当連結会計年度における世界経済は、米国では労働市場の回復を背景に個人消費主導の景気回復が持続しておりますが、トランプ政権での経済政策の実現可能性については、先行きの不透明感が残っております。日欧では緩やかな景気回復基調が続き、中国では6%台後半の実質GDP成長率が維持されて成長ペースの鈍化に一服感がみられます。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、スマートフォン(スマホ)の世界出荷台数の伸び率が鈍化する中で、中国スマホメーカーはシェアを伸ばしており、その水晶製品需要は増加しました。車載向けでは、ADAS(先進運転支援システム)機器を搭載する自動車の増加に伴い水晶製品の需要が増えております。
このような事業環境下におきまして、中国スマホメーカー向けの販売が増加しました。また、スマホ向けにSAW(弾性表面波)デバイスのラインを立ち上げて販売を開始したことも加わり、移動体通信市場向けの売上高は前期比で増加しました。さらに、第4四半期より最先端スマホ向け1612サイズTCXO(温度補償水晶発振器)の本格的な量産を開始しており、収益に寄与し始めました。車載向けでは、販売数量が前期比で10%以上伸びたものの、商品のSMD化進展に伴う製品構成の変化があったことに加えて、円高が進んだ影響で平均売上単価が低下しました。これにより、売上高は前期比で減少しましたが、利益は横ばいで推移しました。産業機器向けでは、携帯電話基地局向け水晶製品の需要が第5世代移動通信システム(5G)への移行を控えて想定以上に低調であった影響により、売上高は前期比で減少し、利益は微減で推移しました。
以上の結果、当期の連結受注高は44,433百万円(前期比1.7%減)、連結売上高は43,791百万円(前期比2.4%減)となりました。また、営業利益は727百万円(前期比77.1%増)、税引前当期利益は472百万円(前期比359.8%増)、当期利益は611百万円(前期比92.6%増)となりました。
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・水晶振動子 |
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水晶振動子の販売は、移動体通信市場では、昨年度下期から当第1四半期まで振動子の売上高が減少しました。第2四半期以降は、温度センサ内蔵水晶振動子を中心に振動子の売上高が増えましたが、昨年度の売上高水準までは戻りませんでした。また、車載向けでは、売上数量が前期比10%以上伸びたものの、商品のSMD化進展に伴う製品構成の変化があったことに加えて、円高が進んだ影響で平均売上単価が低下し、売上高は減少しました。その結果、売上高は24,780百万円(前期比7.5%減)となりました。 |
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・水晶機器 |
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水晶機器の販売は、携帯電話基地局向け水晶製品の需要が5Gへの移行を控えて想定以上に低調であった影響を受けて、売上高は減少しました。一方、TCXO市場向け小型化商品(1612サイズ)の量産を開始したのに加えて、中国のスマホメーカー向けのTCXOの売上高が増加しました。また、移動体通信向けSAWデバイスのラインも立ち上がり、販売を開始したことにより、移動体通信市場向けの売上高は増加しました。その結果、売上高は15,070百万円(前期比10.6%増)となりました。 |
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・その他 |
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超音波機器並びに光学デバイスの売上高が減少しました。その結果、売上高は3,941百万円(前期比10.9%減)となりました。 |
デジタルカメラ市場向け光学デバイスの売上高が減少しました。その結果、売上高は8,719百万円(前期比2.6%減)となりました。
移動体通信向けでは、1612サイズTCXOの量産を開始したのに加えて、中国のスマホメーカー向けTCXOの売上高が増加しましたが、水晶振動子の売上高が減少しました。また、パソコン、テレビ、カメラ等のAV/OA向け製品で売上高が減少しました。その結果、売上高は中国15,998百万円(前期比6.4%減)、韓国978百万円(前期比30.3%増)、タイ822百万円(前期比13.3%減)、その他2,662百万円(前期比0.6%増)となりました。
ドイツでは車載向け水晶振動子の売上高は増加しましたが、欧州全体では、売上数量は増加したものの、商品のSMD化進展に伴う製品構成の変化があったことで売上平均単価が低下し、車載向けの売上高は減少しました。また、携帯電話基地局向け水晶製品の需要が5Gへの移行を控えて想定以上に低調であった影響を受けて、売上高は減少しました。その結果、売上高はドイツ4,414百万円(前期比1.8%増)、フランス996百万円(前期比0.7%増)、その他3,436百万円(前期比11.9%減)となりました。
車載向けでは、商品のSMD化進展に伴う製品構成の変化があったことに加えて、円高が進んだ影響で平均売上単価が低下し、売上高は減少しました。一方、移動体通信向けSAWデバイスのラインが立ち上がり、販売を開始したことにより、移動体通信市場向けの売上高は増加しました。その結果、アメリカ4,433百万円(前期比14.7%増)、その他130百万円(前期比6.8%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、プラス要因として、長期借入れによる収入10,500百万円、減価償却費及び償却額3,641百万円があったものの、マイナス要因として、長期借入金の返済による支出16,873百万円、有形固定資産の取得による支出5,785百万円があったこと等により、前連結会計年度に比較し3,811百万円減少の13,350百万円となりました。
