第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 次の100年における持続的成長を確実なものにするため、2017年5月26日に公表した中期経営計画に取り組み、「人に寄り添うIoT」と「8Kエコシステム」を実現する企業へトランスフォーメーションを進めていきます。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

 当社グループは、新たな経営体制の下、構造改革の断行により、2016年度下期に親会社株主に帰属する四半期純利益の黒字化を達成しました。2017年度は、さらなる経営の効率化を行うとともに、中期経営計画に沿って、「人に寄り添うIoT」と「8Kエコシステム」をキーワードに、①ビジネスモデルの変革、②グローバルでの事業拡大、③経営基盤の強化などに取り組みました。これにより、売上高は大幅に伸長し、親会社株主に帰属する当期純利益の黒字化を達成しました。また、当社の普通株式が㈱東京証券取引所の市場第一部銘柄に再指定されました。

 今後は、自社での研究開発のさらなる強化に加え、幅広いパートナーとの連携を加速し、事業ビジョンである「8KとAIoTで世界を変える」の具現化を図るとともに、中国やASEANのみならず、欧州や米州を含めたグローバルでの事業拡大を進めます。厳しい市場環境が続くと見込まれますが、こうした取り組みにより、中期経営計画を確実に達成してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項には、以下のようなものがあります。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)世界市場の動向・海外事業について

 当社グループは、日本だけではなく、欧米やアジア諸国を中心に世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気・消費の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当該地域の政治的・経済的な社会情勢が、同様に影響を及ぼす可能性があります。さらに、各地域における事業の監督や調整の困難さ、世界経済の低迷から受ける影響の増加、外国の法令及び課税等に関するリスク、事業を行うに際しての多様な基準や慣行、貿易問題、政治的不安定及びビジネス環境の不確実性、日本との政治的・経済的関係の変化及び社会的混乱並びに人件費の増加及び労働問題等が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替変動の影響

 当社の連結売上高に占める海外売上高の割合は、2016年3月期69.5%、2017年3月期68.1%、2018年3月期73.0%であります。また、当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売するなど、製造された国以外の国においても当社製品を販売しております。このため、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っておりますが、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。

 

(3)特定の事業・製品・顧客に対する依存について

 当社グループのアドバンスディスプレイシステム事業の売上高は当社グループの売上高の半数近くを占めているため、液晶ディスプレイ関連製品に対する顧客の需要の減少、製品価格の下落、代替性若しくは競争力のある他社製品の出現又は新規企業の参入による競争の激化等により当社グループの業績は悪影響を受ける可能性があります。また、当社グループのIoTエレクトロデバイス及びアドバンスディスプレイシステム事業の一部の製品については、少数の特定顧客に対する売上依存度が高く、こうした重要な顧客向けの販売は、当社グループ製品の問題だけでなく、当該顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、当該顧客の営業戦略の変更などを理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績及び財務の状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)戦略的提携・協業等について

 当社グループは、2016年4月2日に、鴻海精密工業股份有限公司(以下、「鴻海精密工業」といいます。)、Foxconn (Far East) Limited(以下、「Foxconn FE」といいます。)、Foxconn Technology Pte. Ltd.(以下、「Foxconn Technology」といいます。)及びSIO International Holdings Limited(以下、「SIO」といいます。)の4社(以下、「割当先4社」といいます。)との間で株式引受契約を締結しました。同契約では、当社普通株式3,281,950,697株を1株当たり88円にて、C種種類株式11,363,636株を1株当たり8,800円にて、第三者割当による新株式を割当先4社が引き受けることを定めております。本契約に基づき、2016年8月12日を期日として、払込手続きが完了しました。

 割当先4社からの出資により、当社の自己資本比率が大幅に改善し、また、それ以前の財政状況により抑制せざるを得なかった成長投資の実行、親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)の技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。

 また、当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)取引先等について

 当社グループは、多くの取引先から資材の調達やサービス等の提供を受けております。取引先については、十分な信用調査のうえ取引を行っておりますが、需要の低迷や価格の大幅な下落等による取引先の業績等の悪化、突発的なM&Aの発生、自然災害や事故の発生、また、法令違反等の不祥事の発生や、原材料の高騰による影響及びサプライチェーンにおける「紛争鉱物問題」をはじめとする人権・環境問題等や法的規制の影響、さらに一部の部材等において供給業者が限られていることなどにより、調達先から部材等が十分に供給されない、あるいは、調達した部材等の品質が十分に確保できないことが考えられます。そのような場合には、代替調達先との間で現在の取引条件よりも不利な条件での取引を余儀なくされる可能性があり、また代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループの製品の品質の低下、コストの増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)財務状態の及ぼす影響について

