日

携帯電話の符号分割多元接続(CDMA)技術及びGSM方式携帯電話に関する特許実施権の許諾

自 平成13年8月10日

至 特許権満了日

クアルコム・インコーポレイテッド

アメリカ

携帯電話の符号分割多元接続(CDMA)技術に関する特許実施権の許諾

自 平成9年4月30日

至 終期の定めなし

(注)1 上記はすべて当社との契約である。

2 提出日現在において契約期間が満了している。

 

(2)技術援助契約

相手先

国名

又は

地域

契約内容

契約期間

友達光電股份有限公司

台湾

液晶表示装置に関する特許実施権の許諾

自 平成23年1月1日

至 平成32年12月31日

イノラックス・コーポレーション

台湾

液晶表示装置に関する特許実施権の許諾

自 平成22年9月30日

至 平成29年9月30日

(注) 上記はすべて当社との契約である。

 

(3)その他の契約

相手先

国名

又は

地域

契約内容

 

㈱みずほ銀行

㈱三菱東京UFJ銀行

 

日本

日本

平成27年5月、当社が第三者割当の方法により発行する総額200,000百万円のA種種類株式を、㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行が引受けする契約を締結した。(注)1、(注)4

 

ジャパン・インダストリアル・

ソリューションズ第壱号投資事業

有限責任組合

 

日本

 

平成27年5月、当社が第三者割当の方法により発行する総額25,000百万円のB種種類株式を、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第壱号投資事業有限責任組合が引受けする契約を締結した。(注)1、(注)2、(注)4

 

ハイセンス・インターナショナル(ホンコン)・アメリカ・インベストメント・カンパニー・リミテッド

 

 

香港

 

平成27年7月、米州における液晶テレビ事業について、ハイセンス・インターナショナル(ホンコン)・アメリカ・インベストメント・カンパニー・リミテッドが米州で展開する液晶テレビに、AQUOSなどの当社ブランドを供与する契約を締結した。(注)4

ドルビー・インターナショナル・エービー

オランダ

平成27年9月、映像技術関連特許をドルビー・インターナショナル・エービーへ譲渡する契約を締結した。(注)4

 

 

相手先

国名

又は

地域

契約内容

㈱ニトリ

日本

平成27年9月、本社ビル(大阪市阿倍野区)の土地・建物を㈱ニトリへ譲渡する契約を締結した。(注)4

エヌ・ティ・ティ都市開発㈱

日本

平成27年9月、田辺ビル(大阪市阿倍野区)の土地・建物をエヌ・ティ・ティ都市開発㈱へ譲渡する契約を締結した。(注)4

 

ハイセンス・エレクトリック・カンパニー・リミテッド

中国

平成27年7月、当社連結子会社のメキシコにある液晶テレビの生産拠点シャープ・エレクトロニカ・メキシコ・エス・エー・デ・シー・ブイの株式などを、ハイセンス・エレクトリック・カンパニー・リミテッド及びハイセンス・ユーエスエー・コーポレーションへ譲渡する契約を締結した。(注)5

ハイセンス・ユーエスエー・コーポレーション

アメリカ

 

(アレンジャー兼エージェント)

㈱みずほ銀行

 

日本

平成28年3月、平成25年6月25日に契約更新または締結し、平成28年3月31日に期日が到来するシンジケートローンの既存契約について、期日を平成28年4月30日へ延長することで合意した。(注)3、(注)4

㈱三菱東京UFJ銀行

日本

(注)1 詳細は「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(5)発行済株式総数、資本金等の推移(注)8」に記載している。

2 平成28年5月12日開催の取締役会において、当社発行のB種種類株式の全部につき、金銭を対価として取得する事を決議した。内容の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載している。

3 さらに平成28年4月26日に契約の更改を行なった。契約内容の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載している。

4 すべて当社との契約である。

5 当社の連結子会社であるシャープ・エレクトロニクス・コーポレーション及びシャープ・エレクトロニクス・マニュファクチュアリング・カンパニー・オブ・アメリカ・インクとの契約である。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新材料や生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っている。

