第2 【事業の状況】

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスク、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、四半期報告書提出日現在において判断したものであります。

なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(1) 財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、輸出は弱含んでいるものの、企業収益や雇用情勢が改善し、生産も徐々に増加するなど、緩やかに回復しました。また海外では、米国やユーロ圏で景気の回復が続きましたが、中国景気は徐々に減速の兆候が見られるようになりました。

こうした中、当社グループでは、「人に寄り添うIoT」「8Kエコシステム」をキーワードに事業ビジョン「8KとAIoTで世界を変える」の実現に取り組みました。また、事業環境を勘案し、今後のさらなる成長のため「量から質へ」の転換を推し進め、収益力の強化と財務体質の改善を図りました。

世界初となる8Kチューナー内蔵液晶テレビ「AQUOS 8K※1」や、水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック※2」、「プラズマクラスター冷蔵庫※3」、「プラズマクラスター洗濯乾燥機※4」などAIoTクラウドサービスに対応した製品を順次発売したほか、動画撮影中にAIが自動で静止画の撮影を行う「AQUOS R2※5」を商品化するなど、独自商品・特長デバイスの創出に努めました。加えて、「COCORO KITCHEN」「COCORO VISION」「COCORO WASH」などのクラウドサービスの拡充に取り組みました。さらに、グローバル市場で競争力のあるAIoTソリューションの提案力の一層強化を図るため、東芝クライアントソリューション㈱※6の株式を取得し連結子会社化しました。

当第3四半期連結累計期間の業績は、アドバンスディスプレイシステムなどの販売が減少し、売上高が1,770,170百万円(前年同四半期比 96.8%)となりました。利益面では、販売減の影響等により、営業利益は66,390百万円(前年同四半期比94.4%)、経常利益は60,159百万円(前年同四半期比 84.6%)となりました。一方、親会社株主に帰属する四半期純利益は61,931百万円(前年同四半期比 111.8%)となりました。

 

※1 世界初の8Kチューナーを内蔵した液晶テレビ。詳細につきましては、2018年10月15日公表の「8K液晶テレビ『AQUOS 8K』3機種を発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/181015-d.html

※2 材料と作り方を画面と音声でお知らせする水なし自動調理鍋。詳細につきましては、2018年7月5日公表の「水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」2機種を発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180705-a.html

※3 業界で初めて「ウォーターオーブン ヘルシオ」「ヘルシオ ホットクック」といった調理家電と連携し、献立提案から調理までをサポートするプラズマクラスター冷蔵庫。詳細につきましては、2018年8月6日公表の「プラズマクラスター冷蔵庫 メガフリーザーシリーズ4機種を発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180806-a.html

※4 天気情報や季節、洗濯履歴に応じた洗濯方法を音声やスマートフォンのアプリでお知らせするプラズマクラスター洗濯乾燥機。詳細につきましては、2018年10月5日公表の「プラズマクラスター洗濯乾燥機<ES-W111>を発売」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/181005-a.html

※5 世界で初めて「動画用」と「静止画用」の2つのアウトカメラを搭載し、動画と静止画を同時に撮影できるスマートフォン。詳細につきましては、2018年5月8日公表の「スマートフォン AQUOS R2を商品化」をご覧ください。

http://www.sharp.co.jp/corporate/news/180508-b.html

※6 2019年1月1日付で「Dynabook㈱」に社名変更しております。

 

セグメントの業績は、概ね次のとおりであります。

なお、第2四半期連結会計期間より、組織変更に伴い、従来「スマートビジネスソリューション」セグメントに含めておりました先進設備開発事業を「IoTエレクトロデバイス」セグメントに含めて表示しております。以下の前年同四半期との比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。

 

①スマートホーム

エアコンが大きく伸長したほか、洗濯機や冷蔵庫、掃除機の販売が増加したこと、また2018年10月にDynabook㈱を連結子会社化した効果もあり、売上高は479,218百万円(前年同四半期比 109.0%)となりました。利益面では、白物家電を中心に販売が増加したことに加え、コストダウンが進んだことなどから、セグメント利益は33,813百万円(前年同四半期比 108.6%)となりました。

 

②スマートビジネスソリューション

複合機やシステムソリューション機器の販売が増加したことから、売上高は237,758百万円(前年同四半期比 102.6%)となりました。利益面では、販売が増加したほか、経費削減効果により、セグメント利益は14,966百万円(前年同四半期比 108.1%)となりました。

 

