第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による各種政策を背景に、緩やかな回復基調が続いたものの、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響などにより、先行き不透明な状況で推移いたしました。

当防災業界におきましても、民間設備投資に持ち直しの動きがみられるなど、市場は底堅く推移いたしましたが、労務費や原材料価格の動向等に依然留意が必要な状況となっております。

このような状況のなか、当社グループは平成28年度から3年間にわたる中期経営計画「project30~次世代防災への進化~」を策定しており、そのビジョンと施策のもと、企業価値の最大化を目指してまいりました。

中期経営計画の初年度として積極的な営業活動に努めた結果、当連結会計年度の受注高は97,946百万円(前年同期比0.3%増)、売上高は95,328百万円(前年同期比5.3%減)となりました。

利益につきましては、営業利益は10,190百万円(前年同期比4.5%減)、経常利益は10,425百万円(前年同期比3.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,942百万円(前年同期比4.7%増)となりました。

業績の内訳をセグメント別にみますと、火災報知設備につきましては、売上高は34,332百万円(前年同期比4.4%減)、営業利益は5,544百万円(前年同期比8.9%減)、消火設備につきましては、売上高は31,903百万円(前年同期比11.9%減)、営業利益は5,638百万円(前年同期比3.2%減)、保守点検等につきましては、売上高は24,082百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益は4,878百万円(前年同期比11.9%増)、その他につきましては、売上高は5,010百万円(前年同期比11.7%減)、営業利益は353百万円(前年同期比34.9%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して6,667百万円の増加となり、35,212百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

法人税等の支払額3,821百万円等による流出があったものの、税金等調整前当期純利益10,263百万円、売上債権の減少額3,472百万円、減価償却費1,396百万円、未成工事受入金の増加額1,126百万円等により、営業活動全体では12,532百万円の流入(前連結会計年度は7,508百万円の流入)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

主に固定資産の取得による支出により4,209百万円の流出(前連結会計年度は4,756百万円の流出)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

主に配当金の支払いにより1,569百万円の流出(前連結会計年度は1,212百万円の流出)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

火災報知設備

21,931

4.6

消火設備

22,655

△16.6

保守点検等

14,731

7.0

その他

4,102

△4.8

合計

63,419

△4.2

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2  金額はすべて製造原価及び実際発生原価によっており、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

火災報知設備

35,592

2.1

11,668

12.1

消火設備

33,742

△2.3

35,085

5.5

保守点検等

23,938

6.4

3,718

△3.7

その他

4,673

△19.2

510

△39.7

合計

97,946

0.3

50,983

5.4

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2  金額はすべて販売価格(取付工事代を含む)に換算しており、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

火災報知設備

34,332

△4.4

消火設備

31,903

△11.9

保守点検等

24,082

5.3

その他

5,010

△11.7

合計

95,328

△5.3

 

(注) 1  セグメント間の取引については相殺消去しております。

     2  金額はすべて販売価格(取付工事代を含む)に換算しており、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「防災事業のパイオニアとしての使命に徹し、社会の安全に貢献する」ことを社是とし、研究開発から営業、施工、メンテナンスまでの一貫体制のもと、災害から生命・財産を守るための最新・最適な防災システムを提供する一方、地球環境保全ならびに省エネ・省資源に配慮して行動することを基本方針としております。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

平成28年12月に創立100周年を迎えた当社グループは、さらに大きく飛躍するため、平成28年度から3年間にわたる中期経営計画「project30~次世代防災への進化~」を策定しております。

その骨子は以下のとおりです。

○ビジョン

~次世代防災への進化~

「創立100周年を迎え、能美新世紀として、防災事業の基盤を更に強固なものにして社会の変化に対応する次世代防災システム・サービスを創造・提供し続けることにより世界の安全に貢献する」

○施策

①次世代防災への基盤整備

②基幹事業の収益力向上と売上拡大

③お客様との信頼関係の更なる向上

④新規市場・サービス事業への積極果敢な挑戦

⑤技術開発力・エンジニアリング力の強化

⑥海外事業の強化

⑦防災領域の拡大を目的とした国内外におけるM&Aの推進

⑧人材育成の強化

⑨グループ全体でのCSR・コーポレートガバナンスの強化

 

(3) 会社の対処すべき課題

今後の経済見通しとしましては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、景気は緩やかに回復していくことが期待されるものの、不安定な海外経済の動向等により、依然として不透明な状況が続くものと予想されます。

当防災業界におきましても、市場が堅調に推移することが期待されるものの、労務費や原材料価格の動向等に留意が必要な状況は今後も続くものと思われます。

このような局面に対処するため、当社グループは平成28年度から3年間にわたる中期経営計画「project30~次世代防災への進化~」を策定しており、その2年目にあたる平成29年度におきましては、以下を重点方針として目標達成を目指してまいります。

・生産・実験施設等への投資と活用

・各事業の促進強化

・人材育成の強化

・グループ全体でのコーポレートガバナンスの強化

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境について

当社グループの業績は建設業界や公共事業の影響を受け、変動する可能性があります。

 

(2) 法的規制等について

当社グループの売上の主要な部分は消防法による規制に関連して生じております。この規制が急激に変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 業績の季節変動について

当社グループの業績には季節変動があり、売上が第4四半期に集中する傾向があります。

 

