第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

① 経営理念・経営信条

当社の創業者 早川徳次の言葉の一つに「他社がまねするような商品をつくれ」があります。この言葉には、次の時代のニーズをいち早くかたちにした“モノづくり”により、社会に貢献し、信頼される企業を目指すという当社グループの経営の考え方が凝縮されています。

当社グループは、1973年に、この創業の精神を「経営理念・経営信条」として明文化し、この精神に沿って、他社とは一味違った「シャープらしい」価値創造に取り組んできました。そして、2025年5月、これからも全社員が「シャープらしさ」にこだわりをもって事業活動を推進していくことを目的に、「経営理念・経営信条」に沿った新たな指針として、Our Mission「誠意をもって人々の日常を見つめ、創意をもって新たな体験を提案する」を策定しました。

当社グループは、このOur Missionを共通の合言葉に、今後も引き続き、「経営理念・経営信条」を体現し続けることで、社会の発展に貢献していきたいと考えています。

 

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また、当社グループは、2025年9月に、全てのステークホルダーにお届けする「シャープならではの価値」を示した言葉として、コーポレートスローガン「ひとの願いの、半歩先。」を制定しております。

 

② 目指す方向性

当社グループは、今後、“「暮らす」「働く」のあらゆるシーンにAIを掛け合わせ、人の未来を拓く”の方針のもと、顧客との接点となる「スマートライフ」「スマートワークプレイス」と、最先端デバイスを生み出す「ディスプレイデバイス」の3つの事業を中心に、人々の「暮らす」にAIを、「働く」にAIを掛け合わせ、新たな価値を創出してまいります。

 

さらに、「暮らす」の領域では、家の中だけでなく「モビリティ」、「働く」の領域においても、現在の中心であるオフィスやリテール、パブリックから、「ロボティクス」や「インダストリー」へと価値提供の領域を拡大していきます。加えて、「AIインフラ」や「次世代通信」の分野で新たな事業を展開し、AIでの価値創造を支える社会基盤の構築にも取り組んでまいります。

 

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(2) 経営環境、経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

2025年度の世界経済は、米国の通商政策による影響があったほか、中国では不動産市場が停滞するなど一部に弱さが見られたものの、全体としては、データセンター向けのAI関連投資の伸長や、賃金上昇、雇用の拡大などを背景に回復基調が続きました。一方、当社を取り巻く事業環境は、競争環境の激化や需要の低迷、米国通商政策の影響などにより、厳しい環境が続きました。

 

こうした中、当社グループは、一昨年来取り組んできた「デバイス事業のアセットライト化」の方針に沿って、カメラモジュール事業及び半導体事業の譲渡を完了し、亀山第2工場の生産停止を決定するなど、構造改革に一定の区切りを付けることができました。

 

また、全社をあげて収益力改善に取り組んだ結果、2025年度の業績は、ブランド事業(スマートライフ及びスマートワークプレイス)が減収ながらも増益を確保し、ディスプレイデバイス事業においても赤字が縮小、全社では売上高が減少したものの、利益が大きく改善しました。公表値に対しても、売上高、営業利益、経常利益が上回り、最終利益は下回ったものの、前年度から大幅な増益となりました。加えて、財務基盤の改善についても、想定を上回るペースで進捗しました。さらに、ブランド事業への投資の拡大、新規事業の体制強化など、将来への布石も打つことができました。

 

 

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このように、中期経営計画初年度は再成長に向けた基盤の構築が着実に前進した一年となりましたが、今後、当社グループが本格的に成長していくにあたっては、以下の課題を乗り越える必要があると認識しています。

 

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これに向け、今後は、現在の中期経営計画の基本戦略を維持しつつ、新規事業の創出やサービス/ソリューション型ビジネスへの転換など、事業変革をより一層加速するとともに、成長の土台となる足元の収益基盤のさらなる強化に取り組みます。加えて、親会社である鴻海精密工業股份有限公司との連携を一段と深化させ、よりWin-Winな関係を築くことで、各施策の実行スピードを向上させていきます。これらの取り組みにより、再成長に向けた課題を着実に克服し、成長軌道への転換を目指してまいります。

 

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(3) 目標とする経営指標

ブランド事業では、外部環境の悪化に対応し、着実に利益を創出しつつ、サービス/ソリューション事業の拡大に取り組み、ディスプレイデバイス事業では、亀山第2工場の生産停止を2026年12月までに完了するとともに、亀山第1工場、白山工場などの継続事業で黒字化を実現します。加えて、「AIサーバー」をはじめとする現在推進中の新規事業の取り組みを加速し、早期に実行フェーズへと前進させてまいります。

こうした取り組みを通じて、前年度を上回る営業利益の創出を目指してまいります。

 

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<主な取り組み>

①スマートライフ

  a)収益基盤強化

    - 白物家電事業を中心に、グローバル展開と高付価値化を推進

  b)事業変革

    - エージェンティックAIサービスを投入

    - 生成AI対応機器/活用サービスや他社連携を継続拡大

    - B2B事業を強化

 

②スマートワークプレイス

  a)収益基盤強化

    - Windows11切替特需の反動が見込まれるPC事業において、台数シェア首位を維持

     メモリー/SSD価格高騰による影響を売価反映、コストダウン、経費削減などにより最小化

  b)事業変革

    - オフィス向けITサービスの継続伸長

    - ロボティクス事業の拡大

    - 衛星通信事業の事業化推進

 

③ディスプレイデバイス

  a)収益基盤強化

    - 亀山第1工場において、欧米完成車メーカー向け供給を開始

    - 白山工場において、高付加価値製品の販売拡大を継続

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ全般

当社グループは、当社経営理念の一節にある「広く世界の文化と福祉の向上に貢献する」、「会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる」などの言葉が示す創業の精神に基づき、社会の期待や要請に応え、社会と当社の相互の持続的発展を目指すことをサステナビリティに関する基本的な考え方としています。中長期的な企業価値向上の観点から、気候変動や人的資本、人権の尊重をはじめとする、ESG(環境・社会・ガバナンス)に関わる諸課題への対応に積極的に取り組んでいます。気候変動への対応については、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、TCFDのフレームワークに沿って、気候変動に関する情報開示の拡充を図っています。

 

① ガバナンス

ESGに関わる諸課題への対応を実行施策レベルに落とし込み、PDCAサイクルでマネジメントしていくため、社長執行役員を委員長とし、経営幹部、環境・人事・調達などの本社機能部門、事業本部・子会社などで構成する、サステナビリティ委員会において、方針やビジョンの徹底、施策についての審議・推進、社会的課題に関する最新動向の共有などを実施しています。また、2024年度からはサステナビリティの主要なテーマに関する「サステナビリティ分科会」を設置し、取り組みを加速しています。

委員会における経営層によるモニタリング・レビューを通じて、SDGs/ESG分野の取り組みを継続して強化し、当社のESGレーティング・格付の向上を図りながら、持続的成長を支える強固な経営基盤を構築し、サステナブルな社会の実現への貢献を目指しています。

 

サステナビリティ・マネジメント推進体制図(2026年6月現在)

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② 戦略

サステナビリティへの取り組みが事業の機会創出とリスク低減につながる重要な経営課題であるとの認識に立ち、2018年度からは「事業や技術のイノベーションを通じた社会課題の解決」と「サステナブルな事業活動による社会・環境に対する負荷軽減」を両輪として、「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)」達成に向けた貢献を目指すことをサステナブル経営の基本戦略として取り組んでいます。

また、気候変動や資源枯渇など、地球規模の環境問題がさらに深刻さを増す中、当社は、1992年に定めた環境基本理念「誠意と創意をもって『人と地球にやさしい企業』に徹する」のもと、2019年に長期環境ビジョン「SHARP Eco Vision 2050」を策定しています。「気候変動」「資源循環」「安全・安心」の3つの分野で2050年の長期目標を設定し、持続可能な地球環境の実現を目指して取り組んでいます。

2022年度からは、カーボンニュートラルへの貢献を重要テーマに位置づけ、関連する取り組みを加速しています。また、気候関連リスク及び機会を踏まえた戦略と組織のレジリエンスについて検討するため、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)による気候変動シナリオ(1.5℃シナリオ及び4℃シナリオ)を参照したシナリオ分析を実施しています。

■当社の事業における気候変動に関するリスク・機会と対応策

シナリオ

要因

変化

当社への影響

リスク・機会

影響度

影響が

顕在化する

時期

当社の対応策

1.5℃

カーボン

プライシングの導入

原材料調達コストの増加

当社の仕入製品に対して炭素税が導入されることで、仕入価格に転嫁

される。

リスク

短期

・低温室効果ガス排出原料の探求

・環境負荷低減に努める仕入先の開拓

・購買量の適正量化(在庫抑制の更なる徹底)

