1【提出理由】

 当社は、2025年6月30日開催の取締役会において、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)11,530,250株を1株に併合する株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする、2025年7月29日開催予定の当社の臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を招集することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。

 

2【報告内容】

1.本株式併合の目的

 当社が2025年4月25日に公表いたしました「株式会社パロマ・リームホールディングスによる当社株式に対する公開買付けの開始に係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「本意見表明プレスリリース」といいます。)においてお知らせいたしましたとおり、株式会社パロマ・リームホールディングス(以下「公開買付者」といいます。)は、東京証券取引所プライム市場に上場している当社株式の全て(ただし、当社の所有する自己株式及び富士通株式会社(以下「富士通」といいます。)が所有する当社株式の全て(所有株式数46,121,000株、所有割合(注1)44.02%、以下「本不応募株式」といいます。)を除きます。)を取得することにより、当社を完全子会社化することを目的として、当社株式が上場廃止となることを前提とした一連の取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、2025年4月28日から2025年5月28日を買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施いたしました。

 そして、当社が2025年5月29日付で公表いたしました「株式会社パロマ・リームホールディングスによる当社株式に対する公開買付けの結果並びにその他の関係会社及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、本公開買付けの結果、本公開買付けの決済の開始日である2025年6月5日をもって、公開買付者は当社株式48,784,101株(所有割合46.56%)を所有するに至りました。

(注1) 「所有割合」とは、当社が2025年4月25日に提出した2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結)に記載された、2025年3月31日現在の発行済株式総数(109,406,661株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(4,640,954株)を控除した数(104,765,707株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下同じです。

 本意見表明プレスリリースにてお知らせいたしましたとおり、本公開買付けの成立前における当社の筆頭株主であった富士通は、2020年に「イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていくこと」というパーパスを定め、以来、このパーパスを起点に、今後の社会の変化を見据えながらグローバルに事業を展開するテクノロジー企業としてのあるべき姿を描き、全方位的な変革を進めていたとのことです。富士通が従来の「ICT企業」(注2)から、デジタル技術とデータを駆使してイノベーションを生む「デジタルトランスフォーメーション企業」への変革を進める中で、富士通にとっての当社の事業戦略上の重要性、親和性は低くなり、2020年2月、富士通が最適なグループフォーメーションを検討する専門部署を設置したことも踏まえ、富士通及び当社は、当社の資本政策に関する協議を開始したとのことです。なお、2022年10月に実施された富士通の2023年3月期第2四半期決算説明会においても、「目指すべき事業ポートフォリオに向けた取り組み」として、当社は富士通のノンコア事業の一つとして位置づけられ、富士通の企業価値向上に繋がるカーブアウトや資本・業務提携等を具体的に検討中である旨が対外的に公表されております。

 そうした中で、当社は、株主構成の変更によって、富士通が合理的に受入れ可能な取引条件のもと、当社の少数株主の皆様の利益が最大化されると同時に、当社の企業価値の更なる向上が実現されるよう、新たなパートナーとの資本業務提携の可能性も含む様々な選択肢を、富士通の意向も確認しつつ慎重に検討し、富士通及び当社は、株主利益の最大化と当社の今後の更なる成長加速には当社の事業に強い関心を示している複数の候補者を対象とする入札手続の実施が望ましいとの判断に基づき、2022年12月頃より、公開買付者を含む複数の事業会社及びプライベートエクイティファンドの参加する入札プロセスを開始し、選定された候補者による当社のデュー・デリジェンスを経て、当社の資本政策に関する各候補者の提案内容を総合的に検討しておりました。しかし、一部報道に起因して当社株式の市場株価が高騰した一方で、業績予想を下方修正する等、事業上の課題が顕在化したことにより、いずれの候補者からも法的拘束力のある提案を受領することがないまま入札プロセスは終了いたしました。

 その後、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」の「② 公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年9月初旬に、公開買付者が、富士通との面談の機会を持ったことを契機として、当社は、同月19日に、公開買付者より、当社の完全子会社化を提案する旨の意向表明書の提出を受け、同年10月中旬から下旬にかけてマネジメントインタビュー及びデュー・デリジェンス等について対応したところ、2024年10月29日に富士通及び当社宛の法的拘束力を有する最終提案書の提出を受けました。当社としては、富士通による当社株式の売却意向は尊重する必要があるものの、当社株式が上場廃止となることが当社の企業価値や当社の株主の皆様に与える影響について十分な検討を行う必要があると考え、本取引に関して、上記入札プロセスに際して起用していたみずほ証券株式会社(以下「みずほ証券」といいます。)及び長島・大野・常松法律事務所を、それぞれ、公開買付者、富士通及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザーとして、2024年10月初旬より改めて選任した上、当社株式の非公開化を前提としない企業価値向上策の採否も含め、様々な当社株式の資本政策の実施可能性を考慮に入れながら、本取引の内容について具体的に検討を開始いたしました。なお、上記入札プロセスにおいては、結果として、いずれの候補者からも法的拘束力のある提案を受けるに至らず、また、その要因の一つが一部報道により当社株式の市場株価が高騰した点等にあったこと、加えて、富士通からは、意向表明書の条件を含む提案内容が経済合理性、取引の迅速性及び取引実現の蓋然性の観点を踏まえても検討に値する内容であると判断していること、及び、主に情報拡散への懸念から積極的なマーケットチェックは行わないという意向が示されたことに鑑み、当社は、本取引にあたって再度の入札プロセスまでは実施しないことといたしました。もっとも、上記のとおり、富士通及び当社は本取引と近接した時期の2022年12月頃より入札プロセスを実施していることに加え、公開買付者によれば、本公開買付けの公開買付期間は20営業日とすることが予定されている一方、本公開買付けについては、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(1)本公開買付けに関する意見の内容」に記載のとおり、日本、欧州連合、インド、サウジアラビア、及びアメリカの競争法等の手続及び対応に一定期間を要することが見込まれているとのことであるため、本公開買付けの予定を公表した2025年1月6日から本公開買付けの開始までの期間を含めると、実質的には法令に定められた最短期間よりも長期にわたる期間設定となる予定となり、少数株主を含む当社株主の皆様の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されていることも合わせて考えれば、本取引について十分なマーケットチェックが実施されることになると考えております。

 また、当社は、本公開買付けの成立前における当社の筆頭株主であった富士通が当社株式の売却を企図しており、当社と大株主である富士通との間の合意に基づく取引になる可能性があることや、スクイーズアウトを伴う取引になる可能性もあることも踏まえ、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、富士通が検討中の取引を当社として検討・判断するにあたり、当社の取締役会に対して意見を述べることを目的として、2024年9月25日に大澤善雄氏(独立社外取締役)、寺坂史明氏(独立社外取締役)、桑山三恵子氏(独立社外取締役)及び中島圭一氏(独立社外取締役)の4名から構成される特別委員会を設置し(以下「本特別委員会」といいます。)、本取引の目的の合理性、本取引に係る取引条件・スキームの公正性・妥当性等について諮問しております(なお、特別委員の中島圭一氏は、2024年12月11日に逝去され、同日をもって取締役を退任しており、同日以降の本特別委員会は大澤善雄氏、寺坂史明氏及び桑山三恵子氏の3名から構成されております。委員の構成その他具体的な諮問事項等については、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。これに加えて当社は、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の各措置を講じた上で、ファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券から取得した株式価値算定書の内容、リーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言を踏まえ、本特別委員会から2025年1月6日付で提出された答申書(以下「2025年1月6日付答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら、本取引の諸条件について慎重に協議及び検討を行いました。

 具体的には、当社は、本特別委員会に対して、(a)業務執行取締役等による本取引の検討について、必要な助言を行う権限、(b)公開買付者との本取引に関する協議及び交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、本取引に関する協議及び交渉について意見を述べ、当社取締役会に対して勧告や要請を行い、また、必要に応じて法令上許容される範囲で公開買付者を含む第三者と直接協議・交渉を行う権限、(c)業務執行取締役等に対し、対象事項に関する進捗、検討状況その他の事項の報告及び情報提供を随時求める権限、(d)その役割を果たすために必要な範囲で、自らのため選任又は承認したファイナンシャル・アドバイザー・第三者評価機関やリーガル・アドバイザー等(以下「アドバイザー等」といいます。)を当社の費用負担により選任する権限、及び当社のアドバイザー等を評価し、選任について意見し、又は承認(事後承認を含みます。)する権限を付与いたしました。その上で、当社は2024年10月29日に公開買付者から公開買付価格を1株当たり2,753円とする提案を受領いたしました。当該価格提案に関して、当社は本特別委員会に諮問し、本特別委員会は、2024年11月28日に開催された第5回の特別委員会において、みずほ証券から当社株式に係る株式価値の初期的な算定結果の共有を受けるとともに、公開買付者の提案価格は株式価値算定結果のレンジの範囲内にあり、企業価値評価の観点から公開買付者の提示価格が低すぎると主張することは難しいと考えられるものの、当社の少数株主の皆様の利益の最大化のため、公開買付者と価格交渉を実施する必要があることを確認いたしました。その後、本特別委員会は、2024年12月4日付レターにて、公開買付価格の引き上げを要請したところ、公開買付者からは、2024年12月10日付レターにて、公開買付価格を2,776円に引き上げる旨の回答を受領いたしました。これを受け、本特別委員会は、2024年12月12日付レターにて、公開買付価格の更なる引き上げを要請したところ、公開買付者からは、2024年12月16日付レターにて、公開買付価格を2,785円に引き上げる旨の回答を受領いたしました。本特別委員会は、上記2回の価格の引き上げ要請を通じて、一定程度の価格の引き上げに成功したものの、当社の少数株主の皆様の利益の最大化のため、更なる価格の引き上げを目指して、2024年12月18日付レターにて、公開買付価格の更なる引き上げを要請いたしました。これに対して、公開買付者からは、2024年10月29日において提案した価格は、元々上方修正余地を残していないベスト・オファーとして提案したものであり、その後、本特別委員会からの一連の要請を踏まえ、価格の引き上げを検討しましたが、更なる価格の引き上げを提案することはできないとの回答を受領いたしました。本特別委員会は、2024年12月20日に開催された第9回特別委員会において、公開買付者からの上記回答を踏まえ対応を検討した結果、少数株主利益の最大化のため、本取引の公表予定日の直前まで価格交渉を継続することを決定し、2024年12月20日付レターにて、再度公開買付価格の引き上げを要請しましたが、公開買付者からは、2024年12月23日付レターにて、2024年12月16日付レターにて提示した公開買付価格2,785円は当社の企業価値を最大限高く評価した上で提案したものであり、更なる価格の引き上げを提案することはできないとの回答を受領いたしました。このように公開買付者からは二度にわたり価格引き上げを拒絶する回答がありましたが、本特別委員会は本特別委員会としての最終的な決定を行う前に、もう一度公開買付者に対して公開買付価格の引き上げを要求すべきと判断し、同月25日に、公開買付者との面談を行い、富士通からの自己株取得価格を低く抑えることで、一般株主向けの公開買付価格を引き上げることも含め、公開買付価格の引き上げの再検討を要請いたしました。そうしたところ、同日、公開買付者によれば、富士通と交渉した結果、富士通からの自己株取得価格を低く抑えることで一般株主向けの公開買付価格を引き上げる旨の協議は調わなかったとのことですが、本特別委員会は、公開買付者から、最終的な提案として、買収総額を最大限に引き上げることで、当社株式1株当たりの株式価値評価額を2,450円、公開買付価格を2,808円とする再提案を受領いたしました。以上の交渉経緯からして、本特別委員会は、公開買付価格2,808円は、これ以上交渉を継続しても引き上げの余地のない公開買付者からの最終提案価格であると判断いたしました。

