第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「『誠実・創造・挑戦』をモットーに地球環境保全と豊かで人にやさしい社会環境の実現に貢献します。」の経営理念のもと、10年後のあるべき姿として中期経営計画を定め「第二期10年先夢プラン」を具現化し、その実現を図るとともに長期ビジョンの実現に向けた成長戦略を着実に推進し、経営目標値の達成を目指してまいります。

また、3つの基本方針として「着実な成長の実現」「更なる成長への挑戦」「事業基盤強化への改革」を掲げ、国内市場でこれまで構築してきた強固なお客様基盤を活かしたビジネスの拡大と成長を目指すとともに、海外における新規市場の取り込み、「第二期10年先夢プラン」から抽出した新事業の開拓で新たな成長分野を確立、それらを支えるシステムの拡充・生産体制の強化により事業を拡大してまいります。更に持続可能な社会の実現に貢献していくため、ESG(環境・社会・ガバナンス)経営を実践し、ステークホルダーの期待に応え、更なる企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、中長期的な成長基盤を築きあげるべく、次の6つを成長戦略に掲げております。

 

国内事業:成熟市場での事業規模と利益の確保

海外事業:アジアにおける成長事業領域を定め拡販体制の確立と生産移管

開発・生産・品証:生産と連携した開発体制で変化し続ける顧客ニーズへ対応

新事業開拓:「第二期10年先夢プラン」プロジェクトから新事業開拓

働き方改革:生産性の向上と企業風土改革

 

持続的成長に向けたESG経営の実施:ステークホルダーの信頼確保、社会的責任を果たし

                 企業価値を向上

 

 

(3)経営上の目標を達成するための客観的な指標

当社グループの経営上の目標を達成するための客観的な指標は、売上高、営業利益、自己資本利益率であります。当社グループは、2019年3月に「中期経営計画」(2019年4月~2022年3月)を策定いたしましたが、コロナ禍に対応して取り組んできた重点施策を着実に推進するため、本計画の最終年度(2022年3月期)の経営数値目標を次のとおり修正し、これを確実に達成すべく取り組んでまいります。

 

2021年度予測

 

売   上   高

  16,700百万円

営 業 利 益

  2,000百万円

自己資本利益率

  8.5%以上

 

 

 

(4)当社グループを取り巻く経営環境

世界では新型コロナウイルスのワクチン接種環境が整備されつつあるものの、変異株などによる感染症拡大の脅威は依然として続いており、今後も不透明な経営環境が続くと予想されます。このような状況の下でも、当社が事業を展開する計測機器市場は、世界的な環境保全への取組みと共に環境法規制が一層強化されていることから、今後も中長期的には拡大傾向が継続すると予測しております。

また、当社グループの計測機器が社会インフラの一機能を担っていることを踏まえ、感染防止に関する従業員の意識統一と徹底した感染防止策を講じた上で、従来どおりの生産体制の維持を図っており、お客様への安定した製品・サービス提供の継続に努めてまいります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは、2021年度を最終年度とする中期経営計画のもと、引き続き「水・大気・医療・ガス」の4本柱で成長製品を創出し持続的成長を目指します。

 ① コア事業の成長と収益基盤の強化

国内市場では、営業支援ツールやデジタルマーケティングなどの新たな営業手法を活用し、市場の環境変化とお客さまニーズの広がりに対応してまいります。併せて、営業部門とサービス部門の連携を更に強化することで、アフタービジネス事業を拡大し、国内シェア拡大と安定的な収益基盤の確立を図ります。

 ② アジアでの展開を加速

主要市場である中国において現地生産の水質計の安定供給や新分野の開拓に引き続き注力します。また、東南アジアを今後の中核市場と位置付け、競争力ある新製品の投入やデジタルツールの活用等による当社ブランドの浸透に注力することで、海外事業の拡大を図ります。

