文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、創業理念「お客様への奉仕を通じて、社会の繁栄、世界の平和に貢献する」ことをミッションとし、豊かで平和な社会を実現するために不可欠な周波数の制御と選択、検出に関連する製品の専業メーカーとして、業界をリードする高信頼性商品を開発、製造、販売することにより、お客様に喜んでいただくことを経営の基本としております。
昨今の価格競争の激化により売上価格の低下が大きく進んでおり、また、過去に期初計画に沿って生産能力の増強を進めた結果、諸コストが増加し、収益性が大幅に悪化する事態を招くなど厳しい経営環境が続き、2017年度には100億円を上回る最終赤字を計上するに至りました。
こうした環境下においても確実に事業を継続し、安定した経営を行う上では固定費を中心としたコスト削減が不可欠であり、2018年度より生産体制の再構築に着手しているほか、2019年度には当社単体の人員を対象に希望退職を実施し129名の人員削減を図る等、コスト体質改善に向けた構造改革を着実に進めております。
足下は米中貿易摩擦の長期化や、新型コロナウィルス感染症の世界的な流行によるグローバルな景気低迷により、当社を取り巻く環境は依然として厳しい状態が続いており、誠に遺憾ながら2019年度においても、上記希望退職の実施に伴う一時費用等を除いても大幅な最終赤字を計上するに至りましたが、他方で、次世代通信規格「5G」需要の本格化や、当社が圧倒的なシェアを誇る車載市場においても、自動車のADAS(先進運転支援システム)機器の搭載が進んでいることから、従来の小型化トレンドに加えて、当社が強みとする高精度・高信頼の水晶デバイスの需要は今後さらに増加する見込みであります。
上記のような状況に鑑み、当社は、構造改革によるコスト削減を継続していくと同時に、今後、こうしたビジネスチャンスの果実を刈り取り、確実に利益を確保できる強固な経営体質を構築すべく、2020年度から始まる3年間の中期経営計画を策定しております。
2020年度(2021年3月期)~2022年度(2023年3月期)
・水晶デバイスの小型化・高周波化・高精度化ニーズに対応するべく、自社の強みが発揮できる高品質の原石育成から微細加工技術を用いたウエハ加工までの前工程へリソースを重点的に投下する方針を明確化
・後工程(組立)においては、高速・高精度の設備導入を進めることで生産性向上・コスト競争力強化を志向
・不透明な経済情勢・競争環境に鑑み、現状の売上水準下においても確実に利益を確保できる体質を構築すべく、構造改革は継続し固定費の抜本的な圧縮を志向
・5G関連製品やフォトリソブランクを用いた小型・高周波・高精度振動子など、当社技術優位性を活かした製品の売上を伸長させる一方、従来固定費回収のために販売を継続していた汎用製品については戦略的に撤退するなど、「売上の質」の改善を志向
・足下の事業環境や今後の成長性を踏まえた事業ポートフォリオの見直し(SAWフィルター事業に関する合弁設立等)
・着実な利益確保を通じた自己資本の回復
・A種種類株式発行による財務基盤の早期安定化と、有利子負債に依存しない上記成長投資原資の確保
売上高 420億円
営業利益率 7%
基本的1株当たり当期利益(EPS) 50円(A種種類株式発行による希薄化考慮後)
自己資本比率 20%超
[前提]
為替レート: 107円/US$
希薄化率 : 98.4%
※ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合に対して発行するA種種類株式が全て普通株式に転換された場合に想定される希薄化率です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識し、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努め、より良い事業展開に向かい邁進する所存であります。
なお、下記のリスクの中には将来に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが開示する必要があると判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。
当社グループは収益性・成長性の高い市場への対応を目指し積極的な研究開発、設備投資を行い、柱となる事業の早期構築並びに定着に取り組み、業績の向上を目指しております。
主なお客様といたしましては、自動車、産業機器、移動体通信及びAV/OA業界となりますが、これらの業界の市況並びに需要動向の変化により、また世界の景気動向の変化、金利・為替・株価の変動により、売上高及び損益は影響を受けます。
水晶業界は大変競争が厳しく、想定以上の価格下落のリスク、最大限の経営努力をしても競争優位を維持できないリスクがあります。また、競争力を維持するために多額の研究開発、設備投資が必要であり、投資計画の前提条件に変動があった場合には、投資を回収できないリスクや機会損失を被るリスクがあります。
当社グループはグローバルな事業展開を行っており、国内外の進出先において事業・投資の許可、国家安全保障又はその他の理由による輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、環境関連の適用も受けており、これらの規制や法令の変更により、事業停止等による業績への影響が出る他、規制等の強化に伴い対応コストが増加することがあります。
