(1)経営方針
当社グループは、コーポレートスローガンを「オンリーワン・カンパニーの実現を目指す」と掲げ、経営の基本方針を「タムラグループミッション」に定めております。
MISSION
私たちは、タムラグループの成長を支えるすべての人々の幸せを育むため、世界のエレクトロニクス市場に高く評価される独自の製品・サービスをスピーディに提供してまいります。
VISION
① タムラグループは、世界的視野にたち、エレクトロニクス産業が求める事業を経営基盤とします。
② タムラグループは、市場本位をつらぬき、世界のお客様が求める技術を事業基盤とします。
③ タムラグループは、公正な視点で社員を評価し、努力によって成果をもたらす人を最も賞賛します。
④ タムラグループは、国際社会の一員として行動し、各国の法規制を順守し文化・慣習を尊重します。
⑤ タムラグループは、地球環境の保全に努め、資源の有効化と再資源化を推進します。
(2)経営戦略等
当社グループは長期ビジョンとして創業100周年(2024年)を見据えながら、平成30年度(2018年度)をターゲットとする第11次中期経営計画“Biltrite Tamura GROWING”を策定し、以下の経営戦略を推進いたします。
① 正しく豊かな成長への道筋を作る
・収益の源泉である「オンリーワン製品」の種を「戦略製品」と位置づけ、その育成並びに開発投資効率の向上を目的に、製品技術マーケティングを推進いたします。
・「戦略製品」の早期育成のために、M&Aや協業も視野に入れて取り組んでまいります。
② 正しく立派な製品を作る
・当社の独自性と強みを充分に発揮し、顧客価値の視点に立った優位性のある「オンリーワン製品」を強化し、競争力と収益性向上を図ってまいります。
③ 正しく健全な経営体質を作る
・役目を終えた業務・製品は見極め、事業ポートフォリオの見直しも含め、経営資源の適正な配分を推進いたします。
④ 正しく最適なグローバル体制を作る
・グローバルで戦えるコスト競争力と収益性を確保するために、海外に関する業務は現地完結型に移行し、コストの高い日本は付加価値の高い業務に集中いたします。また、それを実現するために、ナショナルスタッフの活躍を推進いたします。
・当社グループがグローバルに成長するためには非日系企業との取引拡大が必須として、非日系顧客への売上比率30%以上を目指してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
第11次中期経営計画“Biltrite Tamura GROWING”で目標とする経営指標は以下のとおりです。
① 収益性の向上を第一の目標として、連結営業利益率7%以上を目指します。
② 資本効率に関する目標として、連結ベースでROE9%以上の確保を目指します。株主資本を充実し経営基盤の安定化を推進しつつ、資本効率を高めてまいります。
③ むやみに売り上げを志向するのではなく、お客様に価値ある「オンリーワン製品」を提供することにより、健全な企業成長を目指します。
(4)経営環境
世界経済は緩やかな回復基調で推移しておりますが、米国や欧州各国の政策変化への動きや、北朝鮮問題に端を発する政治不安は予断を許さない状況となっております。また為替や材料価格の急激な変動は企業収益に大きな影響を与える要因になりますが、当社グループでは、そうした影響を最小化するために、顧客との間における価格改定ローリングの取り決めや、エリアで完結する開発・調達・生産体制の構築を進めております。
また、市場競争はグローバルに広がっており、グローバルで戦えるコスト競争力が求められる一方、当社グループが今後成長していくためには、新興国市場やこれまで当社グループとしては取引の多くない欧米や中韓などの非日系顧客との取引拡大が必須として、第11次中期経営計画では「最適なグローバル体制を作る」というスローガンを掲げて取り組みを進めております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループが対処すべき当面の課題は以下のとおりであります。
① 立派な製品を作り、成長への道筋を作る
当社グループでは、収益性の向上を第一の目標とし、健全な企業成長を目指す第11次中期経営計画“Biltrite Tamura GROWING”のもと、将来の収益源を目指す製品を「戦略製品」と位置づけ、その育成を進めております。また、開発投資効率の向上を目的に、製品技術マーケティングを推進し、市場への「目利き」感度を高め、投資判断をタイムリーに進めることを目指しております。
中期経営計画第2年度となる平成29年度は、電動化・電子化を背景に将来の成長が期待される自動車市場に向けて宮城県に車載用リアクトルの新工場の設置、車載関連企業が集積するドイツにおいてはんだメーカーの買収、成長著しいアセアンエリアに新たな自社生産拠点としてタイにソルダーペースト新工場建設を決定するなど、積極的な投資活動を進めました。
こうした新たな拠点に対して、タムラグループ一員としての生産・開発・販売体制の整備を迅速に進め、投資効果の最大限の発揮を目指すとともに、市場価値が望めないと判断した取り組みに対しては早期に見極めを行い、経営資源を有効に活用し投資効率を高めることを課題として取り組んでまいります。
② 健全な経営体質を作る
平成29年度の当社グループの営業利益は前期に続き二期連続の過去最高益更新となりました。平成29年度の後半は一部部材のマーケットへの供給不足による市場価格の高騰や、銅などの素材価格の値上がり、不安定な為替変動などが影響し、売上は堅調ながらも収益性がやや低下いたしました。
こうした状況に対し、当社グループでは、連結売上95%以上を網羅するITシステムをグローバルに導入し、連結ベースによる個別品目別の原価をタイムリーに把握できる体制を構築するとともに、銅・鉄などの素材価格や為替について市況と連動した自動価格改定ルールを顧客と結ぶことにより、影響を極小化する取り組みを進めております。