 平成27年10月1日付の、カンパニー制導入に伴う組織再編により、研究開発体制として、基礎・応用研究開発は研究開発本部が担当、それ以外はカンパニー傘下の組織が担うとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクトチームを置くこととした。これに伴い、生産技術開発本部及び新規事業推進本部は再編の上、コンシューマーエレクトロニクスカンパニー及び、ビジネスソリューションカンパニーの傘下に移管した。また、ビジネスソリューション開発本部及びディスプレイデバイス開発本部を解消し、それぞれビジネスソリューションカンパニー及びディスプレイデバイスカンパニーに移管した。さらに、各カンパニーの傘下には目的別開発センター、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を置いている。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めている。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は130,120百万円である。この内、コンシューマーエレクトロニクスに係る研究開発費は37,956百万円、エネルギーソリューションに係る研究開発費は1,920百万円、ビジネスソリューションに係る研究開発費は21,790百万円、電子デバイスに係る研究開発費は14,781百万円、ディスプレイデバイスに係る研究開発費は40,221百万円、全社(共通)に係る研究開発費は13,452百万円である。

 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりである。

 

(1)コンシューマーエレクトロニクス

 業界で初めての電気無水鍋<ヘルシオホットクック>、シンプル&スマートデザインのプラズマクラスター空気清浄機とプラズマクラスター加湿機<S-style>、世界初、蚊の習性と空気清浄機の吸引力を利用し、薬剤を使わず蚊取りシートで捕獲する<プラズマクラスター空気清浄機「蚊取空清」>、風を長く浴びた時に感じるだるさ感を抑制、業界で初めてムラの少ない滑らかな風を実現したネイチャーウイング搭載の<プラズマクラスター扇風機ハイポジション・リビングファン>、業界で初めてヒートサイクロンを搭載したサイクロンふとん掃除機<Cornet>等、新たな発想により健康で快適な生活をサポートする商品を創出した。

 また、携帯情報通信端末の新コンセプトとして提案するモバイル型ロボット電話<RoBoHoN>、業界で初めて音声対話を実現、インターネットに繋がり暮らしをアシストする<ともだち家電>等、情緒価値の概念をいち早く採り入れた商品、業界で初めて不審な電話を自動で判別し着信を拒否する「迷惑電話フィルタ」を搭載した<デジタルコードレスファクシミリと電話機>を創出した。

 さらに、独自のパネルと回路によって8K解像度表示能力を有するAQUOS史上最高画質の4K液晶テレビ<AQUOS 4K NEXT>、テレビ機能付きホームタブレット<AQUOSファミレド>等、幅広い分野で新たな価値を提供する数多くの特長商品を創出した。

(2)エネルギーソリューション

 業界トップクラスモジュール変換効率(19.1%)を実現した<住宅用 単結晶太陽電池モジュールBLACKSOLAR>、業界で初めてクラウド蓄電池と組み合わせて電気を効率よく使える<DCハイブリッドエアコン>等、最先端の創エネ・省エネ商品を創出した。

(3)ビジネスソリューション

 業界で初めて4K3Kの高解像度で全方位の映像監視を実現し、映像データを無線LANで送信できる<ネットワークカメラ>、屋外でも手軽に無線LAN環境の構築を可能にする<無線バックホール方式無線LANアクセスポイント>等の無線スマートネットワーク商品を創出した。

(4)電子デバイス

 人や動物などの心拍・呼吸・体動などの生体情報を非接触で検知できる<マイクロ波センサモジュール>、夜蛾類による農作物被害の低減と生育への悪影響を抑制する<電球形LED防蛾ランプ>、業界最高の可視高感度3800mVを実現し、毎秒200枚の高速撮影に対応した<ITS/FAカメラ向け1/3型35万画素CCD>、最大で4つのカメラが接続でき、業界トップクラスの高速性を実現した<画像センサカメラコントローラ>等を開発した。

(5)ディスプレイデバイス

 フリーフォームディスプレイをさらに進化させた<曲面型FFD(フリーフォームディスプレイ)>、室内照明の消費電力量の約4割削減を実証、液晶ディスプレイの開発で培った光学制御技術を応用した<採光フィルム>等を開発した。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度における連結売上高は、2,461,589百万円(前年度比 11.7%減)となった。コンシューマーエレクトロニクスでは、液晶テレビや携帯電話、空気清浄機などの販売が減少した。エネルギーソリューションでは、太陽電池の販売が減少した。ビジネスソリューションでは、価格下落の影響はあったものの、海外でカラー複合機の販売が伸長した。電子デバイスでは、カメラモジュールの販売が伸長した。ディスプレイデバイスでは、テレビ用大型液晶パネルや中国向けスマートフォン向けの中小型液晶パネル販売が減少した。