当社グループは製品の製造にあたり、多岐にわたる原材料等の購入を行っておりますが、安定調達が維持できない場合には、想定利益を確保できないリスク、工程の遅延、機会損失、お客様等への賠償責任が発生するリスクがあります。
人材の育成、採用を積極的に進めておりますが、計画どおりにできない場合には、当社グループの成長や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、「NDKグループ 環境基本理念・基本方針」のもと、環境負荷の低減に努めておりますが、事業活動を通じて一切の環境汚染が発生しないという保証はありません。環境汚染が発生又は判明した場合、浄化処理等の対策費用が発生し、当社グループの損益に悪影響を及ぼす可能性があります。
お客様等の個人情報や機密情報の保護については、社内規程の制定、従業員への教育など対策を徹底しておりますが、情報漏洩を完全に防ぐことはできません。情報漏洩が起きた場合には、競争力の低下、信用の低下、あるいはお客様等に対する賠償責任が発生する可能性があります。
当社グループは生産並びに販売ともにグローバルな展開を行うことにより、取引集中によるリスクの回避に努めております。しかし、地政学的リスクの高まりや地震をはじめとする自然現象の大きな変化、感染症の蔓延等、突発的な不測事態の発生は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、テレワークや時差勤務の実施、不要不急の外出・出張の中止等、従業員の安全確保と感染拡大防止に最大限配慮しながら事業活動を継続しておりますが、感染症の世界的流行による景気後退、各国の規制等による操業停止や顧客企業における生産活動の停止・縮小等により、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
当社グループの在外子会社等の外貨建の財務諸表項目は、換算時の為替レートにより円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは世界各国に製品を販売しており、為替変動に対するヘッジ等を通じて、短期的な為替の変動による影響を最小限に止める措置を講じていますが、予測を超えた為替変動が当社グループの業績及び財務状況に影響を与える場合があります。
当社グループの事業運営上において、知的財産に係わる紛争が将来生じ、当社グループに不利な判断がなされたり、製品の欠陥に起因して製品回収、お客様への補償、機会損失等が生じる可能性があります。これらのリスクが顕在化する場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
当社グループ取引先の信用不安により予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、追加的な損失や引当の計上が必要となる場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を与える可能性があります。
事業の動向により、財務・経理上、以下のようなリスクが生じる可能性があります。
需要の急変、販売見込みの相違等による滞留在庫の発生や、販売価格の大幅な下落により、棚卸資産の評価損が発生する可能性があります。
有形固定資産は見積耐用年数に基づき減価償却を実施しておりますが、将来の陳腐化や事業撤退等により臨時の損失が発生するリスクがあります。また、業績見込み悪化により将来キャッシュ・フロー見込額が減少し、回収可能価額が低下した場合には、減損損失が発生する可能性があります。
投資有価証券は、将来その時価又は実質価額が著しく下落した場合には、減損する可能性があります。
繰延税金資産は、税務上の繰越欠損金及び将来減算一時差異に対して将来の業績予想を基に適正額を計上しておりますが、将来の業績の変動、税制改正等により計上額が増減する可能性があります。
確定給付負債は、割引率、退職率、死亡率等の前提条件に基づき算出しております。実績の前提条件との相違、前提条件の変更、会計基準の改訂等により、負債額に影響する可能性があります。
当連結会計年度末の当社グループの借入金は32,548百万円と、手元流動性及び無条件融資枠に対して高い水準にあり、メインバンクを中心に取引金融機関には継続して経営改善を前提とした支援を要請している状況にあります。また、当連結会計年度において、営業損失8,286百万円、当期損失8,709百万円を計上していることから、当連結会計年度末において、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、当該事象または状況を解消するために、以下の対応策に取り組んでおります。
翌連結会計年度以降の事業計画等を借入残高を有する全取引金融機関に対して説明のうえ、2020年9月30日まで、2020年3月時点の借入残高を維持するよう依頼し、当連結会計年度末までに全取引金融機関から同意書を入手しております。また、2020年6月に全取引金融機関と、返済期日を除く既存の借入契約の条件を維持したうえで、2023年9月末日までの残高維持について合意しております。加えて、メインバンクからは既存のコミットメントライン契約を維持することについて合意しております。そのため、翌連結会計年度末までの財務基盤の安定性は維持できるものと考えております。
