第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における経済環境としては、米国の景気回復が持続し、欧州では消費の増加が見られました。また、中国も景気が持ち直すなど、全体として緩やかな回復傾向で推移しました。日本経済においても、海外需要の増加を受けて緩やかな景気回復が続きました。当社製品の販売先であるエレクトロニクス市場におきましては、オーディオを中心としたAV関連製品が減少し、プリンターなどのオフィス機器向け市場も低調な推移となりましたが、中国を初めとしたアジア地域におけるインバータ搭載の省エネタイプ白物家電の需要の高まりや、欧州における自動車市場の回復、中国の補助金政策延長による下支えなどから、グローバルな市場拡大を見せ、概ね堅調に推移しました。
 こうした中、当社では「成長市場への注力」及び「財務体質強化」を基本方針に掲げ、エコ・省エネ、グリーンエネルギー関連の戦略市場に焦点を当てた新製品開発に注力し、売上の拡大、収益力向上に努めるとともに、棚卸資産の圧縮に注力し、有利子負債の削減に取り組んでまいりました。
 当連結会計年度の業績につきましては、半導体デバイス事業で、海外市場を中心に白物家電向け製品や自動車向け製品の販売が好調に推移したことなどから、連結売上高は1,587億72百万円と、前連結会計年度と比べ28億52百万円(1.8%)増加いたしました。損益面につきましては、円高で推移した為替相場の影響を受け、連結営業利益は59億30百万円と、前連結会計年度比8億73百万円(12.8%)減少いたしました。しかしながら、前期に比べ営業外損益が改善し特別損失が減少したことから、連結経常利益は50億26百万円と、前連結会計年度比12億34百万円(32.6%)増加し、親会社株主に帰属する当期純利益は17億39百万円と、前連結会計年度比15億67百万円(914.0%)の増加となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次の通りであります。

 

①半導体デバイス事業

当事業におきましては、AVやプリンターを中心としたオフィス機器向け製品の売上は減少しましたが、エアコンや洗濯機などの白物家電向け製品や自動車向け製品の好調な販売により、当事業の連結売上高は1,293億22百万円と、前連結会計年度比42億5百万円(3.4%)増加いたしました。一方、損益面につきましは、円高で推移した為替の影響を受け、連結営業利益は92億51百万円と、前連結会計年度比で横ばいに留まりました。

②PM事業

当事業におきましては、自動車向け製品の販売が拡大したこと等により、当事業の連結売上高は161億53百万円と、前連結会計年度比2億30百万円(1.5%)増加いたしました。しかしながら、損益面につきましては、製品ポートフォリオの転換と固定費削減を柱とする構造改革が推進途上であることから、連結営業損失3億84百万円(前連結会計年度 営業損失9億73百万円)を計上する結果となりました。

 

③PS事業

当事業におきましては、通信市場向け製品の販売減が続いたことに加え、新エネルギー市場向け製品の販売が低迷したこともあり、売上が落ち込みました。この結果、当事業の連結売上高は132億96百万円と、前連結会計年度比15億83百万円(10.6%)減少いたしました。損益面につきましても、売上高減少に伴い連結営業損失1億80百万円(前連結会計年度 営業利益9億73百万円)を計上する結果となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の残高は、222億37百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億91百万円の増加となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、192億37百万円のプラスとなり、前期に比べ114億37百万円の収入増となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加による収入の増加、仕入債務の増加による支出の減少によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、109億31百万円のマイナスとなり、前期に比べ4億13百万円の支出減となりました。これは主に、有形固定資産の取得に係る支出の減少によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、33億60百万円のマイナスとなり、前期に比べ84億5百万円の収入減となりました。これは主に、社債の償還を行ったことによるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

半導体デバイス事業

128,194

100.4

PM事業

15,625

105.7

PS事業

13,461

95.5

合計

157,281

100.4

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格で表示しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

半導体デバイス事業

134,693

103.4

30,749

121.2

PM事業

15,884

96.7

1,658

85.0

PS事業

13,691

92.4

3,739

111.8

合計

164,270

101.7

36,148

117.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前年同期比

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

増減率(%)

半導体デバイス事業

125,117

80.3

129,322

81.4

4,205

3.4

PM事業

15,922

10.2

16,153

10.2

230

1.5

PS事業

14,879

9.5

13,296

8.4

△1,583

△10.6

合計

155,919

100.0

158,772

100.0

2,852

1.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 相手先別販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため、相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合の記載を省略しました。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営方針

