第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済政策等を背景に、全体として緩やかな回復基調で推移したものの、中国をはじめとする新興国や資源国の景気減速懸念等により、先行きは不透明な状況となっております。

当防災業界におきましても、市場は比較的堅調に推移いたしましたが、労務費の上昇や原材料価格の高騰等が引き続き懸念される状況にあります。

このような状況のなか、当社グループは平成25年度から3年間にわたる中期経営計画「project27-輝く創立100周年に向けて-」を策定しており、「商品力」「人材力」「組織力」をキーワードに以下の重点施策を進め、「輝く企業」に成長することを目指してまいりました。

・収益力の強化

・リニューアルの強化

・サービスビジネスの強化

・海外事業の拡大

・連結経営の強化

・物づくり機能強化と迅速な市場投入

・生産・物流のQ・C・D競争力強化

・人材育成の強化

・CSRの強化

中期経営計画の最終年度として積極的な営業活動に努めた結果、当連結会計年度の受注高は97,685百万円(前年同期比8.9%減)となりましたが、大型物件が比較的集中したこともあり、売上高は100,665百万円(前年同期比7.3%増)となりました。

利益につきましては、売上高の増加に加え、販売費及び一般管理費の抑制などにより、営業利益は10,674百万円(前年同期比14.8%増)、経常利益は10,829百万円(前年同期比13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,633百万円(前年同期比17.7%増)となりました。

業績の内訳をセグメント別にみますと、火災報知設備につきましては、売上高は35,904百万円(前年同期比1.2%増)、営業利益は6,088百万円(前年同期比7.2%減)、消火設備につきましては、売上高は36,220百万円(前年同期比22.0%増)、営業利益は5,827百万円(前年同期比52.3%増)、保守点検等につきましては、売上高は22,868百万円(前年同期比0.6%減)、営業利益は4,358百万円(前年同期比3.8%増)、その他につきましては、売上高は5,673百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は542百万円(前年同期比141.6%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して1,494百万円の増加となり、28,545百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

法人税等の支払額4,050百万円、売上債権の増加額1,558百万円等による流出があったものの、税金等調整前当期純利益10,572百万円、たな卸資産の減少額2,290百万円等により、営業活動全体では7,508百万円の流入(前連結会計年度は6,237百万円の流入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

主に固定資産の取得による支出により4,756百万円の流出(前連結会計年度は3,481百万円の流出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

主に配当金の支払いにより1,212百万円の流出(前連結会計年度は1,223百万円の流出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

火災報知設備

20,969

△9.6

消火設備

27,166

12.5

保守点検等

13,762

△3.9

その他

4,309

△15.3

合計

66,207

△0.8

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2  金額はすべて製造原価及び実際発生原価によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

火災報知設備

34,857

△1.2

10,407

△9.1

消火設備

34,541

△19.9

33,246

△4.8

保守点検等

22,503

△1.9

3,862

△8.6

その他

5,783

△0.5

847

14.9

合計

97,685

△8.9

48,364

△5.8

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2  金額はすべて販売価格(取付工事代を含む)に換算しており、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

火災報知設備

35,904

1.2

消火設備

36,220

22.0

保守点検等

22,868

△0.6

その他

5,673

0.5

合計

100,665

7.3

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2  金額はすべて販売価格(取付工事代を含む)に換算しており、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

今後の経済見通しとしましては、景気は緩やかな回復に向かうことが期待されるものの、不安定な海外経済や金融資本市場の変動の影響等により、先行きは依然として不透明な状況が続くものと予想されます。

当防災業界におきましても、市場規模の拡大が期待されるものの、企業の景況感に慎重さがみられることに加え、労務費の上昇や原材料価格の高騰等が懸念される状況が続くものと思われます。

このような局面に対処するため、当社グループは平成28年度から3年間にわたる中期経営計画「project30~次世代防災への進化~」を策定いたしました。その骨子は以下のとおりであります。

○ビジョン

~次世代防災への進化~

「創立100周年を迎え、能美新世紀として、防災事業の基盤を更に強固なものにして社会の変化に対応する次世代 防災システム・サービスを創造・提供し続けることにより世界の安全に貢献する」

○施策

①次世代防災への基盤整備

②基幹事業の収益力向上と売上拡大

③お客様との信頼関係の更なる向上

④新規市場・サービス事業への積極果敢な挑戦

⑤技術開発力・エンジニアリング力の強化

⑥海外事業の強化

⑦防災領域の拡大を目的とした国内外におけるM&Aの推進

⑧人材育成の強化

⑨グループ全体でのCSR・コーポレートガバナンスの強化

中期経営計画の初年度にあたる平成28年度におきましては、リニューアル促進、施工体制の効率化、生産性の向上、差別化製品の販売促進、経費削減の推進を重点施策として目標達成を目指してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

当社グループの業績は建設業界や公共事業の影響を受け、変動する可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

当社グループの売上の主要な部分は消防法による規制に関連して生じております。この規制が急激に変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 業績の季節変動について

当社グループの業績には季節変動があり、売上が第4四半期に集中する傾向があります。

 

(4) 取引先の信用リスクについて

取引先が信用不安に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原材料等の調達について

原材料等の価格が大幅に上昇した場合や一部の原材料等が供給不足に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 資産保有リスクについて

