第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは「可能性の追求を通して、総合的な高度技術により、情報社会の発展に寄与する」ことを企業理念とし、SMK's  Vision「CREATIVE CONNECTIVITY -Challenge, Creativity, Solutions」のもと、クリエイティブで柔軟な発想を持ち、失敗を恐れず果敢にチャレンジし、社会やお客様の様々な課題を解決していくソリューションを提供してまいります。同時に、持続的な企業活動の基盤となる人材の多様化と育成を推進し、より良い社会と未来の創出に貢献できる企業を目指し、中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

 

(2) 中長期的な経営戦略

当社グループは2025年4月に創立100周年を迎えました。1925年の創業以来、「良い部品は良いセットを作る」という創業の精神のもと、電機メーカーをはじめとする多くのお客様に対して、価値ある製品やサービスを提供してまいりました。2035年長期ビジョン「あらゆるニーズを実現する“ものづくり力”で、次の100年に貢献する」の実現に向けた最初のマイルストーンとして、2025年3月期から2027年3月期を対象期間とする中期経営計画「SMK Next100」を策定し、この期間を「持続的成長に向けた構造改革を加速させる期間」と位置づけ、売上・利益の成長軌道への回帰に向けた資源投下とコスト構造改革、製販一体運営等の経営基盤の強化を進めてまいりました。加えて、2025年3月25日に公表した「構造改革プログラム」に基づき、不採算事業の撤退・縮小や成長性や採算性の高い分野へのリソースの集中を行うとともに、人員数や人材ポートフォリオの最適化、規模適正化などコスト構造改革を推進し、成長軌道への回帰を図ってまいります。

 

企業体質強化の具体的な取り組みは、以下の通りです。

自然災害の事業活動への影響を最小限に抑えるリスク対策として、事業継続マネジメント(BCM)をグループ全体で対応しております。電力の供給停止、建屋の使用不能、社員の出社困難といったリソースの制約を前提にしつつ、地震・火災・水害・火山噴火・感染症など、事象ごとの特異性を踏まえたマルチハザード対応のBCMを目指しています。

開発・設計プロセスの改善としては、2025年に3D CADの最新版への更新、3Dプリンターの積極的な活用、フロントローディング型製品開発の推進とそのITシステム導入を進めております。

生産体制につきましては、固定費削減を含む生産の効率化を図るとともに最適地生産体制のレビューや拠点間の連携による自動化の推進などを継続してまいりました。これらの生産基盤強化に加えスカラロボット、6軸ロボット、無人搬送車、AIの活用などによるスマート工場の実現に向けた取り組みを推進しております。

環境保全活動においては、気候変動対応を最重要課題と位置付け、2045年までにカーボンニュートラルの実現を目標としております。その達成に向け、太陽光発電設備の導入や低炭素電力メニューへの切替をはじめとする温室効果ガス削減策を順次推進しております。具体的には、2023年2月にひたち事業所、同年3月に富山事業所、同年8月にフィリピン、同年11月にマレーシア、2024年2月にメキシコにおいて太陽光発電設備を導入いたしました。また、2026年1月にはフィリピンにおいて電力を地熱発電由来へ切り替えております。さらに、循環型社会およびカーボンニュートラルの実現に向け、エネルギー使用の低減や、設備の省エネルギー化および高効率化に加え、3R(Reduce/Reuse/Recycle)の推進による環境配慮設計を通じた環境負荷低減を進めております。今後もこれらの取り組みを継続・強化することで、脱炭素社会の実現と企業価値の向上に貢献してまいります。

 企業の社会的責任(CSR)につきましては、従来から企業理念・企業行動憲章を制定し、社会に貢献し評価される企業づくりを目指しております。2006年4月には社員行動規範を制定し、教育活動を含めSMKグループ全構成員にCSR・コンプライアンスの徹底を図っております。企業に求められる社会的責任が時代とともに変化してきたことに対応し2024年4月に「社員行動規範」を改定いたしました。2025年4月にはSMKグループ人権尊重に関する基本方針、SMKグループ贈収賄防止方針、SMKグループカルテル防止方針を制定しコンプライアンスのさらなる強化を推進しております。

当社グループでは持続的な成長と中長期的な企業価値向上のために管理体制の充実を図っております。2008年より適用開始された金融商品取引法における内部統制報告制度につきましては、2009年6月から財務報告に係る内部統制の有効性について内部統制報告書に開示しております。

また、東京証券取引所の「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」の中で、コーポレート・ガバナンス・コードへの対応を開示しており、コーポレート・ガバナンスを健全で効率的な経営を実現するための重要な仕組みと位置づけ、その充実・強化を図っております。

以上の取り組みを通じまして、SMKグループ一丸となって企業価値のさらなる向上に向けて総力を挙げて取り組んでまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは適正利潤を伴う売上の継続的拡大を目的に経営に取り組んでおり、中期経営計画「SMK Next 100」(2025年3月期〜2027年3月期)の最終年度である2027年3月期において、売上高600億円、営業利益率3.5%、ROE(自己資本当期純利益率)5.0%を目標として掲げておりましたが、市況の変化に伴う主要顧客動向の変化(需要減、企画スライドなど)により売上・利益ともに未達見込みです。次期中期経営計画策定の中で、資本効率性を含む新たな経営指標の目標値とその達成のための実行策の検討を進めてまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