直接操業コストの増加

当社の温室効果ガス排出量に応じて炭素税が導入され、支払コストが増加する。

リスク

短期

・省エネの推進による温室効果ガス排出量の低減

・インターナルカーボンプライシングの導入による低炭素排出設備投資の推進

サプライ

チェーン上の脱炭素・環境配慮要請の

高まり

ユーザーの環境配慮ニーズを満たさないことによる

競争力の低下

環境配慮についてユーザーの期待に応えられない場合、売上高減少のリスクが発生する。

リスク

短期

・ユーザーとの継続的なコミュニケーションによるマーケットニーズの把握

・省エネに関する研究開発の継続実施

環境配慮資材への切替コストの増加

温室効果ガス排出量が少ない電炉材や再生プラスチック、バイオマスプラスチックなどへの切り替えを進めていくに当たり、コストが増加する。

リスク

中期

・低コストである環境配慮資材の調達先の発掘

・環境配慮資材活用の外部開示による消費者の価格弾力性の堅持

再エネへの切り替えによるエネルギー調達コストの

増加

自家発電やPPA(Power Purchase Agreement)、再エネメニューへの切替、環境価値証書の購入を進めることでコストが増加する。

リスク

中期

・省エネの推進による温室効果ガス排出量の低減

・低コストとなるPPAや再エネを推進するためのパートナーの探求

再生可能

エネルギー

市場の拡大

再エネ発電事業者・利用企業からの太陽光発電関連製品・システムに対する需要の拡大

当社の製品・システム提供を拡大することで、収益拡大の可能性が高まる。

機会

短期

・マーケット需要に応じた太陽光発電関連製品・システム開発の継続

ZEH

(Zero Energy House)需要の

拡大

住宅向けの太陽光発電定額サービスやHEMS(Home Energy

  Management System)

の提供を強化し、収益拡大の可能性が高まる。

機会

短期

・マーケット需要を捉えたエネルギーソリューション(システム/サービス)の提供

環境貢献

ビジネスの

拡大

サーキュラーエコノミー型ビジネスモデルの拡大

脱炭素の取り組みが社会的に高まる中で、廃棄物を出さないサーキュラーエコノミー型のビジネスモデルを確立することで、顧客支持の拡大につながる。

機会

中期

・自己循環型マテリアルリサイクル技術などの活用による廃プラスチックの再資源化の推進

・太陽電池リサイクルの情報収集の継続による新規事業機会の積極創出

4℃

気象災害の

激甚化

サプライチェーンの寸断

気象災害が激甚化することで、当社の仕入先、拠点が被災し、サプライチェーンが影響を受け、当社の販売機会喪失が懸念される。

リスク

長期

・製品の複数購買、複数地域購買の推進

・主要取引先の事業継続計画

(BCP)策定状況の調査と対策の強化

・自社拠点におけるBCPの更なるレベルアップ

 ※ 短期:3年以内、中期:2030年頃、長期:2050年頃に顕在化し始めると想定。

③ リスク管理

当社は、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けています。リスク管理の基本的な考え方として「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、リスク管理体制構築のもと、経営が特に大きいリスク項目を「特定リスク」として選定・管理しています。ESG関連リスクを含む全ての特定リスクについては、全社を横断的に管理する機能部門と、自らの事業領域における管理を担当する事業本部が連携し、リスクの最小化・適正化や未然防止の取り組みを行っています。

さらに、当社及びグローバルサプライチェーンにおける、社会や環境に与える負荷を低減していくために特に重要と考える取り組みテーマを毎年度特定し、関連管理策を設定の上、経営層によるモニタリング・レビューを行っています。

 

④ 指標及び目標

当社は、気候変動への対応として、自社活動に伴う温室効果ガス排出量(Scope1+2)を2030年にネットゼロ、自社活動以外の間接的な温室効果ガス排出量(Scope3)を2050年にネットゼロとすることを目指しています。Scope1は設備の電化やカーボンクレジットの調達、Scope2は設備の省エネや再エネの導入、Scope3は製品・サービスの省エネをさらに進めるとともに、購入した製品・部材の製造に伴う温室効果ガス排出量の削減に向け、お取引先様との連携強化に取り組みます。

 

■2050年に「サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量ネットゼロ」実現

 

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■温室効果ガス排出量(2025年度)

Scope

基準年(2021年度)実績

2025年度実績

基準年比

Scope1+2

1,365 千t-CO2

614 千t-CO2

55%削減

Scope3

32,392 千t-CO2

17,711 千t-CO2

45%削減

※ 2026年6月現在の算定値であります。なお、温室効果ガス排出量の信頼性向上を目的として、現在、第三者検証機関による検証を

実施中です。

 

(2) 人的資本

① 人材戦略

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(中期経営計画から抜粋)

 

 当社グループは経営理念において人材に対する考え方を「会社に働く人々の能力開発と生活福祉の向上に努め、会社の発展と一人一人の幸せとの一致をはかる」と明示しています。この理念を実現するため、中期経営計画(2025年度~2027年度)において、持続的な事業拡大を支える成長基盤として“人”への投資を拡大することを掲げています。

 当社グループは事業の再成長を目指すに当たり、優れた技術力や専門知識を備えた人材を育成・獲得することが不可欠であると認識しています。この認識のもと、中期経営計画を着実に実行するため、「成長を支える人材の育成・獲得」と「多様な人材が活躍する環境づくり」を人材戦略の柱として推進しております。

 

② 人材育成及び社内環境整備に関する方針

Ⅰ. 成長を支える人材の育成・獲得

 当社グループが事業を推進し成長していくためには、新規事業の推進やグローバル展開を支える技術及びマネジメント分野の優秀な人材を確保することが必要であると考えています。この考え方のもと、新たな人材獲得のために新卒採用を推進するとともに、新規ビジネスを狙えるコア人材の確保に向けてキャリア採用を推進しています。
 また、企業としての総合力を高めるための取り組みの一環として、各種の人材育成プログラムを準備し従業員に提供しています。従業員一人ひとりの能力の「質の向上」や「幅の拡大」を狙いとした育成プログラムにより、事業成長を支える人材の強化に努めています。

a. AI/デジタル人材の拡充

 当社グループの再成長のためには、当社グループが有する多様なデータをAI/デジタル技術で最大限に活かすビジネスモデルへの変革に加え、業務データをこれらの技術と組み合わせたデータドリブン経営への転換が必要です。これらを推進するに当たり、AI/デジタル人材の育成と獲得を急務と位置づけ、人材基盤の拡充を進めています。

 AI/デジタル人材の育成については、当社及び主要な国内連結子会社ではAI/DX推進人材であるビジネスモデルを立案する人材やデータの利活用を推進する人材及びエンジニア向けの育成プログラムを導入しています。これらAI/DX推進体制の強化を図るとともに、AI/DX利用人材である全社員のAIスキル・知見の底上げを図るため、生成AIの基礎知識習得から始め、eラーニングなどにより段階的なレベルアップを推進しています。

 

2025年度は以下の育成プログラムを実施しました。

・AI/DX推進人材向け ①ビジネスアーキテクトコース

             ②データサイエンティストコース

               ③エンジニアコース

                (AI・デジタル技術リスキリングプログラム)

・AI/DX利用人材向け ①eラーニング(生成AI活用)

             ②集合研修(生成AI利用促進)

 2026年度以降も継続して育成プログラムを開講し、AI/DX推進を支えるAI/デジタル人材の拡充を推進します。さらに、AI/デジタル分野の高度専門人材の獲得に向けて、競争力のある柔軟な処遇設計を進めています。

b. グローバル人材の強化

 当社グループでは、将来の飛躍に向けた重点取り組みの一つとして「ブランド事業のグローバル拡大と事業変革の加速」を掲げるなど、海外事業の強化を重要な戦略の一つと位置付けています。この戦略を実行するためには、海外事業や海外市場に精通し、事業拡大を牽引していく実行力を備えた優秀なグローバル人材の確保・育成が不可欠であると考えています。当社グループでは持続的な海外事業の強化・成長に向け、計画的なグローバル人材の確保・育成に努めます。

 具体的には、当社及び主要な国内連結子会社では、適性ある人材の選定・研修と計画的なローテーション・OJT(海外出向・出張経験)を組み合わせた育成プログラムを通じて、当社グループの海外事業拡大に貢献できる人材の育成を目指しています。また、社員が海外勤務経験に挑戦しやすい環境づくりや海外事業経験豊富な人材の積極的な採用も併せて推進します。

c. 組織力の向上

(ア)研修制度の拡充

・次世代経営幹部人材の育成強化(選抜型研修)