 

② 損益状況

売上原価は、2,228,277百万円(前年度比 7.1%減)となり、売上原価率は、前連結会計年度の86.1%に対し90.5%と上昇した。また、販売費及び一般管理費は、395,279百万円(前年度比 9.5%減)となり、売上高に対する比率は、前連結会計年度の15.7%に対し、16.1%と上昇した。なお、販売費及び一般管理費には研究開発費30,123百万円、従業員給料及び諸手当105,234百万円が含まれている。その結果、当連結会計年度の営業損失は、161,967百万円(前年度は48,065百万円の営業損失)となった。

営業外収益は、前連結会計年度に比べ995百万円減の21,186百万円となり、営業外費用は、前連結会計年度に比べ18,963百万円減の51,679百万円となった。その結果、経常損失は192,460百万円(前年度は96,526百万円の経常損失)となった。

特別利益は、前連結会計年度に比べ24,870百万円減の28,429百万円、特別損失は、前連結会計年度に比べ78,516百万円減の67,091百万円となった。その結果、税金等調整前当期純損失は231,122百万円(前年度は188,834百万円の税金等調整前当期純損失)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は255,972百万円(前年度は222,347百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となった。

 

(2)資本の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ82,678百万円減少し、149,533百万円となった。

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ36,205百万円支出が増加し、18,866百万円の資金の支出となった。これは、たな卸資産の増減額が増加から減少に転じたものの、税金等調整前当期純損失が42,288百万円増加したほか、仕入債務の増減額が増加から減少に転じたことなどによるものである。

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ24,470百万円支出が増加し、40,513百万円の資金の支出となった。これは、投資有価証券の売却による収入が29,602百万円減少したことなどによるものである。

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ120,730百万円支出が減少し、15,360百万円の資金の支出となった。これは、短期借入金の純増減額が増加から減少に転じたものの、社債の償還による支出が99,002百万円減少したほか、種類株式の発行による収入が224,606百万円あったことなどによるものである。

 

② 資産、負債及び純資産

当連結会計年度末の資産合計は、受取手形及び売掛金やたな卸資産が減少したこと等により1,570,672百万円(前連結会計年度末の資産合計は1,961,909百万円)となった。

当連結会計年度末の負債合計は、短期借入金や支払手形及び買掛金が減少したこと等により1,601,883百万円(前連結会計年度末の負債合計は1,917,394百万円)となった。

当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金、為替換算調整勘定、退職給付に係る調整累計額の減少等により△31,211百万円(前連結会計年度末の純資産合計は44,515百万円)となった。

 

(3)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策

当社グループは「4 事業等のリスク (18)継続企業の前提に関する重要事象等について」に記載の継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況に対処すべく、以下の対応策を実施している。

重要な後発事象に記載のとおり、当社は、平成28年2月25日及び平成28年3月30日の取締役会において、鴻海精密工業股份有限公司等を割当先とする第三者割当による総額約3,888億円の新株式の発行の決議及びその修正決議を行い、平成28年4月2日に株式引受契約を締結した。その後、平成28年6月23日開催の第122期定時株主総会及び種類株主総会で、関連する議案(定款変更、第三者割当による募集株式発行)の承認を得た。

第三者割当増資により新たに調達する資金は、各事業の成長に向けた設備投資等及び当社のブランド価値向上・新規事業分野拡大のための経費(運転資金)に充当する予定としている。これにより、現下の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資に資金を充当するとともに、検討中の構造改革の実行に備えることができるなど、確実な経営基盤が整備されることとなる。

また、重要な後発事象に記載のとおり、平成28年4月26日に主力行の㈱みずほ銀行、㈱三菱東京UFJ銀行及び他の参加行の合意を得て、平成28年4月30日期日のシンジケートローンの契約更改を行った。

なお、単体及び連結ともに債務超過となっているが、平成28年5月25日にシンジケートローン貸付人各行から債務超過を理由とする期限の利益の喪失を行わないことについて承諾を得られている。

これらの諸施策により、継続的な支援のもと、資金不足となるリスクを回避し、財務基盤の安定化を図ることができる。