第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスク、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、雇用情勢の改善や、個人消費に持ち直しの動きがみられたものの、輸出を中心に弱さが続きました。また、海外の景気は、米国で回復が続く一方、中国で緩やかに減速したほか、ユーロ圏で弱い動きがみられました。

こうした中、当社グループでは、事業ビジョン「8K+5GとAIoTで世界を変える」のもと、「グローバル事業拡大」「新規事業の創出」「M&A/協業」「競争力強化」に取り組むとともに、引き続き、収益力の強化と財務体質の改善を図りました。

8K対応液晶テレビ「AQUOS 8K※1」や、ウォーターオーブン「ヘルシオ※2」、当社独自の空気浄化技術プラズマクラスターを搭載した「プラズマクラスター洗濯乾燥機※3」・「プラズマクラスターエアコン※4」など、8KやAIoTクラウドサービスに対応した製品を順次発売し、5Gプレサービスに対応したスマートフォン※5やルーター※6を納入したほか、巻き取り収納ができる30V型4Kフレキシブル有機ELディスプレイ※7を開発するなど、独自商品・特長デバイスの創出に努めました。さらに、新スマートホームサービス「COCORO HOME※8」を開始し、8Kソリューション開発の起点となる「8K Labクリエイティブスタジオ※9」を開設するなど、「8K+5G Ecosystem」と「AIoT World」の構築に向けて取り組みました。加えて、こうした取り組みを一層加速することを目的として、事業グループを「スマートライフ」「8Kエコシステム」「ICT」の3つの事業セグメントへ変更しました。また、希薄化リスクや優先配当などを有するA種種類株式108,000株を全数取得・消却するなど、資本の質を向上させました。

当第3四半期連結累計期間の業績は、ICTの売上が増加したものの、スマートライフと8Kエコシステムの売上が減少し、売上高が1,750,437百万円(前年同四半期比 98.9%)となりました。営業利益は、スマートライフとICTは増加しましたが、8Kエコシステムが減少したことにより、61,791百万円(前年同四半期比 93.1%)となりました。経常利益は59,777百万円(前年同四半期比 99.4%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は46,107百万円(前年同四半期比 74.5%)となりました。なお、当第3四半期連結会計期間(2019年10月~12月)の営業利益率と親会社株主に帰属する四半期純利益率が3四半期連続で回復するなど、業績は前年度第4四半期を底に、引き続き回復基調となっています。

 

※1 新開発の8K画像処理エンジンを搭載した液晶テレビ。詳細につきましては、2019年10月3日公表の「8K対応液晶テレビ『AQUOS 8K』2機種を発売」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/191003-a.html

※2 AIoTクラウドサービス「COCORO KITCHEN」の進化で、食材と手段に応じたおすすめの調理方法をアドバイスするウォーターオーブン。詳細につきましては、2019年5月21日公表の「ウォーターオーブン「ヘルシオ」 2機種を発売」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/190521-a.html

※3 AIoTクラウドサービス「COCORO WASH」との連携に加え、スマートホームサービス「COCORO HOME」との連携により、冷蔵庫から運転終了を確認できる「機器連携」に対応したプラズマクラスター洗濯乾燥機。詳細につきましては、2019年7月5日公表の「プラズマクラスター洗濯乾燥機<ES-W112>を発売」ならびに2019年8月27日公表の「プラズマクラスター洗濯乾燥機など4機種を発売」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/190705-a.html

https://corporate.jp.sharp/news/190827-a.html

※4 気象予報を活用したクラウドAIによる運転制御で、睡眠中から日中まで快適さと省エネを実現するプラズマクラスターエアコン。詳細につきましては、2019年10月8日公表の「プラズマクラスターエアコン<Xシリーズ>9機種を発売」ならびに2019年11月26日公表の「新プラズマクラスターエアコン『Airest』4機種を発売」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/191008-a.html

https://corporate.jp.sharp/news/191126-a.html

※5 第5世代移動通信システム(5G)プレサービス用に開発したスマートフォン。詳細につきましては、2019年7月2日公表の「5Gプレサービス用スマートフォンをソフトバンク株式会社に納入」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/190702-b.html

※6 第5世代移動通信システム(5G)プレサービス向けに開発した屋内用5Gルーター。詳細につきましては、2019年9月18日公表の「プレサービス向け 屋内用5Gルーターを株式会社NTTドコモに納入」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/190918-a.html

※7 対角30インチのフィルム基板を用いたカラーフィルターレスの有機ELディスプレイ。詳細につきましては、2019年11月8日公表の「30V型4Kフレキシブル有機ELディスプレイを開発」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/191108-a.html

※8 AIoT家電が、「COCORO+」サービスや暮らしに役立つ他社サービスと連携する新スマートホームサービス。詳細につきましては、2019年5月20日公表の「新スマートホームサービス「COCORO HOME」を開始」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/190520-a.html