世界経済は、AI関連分野の拡大による景気押上げ効果もあり、緩やかな成長トレンドが続く見通しではあるものの、米国の自国第一主義に基づく関税政策、中国経済の低迷、ウクライナ紛争の長期化や中東情勢緊迫化にともなう地政学リスクの高まりなどから、先行きの不透明感は増大しております。

当社グループは、斯かる環境下、グローバルでの生産体制の効率化、お客様のニーズに適確に対応した新製品の投入、売価改定、固定費の削減等を強化してまいります。そして、中期経営計画「SMK Next100」および構造改革プログラムを着実に実行していくことで、当社グループ全体での収益力と成長力を向上させ、企業価値の最大化を図ってまいります。

 

当社は、2025年7月15日に、公正取引委員会から下請代金支払遅延等防止法(現中小受託取引適正化法)に基づく勧告を受けました。本勧告は、当社が、部品の製造を委託していた事業者に対し、当該部品の発注を長期間行わないにもかかわらず、部品の製造に使用する金型等を無償で保管させていた行為が、同法第4条第2項第3号の規定に違反すると判断されたものです。なお、当社は、対象事業者と協議のうえ、同事業者に対し、既に保管等にかかる費用に相当する金額を支払っております。

当社は、この事実を真摯に受け止め、社内教育やチェック体制の整備で再発防止を図るとともに、当社グループのコンプライアンス体制の一層の強化に努めてまいります。

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) サステナビリティ経営への取り組み

当社グループは、社長が統括する委員会が軸となり、サステナビリティ経営を推進しております。2005年4月に危機管理委員会を、2007年7月にはCSR委員会を設置しました。これらの活動の効率性と実効性をさらに向上させるため、2024年7月にはこの2つの委員会を統合・改組し、執行役員会の下に新たにCSR・サステナビリティ委員会を設置しました。社長が委員長を務める本委員会が、CSRや事業継続、リスクマネジメントに関する全社的な課題を総合的に審議・調整する役割を担い、その傘下の各委員会及び会議体が具体的な活動を推進しております。また、人的資本に関しては、人事委員会と人材開発会議が、人事制度の改革や人材育成、ダイバーシティーの推進において中核的な役割を果たしております。なお、これらの活動は取締役会および執行役員会が監督・統括しております。

 

[サステナビリティ推進体制]

 


 

(2) 気候変動への対応

気候変動への対応は経営の重要課題と位置付け、取り組み強化に努めております。また、当社グループはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明しており、今後も開示情報の質と量の拡充に努め、ESG経営における説明責任を果たします。

 

① ガバナンス

CSR・サステナビリティ委員会の下にTN環境保全委員会を設置しています。TN環境保全委員会は取締役副社長兼環境担当役員を委員長とし、事業部、生産事業所、その他関連部門の代表者で構成されています。

TN環境保全委員会では、グループ全体の環境保全活動を管理し活動方針や指標などを決定します。重要事項は、CSR・サステナビリティ委員会を通じて執行役員会や取締役会で審議・承認されます。

 

② 戦略(リスク/機会)

気候変動に係る当社グループのリスクと機会を下記に記載します。

区分

事業への影響

評価(注)

リスク

GHG

排出抑制

(政策・法規性/顧客要求)

エネルギー政策に伴う電力コスト増大、炭素税、排出権取引等による新たなコスト発生

技術

低炭素社会のニーズへの対応が不十分なことから技術開発の遅れを招き、市場競争力の低下およびビジネスチャンス喪失

市場・顧客の

行動変化

気候変動への対応不足による企業価値低下、ビジネスチャンス喪失

異常気象の増加

洪水や干ばつ、暴風雨などの自然災害によるサプライチェーンの断絶

 

機会

資源効率化/

エネルギー源/

レジリエンス

再生可能エネルギー発電所保有による温室効果ガス排出削減と電気コスト削減、レジリエンス強化

高エネルギー効率設備や省エネルギー活動推進による温室効果ガス削減

製品・サービス

/市場

低炭素社会・市場に向けた製品の開発・提供による収入増大

(再生可能エネルギー、テレワーク、EV、自転車など)

 

(注) 事業活動への影響を「大」「中」「小」の三段階で評価

 

③ リスク管理

TN環境保全委員会において、気候変動に関連するリスクおよび機会の洗い出しと評価に向けた取り組みを段階的に進めています。 現在は、より実効性のあるリスク管理プロセスの構築に向けて関係部門と連携しながら体制整備を進めており、得られた知見や重要な事案については上部会議体へ報告し、必要な対応を付議しています。

 

④ 目標・指標

●カーボンニュートラル 中長期目標

当社グループは、中期経営計画においてScope1,2を対象としたカーボンニュートラル中長期目標を設定しています。

■ 長期目標  2045年度 カーボンニュートラル実現

■ 中期目標  2030年度 CO2排出量 : 2020年度基準40.0%削減

カーボンニュートラル実現に向けては、省エネルギー設備および再生可能エネルギーの使用を全社一丸となり促進します。主要な生産拠点で太陽光発電設備を導入し終えており、現在、さらなる施策の検討を進めています。また、サプライチェーン排出量(Scope3)は、ホームページで開示しています。