 ③ グループ総合力で常に変化する顧客ニーズの満足と信頼を獲得

「もっといいモノづくり」を追求し、生産拠点の最適化や生産の自動化を進めることで、品質とコスト競争力を同時に高めていきます。また、営業・開発・生産の部門間連携を更に強め、お客さまニーズや社会からの要請に応える新製品・サービスを、よりスピード感を持って市場投入します。

 ④ 持続的成長に向けたESG経営の推進

環境経営、働き方改革による堅固な人財基盤の確立、ガバナンスの強化などESG(Environment・Social・Governance)に関する課題に取り組み、ステークホルダーの期待に応え、信頼され続ける企業としての基盤を築きます。特に、脱炭素化については、2020年4月より本社・事業所において、また2021年4月より生産子会社2社において、使用する電力を100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えるなど、事業活動に伴うCO2排出量の削減を実践しており、これをさらに推進すべく取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

経営者が当社グループの業績、財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境の変動

当社グループは、環境・プロセス分析機器の売上割合が大きく、この分野での法規制の動向、製品需給の変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、各種業界団体及び関連協会等に加盟し、各委員会等に積極的に参加することで、環境にかかる法改正や市場動向にかかる情報を収集するとともに、それらを速やかに経営層、関係部門に展開し共有する体制を構築しております。
 また、当社グループは、賃貸ビルほかを所有し不動産賃貸事業を行っております。テナントの退去等が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、不動産管理会社と月1回定例の打合せを行い、テナントに関する情報を共有しております。

 

(2) 為替相場の変動

当社グループは、HACHと国内総代理店契約を締結しております。同製品の輸入に際しては米ドル建ての決済をしているため、想定以上の為替相場の変動により業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替予約によりリスクヘッジをしております。

 

(3) 契約や取引に関するリスク

当社グループは、お客様、仕入先ほか利害関係者との間で、取引にかかる様々な契約を締結しておりますが、契約の履行や取引の条件などを巡って利害関係者と見解が食い違うなどした場合、損害賠償請求などにより業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、取引に当たっては法務部門を通じて法律事務所の見解、確認を得ること等により、相互の解釈に法的な齟齬のないよう対応を行っております。

 

(4) 製造物責任

当社グループは、国内外の品質基準を遵守し、すべての製品・サービスの信頼性を維持するために万全の品質保証体制を整えておりますが、予期せぬ欠陥等により製造物責任が発生する可能性があります。当社グループでは製造物責任賠償の保険に加入しておりますが、当該保険ですべての賠償額をカバーできる保証はなく業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「品質一番」宣言の周知でグループ全従業員の意識向上を図るとともに、製造物責任問題を未然に防ぐために、各種規程類を制定し、また、社長直轄の品質保証部を設置し、製品の安全設計と品質の維持管理を図っております。

 

(5) 情報システム

当社グループの事業活動において、情報システムの利用とその重要性は増大しており、コンピューターウイルスその他の要因によってかかる情報システムの機能に支障が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、外部環境との接続にはファイアウォールを設置し、加えて適切なアンチウイルスソフトの導入などで対策するとともに、外部環境への接続制限やウェブサイトの私的利用の禁止などで利用者教育を徹底し、情報セキュリティの維持・向上を図っております。

 

(6) 法的規制

当社グループでは、公正な競争に関する規制及びその他商取引、労働、知的財産権、租税等の各種法令諸規則の適用を受けております。これらの法令諸規則またはその運用にかかる変更は、当社グループの事業活動への制約、法令遵守対応にかかる費用の増加または法令諸規則違反による当社グループへの過料賦課若しくはこれに関連する民事訴訟の提起等がなされた場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、東京証券取引所や金融庁等、当局の公表文書を注視するとともに、各種業界団体及び関連協会に加盟することで各種法改正にかかる情報を入手し、それらを速やかに経営層、関係部門に展開し共有する体制を構築しております。

 

