第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当期における世界経済は、米国の景気回復が緩やかに続いておりますが、中国をはじめとするアジア新興国経済の景気が下振れし、世界経済が下押しされるリスクを抱えた状況が続いております。我が国においては、企業業績の改善を背景に設備投資の緩やかな増加が見られましたが、個人消費が低調に推移し、全体として景気は足踏み状態が続きました。

当社を取り巻く事業環境につきましては、引き続き、厳しい価格競争が続いたことに加えて、年度後半にはスマートフォン市場の減速が見られました。

このような事業環境下にあって、産業用高付加価値商品は、携帯電話基地局用途で年度前半に中国向け顧客の生産調整を受け、前年同期比減収減益となりました。一方、車載用高信頼性商品は、ADAS(先進運転支援システム)等の新用途向けで堅調な需要が続き、対前年比増収増益となりました。一般量産品は、移動体通信向けを中心に採算性重視の営業活動を展開したことに加え、スマートフォン市場減速の影響等を受けて、前年同期比減収となりましたが、収益構造は改善し、光学製品も原価低減努力により損失は縮小しました。

当期の連結受注高は45,179百万円(前年同期比2.9%減)となり、連結売上高は44,850百万円(前年同期比6.0%減)となりました。また、営業利益は410百万円(前年同期比134.3%増)、税引前当期利益は102百万円(前年同期比71.4%減)、当期利益は317百万円(前期は当期損失569百万円)となりました。

① 事業の品目別の業績を示すと、次のとおりであります。

・水晶振動子

水晶振動子の販売は、車載用高信頼性商品の販売は増加しましたが、一般量産品は移動体通信向けを中心に採算性重視の営業活動を展開したことに加え、当第4四半期におけるスマートフォン市場減速の影響等を受けて、販売が減少しました。その結果、売上高は26,795百万円(前年同期比7.0%減)となりました。

・水晶機器

水晶機器の販売は、車載用高信頼性商品について、ADAS(先進運転支援システム)等の新用途向けで堅調な需要が続き、水晶発振器の販売が伸びました。しかしながら、当第1四半期に携帯電話基地局用途で中国向け顧客の生産調整を受け、水晶発振器の販売が減少した他、一般量産品では移動体通信向けを中心に採算性重視の営業活動を展開したことにより、販売が減少しました。その結果、売上高は13,630百万円(前年同期比7.3%減)となりました。

・その他

光学デバイス向けの販売が減少しましたが、超音波機器向けの販売は増加しました。その結果、売上高は4,424百万円(前年同期比5.3%増)となりました。

 

② 主要な販売先別の業績を示すと、次のとおりであります。

(a) 日本

デジタルカメラ市場向け光学デバイスの販売が減少した他、携帯電話基地局向け水晶発振器の販売が減少しました。その結果、売上高は8,950百万円(前年同期比7.3%減)となりました。

(b) アジア

車載用の水晶発振器、水晶振動子の販売が増加しましたが、当第1四半期に携帯電話基地局用途で中国向け顧客の生産調整を受けて水晶発振器の販売が減少したことに加え、移動体通信向けを中心に採算性重視の営業活動を展開したこと、当第4四半期にスマートフォン市場減速の影響を受けたこと等により水晶振動子の販売が減少しました。また、パソコン向け水晶振動子の販売が減少しました。その結果、売上高は中国17,096百万円(前年同期比8.4%減)、シンガポール1,176百万円(前年同期比21.4%減)、タイ948百万円(前年同期比95.1%増)、マレーシア774百万円(前年同期比30.4%減)、その他1,445百万円(前年同期比35.9%減)となりました。

(c) 欧州

車載用の水晶振動子の販売が増加しましたが、携帯電話基地局向け水晶発振器の販売が減少しました。その結果、売上高はドイツ4,334百万円(前年同期比0.0%増)、その他4,892百万円(前年同期比0.0%増)となりました。

(d) 北米

車載用の水晶振動子等の販売は増加しました。その結果、売上高はアメリカ3,865百万円(前年同期比10.6%増)、その他122百万円(前年同期比840.5%増)となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、マイナス要因として、長期借入金の返済による支出10,586百万円、有形固定資産の取得による支出1,709百万円があったものの、プラス要因として、長期借入れによる収入9,000百万円、減価償却費及び償却額3,558百万円があったこと等により、前連結会計年度に比較し2,797百万円増加の17,161百万円となりました。