 


 

※購入電力のCO2換算係数更新のため過年度実績を再算出しています。

 

 

(3) 人的資本経営の取り組み

当社は“CREATIVE CONNECTIVITY - Challenge, Creativity, Solutions”をSMK Visionとして掲げ、社会やお客様の様々な課題を解決し、より良い社会と未来の創出に貢献することを目指しております。これを実現させるために、経営戦略と人材戦略・人的資本投資の連動性を高めることを重視し人材ポートフォリオの最適化を軸に、職務遂行に必要な能力要件に基づく人材育成(能力開発)を重視した運営を行っています。また、前期に実施した希望退職者の募集に至った背景として組織風土改革の必要性を認識し、社長が主導する組織風土改革プロジェクトをスタートしました。こうした取り組みがSMK Visionなどの企業としての基本姿勢を実現し、更には、売上・利益の持続的成長への好循環サイクルを実現します。これらの具現化のためのガバナンス、リスク管理、戦略、指標と目標については次のとおりです。

 

① ガバナンス

当社グループでは、経営戦略に関わる人的資本投資については取締役会が審議・決定のうえ執行役員会に伝達し、グループ社員全般の人的資本投資については執行役員会で審議・決定しております。また、執行役員会の傘下には多様な人材の活躍支援を含む人事諸制度を審議する人事委員会と、人材育成やスキル向上を審議する人材開発会議を配しております。

人権尊重などの労働コンプライアンスと労働安全衛生については、CSR・サステナビリティ委員会の下部にあたる、労働・人権委員会が担当しております。

 

② リスク管理

人的資本経営に関するリスク管理は下表のとおり行っております。

重要課題

関連するリスクと機会

(〇機会、●リスク)

リスク管理

多様な人材の活躍

●人材獲得競争の激化による採用コスト増加

●多様な人材の獲得が進まない場合の事業の機会損失

●多様な人材の登用が進まない場合の社員のモチベーション低下

〇多様な人材の登用によるビジネス機会創出

・グループ全体の多様な人材の採用や離職について執行役員会でモニタリングし、対応施策の検討を行う。

・グループ全体での多様な人材の登用制度を含む人事諸制度の実行状況について人事委員会でモニタリングし、人事諸制度の立案を行う。

人材育成

●人材育成や技能伝承が進まない場合の競争力低下

〇優秀な人材の定着

・グループ全体の人材育成施策の計画立案とその遂行状況について人材開発会議でモニタリングし、新たな施策の検討を行う。

安心・安全な労働環境

●労働コンプライアンスが守られない場合の企業の信用失墜

●労災事故の発生

●従業員の心身の健康が維持できない場合の損失発生

〇安心・安全な労働環境の確保による企業の信頼獲得と社員のモチベーション向上

・グループ全体の労働コンプライアンスの遵守や安全衛生および健康増進活動の実施状況について労働・人権委員会でモニタリングし、情報共有を行う。

 

 

③ 戦略

経営戦略を実現する人材戦略・人的資本投資を実施していきます。人材戦略と人的資本投資による人材一人ひとりの能力開発を促すことなどを起点に個人の成長を促します。また、組織風土改革を推進することで、従業員エンゲージメントを高めるとともに、学習・共創する組織風土の浸透に努めます。そうした取り組みにより、企業理念やビジョンを実現する原動力となり、売上や利益の持続的成長に繋がるよう推進し、経営戦略と人材戦略・人的資本投資・組織風土戦略の好循環サイクルを実現していきます。

 

 [経営戦略と人材戦略・人的資本投資・組織風土戦略の好循環サイクル]

 

 


 

人的資本の観点から、ビジネスに必要な能力要件に注目し、徹底した能力開発を行うことで、人的資本価値の向上に努めます。ビジネスに関連する各種のスキルだけでなく、能力水準の土台を人間力(人としての器)と定め、視座の高さや視野の広がりのレベル感、或いは多様な価値観の受容能力などの意思決定における基礎となる総合的な力の伸長にも注目し対応していきます。また、今回実施した希望退職募集を踏まえ、今後の事業戦略にマッチした人材ポートフォリオの再構築に取り組んでいきます。

人材育成に関しては、階層別研修の全面的な見直しを行い、役割のステージに応じた研修を構築・実施します。前期より、管理職層にアセスメントを活用した能力の棚卸しを行うと共に、能力開発計画に取り組むことでマネジメント力と職務遂行能力を向上させる取り組みを開始しました。また、高齢化が顕著な役員のサクセッションマネジメントとして、経営陣の後継人材を育成する実践的プログラムを今期よりスタートします。

個別の人材育成と並行し、組織風土の改革の重要性を大きく引き上げ、本格的な取り組みを開始しました。従来の顧客ニーズへのカスタム対応力を維持しつつも、お客様や社会の課題に対し、プロアクティブに提案を行うなど自律的・能動的な組織風土の定着を目指します。具体的には社員の行動変容に組織的に取り組むことで学習・共創する組織風土の定着を目指します。こうした取り組みから、社員の多様性を新たな価値創造の原動力に向けていくことも視野にいれています。