 当社は次世代経営幹部人材の育成強化を目的とした「選抜型研修」を実施しています。当社の将来の飛躍的成長フェーズを牽引する次期経営幹部の人材像を策定の上、体系的に育成するプロセスの構築を進めています。2025年度は、次期経営幹部層及び次期マネージャー層を対象に、「シャープリーダーシッププログラム」を2コース開講しました。

・階層別研修の拡充(ミドルマネジメント及び若手人材)

 当社及び主要な国内連結子会社は、特にミドルマネジメント及び若手人材に焦点を当てて「階層別研修」の拡充を行っています。階層別研修の実施によりキャリア自律を促し、社員の主体的な成長を支援することで、マネジメント層と若手人材の強化を図っております。2025年度は、入社3年次、5年次社員、及び係長クラスを対象とした3コースの階層別研修を開講しました。

・自己啓発

 当社及び主要な国内連結子会社は「強い個を育てる」という考え方のもと、ビジネスを行う上での基本的な知識や専門性を学ぶための環境づくりに取り組んでいます。「個々人がいつでも、どこでも、主体的に学ぶ」ことを通じて、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。具体的には、従業員が自宅のパソコンやスマートフォンを使って、時間や場所に制約されず学習可能なeラーニング環境を整えており、自己啓発による従業員の能力向上を積極的にサポートしています。

 2026年度以降は、新たなコースの追加や対象層の拡大を通じて研修体系のさらなる充実に取り組んでいきます。

(イ)人事制度

・等級制度

 当社及び主要な国内連結子会社では、仕事の内容や役割、責任の大きさに応じて等級・処遇を決定する「役割等級制度」を導入しています。役割や成果に応じてスピーディに昇級できる制度設計とし、優秀な若手人材を早期に責任のあるポジションに登用しています。

・人事評価制度

 当社及び主要な国内連結子会社では、会社業績と個人評価に連動した賞与/昇給制度により、成果を上げた従業員に報いる仕組みとしています。公正な評価を実現するために、期初・期中・期末の節目ごとに上司との評価面談を実施し、目標の進捗や貢献度・成果などについて互いに確認しています。評価結果は、半期ごとに評価理由とともに本人へフィードバックすることで、次への成長につなげています。

Ⅱ. 多様な人材が活躍する環境づくり

当社グループは「多様な人材が活躍する環境づくり」を目指し、従業員の挑戦や個性を引き出す風土の醸成に努めるとともに、従業員の多様性や能力を活かせる環境を整え、すべての人材が最大限に力を発揮できる組織を目指しています。

 また、安心で健康な職場づくりを重視し、従業員の健康増進の強化、福利厚生の充実を推進しています。
 これらの環境整備により、当社グループは従業員のエンゲージメントを高め、企業の成長と競争優位性を確保していきます。

 

a. DE&I(Diversity, Equity & Inclusion)の推進

当社グループは、多様な個性や能力を尊重し、それぞれが生み出す価値を結集することにより、当社ならではの革新技術の創出や新たなサービスの提案を通じて持続的な成長の実現を目指しており、2024年度に制定した「DE&I方針」に基づき、従業員一人ひとりの個性や能力が発揮できる職場環境の整備を進め、多様な人材が最大限に力を発揮できる組織づくりに取り組んでいます。

 

■DE&I推進の取り組み事例

女性の活躍促進

当社は一人でも多くの女性従業員がリーダー的ポジションから事業・組織運営に参画できるよう、公正な機会の提供と必要な支援に取り組んでいます。2029年度末までに「管理職に占める女性比率を7.5%以上」と目標を定め、2026年3月末時点の女性管理職比率は、4.7%となっています。

障がい者の活躍促進

障がいのある従業員の成長機会の提供と必要な支援に取り組むとともに、障がいのある従業員の働きやすい環境づくりを進めています。当社、特例子会社※1及びグループ適用会社※2における障がい者雇用率は2.45%(2025年6月1日時点)となっています。

高年齢者の活躍促進

当社及び主要な国内連結子会社は、60歳以降も従業員が長年培ったスキルやノウハウを発揮し活躍できるよう、公正な機会の提供と必要な支援に取り組んでいます。

外国人社員

当社は国籍に関係なく能力や適性に応じた採用、登用を行っていることから、数値目標は設定しておりません。当社では2026年3月現在、約170名が在籍し、様々な部門・職種で活躍しております。

LGBTQ+

当社及び主要な国内連結子会社では、同性パートナーに対する配偶者に準じた制度の適用や、従業員向けのeラーニングの実施等を通じて、LGBTQ+に対する理解促進に取り組んでいます。

※1 障がい者の雇用の促進及び安定を図るため、事業主が障がい者の雇用に特別の配慮をして設立した子会社

※2 障がい者雇用率の算定に当たって、公共職業安定所長より認定を受けた特例子会社以外のシャープグループの子会社

b. ワーク・ライフ・バランスの取り組み

 当社及び主要な国内連結子会社は、従業員のワーク・ライフ・バランス(仕事と家庭生活の調和)を実現できるよう、育児・介護・治療と仕事との両立を支援する制度の拡充や制度利用の促進を行っています。育児支援については、ガイドブックの配布や個別の制度周知などを行っており、多くの従業員が育児のための休職や休暇等の制度を利用しています。また、全従業員が効率的でメリハリのあるワーク・スタイルを確立するため「ノー残業デー」の設定や年次有給休暇の計画的取得推進などの施策を行っています。在宅勤務制度については、生産性の維持・向上が可能であることを前提に、1週間当たり2日の利用を可能としています。併せて、フレックスタイム制においてフレキシブルタイムを拡大することで、これまでより場所と時間について柔軟に働ける環境を整備しました。

c. 健康経営の強化

 従業員の健康は会社のパフォーマンスに直結することから、当社及び国内連結子会社は従業員の健康を重視し、健康経営を推進することで生産性や業績の向上を目指しています。

 具体的には、健康診断結果に基づく指導や高ストレス者への産業医面談などのメンタルヘルス対策を通じて、従業員の疾患の予防や生活習慣の改善に取り組み、生活習慣に関する5つの項目(食事、睡眠、運動、喫煙、飲酒)の目標を設定し、従業員の健康増進を積極的に推進しています。当社はこれらの取り組みを通じて2027年度までに健康経営優良法人「ホワイト500」の取得を目指します。

d. 福利厚生の充実

 当社及び主要な国内連結子会社は、従業員が安心して働ける環境を整えるため福利厚生の充実に努めています。具体的には、独身寮や転勤者用社宅などの住宅支援、人間ドックなどの健診費用補助、従業員とその家族が割安に加入できるグループ保険、財形貯蓄や従業員持株会による資産形成支援などを整えています。今後は、より従業員ニーズやライフスタイルの多様化に対応した福利厚生の拡充を図り、従業員間の公平性を保ちながら満足度を高め、定着率の改善につなげていきます。

e. 従業員エンゲージメントの向上

 当社は、会社のビジョンや経営者の考えを“トップメッセージ”として定期的にグループ会社の従業員に発信し、企業理念や価値観の共有を図っています。さらに、従業員の意見をアンケートやサーベイを通じて収集し、インナーブランディングを高める取り組みを推進することで従業員エンゲージメントの向上につなげています。併せて、情報開示を進めることで人事・報酬制度に対する従業員の納得感を高め、マネジメント層のコミュニケーション能力強化や情報共有・権限委譲を推進し、従業員オーナーシップ(当事者意識・主体性)の促進を図っています。加えて、評価・給与体系などの制度やIT環境などインフラの充実を図り、従業員がストレスなく安心して仕事に取り組める心理的安全性の高い職場づくりを進めています。

 当社及び国内連結子会社では、従業員満足度調査に代えて、2024年度よりエンゲージメントサーベイを年2回実施しています。全社の調査結果は経営層に報告・確認の上、全社的な課題を抽出、改善施策の検討・実行につなげています。また、各本部・各社の責任者が方針徹底の場(半期に一度開催)で調査結果を説明することで組織全体での共有を図るとともに、職場単位の調査結果を全従業員へフィードバックし、各職場での課題の共有や改善に向けたディスカッションを進めることで、各階層において改善活動を推進しています。なお、2025年度はこの調査結果を踏まえ、IT環境や職場環境の改善等に取り組み、従業員の働きがいや働きやすさの向上を図りました。

当社グループは継続的な改善を通じて従業員のモチベーションや生産性の向上を図り、人材の確保と一人ひとりの可能性を最大限に引き出す環境整備を推進し、企業価値の向上につなげていきます。

 