③IoTエレクトロデバイス

スマートフォン向けカメラモジュールのほか、半導体などが伸長した一方、スマートフォン用センサモジュールの販売が前年同期より減少したことから、売上高は388,066百万円(前年同四半期比 98.8%)となりました。利益面では、経費削減やコストダウンに取り組んだものの、販売減の影響や、成長投資に伴う償却費の増加などにより、セグメント利益は1,354百万円(前年同四半期比 18.2%)となりました。

 

④アドバンスディスプレイシステム

アジア地域を中心に液晶テレビの販売が増加したほか、PC・タブレット用などの中型液晶パネルの売上が増加しました。一方、「量から質へ」の転換に向けた取り組みの一環として、流通在庫を勘案し、中国で液晶テレビの販売を抑制したことや、スマートフォン用液晶パネルの需要変動の影響から、売上高は724,656百万円(前年同四半期比 86.6%)となりました。利益面では、コストダウンを推進したものの、販売の減少や、米中貿易摩擦の影響などによる市況の悪化に加え、有機ELディスプレイの立ち上げ費用などもあり、セグメント利益は26,885百万円(前年同四半期比 90.9%)となりました。

 

当第3四半期連結会計期間末の財政状態については、資産合計が、前連結会計年度末に比べ54,506百万円増加の1,962,968百万円となりました。これは、現金及び預金が減少したものの、受取手形及び売掛金やたな卸資産、投資その他の資産が増加したことなどによるものであります。負債合計は、支払手形及び買掛金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ11,673百万円増加の1,518,421百万円となりました。また、純資産合計は利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ42,833百万円増加し、444,547百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ136,245百万円減少し、267,756百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金の収入は、29,940百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ14,670百万円減少しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、売上債権の増加額が134,212百万円減少したものの、仕入債務の増加額が108,812百万円減少したほか、たな卸資産の増減額が減少から増加に転じたことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金の支出は、150,601百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ51,393百万円増加しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、有形固定資産の取得による支出が34,437百万円増加したほか、定期預金の預入による支出が19,865百万円増加したことなどによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金の支出は、16,549百万円であり、前第3四半期連結累計期間に比べ7,703百万円減少しました。これは、前第3四半期連結累計期間に比べて、長期借入れによる収入が12,306百万円減少したほか、配当金の支払が21,074百万円あったものの、短期借入金の純増減額が減少から増加に転じたことなどによるものであります。

 

(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題

当第3四半期連結累計期間において、経営方針、経営環境及び対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費は85,903百万円であります。

なお、第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況(研究開発体制)の変更の内容は次のとおりであります。

 

2018年7月に、全事業本部の設備開発をOne SHARPで統轄して開発力・コスト競争力強化を担う部門として、先進設備開発本部の新設を行っております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

「(2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおり、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ136,245百万円減少し、267,756百万円となりました。これは、税金等調整前四半期純利益68,076百万円の積み上げ等があったものの、6年ぶりに実施した配当金の支払21,074百万円を行ったこと、112,236百万円の設備関連費用等の支払が発生したこと、並びに米中貿易摩擦等による顧客の需要変動等のためたな卸資産が増加したこと等によるものです。また、当第3四半期連結会計期間末における借入金及びリース債務を含む有利子負債残高は、前連結会計年度末に比べ17,109百万円増加し、654,893百万円となりました。今後、たな卸資産の適正化や効率的な設備投資の実施に努め、キャッシュ・フローの改善を図ります。

一方、当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、総額21,092百万円の配当を行ったものの、61,931百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ42,833百万円増加し、444,547百万円となりました。自己資本比率は21.6%と、前連結会計年度末の19.8%より上昇しております。

なお、当社は、2018年6月に公募増資及びその成立を条件とするA種種類株式の取得を中止しましたが、「資本の質的向上」の観点から、普通株式ないし金銭を対価とする取得請求権や高配当率の優先配当権を有するA種種類株式を速やかに取得する意義は大きいとの考えの下、その後もA種種類株式を保有する㈱みずほ銀行及び㈱三菱UFJ銀行(以下、両行を「A種種類株主」といいます。)と協議を継続してまいりました。その結果、発行済のA種種類株式200,000株のうち92,000株を取得する旨、A種種類株主と合意に至ったため、2018年10月30日開催の当社取締役会においてA種種類株式の一部取得及び消却について決議し、同日、A種種類株主との間で「自己株式取得に関する契約書」を締結いたしました。本契約に基づき、2019年1月30日、当社はA種種類株主より、総額85,107百万円を対価として、発行済のA種種類株式92,000株を取得し、同日、その全数を消却しました。今後も、A種種類株式の取得を含め、「資本の質的向上」に向けた取り組みを継続してまいります。