(7) HACHとの業務及び資本提携並びに補訂合意に関するリスク

当社は、2005年11月21日付でHACHと業務及び資本提携契約を締結し、更に2010年12月3日付で同契約の補訂合意書(以下「本補訂合意」といいます。)を締結しております。本契約及び本補訂合意締結に伴い、HACHが33.4%以上の議決権を保有している限り、HACHが当社の総議決権の3分の1を超える議決権を保有し、株主総会において重要議案に対する事実上の拒否権を有することが見込まれます。HACHと当社の他の株主の間で、当社の経営方針についての考え方や利害が異なることとなった場合、HACH以外の当社の株主の考え方を反映した意思決定を行えない等の事態が生じ、当社グループの事業運営、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、営業面ではHACHの国内総代理店としてHACH製品の更なる販売拡大を図るとともに、HACHの販売網を活用して中国市場等の開拓を進めるほか、研究開発面でも既に共同開発で一定の成果も上げており、引続き次世代の新製品開発に共同で取り組むことに合意しております。

しかしながら、提携業務が計画どおり実行されるとの保証はなく、かかる提携業務が実行された場合でも、当社の企図する経済的効果が得られない可能性があります。更に、当社事業のHACHに対する依存度が高まる結果、HACHの業績が悪化した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは、HACHへの定期的な情報提供やミーティングの開催等で、随時、相互の意思を確認し、良好な関係の構築に努めております。

 

(8) パンデミック、自然災害

パンデミックや大規模な自然災害等が発生した場合、生産ラインの停止、部材・資材調達の遅延またはシステム障害等により、当社グループの経営成績、財務状況等に影響を与える可能性があります。

当社グループでは、このような事態に備え、災害発生時の影響を最小限に抑えるため、緊急連絡網を再整備し、BCPの策定を推進しております。

特に、世界的に感染が拡大している新型コロナウイルスに関しては、社長を本部長とする特別対策本部をいち早く立ち上げ、社内各部門への各種通達等で感染防止に関する従業員の意識統一を徹底しております。当社グループは、水道、電力、医療等ライフラインに関わる施設へ製品及びサービスを提供する重要な役割を担っていることを十分に認識し、徹底した感染防止策を講じた上で、従来通りの生産体制の維持を図っております。具体的には、生産ラインのゾーン分けや事業所内建屋の移動制限などで、万が一従業員に感染者が出た場合でも、感染拡大のリスクを低減するほか、時差通勤や在宅勤務が可能な従業員にはテレワークやWEB会議の活用で、また、現場の従業員には安全な通勤手段等を確保しながら業務に支障が出ないよう努めております。

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と

 いう。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2020年4月1日~2021年3月31日)におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年4月~6月期の実質GDPが戦後最悪の落ち込みとなりました。その後、感染拡大の防止策を講じつつ経済活動が再開され持ち直しの動きが見られるものの、足元では感染第4波が到来し、依然として先行き不透明な状況が続いております。また、世界経済においても、経済活動維持と感染拡大抑制の両立模索の中で緩やかながらも景気回復に向かっておりましたが、変異株による感染再拡大により景気回復の不透明感を増しております。

このような事業環境のもと、当社グループの計測機器が、水道、電力、医療など、ライフラインに関わる施設で重要な役割を果たしていることから、当社グループは、従業員の安全を確保しつつ、安定的な製品・サービスの提供を最優先に、従来通りの生産体制の維持を図りました。感染リスク軽減や生産性向上の観点から、時差出勤や在宅勤務が可能な従業員についてはリモートワークツールなどを活用し、また現場の従業員には安全な職場環境を確保しながら事業の継続に努めました。

当社は昨年10月に合併20周年を迎え、この記念すべき年を「新生TD2020」として、生産技術と開発技術の更なる融合により、世界に選ばれる製品を生み出していく施策を積極的に進めました。

当連結会計年度におきましては、開発・生産・品質保証部門が一体となった事業運営を推進するため、4月1日付で連結子会社のアリス東亜DKK株式会社の吸収合併を含む組織再編を行いました。