③ 指標及び目標・実績

当社の人的資本に関する指標及び目標・実績は以下の通りです。

なお、人的資本の取り組みは当社グループに属する全ての会社が一律に推進しているものではないため、次の 指標及び目標・実績は、特に記載が無い限り提出会社について記載しています。

方針

指標

2024年度

実績

2025年度

実績

目標

Ⅰ-a

AI・デジタル技術リスキリング

プログラム受講者数※1※2

1,019

2027年度まで3,200人以上受講する

Ⅱ-a

管理職の女性比率※3

4.4%

4.7

2029年度末まで7.5%以上とする

Ⅱ-b

男性社員の育児休業取得率※4

103.0%

93.3

80%以上を維持

Ⅱ-e

エンゲージメントスコア※5※6

(2027年度)A (3ランクアップ)

※1 AI・デジタル人材について、より客観的かつ継続的に育成状況を把握する観点から2025年度より指標を見直しています。

※2 当社及び主要な国内連結子会社が対象

※3 女性活躍推進法の規定に基づく管理的地位にある労働者に占める女性労働者の割合

※4 育児・介護休業法の公表基準に沿って算出した育児休業等及び育児目的休暇の取得割合

※5 リンクアンドモチベーション社が提供する「モチベーションクラウド エンゲージメント」を活用

会社・上司・職場に関する従業員の期待度と満足度を集計する独自の調査方法によって、組織のエンゲージメント状態を

可視化。Bは全国平均水準、Aは上位20%程度の水準

※6 当社及び国内連結子会社が対象

 

3【事業等のリスク】

 当社グループは、電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容として活動を行っております。その範囲は電子・電気機械器具のほとんどすべてにわたっており、ユーザーも国内外の一般消費者、事業会社から官公庁に至るまで多岐にわたり、また地域的にもグローバルな事業展開を行っております。従って、当社グループの業績は、多様な変動要因による影響を受ける可能性があります。

 有価証券報告書に記載した「第2 事業の状況」、「第5 経理の状況」等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性がある主なリスクと、それに対する対応策は以下のとおりであります。

 なお、本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在(ただし、必要に応じて有価証券報告書提出日現在)において、当社グループが判断したものであります。

 

① 世界市場の動向・海外事業について

(リスク)

 当社グループは、日本だけではなく、世界の各地域で事業活動を行っており、日本を含む世界各地域における景気の動向(特に個人消費及び企業による設備投資の動向)、他社との競合、製品の需要動向や原材料の供給状況、価格変動などは、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、米国の通商政策や各国の対抗措置による貿易摩擦、地政学的緊張の高まりや紛争の長期化(中東情勢の悪化等を含む)に加え、これらに起因するサプライチェーンの混乱や資源・エネルギー供給の不安定化等による世界経済の不確実性が、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループの事業にかかわる世界市場の動向等のリスク・情報については、当社の海外子会社を管掌する事業本部が現地と連携して収集し、必要な事業上の判断を行っています。さらに、地政学リスクや貿易環境の変化に伴うサプライチェーンや資源動向への影響についても、事業本部が関係部門と連携のうえ適時把握し、必要な対応を行っております。

 一方で、経営幹部は、定期的な海外拠点及び事業本部からの業績報告を通じて最新の市場環境及び事業状況を分析し、その都度必要なリスク対応を決定しております。

 

 

② 為替変動の影響について

(リスク)

 当社グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、2025年3月期59.4%、2026年3月期54.8%であります。当社グループは、海外で製造した製品を国内においても販売する等、製造された国以外の国においても当社グループ製品を販売しています。このため、当社グループの業績は為替変動の影響を受ける可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、為替予約及び最適地生産の拡充・強化等によるリスクヘッジを行っております。

 

 

③ 特定の事業・製品・顧客に対する依存について

(リスク)

 ディスプレイデバイスについては、顧客の仕様にカスタマイズした製品供給という事業の特性上、顧客との取引においてある程度の顧客依存が生じる傾向があります。このため、大口顧客の製品に係る需要の減少や仕様の変更、大口顧客の営業戦略の変更等を理由として、当社グループの販売が落ち込み、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 ディスプレイデバイスにおいては、特定の大口顧客への売上依存を避けるため、技術力の強化や顧客基盤の拡大を図ります。また、比較的特定顧客に対する依存度が低いブランド事業(スマートライフ及びスマートワークプレイス)においては、高付加価値商材の売上比率拡大や顧客基盤の維持拡大により既存事業を強化すると共に、新たな技術の活用や成長領域での新規事業の立上げ等を加速することで、さらなる事業成長に取り組みます。

 

 

④ 戦略的提携・協業等について

(リスク)

 当社グループはこれまでにも、企業競争力強化と収益性向上及び各事業分野における新技術や新製品の開発強化のため、外部企業との間で戦略的提携・協業を推進してきましたが、かかる戦略的パートナーとの間における戦略上の問題やその他の事業上等の問題の発生及び目標変更等により、提携・協業関係を維持できなくなった場合や、提携・協業関係から十分な成果が得られない場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループにおいては、戦略的提携・協業の重要性がますます高まっていくものと考えております。これらを成功に導くべく、戦略的提携・協業の実行段階においては、事前に事業戦略上の必要性、収益性や財務的な妥当性等を十分に検証し、経営戦略会議や取締役会での審議のうえで意思決定を行っております。

 また、実行後においても、関係する各事業本部との緊密な連携のもと、提携や協業の進捗をモニタリングし、想定通りの成果が得られないことが見込まれる場合には、早期に経営陣にも報告することにより、それらが当社グループの業績及び財政状態に与える影響を最小限に留める対策を講じることができるように取り組んでおります。

 

⑤ 親会社グループとの関係について

(リスク)

 親会社グループ(鴻海精密工業、及びその子会社・関連会社を含みます。)からの出資により、成長投資の実行、親会社グループの技術力・生産性・コスト力を活かした事業シナジーの追求が可能となりましたが、当社グループが親会社グループとの間の事業シナジーを想定通りに実現できる保証はありません。

 親会社グループの戦略に変更が生じた場合や将来的に親会社グループとの間で何らかの競合関係が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が悪影響を受ける可能性があります。

 当社グループの重要事項の意思決定においては、親会社グループからの影響を受けることにより、独立性及び自主性が損なわれる可能性があります。

(対応策)

 当社グループは、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に尊重しつつ、緊密な連携を行っており、親会社グループとの事業シナジーを最大限に活かした事業運営に取り組んでおります。当社グループでは、親会社グループとの間で当社グループの業務効率化や売上・利益の拡大等につながるシナジー創出が見込まれる領域を見極め、その領域においては、親会社グループとの連携のもとで、想定されるシナジーを適切に検証しその実現に向けて取り組んでおります。

 親会社グループでは電子機器受託生産サービスを中心とした事業展開を行っており、当社グループの電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般の製造・販売事業においては、「シャープ」等のブランドビジネスを行っていることから、親会社グループ内において当社グループの当該事業に影響を与える競合は生じていないものと考えております。

 当社は、親会社グループとの間で相互に独立性・自律性を十分に確保しつつ緊密に連携し、成長・発展及び業績に資する事業運営の効率化や売上・利益の拡大に取り組むことで、株主利益の向上に努めております。

 

 

⑥ 調達先との取引について

(リスク)

 当社グループは、多くの取引先から資材の調達及び各種サービスなどの提供を受けておりますが、中東情勢をはじめとする地政学的リスクの長期化や国際的な分断の進行等によるサプライチェーンの混乱、取引先の経営再編等に伴う供給体制の変化、自然災害や事故の発生、また、メモリ等の一部AI関連部材では、急速な需給環境変化による逼迫により、十分に部材が確保できないことが考えられます。

 そのような場合には、当社の希望する条件での取引ができない可能性、または代替する調達先を適時に見いだせない可能性があります。これらにより、当社グループ製品のコスト増加、顧客への納期の遅延等が生じた場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 これら調達リスク低減のため、取引開始時の信用調査や定期的な取引先の経営状況把握を実施するとともに、複数社購買の推進や調達先の分散化により、特定の取引先や地域への依存度低減に取り組んでおります。また、供給業者が限定される重要部材については、定期的な面談、長期フォーキャストの提示、在庫施策等を通じて安定供給体制の強化を図っております。

 

 

 

⑦ 財務状態に及ぼす影響について

(リスク)