 当社グループは、事業資金を銀行・生命保険会社等の金融機関からの借入及び社債の発行等により調達しており、総資産に対するこうした借入金等の割合は当連結会計年度末現在32.9%となっております。このうち当該借入金等に対する短期借入金等の占める割合は14.5%となっております。このため、当社グループは、こうした借入金等の返済のためキャッシュ・フローの使途に制限を受け、また、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。また、既存債務のリファイナンスも含め、必要な資金を必要な時期に適当と考える条件で調達できない等、資金調達が制約されるとともに、資金調達コストが増加する可能性があり、それにより、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。当社グループが複数の金融機関との間で締結している借入金に係る契約には財務制限条項が定められているものもあり、今後当社グループの連結純資産が財務制限条項に定める水準を下回ることとなった場合又は連結の営業利益及び親会社株主に帰属する当期純利益が一定の水準を下回ったにもかかわらず、これに伴い当社が誠実に協議しなかったような場合には、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。さらに、当社が当該財務制限条項に違反する場合、社債その他の借入金についても期限の利益を喪失する可能性があります。

 また、㈱みずほ銀行及び㈱三菱東京UFJ銀行(2018年4月1日より㈱三菱UFJ銀行へ商号変更)は、当社の主たる借入金融機関であり、必要に応じて両行に対して財政状態の改善策等に関する相談も行っております。

 こうした当社グループの借入金等への依存及びこれに関連した信用格付けの低下、又は当社グループの財政状態の悪化は、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があり、また、借入先又は取引先との契約関係上の問題を生じさせる可能性もあります。

 

(7)技術革新について

 当社グループが事業を展開する市場は、技術革新が急激に進行しており、それに伴う社会インフラの変化や市場競争の激化、技術標準の変化、技術の陳腐化、代替技術の出現などにより、新製品を適時に導入することができない、製品在庫の増加や開発資金を回収できないなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、技術面以外に、価格やマーケティングの観点からも厳しい競争下にあり、当社グループがかかる競争を勝ち抜いていくことができるとは限りません。さらに、当社グループは、他社との共同開発契約に基づいて協力して研究開発を行っており、かかる協力関係を維持できない、協力関係から十分な成果が得られない、又は協力関係の円滑な解消ができない可能性があります。

 

(8)知的財産権について

 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外において特許権、商標権その他の知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。

 しかしながら、特許出願等に対し権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等がなされる場合等により、当社グループの十分な権利保護が受けられない可能性があり、また、ライセンス提供によるロイヤリティー収益が十分に確保できない可能性があります。加えて、当社グループ保有の知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に行使できない可能性があります。また、当社グループが第三者から受けているライセンスがライセンス期間の満了その他何らかの理由により終了する可能性や、第三者により知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性があり、さらに、第三者による侵害の主張が認められた場合に多額の対価の支払い、当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。

 また、当社グループからライセンスを受けている他社が第三者に買収された場合には、従来当社グループがライセンスを付与していない第三者がライセンスを獲得し、その結果、当社グループが知的財産権の優位性を失う可能性もあります。

 また、職務発明に関して、社内規程で取り決めている特許報償制度にて発明者に対して報償を行っておりますが、発明者より「相当の対価/利益」を求める訴訟を提起される可能性があります。

 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)長期投資・長期契約について

 当社グループは、これまで製造設備等に対し積極的な投資を行っており、多くの固定資産を有しております。かかる製造設備等については、それらが想定通り稼働しないこと、又は設備の性質や契約上の制約から他製品のための転用が難しいこと等から、想定していたような収益の獲得に結びつかず、場合によっては減損損失を計上する必要が生ずるなど、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは、のれん等の無形固定資産も有しております。今後、事業の収益性が悪化したり、保有資産の市場価格が著しく下落したこと等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 加えて、当社グループは、多数の長期契約を有しており、それらの長期契約の多くは、その契約期間中、固定価格又は定期的にのみ調整される価格による取引を約束するものであるため、当該契約期間における価格又は費用の変動は当社グループの事業に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。特に、ソーラーパネルの原材料に関してこうした契約が存在しており、中でもポリシリコンの購入契約は、最長で2020年末まで、合計して8,307トン(当連結会計年度末現在)を直近の時価水準を大幅に上回る価格(当連結会計年度末現在の時価を加重平均で1キログラム当たり約2,572円上回る。)で購入することを当社グループに義務づけるものとなっております。そのため、ポリシリコンの市場価格の更なる下落により、追加の損失が発生する可能性があります。