(注2) 情報通信技術(Information and Communication Technology)を活用したサービスを提供する企業です。

 また、当社株式1株につき2,808円との本公開買付けにおける公開買付価格(以下「本公開買付価格」といいます。)は、本公開買付けの開始予定の公表日(2025年1月6日)の前営業日である2024年12月30日の東京証券取引所プライム市場における当社株式の終値2,327円に対して20.67%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じ。)、同日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値2,206円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じ。)に対して27.29%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,075円に対して35.33%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,018円に対して39.15%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となっており、過去における当社平均株価に対しても相応にプレミアム水準が付与されているものと認められ、また、経済産業省策定の「公正なM&Aの在り方に関する指針」の公表日である2019年6月28日以降に公表された上場会社の完全子会社化を目的とした公開買付けの事例の中で2024年11月29日時点までに公開買付けが公表された事例のうち、公開買付け実施前の公開買付者(親会社及び子会社を含む。)による対象者株式保有割合が15%未満の事例(ただし、マネジメントバイアウトや敵対的公開買付け、発表前日のプレミアムがディスカウントとなっている事例を除き、以下「本件類似事例」といいます。)106件の過去3ヶ月及び過去6ヶ月のプレミアム水準と比較して、遜色のないプレミアム水準が付与されているものと認められることから、一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された公正かつ妥当な価格であるものと考えております。なお、2024年10月24日の2025年3月期の連結業績予想の下方修正の開示を受けて一時的に当社の株価は下落したものの、その下落幅は限定的であり、その後2週間程度で株価は下方修正開示前の株価に回復しており、下方修正の開示が当社株価に与えた影響は軽微であるものと考えております。

 以上より、当社は、2025年1月6日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をしておりました。

 なお、公開買付者によれば、「株式会社富士通ゼネラル株式(証券コード:6755)に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」(以下「2025年1月6日付公開買付者プレスリリース」といいます。)において公開買付者が公表していたとおり、本公開買付けは、2025年1月6日付で公開買付者が富士通との間で締結した取引基本契約(以下「本取引基本契約」といいます。)に規定された前提条件(以下「本公開買付前提条件」といいます。)が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合に速やかに開始することを予定していたとのことです。2025年1月6日時点で、公開買付者は、日本、欧州連合、インド、サウジアラビア、及びアメリカの競争法の手続に関する国内外の法律事務所との協議等を踏まえ、2025年7月上旬を目処に本公開買付けを開始することを目指していたとのことですが、今般、公開買付者は、本意見表明プレスリリース前文部分に記載のとおり、2025年4月25日までに、本公開買付前提条件がいずれも充足されたことを確認したことから、同日、本公開買付けを2025年4月28日より開始することを決定したとのことです。

 当社は、2025年3月14日、公開買付者から、本取引を適法に完了させるために必要な国内外の全ての許認可等(注3)の取得又は履践(以下「本クリアランス取得」といいます。)の状況を踏まえ、本公開買付けを2025年4月上旬又は中旬に開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2025年4月2日、当社は、公開買付者から、本公開買付前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2025年4月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました(その後、2025年4月7日、当社は、公開買付者から本クリアランス取得が完了したとの連絡を受けました。)。

 これに対し、当社は、2025年3月14日、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年1月6日付で当社の取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社の取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会から、2025年4月25日付で、本特別委員会が2025年1月6日付で当社の取締役会に対して行った答申内容(当該答申内容及び当該答申に係る本特別委員会の具体的な活動内容等については、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を変更する必要はないものと考える旨の2025年4月25日付答申書(下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得」において定義します。以下同じです。)の提出を受けたことから、2025年4月25日付答申書の内容及び2025年1月6日の取締役会開催以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。

 その結果、当社は、2025年4月25日時点においても、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された公正かつ妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであることから、当社の株主の皆様にとって妥当であると考えており、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであるとの2025年1月6日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更すべき要因はないと考えたことから、2025年4月25日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当社は、2025年4月25日、公開買付者に対して、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社株券等に関する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。

 当社の上記取締役会の決議の詳細については、下記「3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠」の「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 なお、当社が本取引を検討している過程で、当社は、公開買付者以外の第三者(プライベートエクイティファンド)から、当社株式の上場を維持することを前提に、市場株価よりも低い公開買付価格での自己株公開買付け(いわゆるディスカウントTOB)を実施することにより当社が富士通から富士通の所有する当社株式の取得を可能とする取引に係る提案(以下「本第三者提案」といいます。)を受領しております。そのため、当社は本第三者提案について真摯に検討いたしましたが、(a)本第三者提案は法的拘束力のない提案であり、当該第三者から法的拘束力のある提案を受領するためにはデュー・デリジェンスを受け入れる必要があることに加え、法的拘束力のある提案を受けるまでに数ヶ月要することが見込まれたこと、(b)本取引から期待されるシナジーの内容と比較して、本第三者提案で示されているシナジーの内容は具体的なものとはいえず、その根拠も十分とはいえないことから、企業価値向上の観点から本第三者提案の内容が公開買付者の提案内容よりも優れているとは評価できないこと、(c)市場株価よりも低い公開買付価格による自己株公開買付けに応募する以外に売却機会がない点において富士通以外の当社の一般株主の皆様に対して必ずしも合理的な価格での売却機会を付与するものではないことに加え、本第三者提案の内容を採用した場合に上場を維持しつつ一般株主の皆様に提供できると見込まれる利益の水準が公開買付者の提案内容よりも優れているとは評価できないこと等を踏まえ、本第三者提案については検討を中止することといたしました。

(注3) 公開買付者によれば、日本、欧州連合、インド、サウジアラビア、及びアメリカの競争法の許認可等(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第10条第2項に基づく届出その他関連する法令等により要求される国、地方公共団体その他の司法・行政機関等による許可、認可、免許、承認、同意、登録、届出その他これらに類する行為又は手続を総称していいます。)を含むものの、これらに限られないとのことです。なお、公開買付者によれば、公開買付者は、本取引基本契約の締結後に実施した調査も踏まえ、日本、欧州連合、インド、サウジアラビア、及びアメリカの競争法の許認可等以外に、本取引を適法に完了させるために必要な国内外の許認可等は存在しないと認識しているとのことです。

 その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、公開買付者は、本公開買付けにより、当社株式の全て(ただし、本不応募株式及び当社が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかったことから、本意見表明プレスリリースに記載のとおり、当社は、当社の株主を公開買付者及び富士通のみとするために、下記「2.本株式併合の割合」に記載のとおり、当社株式11,530,250株を1株に併合する株式の併合(以下「本株式併合」といいます。)を実施することとし、本臨時株主総会に付議することといたしましたので、本株式併合について株主の皆様のご承認をお願いするものです。

 なお、本株式併合により、公開買付者及び富士通以外の株主の皆様の所有する株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。

 

2.本株式併合の割合

 当社株式について、11,530,250株を1株に併合いたします。

 

3.会社法第234条の規定により1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠

(1)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法

① 会社法第235条第1項又は同条第2項において準用する同法第234条第2項のいずれの規定による処理を予定しているかの別及びその理由

 上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、公開買付者及び富士通以外の株主の皆様が所有する当社株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。

 本株式併合の結果生じる1株未満の端数については、その合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する数の株式を売却し、その売却により得られた代金を株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。当該売却について、当社は、本株式併合が、当社の株主を公開買付者及び富士通のみとすることを目的とする本取引の一環として行われるものであること、及び当社株式が2025年8月19日をもって上場廃止となる予定であり、市場価格のない株式となることから、競売によって買受人が現れる可能性は低いことに鑑み、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得て公開買付者に売却することを予定しております。

 この場合の売却額は、上記裁判所の許可が予定どおり得られた場合は、本株式併合の効力発生日の前日である2025年8月20日の当社の最終の株主名簿において株主の皆様が所有する当社株式の数に本公開買付価格と同額である2,808円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。

 

② 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者の氏名又は名称

株式会社パロマ・リームホールディングス(公開買付者)

 

③ 売却に係る株式を買い取る者となることが見込まれる者が売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法及び当該方法の相当性

 公開買付者は、本株式併合により生じる端数の合計数に相当する当社株式の取得に要する資金を、株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)からの融資により賄うことを予定しているとのことであり、当社は、本公開買付けに係る公開買付届出書の添付書類として提出された、三井住友銀行からの融資に関する2025年4月25日付融資証明書を確認することによって、公開買付者の資金確保の方法を確認しております。また、公開買付者によれば、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却代金の支払に支障を及ぼす可能性のある事象は発生しておらず、また、今後発生する可能性も認識していないとのことです。

 以上により、当社は、公開買付者による1株に満たない端数の合計数に相当する当社株式の売却に係る代金の支払のための資金を確保する方法は相当であると判断しております。

 