当社では、歩むべき方向性を明確にするため、経営理念を2003年4月に制定しております。この理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境との調和に対する着実な対応を通じて企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

当社では、2015年4月から向こう3ヵ年にわたる中期経営計画(以下、「15中計」といいます。)を策定しており、計画最終年度である2018年3月期につきましては、2017年3月期の業績並びに次期における為替相場を含む経営環境の見通し等を踏まえ、目標値を連結売上高1,590億円、連結営業利益73億円といたしました。今後、計画の達成に向け、グループ一丸となって邁進してまいります。
 なお、現在、当社グループでは、更なる成長目標の実現に向け、次期中期経営計画の策定に着手しております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

15中計では、12中計で定めた内容と精神を踏襲し、事業ドメインを「Power Electronics」と定めております。この分野におきまして、当社は、エコ・省エネ技術(Eco-Solutions)を武器に、グローバルに市場を拡大(Expansion)し、開発・生産・販売・人材の各要素を進化(Evolution)させ、一段上の企業像(Next Stage)を目指すべく、スローガンにつきましては、「Power Electronics for Next“E”Stage」と定めております。本計画では、10年後における業界上位の地位構築と競争力ある規模の実現を長期的な見通しとして設定しており、この長期的見通しを実現するための中期目標を15中計で設定しております。15中計達成に向けた計画の基本方針につきましては以下に記載の通りです。

 

15中計の基本方針

 

1)真のグローバル企業への転換による企業体質の変革
 ・グローバル市場の攻略に向けた事業戦略の展開
 ・市場ポートフォリオの着実な転換による企業収益力の向上
 ・国内外生産拠点における投資効果の追求と最適地生産の実践
 ・車載品質の確保、グローバル品質管理体制による顧客信頼度の向上
 ・グローバル調達体制の強化と最適地調達の実践
 ・グローバル人材の育成ならびにグループ間ローテーションの実行
 ・開発・生産・販売拠点におけるローカルスタッフの育成と積極活用
 2)エコ・省エネ、グリーンエネルギー市場を核とした成長戦略の実現
 ・車載、白物家電、モータ、産機・通信、LED照明など成長するエコ・省エネ市場への積極展開とシェアの確保
 ・市場構造の変化に対応した成長市場へのリソースのシフトと新製品投入
 ・パワー半導体デバイス(MOS、IGBT、SiC、GaN等)およびこれらを用いたモジュール製品の事業化
  の推進
 ・新製品開発の促進、生産・販売拠点の拡充によるセンサー事業の着実な成長
 ・産機・通信をはじめとする特定市場向け汎用品ビジネスの拡大
 ・グリーンエネルギーおよび社会インフラ市場への商品展開
 ・トータルソリューションの提供による差別化戦略の促進
 3)技術マーケティングの強化と効率的な開発マネジメントの実現による新製品開発の促進
 ・技術マーケティングによる用途開拓と市場拡大
 ・開発テーマの選択と集中および開発管理機能の強化
 ・要素技術開発と製品開発の機能分離による開発効率の向上
 ・標準パッケージの活用拡大による投資効率の向上と開発期間の短縮
 ・各部門が有する固有技術の融合による新領域製品の拡大
 ・次世代キーデバイス開発および製品化の加速

4)革新的ものづくりの追求とグローバル販売体制の強化による競争力の向上
 ・要素技術力、製造技術力、生産技術力の結集による生産性向上とコスト競争力の強化
 ・社外技術の積極導入、省人化・自動化ラインの構築
 ・生産拠点およびサプライチェーンにおけるBCPの充実
 ・販売・FAE機能の拡充、代理店の増強、現地人材の育成と抜擢を軸とするグローバル市場対応力の強化
 ・販売チャネルの拡充による新規顧客の開拓
 ・マーケティング強化による既存市場・既存製品での新規需要の掘り起こし
 5)グループリソースの最大活用と財務体質の強化
 ・グループ内重複機能の融合、最適化による経営効率の向上
 ・若手、女性、外国人の抜擢、制度改革、教育の充実による企業風土の刷新
 ・社員一人ひとりの生産性向上
 ・サンケン、アレグロ、ポーラー 3社による高付加価値製品の共同開発
 ・新基幹システム(PHOENIX)の最大活用
 ・投資回収の早期実現と棚卸資産の圧縮による有利子負債の削減
 ・グループ全社でのCSR意識の醸成と実践
 