 

④ 指標と目標

重要課題

指標の内容

2025年3月期

実績

2026年3月期

実績

長期目標

(2035年)

多様な人材の活躍

①女性管理職比率(連結)(注1)

9.6%

9.6

20.0

②外国人管理職比率(連結)(注1)

23.0%

24.8

30.0

③中途採用管理職比率(連結)(注1)

53.3%

56.0

67.0

④離職率(単独)(注2)

1.1%

5.2

2.5

⑤離職率(連結)(注2)

2.2%

4.7

4.5

⑥障がい者雇用率(単独)

2.6%

2.5

3.0

人材育成

⑦一人あたり研修受講時間(連結)

42H

45

30

⑧一人あたり研修受講費用(連結)

7,811円

9,801

12,000

⑨一人あたり研修受講時間(単独)

20H

94

80

⑩一人あたり研修受講費用(単独)

26,596円

34,526

40,000

⑪経営幹部育成プログラム修了者(連結)(注3)

64人

64

100

安心・安全な労働環境

⑫CSR研修受講率(連結)

98.7%

99.4

100.0

⑬重大労働災害件数(連結)(注4)

1件

0

0

⑭健診受診率(単独)

90.9%

90.7

100.0

 

(注) 1 トランスナショナル人事制度における部課長相当の比率

2 トランスナショナル人事制度における基幹社員(実務スタッフ~部長)の自己都合による離職率。定年退職者を除く。

3 該当年度までに経営幹部育成プログラムを修了し、期末現在に在籍している社員の人数

4 重大労働災害:死亡事故及び後遺障害の残る労働災害

 

(4) その他のサステナビリティ項目への取り組み

当社グループでは、社会課題の解決と持続可能な社会の実現に向けて、上記の気候変動、人的資本への取り組みに加えて、コーポレート・ガバナンス体制の充実、サプライチェーン・マネジメントの強化、社会貢献活動への取り組み等を多角的に推進しています。詳細は当社ホームページにて開示しております。

https://www.smk.co.jp/ja/sustainability

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 競合及び価格動向

電子部品業界は、国内外に多数の同業者が大手から中小まで様々な規模で存在する極めて競合的な業界であります。当社グループは継続的な開発投資により独自技術の蓄積と新製品・新技術の開発に努めておりますが、当社グループを超える高い独自技術によって競合他社が当社グループの市場シェアを奪う可能性があります。

また、競合的な市場であることから、当社グループもコストダウンや差異化商品の投入等により、利益確保に努めておりますが、採算性、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 海外展開

当社グループは、主にアジア・北米・欧州で事業展開しており、それぞれの地域における経済・政治・社会情勢の変化が業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、各国・地域の法令・規則等の各種規制に従って事業を行っておりますが、予期せぬ変更や新たな適用、経済安全保障上の関税・規制・制裁の強化等により影響を受ける可能性があります。

これに対して、当社グループでは、各国・地域の動向や各種規制について多方面から情報を収集し、最適地生産や代替生産を可能とするグローバル生産体制の構築や、サプライチェーンBCMの強化に努めております。

(3) 為替レートの変動

当連結会計年度の売上高に占める海外売上高の割合は約6割であり、米国ドル建てを主として取引をしております。為替予約や一部顧客との間の為替連動売価の導入などにより相場の変動リスクを低減しておりますが、為替変動による影響を完全に排除することは難しく、一般に、円高に振れた場合には利益は減少いたします。

(4) 原材料等の調達と価格変動

当社グループは、原材料や一部部材を外部業者より調達しております。これら外部業者とは安定供給のための協力関係を築いておりますが、需要の急激な変動に伴う供給元からの調達難や仕入価格上昇が発生した場合、生産遅延やコスト上昇により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当社グループでは、サプライチェーンマネジメントの強化に取り組み、代替調達先の確保や長期供給契約の締結等によって部材の安定的な確保に努めております。

(5) 人材の確保

当社グループでは、人材を価値創造を担う人的資本と位置付け、持続的な企業価値向上の原動力と考えております。少子高齢化による労働力不足や人材獲得競争の激化により、十分な人材確保が困難になった場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。
 これに対して、当社グループでは、多様な人材の活躍を実現するために、人事制度の拡充や人材育成、組織風土改革を推進し、優秀な人材の獲得と定着を図ってまいります。

(6) 事業提携・資本提携及び企業買収

当社グループは、戦略的な事業提携・資本提携及び企業買収を推進し、提携先・買収先との相乗効果による企業価値の最大化に取り組んでおりますが、提携先・買収先の企業や対象事業などを取り巻く事業環境が悪化し、当初想定していた成果や相乗効果を得られない場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 環境保全及び環境関連の規制の強化

当社グループは、「SMKグループ環境憲章」のもと、環境に配慮した製品づくりや温室効果ガス・廃棄物排出の削減に取り組み、また、環境関連の規制を遵守して事業活動を推進しております。しかしながら、不測の事態により環境汚染につながる事象が発生した場合、早急に事態を収束するための対策費用が発生する可能性があります。また、環境関連の規制の強化・変更により、新たな規制への対応費用が発生する可能性もあります。