 当社グループは、事業資金を銀行等の金融機関からの借入等により調達しており、総資産に対する借入金の割合は、当連結会計年度末では30.3%となっております。

当社グループは、金利水準が上昇した場合に費用の増加を招く可能性があります。

 当社グループが複数の金融機関との間で締結している一部の借入契約においては、今後、当社グループの連結純資産又は連結の営業利益、経常利益及び当期利益が一定の水準を下回った場合や、一部の連結子会社が債務超過になった場合など、借入先金融機関の請求により、当該借入金について期限の利益を喪失する可能性があります。また、当該契約に基づき、キャッシュ・フローの使途の決定に制限を受けております。

 当社グループの財務状態の悪化は、取引関係への悪影響や、財務状態の強固な競業他社との競争において不利に働く可能性があります。

(対応策)

 当社の主たる金融機関である㈱みずほ銀行、㈱三菱UFJ銀行を始めとする金融機関に対して、経営状況・財政状態等の情報共有を行い、必要に応じて改善策等に関する相談を行っております。金融機関との良好な関係を保ち、当社グループの主要な借入契約である当社のシンジケートローン契約等、借入金契約の維持・継続をすることで、資金の安定化を図っております。

(継続企業の前提に関する重要事象等)

 当社グループは、アセットライト化などの事業構造改革により業績及び財務体質の改善が進み、当連結会計年度においても収益性が前連結会計年度より改善するとともに、自己資本比率も19.6%まで大きく回復しました。

 このように財務改善は進んでいるものの、当連結会計年度末において一部の連結子会社が債務超過となったことにより、借入契約の財務制限条項に抵触いたしました。しかしながら、当連結会計年度末後に借入先金融機関から期限の利益喪失の請求は行わない旨の承諾を得られております。また、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載の通り、借入期間を2028年3月31日までとするシンジケートローン契約の更改を実行しました。さらに、コミットメントライン契約についても借入可能期間を1年間延長しております。このように金融機関による継続支援はより強固な枠組みとなっていることから、資金繰りに重要な懸念はないと判断しております。

 以上より、当連結会計年度末において継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しておりましたが、重要な不確実性は認められないことから「継続企業の前提に関する注記」は記載しておりません。

 

 

 

⑧ 技術革新について

(リスク)

 当社グループの事業領域における急速な技術の進化、変化への適切な対応は、当社グループの製品・サービスの競争力を向上させる反面、以下の項目等への対応が不十分な場合には、成長性や業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。

・技術の進化や盛衰及びその社会的意義の予測と対応

・研究開発における選択と集中、適切な資源の投下

・新領域に対する技術力強化

・社外と連携した研究開発の加速

 加えて、国際的な安全保障の観点から先端技術の輸出管理を強化する動きがあり、対象となる技術の付加価値が一定以上含まれた製品の輸出制限により、事業に間接的な影響を与える可能性があります。

(対応策)

 当社グループにおける研究や開発は、単なる技術水準の向上に留まらず、社会の急激な変化に伴う課題の解決に向けた技術創出に取り組んでおり、特にエッジとクラウドAIを組み合わせた独自AI技術「CE-LLM」によるAI応用や、次世代通信技術、Green Energy、EV等の成長分野に注力しています。また、必要な技術をいち早く社会実装していくため、これまで構築してきた事業基盤を有効に活用し新たなサービスやソリューションの創出を進めるとともに、積極的な社外連携により技術力の強化・開発加速を進めています。こうした取り組みを通じ、社会変化及び技術革新に伴うリスクを軽減させ、技術進化により持続的に成長し続けるブランド企業を目指してまいります。

 事業活動における輸出入管理での法令遵守に加え、世界的なインフラ・防衛・セキュリティ等の社会基盤に係る新興技術の管理強化の動きの中で、研究開発においても各国・地域での法令、規制状況に対応した輸出入管理を推進しております。

 

※CE-LLM(Communication Edge - Large Language Model)はシャープの登録商標です。

 CE-LLMとは迅速な応答性や強固な安全性を強みとする「エッジAI」と、深い思考力や広い汎用性を強みとする「クラウドAI」を用途に応じて切り替えて活用する当社独自の技術です。

 

⑨ 知的財産権について

(リスク)

 当社グループは、独自開発した技術等について、国内外で知的財産権を取得することにより、若しくは他社と契約を締結することにより、その保護に努めております。しかしながら、当社グループの特許出願等に対して権利が付与されない場合や、第三者からの無効請求等により、十分な権利保護が受けられない可能性があります。

 また、当社グループが第三者から知的財産権の侵害を主張され、その解決のために多額の費用を費やす可能性や、その主張が認められた場合に多額の対価の支払いや当該技術の使用差し止めなどの損害が発生する可能性があります。

 さらに、当社グループが保有する知的財産権を第三者が不正に使用する等、当社グループが保有する知的財産権が競争上の優位性をもたらさない、又はその知的財産権を有効に活用できない可能性があります。

 以上のような知的財産権に関する問題が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、知的財産権は企業の重要な財産であるとの認識のもと、積極的に知的財産の創出に努めており、知的財産権の出願・権利化の責任部門であるシャープIPインフィニティ㈱を中心に強い権利の取得に取り組んでいます。

 また、当社グループでは、自社製品発売前に第三者の知的財産権のチェックを徹底して実施することで、知的財産権のクリアランス状況を確認しているとともに、クリアランスプロセスの標準化によるクリアランス確度の向上にも取り組んでおり、第三者の知的財産権を侵害するリスクに対する対策をとっています。

 さらに、当社グループでは、知的財産権を事業戦略・研究開発戦略と連動させながら最大限に活用するとともに、自社の知的財産権を保護し、第三者の知的財産権を尊重する姿勢を堅持しています。不当な権利侵害等に対しては話し合いで解決することを基本としながらも、当社グループの知的財産権を尊重していただけない場合は、裁判所など第三者の判断を仰ぐことも辞さない毅然とした姿勢を貫く方針をとっています。

 

 

⑩ 製造物責任について

(リスク)

 当社グループの製品には、消費者向けのものが多く、また、革新的な技術を利用したものも含まれており、これらの製品に欠陥等が存した場合には製造物責任その他の責任を負う可能性があります。

 予期せぬ事情による大規模なリコールや訴訟の発生が、ブランドイメージの低下や、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、製品の安全性確保のため、各国の公的安全基準の遵守にとどまらず、リスクアセスメントの考えと独自の安全基準を組み合わせ安全性向上に取り組んでいます。この独自基準では、想定外の不具合が生じた場合にも安全を確保するため、特に難燃構造や異常動作試験等に関して基準を定めており、より高い安全レベルをめざし、都度改定し、社内関係者への研修も行い、設計部門、品質部門へ安全基準の理解と浸透を図っています。不具合発生時に迅速かつ適切に緊急対応が取れるよう安全確保推進体制を構築しています。万一、製品の欠陥等が発生した場合のメーカー責任を果たすために、製造物責任に基づく賠償に備え保険に加入しております。

 

 

⑪ 有能な人材確保における競争について

(リスク)

 技術及びマネジメント分野における優秀な人材が確保できない場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(対応策)

 技術及びマネジメント分野における優秀な人材の確保のため、以下の施策を行っています。

 事業方針に沿った新たな人材獲得の為に新卒採用を推進しています。また、新規ビジネスを担えるコア人材を確保するためにキャリア採用を推進しています。

 ビジネスを行う上で基本的な知識や専門性について、個々人が主体的に学べる教育・研修制度を設け、事業に精通したプロフェッショナル人材の育成を図っています。

 多様な人材が安心して働ける基盤として、育児・介護・治療と仕事の両立を支援する各種制度を整備する等、従業員のワーク・ライフ・バランスに配慮した取り組みを推進しています。

 

 

⑫ 気候変動の影響について

(リスク)

 温室効果ガス排出規制の強化や炭素税導入に伴うエネルギーコストの増加、温室効果ガス削減施策の強化等により、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、気候変動による台風の大型化や降水量の増加がもたらす災害は、当社の生産拠点の稼働停止や部品供給途絶等を引き起こす可能性があります。

(対応策)

 既存の規制や基準の遵守を徹底するとともに、常に法規制動向の把握に努め、政策立案の機会などにも参画しています。また、生産の効率化や省エネルギー化を進めることで、コスト負担の軽減や最小化を図っています。さらに、自然災害などで生産拠点や従業員などが被災した場合に備えて事業継続計画を策定し、定期的な見直しや訓練によって組織の事業継続能力の維持・改善を図っています。

 

 

 

⑬ 情報セキュリティリスクについて

(リスク)