(4)会社の対処すべき課題

今後の世界経済を概観しますと、米国や欧州では個人消費の堅調な回復が見込まれますが、その一方で今後も不確実性の高いイベントが続くと見込まれています。中国も、底堅い景気回復が期待される一方で、金融リスクが経済全般に拡散する懸念が表明されています。日本では、景気回復の継続が期待されますが、海外に不安定な要素が多く、先行きは不透明と言わざるを得ません。しかしながら、当社製品が関連する市場では、車載製品において低燃費・低排ガス・安全性強化を目指した用途が拡大し、その結果、1台あたりの半導体使用個数が増加し、グローバルでの底堅い自動車需要の継続が期待できるほか、インバータ化進展に伴う新興国向け白物家電の需要増などが見込まれており、関連するエレクトロニクス製品の需要も堅調に推移して行くことが想定されます。
 こうした中、当社では「2015年中期経営計画」の最終年次を迎え、今期の計画達成と将来に向けた成長戦略実現のため、①開発力・ものづくり力・販売力の向上と②品質保証体制の強化を狙いとして、本年4月1日付で組織基盤の整備を実施しました。まず、半導体デバイス事業領域では、技術開発のリソースを増強するとともに、新製品の開発活動を戦略市場・戦略商品に絞り込むことで、技術開発の効率化とリードタイム短縮を図ります。また、生産面における利益創出力の強化を目指し、原価低減活動及び生産改革活動のそれぞれにつき推進機能を整備しております。品質保証面では、製品の品質、製造における品質、それぞれの対応機能ごとに組織を再編し、品質保証体制の更なる強化を図っております。次に、パワーシステム事業領域では、パワーモジュールとパワーシステムの両部門を統合し、重複機能の削減を進めるとともに、パワーモジュールのコスト低減力、パワーシステムの品質作り込み力といった双方の強みを生かして、最適な事業構造へ転換すべく、戦略商品への開発リソース集中と市場別マーケティング機能の強化に向けて組織の再編・追加を実施しております。営業・販売の領域においては、販売チャネルの強化・拡充に向け、組織の組換えを行うとともに、顧客・案件の管理システムを整備し、戦略市場での売上拡大を目指してまいります。
 この新組織体制の下、利益拡大に向けた構造改革とタイム・ツー・マーケット短縮を狙った業務改革を推し進め、エコ・省エネに関わる新興市場や車載・白物・産機のグローバル市場といった戦略的に注力すべき市場において、①新製品の売上拡大を実現するとともに、②原価低減活動を通じた利益確保、③在庫及び有利子負債の削減による財務体質強化といった喫緊の課題に注力してまいります。こうした取り組みを通じて、当社グループは、今年度の計画達成に向け一致団結して邁進して行く所存です。

 

 

当社では、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を次の通り定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次の通りです。

 

(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 上場会社である当社の株式については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められているため、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方は、最終的には株主の皆様の意思により決定されるべきであり、当社株式に対する大規模な買付行為に応じて当社株式を売却するかどうかの判断も、最終的には当該株式を保有する株主の皆様の意思によるべきものと考えます。
 しかしながら、当社及び当社グループの経営にあたっては、独自のウエーハプロセスや半導体デバイスの製造技術、また回路技術を駆使した電源システムとオプティカルデバイスの組み合わせなど、幅広いノウハウと豊富な経験が必要になります。更に、お客様・取引先及び従業員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であり、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者に、これらへの理解が無い場合、将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできず、当社の企業価値及び株主共同の利益が著しく損なわれる可能性があります。
 また、大規模な買付行為の中には、高値で株式を会社関係者に引き取らせる行為など、株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合もあります。この様な場合、当社は当該大規模買付行為の是非に関し、株主の皆様に適切にご判断いただくため、大規模買付行為を行おうとする者に対し、必要な情報の提供を求めるとともに、適切な情報開示や株主の皆様が検討に必要とする時間確保にも努め、また、金融商品取引法、会社法その他関係法令の許容する範囲内において、適切な措置を講ずるべきと考えております(以下「基本方針」といいます。)。

 

(2)  基本方針実現のための企業価値向上に向けた取組み

 当社では、経営理念に則り、半導体をコアビジネスに技術力と創造力の革新に努め、独自技術によるグローバルな事業展開を進めるとともに、企業に対する社会的要請や環境調和への着実な対応を通じて、企業価値を最大限に高めるべく、確固たる経営基盤の確保に邁進しております。更に、中長期的な会社の経営戦略として、3ヶ年にわたる中期経営計画を策定しており、その実現に向け、グループを挙げて取組んでおります。