④ 売却する時期及び売却により得られた代金を株主に交付する時期の見込み

 当社は、2025年9月上旬を目途に、会社法第235条第2項の準用する同法第234条第2項の規定に基づき、裁判所に対して、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式を売却し、公開買付者において当該当社株式を買い取ることについて許可を求める申立てを行うことを予定しております。当該許可を得られる時期は裁判所の状況等によって変動し得ますが、当社は当該裁判所の許可を得て、2025年9月下旬を目途に公開買付者において買い取りを行う方法により、当該当社株式を売却し、その後、当該売却によって得られた代金を株主の皆様に交付するために必要な準備を行った上で、2025年11月中旬を目途に、当該売却代金を株主の皆様に交付することを見込んでおります。

 当社は、本株式併合の効力発生日から売却に係る一連の手続に要する期間を考慮し、上記のとおり、それぞれの時期に、本株式併合の結果生じる1株未満の端数の合計数に相当する当社株式の売却が行われ、また、当該売却代金の株主への交付が行われるものと判断しております。

 

(2)当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の相当性に関する事項

 本株式併合においては、株主の皆様が所有する当社株式の数に、本公開買付価格と同額である2,808円を乗じた金額に相当する金額を、株主の皆様に交付することを予定しております。

 当社は、本公開買付価格について、(ⅰ)下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること、(ⅱ)本公開買付価格が、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、2024年12月30日付で当社がみずほ証券から取得した株式価値算定書(以下「当社買付者株式価値算定書」といいます。)におけるみずほ証券による当社株式の価値算定の結果のうち、市場株価基準法による算定結果のレンジの上限値を上回り、かつ、類似企業比較法及びDCF法による算定結果のレンジ内となっていること、(ⅲ)本取引において、本公開買付けにおける買付け等の期間は20営業日とされているものの、公開買付け予定の公表から実際の公開買付け開始までの期間が長期にわたるため、少数株主の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されていること、(ⅳ)本取引において、本公開買付けの下限は「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数には満たないものの、本取引では他に十分な公正性担保措置が講じられていることから、買付予定数の下限が「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)に設定されていないことは本公開買付けの公正性を損なうものではないと考えられること、(ⅴ)本取引において、本株式併合をする際に株主に対価として交付される金銭は、本公開買付価格に当該各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定であり、その旨が本公開買付けの開始に際して公表されていることから、少数株主を含む当社株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮されていること、(ⅵ)本公開買付価格その他本公開買付けの条件は、下記「(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した2025年1月6日付答申書においても、本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の公正性・妥当性が確保されていることが認められると判断されていることを踏まえ、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対し、合理的な株式の売却の機会を与えるものであると判断いたしました。

 また、当社は、2025年4月25日に本公開買付けに賛同の意見を表明し、株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の意見を表明した後、本臨時株主総会の招集を決定した2025年6月30日の当社の取締役会決議時点に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。

 以上より、当社は、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額については、相当であると判断しております。

 

(3)本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置

 2025年1月6日及び2025年4月25日のいずれにおいても、公開買付者は当社株式を所有しておらず、本公開買付けは、支配株主による公開買付けには該当いたしません。また、当社の経営陣の全部又は一部が公開買付者に直接又は間接に出資することも予定されておらず、本公開買付けを含む本取引は、いわゆるマネジメントバイアウト取引にも該当いたしません。もっとも、公開買付者は、2025年1月6日付で、当社を持分法適用関連会社とする主要株主兼本公開買付けの成立前における筆頭株主であった富士通(当社株式46,121,000株(所有割合:44.02%)を所有)との間で本取引基本契約を締結しており、富士通が所有する本不応募株式を当社が自己株式として取得することを予定していることから、富士通と当社の少数株主の利害が必ずしも一致しない可能性もあることを踏まえ、本取引の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定の公正性、透明性及び客観性を確保し、利益相反を回避する観点から、以下の①から⑥までの措置を実施しました。

 なお、公開買付者は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、富士通が当社株式46,121,000株(所有割合:44.02%)を所有しているところ、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定していないものの、以下の①から⑥までの措置が講じられていることから、当社の少数株主の皆様の利益には十分な配慮がなされていると考えているとのことです。

 また、以下の記載のうち、公開買付者において実施した措置については、公開買付者から受けた説明に基づくものです。

 

① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)第三者算定機関の名称並びに当社及び公開買付者との関係

 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者、富士通及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるみずほ証券に対し、当社株式価値の算定及び付随する財務分析を依頼し、みずほ証券から、「当社株式価値算定書」を取得いたしました。なお、みずほ証券は、公開買付者、富士通及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。なお、みずほ証券のグループ企業である株式会社みずほ銀行(以下「みずほ銀行」といいます。)は、富士通及び当社に対して通常の銀行取引の一環として融資取引等を実施しており、また、当社の株主でありますが、みずほ証券は金融商品取引法第36条第2項及び金融商品取引業等に関する内閣府令第70条の4に従い、みずほ証券とみずほ銀行間の情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制を構築し、かつ実施しており、みずほ銀行の貸付人及び株主の地位とは独立した立場で当社の株式価値算定を行っているとのことです。本特別委員会は、みずほ証券の算定機関としての実績に加え、みずほ証券とみずほ銀行との間において適切な弊害防止措置が講じられていること等に鑑み、本取引におけるファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として職務を行うにあたり十分な独立性が確保されており、当社がみずほ証券に対して当社株式の株式価値算定を依頼することに関し、特段の問題はないと判断しております。また、本取引に係るみずほ証券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、当社は、同種の取引における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に当社に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることをもって独立性が否定されるわけではないと判断の上、上記の報酬体系によりみずほ証券を当社の独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しております。

 なお、当社は、公開買付者、富士通及び当社において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。

 

(ⅱ)当社株式に係る算定の概要

 みずほ証券は、複数の算定手法の中から当社の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社株式が東京証券取引所プライム市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価基準法を、当社と比較的類似する事業を営む上場会社が存在し、類似企業との比較による株式価値の類推が可能であることから類似企業比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映させるためにDCF法を採用して当社株式価値算定を行いました(注1)。上記各手法において算定された当社株式1株当たり株式価値の範囲は、それぞれ以下のとおりです。

市場株価基準法  :2,018円~2,327円

類似企業比較法  :1,703円~3,056円

DCF法    :2,403円~3,691円

 市場株価基準法では、本公開買付けの開始予定の公表日の前営業日である2024年12月30日を基準日として、東京証券取引所プライム市場における当社株式の基準日の終値2,327円、同日までの直近1ヶ月間(2024年12月2日から2024年12月30日)の終値単純平均値2,206円、同日までの直近3ヶ月間(2024年10月1日から2024年12月30日)の終値単純平均値2,075円、同日までの直近6ヶ月間(2024年7月1日から2024年12月30日)の終値単純平均値2,018円を基に、当社株式1株当たり株式価値の範囲を2,018円から2,327円と算定しております。

 類似企業比較法では、当社と比較的類似する事業を営む上場企業の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を行い、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,703円から3,056円までと算定しております。

 DCF法では、当社が作成し、本特別委員会による承認を受けた当社事業計画における財務予測、一般に公開された情報等の諸要素を前提として(注2)、当社が2025年3月期第3四半期以降に生み出すと見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことによって、当社の企業価値や株式価値を算定し、当社株式1株当たり株式価値の範囲を2,403円から3,691円までと算定しております。なお、当該財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれています。具体的には2027年3月期にかけて、北米・欧州・インドを重点市場と捉えリソースを集中投下することを想定しており、北米における営業体制の拡充や欧州における販売網の拡大、インドにおける高いブランド力を活かした高級機の拡大等に注力する計画です(当該計画は、本取引の検討前より策定されていたものです。)。その結果、2025年3月期においては、営業利益で対前年度比60.2%(小数点以下第二位を四捨五入しております。以下、対前年度比の営業利益の計算において同じです。)増となる一方で、上記のとおり重点市場に対する投資等の増加を予定していること等により、フリー・キャッシュ・フローにおいては2024年3月期と比較して63.5%減となることを見込んでおります。また、2026年3月期においては売上高の増加や利益率の向上が見込まれることから営業利益で対前年度比123.4%増となる一方で、引き続き重点市場に対する投資等を継続予定であることからフリー・キャッシュ・フローにおいては赤字となることを見込んでおります。また、重点市場への投資効果が現れる2027年3月期においては、営業利益で対前年度比40.5%増、フリー・キャッシュ・フローにおいては黒字化を見込んでおります。なお、当該事業計画は、本公開買付けの実行を前提としたものではないため、本公開買付けにより実現することが期待されるシナジー効果については、当該事業計画には加味しておりません。

(注1) みずほ証券は、当社の株式価値算定に際して、当社から提供を受けた情報、ヒアリングにより聴取した情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全であること、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っておりません。また、みずほ証券は、当社及びその子会社・関連会社の資産及び負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債、その他偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自の評価又は鑑定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。また、かかる算定において参照した当社の財務見通しについては、当社により2025年1月6日時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に準備・作成されたこと、並びにかかる算定は2024年12月30日現在の情報と経済情勢を反映したものであることを前提としております。

(注2) 当社事業計画においては、2025年3月期から2027年3月期までの3期分を対象期間としておりますが、これは、当社の主力である空調事業において、各国における脱炭素化に伴う規制強化の動向等、市場環境が目まぐるしく変化しており、合理的に予測可能と当社が判断した期間が3年間であるためです。

 なお、当社の取締役会は、2025年1月6日開催の取締役会から2025年4月25日時点までにおいて、当社株式価値算定書の前提とした当社を取り巻く事業環境及び当社事業計画等の当社株式の本源的価値に影響のある事実に重大な変更はないことから、みずほ証券から受けた助言も踏まえ、当社株式価値算定書は引き続き有効であると考えております。

 

② 当社における外部の法律事務所からの助言の取得

 当社は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、外部のリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けております。なお、長島・大野・常松法律事務所は、公開買付者、富士通及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有しておりません。また、長島・大野・常松法律事務所に対する報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる時間単位の報酬のみであり、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれておりません。

 

