当連結会計年度(平成27年4月1日~28年3月31日)におけるわが国経済は、政府の経済政策や日銀の追加金融政策等の効果もあり、企業収益や雇用に改善傾向が見られ、緩やかな景気回復基調で推移しました。しかしながら、中国をはじめとした新興国経済の減速や資源安に加え、年初から為替相場が急激に円高に転じるなど企業業績の悪化懸念が強まり、先行き不透明な状況が続いております。
このような経営環境の中、当社グループは、合併15周年に相応しい業績を確保するという全社目標に向かって、期初から計測機器事業の拡大に注力してまいりました。特に、国内需要は成熟期にあることから、海外戦略に人的資源を投入するとともに積極的に事業活動を展開し、一定の成果を収めることが出来ました。
当連結会計年度の売上高は、計測機器事業の環境・プロセス分析機器分野である中国向け環境用水質分析計をはじめとした海外輸出の大幅な増進に加え、不動産賃貸事業も堅調に推移し、増収となりました。
利益面では、輸入販売製品のコストアップ分を販売価格に転嫁することが難しい状況のなか、当社固有の技術力と比較的高占有率を誇る環境・プロセス分析機器の伸長がこれを十分に吸収しカバーいたしました。
従いまして、利益は営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益いずれも増益となり、当連結会計年度は増収・増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,326百万円(前期比1.9%増)、営業利益は1,367百万円(前期比8.1%増)、経常利益は1,418百万円(前期比10.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は931百万円(前期比22.7%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(計測機器事業)
当事業の売上高は14,062百万円(前期比1.8%増)、受注高は14,047百万円(前期比0.6%増)、セグメント利益は1,986百万円(前期比6.5%増)となりました。
① 環境・プロセス分析機器
この分野は、基本プロセス計測器、環境用大気測定装置、煙道排ガス用分析計、ボイラー水用分析装置、上下水道用分析計、環境用水質分析計、石油用分析計等であります。
国内市場は前期並だったものの、積極的に受注展開した海外市場では、中国向け環境用水質分析計が大幅に増進したため、増収となりました。
これらの結果、環境・プロセス分析機器全体としては前期を1.8%上回る増収となりました。
② 科学分析機器
この分野は、ラボ用分析機器、ポータブル分析計、医療用関連機器等であります。
ラボ用分析機器は10月から販売開始した新製品のXシリーズが寄与し増加しましたが、ポータブル分析計は前期の大口特需をカバーできず低迷しました。また医療用関連機器では新モデルの「A剤/B剤自動溶解装置」が増進したものの、科学分析機器全体としては前期を1.6%下回りました。
③ 産業用ガス検知警報器
この分野は、バイオニクス機器株式会社が製造・販売する産業用ガス検知警報器であります。
当期はガス検知警報器顧客の需要の掘り起こしなどにより国内向けが著増したため、前期を11.7%上回りました。
④ 電極・標準液 ⑤ 保守・修理 ⑥ 部品・その他
この分野は、前記①(環境・プロセス分析機器)、②(科学分析機器)の分野における全製品群の補用品類、現地調整・定期点検及び修理、補用パーツ等に該当するものであります。
④電極・標準液は微増、⑤保守・修理は微減、⑥部品・その他は増加しました。
(不動産賃貸事業)
東京都新宿区の本社に隣接の賃貸ビル1棟、埼玉県狭山市に貸店舗1棟ほかを所有し、不動産賃貸事業を行っております。当事業の売上高は264百万円(前期比4.3%増)、セグメント利益は161百万円(前期比9.6%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ205百万円増加し、3,558百万円となりました。
当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、988百万円の収入(前期1,259百万円の収入)となりました。内訳の主なものは、税金等調整前当期純利益1,412百万円、減価償却費465百万円、退職給付に係る負債の減少額159百万円、売上債権の増加額333百万円、法人税等の支払額452百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、492百万円の支出(前期358百万円の支出)となりました。内訳の主なものは、保険積立金の積立による支出259百万円、有形固定資産の取得による支出182百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、291百万円の支出(前期360百万円の支出)となりました。内訳の主なものは、借入による収入670百万円、借入金の返済による支出692百万円、配当金の支払額218百万円であります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
計測機器事業 | 13,012 | 1.7 |
合計 | 13,012 | 1.7 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
主として受注見込みに基づく生産を行っておりますが、特別仕様品については、受注生産を行っております。
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |||
| 受注高(百万円) | 前年同期比(%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比(%) |
計測機器事業 | 14,047 | 0.6 | 1,335 | △17.3 |
合計 | 14,047 | 0.6 | 1,335 | △17.3 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
計測機器事業 | 14,062 | 1.8 |
不動産賃貸事業 | 264 | 4.3 |