フリー・キャッシュ・フローは、投資活動によるキャッシュ・フローが1,204百万円のマイナスとなったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが5,667百万円のプラスとなったことにより、4,463百万円のプラス(前年同期比3,276百万円のプラス)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、マイナス要因として、営業債務の減少422百万円、未払賞与の減少347百万円があったものの、プラス要因として、減価償却費及び償却額3,558百万円、棚卸資産の減少1,487百万円、保険金の受取額898百万円があったこと等により、5,667百万円のプラス(前年同期比4,262百万円のプラス)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、プラス要因として、投資有価証券その他の資産の売却による収入1,978百万円があったものの、マイナス要因として、有形固定資産の取得による支出1,709百万円、投資有価証券その他の資産の取得による支出1,676百万円があったこと等により、1,204百万円のマイナス(前年同期比985百万円のマイナス)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入9,000百万円、長期借入金の返済による支出10,586百万円等により、1,101百万円のマイナス(前年同期比4,138百万円のプラス)となりました。

 

(3) IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異

前連結会計年度(自  平成26年4月1日  至  平成27年3月31日)

① 営業利益

日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く。)の影響額1,093百万円(利益増)の他、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異134百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異118百万円(利益増)等により、日本基準に比べ1,090百万円増加しております。

② 税引前当期利益

上記段階利益の差異による影響額1,093百万円の解消(利益減)の他、政府補助金の会計処理の違い等による支払利息の増加97百万円(利益減)、補助金収入の増加124百万円(利益増)及び投資有価証券売却益の増加71百万円(利益増)等により、日本基準に比べ106百万円増加しております。

③ 当期利益

上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ168百万円増加しております。

 

当連結会計年度(自  平成27年4月1日  至  平成28年3月31日)

① 営業利益

日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く。)の影響額337百万円(利益増)のほか、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異124百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異96百万円(利益増)等により、日本基準に比べ331百万円増加しております。

② 税引前当期利益

上記段階利益の差異による影響額337百万円の解消(利益減)のほか、政府補助金の会計処理の違い等による支払利息の増加62百万円(利益減)、補助金収入の増加65百万円(利益増)及び投資有価証券評価損の増加28百万円(利益減)等により、日本基準に比べ21百万円減少しております。

③ 当期利益

上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ63百万円増加しております。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別の名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

水晶振動子

26,819

△10.1

水晶機器

12,086

△12.2

その他

4,584

11.6

合計

43,489

△8.8

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別の名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

水晶振動子

26,762

△5.5

水晶機器

13,763

△5.4

その他

4,653

26.6

合計

45,179

△2.9

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

 

品目別の名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

水晶振動子

26,795

△7.0

水晶機器

13,630

△7.3

その他

4,424

5.3

合計

44,850

△6.0

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績の記載を省略しております。

 

3 【対処すべき課題】

通信方式の多様化と新たな周波数使用に対応するためSAW(弾性表面波)デバイスの需要拡大が見込まれます。また、IoTにつながるデバイス数の急拡大に伴い、通信機能で水晶デバイスの需要が拡大すると予想されるとともにADAS(先進運転支援システム)で使用される車載カメラやレーダー等においても水晶デバイスの需要増加が見込まれます。さらに、安全・安心な快適生活の追求が進む中、医療・食品等に対するセンサの需要も高まるものと考えられます。

このような事業環境下、当社グループにおきましては以下の5つの製品セグメントにおいて新製品の開発強化と市場投入を図ることで、利益を創出する商品を増やし、お客様から高い評価と信頼を勝ち取ることで、売上高500億円企業への復活を目指してまいります。

 

(1) 産業用高付加価値商品

小型・高精度のOCXO(恒温槽付水晶発振器)、高周波発振器、超低位相雑音発振器等、産業用の高付加価値商品を開発・拡販いたします。

 

(2) 車載用高信頼性商品

TCXO(温度補償水晶発振器)、ICXO(クロック用水晶発振器)、SAWデバイス等の車載用高信頼性商品の開発を行いADAS等の拡販を強化いたします。

 

(3) SAWデバイス

移動体通信市場での本格量産に加え、車載市場ではこれまでに築いてきた取引先との信頼関係と経験を活かし、SAWデバイスでの参入を図ります。

 

(4) 一般量産品

移動体通信市場向けでは、TCXOの増産・拡販を進め、AV/OA市場向けでは価格競争力のある新製品をIoT向け標準品として開発・拡販いたします。

 