③ 当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得

 当社は、本公開買付けの成立前における当社の筆頭株主であった富士通が当社株式の売却を企図しており、当社と大株主である富士通との間の合意に基づく取引になる可能性があることや、スクイーズアウトを伴う取引になる可能性もあることも踏まえ、富士通が検討中の本取引を当社として検討・判断するにあたり、当社の取締役会に対して意見を述べることを目的として、2024年9月25日に、公開買付者、富士通及び当社から独立した大澤善雄氏(独立社外取締役)、寺坂史明氏(独立社外取締役)、桑山三恵子氏(独立社外取締役)及び中島圭一氏(独立社外取締役)の4名から構成される、公開買付者、富士通及び当社のいずれからも独立した本特別委員会を設置いたしました。なお、特別委員の中島圭一氏は、2024年12月11日に逝去され、同日をもって取締役を退任しており、同日以降の本特別委員会は大澤善雄氏、寺坂史明氏及び桑山三恵子氏の3名から構成されております。

 また、当社取締役会は、本特別委員会に対し、本公開買付けを含む本取引に関して、(a)本取引の目的は合理的か(本取引が当社の企業価値の向上に資するかを含む。)、(b)本取引に係る取引条件・スキームの公正性・妥当性が確保されているか、(c)本取引において、公正な手続を通じた当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされているか、(d)本取引の手法として公開買付けが用いられる場合には当該公開買付けについて当社取締役会が賛同意見を表明すべきか否か及び当社の株主に対して当該公開買付けへの応募を推奨すべきか否か、(e)上記(a)乃至(d)を前提に、本取引を行うことの決定が当社の一般株主にとって不利益なものでないか(以下「本諮問事項」といいます。)について諮問し、これらの点についての答申を当社に提出することを委託いたしました。当社取締役会は、本公開買付けに関する決定を行うに際して、本特別委員会の答申を最大限尊重し、本特別委員会が本取引の取引条件を妥当でないと判断した場合には、本公開買付けに賛同しないことを併せて決議しております。なお、本公開買付けに係る意見表明は、本公開買付けの完了後に完全子会社化手続が実施されることを前提として検討しております。当社取締役会は、本特別委員会に対し、(ⅰ)本取引の交渉に実質的に関与する権限(必要に応じ、交渉方針に関して当社に指示・要請を行い、自ら交渉を行うことを含む。)、(ⅱ)必要に応じ、本特別委員会の外部アドバイザーを当社負担で選任する権限、又は当社の外部アドバイザーを指名・承認(事後承認を含む。)する権限、(ⅲ)当社役職員から本取引に関する検討と判断に必要な情報を受領する権限を付与いたしました。

 本特別委員会は、当社の第三者算定機関であり、かつファイナンシャル・アドバイザーであるみずほ証券及びリーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所につき、いずれも独立性及び専門性に問題がないことから、それぞれ、当社の第三者算定機関及びファイナンシャル・アドバイザー、リーガル・アドバイザーとして承認し、本特別委員会としても必要に応じて専門的助言を受けることができることを確認いたしました。

 なお、本特別委員会の委員の職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定報酬を支払うこととされており、本取引の成立等を条件とする成功報酬制は採用されておりません。

 本特別委員会は、2024年10月22日から2025年1月6日までの間に合計11回(合計約18時間)にわたって、それぞれ本特別委員会を構成する委員全員出席のもと開催され、本特別委員会の各開催日間においても電子メール等を通じて審議・意思決定等を行う等して、本諮問事項に関して、慎重に協議及び検討を行いました。

 具体的には、本特別委員会は、当社から、本取引の目的や意義、当社の事業に対する影響等について説明を受け、これらの点に関する質疑応答を実施し、公開買付者に対して質問事項を提示し、公開買付者から、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてレター形式及びインタビュー形式により質疑応答を実施しております。また、その前提として、当社事業計画について、その内容、重要な前提条件及び作成経緯等について合理性を確認し、承認しております。また、リーガル・アドバイザーである長島・大野・常松法律事務所から、本取引における公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置の内容その他本取引に関する事項全般について法的助言を受けています。

 さらに、上記「① 当社における独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、みずほ証券は、当社事業計画における財務予測、一般に公開された情報等の諸要素を前提として当社株式の価値を算定しておりますが、本特別委員会は、みずほ証券が実施した当社株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しております。

 加えて、本特別委員会は、当社の公開買付者との交渉について、随時、当社及びみずほ証券から報告を受け、審議・検討を行い、当社の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べました。具体的には、本特別委員会は、公開買付者からの本公開買付価格に関する提案を受領次第、それぞれの提案について報告を受け、みずほ証券から対応方針及び公開買付者との交渉方針等についての分析・意見を聴取した上で、みずほ証券から受けた財務的見地からの助言を踏まえて検討を行いました。その上で、本特別委員会は当社に対し、当社としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、当社と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の条件に関する協議・交渉過程の全般において関与いたしました。さらに、本特別委員会は、当社の執行側と共に公開買付者と面談し、公開買付者の本取引の目的に関する見解等についてヒアリングを実施し、また、本特別委員会は、2024年12月25日に特別委員会の委員のみで公開買付者との価格交渉及び当社が2025年1月6日付で公開買付者との間で本取引に関して締結した合意書に関する交渉も実施することで、2024年12月25日、当社は公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,808円とすることを含む提案を受けて公開買付価格の引上げを実現し、結果として、当社は公開買付価格について合計6回の提案を受け、最初の価格提案から2.0%の価格の引上げを受けるに至っております。

 また、本特別委員会は、長島・大野・常松法律事務所から、複数回、2025年1月6日付当社プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、適切な情報開示がなされる予定であることを確認しております。

 本特別委員会は、以上の経緯の下、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2025年1月6日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致により、当社取締役会に大要以下の内容の2025年1月6日付答申書を提出いたしました。

(a)答申内容

(ⅰ)本取引は当社の企業価値の向上に資するものであり、本取引の目的は合理的であると認められる。

(ⅱ)本公開買付けにおける本公開買付価格その他の本取引に係る取引条件・スキームの公正性・妥当性は確保されていると認められる。

(ⅲ)本取引に係る手続においては十分な公正性担保措置が講じられており、当社の一般株主の利益への十分な配慮がなされていると認められる。

(ⅳ)当社取締役会は、本公開買付けについて賛同意見を表明するとともに、当社の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきである。

(ⅴ)本取引を行うことの決定は当社の一般株主(少数株主を含む。)にとって不利益なものではない。

 

(b)答申理由

1.本取引の目的が合理的か(当社の企業価値の向上に資するか否かの検討を含む。)

(1)公開買付者の見解

 当委員会が公開買付者に対して行った本取引に関する質問に対する回答及び公開買付者が作成した本公開買付けの開始予定に係るプレスリリース(2025年1月6日付公開買付者プレスリリース)のドラフトによれば、公開買付者の考える本取引の意義・目的及び本取引により期待されるシナジーの概要は以下のとおりとのことである。

ア.公開買付者による本取引の検討の背景

 気候変動・温暖化の影響により、空調機の需要は近年世界的に拡大をしていると考えている。また、空調・給湯は、人々の生活に密接にかかわるエネルギーインフラの領域であり、家庭用エネルギー消費の大きな割合を占めていると考えている。そのため、脱炭素化に伴う規制強化に対応した製品への置き換え需要も加速すると見られており、温室効果ガス排出量削減を可能とするイノベーションが切望されると同時に、競合企業同士の競争もグローバルスケールで激しさを増していると考えている。とりわけ近年では、より効率的な研究開発・製造・販売を可能とすることを企図して、公開買付者の競合となるグローバル大手によるM&Aが活発化していると考えている。

 このような事業背景を踏まえ、公開買付者は2024年3月29日に持株会社体制に移行したが、その大きな目的の一つは、持株会社である公開買付者においてM&A等の戦略的意思決定をスピーディーに実施する体制を整える点にあった。

 公開買付者は、持株会社体制移行後に、M&A等の戦略的・専門的な経営判断を行うための人的リソース・体制の整備を整えた上で、公開買付者による本取引の可能性を検討した結果、以下に記載するような大きな潜在的なシナジーがあると確信するに至った。

 

イ.本取引により公開買付者が期待するシナジー

① 北米地域における販路の拡充

 北米においては既にRheem Manufacturing Company,Inc(以下「リーム」といいます。)と当社との間には北米空調機事業における相互製品供給や共同開発を含む協業関係があるが、本取引を通じて当社が公開買付者グループの一員となることにより、公開買付者グループの有する北米における空調機及び給湯器の広範な販売チャネルを通じた当社製品の販売についてより幅広い製品群に関する踏み込んだ協業が可能になると考えている。現在の両社の製品ポートフォリオは、リームはダクト式空調を主とし、当社はダクトレス・VRF製品に強みを有していることから、両社間での製品の競合なくシナジーを創出できるものと考えている。

 

② グローバルな製造・販売地域の多角化

 公開買付者グループの空調機事業は北米地域に集中しているため、北米以外にも日本を含むアジア及び欧州に事業を展開する当社とは地域的な補完関係にあると考えている。そのため、公開買付者グループの北米における製造拠点における当社製品の生産や、当社のアジアにおける製造拠点における公開買付者製品の生産を行うことによる生産コストの削減や物流の最適化を行う等、本取引後に複雑な製造・販売拠点の統廃合を行うことなく当社の既存の事業基盤を活かす形で、よりグローバルかつ効率的に事業を展開することが可能になると考えている。

 

③ 原材料調達等におけるコストメリット

 本取引を通じて事業規模が拡大することに伴い、原材料のより効率的な調達が可能になることが期待される。とりわけ、鉄、銅、アルミニウム、半導体、樹脂等については給湯器と空調機で類似する原材料を使用することから、当社が公開買付者グループの傘下となり公開買付者グループとして原材料の調達数量が増大することによるボリュームメリットや各々で調達した原材料の融通を通じたコストシナジーの実現が可能と考えている。

 

④ 空調・給湯技術の融合に向けた基幹技術への積極投資

 空調製品におけるエネルギー消費削減が世界規模の課題となっている現在、当社の有するヒートポンプ及びVRF技術、とりわけその核心となるインバータ及び圧縮機は、その課題解決に寄与する極めて重要な技術であると考えている。また、給湯分野においても、空調機の基盤技術であるヒートポンプを活用したヒートポンプ型給湯器が台頭していることから、空調機と給湯器の基盤技術は近い将来融合することが予想される。公開買付者グループは、既存事業から創出されるキャッシュフローをもとに、当社の有する基盤技術・製品への投資を加速することにより、次世代の空調機・給湯器の開発をこれまで以上に加速することを企図している。