カーボンニュートラル推進においては、2045年にカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)を実現する目標を設定しております。これに伴い、低炭素電力メニューの採用等により新たな負担が発生する可能性があります。また、電力供給会社の温室効果ガス削減推進の影響を受け、産業共通のインフラとしてのエネルギー供給が不安定になり、当社グループが最も多く使用するエネルギーである電力のコストが上昇し、新たな負担が発生する可能性があります。

 

 

(8) 情報セキュリティ

当社グループは、電子情報を保護し管理を徹底するため、「電子情報セキュリティ基本規程」を制定し、外部からの社内情報システムへの不正アクセス又は不正操作に対処する侵入防止策を講じるとともに、内部監査や情報セキュリティ教育などを通して、情報漏洩対策の強化を推進しております。また、営業秘密や個人情報、知的財産についても、規程・運用方針などを整備してその保護に努めております。しかしながら、これら情報が漏洩するなどの情報セキュリティ問題が発生した場合、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 災害等の発生

当社グループは、地震等の自然災害や感染症の流行等による事業活動の低下を最小限にとどめるために、事業継続計画(BCP)の策定を進め、国内外の各拠点における防災対策や、災害発生時の他の拠点での代替生産や調達先の変更などへの対応に取り組んでおります。しかしながら、想定を超える大規模災害等が発生した場合、生産設備の破壊、物流機能の麻痺などにより、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績及び財政状態の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国経済の底堅さを背景に概ね安定した動きとなりました。一方、米国の関税政策に伴う景気下押し懸念、ウクライナ紛争の長期化や中東情勢の緊迫化等の地政学リスクの高まり、中国経済の成長鈍化など、先行きの不透明感が高まっております。また、これらの要因や日米金利差を背景にドル円為替相場も円安で推移する状況が続いております。

当電子部品業界におきましては、市況全体としては緩やかな回復基調となりました。車載市場では、世界的な自動車販売の減速やEVの失速により停滞感が見られました。情報通信市場では、スマートフォン、タブレットは緩やかな回復傾向は見られるものの全体としては低調な状況が続きました。一方、AIサーバー/データセンター関連分野は引き続き拡大しました。家電市場では、ゲーム関連は好調に推移し、エアコンなどの白物家電も堅調に推移しました。産機市場においては、半導体・AI分野向け投資の下支えにより在庫水準が徐々に適正化に向かい、回復の兆しが見え始めました。

当連結会計年度においては、CS事業の売上高は情報通信市場が前年を下回りましたが、車載、家電、産機市場が好調に推移し前年を上回る結果となりました。SCI事業の売上高は情報通信市場が前年を割り込みましたが、家電、車載、産機市場が好調で前年を上回りました。この結果、売上高は482億4百万円(前期比0.3%増)、営業利益は4億3千万円(前期は営業損失2億2千万円)となりました。経常利益は12億4千3百万円(前期比126.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5千6百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失18億8千4百万円)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりです。

 

(CS事業部)

車載市場では、カメラ関連や電装関連が堅調だったのに加え、バッテリー関連や2輪車向けが拡大し、前年を上回る結果となりました。家電市場は、アミューズメント関連やデジカメ関連の拡大により前年を上回り、産機市場も再生可能エネルギー関連の好調を受けて前年を上回りました。一方、情報通信市場では、スマートフォン向けが減少し前年を下回る結果となりました。

この結果、当事業の売上高は225億2千万円(前期比1.6%増)、営業利益は11億8千7百万円(前期比22.6%減)となりました。

 

(SCI事業部)

家電市場では、リモコンにおいてサニタリー用・エアコン用が好調でしたが、住設用・スマート家電用が前年を割り込み、全体としては前年並みとなりました。一方、車載市場では車両用ユニットやE-Bike用ユニット、スイッチが好調に推移し前年を上回る結果となりました。

この結果、当事業の売上高は256億2千1百万円(前期比0.1%減)、営業損失3億7千8百万円(前期は営業損失13億8百万円)となりました。

 

(イノベーションセンター)

イノベーションセンターではコスト管理強化の取り組みとして事業の選択と集中を進めており、「音声によるあたまの健康度分析技術」と「筋電センサー」の2事業にリソースを集中することとしましたが、事業化が遅れております。一方、これまでの主力ビジネスであった通信モジュール事業については、全社的な効率性を考慮し、2025年6月よりSCI事業部へ移管しました。

この結果、当事業の売上高は6千2百万円(前期比75.2%減)、営業損失は3億7千9百万円(前期は営業損失4億4千6百万円)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、期首残高から8億2千1百万円減少し、95億9千4百万円となりました。

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較して、4億1千5百万円減少し、20億2千3百万円の流入となりました。

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較して、4千5百万円減少し、22億6千2百万円の流出となりました。

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較して、27億3千8百万円減少し、24億5千2百万円の流出となりました。

 

③ 生産、受注及び販売の状況

  a. 生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

CS事業部

18,893

5.5

SCI事業部

22,680

5.9

イノベーションセンター

17

△91.1

合計

41,591

5.2

 