今後も地政学的リスクや各国の政治的な緊張感の高まりなどにより経営環境は予断を許さない状況が続くものと予想されますが、個別原価管理の徹底をより強化していくとともに、今後は品目別利益分析を高利益品の拡大にも活用して、収益拡大を目指してまいります。
③ 最適なグローバル体制を作る
当社グループが今後も健全に成長していくためには、従来からの日本中心・日系企業中心の取引だけでは難しく、中期経営計画では非日系顧客への売上比率を30%以上へ拡大することを目指しております。平成29年度の非日系顧客への売上比率は、日系顧客の業績が総じて好調だった背景もあり29%に留まっております。
最適なグローバル体制の実現のために、現地のナショナルスタッフが現地の顧客に対して、地域に根差した製品開発から承認取得までをスピーディーに展開する「地開(開発)地承(承認)」の推進、海外に関する業務は現地完結型に移行し、コストの高い日本は付加価値の高い業務に集中する業務のグローバル最適配置、そしてこれらの活動の主役は現地の人材にあるとして、ナショナルスタッフ(現地人材)の育成・登用をグループ全体で推進しております。
平成29年度には、電子化学実装関連事業においてドイツ・タイに新拠点を設置いたしましたが、これにより今まで自社工場でカバーできていなかったエリアでの「地産地消」・「地開地承」の実現を目指すとともに、日本や中国などの既存拠点との役割再配置を進め、結果として非日系顧客への売上比率を高めていくことを今後の課題と認識しております。また、電子部品関連事業においても、人件費が上昇傾向にある中国だけに生産拠点を集中させず、バングラデシュやミャンマーの拠点の活用など、海外拠点間の業務・役割の見直しを含め、最適なグローバル体制の構築を進めてまいります。
(6)株式会社の支配に関する基本方針について
① 基本的な当社の考え方
当社は、証券取引所に上場する株式会社として、当社株式の売買は市場に委ねるものと考えており、会社を支配する者の在り方は、最終的には当社株式を保有する株主の判断によるものと考えております。しかしながら、株式の大規模買付行為の中には、その目的等からみて当社が維持・向上させてまいりました当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するものや、株主に当社株式の売却を強要するおそれのあるものなどもあります。このような買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切ではないと考えており、このような不適切な買付行為が行われる場合には、それに対して相当の対抗措置を発動することも必要であると考えており、また、このような不適切な買付行為が行われる場合に備え、事前情報に関する一定のルールを設定する必要があると考えております。
② 基本方針実現に資する特別な取り組みの概要
優秀な製品を通して社会に貢献すること。当社が掲げる理念は、大正13年の創業から、よりグローバルなフィールドで事業展開している今日まで変わることはありません。その一貫した理念のもと、当社は「オンリーワン・カンパニーの実現」をコーポレートスローガンに掲げ、「ミッション・ビジョン・ガイドライン」より構成される「タムラ・グループミッション・ステートメント」を制定しております。
また、当社は、この経営理念に基づき、中期経営計画を策定し、コーポレート・ガバナンスを充実強化することにより、企業価値の向上に向けて取り組みを進めております。
③ 基本方針に照らして不適切なものに支配されることを防止するための取り組み
当社は、当社の発行済株式総数の20%を超えるような株式の買付又は公開買付行為に関するルールを平成18年6月に「大規模買付行為への対応方針(買収防衛策)」として定め、以降、内容を一部改定の上更新してまいりました(平成29年6月28日開催の定時株主総会でご承認いただいた対応方針を、以下「本対応方針」といいます。)。
本対応方針の概要は次のとおりであります。
1)事前に買付者等が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供すること
2)当社取締役会により当該大規模買付行為の一定の評価を行い、また代替案を提示するために必要な期間が経過した後、又は対抗措置の発動の是非について株主の意思を確認する総会(以下「株主意思確認総会」といいます。)の開催が必要と判断される場合には株主意思確認総会の決議に基づき当社取締役会が対抗措置の発動若しくは不発動の決議をした後にのみ大規模買付行為を開始すること
3)当社取締役会は、当該大規模買付行為を評価・検討し、当社取締役会としての見解を開示すること
4)当該大規模買付行為に対する対抗措置の発動等に関する当社取締役会の判断について、その判断の客観性、合理性及び公正性を担保するため、当社取締役会から独立した組織である特別委員会を設置すること
5)特別委員会は、対抗措置の発動の是非や株主意思確認総会の開催の要否等について、特別委員会としての判断を下し、当社取締役会に勧告・助言(以下「勧告等」といいます。)を行うこと
6)当社取締役会は、対抗措置の発動の是非等に関しては、特別委員会の勧告等を最大限尊重しつつ、最終的な決定を行うこと
なお、詳細は当社ホームページ(http://www.tamura-ss.co.jp)をご参照願います。
④ 本対応方針が基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
1)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること
本対応方針は、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を充足しています。