 

⑤ 日本における技術開発の推進

 公開買付者は、日本発のモノづくりや研究基盤をグローバルに展開していくことを経営戦略の核として位置付けている。そのために、グローバルに活躍できる人材の育成や、海外の人材の招聘を積極的に行うことにより日本を技術開発の中核拠点、すなわちセンターオブエクセレンスとして機能させることを目指している。当社はグローバルに事業を展開しながらも、日本において根幹技術の開発拠点を有していることから、両社が一体となることにより、これまで以上に日本における技術開発の強化を推進することができると考えている。

 

(2)当社経営陣の見解

ア.本取引において期待されるシナジー

 当委員会が実施したヒアリング等で聴取した当社担当者からの説明その他当委員会の審議の過程における説明によれば、当社が本取引において期待しているシナジーは以下のとおりとのことである。

① 公開買付者グループの北米製造・物流拠点(米国・メキシコ)の活用による地産地消体制の構築

 当社グループが、その事業課題の一つであるグローバル生産体制の構築を進める中、公開買付者グループは米国、メキシコにおいて生産拠点を有しており、本取引を通じて当社グループが公開買付者グループに加わることにより、当該生産拠点の活用による地産地消を加速し、北米市場向けのタイムリーな製品供給や輸送費をはじめとしたコストダウン、関税強化等保護貿易政策への対応等が期待できると考えている。

 

② 北米市場における販路・ブランドの相互活用、製品相互供給の加速(深化)

 北米市場において、当社グループと公開買付者グループの空調機の製品ポートフォリオは補完関係にあり、既に協業関係にある公開買付者グループの販路・ブランドを活用した当社グループ製品の販売及び当社グループの販路・ブランドを活用した公開買付者グループ製品の販売のさらなる拡大、並びに協業関係の発展が期待できると考えている。

 

③ 公開買付者グループとの共同開発・生産による北米・日本・豪州等のヒートポンプ給湯・暖房ビジネスへの参入

 当社グループは、欧州におけるヒートポンプ式給湯・暖房ビジネスを、中長期的な成長ポテンシャルの高い今後の重点事業の一つと位置づけているが、現状の欧州の一部地域のみの展開にとどまらず、公開買付者グループとの共同開発・生産や販路の活用等の連携を通じて、北米・日本・豪州等他の地域においても同ビジネスを展開し、さらなる事業拡大が期待できると考えている。

 

④ 日本における公開買付者グループの製造・開発・販売・物流拠点の活用及びサービス部門の協業

 当社グループの日本国内向け空調機事業において、公開買付者グループが有する日本国内の各拠点の活用を通じた販路の拡大と製造・開発・物流の高度化・効率化が期待できると考えている。また、サービス部門の協業により、サービス体制・機能の強化・効率化が期待できると考えている。

 

⑤ 原材料・部品の共同購買、製品の共同配送によるコストダウン

 当社グループと公開買付者グループが使用する原材料・部品等には、鉄、銅、アルミニウム、半導体、樹脂等、類似するものが多くあり、共同購買によるスケールメリットの享受、製品の共同配送等を通じたコストダウンが期待できると考えている。

 

イ.本取引により生じうるデメリット

 当委員会が実施したヒアリング等で聴取した当社担当者からの説明その他当委員会の審議の過程における説明によれば、本取引により生じうるデメリットとしては、以下のようなものが考えられるとのことである。

① 欧州における公開買付者グループとのコンフリクトによる重要な協業企業の離脱

 当社グループは欧州において、多くの販売代理店と長年にわたり良好な関係を構築・維持しており、一部の販売代理店は当社グループの中核パートナーである。一方、公開買付者グループも欧州でビジネスを展開しており、主に給湯分野で競合関係の発生が見込まれ、当社グループの欧州におけるビジネスに悪影響を及ぼす可能性がある。

 

② ブランドの切替えに伴う既存販売代理店の離脱

 富士通ブランドは、インド等を除く全世界において、当社グループの空調機器の製品ブランドとして広く浸透しており、空調機事業の企業価値の源泉となっている。本取引を通じて、既存販売代理店の意向を汲まずに短期間のうちにブランドを変更する等、ブランドの切替えを円滑に行えない事態が生じると、既存販売代理店の離脱により、多くの地域で当社グループのビジネスに悪影響を及ぼす可能性がある。

 

③ 公開買付者グループ主導の開発計画による負荷増大

 地球温暖化を背景に脱炭素化に向けた取組みが世界中で進展する中、当社グループの有するヒートポンプ技術やインバータ技術は、その課題解決に大きく寄与すると考えている。また同技術は、給湯分野においても広く活用されており、空調機と給湯器の基盤技術は近い将来融合するであろうことは十分に予想される。本取引を通じて、公開買付者グループが当社グループに求める開発要望により、従来当社グループが進めてきた空調機分野における開発計画の変更を余儀なくされ、空調機ビジネスの競争力に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

④ 株式の非公開化に伴い想定される一般的なデメリット

 当社グループが本取引を通じて公開買付者グループに加わり当社株式が非公開化された場合、上場企業としてこれまで維持してきたコーポレート・ガバナンス体制や機能、情報開示の透明性が不十分となるおそれがあり、従業員の士気や今後の優秀な人材確保、顧客・取引先をはじめとする社会的信用力等、様々なステークホルダーとの関係に悪影響を及ぼす可能性がある。

 

ウ.本取引により生じうる公開買付者グループが享受するメリット

 当委員会が実施したヒアリング等で聴取した当社担当者からの説明その他当委員会の審議の過程における説明によれば、本取引により生じうる公開買付者グループが享受するメリットとしては、以下のようなものが考えられるとのことである。

① 公開買付者グループが有していないヒートポンプ・インバータ技術及び基幹部品となるコンプレッサー、モーターの開発・生産に係る高度な技術の獲得

 地球温暖化を背景に脱炭素化に向けた取組みが世界中で進展する中、当社グループの有するヒートポンプ技術やインバータ技術は、その課題解決に大きく寄与する重要な技術と考えている。当社グループの完全子会社化により、公開買付者グループは、独自技術を含めた当社グループがこれまで開発し、磨き上げてきたヒートポンプ・インバータ技術、またそれらの基幹部品となるコンプレッサー、モーターの開発・生産、それらの最終製品化等に係る高度な技術を獲得することができると考えられる。

 

② 当社グループのタイ、中国生産拠点の活用

 公開買付者グループが生産拠点を有していないタイ、中国において、当社グループは、空調機事業における高度な生産技術・効率性を有する生産拠点を有しており、長年操業してきた実績・経験がある。公開買付者グループがこれらの生産拠点を活用することにより、生産キャパシティの拡大や生産の高度化・効率化、地産地消の推進を図ることができると考えられる。

 

③ コーポレート・ガバナンス及び情報開示に係る体制強化

 当社は1955年以来、上場会社としてコーポレート・ガバナンス体制の強化とともに、上場規則や関連法令の遵守はもちろんのこと、日本の株式市場やグローバル社会の様々なステークホルダーの要請に応える適時適切な財務・非財務情報の開示を行うための体制強化を進めてきた。当社グループの完全子会社化によって、非上場会社である公開買付者グループにおける体制強化や人的リソースとノウハウの取得・活用により、情報開示の高度化と企業価値向上に寄与することができると考えられる。

 

(3)当委員会の見解

 以上を踏まえて、当委員会において慎重に審議・検討をしたところ、本取引により期待されるシナジーについての公開買付者及び当社の説明は一定の具体性を有しており、合理的な説明であると認められる。

 上記(2)イのとおり、本取引によりデメリットが生じる可能性は否定できないものの、まず欧州における公開買付者とのコンフリクトについては、リームが欧州において販売している製品のほとんどが給湯器であり、当社製品との競合は限定的であることを前提とすれば、既存代理店の離脱による影響は大きくないと考えられる。

 また、富士通が当社株式を売却する意向を有している中で、富士通が当社株式を売却する取引を実行する場合にはいずれかのタイミングで富士通ブランドからの切替えは必要となり、このような潜在的なデメリットは避けられないところ、富士通との間では、円滑なブランドの切替えのために必要な期間は継続して富士通ブランドを使用することができる内容の合意ができていること、また、公開買付者との間では、ブランドの切替えにあたって当社のみならず当社の既存代理店の利益にも配慮すること及び新ブランドの普及に協力することについて合意していることを踏まえれば、既存代理店への影響を最小限に抑えつつ、ブランドの切替えを実現することも合理的に期待できる。

 更に、公開買付者主導の開発計画による負荷増大については、確かに一時的には開発費用を増加させる可能性があるものの、開発の成果が将来的には売上の増大に繋がるとも期待できる。公開買付者は、当社グループの経営の独立性・自主性を維持・尊重することに同意しており、将来的な開発計画についても公開買付者との間で協議をしつつ、当社グループの経営に過度な負荷を掛けることなく進めていくことも期待できる。

 また、株式の非公開化に伴い想定される一般的なデメリットについても、公開買付者との間で当社グループの組織体制及び運営体制(コーポレート・ガバナンス体制及びオペレーション構造を含む。)を維持することに合意ができており、コーポレート・ガバナンス体制や機能が不十分なものとなるリスクも限定的であると考えられる。また当社が長年の事業活動により培った採用市場における優位性や社会的信用性は上場廃止により失われるものではないと考えられる。

 このように本取引を実行することによるデメリットは重大なものとは考えられない一方、本取引を実行することでそのようなデメリットを上回るシナジーの発現を期待することができ、本取引は当社の企業価値向上に資するものであると認められる。

 

2.本取引の取引条件の妥当性の検討

(1)本公開買付価格の妥当性

a.事業計画の策定手続及び内容

 当社は、当社、富士通及び公開買付者のいずれからも独立した第三者算定機関としてみずほ証券に当社の株式価値の算定を依頼し、2024年12月30日付で、当社株式価値算定書を受領している。

 当社は本取引の検討を開始する以前から、2024年6月18日開催の当社株主総会で承認された役員変更後の新経営陣の下で2025年3月期から2027年3月期までの事業計画に検討を重ねてきていたが、本取引の検討にあたり改めてその内容を検証し、当社株式価値算定書の前提とすべき当社事業計画の作成を行った。当委員会の委員は、当社事業計画の策定段階からその策定に深く関与しているが、当社事業計画の策定経緯に公正性を疑うべき事情は存在せず、その内容に不合理な点は見受けられないものと判断の上、当社事業計画を承認している。