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが3,891百万円のプラスとなったものの、投資活動によるキャッシュ・フローが5,686百万円のマイナスとなったことにより、1,794百万円のマイナス(前期比6,257百万円のマイナス)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、マイナス要因として、棚卸資産の増加1,754百万円、営業債権の増加255百万円があったものの、プラス要因として、減価償却費及び償却額3,641百万円、営業債務の増加706百万円があったこと等により、3,891百万円のプラス(前期比1,775百万円のマイナス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、プラス要因として、投資有価証券その他の資産の売却による収入1,252百万円があったものの、マイナス要因として、有形固定資産の取得による支出5,785百万円、投資有価証券その他の資産の取得による支出1,149百万円があったこと等により、5,686百万円のマイナス(前期比4,482百万円のマイナス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入10,500百万円、長期借入金の返済による支出16,873百万円等により、1,765百万円のマイナス(前期比663百万円のマイナス)となりました。
前連結会計年度(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日)
日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く。)の影響額337百万円(利益増)の他、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異124百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異96百万円(利益増)等により、日本基準に比べ331百万円増加しております。
上記段階利益の差異による影響額337百万円の解消(利益減)の他、政府補助金の会計処理の違い等による支払利息の増加62百万円(利益減)、補助金収入の増加65百万円(利益増)及び投資有価証券評価損の増加28百万円(利益減)等により、日本基準に比べ21百万円減少しております。
上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ63百万円増加しております。
当連結会計年度(自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日)
日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く。)の影響額71百万円(利益増)の他、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異116百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異179百万円(利益増)等により、日本基準に比べ127百万円増加しております。
上記段階利益の差異による影響額71百万円の解消(利益減)の他、政府補助金の会計処理の違い等による支払利息の増加48百万円(利益減)、補助金収入の増加74百万円(利益増)及び投資有価証券売却益の増加25百万円(利益増)等により、日本基準に比べ106百万円増加しております。
上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ179百万円増加しております。
当連結会計年度における生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目別の名称 |
生産高(百万円) |
前期比(%) |
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水晶振動子 |
24,822 |
△7.4 |
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水晶機器 |
16,695 |
38.1 |
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その他 |
3,922 |
△14.4 |
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合計 |
45,441 |
4.5 |
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目別の名称 |
受注高(百万円) |
前期比(%) |
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水晶振動子 |
25,221 |
△5.8 |
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水晶機器 |
15,200 |
10.4 |
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その他 |
4,012 |
△13.8 |
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合計 |
44,433 |
△1.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
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品目別の名称 |
販売高(百万円) |
前期比(%) |
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水晶振動子 |
24,780 |
△7.5 |
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水晶機器 |
15,070 |
10.6 |
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その他 |