また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及び東京証券取引所が平成27年6月1日に公表した「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」の内容も踏まえたものとなっております。
2)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本対応方針は、当社株式に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、株主のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
3)合理的な客観的発動要件の設定
本対応方針は、あらかじめ定められた合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されています。
4)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
本対応方針における対抗措置の発動等に際しては、当社取締役会から独立した組織である特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告等を最大限尊重するものとされています。
また、その判断の概要については、株主に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に適うように本対応方針の透明な運用が行われる仕組みが確保されています。
5)株主意思を重視するものであること
本対応方針は、有効期限を明確に定めており、その導入・継続の可否について株主の意向が反映されたものとなっております。また、特別委員会が大規模買付行為に対する対抗措置を発動する条件として株主意思確認総会を開催することが相当であると勧告する場合があり、取締役会は特別委員会の勧告を最大限尊重することとなっておりますので、対抗措置の発動の是非等について株主の意向を直接確認する仕組みを採用しております。
6)デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本対応方針は、当社株主総会の決議又は当社取締役会の決議で廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役会の構成員につき期差任期制を採用していないため、スローハンド型(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
なお、文中の将来に関する事項は当連結会計年度末において、当社グループが判断したものであります。
(1)国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
当社グループの生産活動の多くは中国・アセアン地域に進出しており、販売活動はほぼ全世界的に行っております。これらの海外市場への事業進出には以下のようないくつかのリスクが潜在しております。
① テロ、戦争、暴動等の要因による社会的混乱
② 予期しない法律又は規制の変更
③ 政治的、地政学的な要因による不利益
④ 人材の採用と確保の難しさ
当社グループは競争力のある製品の製造とコスト削減のため中国に生産拠点を拡大しております。しかし、中国における政治又は法環境の変化、労働力の不足、経済状況の変化、反日デモの再発など予期せぬ事象により生産活動の遂行に問題が生じる可能性があります。
また、当社グループが事業拠点を置く国又は地域で新型インフルエンザ等が蔓延したような場合、状況によっては、工場操業停止による生産ストップ、あるいは従業員の出勤抑制、部品調達や工場操業が困難になるなどの問題が発生する可能性があります。
(2)為替リスク
当社グループは、全世界的に事業展開をしており、外貨建取引から生じる資産及び負債の日本円換算額に影響を与える可能性があります。また、為替動向は外貨建で取引されている製品価格及び受注獲得にも影響を与える可能性があります。さらに海外子会社の財務諸表を円換算する際にも影響を与える可能性があります。当社グループは外国為替リスクを軽減し、またこれを回避するために様々な手段を講じておりますが、急激な円高局面では為替相場の変動によって当社グループの事業、業績及び財務状況が悪影響を受ける可能性があります。
(3)価格競争
特に電子部品関連事業においては、競合他社の生産が賃金の安い中国・アセアン地域に移転するとともに、地場メーカーとの価格競争により販売単価の低下が進んでおり、コスト面の対応が必要な状況となっております。価格競争は激化しつつあり、今後一層の価格低下が進むものと予想されます。当社は拡大する市場の中でシェアを確保していくため、コストの削減を進め、価格低下に対応していく方針ですが、今後の業績に影響を与える可能性があります。
(4)原材料価格の高騰
当社グループの製品は、素材価格の相場変動により原価内容に大きな影響を受けます。電子部品関連事業において主力のトランス(変成器)の原材料のほとんどを銅・鉄・原油精製品(プラスチック類)といった素材が占めており、電子化学実装関連事業においては石油化学素材・金属素材・鋼材を原材料として多く使用しております。これら素材価格の世界的な需給バランスの変動あるいは投機的な相場変動による価格高騰局面では、そのリスクを軽減又は回避するための手段を講じておりますが、原価が上昇する可能性があります。反面、顧客への価格転嫁は、競合他社との価格競争が激化し販売単価の値下げ要求が厳しい中では容易ではなく、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)在庫リスク