 サイバー攻撃の高度化・巧妙化が進展する中、標的型メール攻撃やランサムウェア等による被害が継続的に発生しており、外部専門機関においても主要な脅威として指摘されております。当社グループにおいてこれらのリスクが顕在化した場合、事業システムの停止、業務の遅延や中断、顧客・取引先情報の漏えい等が発生し、当社グループの事業活動や経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 また、情報セキュリティインシデント発生時の対応に不備があった場合には、被害の拡大や復旧の長期化を招くおそれがあるほか、適時・適切な情報開示や対応が行われないことにより、社会的信用の低下を招き、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、情報セキュリティに関する法規制や業界基準への対応に加え、取引先から求められるセキュリティ要件や、サプライチェーンにおける第三者評価・認証への適合が確保できない場合には、取引機会の喪失や事業活動への制約等が生じる可能性があります。

(対応策)

 当社グループでは、情報及び情報システムの安全かつ適切な管理・利用を目的として情報セキュリティに関する基本方針を定め、同方針に基づき、グローバルでの情報資産の管理・保護に取り組んでおります。また、国際規格に準拠した情報セキュリティマネジメントシステムの枠組みに基づき、組織的かつ継続的なリスク管理を実施するとともに、従業員に対する教育・訓練(標的型攻撃メール訓練を含む)、内部監査等による評価及び改善活動を通じて、情報セキュリティ水準の維持・向上を図っております。

 さらに、情報セキュリティインシデント発生時には、影響の最小化及び迅速な復旧、ならびに適切な情報開示を行うための体制整備及び継続的な見直しを行っております。加えて、グループ会社及び委託先を含めたサプライチェーン全体においても、当社の方針に基づく適切な統制の確保に努めております。

 

 上記リスクのほかにも、多数の販売先との取引リスク、設備投資リスク、法的規制リスク、自然災害リスク等、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼすリスクは様々なものが想定され、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。

 

(リスク管理体制)

 当社グループでは、リスクマネジメントを「事業を継続的に発展させステークホルダーの期待に沿うことで社会的責任を果たす重要な活動の一つ」と位置付けて取り組んでいます。具体的には、リスクマネジメントの基本的なルールとして「ビジネスリスクマネジメント規程」を制定し、全社的なリスク管理体制を構築したうえで、経営への影響が特に大きいリスクを「特定リスク」として選定・管理しています。

 経営環境・市場の変化に対応するため、すべての特定リスクについて、年度ごとに特定リスクの追加・変更を検討したうえで追加・変更後の特定リスクの評価を見直しています。全社を横断的に管理する機能部門は、自らの事業領域における管理を担当する事業部門と連携し、リスクの最小化・適正化や、未然防止に必要な施策等を実施しています。また、重大なリスク事案が発生した場合の対応策として、当該事案が発生した部門からリスクマネジメント事務局である内部統制部及び経営幹部へ事案内容を報告し、関係部門と連携して当該事案への対応を行い、必要に応じて全社的な改善策を検討し再発防止に繋げることとしています。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

(経営成績)

当社グループは、再び成長軌道へと舵を切るべく、2025年5月12日に「中期経営計画」を発表しました。この中期経営計画に沿って、「ブランド事業のグローバル拡大と事業変革の加速」、「持続的な事業拡大を支える成長基盤の構築」、「成長をドライブするマネジメント力の強化」の3つに重点的に取り組み、競争力の向上と財務基盤の改善を進めてきました。

その結果、当連結会計年度の業績は総じて堅調に推移し、デバイス事業のアセットライト化や、ブランド事業の収益力向上に取り組んだことなどから、売上高は減少したものの、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は増加しました。営業利益・経常利益は業績予想値を上回り、親会社株主に帰属する当期純利益は業績予想値に及ばなかったものの、前連結会計年度から大幅な増益となりました。また、財務基盤も当初想定を上回るペースで改善し、自己資本比率は前連結会計年度末の10.5%から19.6%まで上昇しました。

 

売上高は、スマートライフ、スマートワークプレイス、ディスプレイデバイスの3セグメントとも減少し、1,892,811百万円(前年度比87.6%)となりました。

営業利益は、48,565百万円(前年度比177.6%)となりました。メモリなどの部材価格が高騰した影響や、前連結会計年度に通信事業で一過性の収益を計上した影響から、スマートワークプレイスは減益となりましたが、高付加価値化が進展し、コストダウンや経費削減効果のあったスマートライフが大幅な増益となりました。また、構造改革を進めたディスプレイデバイスは、赤字幅が大幅に縮小しました。

経常利益は、営業利益が改善したことなどから、57,959百万円(前年度比328.3%)と大幅な増益となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失として19,867百万円の事業構造改革費用などを計上したものの、経常利益が改善したこと、特別利益として主に堺事業所の不動産を売却したことによる36,111百万円の固定資産売却益を計上したことなどから、47,434百万円(前年度比131.4%)となりました。

なお、「デバイス事業のアセットライト化」などの構造改革には一定の区切りがつきました。鴻海グループに対するカメラモジュール事業の譲渡及び半導体事業に係るシャープ福山レーザー㈱の株式の譲渡が完了しました。このほか、大型ディスプレイ事業では、堺ディスプレイプロダクト㈱の事業を終息し、中小型ディスプレイ事業では、既存顧客の需要に応える先行生産、在庫の確保を行ったうえで、亀山第2工場の生産を停止する予定です。

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(セグメント業績)

セグメントの業績は、概ね次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。以下の前連結会計年度との比較については、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組替えた数値で比較しております。報告セグメントの変更については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (セグメント情報等)」に詳細を記載しております。

 

<ブランド事業>

①スマートライフ

売上高は597,998百万円(前年度比92.9%)となりました。白物家電事業、テレビ事業、エネルギーソリューション事業の3事業とも減収となりました。白物家電事業は、国内では、生成AI対応ヘルシオが好調でコンビニ向け新規商材の貢献もあった調理家電が増収となりましたが、洗濯機や冷蔵庫の販売が軟調でした。海外では、タイやベトナムで空気清浄機/除湿機が好調で、米国の調理家電も増収となりましたが、冷夏の影響でASEANのエアコンが減収となりました。テレビ事業は、他社攻勢の影響で国内・海外とも前年度を下回りました。エネルギーソリューション事業は、国内の住宅用が堅調に推移し、蓄電所EPCやアジア、宇宙用が伸長したものの、国内の太陽光EPCが減収となりました。

セグメント利益は、3事業とも増益となり、28,456百万円(前年度比129.5%)となりました。構造改革効果に加え、コストダウンや経費削減に取り組んだこと、高付加価値化を進めたことなどから、約3割の増益を達成することができました。

 

②スマートワークプレイス

売上高は833,822百万円(前年度比99.7%)となりました。PC事業、ビジネスソリューション事業が増収、通信事業は減収となりました。PC事業では、Windows10のサポート終了に伴う買い替え特需やメモリ価格高騰に伴う駆け込み需要を取り込めたことから、国内のBtoB、BtoC双方の販売が伸長し、大幅な増収となりました。BtoBでは、官公庁・自治体向けやGIGAスクール向けが好調でした。ビジネスソリューション事業では、オフィスのIT化が進むなか、日欧を中心にオフィスソリューションの売上が大きく伸長しました。また、デジタル複合機は、新製品が好調だったこともあり日欧で増収となりました。通信事業では、他社攻勢の影響でスマートフォンが減収となりました。

セグメント利益は、57,597百万円(前年度比96.5%)となりました。PC事業は増益、他の2事業が減益となりました。通信事業において前年度に一過性収益を計上した影響により減益となりましたが、高付加価値化を進めるとともに、メモリをはじめとする部材価格の高騰にも売価アップなどで対応できたことから、引き続き高い利益率を確保できています。

 

<デバイス事業>

③ディスプレイデバイス

売上高は423,504百万円(前年度比93.6%)となりました。スマートフォン向け小型ディスプレイの事業終息などにより減収となりました。

セグメント損失は、18,277百万円(前年度は26,932百万円のセグメント損失)となりました。コストダウン、経費削減に取り組んだこと、モデルミックスの改善が進んだことなどから、車載向けやモバイル向け、産業向けディスプレイモジュールの利益が改善し、セグメント損失が大幅に縮小しました。

 

<その他>

カメラモジュール事業の譲渡等、アセットライト化を進めたことにより、売上高は47,014百万円(前年度比18.3%)の減収となりましたが、生産を終息した堺ディスプレイプロダクト㈱の赤字が大幅に縮小したことにより、セグメント利益は692百万円(前年度は7,826百万円のセグメント損失)となりました。

 

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生産、受注及び販売の実績は以下のとおりです。

 

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

スマートライフ

590,727

△7.9

スマートワークプレイス

831,529

+1.3

ディスプレイデバイス

414,584

△6.2

その他

41,379

△82.4

合計

1,878,221

△12.2

(注)1 金額は、販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、外注製品仕入高等を含んでおります。