 また、堺工場において電気等の供給につき、複数のサプライヤーとの間で長期契約を締結しております。当該契約の当連結会計年度末の未経過残高は合計で27,058百万円(残年数は最長で11年)となっており、いずれも中途解約は不能であり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)製造物責任について

 当社グループは、高品質の製品の提供をめざし、厳密な品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。当社は、万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しておりますが、予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)法的規制等について

 当社グループが事業を展開する各国において、当社グループは、事業や投資の許可、輸出制限、関税、会計基準・税制をはじめとする様々な規制の適用を受けております。また、当社グループの事業は、通商、独占禁止、製造物責任、消費者保護、知的財産権、製品安全、環境・リサイクル関連、内部統制、労務規制等の各種法規制の適用を受けております。これら各種法規制の変更及び変更に伴う法規制遵守対応のための追加的費用発生の場合、あるいは当社グループにおいてこうした法規制の違反が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社製品に関連した事故が発生した場合、消費生活用製品安全法や関連通達による事故報告及び公表制度に基づく事故情報の公表により当社ブランドイメージが低下する可能性があります。

 

(12)訴訟その他法的手続きについて

 当社グループは全世界で事業活動を展開しており、各国で訴訟その他の法的手続きの当事者となるリスクを有しております。当社グループが訴訟その他の法的手続きの当事者となった場合、各国の法制度・裁判制度の違いもあり、事案によっては巨額の損害賠償金や罰金等の支払いを命じられる可能性もあります。

 その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)個人情報、その他情報流出について

 当社グループは、顧客、取引先、従業員等の個人情報やその他秘密情報を有しております。これら情報の保護に細心の注意を払っており、全社管理体制の下、管理規程を遵守するための従業員教育及び内部監査の実施等の施策を推進しておりますが、万一、情報の流出が発生した場合、当社グループの信用低下や多額の費用発生(流出防止対策、損害賠償等)により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)親会社グループとの関係について

 電子機器受託生産サービスを提供する鴻海精密工業を中心とする親会社グループは、「IT」「通信」「自動化設備」「光学産業」「精密機械」「自動車」「家電製品に関わる各種コネクター」「筐体」「ラジエーター」「ネットワーク機器」に関する生産、販売及びアフターサービスの分野で事業を展開しております。

 当社グループは、「シャープ」ブランドの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主に行っております。

 親会社グループの中核会社である鴻海精密工業は、直接に当社の議決権の26.2%を保有し、また、鴻海精密工業の完全子会社であるFoxconn FEが保有する18.4%と併せて44.6%の議決権を直接又は間接に保有しております。さらに、Foxconn Technologyは鴻海精密工業がその議決権の20%以上を保有する会社であり、SIOは鴻海精密工業の董事長であるテリー・ゴウ氏が実質的に支配する会社であることから、両社は鴻海精密工業と緊密な関係があることにより同一の内容の議決権を行使すると認められる者に該当します。両社の議決権と鴻海精密工業が直接又は間接に保有する議決権とを合計すると65.0%となっており、当社に対する大株主としての一定の権利を有しております。しかしながら、将来において、上記4社における当社株式の保有比率に大きな変動があった場合、あるいは親会社等の企業グループ(親会社グループに加え、当社株主であるSIO、堺ディスプレイプロダクト株式会社(以下、「SDP」といいます。)及び今後SIO又はSDPが出資を行う会社を指します。)の事業戦略が変更された場合等には、当社株式の流動性及び株価形成、並びに当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」ブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。しかしながら、親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

① 人的関係について

 有価証券報告書提出日現在における当社取締役9名のうち、以下の通り、業務執行取締役1名が鴻海精密工業及び鴻海精密工業の関連会社の役職員を兼務しております。なお、取締役 王建二氏は、有価証券報告書提出日現在、親会社グループ及びSDPの役員を退任しております。

 

シャープ役職

氏名

親会社グループでの役職

取締役

劉揚偉

富泰康電子研發(煙臺)有限公司

董事長

鴻海精密工業股份有限公司

Bサブグループ総経理及びSサブグループ総経理

虹晶科技股份有限公司

董事長

晶兆創新股份有限公司

董事長

 