 

 b. 受注実績

 

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

CS事業部

22,547

5.5

5,878

8.6

SCI事業部

25,483

△0.9

7,449

10.7

イノベーションセンター

42

△67.1

△100.0

合計

48,074

1.8

13,327

9.0

 

 

  c. 販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

CS事業部

22,520

1.6

SCI事業部

25,621

△0.1

イノベーションセンター

62

△75.2

合計

48,204

0.3

 

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 経営成績及び財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容

 (経営成績)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

金額
(百万円)

売上比
(%)

金額
(百万円)

売上比
(%)

金額
(百万円)

売上比
(%)

1.売上高

48,051

100.0

48,204

100.0

153

0.0

2.営業費用合計

48,271

100.5

47,774

99.1

△497

△1.4

 ①材料費

21,798

45.4

21,723

45.1

△74

△0.3

 ②外注加工費

480

1.0

410

0.85

△70

△0.2

 ③労務費

17,427

36.3

17,136

35.6

△291

△0.7

 ④経費 

5,911

12.3

5,811

12.1

△99

△0.2

 ⑤減価償却費

2,169

4.5

2,434

5.1

△264

0.5

 ⑥在庫増減

482

1.0

257

0.5

△225

△0.5

3.営業利益又は

  営業損失(△)

△220

△0.5

430

0.9

650

1.4

4.営業外損益
  内為替差損益

769

54

1.6

0.1

813

118

1.7

0.2

43

64

0.1

0.1

5.経常利益

549

1.1

1,243

2.6

694

1.4

6.特別損益

△1,512

△3.1

△376

△0.8

1,136

2.4

7.法人税等

921

1.9

810

1.7

△110

△0.2

8.親会社株主に帰属する

    当期純利益又は

  親会社株主に帰属する

    当期純損失(△)

△1,884

△3.9

56

0.1

1,940

4.0

 

 

売上高は、CS事業は情報通信市場が前年を下回りましたが、車載、家電、産機市場が好調に推移し、SCI事業は情報通信市場が前年を割り込みましたが、車載、家電、産機市場が拡大し、482億4百万円(前期比0.3%増)となりました。営業利益は、売上高の増加に加えて構造改革プログラムによる固定費削減の効果もあり、前期の営業損失2億2千万円から、営業利益4億3千万円に黒字転換しました。

営業外損益の主なものは不動産収支であり、経常利益は12億4千3百万円となりました。

特別損益の主なものは、減損損失であります。また、法人税等として繰延税金資産の取崩等を計上しましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は5千6百万円と黒字を確保しました。

 

 

 (財政状態)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

流動資産

33,149

30,845

△2,304

固定資産

24,535

26,780

2,245

総資産

57,684

57,625

△59

負債

28,462

26,468

△1,994

純資産

29,221

31,156

1,934

自己資本比率

50.7

54.1

3.4%

 

 

流動資産は、前連結会計年度末に比べて7.0%減少し、308億4千5百万円となりました。これは、現金及び預金が8億1百万円、商品及び製品が1億9千4百万円、原材料及び貯蔵品が8億4千5百万円それぞれ減少したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べて9.2%増加し、267億8千万円となりました。これは、退職給付に係る資産が14億9千7百万円、投資有価証券が10億6千5百万円それぞれ増加したことなどによります。

この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.1%減少し、576億2千5百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて13.4%減少し、144億1千7百万円となりました。これは、短期借入金が9億円、支払手形及び買掛金が3億1千8百万円、電子記録債務が6億8千7百万円それぞれ減少したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末に比べて2.0%増加し、120億5千1百万円となりました。これは、繰延税金負債が7億7千1百万円増加し、リース債務が3億7千万円、長期借入金が1億4千万円それぞれ減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて7.0%減少し、264億6千8百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて6.6%増加し、311億5千6百万円となりました。これは、為替換算調整勘定が14億5千5百万円、退職給付に係る調整累計額が6億5千6百万円それぞれ増加したことなどによります。

 

なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 (経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

当社グループは中期経営計画「SMK Next100」(2025年3月期~2027年3月期)の最終年度である2027年3月期において、売上高600億円、営業利益率3.5%、ROE(自己資本当期純利益率)5.0%を掲げておりましたが、市況の変化に伴う主要顧客動向の変化(需要減、企画スライドなど)により売上・利益ともに未達見込みです。当連結会計年度においては、売上高482億円、営業利益率0.9%、ROE(自己資本当期純利益率)0.2%となりました。次期中期経営計画策定の中で、資本効率性を含む新たな経営指標の目標値とその達成のための実行策の検討を進めてまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 (キャッシュ・フローの状況)

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

2,439

2,023

△415

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,216

△2,262

△45

財務活動によるキャッシュ・フロー

286

△2,452

△2,738

現金及び現金同等物

10,415

9,594

△821

 

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較して、4億1千5百万円減少し、20億2千3百万円の流入となりました。

主に、減価償却費26億2千6百万円による流入によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較して、4千5百万円減少し、22億6千2百万円の流出となりました。