合計 | 14,326 | 1.9 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 販売実績が総販売実績の10%以上となる相手先はありません。
(中長期的な会社の経営戦略)
当社グループは、中長期経営戦略の柱として、従来から継続中の品質一番運動・ワンランクUP運動を始めとする全社経営改革を加速するほか、「開発・海外・人財」に重点を置いた3つの成長戦略を掲げました。
① | 開発戦略 | ・・・開発3本柱に医療分野を加えた4本柱に事業拡大を図る。 |
② | 海外戦略 | ・・・中国・東南アジア・中東に重点投資、売上拡大を図る。 |
③ | 人財開発 | ・・・全社員が総活躍出来る国際感覚を身につけ限界突破する。 |
(平成28年度の課題)
当社グループは、合併以来の全社全領域での改革運動が一定の成果を収め、併せて財務体質も大きく改善強化され、経営安定化の段階に至りました。「第2次HYBRID経営計画」では、これまでの当社グループの経営の歩みを評価し、これから当社グループが進むべき方向性とその課題を掲げており、具体的には、以下の項目の解決等を通じて、持続的な成長と企業価値向上に努めてまいります。
① | 国際感覚を身につけ「質と量」を高め商談数を2倍にする。 |
② | グループ全体で開発体制分担、新超速開発体制を構築する。 |
③ | グループの生産体制を戦略的に明確化し、改革を断行する。 |
④ | 同じ不良を二度と起こさない仕組み、仕掛けをつくる。 |
⑤ | 全社員が総活躍の頭脳集団を創り期待以上の成果を出す教育をする。 |
当社グループの業績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクは、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成28年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、環境・プロセス分析機器の売上割合が大きく、この分野での法規制の動向、製品需給の変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、賃貸ビル、貸店舗を所有し不動産賃貸事業を行っております。テナントの退去等が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、HACHの国内総代理店契約を締結しており、同製品の輸入に際しては米ドル建ての決済をしているため、想定以上の為替相場の変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、お客様、仕入先ほか利害関係者との間で、取引にかかる様々な契約を締結しておりますが、契約の履行や取引の条件などを巡って利害関係者と見解が食い違うなどした場合、損害賠償請求などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、国内外の品質基準を遵守し、すべての製品・サービスの信頼性を維持するために万全の品質保証体制を整えておりますが、予期せぬ欠陥等により製造物責任が発生する可能性があります。当社グループでは製造物責任賠償の保険に加入しておりますが、当該保険ですべての賠償額をカバーできる保証はなく業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しており、コンピューターウィルスその他の要因によってかかる情報システムの機能に支障が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、公正な競争に関する規制及びその他商取引、労働、知的財産権、租税等の各種法令諸規制の適用を受けております。これらの法令諸規則またはその運用にかかる変更は、当社グループの事業活動への制約、法令遵守対応にかかる費用の増加または法令諸規則違反による当社グループへの過料賦課若しくはこれに関連する民事訴訟の提起等がなされた場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、平成17年11月21日付でHACHと業務及び資本提携契約を締結し、更に平成22年12月3日付で同契約の補訂合意書(以下「本補訂合意」といいます。)を締結しております。本契約及び本補訂合意締結に伴い、HACHが33.4%以上の議決権を保有している限り、HACHが当社の総議決権の3分の1を超える議決権を保有し、株主総会において重要議案に対する事実上の拒否権を有することが見込まれます。HACHと当社の他の株主の間で、当社の経営方針についての考え方や利害が異なることとなった場合、HACH以外の当社の株主の考え方を反映した意思決定を行えない等の事態が生じ、当社グループの事業運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後とも業務提携の強化を通じて、営業面ではHACHの国内総代理店としてHACH製品の更なる販売拡大を図るとともに、HACHの販売網を活用して中国市場等の開拓を計画しており、研究開発面でも既に共同開発で一定の成果も上げており、引続き次世代の新製品開発に共同で取り組むことに合意しております。
しかしながら、提携業務が計画どおり実行されるとの保証はなく、かかる提携業務が実行された場合でも、当社の企図する経済的効果が得られない可能性があります。
また、当社事業のHACHに対する依存度が高まる結果、HACHの業績が悪化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
業務及び資本提携契約の締結
平成17年11月から、HACHとの業務及び資本提携の契約を締結しております。