当社グループのうち、特に電子部品関連事業では、顧客仕様による受注販売が中心であり、かつ、短納期であることから顧客からの正式受注によらず、顧客から提示される需要見通し(フォアキャスト)並びに市場動向を勘案した当社判断に基づく見込み受注による材料手配・生産計画による生産を行う場合があります。見込み受注に狂いが生じた場合は、これに伴う損失の補償を顧客に転嫁させることは出来ず、当社グループが在庫リスクを負うことになり、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)顧客に対する信用リスク
当社グループは、顧客に対するほとんどの取引を代金後払いで販売しております。多額の売掛金を有する顧客が、財務上の問題に直面した場合、当社グループの業績及び財務状況は悪影響を受ける可能性があります。
(7)製品補償
当社グループは、顧客に認められる品質管理基準により各種製品の品質には万全を期して製造しておりますが、全ての製品に欠陥が皆無という保証はなく、当社の設計・生産・品質管理等に起因する損害賠償につき、製品補償を求償される可能性があります。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険で最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。大規模な製品補償や製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額なコストや当社の評価に重大な影響を与え、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産権に関するリスク
当社グループは、独自に開発した設計・製造過程に関する技術及び製品等の特許権その他の知的財産権を所有し、現在もさらなる研究開発活動を進めております。一般的に、特許権取得の手続きは時間と多額の費用がかかり、現在及び将来出願する特許のすべてが登録されるとは限りません。また当社グループの特許が淘汰される可能性は常に存在しております。仮に当社グループの研究開発を超える優れた開発が第三者によりなされた場合には、当社グループの事業戦略や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っておりますが、全ての知的財産権を完全に調査完了することは時間・コスト・技術的観点より困難であり、また特許権利者が自己の知的財産権をどのように解釈し、どの範囲まで権利行使手続きを行うかを予想することは極めて困難であります。従いまして、万一、当社グループの製品が第三者の知的財産権に近似する場合には、当該第三者より損害賠償請求、使用差し止め等の訴えを起こされる可能性、並びに当該知的財産権に関する対価の支払等が発生する可能性があります。このような場合、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)格付け低下のリスク
当社は格付機関により格付けを取得しておりますが、格付機関が当社の格付けを引き下げた場合、当社グループの今後の資金調達金利に悪影響を及ぼすことがあり得ます。
(10)退職給付債務
当社グループは、日本の会計基準に従い、退職給付債務を計上しておりますが、退職給付制度及び退職給付債務等の計算の基礎に関する事項(割引率、長期期待運用収益率等)について再検討する必要が生じる可能性並びに年金資産の運用環境の悪化等から、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(11)自然災害や事故等のリスク
当社グループは、日本及び世界各地に製造拠点等の設備を有しており、大規模な地震、水害等の自然災害や火災等の事故が発生した場合には、設備の損壊、電力・ガス等の供給停止による事業所の機能停止、サプライチェーンの混乱による部材調達難等により、当社グループの経営成績や事業展開に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
1) 財政状態
当連結会計年度末(以下「当期末」という)の総資産は、前連結会計年度末(以下「前期末」という)比で64億1千3百万円増加(前期末比8.4%増)し、827億6千6百万円となりました。内訳としては、流動資産は前期末比11億4千万円増加(同2.2%増)の538億円、固定資産は同比52億7千2百万円増加(同22.3%増)の289億6千5百万円となりました。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が45億9百万円減少した一方、受取手形及び売掛金が28億7千7百万円、たな卸資産が19億9千万円増加したことなどによります。
固定資産については、当社坂戸事業所及び国内子会社工場の建て替えなどにより有形固定資産が前期末比32億2千6百万円増加(前期末比19.0%増)しました。また、無形固定資産が同比8億4百万円増加(同93.7%増加)、投資その他の資産が同比12億4千1百万円増加(同21.1%増)しました。
当期末の負債の合計は、前期末比で20億5百万円増加(前期末比5.3%増)し、397億6千9百万円となりました。内訳としては、流動負債は同比69億4千2百万円増加(同29.9%増)の301億2千9百万円、固定負債は同比49億3千7百万円減少(同33.9%減)の96億4千万円となりました。
有利子負債合計(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・短期リース債務・長期借入金及び長期リース債務の合計額)は156億7千4百万円となり、当社及び海外子会社における借入金の返済により、前期末比で15億7千3百万円減少しました。
当期末の純資産は、前期末比で44億7百万円増加(前期末比11.4%増)し、429億9千6百万円となりました。これは利益剰余金が28億9千2百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は51.48%となりました。また、1株当たり純資産額は519.59円(前期末1株当たり純資産額は468.04円)となりました。