② 事業構造改革
当社は、2018年度より生産体制の再構築を柱とする構造改革を実施してまいりましたが、経営環境が想定以上に深刻化している状況を鑑み、当連結会計年度においてはさらに踏み込んだ構造改革を実施し、業務効率の向上とあわせて固定費の圧縮を図るべく当社において希望退職者の募集を実施し、129名が退職いたしました。これにより、翌連結会計年度以降、当社グループの固定費削減を見込んでおります。また、翌連結会計年度もグループ子会社を含めた事業構造改革の検討を行い、必要な施策を実行する予定であります。
③ SAWフィルター事業に関する合弁会社設立による分社化
2020年5月26日の取締役会において、当社および当社の100%子会社である函館エヌ・デー・ケー株式会社において運営されているSAWフィルター事業に関する開発・製造事業を分社化するための合弁会社を設立することについて決議し、2020年6月3日にJIC Technology Investment Co., Ltd.と当該合弁会社株式の譲渡契約書及び合弁契約書を締結しております。これにより、当社は2020年8月に株式譲渡対価35億円(概算)を受領する見込みであります。
④ 種類株式発行による出資受入
2020年6月19日開催の取締役会において、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ株式会社に対する、総額50億円の種類株式発行を決議しております。当該増資については、関連する定款変更も含めて2020年7月31日の定時株主総会において可決承認されており、当社グループは2020年第2四半期中に当該金額を受領する見込みであります。
以上のような対応策の実施により、資金繰りの安定化に努めてまいります。
これらの対応策に加えて、メインバンクからの全面的な支援、協力についても理解が得られているため、当社グループは当連結会計年度末から12ヶ月間の資金繰りに関して重要な懸念はなく、継続企業の前提に重要な不確実性は認められないと判断しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。これらの将来に関する記載事項につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した内容等を含む様々な要因により、実際の結果と異なる場合があります。
当連結会計年度における世界経済は、米国と中国の貿易摩擦を受けて世界的に貿易や投資が減速しておりましたが、2020年に入ってからの新型コロナウィルス感染拡大の影響で世界各国の経済活動が停滞し、景気は急速に悪化いたしました。
そのような中、連結売上高の半分近くを占める車載用途向けでは、中国を中心に世界的な新車販売の低迷が続いていた状況下、年度末には新型コロナウィルスの感染拡大による需要減が加わりました。この結果、売上高は期初に想定していた水準を大きく下回りました。しかしながら、TPMS(タイヤ空気圧監視システム)向けやADAS(先進運転支援システム)機器に使用される車載用カメラ向けを中心に対前年比では売上数量は増加いたしました。一方、価格競争の激化している小型サイズ品へ需要がシフトしていることが平均売上単価を押し下げ、売上高は前期比で減少いたしました。
連結売上高の2割強を占める移動体通信並びにIoT用途向けでは、北米スマホメーカーの新モデルの販売が好調に推移し、中国スマホメーカーにおいても想定を上回る生産水準が続いた為、一部の水晶デバイスで需給がタイトとなりました。この結果、超小型サイズの水晶振動子(含む温度センサ内蔵水晶振動子)を中心に売上数量が増加しました。価格是正効果も加わり、売上高は前期比で増加いたしました。
連結売上高の1割強を占める民生用途向けでは、一眼レフ市場縮小の影響を受け、光学製品の売上高が前期比で減少いたしました。
連結売上高の1割弱を占める産業機器市場においては、欧米における基地局向け設備投資の抑制に伴い、水晶デバイスへの需要が想定を下回り、売上高は前期比で減少いたしました。
その結果、当期の売上高は39,468百万円(前期比7.1%減)となりました。
利益につきましては、生産体制の再構築を進めることにより、概ね計画どおり固定費の圧縮を図りましたが、蘇州日本電波工業有限公司の工場移転に伴う従業員に対する経済補償金及び当社の人員削減に伴う希望退職者への特別加算金を含む構造改革費用として2,500百万円をその他の営業費用に計上いたしました。また、新型コロナウィルス感染症拡大の業績への影響を考慮し、1,970百万円の減損損失を売上原価に計上いたしました。2019年9月第2四半期において計上しました減損損失(その他の営業費用に計上)と合わせて、3,932百万円の減損損失を当連結会計年度に計上いたしました。
その結果、当連結会計年度の営業損失は8,286百万円(前期は営業利益406百万円)、税引前当期損失は8,644百万円(前期は税引前当期損失56百万円)、当期損失は8,709百万円(前期は当期損失は251百万円)となりました。
なお、在外営業活動体の換算差額が801百万円減少する等、税引後その他の包括損失が666百万円となったことから、当期包括損失合計は9,376百万円(前期は当期包括損失合計460百万円)となりました。
