当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間における世界経済は、北米では底堅く推移しているものの、欧州では低調に推移し、中国では引き続き経済が減速傾向にあることに加え、中東地域情勢の緊迫化も影響し、不安定な状況が継続しました。また、為替レートは、対ドルやユーロを中心に円安傾向が継続しました。
当社の連結業績に影響を与えるエレクトロニクス市場では、買い換え需要や新規モデルの立ち上がり等の影響によりICT(情報通信技術)関連製品の生産動向は前中間連結会計期間比で回復傾向がみられました。スマートフォン、ノートパソコン、タブレット端末等の需要は、堅調に推移しました。また、データセンター向けニアライン用HDD(ハードディスクドライブ)の需要も大幅に回復しました。一方で、産業機器市場では、設備投資需要全般が低調に推移しました。また、自動車市場においては、BEV(電気自動車)の需要に引き続き減速感がみられ、期初に想定していた部品需要を下回る結果となりました。
このような経営環境の中、当中間連結会計期間において、受動部品及びエナジー応用製品セグメントは、産業機器市場向け需要の減少等により減収となったものの、センサ応用製品、磁気応用製品の2つのセグメントで、ICT市場における部品需要の回復等により前中間連結会計期間と比べ増収となりました。その結果、当中間連結会計期間の連結売上高は、1,089,501百万円(前中間連結会計期間1,059,711百万円、前中間連結会計期間比2.8%増)となりました。
利益につきましては、大幅な円安やICT市場向け製品の出荷増に加え、合理化や前期に行った構造改革効果等もあり、営業利益133,302百万円(同85,548百万円、同比55.8%増)、税引前利益137,304百万円(同80,242同百万円、同比71.1%増)、親会社の所有者に帰属する中間利益105,710百万円(同54,188百万円、同比95.1%増)となり、過去最高を更新しました。基本的1株当たり中間利益は、55円72銭(同28円57銭)となりました。
当中間連結会計期間における対米ドル及びユーロの期中平均為替レートは、152円76銭及び166円3銭と前中間連結会計期間に比べ対米ドルで8.5%、対ユーロで8.3%の円安となりました。これらを含め全体の為替変動により、約714億円の増収、営業利益で約136億円の増益となりました。
当社グループの事業のセグメントは、「受動部品」、「センサ応用製品」、「磁気応用製品」及び「エナジー応用製品」の4つの報告セグメントとそれらに属さない「その他」に分類されます。
なお、当中間連結会計期間における組織変更により、従来「受動部品」のその他受動部品に属していた一部製品を「受動部品」のインダクティブデバイスに区分変更しております。上記に伴い、前中間連結会計期間の数値についても変更後の区分に組替えております。
受動部品セグメントは、①コンデンサ ②インダクティブデバイス ③その他受動部品で構成され、売上高は、284,966百万円(前中間連結会計期間286,170百万円、前中間連結会計期間比0.4%減)となりました。
コンデンサは、セラミックコンデンサ、アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサから構成され、売上高は、119,505百万円(前中間連結会計期間125,147百万円、前中間連結会計期間比4.5%減)となりました。セラミックコンデンサは、自動車市場向け及びICT市場向けの販売は増加しましたが、産業機器市場向けの販売は減少しました。アルミ電解コンデンサ及びフィルムコンデンサの販売は、自動車市場向け及び産業機器市場向けが減少しました。
インダクティブデバイスの売上高は、103,505百万円(前中間連結会計期間98,131百万円、前中間連結会計期間比5.5%増)となりました。自動車市場向け及びICT市場向けの販売は増加しましたが、産業機器市場向けの販売は減少しました。
その他受動部品は、高周波部品及び圧電材料部品・回路保護部品で構成されており、売上高は、61,956百万円(前中間連結会計期間62,892百万円、前中間連結会計期間比1.5%減)となりました。主にICT市場向けが減少しました。
センサ応用製品セグメントは、温度・圧力センサ、磁気センサ、MEMSセンサで構成され、売上高は、94,859百万円(前中間連結会計期間86,053百万円、前中間連結会計期間比10.2%増)となりました。自動車市場向け及びICT市場向けの販売は増加しましたが、産業機器市場向けの販売は減少しました。
磁気応用製品セグメントは、HDD用ヘッド、HDD用サスペンション、マグネットで構成され、売上高は、110,945百万円(前中間連結会計期間83,054百万円、前中間連結会計期間比33.6%増)となりました。HDD用ヘッド及びHDD用サスペンションは、ICT市場向けの販売が増加しました。マグネットは、主に自動車市場向けの販売が減少しました。
エナジー応用製品セグメントは、エナジーデバイス(二次電池)、電源で構成され、売上高は、571,973百万円(前中間連結会計期間578,923百万円、前中間連結会計期間比1.2%減)となりました。エナジーデバイスは、ICT市場向けの販売は増加しましたが、産業機器市場向けの販売は合弁会社への移管等により減少しました。
4つの報告セグメントに属さないその他は、メカトロニクス(製造設備)、スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータ等で構成され、売上高は、26,758百万円(前中間連結会計期間25,511百万円、前中間連結会計期間比4.9%増)となりました。メカトロニクスは、産業機器市場向けの販売が増加しました。スマートフォン向けカメラモジュール用マイクロアクチュエータは、ICT市場向けの販売が減少しました。
2024年9月30日現在の財政状態の状況は、次のとおりであります。
2024年9月30日現在の資産合計は、前連結会計年度末比97,536百万円増加し、3,415,304百万円から3,512,840百万円となりました。
現金及び現金同等物は46,714百万円増加しました。また、営業債権が28,251百万円、売却目的で保有する資産が16,081百万円それぞれ増加しました。
負債は、前連結会計年度末と比較して81,392百万円増加しました。社債及び借入金が53,475百万円減少した一方、営業債務が58,260百万円、借入金(流動)が47,746百万円、その他の金融負債(流動)が33,507百万円それぞれ増加しました。
資本のうち親会社の所有者に帰属する持分は、前連結会計年度末と比較して13,082百万円増加しました。その他の資本の構成要素が81,096百万円減少した一方、利益剰余金が83,625百万円増加しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によって得たキャッシュ・フローは、205,862百万円となり、前中間連結会計期間比1,284百万円増加しました。これは主に、中間利益の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、100,001百万円となり、前中間連結会計期間比1,457百万円増加しました。これは主に、定期預金の預入の増加によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用したキャッシュ・フローは、32,792百万円となり、前中間連結会計期間比15,245百万円増加しました。これは主に、長期借入金の返済額の増加及び長期借入金による調達額の減少によるものです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、2024年9月30日現在における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して46,714百万円増加し696,712百万円となりました。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当中間連結会計期間における、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「要約中間連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (3)重要な会計上の見積り及び判断」をご参照ください。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間における研究開発費は123,186百万円(売上高比11.3%)であります。なお、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。