第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、創業理念「お客様への奉仕を通じて、社会の繁栄、世界の平和に貢献する」ことをミッションとし、豊かで平和な社会を実現するために不可欠な周波数の制御と選択、検出に関連する製品の専業メーカーとして、業界をリードする高信頼性商品を開発、製造、販売することにより、お客様に喜んでいただくことを経営の基本としております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、売上高営業利益率とROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を経営指標として、採算性と資本効率を高め企業価値を最大化することを目指します。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題

当連結会計年度において多額の最終赤字を計上したことを重く受け止め、確実に利益の上がる経営基盤の再構築に真摯に取り組んでまいります。そのため、以下の構造改革を実施いたします。

① ターゲットとする市場

当社グループは、5G(次世代高速通信規格)システムを基盤として発展が見込まれる事業を新生NDKの柱といたします。注力する5G関連事業は自動運転/ADAS(先進運転支援システム)、IoT(モノのインターネット)及び5G基地局市場であり、これらのセグメントを中心にリソースを投入してまいります。また、水晶デバイス技術を応用した超音波機器、周波数シンセサイザやセンサ等の高付加価値製品を車載向けに続く将来の第二、第三の収益の柱として育成します。一方、移動体通信並びに民生向けの販売は縮小いたします。

② 生産体制の見直し

これまでの生産体制を見直し、グループ全体の生産効率とコスト競争力を引き上げることを目的に国内工場の量産ラインの一部を海外工場に移転いたします。

③ 固定費の圧縮

国内工場を中心に生産体制の再構築を行い、固定費を圧縮いたします。

④ 資材調達機能の本社への一本化

材料費のコストダウンを図るため、本社に新たに調達本部を立ち上げました。グループ全体の資材調達業務を本社に一本化することで、資材調達コストのコストダウンを強力に推進してまいります。

⑤ 品質保証機能の本社への一本化

5Gシステムを基盤とする事業では、これまで以上に品質への要求が高まってまいります。高品質を保証する体制を一層強化することを目的に、品質保証機能を本社へ一本化いたします。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に影響を及ぼす要因となる可能性があると考えられる主な事項については、以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努め、より良い事業展開に向かい邁進する所存であります。

なお、下記のリスクの中には将来に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが開示する必要があると判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

 

(1) 当社グループ事業の拡大

当社グループは収益性・成長性の高い市場への対応を目指し積極的な研究開発、設備投資を行い、柱となる事業の早期構築並びに定着に取り組み、業績の向上を目指しております。

主なお客様といたしましては、自動車、産業機器、移動体通信及びAV/OA業界となりますが、これらの業界の市況並びに需要動向の変化により、また世界の景気動向の変化、金利・為替・株価の変動により、売上高及び損益は影響を受けます。

 

(2) 競争激化のリスク

水晶業界は大変競争が厳しく、想定以上の価格下落のリスク、最大限の経営努力をしても競争優位を維持できないリスクがあります。また、競争力を維持するために多額の研究開発、設備投資が必要であり、投資計画の前提条件に変動があった場合には、投資を回収できないリスクや機会損失を被るリスクがあります。

 

(3) 各国の公的規制

当社グループはグローバルな事業展開を行っており、国内外の進出先において事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、環境関連の適用も受けており、これらの規制や法令の変更により、事業停止等による業績への影響が出る他、規制等の強化に伴い対応コストが増加することがあります。

 

(4) 仕入先等に関するリスク

当社グループは製品の製造にあたり、多岐にわたる原材料等の購入を行っておりますが、安定調達が維持できない場合には、想定利益を確保できないリスク、工程の遅延、機会損失、お客様等への賠償責任が発生するリスクがあります。

 

(5) 人材に関するリスク

人材の育成、採用を積極的に進めておりますが、計画どおりにできない場合には、当社グループの成長や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 環境汚染に関するリスク

当社グループでは、「NDKグループ 環境基本理念・基本方針」のもと、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。環境汚染が発生又は判明した場合、浄化処理等の対策費用が発生し、当社グループの損益に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 情報管理に関するリスク