(当連結会計年度における自己資本比率及び1株当たり純資産は、純資産より新株予約権・非支配株主持分を控除して計算した比率を用いております。)
2) 経営成績
当連結会計年度(平成29年4月1日~平成30年3月31日)における世界経済は、地政学的リスクや各国の政治的な緊張感の高まりなどの不安定要素があったものの、全体としては回復基調が継続し、我が国経済も総じて堅調に推移いたしました。当社グループに関わるエレクトロニクス市場では、新興国向けを中心に生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械関連や、電動化・電子化を背景に将来の成長が期待される自動車関連などが好調に推移いたしました。一方で年度後半より、一部部材のマーケットへの供給不足による市場価格の高騰や、銅などの素材価格の値上がり、足元ではスマートフォン市場の成長鈍化や不安定な為替変動などの懸念事項も生じております。
このような状況のもと、当社グループでは「第11次中期経営計画Biltrite Tamura GROWING」で目指す、収益性の向上を第一とした豊かな成長の実現に向け、ITシステムを活用した個別原価管理の徹底、グローバルな生産・販売・開発体制の一層の強化と効率化、製品・市場の見極めによる投資開発効率の向上などに取り組んでまいりました。
その結果、当社グループの当連結会計年度の状況といたしまして、売上高は855億5千8百万円(前期比7.5%増)、営業利益は54億7百万円(同5.7%増)、経常利益は54億8千万円(同7.7%増)と増収増益となり、営業利益は前期に続き二期連続の過去最高益更新となりました。一方、親会社株主に帰属する当期純利益は36億3千万円(同2.6%減)と前期比で減少しております。これは当社の連結子会社間の取引について、移転価格税制に関する追加納付が見込まれる額等を「過年度法人税等」に計上したことが影響しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、売上高はセグメント間の内部売上高を含めており、セグメント利益はセグメント間取引消去及び本社部門負担の未来開発研究費用控除前の営業利益と調整を行っております。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業では、生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械向けのトランス・リアクタ、電動工具や家電・住宅市場向けのチャージャ、エアコン用のリアクタなどが好調に推移いたしました。ハイブリッド自動車・電気自動車などで使用される車載用リアクタの生産・販売も堅調に推移するとともに、同製品の将来の拡大に備え、宮城県の工場建て替えが2018年7月の完成に向けて予定どおり進行しております。しかし年度後半より、一部部材のマーケットへの供給不足による市場価格の高騰や、銅などの素材価格の値上がり、不安定な為替変動などが生じ、売上は堅調ながらも収益性がやや低下いたしました。
その結果、売上高は558億7千4百万円(前期比7.5%増)、セグメント利益は21億9千7百万円(同10.1%減)と、増収減益となりました。
(電子化学実装関連事業)
電子化学事業は、秋口よりスマートフォンの新モデル量産対応を中心にフレキシブル基板用ソルダーレジストの売上が急増いたしましたが、年初以降はスマートフォン販売の減速を受け生産が減少いたしました。一方、車載向けの高信頼性ソルダーペースト・ソルダーレジストは、自動車の電動化・電子化を背景に年間を通じて底堅く推移いたしました。更に、今後のグローバル成長に向けて、平成29年10月に車載関連企業が集積するドイツにおいてはんだメーカーを買収、平成30年10月の完成に向けて成長著しいアセアンエリアの新たな自社生産拠点としてタイにソルダーペースト新工場を建設するなどのアクションを進めました。また、実装装置事業では、自動車関連や電子部品メーカーからの旺盛な需要を受け、リフロー装置が堅調に推移いたしました。
その結果、売上高は254億4千2百万円(前期比7.3%増)、セグメント利益は32億4千4百万円(同9.2%増)と、増収増益となりました。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、前連結会計年度まで続いたセキュリティ機器やワイヤレスマイクロホン関連の需要が一巡したものの、当連結会計年度はキー局の放送設備更新を中心とした音声調整卓(ミキサー)の拡販や、通信事業者向けの監視装置の更新対応が進展いたしました。今後も、放送設備関連については、平成30年12月の4K/8K本放送開始や、その先の東京オリンピック・パラリンピックに向けて旺盛な設備投資需要が期待され、スーパーハイビジョン(8K)番組制作に向けて開発されたデジタル音声卓“NT900”の受注も進んでおります。
その結果、売上高は42億3千2百万円(前期比4.4%増)、セグメント利益は4億9千万円(同52.4%増)と、増収増益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)につきましては、主に投資活動の結果使用した資金が増加したため、前連結会計年度末に比べ46億6千8百万円減少し、146億1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は26億5千2百万円で、前連結会計年度に比べ54億8千7百万円獲得額が減少(前期比67.4%減)しました。これは主に売上債権の増減額及びたな卸資産の増減額が減少から増加へ転じたことなどによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は48億2千2百万円で、前連結会計年度に比べ40億4千5百万円使用額が増加(前期比520.0%増)しました。これは主に坂戸事業所及び国内子会社工場の建て替えや、ドイツ及びタイ子会社の取得に資金を使用したことなどによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は25億7千5百万円で、前連結会計年度に比べ13億9千1百万円使用額が減少(前期比35.1%減)しました。これは主に短期借入金の純増減額が減少から増加へ転じたことなどによります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品関連事業 |