3 組織変更に伴い、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。

 

b.受注実績

当社グループは原則として見込生産を行っております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

スマートライフ

597,488

△7.0

スマートワークプレイス

832,271

△0.4

ディスプレイデバイス

419,126

△5.6

その他

43,925

△81.5

合計

1,892,811

△12.4

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 組織変更に伴い、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成しております。

3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の販売先がないため、省略しております。

 

(財政状態)

当連結会計年度末の財政状態については、資産合計は、事業譲渡や堺本社工場の売却に伴う有形固定資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べ25,477百万円減少の1,428,253百万円となりました。負債合計は、借入金の返済などにより、前連結会計年度末に比べ153,052百万円減少の1,132,968百万円となりました。また、純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことや、円安影響による為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ127,575百万円増加し、295,284百万円となりました。

 

(棚卸資産)

当連結会計年度末の棚卸資産残高は250,385百万円、月商比は1.59ヶ月となりました。メモリ価格の高騰に伴う先行調達や円安の影響により、前連結会計年度末と比較して増加しています。期中は増加基調にありましたが、2025年12月末をピークに足元では金額・月商比ともに減少しています。

 

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② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ12,202百万円減少し、230,500百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

(自 2024年4月1日

  至 2025年3月31日)

当連結会計年度

(自 2025年4月1日

  至 2026年3月31日)

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

△1,590

△191

1,398

投資活動によるキャッシュ・フロー

103,743

71,700

△32,042

財務活動によるキャッシュ・フロー

△74,768

△105,802

△31,034

現金及び現金同等物の期末残高

242,703

230,500

△12,202

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は191百万円の支出となりました(前連結会計年度に比べ1,398百万円の改善)。この改善は主に、税金等調整前当期純利益が9,741百万円増加したほか、売上債権及び契約資産の増減で11,316百万円、仕入債務の増減で23,987百万円それぞれ資金が増加した一方、事業構造改革費用の支払で13,745百万円、棚卸資産の増減で28,155百万円それぞれ資金が減少したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の収入は71,700百万円となりました(前連結会計年度に比べ32,042百万円の資金の減少)。これは主に、アセットライト化の方針の下、有形固定資産の売却による収入は42,773百万円(前連結会計年度は106,879百万円)となり、資金の創出を図ったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の支出は105,802百万円となりました(前連結会計年度に比べ31,034百万円の資金の減少)。これは主に、短期借入金8,532百万円及び長期借入金82,139百万円の返済を進めたことによるものです。

b. 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループが今後も持続的に成長していくためには、より強固な財務基盤を構築することが不可欠であり、営業キャッシュ・フローの最大化、安定的なフリー・キャッシュ・フローの創出により、有利子負債の削減等財務基盤を改善すること、また、資金調達の安定化を図ることが必要です。

2025年度においては、競争環境の激化や主要部材の価格急騰など事業環境の厳しさは増したものの、ブランド事業の増益やディスプレイデバイス事業の赤字縮小など、業績の安定感は向上しました。また、デバイス事業のアセットライト化にも区切りがつき、ブランド事業への投資を拡大するなど、成長に向けた基盤の構築が進みました。その結果、自己資本比率の改善、有利子負債の大幅削減、フリー・キャッシュ・フローの黒字継続など、財務基盤も引き続き改善しております。

2026年度以降においても、中期経営計画の基本戦略を維持しつつ、事業変革をより一層加速するとともに、成長の土台となる足元の収益基盤のさらなる強化に取り組みます。また、2026年4月にシンジケートローンの更改を実行いたしましたが、引き続き金融機関との良好な関係を維持、強化することで、事業の継続・成長に向けた資金を確保してまいります。

 

(資金のキャッシュ・フロー及び流動性の状況)

2025年度におけるキャッシュ・フローの状況は、「a.キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、営業活動によるキャッシュ・フローは191百万円のマイナスとなったものの、事業構造改革費用の支払い(25,947百万円の支出)や前受金の返金(32,350百万円の支出)などの一過性の影響があり、これを除くとプラスとなります。

また、資産売却を進めたこと等により、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー)は、71,509百万円の収入となりました。

これらの収入により有利子負債を大幅に削減しております。

引き続き、在庫管理や投資の適正化、金融機関との関係性強化等により手元流動性を確保しつつ、有利子負債の削減等財務体質の改善を図ってまいります。

 

 

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(資金調達)

当社グループは、資金の支出効果の見極めを十分行いながら、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉の安定的確保を図る趣旨の下、短期運転資金を自己資金及び短期借入で、設備投資や長期運転資金の調達については長期借入で賄うことを基本原則としております。

総資産に対する借入金の割合は当連結会計年度末現在30.3%となっております。なお、従来のシンジケートローン契約の期限が2026年4月であったことから、借入金総額に占める短期借入金の割合が大幅に増加しておりますが、既に2026年3月末に同契約を更改し、同年4月に総額391,400百万円の借り入れを実行したことにより、返済期間は2028年3月末まで長期化しております。

シンジケートローン等の更改にあたっては、取引先金融機関と綿密に協議を行いました。取引先金融機関からは、ブランド事業の増益やディスプレイデバイス事業の赤字縮小など業績の安定感が増したことや、資産売却等による有利子負債の削減など財務基盤が改善したこと等を評価いただき、更改に際して支援体制を強化いただいております。

2026年度においても、引き続き取引先金融機関との良好な関係を維持・強化し、事業の継続・成長に向けた資金を確保してまいります。

 

格付の状況

(提出日現在)

格付機関

長期格付

短期格付

S&P Global

B

B

格付投資情報センター

B+

日本格付研究所

BB-

 

 

(2) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたり必要となる見積りについては、過去の実績や第三者による評価等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性のため、実際の結果は見積りと異なる場合があります。

当社の連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

5【重要な契約等】

(1) 重要な子会社の株式の譲渡等

2025年4月23日、当社は、連結子会社であるシャープ福山レーザー㈱(以下、「SFL社」といいます。)に対し、会社分割(吸収分割)によりSFL社事業(レーザー事業及び半導体事業)に関連する権利義務を承継させること(以下、「本吸収分割」といいます。)及び当社の親会社である鴻海精密工業股份有限公司の子会社、鴻元國際投資股份有限公司へ保有するSFL社株式を譲渡すること(以下、「本株式譲渡」といいます。)に関する契約を締結いたしました。

なお、本吸収分割の効力発生日は2025年7月1日、本株式譲渡の実行日は2025年9月29日であり、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

(2) 重要な子会社の吸収合併

(シャープディスプレイソリューションズ㈱の吸収合併)

2025年12月19日、当社は、当社を吸収合併存続会社、連結子会社であるシャープディスプレイソリューションズ㈱を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、同日付で吸収合併契約を締結いたしました。

なお、本吸収合併の効力発生日は2026年4月1日であり、詳細につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。

 

(シャープセンシングテクノロジー㈱の吸収合併)

2026年2月10日、当社は、当社を吸収合併存続会社、連結子会社であるシャープセンシングテクノロジー㈱を吸収合併消滅会社とする吸収合併を行うことを決議し、2026年2月12日付で吸収合併契約を締結いたしました。

なお、本吸収合併の効力発生日は2026年4月1日であり、詳細につきましては、「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。

 

(3) 財務上の特約が付されたローン契約

当社は、以下の財務上の特約が付された契約を締結しております。

 

①シンジケートローン契約

借入先

契約締結日

当事業年度末

借入残高

(百万円)

弁済期限

担保

財務上の特約

㈱みずほ銀行

㈱三菱UFJ銀行

2012年9月27日

250,558

2026年4月28日

有(注)1

(注)2

2013年6月25日

(注)1 不動産、動産(機械・棚卸資産)、有価証券、売掛債権、手形、子会社株式等であります。

2 財務上の特約の主な内容として、当社グループの連結純資産や連結経常利益を一定水準以上に保つことが定められております。

3 本契約には、当社及び連結子会社が債務超過となった場合など、借入先金融機関の請求により期限の利益を喪失する条項が含まれております。

 

また、上記契約の借入期間満期に伴い、下記のシンジケートローン契約を締結しております。

借入先

契約締結日

債務の元本

(百万円)