3,941 |
△10.9 |
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合計 |
43,791 |
△2.4 |
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績の記載を省略しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、創業理念「お客様への奉仕を通じて、社会の繁栄、世界の平和に貢献する」ことをミッションとし、豊かで平和な社会を実現するために不可欠な周波数の制御と選択、検出に関連する製品の専業メーカーとして、業界をリードする高信頼性商品を開発、製造、販売することにより、お客様に喜んでいただくことを経営の基本としております。
当社グループは、売上高営業利益率と親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を経営指標として、採算性と資本効率を高め企業価値を最大化することを目指します。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、車載向けでは、ADAS機器を搭載する自動車の増加に伴い、水晶製品の需要は数量ベースで引き続き10%以上伸びるものと見込んでおり、水晶振動子を中心に販売を増やしてまいります。産業機器向けでは、データ量の増大とカバーエリアでの通信品質の向上に対応するため、小型基地局の市場が急速に伸びており、小型・高精度OCXO(恒温槽付水晶発振器)の開発・販売を進めます。移動体通信向けでは、引き続き北米メーカーと中国の新興スマホメーカー向けを中心に販売を強化いたします。これらの施策を確実に実行して、売上高500億円企業への復活を果たす計画です。
当社グループは、平成29年度に売上高500億円企業への復活を果たした後も、堅調な需要が期待できる車載市場に軸足を置いて成長路線を継続してまいります。市場・商品別の取り組み方針と対処すべき課題は以下のとおりであります。
今後、自動車への搭載が増大するADAS機器では、カメラ、レーダ、通信機器等が使用されますが、これらには、水晶振動子に加えてTCXO、クロック用水晶発振器やSAWデバイスが使用されます。これら製品に求められるスペックは、温度範囲、周波数安定度等で大変厳しいものとなっており、当社はこのような顧客要求にマッチした高信頼性商品を開発・販売いたします。
データ量の増大やカバーエリアでの通信品質の向上に対応するため、小型の基地局市場が伸びるとともに平成31年頃から5G向けの基地局市場が伸びて来るものと見ております。5G向け製品に求められる技術要求は、大変高度なものとなっており、当社はこれらの要求に対応した小型・高精度OCXOの開発を進めてまいります。また、宇宙・特機向けには、無線通信装置やレーダ等向けの水晶発振器やモジュール製品を開発・販売しております。当社では、今後も高周波・無線技術に磨きをかけて、高付加価値品の開発・拡販を推進してまいります。
平成30年度以降は、1612サイズより一層小型となる1210サイズの水晶製品ニーズが出て来ると見ており、先行して開発を進め、デザインインを図ります。微細加工技術を活かして、機械加工方式では得られない高い精度と信頼性を実現してまいります。
移動体通信向けの製品開発・販売を強化するとともに、車載用SAW市場への本格参入に向け製品開発を推進いたします。
超音波機器事業では、小型で持ち運び可能な携帯型簡易超音波装置や3次元画像用プローブの販売を強化いたします。また、センサ事業は、食品やインフルエンザ検査向けの商品化を長期的なビジョンに立って推進いたします。
当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす要因となる可能性があると考えられる主な事項については、以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努め、より良い事業展開に向かい邁進する所存であります。
なお、下記のリスクの中には将来に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが開示する必要があると判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループは収益性・成長性の高い市場への対応を目指し積極的な研究開発、設備投資を行い、柱となる事業の早期構築並びに定着に取り組み、業績の向上を目指しております。
主なお客様といたしましては、自動車、産業機器、移動体通信及びAV/OA業界となりますが、これらの業界の市況並びに需要動向の変化により、また世界の景気動向の変化、金利・為替・株価の変動により、売上高及び損益は影響を受けます。
水晶業界は大変競争が厳しく、想定以上の価格下落のリスク、最大限の経営努力をしても競争優位を維持できないリスクがあります。また、競争力を維持するために多額の研究開発、設備投資が必要であり、投資計画の前提条件に変動があった場合には、投資を回収できないリスクや機会損失を被るリスクがあります。
当社グループはグローバルな事業展開を行っており、国内外の進出先において事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、環境関連の適用も受けており、これらの規制や法令の変更により、事業停止等による業績への影響が出る他、規制等の強化に伴い対応コストが増加することがあります。
当社グループは製品の製造にあたり、多岐にわたる原材料等の購入を行っておりますが、安定調達が維持できない場合には、想定利益を確保できないリスク、工程の遅延、機会損失、お客様等への賠償責任が発生するリスクがあります。
人材の育成、採用を積極的に進めておりますが、計画どおりにできない場合には、当社グループの成長や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「NDKグループ 環境基本理念・基本方針」のもと、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。環境汚染が発生又は判明した場合、浄化処理等の対策費用が発生し、当社グループの損益に悪影響を及ぼす可能性があります。