55,864 |
113.2 |
|
電子化学実装関連事業 |
25,165 |
109.3 |
|
情報機器関連事業 |
4,169 |
111.7 |
|
報告セグメント計 |
85,199 |
111.9 |
|
その他事業 |
- |
- |
|
合計 |
85,199 |
111.9 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品関連事業 |
59,968 |
118.1 |
24,264 |
120.3 |
|
電子化学実装関連事業 |
26,611 |
102.3 |
5,813 |
126.9 |
|
情報機器関連事業 |
4,615 |
131.9 |
1,346 |
140.9 |
|
報告セグメント計 |
91,194 |
113.6 |
31,424 |
122.2 |
|
その他事業 |
72 |
122.5 |
- |
- |
|
合計 |
91,267 |
113.6 |
31,424 |
122.2 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
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電子部品関連事業 |
55,874 |
107.6 |
|
電子化学実装関連事業 |
25,378 |
107.7 |
|
情報機器関連事業 |
4,224 |
104.8 |
|
報告セグメント計 |
85,478 |
107.5 |
|
その他事業 |
79 |
134.4 |
|
合計 |
85,558 |
107.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。具体的には、当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)に基づいて作成しており、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づき、新日本有限責任監査法人による監査を受けております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高855億5千8百万円(直前業績予想比1.0%増)、営業利益54億7百万円(同0.1%増)、経常利益54億8千万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億3千万円(同0.8%増)となり、いずれも当社予想に沿って堅調に推移しております。
この結果の背景には、生産設備の強化・自動化で需要が高まる産業機械関連市場や、電動化・電子化を背景に将来の成長が期待される自動車関連市場の好調な推移があります。その一方で、年度後半よりスマートフォン市場の停滞や、一部部材のマーケット供給不足による高騰、銅などの素材価格の値上がりなどにより、収益性がやや低下しております。
このように、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、グローバルな市場環境の変化や、原材料価格の変動などが挙げられます。当社グループでは、連結売上高95%以上をカバーするITシステムによる個別原価管理の徹底により製品・市場の見極めをタイムリーに行うとともに、素材価格の変動による影響を最小化するために、顧客と価格改定ローリングの取り決めを行うなどの対策を進めております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、株主資本を充実し経営基盤の安定化を推進しつつ、資本効率を高めることを方針とし、当社グループの中期経営計画では、資本効率に関する目標として、連結ベースでROE9%以上の確保を目指しています。
足元では、収益性の向上を第一とする中期経営計画のもとで利益確保が進んでおり、この指針を踏まえつつ、将来の事業拡大に向けたタイムリーな投資を進めております。
具体的には、ハイブリッド車・電気自動車などに使用される「昇圧リアクタ」の需要増加への対応を目的に、当社の連結子会社である㈱若柳タムラ製作所の工場建て替え及び設備投資を実施し、平成30年7月に完成する予定となっております。また、平成29年10月末日付けにてドイツのはんだメーカーであるElsold GmbH & Co. KG社の持分100%を取得いたしました。車載関連企業が集積するドイツに新拠点を設置し、欧州エリアにおける電子化学材料の開発・生産・販売の一貫体制の構築を進めております。
なお、運転資金及び設備投資資金につきましては、自己資金及び金融機関からの借入により調達することを基本方針としております。このうち借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などは主に長期借入金で調達しております。