さらに国内営業では、営業戦略部の新設や営業組織の再編により、マーケットに適応した体制を強化するとともに、新しい営業支援ツールの導入により業務の効率化を図りました。そして、国内外において、Webセミナーの開催やWeb広告宣伝などを通じ、積極的な営業を展開しました。また海外営業においても、カタログの拡充、機器の取り扱い説明動画の制作、Webサイトの多言語化などコンテンツの充実に注力し、代理店の販売活動を強力に支援しました。

 以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は15,988百万円(前期比2.2%減)となりました。利益につきましては、原価低減や経費削減に努めたことに加え、コロナ禍による旅費交通費や各種展示会の中止等営業活動の制限により支出が抑制されたこともあり、営業利益は1,852百万円(前期比1.0%増)、経常利益は1,907百万円(前期比0.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては1,374百万円(前期比0.4%増)で6期連続の最高益を記録しました。

 

セグメント毎の経営成績は次のとおりであります。

(計測機器事業)

当事業の売上高は15,730百万円(前期比2.2%減)、セグメント利益は2,441百万円(前期比0.7%減)となりました。

環境・プロセス分析機器

この分野は、基本プロセス計測器、環境用大気測定装置、煙道排ガス用分析計、ボイラー水用分析装置、上下水道用分析計、環境用水質分析計、石油用分析計等であります。

国内においては、官公需向けは例年並みの売上高を確保したものの、民間企業向けの基本プロセス分析計や環境用水質分析計の販売が減少しました。一方海外では、経済活動を再開した中国・韓国・インド等や、半導体関連設備投資の好調な台湾等での販売が順調に推移し増収となりました。

これらの結果、当分野の売上高は前期比4.0%減となりました。

科学分析機器

この分野は、ラボ用分析機器、ポータブル分析計、医療関連機器等であります。 

ポータブル分析計の売上が、研究機関からの引き合いが弱く減少しました。また、医療関連機器の主要製品である粉末型透析用剤溶解装置も病院の新規・買い替え需要が減少し減収となりました。これらの結果、当分野の売上高は前期比6.7%減となりました。

 

産業用ガス検知警報器

この分野は、バイオニクス機器株式会社が製造・販売する産業用ガス検知警報器であります。

当期の売上高は、国内販売が減少し、前期比15.8%減となりました。

電極・標準液、保守・修理、部品・その他

これらの分野は、前記環境・プロセス分析機器、科学分析機器の分野における全製品群の補用品類、現地調整・定期点検及び修理、補用パーツ等に該当するものであります。

これらアフタービジネス分野につきましては、コロナ禍においても設備稼働維持のための保守点検が計画通り行われたことで、売上高は全体で前期比1.1%増となりました。

(不動産賃貸事業)

東京都新宿区の本社に隣接の賃貸ビル1棟ほかを所有し、不動産賃貸事業を行っております。当事業の売上高は258百万円(前期比2.2%減)、セグメント利益は164百万円(前期比3.0%減)となりました。 

 

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,260百万円増加の24,394百万円となりました。これは、現金及び預金が875百万円、投資有価証券が522百万円、電子記録債権が117百万円、ソフトウエアが104百万円それぞれ増加し、建物及び構築物が108百万円減少したことなどによります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ115百万円減少の6,271百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が186百万円、未払法人税等が124百万円それぞれ増加し、短期借入金が142百万円、未払消費税等が121百万円それぞれ減少したことなどによります。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,376百万円増加の18,122百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ875百万円増加し、5,329百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、1,809百万円の収入(前期1,074百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益1,914百万円、減価償却費426百万円、仕入債務の減少額112百万円、法人税等の支払額455百万円であります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、451百万円の支出(前期350百万円の支出)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出321百万円であります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、482百万円の支出(前期443百万円の支出)となりました。主な要因は、借入による収入650百万円、借入金の返済による支出758百万円、配当金の支払額337百万円であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

   当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

計測機器事業

14,793

△3.2

合計

14,793

△3.2

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注状況

   主として受注見込みに基づく生産を行っておりますが、特別仕様品については、受注生産を行っております。

   当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

 
 
セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至  2021年3月31日)

 