 また、当社では、独立系パワー半導体メーカーというポジションと、それを最大限活用する経営方針・経営計画へのご理解を深めて頂くため、各ステークホルダーとの対話を緊密化させ、企業価値への適正な評価が得られるように努めております。

 コーポレート・ガバナンス体制の強化としては、独立社外取締役の選任により取締役会の監督機能を強化するとともに、執行役員制度を通じ機動的な業務執行体制の構築、マネジメント機能の強化を推進しております。加えて、経営環境の変化に迅速に対応できる経営体制の実現と、事業年度における取締役の経営責任の明確化を図るため、取締役の任期を1年としております。

 当社取締役会は、これら取組みが、当社の企業価値を向上させるとともに、当社株主共同の利益を著しく損なう様な大規模買付行為の可能性を低減させると考えております。従って、これら取組みは基本方針に沿ったものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えております。

 

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成29年3月31日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。

 

(1) 戦略リスク

①新製品開発

当社グループは、技術進歩や製品サイクルの変化が著しいエレクトロニクス業界にあって、市場のニーズに合った製品を開発し、市場に投入していく必要があります。当社グループは常に市場動向を把握し研究開発に取組んでおりますが、製品のタイムリーな市場投入が出来なかった場合あるいは製品が市場に受け入れられなかった場合、当社グループの収益性が低下し業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②価格競争

エレクトロニクス業界における価格競争は、激化の一途を辿っております。特に中国をはじめ東南アジアを生産拠点とする競合企業の台頭は当社製品の価格決定に大きな影響を及ぼしております。価格競争は今後とも厳しさを増していくものと予想されますが、当社グループは一層の原価低減に努めるとともに、当社固有の技術を生かした付加価値の高い製品を市場投入することなどによってこれに対応してまいります。しかしながら、当社の価格引下げへの対応力を上回るような競合企業による低価格製品の出現あるいは取引先の需要の変化があった場合、当社グループの収益性を低下させ、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③資金調達

当社グループは、設備投資、研究開発などのための必要資金の調達方法として、社債の発行、コマーシャル・ペーパーの発行、コミットメントライン契約、銀行借入等を行っております。当社に対する債券市場あるいは金融機関からの信用が低下した場合、こうした資金調達手段が制限されるか、もしくは調達コストが上昇し、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④知的財産権

当社グループは、自ら開発した技術とノウハウを用いて競合他社との製品の差別化を図っており、これら独自の技術を保護するために必要に応じてでき得る限り知的財産権の出願、登録を行っております。しかしながら海外の国、地域によっては、知的財産権による保護が不十分な場合があり、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。一方、当社グループの事業に関連した知的財産権が第三者に成立した場合、または、当社グループの認識し得ない知的財産権が存在した場合においては、知的財産権を侵害したとの第三者の主張に基づき、ロイヤリティーの支払要求、当該知的財産権の使用禁止もしくは訴訟の提起がなされ、これらにより費用負担の増加が生じまたは製品の開発・販売が制限される可能性があります。

 

(2) 外部環境リスク

①経済環境

当社グループは、日本国内のほか、アジア、北米、欧州等の海外各国、地域において生産を行っており、連結ベースの生産高に占める海外生産高の割合は平成27年3月期が52.3%、平成28年3月期が56.4%、平成29年3月期が57.5%となっております。また、連結ベースの海外売上高は平成27年3月期が58.3%、平成28年3月期が61.4%、平成29年3月期が61.7%となっております。このため当該各地域における経済動向などの環境変化により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

②為替

当社グループの業績には、海外各国、地域における生産と販売が含まれており、当該各国、地域における現地通貨もしくは米ドルにて会計処理を行っていることから、円換算時の為替レートにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループの売上高に占める輸出比率は平成27年3月期が39.0%、平成28年3月期が41.1%、平成29年3月期が42.7%となっており、このうち外貨建比率は平成27年3月期が91.6%、平成28年3月期が91.0%、平成29年3月期が91.1%となっております。かかる取引に伴う為替変動リスクに対して、当社グループは、製品並びに原材料の海外調達の拡大による債権債務・取引高のバランスヘッジ並びに為替予約取引等によりリスクヘッジを行い、米ドル及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしております。
 さらに当社グループが生産を行う国、地域の通貨価値の上昇は、製造と調達のコストを押し上げる可能性があります。コストの増加は、当社グループの利益率と価格競争力を低下させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 内部環境リスク