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、当社グループの中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)にて、目標とする経営指標を3点掲げております。まず、収益性の向上を第一として、連結営業利益率7%以上の達成を最上位の目標としております。第2に、資本効率に関する目標として、連結ベースでROE9%以上を確保することを目指します。第3に、当社グループがグローバルに成長していくためには非日系企業との取引拡大が必須として、非日系顧客への売上高比率30%以上を目指します。これら3つの指標は、中期経営計画第2年度となる平成29年度まで順調に推移しており、いずれも中期経営計画最終年度となる平成30年度に計画達成を予想しております。
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平成28年度 実績 |
平成29年度 実績 |
平成30年度 業績予想 |
平成30年度 中期経営目標 |
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営業利益率 |
6.4% |
6.3% |
7% |
7%以上 |
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ROE |
10.0% |
9.0% |
9%以上 |
9%以上 |
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非日系売上比率 |
29% |
29% |
30%以上 |
30%以上 |
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(電子部品関連事業)
電子部品関連事業は、安定収益の確保を課題と捉え、狙った市場・製品への集中、個別原価管理の徹底、地域に根差し製品開発から承認取得をスピーディーに展開する「地開(開発)地承(承認)」の取り組み、などを進めてまいりました。当事業セグメントの中期計画最終年度の目標である営業利益率4.6%が、達成可能ペースで推移しております。
一方で、当事業では将来の更なる成長に向けて㈱若柳タムラ製作所の工場及び坂戸事業所建て替えなどの設備投資を進めております。将来の拡大が期待される車載関連は、足元で生産設備の構築などにタイムリーな投資が必要ながら、市場の本格化は平成31年度後半からを見込んでおり、中長期を見据えた事業戦略・財務戦略の遂行が課題と認識しております。また、当事業セグメントの営業利益率についても、もう一段の改善が必要と認識し、高付加価値製品の拡大や、生産効率の改善、開発効率の改善などの取り組みを進めてまいります。
(電子化学実装関連事業)
電子化学実装関連事業は、当社グループの中においては高い収益性でグループの利益を牽引しております。しかしながら、当事業は日本における生産・開発が多くを占めており、車載関連企業が集積する欧州エリアや、成長著しいアセアンエリアで「地産地消」・「地開(開発)地承(承認)」の体制をこれまで充分に構築できておりませんでした。こうした課題に対応するべく、平成29年10月にドイツのはんだメーカーを買収、平成30年10月の完成に向けてタイにソルダーペーストの新工場建設を進めております。これにより海外に関する業務は現地完結型に移行し、コストの高い日本は付加価値の高い業務に集中するという、事業のグローバル最適配置を進めます。さらに、新拠点を設置した欧州やアセアンエリアなどを通じて、非日系企業への拡販を強化いたします。こうした活動により、当事業は、さらなる収益性の向上と健全な事業拡大が見込めるものと認識し、取り組みを進めてまいります。
(情報機器関連事業)
情報機器関連事業は、前連結会計年度まで続いたセキュリティ機器やワイヤレスマイクロホン関連の需要が一巡したものの、当連結会計年度はキー局の放送設備更新を中心とした音声調整卓(ミキサー)の拡販や、通信事業者向けの監視装置の更新対応が進展し、収益を確保しております。今後についても、平成30年12月の4K/8K本放送開始や、その先の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、放送関連設備の旺盛な設備投資需要が期待されています。しかしながら、当事業の扱う製品は、売上が立つ前の開発に相応の期間と費用を要するものが多く、需要変動が大きいために平準化して収益を確保するのが難しいという傾向があります。市場のニーズを見極め、計画的かつ効率的に製品開発や販売活動を行うことで、財政状態及び経営成績の安定化を図ることを課題として認識し、取り組みを進めてまいります。
(事業分離)
当社は、平成28年10月27日開催の取締役会において、内橋エステック株式会社(以下、「内橋エステック」といいます。)に対して、当社の電子部品関連事業のうち、サーマル事業(温度ヒューズ・温度ヒューズ付抵抗器の製造・販売)及び当社連結子会社(孫会社)であり同事業の製造会社である安全電具(恵州)有限公司の持分を譲渡することについて決議を行い、同日付で事業譲渡契約及び持分譲渡契約を締結しました(当初譲渡予定日 平成29年3月31日)。
その後、事業譲渡及び持分譲渡の実行に向けて準備を重ねて参りましたが、譲渡の準備作業にいましばらく時間を要することとなり、譲渡予定日を両社合意の上で延期いたしました(延期後譲渡予定日 平成30年9月30日)。
当連結会計年度において、内橋エステックとの間で事業譲渡及び持分譲渡の実行に向けての協議が整い、最終契約を締結いたしました。譲渡予定日(平成30年9月30日)の実行に向け、準備作業を進めております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
(企業結合等関係)
当社は、平成29年9月28日開催の取締役会において、Elsold GmbH & Co. KGの持分100%を取得し、子会社化することについて決議いたしました。これに基づき、同年10月5日付で持分売買契約を締結し、同年10月31日付で当該持分を取得しております。