主に、有形固定資産の取得による支出21億8千5百万円による流出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前期と比較して、27億3千8百万円減少し、24億5千2百万円の流出となりました。

主に、借入金の純減少額10億4千万円、配当金の支払額8億9千万円、リース債務の返済による支出5億2千万円による流出によるものです。

 

 (資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、投資有価証券の取得等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は142億1千3百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は95億9千4百万円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

5 【重要な契約等】

当社は、財務上の特約が付された金銭消費貸借契約を締結しております。

契約に関する内容等は、以下のとおりであります。

 

(タームローン契約)

(1) タームローン契約の概要

  契約締結日               : 2022年3月31日

   契約の相手方の属性       : 都市銀行

  債務の期末残高            : 833百万円

  タームローン契約期間      : 自 2022年3月31日 至 2029年3月30日

   担保の内容                : 工場財団に根抵当権を設定

 

(2) 財務上の特約の内容

①各年度の決算期の末日および第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日または第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上かつ209億円以上に維持すること。

②各年度の決算期の末日および第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日または第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上かつ191億円以上に維持すること。

③各年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。

④各年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。

(シンジケートローン契約)

(1) 金銭消費貸借契約の概要

  契約締結日               : 2023年9月26日

   契約の相手方の属性       : 都市銀行及び地方銀行

  債務の期末残高            : 3,000百万円

  契約期間                  : 自 2023年9月26日 至 2030年9月30日

   担保の内容                : なし

 

(2) 財務上の特約の内容

①各年度の決算期の末日および第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日または第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上かつ230億円以上に維持すること。

②各年度の決算期の末日および第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日または第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上かつ197億円以上に維持すること。

③各年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。

④各年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。

 

(コミットメントライン契約)

(1) コミットメントライン契約の概要

  契約締結日               : 2025年3月31日

   契約の相手方の属性       : 都市銀行

  債務の期末残高            : 4,200百万円

  コミットメント期間        : 自 2025年3月31日 至 2028年3月31日

   担保の内容                : 工場財団に根抵当権を設定

 

(2) 財務上の特約の内容

①各年度の決算期の末日および第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日または第2四半期の末日における連結の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上かつ241億円以上に維持すること。

②各年度の決算期の末日および第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額を直前の決算期末日または第2四半期の末日における単体の貸借対照表上の純資産の部の金額の75%以上かつ183億円以上に維持すること。

③各年度の決算期における連結の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。

④各年度の決算期における単体の損益計算書に示される経常損益が2期連続して損失とならないようにすること。

 

 

6 【研究開発活動】

当社は企業理念である「可能性の追求を通して総合的な高度技術により、情報社会の発展に寄与する」を基本精神として、研究開発活動を進めております。「CREATIVE CONNECTIVITY ―Challenge, Creativity, Solutions」をSMK's Visionとして掲げ、社会やお客様の課題に対するソリューション提案・付加価値提案のための研究開発を継続的に進めています。目覚ましく進歩するデジタル化・IoT化によって社会の利便性が益々高まっており、ユーザビリティや耐環境性能など、お客様の新たなセットの価値創出に貢献していくことを目指しています。

当期におきましては、創立100周年記念行事の一環としてSMK技術展「TEXPO2025」を7月に開催しました。「電子部品からソリューションへ」をテーマとして、各種新製品と技術を展示し、当社の可能性を発信しました。

事業部門においては電子情報産業の機構部品・接続部品分野で技術・商品開発を推進し、コアテクノロジーの深耕と新耕に取り組んでいます。また、イノベーションセンターでは当社の自社技術とオープンイノベーションの活用による高付加価値技術で社会課題へのソリューション提案となる先進的な製品開発に注力しています。生産技術センターでは各事業部・事業所と連携し、トランスナショナルの製造現場における自動化の向上とIT技術導入による無人化・生産性の向上を進めており、自社内での自動化・省力化設備の開発と製作、稼動データ収集システムを活用した設備の予兆保全にも取り組んでいます。技術管理部では研究開発・設計開発環境の向上を目指して、開発ツール・ソフトの高度化やシミュレーション技術の向上、当社が創造した知的財産の適切な保護とその活用を進めています。

開発体制は、国内3拠点の他に、米国・メキシコ・中国・シンガポールとグローバルな拠点展開を行い、本社をセンター機能として各拠点間で双方向の連携を図っています。各開発拠点は、その地域でのワンストップソリューション(営業・設計・生産の一貫体制)での設計機能を果たすことを目指し、新技術の共有や設計工数・習熟度などの不足は補完し合いながら開発を進めています。

 

当連結会計年度における主な研究開発成果は次のとおりです。

 

(1) CS事業関連

情報通信市場では、AIの活用でさらに高速化する機器に向けて、Thunderbolt4/5に対応した0.5mmピッチのFPCコネクタの開発を進めています。また、基板対基板コネクタではTB4/5並びにPCIe-Gen5/6にも対応した0.3mmピッチ・フルシールドタイプを商品化しました。モバイル端末の拡張性を向上するための高速化への対応とUSB-Cなどの高速I/Fコネクタを配置する際の設計自由度向上に貢献します。