 

b.算定結果の検討

 当社株式価値算定書の内容に関するみずほ証券の当委員会に対する説明及び当委員会との質疑応答に基づけば、(ⅰ)みずほ証券が採用した株式価値の算定手法は、非公開化取引における株式価値算定において一般的に利用されている算定手法であり、各算定手法の採用理由に不合理な点は認められず、また、(ⅱ)みずほ証券による算定内容の合理性についても不合理な点は認められない。したがって、当委員会は、当社株式の株式価値の評価に当たり、当社株式価値算定書に依拠することができるものと判断している。

 当社株式価値算定書における当社株式の1株当たりの株式価値の範囲はそれぞれ以下のとおりである。当社株式価値算定書に付されている、その作成並びにその基礎となる評価分析に関する前提条件及び留意事項については、下記(注)のとおりである。

市場株価基準法:2,018円~2,327円

類似企業比較法:1,703円~3,056円

DCF法   :2,403円~3,691円

(注) みずほ証券は、当社の株式価値算定に際して、当社から提供を受けた情報、ヒアリングにより聴取した情報及び一般に公開された情報等を原則としてそのまま採用し、採用したそれらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全であること、当社の株式価値算定に重大な影響を与える可能性がある事実でみずほ証券に対して未開示の事実はないこと等を前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っていない。また、みずほ証券は、当社及びその子会社・関連会社の資産及び負債(デリバティブ取引、簿外資産・負債、その他偶発債務を含む。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自の評価又は鑑定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っていない。また、かかる算定において参照した当社の財務見通しについては、当社により2025年1月6日時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に準備・作成されたこと、並びにかかる算定は2024年12月30日現在の情報と経済情勢を反映したものであることを前提としている。

 本公開買付価格は、当社株式価値算定書における当社株式の価値算定結果のうち、市場株価基準法による算定結果のレンジの上限値を上回り、かつ、類似企業比較法及びDCF法による算定結果のレンジ内である。

 

c.プレミアムの分析

 本公開買付価格(当社株式1株当たり2,808円)は、2025年1月6日付答申書作成日の前営業日である2024年12月30日の東京証券取引所における当社株式の終値2,327円に対して20.67%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じ。)、過去1ヶ月間の終値単純平均値2,206円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じ。)に対して27.29%、同過去3ヶ月間の終値単純平均値2,075円に対して35.33%、同過去6ヶ月間の終値単純平均値2,018円に対して39.15%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となっている。

 本件類似事例106件におけるプレミアム水準の中央値(公表前営業日の終値に対して39.60%、公表前営業日の過去1ヶ月間の終値単純平均値に対して38.07%、公表前営業日の過去3ヶ月間の終値単純平均値に対して40.53%及び公表前営業日の過去6ヶ月間の終値単純平均値に対して44.89%)と比較すると、前営業日の過去3ヶ月間の終値単純平均値及び前営業日の過去6ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムとしては遜色のない水準であると認められる。前営業日の過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアムについては、これらの事例と比較して低いプレミアム率になっていることは否めないが、当社の終値は前営業日の過去1ヶ月間において、2,053円から2,327円まで上昇しており、この上昇率(13.35%)は同期間における東証株価指数(TOPIX)の騰落率を上回る水準であり、本取引についての報道があった12月26日より前は同期間に本取引自体に関する報道はなかったものの、同期間と近接した時期に富士通による当社株式の売却を示唆する報道があったため、市場参加者の思惑に基づく売買の結果として上昇したものと推認することも合理的である。したがって、前営業日の過去1ヶ月間の終値単純平均値に対するプレミアム率が本件類似事例のプレミアム水準を下回っていることをもって、本公開買付価格のプレミアム率が他社事例と比較して不合理に低い水準であると評価する必要はないと考えられる。

 

d.本公開買付価格の交渉経緯

 当社は2024年10月29日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり2,753円とする提案を受領した。

 当委員会は、2024年11月28日に開催された第5回特別委員会において、みずほ証券から当社株式に係る株式価値の初期的な算定結果の共有を受けるとともに、公開買付者の提案価格は株式価値算定結果のレンジの範囲内にあり、企業価値評価の観点から公開買付者の提示価格が低すぎると主張することは難しいと考えられるものの、少数株主利益の最大化のため、公開買付者と価格交渉を実施する必要があることを確認した。

 その後、当委員会は、2024年12月4日付レターにて、本公開買付価格の引き上げを要請したところ、公開買付者からは、2024年12月10日付レターにて、本公開買付価格を2,776円に引き上げる旨の回答を受領した。

 これを受け、当委員会は、2024年12月12日付レターにて、本公開買付価格の更なる引き上げを要請したところ、公開買付者からは、2024年12月16日付レターにて、本公開買付価格を2,785円に引き上げる旨の回答を受領した。

 当委員会は、上記二回の価格の引き上げ要請を通じて、一定程度の価格の引き上げに成功したものの、少数株主利益の最大化のため、更なる価格の引き上げを目指して、2024年12月18日付レターにて、本公開買付価格の更なる引き上げを要請した。これに対して、公開買付者からは、2024年10月29日において提案した価格は、元々上方修正余地を残していないベスト・オファーとして提案したものであり、その後、当委員会からの一連の要請を踏まえ、価格の引き上げを検討したが、更なる価格の引き上げを提案することはできないとの回答を受領した。

 当委員会は、2024年12月20日に開催された第9回特別委員会において、公開買付者からの上記回答を踏まえ対応を検討した結果、少数株主利益の最大化のため、本取引の公表予定日の直前まで価格交渉を継続することを決定し、2024年12月20日付レターにて、再度本公開買付価格の引き上げを要請したが、2024年12月23日付レターにて、2024年12月16日付レターにて提示した本公開買付価格2,785円は当社の企業価値を最大限高く評価した上で提案したものであり、更なる価格の引き上げを提案することはできないとの回答があった。

 このように公開買付者からは二度にわたり価格引き上げを拒絶する回答があったが、当委員会は当委員会としての最終的な決定を行う前に、もう一度公開買付者に対して公開買付価格の引き上げを要求すべきと判断し、2024年12月25日に公開買付者との間との協議を行った。なお、当該協議の中において、当委員会は、公開買付者に対して、富士通からの自己株取得価格を低く抑えることで、一般株主向けの公開買付価格を引き上げることを検討することも求めた。かかる協議の結果、同日、公開買付者から、当委員会に対する最終提案として、本公開買付価格を2,808円とする提案がなされた。

 以上の交渉経緯からして、当委員会は、本公開買付価格2,808円は、これ以上交渉を継続しても引き上げの余地のない公開買付者からの最終提案価格であると判断した。

 以上からすれば、本公開買付価格は、当社が、公開買付者との間で、株主にとってできる限り有利な取引条件で買収が行われることを目指して、真摯な交渉の結果決定されたものと認められる。

 

e.マーケットチェック

 一般論として、入札プロセス等の積極的なマーケットチェックを行うことは、一般株主にとってできる限り有利な取引条件での取引を確保する上で有効な手段ではある。

 もっとも、富士通及び当社は、2022年12月頃より、富士通が保有する当社株式の売却を実現できる取引についての提案を勧誘すべく、公開買付者を含む複数の事業会社及びプライベートエクイティファンドの参加する入札プロセスを実施したものの、いずれの候補者からも法的拘束力のある提案を受領することがないまま入札プロセスを終了したという経緯があり、積極的なマーケットチェックは既に完了しているとも考えられる。

 公開買付者から本取引の提案を受領したことを受けて改めて積極的なマーケットチェックを行うことも考えられるところではあるが、富士通からは、意向表明書の条件を含む提案内容が経済合理性、取引の迅速性及び取引実現の蓋然性の観点を踏まえても検討に値する内容であると判断しており、主に情報拡散への懸念から積極的なマーケットチェックは行わないという意向であることが示され、また、当社としても、以前の入札プロセスにおいていずれの候補者からも法的拘束力のある提案を受領することができなかった要因の一つが一部報道により当社株式の市場株価が高騰した点等にあったことを考えると、情報管理を徹底するために再度の積極的なマーケットチェックは行わないという判断も合理的であるとの結論に至った。

 なお、後述のとおり、本公開買付けの予定を公表した2025年1月6日から本公開買付けの開始までの期間は6ヶ月程度となる予定であり、この間に公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されており、間接的なマーケットチェックは有効に機能することが期待できる。

 

f.小括

 以上の検討によれば、(ⅰ)当社株式価値算定書における当社株式の価値算定結果のうち、市場株価基準法による算定結果のレンジの上限値を上回り、かつ、類似企業比較法及びDCF法による算定結果のレンジ内であること、(ⅱ)本公開買付価格のプレミアム水準は、他社事例と比較して不合理に低い水準であるとまでは認められないこと、(ⅲ)当社と公開買付者との間で、真摯な交渉の結果決定されたものと認められること、(ⅳ)本公開買付価格は、一定のマーケットチェックを経た上で提案された取引価格であるとの評価が可能であることを踏まえると、本公開買付価格は公正かつ妥当であると評価できる。

 

(2)スキームの妥当性

 本取引において採用されている、一段階目として、本公開買付け後に公開買付者及び富士通が合計で当社の総議決権数の3分の2以上を取得することとなる株式数を買付予定数の下限に設定して公開買付けを行い、二段階目として、当社の株主を公開買付者及び富士通のみとするための株式併合によるスクイーズアウトを実行し、当該株式併合の効力発生後に当社が富士通の所有する当社株式の全てを取得するというスキームは、親会社が存在する上場会社の非公開化の手法として比較的一般的に採用されている方法であり、公開買付価格に不満のある当社株主は、裁判所に対する株式買取請求後の価格決定の申立てが可能である。下記3(7)のとおり、本公開買付けにおいては強圧性が排除されていることも踏まえて、当委員会として、本取引のスキームに不合理な点は認められず、妥当であると認める。

 

(3)小括

 以上のとおり、(ⅰ)本公開買付価格は公正かつ妥当であると評価できること、及び(ⅱ)本取引のスキームは妥当であると認められることから、本取引の取引条件は公正かつ妥当な条件であると認める。

 