(4) 取引先の信用リスクについて

取引先が信用不安に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 原材料等の調達について

原材料等の価格が大幅に上昇した場合や一部の原材料等が供給不足に陥った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 資産保有リスクについて

不動産や有価証券等の保有資産の時価が著しく下落した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 退職給付債務について

年金資産の時価が下落した場合、または、退職給付債務を計算する上での前提条件が大幅に変更になった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 自然災害について

地震等の大規模な自然災害により生産および販売拠点が被害を受けた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、社会の安全に貢献することを基本理念として、火災事象の基礎研究をベースとした火災の早期検知・消火方法の確立に努めており、これらをもとに新しい防災システムの構築及び機器の開発を行っております。

現在、研究開発は当社の技術部を推進母体として研究開発センター、工場の設計部門等により推進されております。研究開発スタッフはグループ全体で100名であり、これは総従業員の約4%にあたります。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は1,782百万円であります。

当連結会計年度におけるセグメントの研究の目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は、次のとおりであります。

(1) 火災報知設備

一般ビルや共同住宅市場向けに、ユーザーニーズに応えた新たな自動火災報知システムの開発に取り組んでおります。また、海外市場向けに顧客への利便性を向上させた新型受信機を開発し、中国や東南アジア等の海外市場へ積極的な展開を行っております。更に各種工場向けに、付加価値の高い新たな防災システムの開発に取り組んでおります。

① 従来よりも幅広いニーズやリニューアル時の利便性向上のために、新たにマイナスコモンを採用した防排煙対応
 のP型一級受信機を開発して標準化いたしました。

② リニューアル時の利便性向上を考慮して、新たにマイナスコモンを採用したR24システム感知器用中継器を開
 発いたしました。

③ 住宅用火災警報器の買換え需要やハウジングメーカーへの拡販を狙い、小型の住宅用火災警報器を開発いたしま
 した。

④ 東南アジア等の海外市場向けに、機能を拡張させたInteglex Multicrest N3060受信機
 を開発いたしました。

⑤ 危険物施設等の市場向けに、防爆型の新型3波長式炎検知器を開発いたしました。

⑥ 道路トンネル向けに、外線異常監視機能付きの防災盤、新たな伝送システムを採用した小規模トンネル向け
 の防災盤を開発いたしました。

 

当連結会計年度に係る研究開発費は1,470百万円であります。

 

(2) 消火設備

消火設備は、種々の市場に対して当社独自の技術を結集した差別化商品の開発を推進しております。特に特殊分野として、交通インフラ向けに新たな消火設備の開発も推進しております。

① 従来の施工コストを低減可能な、道路トンネル用の薄型消火栓を新たに開発いたしました。

 

当連結会計年度に係る研究開発費は311百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しており、財政状態および経営成績について以下のように分析しております。

 

(2) 財政状態についての分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ6,948百万円増加し、114,093百万円となりました。これは、受取手形及び売掛金が3,546百万円減少、有価証券が2,000百万円減少したものの、現金及び預金が8,785百万円増加、建設仮勘定が2,178百万円増加したことなどによります。

負債は、前連結会計年度末と比べ1,127百万円増加し、38,645百万円となりました。これは、未成工事受入金が1,126百万円増加、未払金が463百万円増加したことなどによります。

純資産は、利益剰余金の増加を主因として、前連結会計年度末と比べ5,820百万円増加し、75,448百万円となりました。

自己資本比率は前連結会計年度の63.5%から増加し、64.8%となりました。また、1株当たり純資産額は前連結会計年度の1,128.22円から1,226.58円となりました。

キャッシュ・フローにつきましては営業活動によるキャッシュ・フローが12,532百万円の流入、投資活動によるキャッシュ・フローが4,209百万円の流出、財務活動によるキャッシュ・フローが1,569百万円の流出で、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は35,212百万円となりました。

 

(3) 経営成績の分析

当社グループの各セグメントの経営成績は以下のようになっております。

火災報知設備については、工事収入および商品販売ともに減収となり、売上高は前年同期比4.4%減少の34,332百万円となりました。

消火設備については、高層ビル等の一般物件は増収となったものの、プラント・工場等の特殊物件および道路防災設備はいずれも減収となり、売上高は前年同期比11.9%減少の31,903百万円となりました。

保守点検等については、保守点検および補修工事ともに増収となり、売上高は前年同期比5.3%増加の24,082百万円となりました。

その他については、駐車場車路管制システムは増収となったものの、売上高は前年同期比11.7%減少の5,010百万円となりました。

以上の結果、全体の売上高は前連結会計年度に比べ5,337百万円(5.3%)減少し、95,328百万円となりました。

売上原価率は、厳しい環境ながらコストダウン・原価低減に努めた結果、前連結会計年度と比べ1.8ポイント改善し、66.3%となっております。

売上総利益は前連結会計年度と比べ0.1%減少し32,096百万円となりましたが、売上総利益率は前連結会計年度と比べ1.8ポイント改善し、33.7%となりました。

販売費・一般管理費については、463百万円増加した結果、売上高に対する比率は前連結会計年度と比べ1.7ポイント上昇し、23.0%となりました。

以上の結果、営業利益は前年同期比4.5%減少の10,190百万円となり、経常利益は前年同期比3.7%減少の10,425百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比4.7%増加の6,942百万円となり、1株当たりの当期純利益は115.13円となりました。