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

計測機器事業

15,535

△5.2

1,892

△9.4

合計

15,535

△5.2

1,892

△9.4

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

計測機器事業

15,730

△2.2

不動産賃貸事業

258

△2.2

合計

15,988

△2.2

 

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 販売実績が総販売実績の10%以上となる相手先はありません。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により減速を余儀なくされました。感染拡大防止と経済活動の両立に向けた政策等により、設備投資や消費に一時的な持ち直しの動きが見られたものの、感染の再拡大に伴い、先行き不透明な状況が続いております。

このような事業環境のもと、当社グループの計測機器が、水道、電力、医療など、ライフラインに関わる施設で重要な役割を果たしていることから、当社グループは、従業員の安全を確保しつつ、安定的な製品・サービスの提供に努めました。

国内においては、官公需向けは例年並みの売上高を確保し、アフタービジネス分野も堅調に売上を伸ばしたものの、民間企業向けの基本プロセス分析計や環境用水質分析計、研究機関向けポータブル分析計、医療関連機器等の需要が低調に推移し国内売上は減少しました。一方海外では、経済活動を再開した中国・韓国・インド等や、半導体関連設備投資の好調な台湾等での販売が順調に推移し、海外売上は増加しました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は15,988百万円(前期比2.2%減)と減収となりましたが、原価低減や経費削減に努めたことに加え、コロナ禍による旅費交通費や各種展示会の中止等営業活動の制限により支出が抑制されたこともあり、営業利益は1,852百万円(前期比1.0%増)と増益となりました。そして、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては1,374百万円(前期比0.4%増)で6期連続の最高益を記録しました。

 

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

経営方針・経営戦略、経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、自己資本利益率(ROE)であります。2021年3月期の達成状況は以下のとおりであります。

 

指標

2021年3月期(計画)

2021年3月期(実績)

計画比増減

売上高

15,660百万円

15,988百万円

328百万円増

営業利益

1,520百万円

1,852百万円

332百万円増

自己資本利益率(ROE)

7.9%

 

(注)1 2021年3月期の計画値は、新型コロナウイルス感染拡大による影響を踏まえて2020年11月26日に公表した通期業績予想数値であります。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、運転資金需要のうち主なものは、材料や商品の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は設備投資や成長戦略であるコア事業の成長、アジアを中心とした新市場の開拓、ESG経営の推進などであります。短期運転資金及び設備投資資金の調達は自己資金を基本としていますが、状況に応じて金融機関からの借入も検討しながら、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することとしております。

当社グループの配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりであります。

 

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

業務及び資本提携契約の締結
 2005年11月から、HACHとの業務及び資本提携の契約を締結しております。

2010年12月、HACHとの間で、業務及び資本提携に関する補訂合意(以下、「本補訂合意」という。)を締結しております。本補訂合意によって、当社及びHACHは、HACH(その関係会社を含みます。以下同じ。)が33.4%以上の議決権を保有している限り、①当社は、当社が企図する時期において新株発行等を行わないことが当社の財務状況に重大な影響を及ぼすと合理的に認められる場合を除き、同社の同意なしに、同社の議決権保有割合を低下させる新株発行等を行わないこと、②当社が同社の議決権保有割合を低下させる新株発行等を行う場合、同社は33.4%の議決権保有割合を維持するために必要な新株の割当等を当社に請求できること、③HACHは、上限3名までの当社の取締役候補者を、当社の取締役会の決議に付すために上程することができ、当社は、当該候補者が当社の企業価値の向上に寄与すると合理的に判断される場合、当社の取締役会の決議を経て、これらの者を当社の株主総会の議案として上程するものとすることを合意しております。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループでは、開発研究センターをグループ全体の技術中枢として位置付け、新たな計測技術の研究と独創的な製品の開発に取り組み、新商品を国内外の市場へ提供しております。