3.本取引の検討手続の公正性の検討

(1)当社における独立した特別委員会の設置等

 当社は、2024年9月25日付の取締役会決議により、当委員会を設置し、当委員会の委員の候補となる当社の独立社外取締役の独立性及び適格性等について確認を行うとともに、公開買付者との間で重要な利害関係を有していないこと、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことについても確認を行った上で、当社の独立社外取締役の寺坂史明氏(当社独立社外取締役)、桑山三恵子氏(当社独立社外取締役)、大澤善雄氏(当社独立社外取締役)及び中島圭一氏(当社独立社外取締役)の4名を当委員会の委員の候補として選定した(なお、当委員会の委員長には大澤善雄氏が就任しており、また、中島圭一氏が逝去されたことにより退任された点を除き、当委員会の委員は設置当初から変更していない。)。また、当社は、長島・大野・常松法律事務所の助言を得つつ、本取引に係る検討・交渉等を行うにあたっては、当委員会の設置をはじめとする本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じる必要がある旨等を個別に説明するとともに、本取引においては潜在的な利益相反のおそれを慎重に排除するために手続の公正性を十分に確保する必要がある旨、並びに当委員会の役割等についての説明及び質疑応答を行った。なお、当委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、社外取締役としての報酬とは別に、固定額の報酬を支払うものとされており、本取引の公表や成立を条件とする成功報酬は含まれていない。

 また、当社は、上記取締役会決議において、当社取締役会において本取引に関する重要な決定を行うに際しては、当委員会の答申を最大限尊重し、本取引の取引条件について当委員会が妥当でないと判断した場合には、当社取締役会は、本公開買付けに賛同せず、応募推奨をしない旨を決議している。併せて、当社は、上記取締役会決議に基づき、当委員会に対して、(a)業務執行取締役等による本取引の検討について、必要な助言を行う権限、(b)公開買付者との本取引に関する協議及び交渉について事前に方針を確認し、適時にその状況の報告を受け、本取引に関する協議及び交渉について意見を述べ、当社取締役会に対して勧告や要請を行い、また、必要に応じて法令上許容される範囲で公開買付者を含む第三者と直接協議・交渉を行う権限、(c)業務執行取締役等に対し、対象事項に関する進捗、検討状況その他の事項の報告及び情報提供を随時求める権限、(d)その役割を果たすために必要な範囲で、自らのため選任又は承認したアドバイザー等を当社の費用負担により選任する権限、及び当社のアドバイザー等を評価し、選任について意見し、又は承認(事後承認を含む。)する権限を付与した。

 このように、当委員会は、当社において独立した特別委員会であり、本取引の検討手続において有効に機能するための権限を付与され、実際に有効に機能したと考えられる。

 

(2)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 当社は、本公開買付けに関する意見表明を行うにあたり、上記2.(1)aのとおりみずほ証券から当社株式価値算定書を取得している。なお、本取引に係るみずほ証券の報酬は、本取引の成否にかかわらず支払われる固定報酬に加えて、本公開買付けを含む本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれている。なお、当社は、みずほ証券から本公開買付価格の公正性に関する評価(フェアネス・オピニオン)を取得していないが、本取引の検討のためにとられた公正担保措置等を踏まえると、当社の少数株主の利益には十分な配慮がなされており、手続の公正性に疑義を生じさせるものではないと考えられる。

 

(3)当社における独立したファイナンシャル・アドバイザーからの専門的助言

 当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、当社、富士通及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザーとしてみずほ証券を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む財務的見地からの専門的助言を受けた。

 なお、みずほ証券の説明によれば、みずほ証券は、当社及び公開買付者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことである。

 

(4)当社における独立したリーガル・アドバイザーからの専門的助言

 当社は、本取引に関する当社取締役会の意思決定の公正性及び適正性を担保するため、当社、富士通及び公開買付者から独立したリーガル・アドバイザーとして長島・大野・常松法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引に係る当社の意思決定の方法及びその過程等に関する法的助言を含む専門的助言を受けた。

 なお、長島・大野・常松法律事務所の説明によれば、長島・大野・常松法律事務所は、当社、公開買付者及び富士通の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことである。また、長島・大野・常松法律事務所の報酬は、本取引の成否にかかわらず稼働時間に時間単価を乗じて算出するものとされており、本取引の成立を条件とする成功報酬は含まれていない。

 

(5)当社における独立した検討体制の構築

 当社は、本取引に係る潜在的な利益相反のおそれを排除する観点から、公開買付者及び富士通から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築した。

 具体的には、当社は、2024年9月19日に公開買付者から本公開買付けに関する初期的打診を受領した時点以降、当社及び公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、潜在的な利益相反のおそれを排除する観点から、富士通の役職員を兼任若しくは兼務する当社の役員である窪田隆一氏及び広瀬陽一氏の2名を関与させないこととした。

 なお、2024年4月に富士通から当社に転籍した富士通出身役員である増田幸司氏及び川西俊幸氏の2名については、(a)当社の経営戦略・事業計画の策定を主導する立場又は策定に深く関与する立場にあり、公開買付者の買収提案を企業価値向上の観点からスタンドアローンでの企業価値向上策と比較しつつ検討・評価していくという面において、プロジェクトチームへの参加が不可欠と考えられること、(b)本取引で富士通は当社株式を売却する側であり、親会社又は大株主が買収者となる取引と比較して、富士通と当社の一般株主との利益相反の度合いは類型的に大きいわけではないこと、(c)富士通出身役員は現在富士通グループの役職員を兼務しておらず、富士通グループに将来帰任する予定もなく、富士通グループから指示を受ける立場にないこと、(d)富士通出身役員は本取引に関して、富士通グループ側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことを踏まえ、特別委員会への限定的な関与を含め、プロジェクトチームへの参加は差し支えないと整理した。

 ただし、潜在的な利益相反のおそれを極力排除する観点から、以下の措置を講じることとした。

●富士通出身役員は、本取引に関して、富士通グループあるいは公開買付者との直接の交渉その他のやりとりは行わない(公開買付者との交渉は特別委員会名義で行う。)。

●特別委員会は、富士通出身役員の関与によって公正性等の見地から問題が生じているか又はそのおそれがあると判断する場合、富士通出身役員による関与の中止又は是正等を勧告でき、特別委員会自体への参加も制限できることとする。

●増田幸司氏及び川西俊幸氏が特別委員会に参加する場合には、以下のような対応の工夫を講じ、特別委員会の独立性に配慮した議事運営を行っていることを対外的に説明可能とする。

・特別委員会において(a)経営戦略その他本取引が企業価値向上に資するか判断するための議題と(b)取引条件その他一般株主の利益確保について判断するための議題とを区別し、両名が(a)に限って審議に参加できる体制を整える。

・両名が特別委員会の審議に参加する場合であっても、原則として、その関与はあくまで説明者・オブザーバーとして、当社の経営戦略の観点から特別委員に対する説明を行い、場合により執行側としての意見を伝える、といった程度にとどめる。

・特別委員会において、両名が参加したセッションの後に、特別委員(及び富士通出身役員ではないオブザーバー)のみが(両名が退席した場で)審議するセッションを設ける。

 以上のとおり、公開買付者及び富士通から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を当社の社内に構築した。

 かかる本取引の検討体制については、独立性及び公正性の観点から当委員会の意見も確認しながら構築したものである。

 

(6)公開買付期間

 本公開買付けにおいて、公開買付期間は21営業日とすることが予定されているが、2025年1月6日時点で、本公開買付けについては、日本、欧州連合、インド、サウジアラビア、及びアメリカの競争法等の手続及び対応に一定期間を要することが見込まれているため、本公開買付けの予定を公表した日から本公開買付けの開始までの期間を含めると、実質的には法令に定められた最短期間よりも長期にわたる期間設定となる予定となり、少数株主を含む当社株主の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会(間接的マーケットチェックの機会)は確保されている。

 

(7)強圧性の排除

 本取引においては、一段階目として行われる本公開買付けにおいて、買付予定数の下限は、本公開買付け成立後に公開買付者及び富士通が合計で当社の総議決権数の3分の2以上を所有することとなるように設定されていることで、本公開買付けが成立した場合、成立後のスクイーズアウトが確実に実行できるスキームになっている。また、当該スクイーズアウト手続において、スクイーズアウトされる当社株主に対価として交付される金銭は、本公開買付価格に当該各株主の所有する当社株式の数を乗じた価格と同一となるように算定される予定であり、その旨が本公開買付けの開始に際して公表される予定である。したがって、少数株主を含む当社株主が本公開買付けに応募するか否かについて適切に判断を行う機会を確保し、これをもって強圧性が生じないように配慮されていると認められる。

 

(8)小括

 上記(1)から(7)のとおり、本取引の検討に際しては上記の各公正性担保措置が講じられていることから、本取引の検討に際して公正な手続が実施されており、これを通じた当社株主の利益への十分な配慮がなされているものと認められる。

 なお、富士通が保有する当社株式の合計は46,121,000株(所有割合:44.02%)であるため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する当社の少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考えられる。また、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定していないことについて、当委員会は、他の公正性担保措置が十分に講じられていると解されること等に鑑みると、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件が設定されていないことのみをもって、適切な公正性担保措置が講じられていないと評価されるものではないと考えられる旨判断している。

 

4.総括

 上記1から3のとおり、本公開買付けは、当社の企業価値向上に資すると考えられ、その取引条件も公正かつ妥当であり、公正な手続も実施されている。そこで、当委員会は、当社は本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議すべきであり、本取引を行うことの決定は当社の一般株主(少数株主を含む。)にとって不利益なものではないと判断する。

 なお、当社が本取引を検討している過程で、公開買付者以外の第三者(プライベートエクイティファンド)から当社株式の上場を維持することを前提に当社が富士通から富士通の所有する当社株式の取得を可能とする取引に係る提案(以下「本提案」という。)を受領した。もっとも、(a)本提案は法的拘束力のない提案であるところ、当該第三者から法的拘束力のある提案を受領するためにはデュー・デリジェンスを受け入れる必要があることに加え、法的拘束力のある提案を受けるまでに数ヶ月要することが見込まれたこと、(b)本取引から期待されるシナジーの内容と比較して、本提案で示されているシナジーの内容は具体的なものとは言えず、その根拠も十分とは言えないことから、企業価値向上の観点から本提案の内容が公開買付者の提案内容よりも優れているとは評価できないこと、(c)富士通以外の一般株主に対して必ずしも合理的な価格での売却機会を付与するものではないことに加え、本提案の内容を採用した場合に上場を維持しつつ一般株主に提供できると見込まれる利益の水準が公開買付者の提案内容よりも優れているとは評価できないこと等を踏まえると、本提案を受領していることは、当社が本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、当社株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することを決議することを妨げるものではない。

