第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第1四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営上の重要な契約等】

当第1四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 業績の状況

当第1四半期連結累計期間における世界経済は、米国では景気回復基調が継続する一方、英国のEU離脱問題や中国における経済成長の鈍化等、不透明な状況が継続しました。国内においては、消費税の引き上げ延期が決定されるなど金融・財政政策による景気刺激策が継続されましたが、グローバルなリスクの高まりや急激な円高進展もあり、景気の先行きに対する懸念が強まっています。

情報通信ネットワークの分野においては、モバイル・ブロードバンド・サービスの普及により、ネットワークのデータ通信量は増加の一途を辿っております。これに対応するため、LTE(Long Term Evolution)及びLTEを更に拡張したLTE-Advancedの普及が本格化しており、規格適合試験やオペレータの受入試験、携帯端末の総合的な送受信性能試験などの開発需要が継続しております。更に次世代の第5世代(5G)通信方式の標準化に向けた動きや、IoT(Internet of Things)を活用した新たなサービス・アプリケーションの開発が幅広い業界で進められております。

このように当社グループを取り巻く事業環境は中長期の成長トレンドにありますが、足元のモバイル関連市場において、スマートフォンのコモディティ化の進展により、一部新興国向けでは活発な動きがあるものの、全体として成長鈍化が顕著となっています。その結果、一部のチップ・端末の大手ベンダーがリストラ実施後も投資抑制を継続する等、顧客の収益状況は一様でなく、投資意欲も限定的となっております。

このような環境のもと、当社グループは、新製品の開発を軸に戦略投資を行い、提供するソリューションの競争力を高め、事業拡大の基盤整備に取り組みました。

当第1四半期連結累計期間は、計測事業において、北米・アジアでのスマートフォン開発・製造関連市場における主要プレーヤーの投資抑制の継続及び北米市場における基地局建設需要の減少等の結果、前年同期比減収減益となりました。また、PQA(プロダクツ・クオリティ・アシュアランス)事業が北米及び国内市場を中心に売上を拡大させました。なお、外貨建ての営業債権等に対して為替差損(為替予約時価評価を含む)7億29百万円を金融収益費用に計上しております。

この結果、受注高は209億45百万円(前年同期比12.7%減)、売上収益は202億83百万円(前年同期比14.2%減)、営業利益は7億27百万円(前年同期比52.4%減)、税引前四半期利益は7百万円(前年同期比99.6%減)、四半期利益は25百万円(前年同期比97.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は6百万円(前年同期比99.5%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①計測事業

当事業は、通信事業者、関連機器メーカー、保守工事業者などへ納入する、多機種にわたる通信用及び汎用計測器、測定システム、サービス・アシュアランスの開発、製造、販売を行っています。

当第1四半期連結累計期間は、光デジタル関連計測器の需要が堅調であったものの、モバイル市場において顧客の投資抑制が継続し、また、北米キャリアによるLTEネットワーク建設をはじめとしたインフラへの設備投資の抑制も続き、全体として前年同期を下回る売上収益となりました。この結果、売上収益は146億32百万円(前年同期比19.0%減)、営業利益は7億33百万円(前年同期比59.8%減)となりました。

②PQA事業

当事業は、高精度かつ高速の各種自動重量選別機、自動電子計量機、異物検出機などの食品・医薬品・化粧品産業向けの生産管理・品質保証システム等の開発、製造、販売を行っています。

当第1四半期連結累計期間は、北米及び国内市場を中心に売上を拡大させました。また、グローバル競争力の強化に向けて、研究開発投資と販売促進活動に積極的に取り組みました。この結果、売上収益は41億6百万円(前年同期比11.5%増)、営業利益は1億33百万円(前年同期は3百万円の損失)となりました。

③その他の事業

その他の事業は、情報通信事業、デバイス事業、物流、厚生サービス、不動産賃貸等からなっております。

当第1四半期連結累計期間は、デバイス事業をはじめ全体として低調でした。この結果、売上収益は15億44百万円(前年同期比18.4%減)、営業損益は1億9百万円の損失(前年同期は54百万円の損失)となりました。

 

(2) 資産、負債及び資本の状況

当第1四半期連結会計期間末における資産、負債及び資本の状況は次のとおりです。

①資産

資産合計は、1,208億19百万円となり、前期末に比べ38億5百万円減少しました。主に営業債権及びその他の債権並びにその他の流動資産が減少しました。

②負債

負債合計は、493億80百万円となり、前期末に比べ6億19百万円増加しました。主にその他の流動負債が増加した一方、流動負債における従業員給付が減少しました。

③資本

資本合計は、714億38百万円となり、前期末に比べ44億24百万円減少しました。これは、主にその他の資本の構成要素及び利益剰余金が減少したことによるものです。

この結果、親会社所有者帰属持分比率は59.1%(前期末は60.8%)となりました。

なお、有利子負債残高(リース債務を除く)は220億30百万円(前期末は220億24百万円)となり、デット・エクイティ・レシオは0.31(前期末は0.29)となりました。