② 取引関係について

 当社グループと親会社グループの間では、中国を中心として仕入・販売等の取引を行っております。その他に、知的財産・物流・医療分野でのグループ外収益拡大を目指した子会社及び関連会社の設立を通じた業務提携、一部海外拠点の事務所賃借等の取引を行っております。

 なお、当連結会計年度における重要な取引は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 関連当事者情報」に記載しております。

 

③ 親会社からの独立性の確保について

 当社グループの経営方針、事業展開等の重要事項の意思決定において、当社グループが独立して主体的に検討の上、決定しており、独立性・自律性は保たれていると認識しております。

 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性を十分に尊重しつつ、綿密な連携を保ちながら成長・発展、業績の向上に努めており、親会社グループと連携して当社業務の効率化や売上・利益の拡大等を図ることは、非支配株主の利益につながるものと認識しております。

 当社は、「関連当事者取引規程」を制定し、親会社等の企業グループと新規に取引を開始する場合、事業上の必要性、合理性、取引条件の妥当性を検討し決定しております。なお、経営戦略会議付議案件及び経営者関与取引については決裁までに社外取締役が出席する取締役会で審議し、決定しております。

 

(15)大規模自然災害の発生について

 当社グループは、地震・台風を始めとした大規模自然災害に備え、被害を最小限に抑えるため、予防・応急対策及び早期復旧・復興に向けた事業継続計画を作成し、影響の回避に努めておりますが、想定を超えた災害の発生により、当社グループ及び取引先の事業活動に直接的または間接的な被害が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)電力不足および電気料金上昇に伴うリスクについて

 東日本大震災に伴う原発事故のように、今後天災などを起因とした電力供給不足に伴う電力使用制限や電気料金値上げ等の事態に至った場合には、工場の操業低下やコスト負担増加等で当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)有能な人材確保における競争について

 当社グループの持続的な成長を確実にしていくには、技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保が欠かせません。しかしながら、現在在籍している有能な人材の流出防止や事業方針に沿った新たな人材獲得、並びに、当社の重要な従業員の管理能力及び業務遂行能力の向上が適切に推進できない場合は、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)その他の主な変動要因

 上記の他、当社グループの業績は、事故や紛争・暴動・テロ等の人為的災害、新型インフルエンザや新たな感染症の流行、株式市場や債券市場の大幅な変動などの多様な影響を受ける可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢が改善し、個人消費や輸出は持ち直すなど、緩やかに回復しました。また海外の景気は、米国で着実な回復が継続し、ユーロ圏でも次第に改善する一方、中国でも持ち直しの動きが続くなど、総じて緩やかに上昇しました。

こうした中、当社グループでは、「8KとAIoTで世界を変える」という事業ビジョンを掲げ、2017年5月26日に発表した「2017~2019年度 中期経営計画」の達成に向け、「人に寄り添うIoT」「8Kエコシステム」をキーワードに事業拡大に取り組みました。

世界初の8K対応液晶テレビ・8K映像モニターとなる「AQUOS 8K」、高精細・高画質な70型8K映像モニター※2、業務用8Kカムコーダー※3、HEMS機能を搭載した「クラウド連携エネルギーコントローラ」を発売し、スマートフォン向け有機ELディスプレイのサンプル出荷を開始するなど、独自商品・特長デバイスの創出に努めました。また、フラグシップスマートフォンの統一モデルとなる「AQUOS R」を発売するなど、ブランド力の強化を図りました。

当連結会計年度の業績は、アドバンスディスプレイシステムなど全セグメントの売上が増加し、売上高が2,427,271百万円(前年度比18.4%増)となりました。営業利益は、アドバンスディスプレイシステムが大幅に改善し、90,125百万円(前年度比44.3%増)となりました。経常利益は89,320百万円(前年度比256.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は70,225百万円(前年度は24,877百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

なお、当社は2017年6月30日に㈱東京証券取引所に対し、当社普通株式の市場第一部銘柄への指定申請を行っていましたが、2017年12月7日をもって市場第一部銘柄に再指定されています。

 

※1 究極のリアリズムを追求した、世界初の「8K対応液晶テレビ」「8K映像モニター」。詳細につきましては、2017年8月31日公表の「『AQUOS 8K』を日本・中国・台湾・欧州4地域で発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170831-b.html