お客様等の個人情報や機密情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育など対策を徹底しておりますが、情報漏洩を完全に防ぐことはできません。情報漏洩が起きた場合には、競争力の低下、信用の低下、あるいはお客様等に対する賠償責任が発生する可能性があります。
当社グループは生産並びに販売ともにグローバルな展開を行うことにより、取引集中によるリスクの回避に努めております。しかし、地政学的リスクの高まりや地震をはじめとする自然現象の大きな変化等、突発的な不測事態の発生は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
当社グループの在外子会社等の外貨建の財務諸表項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは世界各国に製品を販売しており、為替変動に対するヘッジ等を通じて、短期的な為替の変動による影響を最小限に止める措置を講じていますが、予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える場合があります。
当社グループの事業運営上において、知的財産に係わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、製品の欠陥に起因して製品回収、お客様への補償、機会損失等が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
当社グループ取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
事業の動向により、財務・経理上、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
需要の急変、販売見込みの相違等による滞留在庫の発生や、販売価格の大幅な下落により、棚卸資産の評価損が発生する可能性があります。
有形固定資産は見積耐用年数に基づき減価償却を実施しておりますが、将来の陳腐化や事業撤退等により臨時の損失が発生するリスクがあります。また、業績見込み悪化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失が発生する可能性があります。
投資有価証券は、将来その時価又は実質価額が著しく下落した場合には、減損する可能性があります。
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して将来の業績予想を基に適正額を計上しておりますが、将来の業績の変動、税制改正等により計上額が増減する可能性があります。
確定給付負債は、割引率、退職率、死亡率等の前提条件に基づき算出しております。実績の前提条件との相違、前提条件の変更、会計基準の改訂等により、負債額に影響する可能性があります。
該当事項はありません。
研究開発部門では中・長期展望における将来商品の基礎となる新技術の研究開発および工法開発を行っております。水晶デバイスへのニーズに応えるべく、狭山事業所を中心に、研究開発体制を強化し、次世代の周波数制御・選択・検出デバイスの開発とともにその核となる設計技術及びプロセス技術に関する研究開発を行っております。
これら研究開発の主対象分野と当連結会計年度における活動成果は次のとおりであります。
移動体通信や情報端末機器、固定通信の無線基地局や光ネットワーク通信による情報通信装置、産業用電子応用機器、高信頼性が要求される車載用機器等に使われる水晶振動子、水晶発振器、SAWデバイスの開発を行っております。データトラフィックの急増による通信市場の急速な技術進展に対応した水晶デバイスに求められるニーズは「小型化」、「高精度化」に集約されます。これらを踏まえた商品開発等を積極的に推進しております。
水晶の性質を生かして高付加価値の新分野における事業を目指し、高性能・高機能モジュールやそれらを使用した装置及び医療用超音波プローブの開発を推進しております。
なお、当連結会計年度における研究開発費は2,035百万円となりました。
当社グループにおける財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。これらの将来に関する記載事項につきましては、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載した内容等を含む様々な要因により、実際の結果と異なる場合があります。
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の、前連結会計年度末に対する主な増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度末に比べ、総資産は現金及び現金同等物の減少3,811百万円、棚卸資産の増加1,567百万円、有形固定資産の増加2,660百万円等により863百万円増加し68,830百万円、負債は借入金等の減少1,323百万円、営業債務その他の未払勘定の増加2,098百万円等により1,329百万円増加し43,596百万円、親会社の所有者に帰属する持分は、当期包括損失合計72百万円、剰余金の配当392百万円等により、465百万円減少し25,234百万円となりました。
これにより、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末から1.1ポイント減少し36.7%となりました。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っております。銀行借入につきましては、運転資金を期限が1年以内の短期借入金にて調達し、生産設備等の長期資金を長期借入金で調達しております。平成29年3月31日現在、短期借入金の残高は6,673百万円で、長期借入金の残高は21,184百万円であります。