不動産や有価証券等の保有資産の時価が著しく下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 退職給付債務について

年金資産の時価が下落した場合、または、退職給付債務を計算する上での前提条件が大幅に変更になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自然災害について

地震等の大規模な自然災害により生産および販売拠点が被害を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、社会の安全に貢献することを基本理念として、火災事象の基礎研究をベースとした火災の早期検知・消火方法の確立に努めており、これらをもとに新しい防災システムの構築及び機器の開発を行っております。

現在、研究開発は当社の技術部を推進母体として研究開発センター、工場の設計部門等により推進されております。研究開発スタッフはグループ全体で99名であり、これは総従業員の約4%にあたります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,868百万円であります。

当連結会計年度におけるセグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。

(1) 火災報知設備

一般ビルや共同住宅市場向けに、ユーザーニーズに応えた新たな自動火災報知システムの開発に取り組んでおります。また、海外市場向けに顧客への利便性を向上させた新型受信機を開発し、中国や東南アジア等、海外の市場へ積極的な展開をおこなってゆきます。更にデータセンター等の基幹情報施設や各種工場向けに、付加価値の高い新たな防災システムの開発に取り組んでおります。

① P-AT型受信機向けに、P型半導体式の新たな差動式スポット防水型感知器を開発いたしました。

② 共同住宅向けに、小型の煙及び熱感知器を開発いたしました。

③ データセンター等の基幹情報施設で、サーバーの異常個所をより早くピンポイントで確認するために、ポータブ
 ル型の火災予兆システムを開発いたしました。

④ 国内防災メーカーで唯一、画像で火災認識する画像処理火災検知システムにおいて、多回線化により監視画面の
 監視効率を向上させるための新たなソフトを開発いたしました。

⑤ 中国国内向けに新たなR型受信機及び中継器を開発・製造し、中国国内市場で販売を開始いたしました。

⑥ 東南アジア市場では、シンガポール向けに新たな受信機を開発いたしました。

 

当連結会計年度に係る研究開発費は1,548百万円であります。

 

(2) 消火設備

消火設備は、各市場に対して当社独自の技術を結集した差別化商品の開発を推進しております。高齢化社会に対応するために、高齢者施設向けの消火設備を開発しております。また、特殊分野として、交通インフラ向けに新たな消火設備の開発も推進しております。

① 高齢者施設向けに、設置コストを抑えた新たなパッケージ型自動消火設備「SPlashα」を開発いたしまし
 た。

② 駐車場向けに、システムをコンパクト化した新たな閉鎖型泡システム「スコール C」を開発いたしました。

③ 道路トンネル用に、車線外に設置してメンテナンスも容易にできる新たなトンネル水噴霧ヘッドを開発いたしま
 した。

 

当連結会計年度に係る研究開発費は319百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しており、財政状態および経営成績について以下のように分析しております。

 

(2) 財政状態についての分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ4,209百万円増加し、107,145百万円となりました。これは、未成工事支出金が1,040百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が1,510百万円増加、建設仮勘定が1,324百万円増加、現金及び預金が1,252百万円増加したことなどによります。

負債は、前連結会計年度末と比べ803百万円増加し、37,517百万円となりました。これは、未成工事受入金が852百万円減少したものの、退職給付に係る負債が2,223百万円増加したことなどによります。

純資産は、利益剰余金の増加を主因として、前連結会計年度末と比べ3,406百万円増加し、69,627百万円となりました。

自己資本比率は前連結会計年度の62.8%から増加し、63.5%となりました。また、1株当たり純資産額は前連結会計年度の1,071.20円から1,128.22円となりました。

キャッシュ・フローにつきましては営業活動によるキャッシュ・フローが7,508百万円の流入、投資活動によるキャッシュ・フローが4,756百万円の流出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,212百万円の流出で、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は28,545百万円となりました。

 

(3) 経営成績の分析

当社グループの各セグメントの経営成績は以下のようになっております。

火災報知設備については、工事収入および商品販売ともに増収となり、売上高は前年同期比1.2%増加の35,904百万円となりました。

消火設備については、高層ビル等の一般物件、プラント・工場等の特殊物件、道路防災設備のいずれも増収となり、売上高は前年同期比22.0%増加の36,220百万円となりました。

保守点検等については、保守点検および補修工事ともに減収となり、売上高は前年同期比0.6%減少の22,868百万円となりました。

その他については、駐車場車路管制システムが増収となり、売上高は前年同期比0.5%増加の5,673百万円となりました。

以上の結果、全体の売上高は前連結会計年度に比べ6,832百万円(7.3%)増加し、100,665百万円となりました。

売上原価率は、厳しい環境ながらコストダウン・原価低減に努めたものの、前連結会計年度と比べ0.1ポイント上昇し、68.1%となっております。

売上総利益は前連結会計年度と比べ7.1%増加し32,116百万円となりましたが、売上総利益率は前連結会計年度と比べ0.1ポイント低下し、31.9%となりました。

販売費・一般管理費については、740百万円増加しましたが、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ0.8ポイント改善し、21.3%となりました。

以上の結果、営業利益は前年同期比14.8%増加の10,674百万円となり、経常利益は前年同期比13.5%増加の10,829百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比17.7%増加の6,633百万円となり、1株当たりの当期純利益は110.01円となりました。