※2 8K(スーパーハイビジョン)規格に準拠し、業界で初めて8K解像度でのHDR規格(HLG・PQ方式)にも対応した高精細・高画質な70型8K映像モニター。詳細につきましては、2017年4月12日公表の「70型8K映像モニター<LV-70002>を発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170412-a.html

※3 世界で初めて8K(60p)映像の「撮影」「収録」「再生」「ライン出力」が可能なカメラ/記録部一体型の業務用8Kカムコーダー。詳細につきましては、2017年11月7日公表の「業務用8Kカムコーダー<8C-B60A>を発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/171107-b.html

※4 太陽光発電システムや蓄電池などのエネルギー関連機器の制御や家電の電力使用状況の“見える化”ができるエネルギーコントローラ。詳細につきましては、2017年4月6日公表の「「クラウド連携エネルギーコントローラ」を発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170406-b.html

※5 徹底したリアリティ(臨場感のある映像美)の追求など、「4つのR」で表す新たな価値をユーザーに提供する、スマートフォン フラグシップモデルのシリーズ名称。詳細につきましては、2017年4月18日公表の「フラグシップスマートフォンのシリーズ名を「AQUOS R」に統一」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/170418-a.html

 

セグメントの業績は、概ね次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しております。以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組替えた数値で比較しております。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載しております。

 

スマートホーム

携帯電話や掃除機が大きく伸長したほか、洗濯機やプラズマクラスターイオン関連商品などの販売も増加し、売上高は607,990百万円(前年度比 110.4%)となりました。利益面では、前年度に発生した原材料購入契約の変更などの特殊要因がなかったため、前年を下回りましたが、売上の増加に加え、コストダウンなどもあり、セグメント利益は43,723百万円(前年度比 90.3%)となりました。

 

スマートビジネスソリューション

海外で複合機の売上が増加したほか、サイネージの販売も伸長したことから、売上高は331,125百万円(前年度比 104.2%)となりました。利益面では、経費削減に取り組んだものの、価格下落の影響があり、セグメント利益は20,142百万円(前年度比 89.4%)となりました。

 

IoTエレクトロデバイス

スマートフォン向けカメラモジュールが増加したほか、センサモジュールや半導体などの独自デバイスの販売も増加し、売上高は491,525百万円(前年度比 118.8%)となりました。利益面では、需要変動の影響を受けましたが、コストダウンの成果もあり、セグメント利益は5,160百万円(前年度比 64.1%)となりました。

 

アドバンスディスプレイシステム

液晶テレビや、スマートフォン向け小型液晶パネル、タブレット向けの中型液晶パネル、車載向けの液晶パネルなどの販売が増加しました。利益面では、売上が増加したほか、カテゴリーシフトやコストダウンに取り組んだこともあり収益性が大きく改善しました。この結果、売上高は1,086,570百万円(前年度比 129.0%)、セグメント利益は37,041百万円(前年度比 10.4倍)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ49,475百万円(10.9%)減少し、当連結会計年度末には404,001百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において営業活動による資金の収入は、105,270百万円であり、前連結会計年度に比べ21,960百万円(17.3%)減少しました。これは、前連結会計年度に比べて、税金等調整前当期純損失が税金等調整前当期純利益に転じたものの、未収入金の増減額が減少から増加に転じたことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において投資活動による資金の支出は、126,006百万円であり、前連結会計年度に比べ35,329百万円(39.0%)増加しました。これは、前連結会計年度に比べて、有形固定資産の取得による支出が24,665百万円増加したほか、投資有価証券の取得による支出が11,813百万円増加したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度において財務活動による資金の支出は、29,133百万円であり、前連結会計年度に比べ301,332百万円増加しました。これは、前連結会計年度に比べて、自己株式の取得による支出が29,946百万円減少したものの、前連結会計年度において、普通株式の発行による収入が287,495百万円あったほか、種類株式の発行による収入が99,624百万円あったことなどによるものであります。

 

(注) 消費税等の会計処理は税抜方式によっております。以下「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」に記載されている金額も同様であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

スマートホーム

593,287

+8.7

スマートビジネスソリューション

325,581

+8.6

IoTエレクトロデバイス

463,993

+16.1

アドバンスディスプレイシステム

1,043,082

+27.5

合計

2,425,945

+17.6

(注)1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、外注製品仕入高等を含んでおります。

3 2017年6月1日付の組織変更に伴い、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。

 

b. 受注実績

当社グループは原則として見込生産を行っております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

スマートホーム

595,132

+8.6

スマートビジネスソリューション

322,591

+4.0

IoTエレクトロデバイス

457,779

+18.0

アドバンスディスプレイシステム

1,051,767

+30.7

合計

2,427,271

+18.4

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 2017年6月1日付の組織変更に伴い、第1四半期連結会計期間より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。

3 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

APPLE INC.