当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、それぞれ次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,891百万円のプラスとなりました。これは主として、減価償却費及び償却額3,641百万円、棚卸資産の増加1,754百万円、営業債務の増加706百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、5,686百万円のマイナスとなりました。これは主として、投資有価証券その他の資産の売却による収入1,252百万円、有形固定資産の取得による支出5,785百万円、投資有価証券その他の資産の取得による支出1,149百万円によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,765百万円のマイナスとなりました。これは主として、長期借入れによる収入10,500百万円、長期借入金の返済による支出16,873百万円によるものであります。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ3,811百万円減少し、13,350百万円となりました。
なお、当社のキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
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平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
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親会社所有者帰属持分比率 |
36.6% |
34.9% |
38.4% |
37.8% |
36.7% |
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時価ベースの |
26.3% |
20.8% |
28.8% |
22.0% |
23.3% |
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キャッシュ・フロー対 |
8.0 |
10.8 |
21.3 |
5.2 |
7.2 |
|
インタレスト・ |
15.7 |
15.7 |
7.5 |
32.6 |
26.0 |
[算式]親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1. IFRSに基づく連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3. キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを使用しております。
4. 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5. 平成25年3月期及び平成26年3月期の数値は、会計方針の変更による遡及適用後の数値となっております。
当連結会計年度における世界経済は、米国では労働市場の回復を背景に個人消費主導の景気回復が持続しておりますが、トランプ政権での経済政策の実現可能性については、先行きの不透明感が残っております。日欧では緩やかな景気回復基調が続き、中国では6%台後半の実質GDP成長率が維持されて成長ペースの鈍化に一服感がみられます。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、スマートフォン(スマホ)の世界出荷台数の伸び率が鈍化する中で、中国スマホメーカーはシェアを伸ばしており、その水晶製品需要は増加しました。車載向けでは、ADAS機器を搭載する自動車の増加に伴い水晶製品の需要が増えております。
このような事業環境下におきまして、中国スマホメーカー向けの販売が増加しました。また、スマホ向けにSAWデバイスのラインを立ち上げて販売を開始したことも加わり、移動体通信市場向けの売上高は前期比で増加しました。さらに、第4四半期より最先端スマホ向け1612サイズTCXOの本格的な量産を開始しており、収益に寄与し始めました。車載向けでは、販売数量が前期比で10%以上伸びたものの、商品のSMD化進展に伴う製品構成の変化があったことに加えて、円高が進んだ影響で平均売上単価が低下しました。これにより、売上高は前期比で減少しましたが、利益は横ばいで推移しました。産業機器向けでは、携帯電話基地局向け水晶製品の需要が5Gへの移行を控えて想定以上に低調であった影響により、売上高は前期比で減少し、利益は微減で推移しました。
以上の結果、連結受注高は44,433百万円(前期比1.7%減)、連結売上高は43,791百万円(前期比2.4%減)となりました。また、営業利益は727百万円(前期比77.1%増)、税引前当期利益は472百万円(前期比359.8%増)、当期利益は611百万円(前期比92.6%増)となりました。
なお、在外営業活動体の換算損益が811百万円減少する等、税引後その他の包括損失が684百万円となったことから、当期包括損失合計は72百万円(前期は当期包括損失合計1,414百万円)となりました。
また、売上高営業利益率は1.7%、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は2.4%となりました。
世界経済は、米国の景気回復が継続し、全体として緩やかに回復が続くことが期待されますが、中東及び東アジアでの地政学リスクや米国新政権の動向次第では世界経済への影響が懸念され、引き続き楽観できない状況が見込まれます。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、車載向けでは、ADAS機器を搭載する自動車の増加に伴い、水晶製品の需要は数量ベースで引き続き10%以上伸びるものと見込んでおり、水晶振動子を中心に販売を増やしてまいります。産業機器向けでは、データ量の増大とカバーエリアでの通信品質の向上に対応するため、小型基地局の市場が急速に伸びており、小型・高精度OCXOの開発・販売を進めます。移動体通信向けでは、引き続き北米メーカーと中国の新興スマホメーカー向けを中心に販売を強化いたします。これらの施策を確実に実行して、売上高500億円企業への復活を果たす計画です。