(5) センサ機器

医療・看護・介護でのニーズ増大を見据えて携帯型簡易超音波センサを開発・拡販いたします。また、食品検査を中心にQCMセンサを拡販いたします。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす要因となる可能性があると考えられる主な事項については、以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努め、より良い事業展開に向かい邁進する所存であります。

なお、下記のリスクの中には将来に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが開示する必要があると判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 当社グループ事業の拡大

当社グループは収益性・成長性の高い市場への対応を目指し積極的な研究開発、設備投資を行い、柱となる事業の早期構築並びに定着に取り組み、業績の向上を目指しております。

主なお客様といたしましては、移動体通信、AV/OA、産業機器及び自動車業界となりますが、これらの業界の市況並びに需要動向の変化により、また世界の景気動向の変化、金利・為替・株価の変動により、売上高及び損益は影響を受けます。

 

(2) 競争激化のリスク

水晶業界は大変競争が厳しく、想定以上の価格下落のリスク、最大限の経営努力をしても競争優位を維持できないリスクがあります。また、競争力を維持するために多額の研究開発、設備投資が必要であり、投資計画の前提条件に変動があった場合には、投資を回収できないリスクや機会損失を蒙るリスクがあります。

 

(3) 各国の公的規制

当社グループはグローバルな事業展開を行っており、国内・外の進出先において事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、環境関連の適用も受けており、これらの規制や法令の変更により、事業停止等による業績への影響が出る他、規制等の強化に伴い対応コストが増加することがあります。

 

(4) 仕入先等に関するリスク

当社グループは製品の製造にあたり、多岐にわたる原材料等の購入を行っておりますが、安定調達が維持できない場合には、想定利益を確保できないリスク、工程の遅延、機会損失、お客様等への賠償責任が発生するリスクがあります。

 

(5) 人材に関するリスク

人材の育成、採用を積極的に進めておりますが、計画どおりにできない場合には、当社グループの成長や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 環境汚染に関するリスク

当社グループでは、「NDKグループ 環境基本理念・基本方針」のもと、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。環境汚染が発生又は判明した場合、浄化処理等の対策費用が発生し、当社グループの損益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報管理に関するリスク

お客様等の個人情報や機密情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育等対策を徹底しておりますが、情報漏洩を完全に防ぐことはできません。情報漏洩が起きた場合には、競争力の低下、信用の低下、あるいはお客様等に対する賠償責任が発生する可能性があります。

 

(8) 自然災害や突発的事象発生のリスク

当社グループは生産並びに販売ともにグローバルな展開を行うことにより、取引集中によるリスクの回避に努めております。しかし、地政学的リスクの高まりや地震をはじめとする自然現象の大きな変化等、突発的な不測事態の発生は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9) 為替変動のリスク

当社グループの在外子会社等の外貨建の財務諸表項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは世界各国に製品を販売しており、為替変動に対するヘッジ等を通じて、短期的な為替の変動による影響を最小限に止める措置を講じていますが、予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える場合があります。

 

(10) 知的財産・製品の欠陥等のリスク

当社グループの事業運営上において、知的財産に係わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、製品の欠陥に起因して製品回収、お客様への補償、機会損失等が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(11) 貸倒れリスク

当社グループ取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(12) 財務経理上のリスク

事業の動向により、財務・経理上、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

① 棚卸資産に係るリスク

需要の急変、販売見込みの相違等による滞留在庫の発生や、販売価格の大幅な下落により、棚卸資産の評価損が発生する可能性があります。

② 固定資産に係るリスク

有形固定資産は見積耐用年数に基づき減価償却を実施しておりますが、将来の陳腐化や事業撤退等により臨時の損失が発生するリスクがあります。また、業績見込み悪化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失が発生する可能性があります。

③ 投資有価証券に係るリスク

投資有価証券は、将来その時価又は実質価額が著しく下落した場合には、減損する可能性があります。

④ 繰延税金資産に係るリスク

繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して将来の業績予想を基に適正額を計上しておりますが、将来の業績の変動、税制改正等により計上額が増減する可能性があります。

⑤ 確定給付負債に係るリスク

確定給付負債は、割引率、退職率、死亡率等の前提条件に基づき算出しております。実績の前提条件との相違、前提条件の変更、会計基準の改訂等により、負債額に影響する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

研究開発部門では中・長期展望における将来商品の基礎となる新技術の研究開発及び工法開発を行っております。水晶デバイスへのニーズに応えるべく、狭山事業所を中心に、研究開発体制を強化し、次世代の周波数制御・選択・検出デバイスの開発とともにその核となる設計技術及びプロセス技術に関する研究開発を行っております。