 

(注)親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/資産合計

デット・エクイティ・レシオ:有利子負債/親会社所有者帰属持分

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、377億81百万円となり、期首に比べ3億89百万円増加しました。なお、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、38億24百万円のプラス(前年同期は13億92百万円のプラス)となりました。

当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

①営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果獲得した資金は、純額で47億87百万円(前年同期は66億47百万円の獲得)となりました。これは、減価償却費及び償却費の計上並びに営業債権及びその他の債権の減少により資金が増加したことが主な要因です。なお、減価償却費及び償却費は10億16百万円(前年同期比92百万円増)となりました。

②投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、純額で9億63百万円(前年同期は52億54百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が主な要因です。

③財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果使用した資金は、純額で16億63百万円(前年同期は63億30百万円の獲得)となりました。これは、配当金の支払額16億47百万円(前年同期の配当金支払額は16億49百万円)が主な要因です。

 

(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当第1四半期連結累計期間において新たに発生した事業上及び財務上の対処すべき課題はありません。

 

当社グループは、2014年に新たに掲げたブランド・ステートメント「envision:ensure」のもと、積極的に事業展開を進めております。これに込めた思いは、「お客様と夢を共有しビジョンを創りあげるとともに、それをイノベーションによりお客様の期待を超える確かなかたちあるものへと創りあげる」というものです。今後も経営資源を最大限に活かして企業価値の向上に努めるとともに、安全・安心で豊かなグローバル社会の実現に貢献していく所存です。

 

なお、当社は、2013年6月26日の第87期定時株主総会終結の時をもって、「当社株式の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」を継続しないことといたしました。これは、「2020 VISION」及び中期経営計画の実現、並びにコーポレート・ガバナンスの整備・強化によって企業価値の向上に継続して取り組むこと、加えて、株主の皆様への利益還元を充実させ、株主・投資家の皆様との対話の一層の充実を図ることが、当社が最優先で取り組むべき課題であると判断したためです。これに伴う、株式会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

①基本方針の内容

当社は、公開企業として当社株式の自由な売買を認める以上、特定の者の大規模な買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否か、ひいては会社を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思に基づき決定すべきものと考えます。一方で、当社は、企業価値の源泉となり株主共同の利益を構築している経営資源の蓄積を最大限に活かし、当社グループのブランド価値を高めていくためには、中長期的観点からの安定的な経営及び蓄積された経営資源に関する十分な理解が不可欠であると考えています。したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらに関する十分な理解なくしては、当社の企業価値及び株主共同の利益が毀損されるおそれがあると考えています。

そのため、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切な者による大規模買付行為に対しては、株主の皆様のご判断に資するよう、大規模買付者への情報提供要求など積極的な情報収集と適切な情報開示に努めるとともに、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を図るため、必要に応じ、法令及び定款によって許容される限度において、適切な措置を講ずるものとします。

 

②基本方針の実現のための取組みの概要

当社は、株主の皆様の負託に応えるためには、利益ある持続的な成長により企業価値を向上させることが最重要課題と認識しており、より長期的な視点で企業価値の向上に取り組むために、10年スパンの時間軸で取り組む「2020 VISION」及びそのマイルストーンとなる中期経営計画を策定し、その実現に向けてグループを挙げて取り組んでおります。また、当社は、コーポレート・ガバナンスの強化のため、執行役員制度の導入や複数の独立性のある社外取締役の選任による経営監督機能の強化、報酬委員会・指名委員会の設置による経営の透明性の確保に努めております。さらに、当社は、コーポレート・ガバナンスの一層の強化を図るため、2015年6月25日開催の当社第89期定時株主総会においてご承認いただき、「監査等委員会設置会社」に移行いたしました。

このような企業価値向上を核とした経営を進めることは、当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく損なう大規模買付者が現れる危険性を低減する方向に導くものとして、前記①の基本方針に沿うものと考えます。また、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

(5) 研究開発活動

当社グループは、安全・安心で豊かなグローバル社会の実現に貢献するため、日本、アメリカ、ヨーロッパに有する開発拠点でグローバルに“オリジナル&ハイレベル”な商品とサービスの研究開発を行っております。

計測事業は、当社、Anritsu Company(米国)、Anritsu Ltd.(英国)、Anritsu A/S(デンマーク)、Anritsu Solutions S.r.l.(イタリア)及びAnritsu Solutions SK, s.r.o.(スロバキア)において、保有する技術を相互補完することによりシナジー効果を上げるべく協調して開発を進めております。

PQA事業は、アンリツインフィビス株式会社が研究開発を行っております。

国際会計基準(IFRS)の適用に伴い、当社グループでは開発投資の一部について資産化を行い、無形資産に計上しております。無形資産に計上された開発費を含む当第1四半期連結累計期間の研究開発投資の金額は2,838百万円であります。

なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。