お客様等の個人情報や機密情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育など対策を徹底しておりますが、情報漏洩を完全に防ぐことはできません。情報漏洩が起きた場合には、競争力の低下、信用の低下、あるいはお客様等に対する賠償責任が発生する可能性があります。

 

 

(8) 自然災害や突発的事象発生のリスク

当社グループは生産並びに販売ともにグローバルな展開を行うことにより、取引集中によるリスクの回避に努めております。しかし、地政学的リスクの高まりや地震をはじめとする自然現象の大きな変化等、突発的な不測事態の発生は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9) 為替変動のリスク

当社グループの在外子会社等の外貨建の財務諸表項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは世界各国に製品を販売しており、為替変動に対するヘッジ等を通じて、短期的な為替の変動による影響を最小限に止める措置を講じていますが、予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える場合があります。

 

(10) 知的財産・製品の欠陥等のリスク

当社グループの事業運営上において、知的財産に係わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、製品の欠陥に起因して製品回収、お客様への補償、機会損失等が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(11) 貸倒れリスク

当社グループ取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。

 

(12) 財務経理上のリスク

事業の動向により、財務・経理上、以下のようなリスクが生じる可能性があります。

① 棚卸資産に係るリスク

需要の急変、販売見込みの相違等による滞留在庫の発生や、販売価格の大幅な下落により、棚卸資産の評価損が発生する可能性があります。

② 固定資産に係るリスク

有形固定資産は見積耐用年数に基づき減価償却を実施しておりますが、将来の陳腐化や事業撤退等により臨時の損失が発生するリスクがあります。また、業績見込み悪化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失が発生する可能性があります。

③ 投資有価証券に係るリスク

投資有価証券は、将来その時価又は実質価額が著しく下落した場合には、減損する可能性があります。

④ 繰延税金資産に係るリスク

繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して将来の業績予想を基に適正額を計上しておりますが、将来の業績の変動、税制改正等により計上額が増減する可能性があります。

⑤ 確定給付負債に係るリスク

確定給付負債は、割引率、退職率、死亡率等の前提条件に基づき算出しております。実績の前提条件との相違、前提条件の変更、会計基準の改訂等により、負債額に影響する可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。これらの将来に関する記載事項につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した内容等を含む様々な要因により、実際の結果と異なる場合があります。

 

(1) 経営成績

当連結会計年度における世界経済は、日本では輸出の回復や国内需要の持ち直しから回復基調が続いており、米国では内需主導の堅調な景気回復が継続しております。欧州でも緩和的な金融政策のもと景気拡大が続いており、中国では欧米向けの好調な輸出を背景に6%台後半の実質GDP成長率が維持され、安定的に経済成長しております。一方、米国で相次いで打ち出されている保護主義的な通商政策の世界経済への影響に関しては、引き続き留意する必要があります。

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、自動車市場では、電装化の進展とADAS機器を搭載する自動車数の増加に伴い、1台当たりの水晶デバイス搭載数は増える傾向にあります。一方、スマートフォン(スマホ)市場では、生産台数の成長鈍化が鮮明になりました。中国のスマホ市場では前連結会計年度における過剰生産が当連結会計年度に入ってから顕在化し、在庫調整が長引くことになりました。また、大手スマホメーカーが年後半に投入したハイエンドモデルにおいても減産の影響が見られました。

このような事業環境下におきまして、当社グループは、期初に大手スマホメーカー並びに中国の新興スマホメーカーによる生産増を前提とした計画を立てましたが、双方における需要が大きく失速したため、移動体通信市場を中心に売上見通しが想定を大きく下回る結果となりました。さらに、期初計画に沿って生産能力の増強を進めた結果、諸コストが増加し、収益性が大幅に悪化する事態となりました。この結果、スマホに使用されるTCXO(温度補償水晶発振器)、温度センサ内蔵水晶振動子及びSAW(弾性表面波)デバイス用の生産設備を中心に減損損失を65億円計上し、100億円を上回る最終赤字を計上するに至りました。