 

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、新たに締結した経営上の重要な契約等は、次のとおりであります。

 

(1)吸収分割契約

当社は、2018年12月26日開催の取締役会において、2019年4月1日(予定)を効力発生日として、当社のIoTエレクトロデバイスグループに属する電子デバイス事業の一部(以下、「電子デバイス事業」といいます。)及びレーザー事業(以下、「レーザー事業」といいます。)を、当社の100%子会社として新設する会社2社(以下、「受皿会社」といいます。)にそれぞれ吸収分割で承継させることにより分社化する旨の決議を行い、2019年1月30日に、受皿会社との間で、吸収分割に関する契約を締結いたしました。

本吸収分割の概要は、次のとおりであります。

①会社分割の目的

当社は、企業価値向上に向け、構造改革を継続しつつ、事業ビジョン「8KとAIoTで世界を変える」を実現する企業へのトランスフォーメーションを進めております。その一環として、電子デバイス事業及びレーザー事業をそれぞれ新設する子会社への吸収分割により分社化することで、事業環境の変化に機敏に対応すべく、より自律的な事業体制を構築することを目的としております。

②会社分割の方法

当社出資の受皿会社として設立する、シャープ福山セミコンダクター(以下、「SFS社」といいます。)及びシャープ福山レーザー(以下、「SFL社」といいます。)を承継会社とし、当社を分割会社とする吸収分割方式です。

③分割期日

2019年4月1日(予定)

④吸収分割に係る株式割当内容及びその算定根拠

本吸収分割に際して、SFS社及びSFL社から当社への株式の割当、金銭その他の財産の交付はありません。

⑤承継会社が承継する権利義務

イ.SFS社

半導体及び半導体応用デバイス/モジュール事業、オプトデバイス事業、高周波デバイス及び高周波応用モジュール事業並びに半導体ファウンドリ―事業に属する資産、負債及びこれらに付随する権利義務を、当社とSFS社との間で締結する吸収分割契約書に定める範囲において承継します。

ロ.SFL社

レーザー及びレーザー応用デバイス/モジュール事業に属する資産、負債及びこれらに付随する権利義務を、当社とSFL社との間で締結する吸収分割契約書に定める範囲において承継します。

⑥分割する事業の経営成績(2018年3月期)

売上高

金額(百万円)

SFS社に対し

分割する事業

73,500

SFL社に対し

分割する事業

12,900

ただし、他セグメントへの内部売上高を含んでおります。

⑦分割する資産、負債の状況(2018年9月30日現在)

イ.SFS社に対し分割する事業

資産

金額(百万円)

負債

金額(百万円)

流動資産

7,735

流動負債

130

固定資産

4,435

固定負債

10

合計

12,170

合計

140

ロ.SFL社に対し分割する事業

資産

金額(百万円)

負債

金額(百万円)

流動資産

3,565

流動負債

固定資産

2,970

固定負債

合計

6,535

合計

なお、上記の資産、負債の金額は、2018年9月30日現在の貸借対照表を基準として算出しており、実際の金額は、上記金額に効力発生日前日までの増減を加除した金額となります。

⑧本吸収分割後の承継会社の概要

 

SFS社

SFL社

名    称

シャープ福山セミコンダクター

シャープ福山レーザー

所 在 地

広島県福山市大門町旭1番地

広島県福山市大門町旭1番地

代 表 者

代表取締役 森谷 和弘

代表取締役 森谷 和弘

事業内容

電子デバイス(半導体、LSI、センサー等)の企画・開発・生産等

半導体レーザーの企画・開発・生産等

資 本 金

30百万円

30百万円

 

(2)その他の契約

相手先

国名

又は

地域

契約内容

㈱みずほ銀行

㈱三菱UFJ銀行

日本

日本

2018年10月30日開催の取締役会において、発行済のA種種類株式200,000株のうち92,000株の取得及び消却に係る事項を決議し、A種種類株式を保有する㈱みずほ銀行及び㈱三菱UFJ銀行との間で、「自己株式取得に関する契約書」を締結いたしました。

(注)1 上記は当社との契約であります。

2 2019年1月30日、当社はA種種類株式92,000株を取得し、同日、その全数を消却いたしました。