これにより、売上高営業利益率は△21.0%となりました。
① 水晶振動子
移動体通信向けで超小型サイズの水晶振動子(含む温度センサ内蔵水晶振動子)の販売が増加しました。また、車載向けでは、TPMS向けや車載用ミリ波レーダをはじめとしたADAS機器向けに使用される水晶振動子の販売が全体の売上数量を押し上げました。しかしながら、車載全体の傾向としては、価格競争の激化している小型サイズ品へ需要がシフトしていることが平均売上単価を押し下げ、売上高は前期比で減少いたしました。その結果、売上高は24,499百万円(前期比3.4%減)となりました。
② 水晶機器
車載市場において、車載用カメラをはじめとしたADAS機器に使用される水晶発振器の販売が増加いたしました。しかしながら、移動体通信市場においてTCXO(温度補償水晶発振器)の販売が減少し、また、携帯電話基地局向けのOCXO(恒温槽付水晶発振器)の販売も減少いたしました。その結果、売上高は11,147百万円(前期比11.9%減)となりました。
③ その他
一眼レフ市場縮小の影響を受け、光学製品の販売が減少いたしました。その結果、売上高は3,821百万円(前期比14.8%減)となりました。
車載向け水晶振動子の販売数量は増加しましたが、高単価製品の販売が減少した影響で金額ベースでの売上高は減少しました。また、一眼レフカメラ向け光学製品の販売が減少しました。その結果、売上高は7,858百万円(前期比10.5%減)となりました。
車載向け水晶振動子・水晶発振器、及び移動体通信向け超小型サイズの水晶振動子(含む温度センサ内蔵水晶振動子)の販売は増加しましたが、移動体通信向けTCXO、並びに産業機器向けOCXOの販売が減少しました。その結果、売上高は中国13,893百万円(前期比3.8%減)、韓国1,633百万円(前期比24.0%増)、その他2,594百万円(前期比24.7%減)となりました。
車載向け水晶振動子並びに水晶発振器の販売が減少しました。その結果、売上高はドイツ4,301百万円(前期比6.8%減)、フランス806百万円(前期比12.3%減)、その他3,407百万円(前期比7.9%減)となりました。
車載向け水晶振動子並びに水晶発振器の販売が増加しました。一方、移動体通信向けSAW(弾性表面波)デバイスの販売が減少いたしました。その結果、アメリカ3,643百万円(前期比2.3%減)、その他34百万円(前期比49.8%減)となりました。
(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績の記載を省略しております。
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の、前連結会計年度末に対する主な増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度末に比べ、総資産は、現金及び現金同等物の増加1,829百万円、棚卸資産の減少1,464百万円、有形固定資産の減少3,837百万円等により6,237百万円減少し54,547百万円、負債は、リース負債の増加1,694百万円、引当金の増加1,649百万円等により3,138百万円増加し49,198百万円、親会社の所有者に帰属する持分は、当期包括損失合計9,376百万円等により9,376百万円減少し5,349百万円となりました。これにより、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末から14.4ポイント低下し9.8%となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比較し1,829百万円増加の10,060百万円となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが948百万円のプラスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローが1,204百万円のプラスとなったことにより、2,152百万円のプラス(前期比2,824百万円のプラス)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、マイナス要因として、営業債務の減少1,138百万円があったものの、プラス要因として、減損損失3,932百万円、減価償却費及び償却額3,697百万円、引当金の増加1,649百万円、棚卸資産の減少1,224百万円があったこと等により、948百万円のプラス(前期比667百万円のマイナス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、マイナス要因として、有形固定資産の取得による支出2,143百万円があったものの、プラス要因として、土地使用権等の売却による収入2,685百万円があったこと等により、1,204百万円のプラス(前期比3,491百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入による収入10,348百万円、長期借入金の返済による支出9,836百万円、リース負債の返済による支出532百万円等により、23百万円のマイナス(前期比2,090百万円のマイナス)となりました。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っておりましたが、「2 事業等のリスク (13) 継続企業の前提に関する重要事象等」に記載のとおり、当連結会計年度末の当社グループの借入金は、手元流動性及び無条件融資枠に対して高い水準にあり、メインバンクを中心に取引金融機関には継続して経営改善を前提とした支援を要請している状況にあります。