以上の結果、当連結会計年度の連結受注高は43,459百万円(前期比2.2%減)となり、連結売上高は43,952百万円(前期比0.4%増)となりました。また、営業損失は9,618百万円(前期は営業利益727百万円)、税引前当期損失は9,640百万円(前期は税引前当期利益472百万円)、当期損失は10,202百万円(前期は当期利益611百万円)となりました。なお、在外営業活動体の換算損益が378百万円増加する等、税引後その他の包括利益が469百万円となったことから、当期包括損失合計は9,732百万円(前期は当期包括損失合計72百万円)となりました。

この結果に伴い、経営指標としております売上高営業利益率は△21.9%、ROEは△50.6%となりました。

 

事業の品目別の業績を示すと、次のとおりであります。

① 水晶振動子

車載市場において、車載用カメラ等のADAS機器向けを中心に水晶振動子の販売が増えました。その結果、売上高は25,691百万円(前期比3.7%増)となりました。

② 水晶機器

移動体通信市場において、TCXOの販売が低調であったこと、及び携帯電話基地局向けの水晶需要が現行の4Gから5Gへの移行を控えて弱かったため、水晶発振器の販売が減少しました。その結果、売上高は13,888百万円(前期比7.8%減)となりました。

③ その他

特殊機器向けに周波数シンセセイザの販売が増加いたしました。その結果、売上高は4,372百万円(前期比10.9%増)となりました。

 

 

主要な販売先別の業績を示すと、次のとおりであります。
① 日本

車載向け水晶振動子の販売が増加いたしました。その結果、売上高は8,801百万円(前期比0.9%増)となりました。

② アジア

移動体通信向けTCXOの販売が減少いたしました。また、携帯電話基地局向けの水晶需要が5Gへの移行を控えて弱かったため、水晶発振器の販売が減少いたしました。その結果、売上高は中国15,109百万円(前期比5.6%減)、韓国1,359百万円(前期比38.9%増)、マレーシア848百万円(前期比5.1%増)、その他2,668百万円(前期比0.3%減)となりました。

③ 欧州

車載向け水晶振動子の販売が増加いたしました。その結果、売上高はドイツ4,714百万円(前期比6.8%増)、フランス986百万円(前期比1.0%減)、その他3,652百万円(前期比6.3%増)となりました。

④ 北米

車載向け水晶振動子の販売が増加いたしましたが、移動体通信向けSAWデバイスの販売が減少いたしました。その結果、アメリカ4,339百万円(前期比2.1%減)、その他118百万円(前期比9.2%減)となりました。

 

生産、受注及び販売の実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

① 生産実績

品目別の名称

生産高(百万円)

前期比(%)

水晶振動子

28,119

13.3

水晶機器

12,278

△26.5

その他

4,387

11.9

合計

44,785

△1.4

 

(注) 1  金額は、販売価格によっております。

2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

② 受注実績

品目別の名称

受注高(百万円)

前期比(%)

水晶振動子

25,034

△0.7

水晶機器

14,150

△6.9

その他

4,274

6.5

合計

43,459

△2.2

 

(注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 販売実績

品目別の名称

販売高(百万円)

前期比(%)

水晶振動子

25,691

3.7

水晶機器

13,888

△7.8

その他

4,372

10.9

合計

43,952

0.4

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績の記載を省略しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における資産、負債及び資本の、前連結会計年度末に対する主な増減は以下のとおりであります。

前連結会計年度末に比べ、総資産は現金及び現金同等物の減少6,498百万円、棚卸資産の増加1,552百万円、有形固定資産の減少2,546百万円等により8,014百万円減少し60,816百万円、負債は借入金等の増加1,996百万円、営業債務その他の未払勘定の増加420百万円等により2,111百万円増加し45,708百万円、親会社の所有者に帰属する持分は、当期包括損失合計9,732百万円、剰余金の配当392百万円等により、10,125百万円減少し15,108百万円となりました。