車載市場では、業界実績の高いFAKRAコネクタで、当社オリジナル構造の嵌合音対応品を開発し、レパートリー拡充を図りました。課題であった嵌合ロック音を従来の1.6倍に高め、製造現場における嵌合不良の防止に貢献します。

振動条件の厳しいモビリティ・産業機械市場では、接点を振動させずにXYZ方向にフローティングする3軸フローティングB2Bコネクタを開発しました。フローティング量は±0.5mm以上を有し、接点摺動させない構造を採用することで接点部の摩耗を防止し、高い信頼性を有します。また、モーターやバッテリーパックなど大電流通電のバスバーと基板を簡単かつ高信頼性で接続するアクティブ・フローティング・ソケットを上市しました。ドライブユニットやeAxle用途に比較的小電流から大電流までのレパートリーを揃えています。基板実装位置の制約を受けず、トップ・ボトムどちらからの挿入作業も可能にし、バスバーをバネ接触としたことで信頼性向上が図られ、高い評価を受けています。

 

(2) SCI事業関連

スマートホーム市場では、Matterに対応した家電コントロール技術を搭載したリモコンをはじめ関連製品を開発しました。指輪型デバイスはジェスチャー操作を用いた直感的な機器制御が可能で、次世代スマートホームにおける操作性・利便性向上が図れます。

センシング分野においてはエナジーハーベスト技術を活用した自立電源型デバイス「Harvest Loop®」を開発し、実用化に向けての取り組みを進めています。また、同じくエナジーハーベスト技術を応用した自転車用ワイヤレスロックシステム「eHoop」を開発し、電源レスでの運用を可能とする新たなモビリティ関連ソリューションとして提案しています。

社会課題の一つである省人化への提案として、LoRaWAN®対応GPSトラッカーや在庫管理センサーの開発を進めています。また、産業機器市場では、機器に取り付けて故障を未然に防止する予知センサーや、火災発生前の異常兆候を検知することで災害を未然に防止するセンサーの開発に取り組んでいます。これらの製品を通して、持続可能社会や産業効率化への貢献を目指しています。

 

(3) イノベーションセンター関連

イノベーションセンターでは、事業ポートフォリオ最適化の一環として通信モジュールビジネスをSCI事業部へ移管し、注力領域を明確化しました。これにより、生体情報を活用した新たな価値創出に向けた研究開発に一層注力していきます。当期は、「あたまの健康度を可視化する技術」と「筋電センサー」の開発を重点テーマとして推進し、生体データの高度解析によって従来見えなかった状態や動きを可視化し、社会課題解決のソリューション提案に取り組んでいます。

あたまの健康度を可視化する技術は、米国Canary Speech社の機械学習アルゴリズムを基盤に、国立循環器病研究センター等と共同開発したもので、健康度や気持ちの変化、ストレス等を分析します。約40秒の自由発話音声から2,500以上の特徴量をAIで解析し結果を出力する仕組みで、クラウド分析によりスマートフォンやPCなど多様なデバイスで利用可能です。現在、生命保険会社や健康食品会社での顧客獲得支援やモニタリング、自治体向け健康増進ツールとして活用が進んでいます。

筋電センサーでは、トレーニングジムとの共同開発により、筋電位を活用して身体の使い方を可視化する技術の実用化を推進しています。これにより、従来は感覚に依存していたトレーニングの最適化を、データに基づいて支援し、課題の抽出と改善提案を可能にします。さらに、ゴルフのインドアスクール企業との共同開発では、筋電データを活用した独自のスイング判定アルゴリズムの開発を進めています。これにより、従来のゴルフシミュレーターでは捉えきれなかった身体の使い方や動作の質を可視化し、より高度で個別最適化された指導の実現を目指しています。

 

(4) 生産技術関連他

生産技術面では、グローバルの全グループ工場で、製造工程の自動化率向上及びIoT・DX技術の活用による製造現場の効率化に取り組んできました。グループ全体の自動化率は前年比で1.7%向上しました。これは、東莞工場製作の自動機をマレーシア工場に導入したり、本社工場からの技術支援でメキシコ工場の基礎部門の自動化を進めるなど、グループ内での横断的な連携強化によるところです。

また、製造現場でのAI技術の活用にも取り組んでいます。製品外観検査工程・組立状態の検査・データ処理による不良原因分析などにAIを活用し、省人化・検査工数削減・変化点管理の強化を図っている他、製造設備の故障予知にAIを導入し、設備の予兆保全による安定稼働に結び付けています。全グループ工場の技術連携をさらに強化し、製造・検査設備へのAI技術の導入を内製化によって推進し、自動化および生産性・品質向上に継続的に取り組んでいきます。

新製品開発ではフロントローディング型開発システムを構築・推進し、シミュレーション技術(構造解析・流動解析・電磁界解析・光学解析など)の活用強化と解析スピードアップを図ると共に、機構強度・音響・材料配向・流体・加工成形を組み合わせた連成シミュレーションやAIを活用した最適化の導入でシミュレーション技能の高度化を図り、設計力強化・設計品質向上に向けた環境整備に取り組んでいます。

 

なお、当連結会計年度の研究開発費は2,891百万円です。