借入期間

担保

財務上の特約

㈱みずほ銀行

㈱三菱UFJ銀行

㈱三井住友銀行

㈱りそな銀行

2026年3月31日

391,400

自 2026年4月28日

至 2028年3月31日

有(注)1

(注)2

(注)1 不動産、動産(機械・棚卸資産)、有価証券、売掛債権、手形、子会社株式であります。

     2 財務上の特約の主な内容は以下のとおりであります。

ⅰ)連結会計年度末における連結純資産の金額を、前連結会計年度末または直前の中間連結会計期間末における各連結純資産の金額のいずれか高い方の80%以上に維持すること

ⅱ)中間連結会計期間末における連結純資産の金額を、前連結会計年度末における連結純資産の金額の80%以上に維持すること

ⅲ)中間連結会計期間及び連結会計年度の各連結営業利益、連結経常利益及び連結当期利益を0円以上に維持すること

3 本契約には、一部の連結子会社が債務超過となった場合など、借入先金融機関の請求により期限の利益を喪失する条項が含まれております。

 

②コミットメントライン契約

借入先

契約締結日

当事業年度末

借入残高

(百万円)

借入可能期間

担保

財務上の特約

㈱みずほ銀行

㈱三菱UFJ銀行

2016年8月12日

25,000

2026年4月28日

(注)1

(注)1 財務上の特約の主な内容として、当社グループの連結純資産や連結経常利益を一定水準以上に保つことが定められております。

2 本契約には、当社及び連結子会社が債務超過となった場合など、借入先金融機関の請求により期限の利益を喪失する条項が含まれております。

3 2025年8月8日に借入可能期間を2026年4月28日まで延長する契約を締結しており、契約額は総額200,000百万円であります。

4 「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載の通り、2026年4月28日に借入可能期間を2027年4月28日まで延長する契約を締結しており、契約額は総額200,000百万円であります。

 

(4) その他の契約

相手先

国名

又は

地域

契約内容

KDDI㈱

日本

2025年4月4日、当社及び連結子会社である堺ディスプレイプロダクト㈱が保有する堺工場の固定資産の一部を、KDDI㈱へ譲渡いたしました。本件の譲渡価額は10,000百万円であります。(注)1

ソフトバンク㈱

㈱関電エネルギーソリューション

日本

2025年10月29日、当社が㈱関電エネルギーソリューションとの間で締結していた堺工場における電気の供給契約について、契約上の地位を液晶パネル工場の売却先であるソフトバンク㈱へ承継いたしました。(注)2

(注)1 当社及び連結子会社の堺ディスプレイプロダクト㈱との契約であります。

2 当社との契約であります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、独自技術の開発を経営理念に掲げ、製品はもとより新規デバイスや新材料開発に至るまで、積極的な研究開発活動を行っております。

 研究開発体制としては、基礎・応用研究開発を担う研究開発本部、事業本部や関係会社の傘下にある目的別開発センター(開発部門)、具体的な製品設計を担当する事業部技術部を設置しております。

 中期経営方針である「ブランド事業に集中した事業構造の確立」及び「既存ブランド事業と新産業の新たな成長モデルの確立」に向けて、エッジとクラウドAIを組み合わせた独自AI技術「CE-LLM※1」によるAI応用や、次世代通信技術、Green Energy、EV等の成長分野における新たな事業創出を加速させ、社会に変革をもたらす革新的な価値の創出に取り組んでおります。

 

※1 CE-LLM(Communication Edge-LLM)はシャープの登録商標です。

CE-LLMとは迅速な応答性や強固な安全性を強みとする「エッジAI」と、深い思考力や広い汎用性を強みとする「クラウドAI」を用途に応じて切り替えて活用する当社独自の技術です。

 

 当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は以下のとおりであります。

セグメントの名称

研究開発費(百万円)

 

スマートライフ

14,124

スマートワークプレイス

29,099

ディスプレイデバイス

16,722

報告セグメント 計

59,946

その他・全社(共通)

9,231

合計

69,177

 

 なお、報告セグメントごとの主な研究成果は、次のとおりであります。

 

(1) スマートライフ

2027年度を目標とする新省エネ基準を全機種で達成したプラズマクラスターエアコン<Rシリーズ>や、業界最高水準の省エネを実現したプラズマクラスタードラム式洗濯乾燥機<ES-12X1/12P1>など、生成AIサービスに対応する主要家電を国内で初めて発売いたしました。また、当社独自の空気浄化技術「プラズマクラスター技術」は、空気清浄機への初搭載(2000年)から25周年を迎え、今後も人と暮らしに寄り添う製品・サービスを提供してまいります。

 液晶テレビAQUOSは、2001年の初号機発売から25年を迎え、日本初・世界初の技術開発を通じて、液晶テレビ市場の普及を牽引してまいりました。こうした技術開発の流れを受け、高輝度・広色域を実現する「N-Black Wideパネル」を搭載した4K mini LEDテレビ<AQUOS XLED>や、最新世代の「量子ドット有機ELパネル」を搭載した4K有機ELテレビ<AQUOS QD-OLED><AQUOS OLED>を発売いたしました。

 太陽電池分野において、太陽光発電システムの出力向上やクラウド蓄電池システムの充電スピードアップ等、太陽電池・蓄電池・HEMS連携による独自の住宅用エネルギーソリューション<Eeeコネクト>の対応機器がパワーアップしました。加えて、クラウドHEMSサービス<COCORO ENERGY>において、電力会社の多様な電気料金プランに合わせて機器を自動制御して電気代削減を可能とする、新たなAI制御を実現しました。当社は、エネルギー機器の提供にとどまらず、制御技術やサービスを含めたエネルギーソリューションの付加価値向上を図り、持続可能なエネルギー社会の構築に貢献します。

 

 

(2) スマートワークプレイス

 クラウドサービスとの連携強化やセキュリティ機能の拡充を図り、A3デジタル複合機<BPシリーズ>を刷新しました。UTM機能を搭載したサーバー(オプション)の設置によりセキュリティ対策を実現するとともに、生成AIを活用した新開発の「eAssistant Guide※2」が、より効率的な活用と多様化する働き方を支援します。

 1tまでの高重量物を運搬可能なリフトアップタイプの<自動棚搬送ロボット(AGV)>は、物流現場の安全性と省人化をサポートし、大幅な生産性向上に貢献します。

 Dynabook㈱においては、倉庫作業時に透過型XRグラス<dynaEdge XR1>の画面上にガイドを表示するピッキング支援ソリューションを展開し、作業効率の向上に寄与しております。

 独自のAI技術CE-LLMを搭載した“ポケットサイズのおともだち”、対話AIキャラクター<ポケとも>は、「2025年度グッドデザイン賞」及び「日本おもちゃ大賞 キダルト部門 優秀賞」を受賞しました。

スマートフォンでは、ピーク輝度3,000nitの明るいディスプレイやパワフルなスピーカーを搭載し、臨場感あふれる視聴体験を楽しめるハイエンドモデルの<AQUOS R10>を発売しました。また、約198gの軽量ボディと高精細な映像表示により快適性と高い没入体験を実現するVRグラス<Xrostella VR1>を開発しました。

その他の通信技術分野では、セルラー通信が困難な場所において高速大容量通信を実現する、5G NTN通信※3対応<LEO※4衛星通信ユーザー端末>が、「CEATEC AWARD 2025総務大臣賞」を受賞しました。本技術の早期実用化により、さまざまな環境下での安定的な通信ソリューションの実現を目指します。

また、当社は世界50か国以上で合計8,500件以上の通信規格特許を保有しており、これまで多数の通信機器及び自動車業界のリーディングカンパニーと無線通信規格特許のライセンス契約を締結しております。

 

※2 複合機に関連する質問への回答をAIが自動生成し、対話形式で返答します。

※3 Non-Terrestrial Network(非地上系ネットワーク)の略。

主に衛星や高高度を飛行する無人飛行機(High Altitude Platform Station:HAPS)などを多層的につなげて基地局として利用する、地上インフラに依存しない無線通信ネットワークを指します。

※4 Low Earth Orbit(低軌道)の略。

 

(3) ディスプレイデバイス

 “消費電力0W”での表示保持が可能なカラー電子ペーパーディスプレイ<ePoster>シリーズが、「2025年度省エネ大賞 省エネルギーセンター会長賞」及び「第8回エコプロアワード 経済産業大臣賞」を受賞しました。本技術をはじめ、サイネージや電子ブックなどさまざまな製品に搭載する電子ペーパーディスプレイの開発を進めるとともに、液晶ディスプレイ(LCD)においても、モバイル端末/車載/XR/大型モニターなど、多様な用途に向け、表示性能の向上や省電力化、タッチ機能などの付加価値向上につながる基幹技術の開発を通じ、環境負荷低減に寄与する新たなソリューションの創出に取り組んでまいります。

 

当社は、新たなコーポレートスローガンとして“ひとの願いの、半歩先。”を掲げ、人々の「暮らす」と「働く」のあらゆるシーンに寄り添う独創的なモノやサービスを通じて「シャープならではの価値」を提供するとともに、「新たな文化」を創造する企業を目指してまいります。