①法的規則

当社グループは、日本を含め世界14の国、地域に生産・販売拠点を有し、各国、地域の定める様々な法令、規則、規制等(以下、「法的規制」)の適用を受け、事業が成立しております。加えて、当社グループが全世界において生産・販売等に必要な技術・製品・材料等の輸出入につきましては、展開する各国、地域の定める関税、貿易、為替、戦略物資、特定技術、独占禁止、特許、環境等に関する法的規制の適用を受け、事業活動を展開しております。万一、これらの法的規制を遵守できなかった場合、当社グループの事業活動が制限されることはもとより社会的信用の低下を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

②品質問題

当社グループは、顧客の品質基準及び当社の品質基準を満足する各種製品を供給しております。品質管理体制を維持向上させるために品質管理に関する国際基準ISO9001の認証を取得し、必要に応じてUL規格等、製品の安全規格への適合認定も取得しています。しかしながら、将来、全ての製品について欠陥がなく、また製品の回収、修理等が発生しないという保証はありません。大規模な製品の回収、修理等及び損害賠償責任につながるような製品の欠陥は、多額のコストや社会的信用の低下を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③環境問題

当社グループは、各生産拠点が存在する国、地域の環境汚染、公害防止に関する法的規制を遵守することはもちろん、環境保護に関する国際基準ISO14001の取得を進めるなど、環境対策に取組んでおります。また、製品の製造過程で使用する環境負荷物質及び製品に含有する環境負荷物質の把握・削減に努めております。これらの規制を遵守できなかった場合、環境負荷物質を大量漏洩させる事故を起こした場合、あるいは含有が禁止されている環境負荷物質を製品から排除できなかった場合、その改善のために多額のコストが生じるほか、事業活動の制限、顧客への賠償責任、社会的信用の低下を招き、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

上記項目のほか、当社製品が使われるエレクトロニクス製品の技術動向や市場環境が激変することで、当社製品に対する需要が減少する可能性があります。また、原材料の高騰や、生産拠点、資材調達先における天災、火災、社会、通信インフラ障害の発生等、さまざまな災害の発生に加え、各国、地域の法令、税制等の大幅な変更や戦争、テロ、疫病の蔓延など、予期し得ないカントリーリスク、更には、製品の欠陥による人命、社会環境、企業活動への影響と、これによる訴訟・賠償等のリスク、退職給付債務の算定基礎率の変動や、情報システムの拡大による個人情報を含む会社情報の不正使用に伴うリスクが発生する可能性があります。
 これらリスクのいずれかあるいは複数が発生し、結果として社会的信用の低下や事業活動の停滞、多額の損失の発生などにつながった場合、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは事業ドメインを「Power Electronics」と定め、この分野において一段上の企業像を目指すべく研究開発活動を進めております。基本方針としては、エコ・省エネ、グリーンエネルギー市場を核とした成長戦略の実現及び技術マーケティングの確立と効率的な開発マネジメントによる新製品開発の促進を掲げ、研究開発に取り組んでおります。また、一部の連結子会社にも研究開発部門を設けております。当連結会計年度における研究開発費の総額は売上高の10.08%に当たる159億98百万円であります。
 セグメントごとの研究開発活動を示すと次の通りであります。

 

(1) 半導体デバイス事業

半導体デバイス事業においては、製品開発における技術マーケティングの導入により成長市場へのシフトを担う製品開発に注力するとともに、開発工程管理の強化により開発スピードのアップを図っております。また、成長著しい新興国向けの汎用品の製品開発にも積極的に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発の主な成果は次のものがあります。

・TinyDSP及びA/D変換器やコンパレータなど周辺機能との密接な連携により、デジタル制御電源に必要なリアルタイム処理を低遅延で実行、ゼロ時間でタスク切替えが出来る16ビット・プロセサ デジタル制御電源向けイベント・プロセシング・ユニットEPUを開発

・過熱時に働く保護動作温度を抵抗1本で調整可能、仕様に合わせた設計が容易にでき、生産性の改善や自動実装化要求に応える表面実装型高圧三相モータドライバIC SX1Aシリーズを開発

・IPM内部にサーミスタを搭載することで、より正確にパッケージ温度を測定することが可能、出力性能を最大限に発揮しながら、安全にモータの回転制御を行うことができる高圧三相モータドライバIC SCM3000シリーズを開発

・Xコンデンサ放電機能を搭載し、無負荷時電力規制・効率規制・安全規格に適合した超低スタンバイ電力対応AC/DC電源用IC SSC3S241CA, SSC3S927を開発

・最大50Aの電流に対応、低熱抵抗、絶縁距離確保、低ノイズ特性を実現したハイブリッド車・電気自動車のエアコンシステムに最適な高耐圧HVモータ用IC SAE6500シリーズを開発