542,068

26.4

575,836

23.7

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的な基準に基づいて実施しております。

なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

イ.経営成績等の状況

当社は、鴻海精密工業股份有限公司及びそのグループ企業との戦略的提携の下、構造改革を断行しております。当社グループは、「8KとAIoTで世界を変える」という事業ビジョンを掲げ、2017年5月26日に発表した「2017~2019年度 中期経営計画」の達成に向け、「人に寄り添うIoT」「8Kエコシステム」をキーワードに事業拡大に取り組んでおります。その結果、当連結会計年度の連結業績は、全セグメントの売上が増加し、売上高が2兆4,272億円(前年度比18.4%増)と大幅拡大、営業利益は、アドバンスディスプレイシステムセグメントが大幅に改善し、901億円(前年度比44.3%増)となりました。経常利益は893億円(前年度比3.6倍)、親会社株主に帰属する当期純利益は702億円(前年度は248億円の親会社株主に帰属する当期純損失)と黒字転換し、当社グループの事業は成長軌道への転換を果たしました。なお、当社は2017年6月30日に㈱東京証券取引所に対し、当社普通株式の市場第一部銘柄への指定申請を行っていましたが、2017年12月7日をもって市場第一部銘柄に再指定されています。

また、当連結会計年度末の財政状態は、資産合計が、前連結会計年度末に比べ1,349億円増の1兆9,086億円となりました。これは、受取手形及び売掛金、有形固定資産や投資有価証券が増加したことなどによるものです。負債合計は、借入金が減少する一方、支払手形及び買掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ410億円増の1兆5,069億円となりました。また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ939億円増加し、4,017億円となりました。その結果、当連結会計年度末時点の自己資本比率は19.8%と、前連結会計年度末の16.6%から改善しました。

なお、セグメントごとの経営成績の状況およびキャッシュ・フローに関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

今後も、これまでの流れを止めることなく事業拡大に取り組み、着実に中期経営計画を達成するとともに、収益力の強化と財務体質の改善を図ってまいります。

 

ロ.資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、資金の支出効果の見極めを十分行いながら、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉の安定的確保を図る趣旨の下、短期運転資金は自己資金及び短期借入で、設備投資や長期運転資金の調達につきましては長期借入及び社債発行で賄うことを基本原則としております。

連結会計年度においては、利益計上を主な要因として、営業活動による資金の増加が1,052億円となりました。一方、持続的成長を具現化するため、1,020億円の有形固定資産取得や、新規事業領域への足がかりや既存事業の競争力強化を目的とした投資有価証券の取得などの投資支出を行いました。

その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,040億円となっております。また、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ196億円減少し、6,377億円となっております。

なお、当社は、2012年3月期の期末配当を最後として、その後無配を続けておりましたが、上記の経営成績等を踏まえ、業績や財務の状況、今後の事業展開などを総合的に勘案し、2018年3月31日を基準日として、6年ぶりに配当を実施いたしました。

また、2015年6月30日に発行したA種種類株式については、当社グループの現在の財務状況等に照らすと高水準の配当年率となっている優先配当権や、普通株式や金銭を対価とする取得請求権が付与されています。構造改革から成長軌道への転換を果たす中、今後「8KとAIoTで世界を変える」という当社事業ビジョンの実現に向けて機動的な成長投資が必要となることや、普通株式への配当の継続といった観点から、当社の企図せぬ希薄化や多額の金銭の支出可能性を排除し、「資本の質的向上」を図ることを課題として認識しており、普通株式の発行を実施し、その発行手取金を原資に早期にA種種類株式を取得することが、当社の企業価値・株主価値向上の観点から望ましく、合理性があるものと判断いたしました。そのため、当社は、2018年6月5日開催の取締役会において、当社普通株式の発行及び当社のA種種類株式の取得による財務基盤のより一層の強化を軸とした「資本財務再構築プラン」について決議するとともに、A種種類株式の取得に係る事項を決議し、A種種類株式を保有する㈱みずほ銀行及び㈱三菱UFJ銀行と、同日付にて「自己株式取得に関する契約書」を締結いたしました。また、当社は、同日付で、本プランの一環として予定される新株式の発行に係る発行登録書を提出いたしました。(詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載のとおりであります。)