 その後、2025年3月14日、当社は、公開買付者から、本クリアランス取得の状況を踏まえ、本公開買付けを2025年4月上旬又は中旬に開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2025年4月2日、当社は、公開買付者から、本公開買付前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2025年4月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました(その後、2025年4月7日、当社は、公開買付者から本クリアランス取得が完了したとの連絡を受けました。)。そのため、当社は、2025年3月14日、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年1月6日付で当社の取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社の取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問いたしました。

 これを受けて、本特別委員会は、2025年3月21日及び2025年4月25日の2回、本特別委員会を構成する委員全員出席のもと開催され、これらの各開催日間においても電子メール等を通じて審議・意思決定等を行う等して、本特別委員会が2025年1月6日付で当社の取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かに関して、慎重に協議及び検討を行いました。具体的には、2025年1月6日以降、本取引に影響を及ぼし得る重要な状況変化が発生しているか否かに関する事実関係の確認等を行い、上記諮問事項について検討いたしました。その結果、本特別委員会は、2025年1月6日以降、2025年1月6日付答申書の内容を変更すべき事情は見当たらず、2025年1月6日付答申書において表明した意見を変更する必要はないことを確認し、当社取締役会に対し、委員全員の一致により、その旨を内容とする答申書(以下「2025年4月25日付答申書」といいます。)を提出いたしました。なお、2025年4月25日付答申書によれば、2025年1月6日付答申書提出時点では、本クリアランス取得に要する期間を踏まえると、本公開買付けの予定を公表した日から本公開買付けの開始までの期間は6ヶ月程度となる予定であるとされており、本特別委員会も、この間に公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会は確保されており、間接的なマーケットチェックは有効に機能することが期待できると判断していたところ、公開買付者によれば、実際には本クリアランス取得の完了時期が当初の想定よりも早まり、これに伴って本公開買付けの開始時期も当初の想定より2ヶ月半程度早まることとなったとのことです。もっとも、本公開買付けの予定を公表した日から本公開買付けの開始までの期間を含めると、実質的には法令に定められた最短期間よりも長期にわたる公開買付け期間の設定となる予定となり、少数株主を含む当社株主の本公開買付けに対する応募についての適切な判断機会及び公開買付者以外の者による当社株式に対する買付け等の機会(間接的マーケットチェックの機会)は確保されているといえるとされています。また、本公開買付けに係る買付け等の期間は、当初の想定である21営業日から20営業日へと短縮されていますが、このことは以上の結論に何ら影響を及ぼすものではないとされています。

 

④ 当社における独立した検討体制の構築

 当社は、2024年9月19日に公開買付者から本公開買付けに関する初期的打診を受領して以降、当社及び公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関して、本公開買付けを含む本取引における潜在的な利益相反のおそれを排除する観点から、富士通の役職員を兼任若しくは兼務する当社の役員である窪田隆一氏及び広瀬陽一氏の2名を関与させない形で交渉を行ってまいりました。

 なお、2024年4月に富士通から当社に転籍した富士通出身役員である増田幸司氏及び川西俊幸氏の2名については、(a)当社の経営戦略・事業計画の策定を主導する立場又は策定に深く関与する立場にあり、公開買付者の買収提案を企業価値向上の観点からスタンドアローンでの企業価値向上策と比較しつつ検討・評価していくという面において、プロジェクトチームへの参加が不可欠と考えられること、(b)本取引で富士通は当社株式を売却する側であり、親会社又は大株主が買収者となる取引と比較して、富士通と当社の一般株主との利益相反の度合いは類型的に大きいわけではないこと、(c)富士通出身役員は現在富士通グループの役職員を兼務しておらず、富士通グループに将来帰任する予定もなく、富士通グループから指示を受ける立場にないこと、(d)富士通出身役員は本取引に関して、富士通グループ側で一切の関与をしておらず、またそれができる立場にもないことを踏まえ、本特別委員会への限定的な関与を含め、プロジェクトチームへの参加は差し支えないと整理しております。

 なお、このような本取引の検討体制に関して、独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認も得ております。

 

⑤ 当社における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

 2025年1月6日までに、当社の取締役会は、当社株式価値算定書の内容及び長島・大野・常松法律事務所から受けた法的助言を踏まえつつ、本特別委員会から取得した2025年1月6日付答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が当社の企業価値の向上に資するか否か及び本公開買付価格を含む本取引に関する諸条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行いました。

 その結果、当社の取締役会は、上記「1.本株式併合の目的」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された公正かつ妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであることから、当社の株主の皆様にとって妥当であると考えており、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断し、2025年1月6日開催の取締役会において、同日時点における当社の意見として、本公開買付けが開始された場合には、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議しました。また、本公開買付けは、2025年1月6日付公開買付者プレスリリースにおいて公開買付者が公表していたとおり、本公開買付前提条件が充足された場合又は公開買付者により放棄された場合に速やかに開始することを予定しており、2025年1月6日現在、公開買付者は、日本、欧州連合、インド、サウジアラビア、及びアメリカの競争法の手続に関する国内外の法律事務所との協議等を踏まえ、2025年7月上旬を目処に本公開買付けを開始することを目指していたとのことですが、今般、公開買付者は、本意見表明プレスリリース前文部分に記載のとおり、2025年4月25日までに、本公開買付前提条件がいずれも充足されたことを確認したことから、同日、本公開買付けを2025年4月28日より開始することを決定したとのことです。

 当社は、2025年3月14日、公開買付者から、本クリアランス取得の状況を踏まえ、本公開買付けを2025年4月上旬又は中旬に開始することを見込んでいる旨の連絡を受けました。そして、2025年4月2日、当社は、公開買付者から、本公開買付前提条件が充足されることを前提に、本公開買付けを2025年4月28日より開始することを予定している旨の連絡を受けました(その後、2025年4月7日、当社は、公開買付者から本クリアランス取得が完了したとの連絡を受けました。)。

 これに対し、当社は、2025年3月14日、本特別委員会に対して、本特別委員会が2025年1月6日付で当社の取締役会に対して表明した意見に変更がないか否かを検討し、当社の取締役会に対し、変更がない場合にはその旨、変更がある場合には変更後の意見を述べるよう諮問したところ、本特別委員会から、2025年4月25日付で、本特別委員会が2025年1月6日付で当社の取締役会に対して行った答申内容(当該答申内容及び当該答申に係る本特別委員会の具体的な活動内容等については、上記「③ 当社における独立した特別委員会の設置及び当社における特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を変更する必要はないものと考える旨の2025年4月25日付答申書の提出を受けたことから、当該答申書の内容及び2025年1月6日の取締役会開催以降の当社の業績や市場環境の変化等を踏まえ、本公開買付けに関する諸条件の内容について改めて慎重に協議・検討いたしました。

 その結果、当社は、2025年4月25日時点においても、本公開買付けを含む本取引は当社の企業価値の向上に資するとともに、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は、当社の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された公正かつ妥当な価格であり、本公開買付けは、当社の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な当社株式の売却の機会を提供するものであることから、当社の株主の皆様にとって妥当であると考えており、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであるとの2025年1月6日時点における当社の本公開買付けに関する判断を変更すべき要因はないと考えたことから、2025年4月25日開催の取締役会において、改めて、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議をいたしました。また、当社は、2025年4月25日、公開買付者に対して、同日時点において、未公表の、当社に係る業務等に関する重要事実又は当社株券等に関する公開買付け等の実施に関する事実が存在しない旨の報告を行っております。

 上記取締役会においては、当社取締役8名のうち、増田幸司氏、川西俊幸氏及び窪田隆一氏を除く当社取締役5名が審議及び決議に参加し、決議に参加した取締役全員一致で上記意見を表明する旨の決議を行いました。上記取締役会には、当社の監査役3名のうち富士通の監査役を兼任している広瀬陽一氏を除く当社監査役2名全員が出席し、上記決議を行うことについて異議がない旨の意見を述べております。

 なお、窪田隆一氏は、富士通の執行役員を兼任していることから、利益相反のおそれを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して公開買付者及び富士通との協議及び交渉にも一切参加しておりません。増田幸司氏及び川西俊幸氏は、2024年4月に富士通から当社に転籍しており、富士通の役員を兼任しているわけではないものの、より慎重に利益相反のおそれを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会における審議及び決議には一切参加しておりません。なお、増田幸司氏及び川西俊幸氏については、上記「④ 当社における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、本特別委員会に対する関与の方法を限定的なものとしつつ、本取引に係るプロジェクトチームへの参加は差し支えないと整理しております。同様に、広瀬陽一氏は富士通の監査役を兼任していることから、利益相反のおそれを回避し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会における審議には一切参加しておらず、また、当社の立場において、本取引に関して公開買付者及び富士通との協議及び交渉にも一切参加しておりません。

 

⑥ 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

 公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、公開買付者、富士通及び当社から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるBofA証券株式会社(以下「BofA証券」といいます。)に対し、当社の株式価値評価分析を依頼し、2024年12月30日付でBofA証券から株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、BofA証券は、公開買付関係者、富士通及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、公開買付者は、公開買付者株式価値算定書取得時点から2025年4月25日時点までの状況を考慮しても、公開買付者株式価値算定書に影響を与える前提事実に大きな変更はなく、また、当社グループや業界を取り巻く事業環境にも特段の変化はないと判断したことから、新たに当社株式の価値に関する株式価値算定書を取得していないとのことです。なお、公開買付者は、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の諸要素を総合的に考慮し、かつ当社との協議・交渉を経て本公開買付価格を判断・決定しているため、BofA証券から本公開買付価格又は本公開買付けの公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておらず、BofA証券はかかる意見を一切表明していないとのことです。

 公開買付者株式価値算定書の詳細は、本意見表明プレスリリース「3.本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」の「② 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」をご参照ください。

 

4.本株式併合の効力が生ずる日

2025年8月21日(予定)

以上