・薄厚ウエハ加工技術と最適化したセル構造により、高速性とトレードオフ関係にあるコレクタ エミッタ間飽和電圧を抑えることに成功、最大100kHzの高速スイッチングを実現するフィールドストップ(FS)型IGBTを開発

・VF低減と同時にIRの上昇抑制を実現、車載向けオルタネータの高効率化に対応した交絡構造のPNダイオードSG-17NNJ23を開発

・NEDOの「低炭素社会を実現する新材料パワー半導体プロジェクト」にて、SiCパワーデバイスの性能を十分に活用するために必要な低インダクタンスを実現するフリップチップ技術、サージ電圧を低減するスナバ回路を開発、それらを応用した高温動作SiCパワーモジュールを開発

・LED照明の調光調色は、色温度が異なる2種類のLEDと2台の調光電源を用いる制御方法が一般的であるが、この場合、PWM調光器での制御が難しくなる。調光制御を電源側、調色制御をモジュール側で行い、2台必要であった調光電源を1台にすることができ、PWM調光器での制御を容易にする汎用型LED照明用調色モジュールを開発

・従来のMD製品に内蔵している「CPU+TinyDSP」に加え、専用コア「EPU」を新規搭載し、電源のマルチタスク処理を更に強化したデジタル制御電源専用マイコンMD6603を開発

・独自のライフタイムコントロール技術により、低ノイズを維持しながら低損失を実現したリカバリ特性改善MOS FETを搭載、キャリア周波数が高く軽負荷時の効率が重視されるファンモータ用途において省エネに貢献する制御IC SLA6871MZを開発

・ホール素子対応の入力インターフェース、FG出力、保護機能を搭載した3相ブラシレスモーター駆動用IC SI-663xMシリーズを開発

・最大16個のLED直列駆動が可能、それぞれのLEDのオープン、ショート機能を搭載し、その故障信号をCPUに伝達できる自動車ヘッドライト向け高輝度マトリクスLEDバイパススイッチIC SPF5047を開発

・電流検出機能と電流PWM制御機能を有した高精度電流リニア制御用ハイサイドスイッチIC SPF5045を開発

 

・全負荷範囲の効率向上のため、負荷に応じて自動的にグリーンモード、バースト発振モードに切替え、充実した保護機能によりコストパフォーマンスの高い電源システムを容易に実現できるパワーMOSFETと電流モード型PWM制御ICを1パッケージにしたPWM型スイッチング電源用パワーIC STR6A100シリーズを開発

・高効率スタンバイ機能、デッドタイム自動調整機能や共振外れ検出機能等、充実した保護機能を搭載し、コストパフォーマンスが高く小型・高効率・低ノイズの電源システムを容易に構成可能、ハイサイドのパワーMOSFETをドライブするフローティングドライブ回路を内蔵したLLCタイプの電源共振型電源用制御IC SSC3S927を開発

・待機状態の多い電子機器において軽負荷時にはパルススキップ動作を行うことで超高効率を実現、過電流保護、低入力禁止、過熱保護等の保護機能を有したパワーMOSFET内蔵の同期整流型チョッパレギュレータIC NR260シリーズを開発

・アルミダイカスト材への圧入に対応、高耐熱・高寿命保証のプレスフィット型ツェナーダイオード SG-C17VVZ27を開発

・トレンチ構造を採用し、従来製品と比べ順方向電圧特性と漏れ電流特性を改善、電源の回路効率の向上や高周波数化を実現したショットキーバリアダイオード FMETシリーズを開発

・小型パッケージでありながら高輝度と長寿命を実現、狭いスペースでも搭載可能で車室内インテリアに最適なミニバスタブLED2414(SEP1**1816DA, SEP1**1810DA,  SEP1**1820DAシリーズ)を開発

・高効率LEDと専用電源を採用することで従来の電源内蔵型直管形LEDランプから約30%の効率向上を達成、拡散性の高いカバーを使用することでLEDイメージを抑えてムラのない発行を実現した高効率電源内蔵型直管形LEDランプ NVL12P11N0CSを開発

 