 

ハ.経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

相手先

国名

又は

地域

契約内容

契約期間

クアルコム・インコーポレイテッド

アメリカ

携帯電話の符号分割多元接続(CDMA)技術に関する特許実施権の許諾

自 1997年4月30日

至 終期の定めなし

(注) 上記は当社との契約であります。

 

(2)吸収分割契約

当社は、2017年12月26日開催の取締役会において、2018年4月1日を効力発生日として、当社のエネルギーソリューション事業の一部を、当社の完全子会社であるシャープエネルギーソリューション㈱(以下、「SESJ社」といいます。)に吸収分割(以下、「本吸収分割」といいます。)により承継する契約を締結する旨の決議を行い、2018年1月9日に、SESJ社と吸収分割に関する契約を締結いたしました。

本吸収分割の概要は、次のとおりであります。

 ①会社分割の目的

当社は「2017~2019年度 中期経営計画」で公表した「人に寄り添うIoT」「8Kエコシステム」を実現する企業へのトランスフォーメーションに向け、ワンストップで顧客のニーズにあったソリューションを提案できる体制を構築することとしており、本吸収分割はその一環となります。本吸収分割により、SESJ社は太陽光発電システムの国内・海外すべての販売・施工からアフターサービスまでを手掛ける強みを活かして売上拡大を図るとともに、組織の簡素化や重複業務の合理化等を加速することにより収益性を向上させてまいります。

 ②会社分割の方法

当社を分割会社とし、当社の100%子会社であるSESJ社を承継会社とする吸収分割方式です。

 ③分割期日

2018年4月1日

 ④吸収分割に係る株式割当内容及びその算定根拠

当社は、SESJ社の発行済株式の全てを所有しているため、本吸収分割に際して、SESJ社から当社への株式の割当、金銭その他の財産の交付はありません。

 ⑤承継会社が承継する権利義務

SESJ社は、効力発生日における当社のエネルギーソリューション事業(ただし、製造に関連する事業の一部(※)を除く。以下同じ)に属する資産、負債およびこれらに付随する権利義務を、当社とSESJ社の間で締結する吸収分割契約書に定める範囲において承継します。

※堺事業所における太陽電池製品の製造及び奈良事業所における化合物太陽電池の製造に関する事業

 ⑥分割するエネルギーソリューション事業の経営成績

 

2018年3月期

(百万円)

売上高

68,613

ただし、承継対象に含まれない、製造に関連する事業に係る売上高を含んでおります。

 

 ⑦分割する資産、負債の状況(2018年4月1日現在)

資産

金額(百万円)

負債

金額(百万円)

流動資産

18,121

流動負債

13,031

固定資産

3,953

固定負債

98

合計

22,074

合計

13,130

 ⑧本吸収分割後の承継会社の概要

代 表 者    取締役社長  佐々岡  浩

住    所    大阪府八尾市北亀井町三丁目1番72号

資 本 金    422百万円(2018年4月1日現在)

事業内容    住宅用太陽光発電設備・蓄電池・HEMS等の企画・開発・販売・サービス、

      産業用太陽光発電設備の設計・施工監理・メンテナンス、

      メガソーラーIPP事業、その他エネルギーソリューション事業

 

(3)その他の契約

相手先

国名

又は

地域

契約内容

ソフトバンクグループ㈱、同社の子会社及び他の出資者

日本等

2017年5月、ソフトバンクグループ㈱設立の私募ファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」へ当社が出資者として参画する契約を締結いたしました。

(注) 上記は当社との契約であります。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新材料や生産技術の開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。

 研究開発体制として、基礎・応用研究開発を担う研究開発事業本部、カンパニー/事業本部傘下の研究開発組織には、目的別開発センター、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置するとともに、全社横断的な技術・商品開発を推進するプロジェクト体制で推進しております。また、海外の優秀な人材の活用と海外現地のインフラやニーズに対応した開発を行う目的で、英国、米国、中国他に研究開発拠点を設け、グローバルな開発体制の下、密接な連携・協力関係を保ち、先進技術の研究開発を効率的に進めております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は100,536百万円であります。この内、スマートホームに係る研究開発費は21,827百万円、スマートビジネスソリューションに係る研究開発費は19,576百万円、IoTエレクトロデバイスに係る研究開発費は16,719百万円、アドバンスディスプレイシステムに係る研究開発費は33,609百万円、全社(共通)に係る研究開発費は8,802百万円であります。