平成22年12月、HACHとの間で、業務及び資本提携に関する補訂合意(以下「本補訂合意」といいます。)を締結しております。本補訂合意によって、当社及びHACHはHACH(その関係会社を含みます。以下同じ。)が33.4%以上の議決権を保有している限り、①当社は、当社が企図する時期において新株発行等を行わないことが当社の財務状況に重大な影響を及ぼすと合理的に認められる場合を除き、同社の同意なしに、同社の議決権保有割合を低下させる新株発行等を行わないこと、②当社が割当予定先の議決権保有割合を低下させる新株発行等を行う場合、同社は33.4%の議決権保有割合を維持するために必要な新株の割当等を当社に請求できること、③HACHは、上限3名までの当社の取締役候補者を、当社の取締役会の決議に付すために上程することができ、当社は、当該候補者が当社の企業価値の向上に寄与すると合理的に判断される場合、当社の取締役会議を経て、これらの者を当社の株主総会にその決議を付すために上程するものとすることを合意しております。
当社グループは、開発研究センターをグループ全体の技術の中枢として新たな計測技術の研究と独創的な製品開発に取り組み、新商品を市場へ提供してまいります。また、開発研究センターでは製品開発と共に、一昨年度に設置した環境大気測定用コンテナ局舎に加え、今年度はバッテリーバックアップ付き水道水用水質自動測定装置(屋外キュービクル)を新たに設置するなど、新製品の紹介や技術サービスのトレーニング、国内外からの見学・研修など多くの活動を展開しております。
日々の活動では国際競争力の強化と新市場への進出を目指し、知的財産権の取得強化、国際認証取得、開発スピードアップ、品質改革、新規技術の獲得と実用化に重点的に取り組んでおります。
各分野で継続して進めているモデルチェンジはシリーズ化を図り、デザインや操作方法などの共通化を推進することでブランドイメージを構築するとともに、使いやすさと、コストパフォーマンスに配慮した省資源・省電力設計に努めております。
なお、当連結会計年度の研究開発費524百万円は全て計測機器事業であります。
この分野は、基本プロセス計測器、環境用大気測定装置、煙道排ガス用分析計、ボイラー水用分析装置、上下水道用分析計、環境用水質分析計、石油用分析計等の広い分野を対象として、プラント運転管理や品質管理、排出の法規制対象成分監視など市場の需要動向を見据えた商品展開を行っています。
プロセス計測器では、重金属モニターに続きHACH社と共同開発した次世代pHセンサとpH計を完成させ、新たな世界戦略製品として本年度より国内販売を開始しました。また主要な計器について、引き続き本質安全防爆対応と、国際認証の取得に取り組みを継続しています。
大気・排ガス計測分野では、大気測定用の浮遊粒子状物質(SPM)測定装置と、大気中微小粒子状物質(PM2.5)測定装置のマイナーチェンジが完成し、より一層保守の簡便性が向上しました。
また、PM2.5測定装置は中国国家認証を取得、その他の大気測定装置を含め、中国への展開を目指して対応してまいります。
水質計測分野では、海外市場にむけた水道水用水質自動測定装置、水銀測定装置などの開発を進めました。
この分野は、ラボ用分析機器、ポータブル分析計、医療用関連機器等の分野を対象として、測定ニーズの多様化に合わせて商品展開を行っております。
ラボ用分析機器では卓上用水質計Xシリーズとして、大型タッチパネルを採用した上級モデル3機種を含む5機種(pH、ORP、イオン、電気伝導率、溶存酸素計)を完成、使用するセンサ類も全てリニューアルして販売を開始しました。
医療用関連機器では、供給能力を50床から70床にアップし、透析原液の廃棄を可能な限り低減させた透析液供給用のA剤/B剤溶解装置(AHI-701/BHI-701)の販売を開始しました。
この分野は、半導体製造関連と一般化学工業で使用される毒性ガス等の検知器を対象とし、新たな顧客ニーズに基づく、新規検知対象ガスへの対応、低濃度検知への対応等を行っております。
今年度は、重点的に海外主要マーケットである台湾向け機器の防爆認証の取得を目指した活動を行ってきました。平成28年度認証取得に向け、取り組みを継続しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において、損益または資産の状況に影響を与える見積り、判断は、過去の実績やその時点で入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当連結会計年度は、期初から計測機器事業の拡大に注力してまいりました。特に、海外戦略に人的資源を投入するとともに積極的に事業活動を展開し、中国をはじめとしたアジア諸国への海外輸出が大幅に増進、加えて不動産賃貸事業も堅調に推移しました。以上の結果、売上高は14,326百万円(前期比1.9%増)となりました。
利益面では、輸入販売製品のコストアップ分を販売価格に転嫁することが難しい状況のなか、当社固有の技術力と比較的高占有率を誇る環境・プロセス分析機器の伸長がこれを十分に吸収しカバーできたことにより、営業利益は1,367百万円(前期比8.1%増)、経常利益は1,418百万円(前期比10.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は931百万円(前期比22.7%増)となりました。
当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ431百万円増加の18,651百万円となりました。これは、現金及び預金が205百万円、受取手形及び売掛金が318百万円、投資その他の資産のその他が264百万円それぞれ増加し、投資有価証券が148百万円、有形固定資産が103百万円、無形固定資産が86百万円それぞれ減少したことなどによります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べ10百万円増加の6,191百万円となりました。これは、未払金が108百万円、退職給付に係る負債が103百万円それぞれ増加し、未払消費税等が93百万円減少したことなどによります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ420百万円増加の12,459百万円となりました。
次に当社グループの資金状況は以下のとおりであります。
営業活動による収入988百万円、投資活動による支出492百万円、財務活動による支出291百万円等により、当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ、205百万円増加し3,558百万円になりました。
詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。