これにより、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末から11.9ポイント低下し24.8%となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、プラス要因として、長期借入れによる収入11,500百万円、減損損失6,515百万円、減価償却費及び償却額4,094百万円があったものの、マイナス要因として、長期借入金の返済による支出10,100百万円、有形固定資産の取得による支出7,317百万円があったこと等により、前連結会計年度に比較し6,498百万円減少の6,851百万円となりました。

フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが915百万円のマイナスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローが7,331百万円のマイナスとなったことにより、8,246百万円のマイナス(前期比6,451百万円のマイナス)となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、プラス要因として、減損損失6,515百万円、減価償却費及び償却額4,094百万円があったものの、マイナス要因として、税引前当期損失9,640百万円、棚卸資産の増加1,529百万円があったこと等により、915百万円のマイナス(前期比4,807百万円のマイナス)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、マイナス要因として、有形固定資産の取得による支出7,317百万円があったこと等により、7,331百万円のマイナス(前期比1,644百万円のマイナス)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出10,100百万円、長期借入れによる収入11,500百万円等により、1,671百万円のプラス(前期比3,436百万円のプラス)となりました。

当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っております。銀行借入につきましては、運転資金を期限が1年以内の短期借入金にて調達し、生産設備等の長期資金を長期借入金で調達しております。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は7,274百万円で、長期借入金の残高は22,571百万円であります。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。

 

 

平成26年3月期

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

平成30年3月期

親会社所有者帰属持分比率

34.9%

38.4%

37.8%

36.7%

24.8%

時価ベースの
親会社所有者帰属持分比率

20.8%

28.8%

22.0%

 23.3%

21.5%

キャッシュ・フロー対
有利子負債比率

10.8

21.3

5.2

7.2

インタレスト・
カバレッジ・レシオ

15.7

7.5

32.6

26.0

 

[算式]親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産

時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1. IFRSに基づく連結ベースの財務数値により計算しております。

2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3. キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4. 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5. 平成26年3月期の数値は、会計方針の変更による遡及適用後の数値となっております。

6. 平成30年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

 

(4) 次期の見通し

移動体通信向けでは、TCXO及びSAWデバイス向けを中心に売上高が減少するとともに、産業機器向けは携帯電話基地局向けの水晶需要が現行の4Gから5Gへの移行を控えて弱い見通しのため、売上高は微減の見込みです。一方、車載向けはADAS向けを中心に売上高が堅調に伸びる見込みです。さらに、ヘルスケアや物流等で使用されるIoT向け製品の販売が増える見通しであり、グループ全体の売上高は前年を上回る見通しです。また、当連結会計年度に減損損失を計上した結果、次期の減価償却費が減少すること、及び構造改革を実施することで次期は利益を計上する見通しです。

 

(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異

前連結会計年度(自  平成28年4月1日  至  平成29年3月31日)

① 営業利益

日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く)の影響額71百万円(利益増)の他、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異116百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異179百万円(利益増)等により、日本基準に比べ127百万円増加しております。

② 税引前当期利益

上記段階利益の差異による影響額71百万円の解消(利益減)の他、政府補助金の会計処理の違い等による支払利息の増加48百万円(利益減)、補助金収入の増加74百万円(利益増)及び投資有価証券売却益の増加25百万円(利益増)等により、日本基準に比べ106百万円増加しております。

③ 当期利益

上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ179百万円増加しております。

 

当連結会計年度(自  平成29年4月1日  至  平成30年3月31日)

① 営業利益

日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く)の影響額7,372百万円(利益減)の他、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異114百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異166百万円(利益増)等により、日本基準に比べ7,262百万円減少しております。

② 税引前当期利益

上記段階利益の差異による影響額7,372百万円の解消(利益増)の他、政府補助金の会計処理の違い等による支払利息の増加44百万円(利益減)、補助金収入の増加60百万円(利益増)及びのれんの減損損失計上697百万円(利益減)等により、日本基準に比べ537百万円減少しております。