※9 法人向け8Kソリューションを創出する核となる、8K+5G Ecosystemをテーマとする専用の商談スペース。詳細につきましては、2019年6月19日公表の「「8K Labクリエイティブスタジオ」を東京ビルにオープン」をご覧ください。

https://corporate.jp.sharp/news/190619-a.html

 

セグメントの業績は、概ね次のとおりであります。

なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しております。以下の前年同四半期との比較については、前年同四半期の数値を変更後の区分に組替えた数値で比較しております。報告セグメントの変更については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に詳細を記載しております。

 

①スマートライフ

エアコンや冷蔵庫、洗濯機の販売が国内外で伸長したものの、センサモジュールなどのデバイス事業の販売が減少した結果、売上高は657,494百万円(前年同四半期比 97.8%)となりました。一方、利益面では、コストダウンや経費削減の効果があったことなどから、セグメント利益は32,713百万円(前年同四半期比 134.8%)となりました。

 

②8Kエコシステム

PCやタブレット向けの液晶パネルが大きく伸長したものの、車載向け液晶パネルや、スマートフォン用液晶パネルの販売が減少したこと、中国などでテレビの販売が減少したことから、売上高は898,845百万円(前年同四半期比 91.9%)となりました。利益面では、コストダウンを推進したものの、厳しい市場環境の影響などから、セグメント利益は27,177百万円(前年同四半期比 67.1%)となりました。

 

③ICT

キャリアの料金体系変更の影響などから、通信事業の売上は減少したものの、Dynabook㈱を連結子会社化した効果などにより、売上高は267,769百万円(前年同四半期比 151.0%)となりました。利益面では、通信事業の販売が減少した影響はありましたが、Dynabook㈱の収益貢献があったことなどから、セグメント利益は15,586百万円(前年同四半期比 127.4%)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の財政状態については、資産合計が、前連結会計年度末に比べ64,520百万円増加の1,913,072百万円となりました。これは、たな卸資産や投資その他の資産が増加したことなどによるものであります。負債合計は、短期借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ108,122百万円増加の1,599,343百万円となりました。また、純資産合計は、配当金の支払いを行った一方で親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加したものの、自己株式(A種種類株式)の取得及び消却により資本剰余金が減少したことで、前連結会計年度末に比べ43,602百万円減少し、313,728百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ64,608百万円減少し、164,189百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金の収入は、44,907百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ14,966百万円増加しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、たな卸資産の増減額で20,944百万円減少したものの、売上債権の増減額で70,089百万円増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金の支出は、114,857百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ35,744百万円減少しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、有形固定資産の取得による支出が49,339百万円減少したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金の収入は、6,073百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ22,622百万円増加しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、自己株式の取得による支出が97,064百万円増加したほか、社債の償還による支出が30,000百万円増加したものの、短期借入金の純増減額で149,441百万円増加したことなどによるものであります。

 

(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題

当社は、2019年6月21日付で、発行済であったA種種類株式108,000株の全部を取得・消却しました。これにより、一時的に自己資本比率は低下したものの、A種種類株式が有していた高配当率での優先配当権や、普通株式や金銭を対価とする取得請求権に起因する、企図せぬ希薄化や多額の金銭支出の可能性が排除され、「資本の質的向上」が達せられたと考えます。

当第3四半期連結累計期間において、上記以外に、経営方針、経営環境及び対処すべき課題に重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は74,892百万円であります。

なお、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況(研究開発体制)の変更の内容は次のとおりであります。

 

2019年4月1日付で、全事業本部の設備開発を統轄する先進設備開発本部を、ビジネスソリューション事業本部傘下の事業部として統合しました。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループは、資金の支出効果の見極めを十分行いながら、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉の安定的な確保を図る趣旨の下、短期運転資金は自己資金及び短期借入で、設備投資や長期運転資金の調達につきましては長期借入及び社債発行で賄うことを基本原則としております。当第3四半期連結累計期間においては、利益計上を主な要因として、営業活動による資金の収入が44,907百万円となりました。また持続的な成長や経営効率化のため、有形固定資産の取得、新規事業領域への足がかりや既存事業の競争力強化を目的とした投資有価証券の取得などの投資支出を行い、投資活動による資金の支出が114,857百万円となりました。財務活動面ではA種種類株式108,000株の取得のための支出97,072百万円及び社債の償還による支出30,000百万円並びに配当金の支払15,024百万円があった一方で、コミットメントライン契約に基づく借入など短期借入金の純増減額が156,626百万円の増加となったことなどにより、財務活動による資金の収入は6,073百万円となりました。

その結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ64,608百万円減少し、164,189百万円となりました。また、当第3四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べて126,970百万円増加し、794,179百万円となっております。

今後とも、在庫の適正化や、効率的な投資の実施に努め、キャッシュ・フローの改善を図ってまいります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

 当第四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。