なお、GaNデバイスに関しては、NEDO基盤技術研究促進事業(民間基盤技術研究支援制度)「電源用GaN on Si 電子デバイスの研究」で得られたGaN on Si 技術を活かし、HEMT構造の横型デバイスの量産中で、より低コスト化のため、歩留改善に取り組んでおります。バルクGaN基板を用いた縦型デバイスでは、JST研究成果展開事業(スーパークラスタープログラム)に参加し、横型デバイスを超える性能向上の検討を進めております。
 SiCデバイスに関しては、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の高温実装技術テーマにおいて、SiCデバイスの高耐熱実装実用化に向けた技術開発を進めております。並行して、NEDO「太陽光発電システム効率向上・維持管理技術開発プロジェクト/太陽光発電システム効率向上技術の開発/次世代長寿命・高効率ACモジュール開発」を受託開発しており、高効率・高信頼性のSiCモジュールの開発を進めております。

 

半導体デバイス事業に係る当連結会計年度の研究開発費は147億78百万円であります。

 

(2) PM事業

PM事業においては、対応市場及び製品構成の組み替えによる利益体質の確立をテーマに、エコ・省エネ、産機・新市場への拡販並びに高付加価値製品の開発に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発の主な成果は次のものがあります。

・大電流・高速負荷応答性を備え、PMBus対応のハイパワー・高効率なPOL用DC/DCコンバータ BR211を開発

 

PM事業に係る当連結会計年度の研究開発費は3億29百万円であります。

 

(3) PS事業

PS事業においては、グリーンエネルギーをキーワードに「発電・送配電・消費・蓄電」の分野への事業拡大を図るとともに、高効率変換技術を追求して継続的な新商品創出に取り組んでおります。当連結会計年度における研究開発の主な成果は次のものがあります。

・システム全体のエネルギー効率を高め、省エネ化・低コスト化が期待されている高電圧直流給電システムに対応、出力容量1500Wの電源装置を開発

・再生可能エネルギーで作られた電気を蓄え安定供給を実現、蓄電池と充放電用DC/DCコンバータユニット、太陽光発電用パワーコンディショナを直流回路で接続した50kW級の蓄電池併設太陽光発電システムを開発

・発電量や異常状態等の各種情報をインターネットを介し遠隔地より監視可能、運転停止や出力制限等の制御機能を搭載した太陽光パワーコンディショナ遠隔監視・制御装置 PPS-OP05を開発

・高機能バイパス回路切換方式を採用し、故障時でも無瞬断切換を行い、出力を遮断することなく運転を継続できるバイパス回路付並列DC/ACインバータ装置 SDA502-D/48-N/5 を開発

・電源管理I/Fボードに対応、高品位でありながら可用性の高い良好な電力が供給でき、低背型でキャスター移動が可能な常時インバータ給電方式の中容量汎用UPS SNU-A103TT22, SNU-A103(752)TS2Xを開発

・独自の高周波回路により、高効率・小型化を実現、遠隔監視装置と組み合わせることでスケジュール運転が可能な蓄電池併設太陽光発電システム用DC/DCコンバータEMD620-051N450A1を開発

 

PS事業に係る当連結会計年度の研究開発費は8億90百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの財政状態、経営成績については以下の通り分析しております。
  なお、本項に記載した将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年6月23日)現在において判断したものであり、不確実性を内在しているため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もありますのでご留意ください。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

経営成績に関する分析を示すと、次の通りであります。

①売上高及び営業損益

当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ28億52百万円(1.8%)増1,587億72百万円となりました。これは主として、半導体デバイス事業で、海外市場を中心に白物家電向け製品や自動車向け製品が好調に推移したことなどによるものであります。

当連結会計年度の売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ27億56百万円(2.4%)増1,178億69百万円となりました。売上原価率は前連結会計年度に比べ0.4ポイント悪化し、74.2%となりました。 
 当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ9億68百万円(2.8%)増349億72百万円となりました。これは主として、人件費の増加によるものであります。売上高販管費比率は前連結会計年度に比べ0.2ポイント悪化して22.0%となりました。
 この結果、当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ8億73百万円減59億30百万円となりました。 

なお、セグメント別の状況につきましては「第2 事業の状況 1 業績等の概要」に記載の通りであります。

②為替変動の影響

当社グループの海外売上高は979億61百万円で、連結売上高総額の約61.7%を占めており、そのほとんどを米ドル建で取引しております。また、主要な在外連結子会社の財務諸表は米ドル建で作成されております。このため、為替相場の変動は、円高が売上減少、円安が売上増加の方向に影響する傾向があります。
 一方、原価面でみますと、ほぼ同じ外貨ボリュームがあることから、売上高への影響額は利益段階では縮小することになります。

 