 なお、セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。

 

(1)スマートホーム

 通信・IoT事業においては、業界で初めてスマートフォンにIGZOフリーフォームディスプレイを採用して革新デザインと高精細・高画質を実現、更に広角アウトカメラを搭載した<AQUOS R compact>、新しい野球の楽しみ方を提供し、人と人をより結びつけるクラウド連携ウェアラブル端末<funband(ファンバンド)>等、新たなデバイスやIoT技術の活用により、お客様本位の機能やサービスで新たな価値を生み出す商品を創出しました。また、AIoT対応液晶テレビ向けの『COCORO VISION』、AIoT対応キッチン家電向けの『COCORO KITCHEN』、AIoT空調機器向けの『COCORO AIR』など、AIoT対応製品と連携して顧客価値を高める『COCORO+』サービスを実現する技術開発を通じ、AIoT製品がお客様の生活に寄り添い、人が主役となるスマートライフの実現に貢献しています。さらに、㈱NTTドコモと共同で、高速・大容量という第5世代移動通信(5G)の特長を活用し、12チャンネルの8K映像を安定して伝送・表示する実験に成功。パブリックビューイング、サイネージなどを通じて新たなユーザ体験を提供する、8Kエコシステムにおける新たな送受信システム実現に近づきました。

 健康・環境システム事業においては、世界最軽量かつ強力な吸じん力を実現したコードレスキャニスター掃除機<RACTIVE Air(ラクティブ エア)>、新開発のきのこアタッチメントで効率的に消臭乾燥できる<プラズマクラスターふとん乾燥機>、業界初の天井設置タイプLEDシーリングライト一体型プラズマクラスター空気清浄機<天井空清>、「ストレスがたまりにくい」「集中を維持しやすい」環境をつくる新技術「プラズマクラスターNEXT」を搭載した加湿空気清浄機やエアコン等、健康で快適な生活をサポートする商品を創出しました。

 エネルギーソリューション事業においては、太陽光パネルで発電した電気でスマートフォンなどに手軽に充電できる<移動可能型ソーラー充電スタンド>、太陽光発電との組み合わせで電気の基本料金を削減する<産業用スマート蓄電池システム>、スマートフォンで自宅の電力消費量の変化や家電製品の使用状況をモニタリングし、家族の見守りにも活用できる<クラウド連携エネルギーコントローラ>等、最先端の創エネ、省エネ商品を創出しました。また、バックコンタクト構造(太陽電池の裏面側に電極を集めることで受光面のロスを減らした構造)と、単結晶シリコン基板の表面へのアモルファスシリコン成膜技術の融合により、6インチサイズの単結晶シリコン太陽電池セルにおいて、世界最高の変換効率25.09%を達成しました。

(2)スマートビジネスソリューション

 わずか49㎝の投写距離から100型の映像を表示でき、幅広いシーンで活用できる<レーザ光源用超短焦点プロジェクター>や、工場や倉庫などで製品や荷物を無人搬送する<低床ガイドレスAGV(無人搬送車)>、広い敷地内を自律走行し、常時カメラで遠隔監視を可能にした<屋外自立走行監視ロボット>等、業務自動化および省人化による生産性向上とコスト削減に貢献する商品を創出しました。

(3)IoTエレクトロデバイス

 世界で初めて1台で8K(60p)映像の「撮影」「収録」「再生」「ライン出力」を実現、8Kエコシステムにおける映像制作の入口となる<業務用8Kカムコーダー>(アストロデザイン㈱と共同開発)、業界で初めて1社で光の三原色(赤色・緑色・青色)の半導体レーザの提供を可能とした<緑色半導体レーザ>などを創出しました。

(4)アドバンスディスプレイシステム

 AIが家族の好みを学習し、おすすめの番組を音声でお知らせするAIoTクラウドサービス「COCORO VISION」に対応したAQUOS 4K、世界初の市販製品となる<8K対応液晶テレビ>および<8K映像モニター>などを創出し、AIoTクラウド関連サービス並びに、8Kエコシステムの中核となる商品の展開を図りました。