③ 当期利益

上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ461百万円減少しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

5 【研究開発活動】

研究開発部門では中・長期展望における将来商品の基礎となる新技術の研究開発及び工法開発を行っております。水晶デバイスへのニーズに応えるべく、狭山事業所を中心に、研究開発体制を強化し、次世代の周波数制御・選択・検出デバイスの開発とともにその核となる設計技術及びプロセス技術に関する研究開発を行っております。

これら研究開発の主対象分野と当連結会計年度における活動成果は次のとおりであります。

 

(1) 水晶振動子、水晶発振器、SAWデバイス関連

移動体通信や情報端末機器、固定通信の無線基地局や光ネットワーク通信による情報通信装置、産業用電子応用機器、高信頼性が要求される車載用機器等に使われる水晶振動子、水晶発振器、SAWデバイスの開発を行っております。データトラフィックの急増による通信市場の急速な技術進展に対応した水晶デバイスに求められるニーズは「小型化」、「高精度化」に集約されます。これらを踏まえた商品開発等を積極的に推進しております。

① AV/OA・短距離無線用の超小型・薄型の水晶振動子 NX1210AB 1.2×1.0×0.25mm typ.
② 携帯端末用チップセット向け温度センサ内蔵水晶振動子 NX1612SB 1.6×1.2×0.45mm typ.
③ AV/OA・移動体通信用の小型・薄型の音叉型水晶振動子 NX1610SA 32.768kHz 1.6×1.0×0.45mm typ.
④ ウェアラブル機器、携帯端末向け超小型・薄型のクロック用水晶発振器 NZ1612SH 1.6×1.2×0.6mm typ.
⑤ ミリ波レーダ、自動運転用画像処理向け高信頼性のクロック用水晶発振器 NZ2520SHA 2.5×2.0×0.9mm typ.
⑥ GNSS向け世界最小(平成29年9月当社調べ)のTCXO NT1210AA 1.2×1.0×0.35mm typ.
⑦ 世界最高性能(平成29年10月当社調べ)の周波数温度特性を実現した高安定TCXO NT7050BB/NT7050BC 7.0×5.0×2.0mm typ. ±100×10-9(-40℃~+105℃)
⑧ 動作温度-40℃~+105℃対応車載通信向け小型・高精度のTCXO NT2520SE 2.5×2.0×0.9mm typ.
⑨ ハイエンド・デジタルオーディオ向けマスタークロック用超低位相雑音の恒温槽付水晶発振器(OCXO) DuCULoN® NH47M47LA
⑩ 超低位相雑音10MHz OCXO NH40M40LA 40×40×24.5mm max. キャリア近傍ノイズ: -115dBc/Hz at 1Hz
⑪ リモートキーレスエントリー(RKE)システム用小型SAWフィルタ WFC68K0433CJ 3.0×3.0×1.05mm typ.(433MHz)
⑫ 車載GNSS(GPS/GLONASS/BEIDOU)向け1.5GHz帯小型薄型SAWフィルタ WFF93A1582UE 1.4×1.1×0.6mm typ.

 

(2) 水晶デバイス応用機器、超音波プローブ、光学製品関連、センサ機器

水晶の性質を生かして高付加価値の新分野における事業を目指し、高性能・高機能モジュールやそれらを使用した装置及び医療用超音波プローブの開発を推進しております。

① 味覚計測用バイオセンサ及び計測システム NAPiCOS Auto TS
② 医療体外診断POCT(Point-Of-Care Testing)用バイオセンサ及び計測システム NAPiCOS Lite
③ 腹部診断3次元画像用コンベックス型メカニカル3D超音波プローブ
④ 測定対象物までの距離と速度を非接触で検知するガン発振器を使用したミリ波センサ
⑤ 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、高精度ガス計測センサ及び計測システムを開発

 

なお、当連結会計年度における研究開発費は1,787百万円となりました。