③営業外損益及び経常損益

当連結会計年度の営業外損益は、前連結会計年度に比べ21億7百万円損失(純額)が減少し、9億3百万円の損失(純額)となりました。これは主として、当期に為替差損の発生及び製品補償費が減少したことなどによるものであります。
 この結果、当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度に比べ12億34百万円増50億26百万円となりました。

 

④特別損益

当連結会計年度の特別損益は、前連結会計年度に比べ12億79百万円損失(純額)が減少し、4億44百万円の損失(純額)となりました。これは主として、前期に事業構造改革費用及び薬液異常対策損失を計上したこと、並びに当期に固定資産処分損を計上したことなどによるものであります。

 

 

⑤親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度に比べ15億67百万円増17億39百万円となりました。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループにおきましては、為替変動に加え、世界的な市況、価格競争の激化、新製品の開発・投入及びその成否、他社との提携等の成否、特許・使用許諾・その他の知的財産権、特定顧客への依存、法的規制、災害などが経営成績に重要な影響を与える要因と認識しております。

 

(4) 戦略的現状と見通し

当社グループでは、平成27年4月から向こう3ヶ年に亘る中期経営計画(以下、「15中計」といいます。)を策定しております。15中計では、12中計で定めた内容と精神を踏襲し、事業ドメインを「Power Electronics」と定めており、この分野におきまして、エコ・省エネ技術(Eco-Solutions)を武器に、グローバルに市場を拡大(Expansion)し、開発・生産・販売・人材の各要素を進化(Evolution)させ、一段上の企業像(Next Stage)を目指すべく、スローガンにつきましては、「Power Electronics for Next "E" Stage」と定めております。本計画の基本方針は、以下の通りです。
 ①真のグローバル企業への転換による企業体質の変革
 ②エコ・省エネ、グリーンエネルギー市場を核とした成長戦略の実現

③技術マーケティングの強化と効率的な開発マネジメントの実現による新製品開発の促進
 ④革新的ものづくりの追求とグローバル販売体制の強化による競争力の向上
 ⑤グループリソースの最大活用と財務体質の強化

 次期につきましては、海外経済の先行きに不確実性があるものの、当社製品が関連する市場では、白物家電や自動車関連向けの製品における需要の底堅い推移が期待されます。こうした状況下、当社では、「2015年中期経営計画」に則り、業績向上と財務体質の強化に向け、全社一丸となって取り組んでまいります。

 

(5) 財政状態の分析

①資産の部

当連結会計年度末の資産合計額は、前連結会計年度末に比べ20億11百万円減1,827億円となりました。これは主に、現金及び預金が46億24百万円増加し、固定資産合計が22億22百万円、原材料及び貯蔵品が9億20百万円、仕掛品が7億59百万円、その他流動資産が25億55百万円減少したことなどによるものです。

 

②負債の部

当連結会計年度末の負債合計額は、前連結会計年度末に比べ27億88百万円減1,279億63百万円となりました。これは主に、コマーシャル・ペーパーが110億円増加した一方で、1年内償還予定の社債が減少し、社債が増加した結果、ネットで159億円減少したことなどによるものです。

 

③純資産の部

当連結会計年度末の純資産額は、前連結会計年度末に比べ7億76百万円増547億36百万円となりました。これは主に、利益剰余金が17億39百万円増加し、為替換算調整勘定が9億34百万円減少したことなどによるものです。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フロー

当社グループの資金状況は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、192億37百万円の収入(対前年度差114億37百万円増)となりました。前年度差の主な要因は、税金等調整前当期純利益の増加、仕入債務の増加による支出の減少によるものです。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、109億31百万円の支出(対前年度差4億13百万円減)となりました。前年度差の主な要因は、有形固定資産の取得の減少によるものです。「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、33億60百万円の支出(前年度は50億44百万円の収入)となりました。前年度差の主な要因は、社債の償還を行ったことによります。これにより、当連結会計年度末における有利子負債残高は910億28百万円となり、有利子負債依存度は49.8%となりました。これらの活動の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、222億37百万円(対前年度末差45億91百万円増)となりました。

 

②財務政策

当社グループの資金調達の手段は、社債の発行、コマーシャル・ペーパーの発行、コミットメントライン契約、銀行借入などでありますが、平成29年3月31日現在の残高は、短期借入金231億51百万円、コマーシャル・ペーパー150億円、社債400億円、長期借入金125億円となっております。当社グループは、運転資金及び設備投資資金の調達は内部資金によることを基本としておりますが、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローのほか、未使用のコマーシャル・ペーパー発行枠150億円、当座貸越未実行分159億円及びコミットメントライン契約128億円などにより調達可能と考えております。