これら研究開発の主対象分野と当連結会計年度における活動成果は次のとおりであります。

 

(1) 水晶振動子、水晶発振器、SAWフィルタ関連

移動体通信や情報端末機器、固定通信の無線基地局や光ネットワーク通信による情報通信装置、産業用電子応用機器、高信頼性が要求される車載用機器等に使われる水晶振動子、水晶発振器、SAWフィルタの開発を行っております。データトラフィックの急増による通信市場の急速な技術進展に対応した水晶デバイスに求められるニーズは「小型化」、「高精度化」に集約されます。これらを踏まえた商品開発等を積極的に推進しております。

① 携帯端末用チップセット向け超薄型の温度センサ内蔵水晶振動子 NX1612SB 1.6×1.2×0.45mm typ.
② AV/OA、移動体通信用の超小型・薄型の音叉型水晶振動子 NX1610SA 32.768kHz 1.6×1.0×0.45mm typ.
③ ミリ波レーダー、自動運転用画像処理向け超低消費電流のクロック用水晶発振器 NZ2520SH 2.5×2.0×0.9mm typ.
④ ウェアラブル機器向け2波(32.768kHz+MHz)同時出力のクロック用水晶発振器 NZ2016SK 2.0×1.6×0.7mm typ.
⑤ 動作温度-40℃~+105℃対応車載用小型・高精度温度補償水晶発振器(TCXO) NT2520SB 2.5×2.0×0.8mm typ.
⑥ 携帯端末向け小型・薄型、低消費電流の温度補償水晶発振器(TCXO) NT1612AA 1.6×1.2×0.55mm typ.
⑦ 光通信網、無線基地局向け世界最高クラス低位相雑特性の電圧制御水晶発振器(VCXO) NV5032SC 5.0×3.2×1.2mm typ.
⑧ ハイエンド・デジタルオーディオ向けマスタークロック用超低位相雑音の恒温槽付水晶発振器(OCXO) DuCULoN® NH47M47LA

⑨ リモートキーレスエントリー(RKE)システム用小型SAWフィルタ WFC68D0315CH 3.0×3.0×1.05mm typ.(315MHz)、WFC68K0433CJ 3.0×3.0×1.05mm typ.(433MHz)

⑩ 車載GNSS(GPS/GLONASS/BEIDOU)向け1.5GHz帯小型薄型SAWフィルタ WFF93A1582UE 1.4×1.1×0.6mm typ.

 

(2) 水晶デバイス応用機器、超音波プローブ、光学製品関連、センサ機器

水晶の性質を生かして高付加価値の新分野における事業を目指し、高性能・高機能モジュールやそれらを使用した装置及び医療用超音波プローブの開発を推進しております。また、放射線計測計として、γ線計測に適した小型、高精度のガイガーミュラー計数管の開発に成功するとともに、それを用いた小型空間線量計を製品化し、新たな事業にすべく販売を促進しております。

① 味覚計測用バイオセンサ及び計測システム NAPiCOS Auto TS
② 医療体外診断POCT(Point-Of-Care Testing)用バイオセンサ及び計測システム NAPiCOS Lite
③ 腹部診断3次元画像用コンベックス型メカニカル3D探触子
④ 測定対象物までの距離と速度を非接触で検知するガン発振器を使用したミリ波センサ
⑤ γ線の計測に適した小型、高精度のガイガーミュラー計数管式空間線量計

 

なお、当連結会計年度における研究開発費は1,921百万円となりました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来に関する記載事項につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載した内容等を含む様々な要因により、実際の結果と異なる場合があります。

 

(1) 財政状態の分析

当連結会計年度末における資産、負債及び資本の、前連結会計年度末に対する主な増減は以下のとおりであります。

前連結会計年度末に比べ、総資産は現金及び現金同等物の増加2,797百万円、営業債権の減少1,227百万円、棚卸資産の減少1,919百万円、有形固定資産の減少2,139百万円等により3,703百万円減少し67,966百万円、負債は借入金等の減少701百万円、営業債務その他の未払勘定の減少847百万円等により1,895百万円減少し42,266百万円、親会社の所有者に帰属する持分は、当期包括損失合計1,414百万円、剰余金の配当392百万円等により、1,807百万円減少し25,700百万円となりました。

これにより、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末から0.6ポイント減少し37.8%となりました。

 