この状況を解消するために、①財務基盤強化のための取引金融機関との協議及び借入条件の変更、②事業構造改革の実施、③SAWフィルター事業の分社化及び合弁先への株式譲渡、④種類株式発行による出資受入、等の対応策を実施し、資金繰りの安定化に努めてまいります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
[算式]親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1. IFRSに基づく連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3. キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4. 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5. 2018年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 見積り及び判断の利用」に記載しております。
当社は、2020年5月26日開催の取締役会において、当社及び当社の100%子会社である函館エヌ・デー・ケー株式会社(以下「函館NDK」)のSAWフィルターの開発・製造に関する事業を、2020年7月1日を効力発生日として、吸収分割の方法により、当社の100%子会社であるNDK SAW devices株式会社(以下「NSD」)に承継させることを決議いたしました。
また当社は、当社及び函館NDKにおいて運営されているSAWフィルター事業に関する開発・製造事業を分社化することにより、SAWフィルターの開発・生産・販売を行う合弁会社を設立することについて、JIC Technology Investment Co.,Ltd.(以下「JICT社」)と交渉を進めておりましたが、2020年6月3日にNSDの株式のうち51%をJICT社の投資子会社であるJiaxing Jiawang Investment Partnership (Limited Partnership)に譲渡することを決定し、株式譲渡契約を締結いたしました。
本株式譲渡に伴い、NSDは当社の連結子会社から除外され持分法適用会社となる予定であります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 33. 後発事象」に記載しております。
研究開発部門では中・長期展望における将来商品の基礎となる新技術の研究開発及び工法開発を行っております。水晶デバイスへのニーズに応えるべく、狭山事業所を中心に、研究開発体制を強化し、次世代の周波数制御・選択・検出デバイスの開発とともにその核となる設計技術及びプロセス技術に関する研究開発を行っております。
これら研究開発の主対象分野と当連結会計年度における活動成果は次のとおりであります。
5G、ADAS、IoTなどの社会ニーズに対応し、移動体通信や情報端末機器、固定通信の無線基地局や光ネットワーク通信による情報通信装置、産業用電子応用機器、高信頼性が要求される車載用機器等に使われる水晶振動子、水晶発振器、SAWデバイスの開発を行っております。
世界的に危機管理の必要性が叫ばれている中、情報通信インフラの役割は益々重要度を増しています。近年のデータトラフィックの急増による通信市場の急速な技術進展に対応した水晶デバイスに求められるニーズは「小型化」、「高精度化」、「低位相雑音化」に集約されます。これらを踏まえた商品開発等を積極的に推進しております。
⑤ 業界最高レベル47fs(発振周波数156.25MHz、電源電圧3.3V、12kHz~20kHz)低位相ジッタ差動出力水晶発振器NP3225SAB/NP3225SBB 3.2×2.5×1.0mm typ.
⑥ GNSS向け超小型TCXO NT1210AA 1.2×1.0×0.35mm typ.
⑧ 業界最高-170dBc/Hz@100kHz offset(発振周波数26MHz、温度+25℃)の低位相雑音を実現したTCXO NT2016SJA 2.0×1.6×0.7mm typ.
⑬ 宇宙用電子機器向け高信頼性水晶発振器(JAXA認定品) JAXA-QTS-2020/3001 15.8×15.8×3.5mm typ.
⑮ 移動体端末(GPS)用ウエハレベルチップパッケージサイズ(WL-CSP)SAWフィルタ WFJ93E1584QE 0.8×0.6×0.35mm typ.
水晶の性質を生かして高付加価値の新分野における事業を目指し、高性能・高機能モジュールやそれらを使用した装置及び医療用超音波プローブの開発を推進しております。
③ 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、高精度ガス計測センサ及び計測システムを開発
⑦ 高級一眼レフカメラ及び高画質動画撮影機器向け光学フィルタを開発
なお、当連結会計年度における研究開発費は