同センターでは、製品開発を行うとともに、お客様が実際に使用している、環境大気測定用コンテナ局舎や、バッテリーバックアップ付き水道水用水質自動測定装置(屋外キュービクル)等の施設も併設されており、新製品の紹介・展示、技術サービスのトレーニング等を行うとともに、世界各国からの視察団やJICA等の国内外の政府機関からの見学者や研修者を受け入れる施設も設備しており、多方面にわたる活動を展開しております。

さらに医療関連機器の開発は、同センター敷地内の、臨床医療用関連機器専用の開発と製造設備を持つ医療関連機器生産棟にて取り組んでおります。

開発技術本部では、基礎技術研究と製品開発を合わせて行う技術頭脳集団として、国際競争力を強化し、知的財産権の取得強化、国際認証取得、開発スピードアップ、品質改革、新たな計測技術の獲得と実用化、さらには、環境負荷の少ない製品開発を心がけております。

また、継続して進めている製品のモデルチェンジは、デザインや操作方法などの共通化を推進することでシリーズ化を図るとともに、当社のブランドイメージの向上にも繋がるように、省資源・省電力のコストパフォーマンスと、使い易さに重点を置いた製品の開発に配慮しております。

      なお、当連結会計年度の研究開発費489百万円は全て計測機器事業であります。

(1) 環境・プロセス分析機器分野

この分野は主として基本プロセス計測器、環境用大気測定装置、煙道排ガス用分析計、ボイラー水用分析装置、上下水道用分析計、環境用水質分析計、石油用分析計等を扱っており、プラントでの運転管理や品質管理、工場からの放流水や排ガス等の監視などの「生産管理用プロセス計測器」や「環境保全用計測器」の開発と改良を行っております。

基本プロセス計測器では、pH計の最上位機種である「自動校正機能付きpH計」のモデルチェンジが完成し販売を開始しました。チップ交換式電極やIoT通信機能搭載のCALMEMO-pH電極も使用できるようになりました。また、主要な計測器の本質安全防爆取得も継続して行ってまいります。

環境用大気測定装置では、中国での「VOC測定装置」の国家認証試験が開始されました。販売活動を推進するとともに、各種大気測定装置の中国、韓国、東南アジア市場からの多様な技術的要望等に対応してまいります。

上下水道用・環境用水質分析計では、上水道向け水質計の海外市場向け展開を図ると同時に中国で販売を伸ばしている環境用水質分析計「全窒素・全りん自動測定装置」の中国生産を開始しました。また、海外市場の特殊性に合わせ、新たな環境用水質分析計の開発も継続して行っております。更に、当社のオンリーワンセンサにIoT通信機能を搭載したデジタル濁度センサ、デジタル残留塩素センサ、デジタルpHセンサを海外での上水・環境水マーケット向けに発売しグローバルな市場に広く役立つことを目指しています。

(2) 科学分析機器分野

この分野は主としてラボ用分析機器、ポータブル分析計、医療関連機器などを対象として測定ニーズの多様化に合わせた商品展開を行っています。

ラボ用分析機器では、「P40シリーズ ポータブル分析計」のモデルチェンジを行い電極プローブにCPUを内蔵しデジタル通信によって計器本体の共通化を図りマイラナの愛称で販売を開始しました。溶存酸素測定については光学式DOセンサを新販売しました。イオンクロマトグラフ装置については、周辺機器として「サプレッサ(イオン除去)装置」を発売しより高感度分析に貢献します。

医療関連機器では、生物発光法による「エンドトキシン計」が高感度・短時間測定で好評です。エンドトキシン計のラインナップ拡充を図るため、更なる測定時間短縮と簡便操作を実現したポータブル型エンドトキシン計の発売を予定しています。さらに、エンドトキシン測定技術(生物発光法)の新たな応用分野の開拓に注力中です。また、その他の医療関連機器の開発も順調に進行しております。

(3) 産業用ガス検知警報器分野

この分野は、主に化学工業や半導体産業で毒性ガスや可燃性ガス等の漏えい検知器を対象とし、商品展開を行っています。

重点テーマとして、定電位電解式ガスセンサの開発を推進しました。