(2) 資本の財源及びキャッシュ・フローの分析

当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っております。銀行借入につきましては、運転資金を期限が1年以内の短期借入金にて調達し、生産設備等の長期資金を長期借入金で調達しております。平成28年3月31日現在、短期借入金の残高は1,676百万円で、長期借入金の残高は27,534百万円であります。

当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、それぞれ次のとおりであります。

営業活動によるキャッシュ・フローは、5,667百万円のプラスとなりました。これは主として、減価償却費及び償却額3,558百万円、棚卸資産の減少1,487百万円、保険金の受取額898百万円等によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,204百万円のマイナスとなりました。これは主として、投資有価証券その他の資産の売却による収入1,978百万円、有形固定資産の取得による支出1,709百万円、投資有価証券その他の資産の取得による支出1,676百万円によるものであります。

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,101百万円のマイナスとなりました。これは主として、長期借入れによる収入9,000百万円、長期借入金の返済による支出10,586百万円によるものであります。

これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,797百万円増加し、17,161百万円となりました。

なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

 

平成24年3月期

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

親会社所有者帰属持分比率

38.9%

36.6%

34.9%

38.4%

37.8%

時価ベースの
親会社所有者帰属持分比率

36.4%

26.3%

20.8%

28.8%

22.0%

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率

9.9

8.0

10.8

21.3

5.2

インタレスト・
カバレッジ・レシオ

9.2

15.7

15.7

7.5

32.6

 

[算式]親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産

時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1. IFRSに基づく連結ベースの財務数値により計算しております。

2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3. キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。

4. 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5. 平成25年3月期及び平成26年3月期の数値は、会計方針の変更による遡及適用後の数値となっております。

 

 

(3) 経営成績の分析

当期における世界経済は、米国の景気回復が緩やかに続いておりますが、中国をはじめとするアジア新興国経済の景気が下振れし、世界経済が下押しされるリスクを抱えた状況が続いております。我が国においては、企業業績の改善を背景に設備投資の緩やかな増加が見られましたが、個人消費が低調に推移し、全体として景気は足踏み状態が続きました。

当社を取り巻く事業環境につきましては、引き続き、厳しい価格競争が続いたことに加えて、年度後半にはスマートフォン市場の減速が見られました。

このような事業環境下にあって、産業用高付加価値商品は、携帯電話基地局用途で年度前半に中国向け顧客の生産調整を受け、前年同期比減収減益となりました。一方、車載用高信頼性商品は、ADAS(先進運転支援システム)等の新用途向けで堅調な需要が続き、対前年比増収増益となりました。一般量産品は、移動体通信向けを中心に採算性重視の営業活動を展開したことに加え、スマートフォン市場減速の影響等を受けて、前年同期比減収となりましたが、収益構造は改善し、光学製品も原価低減努力により損失は縮小しました。

これらの結果、連結売上高は44,850百万円(前年同期比6.0%減)となりました。また、営業利益は410百万円(前年同期比134.3%増)、税引前当期利益は102百万円(前年同期比71.4%減)、当期利益は317百万円(前期は当期損失569百万円)となりました。

税引前当期利益は、前連結会計年度には投資有価証券売却益360百万円の計上があった一方、当連結会計年度においては投資有価証券評価損342百万円の計上など一過性のマイナス要因により前年同期比で減少しましたが、実質的な収益構造は、採算性の向上や固定費削減により着実に改善しております。

なお、主に中国人民元安による影響により在外営業活動体の換算損益が1,416百万円減少する等、税引後その他の包括損失が1,731百万円となったことから、当期包括損失合計は1,414百万円(前期は当期包括利益合計1,319百万円)となりました。

また、売上高営業利益率は0.9%、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は1.2%となりました。

 

(4) 次期の見通し

世界経済は、米国の景気回復が続き、全体として緩やかに回復が続くことが期待されますが、中国を始めとするアジア新興国経済の景気が下振れするリスクには十分留意する必要があるものと考えております。

当社を取り巻く事業環境につきましては、スマートフォン市場拡大の鈍化が見られるものの、LTE普及とこれまで以上にGPSの精度が要求されること等により1台あたりのTCXO(温度補償水晶発振器)搭載点数の増加が見込まれております。このような状況下、当社はTCXOの需要増に対応し、増産・拡販いたします。また、移動体通信市場向けではSAW(弾性表面波)デバイスの量産・拡販を本格展開するとともに高信頼で高付加価値品の開発にも引き続き経営資源を投入してまいります。