当社は、平成29年10月26日開催の取締役会において、当社OEM先であるESE INDUSTRIES(THAI)CO.,LTD.の株式を取得し、子会社化することについて決議いたしました。これに基づき、同日付で株式売買契約を締結し、同年11月30日付で当該株式を取得しております。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、「オンリーワン・カンパニーの実現」を経営スローガンに、タムラならではの「オンリーワン技術」で市場ニーズに応える製品づくりを目指して、研究開発活動を推進しております。
当連結会計年度における研究開発活動は、車載・IoT・エネルギー関連など、当社グループの中期経営計画で成長戦略に掲げ、市場で期待される技術開発を中心に積極的に進めました。
当連結会計年度における各セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。
なお、研究開発費については、各セグメントに配分できない未来開発研究費用4億5千8百万円が含まれており、当連結会計年度の研究開発費の総額は12億6千8百万円となっております。
① 電子部品関連事業
電子部品関連事業では、車載関連・エネルギー関連など、将来の市場拡大が期待される製品の開発を強化しております。
主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。
・ハイブリッド自動車・電気自動車・燃料電池車などの環境対応車には燃費対策のみならず走行・加速性能も求められ、モーター高出力化が鍵となります。そのためにバッテリ電圧を高める昇圧コンバータが必要となり、この中枢を担うのが「昇圧リアクタ」です。市場のニーズに応える、小型・低損失・静音化を実現した高信頼製品の開発を進めております。
・電流センサでは、超高精度、極小温度ドリフトが特長のフラックスゲート式において、新たに貫通型の「F26シリーズ」を開発しました。また、車載充放電装置の電流監視に最適な「VF03P」や、動作温度範囲を拡張し、大容量PVインバータに適した「L34Tシリーズ」(1500A/105℃)の他、飽和電流をアップさせた「L40Sシリーズ」などのラインアップを揃えました。
研究開発費用は、1億2千4百万円であります。
② 電子化学実装関連事業
電子化学実装関連事業では、車載市場・IoT市場を中期成長戦略に掲げ、電子化学材料から実装装置まで、エレクトロニクス実装における幅広い分野においてコア技術開発・製品開発を推進しております。
主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。
・ハイブリッド自動車・電気自動車などにおける機電一体化ECUでは、より一層厳しいヒートサイクル基準が求められます。高信頼性ソルダーペースト「TLF‐GTS‐VR6シリーズ」では、-40⇔125℃/3000Cycleの過酷な条件でも連結亀裂の未発生を達成しました。
・過酷環境下において信頼性が要求される車載機器基板向けに、高信頼性アルカリ現像タイプ液状ソルダーレジスト「DSR‐2200ACR」を開発いたしました。ハロゲンフリーで印刷タイプのソルダーレジストです。高温低温の過酷環境下での塗膜のクラックの発生を抑え、更に耐熱性及び絶縁信頼性、密着性などの長期信頼性を向上させております。
研究開発費用は、3億4百万円であります。
③ 情報機器関連事業
情報機器関連事業では、平成30年12月の4K/8K本放送開始や、その先の東京オリンピック・パラリンピックに向けた放送関連設備の設備投資需要や、多様化する情報サービスのニーズに対応した開発を推進しております。
主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。
・音声調整卓のラインアップに「NT880Gシリーズ」を新たに加えました。「NT880Gシリーズ」は、オーディオネットワーク(IP)対応となっており、20フェーダー単位のフレームに操作パネルを自由にレイアウトする設計となっております。またスイッチングハブを経由することで、操作卓から離れた場所にも操作パネルを設置することができます。大・中・小3種類のフレームを用意しており、一番大きなフレームは、フェーダーユニットを縦2列に並べるデュアルフェーダースタイルにすることも可能です。
研究開発費用は、3億8千2百万円であります。
④ 未来開発関連事業
未来開発関連事業では、当社のカーブアウトベンチャーであり、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)の技術移転ベンチャーとしての認定会社である、㈱ノベルクリスタルテクノロジーと共同で酸化ガリウムを用いたパワーデバイスの開発を推進しております。
主な研究開発内容と開発成果は次のとおりであります。
・㈱ノベルクリスタルテクノロジーと共同で、酸化ガリウムを用いた超低消費電力ショットキーバリアダイオードの開発に成功しました。開発した電力用ダイオードは、現在市販されているシリコンカーバイド(SiC)を用いたダイオードよりも消費電力を40%低減することができ、さらに低コストで製造可能なことから、これまでシリコン(Si)やSiCが用いられてきた家電製品から大電力の産業機器まで、様々な電気機器の大きな省エネルギー効果が期待できます。
・㈱ノベルクリスタルテクノロジーと共同で、酸化ガリウムホモエピタキシャル膜を用いたトレンチMOS型パワートランジスタの動作実証に世界で初めて成功しました。本成果により酸化ガリウムダイオードとトランジスタが揃ったことで、パワーデバイスの応用先として最も市場の大きなインバータの作製が可能となり、酸化ガリウムパワーデバイスの本格普及に向けて大きく前進しました。超高輝度・ハイパワー白色光源に適したYAG単結晶蛍光体の開発を推進しております。
研究開発費用は、4億5千8百万円であります。