第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更があった事項は以下のとおりです。

ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ第弐号投資事業有限責任組合に対する総額50億円の種類株式発行について、2020年8月5日付で払込手続が完了したこと、全取引金融機関と2020年6月に合意した2023年9月末日までの借入残高維持について履行されたため、借入金245億円を流動負債から非流動負債に振り替えたこと、SAWフィルター事業の分社化及びJIC Technology Investment Co., Ltd.の投資子会社であるJiaxing Jiawang Investment Partnership (Limited Partnership)の子会社Sito Microelectronics Technology (Shanghai) Co., Ltd.への当該株式の51%の譲渡について、2020年10月30日に完了したこと等により、当面の間の資金繰りについて懸念が大きく低減いたしました。また、当第1四半期連結会計期間において、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、売上高が前年同四半期に対して18.8%減少しましたが、当第3四半期連結会計期間においては、売上高が前年同四半期に対して8.7%の増加に転じています。今後も新型コロナウイルス感染の再拡大による経済への影響が懸念されますが、世界経済の正常化へ向かう流れは緩やかながらも変わらないものと想定しており、当連結会計年度においては営業利益を計上することを見込んでおります。以上のことから、継続企業の前提に関する重要事象等は解消したものと判断しております。

上記を除き、当第3四半期連結累計期間において、本四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社グループの事業内容は水晶関連製品の一貫製造とその販売であり、区分すべき事業セグメントが存在しないため、報告セグメントは単一となっております。なお、文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績

当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で世界各国の経済活動が停滞し、当第1四半期(4-6月)の景気は大幅に悪化しましたが、主要国では積極的な財政出動を実施し、経済活動の再開に踏み切ったことで、世界の製造業の景況感は大きく改善しました。中国や米国では2020年10-12月期の実質GDP成長率はプラスで推移しましたが、ユーロ圏では新型コロナウイルス感染の封じ込めを優先し、再び経済活動を制限したことで、同地域における2020年10-12月期の実質GDP成長率はマイナスに陥るなど、世界経済の先行きは依然として予断を許さない状況です。

当社売上高の約半分を占める車載向けの売上高は、第1四半期に大きく減少したものの、その後、急回復し、第3四半期(10-12月)の売上高はこれまでのピークであった2018年度の売上高水準を上回りました。産業機器及び移動体通信向けの売上高は、米国による中国通信機器メーカーへの輸出規制強化の影響で同メーカー向けの売上高は第3四半期に減少したものの、第3四半期連結累計期間の売上高は両用途とも前年同四半期比で増加いたしました。特に、移動体通信向けでは5Gスマホ用76.8MHzサーミスタ内蔵水晶振動子や超小型水晶振動子の販売増が売上高アップに貢献いたしました。一方、民生向けはパソコン向けの販売は増加いたしましたが、一眼レフ向け販売減の影響が大きく、第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比で減少いたしました。

全体としては、第1四半期の落ち込みが大きかった車載向けの売上減少の影響を受け、当期の売上高は28,327百万円(前年同四半期比4.7%減)となりました。

利益につきましては、売上高の減少による利益押し下げ要因や7億円の構造改革費用の計上があったものの、固定費を圧縮したこと、当社100%子会社であったNDK SAW devices株式会社の株式の51%を譲渡したことによる株式売却益と本譲渡に伴う残存持分の評価益として合わせて44億円を計上したこと、前年同四半期連結累計期間に計上した減損損失18億円がなくなり、構造改革費用も17億円減少したことから、当第3四半期連結累計期間の営業利益は2,789百万円(前年同四半期は営業損失5,480百万円)、税引前四半期利益は2,418百万円(前年同四半期は税引前四半期損失5,653百万円)、四半期利益は1,870百万円(前年同四半期は四半期損失5,665百万円)となりました。なお、当第3四半期連結会計期間は、子会社株式の譲渡に伴って発生した収益44億円と構造改革費用3億円を除いた場合でも、営業利益は黒字を計上いたしました。
 事業の品目別の業績を示すと、次のとおりであります。

①水晶振動子

移動体通信向けでは、5Gスマホ用に76.8MHzサーミスタ内蔵水晶振動子や超小型水晶振動子の販売が増加いたしました。車載向けでは、水晶振動子の販売が第1四半期(4-6月)を底に急回復したものの、第1四半期における販売の落ち込みの影響が大きく、第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比で減少いたしました。その結果、売上高は18,203百万円(前年同四半期比2.4%減)となりました。

②水晶機器

移動体通信向けでは、TCXO(温度補償水晶発振器)の売上数量は減少したものの、平均売上単価の上昇により、売上金額は増加いたしました。また、産業機器向けでは、5G基地局向けの水晶発振器の販売が増加いたしました。車載向けでは、水晶発振器の販売が第1四半期(4-6月)を底に急回復したものの、第1四半期における販売の落ち込みの影響が大きく、第3四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比で減少いたしました。その結果、売上高は7,672百万円(前年同四半期比7.4%減)となりました。

③その他

一眼レフの需要減の影響を受け、光学製品の販売が減少いたしました。その結果、売上高は2,452百万円(前年同四半期比11.6%減)となりました。

 

(2) 財政状態

当第3四半期連結会計期間末における資産、負債及び資本の、前連結会計年度末に対する主な増減は以下のとおりであります。

前連結会計年度末に比べ、総資産は、現金及び現金同等物の増加4,860百万円、棚卸資産の減少2,570百万円、当社100%子会社であったNDK SAW devices株式会社の株式の51%を譲渡したことにより、49%分を当社持分として計上したことによる持分法で会計処理されている投資の増加2,858百万円、未収法人所得税等の増加780百万円等により6,188百万円増加して60,735百万円となりました。負債は、借入金の増加1,145百万円、引当金の減少1,770百万円、営業債務その他の未払勘定の減少919百万円等により864百万円減少して48,333百万円となりました。なお、全取引金融機関と2020年6月に合意した2023年9月末日までの借入残高維持について履行されたため、借入金245億円を流動負債から非流動負債に振り替えております。親会社の所有者に帰属する持分は、種類株式の発行による増加4,932百万円、四半期包括利益合計による増加2,121百万円等により、7,052百万円増加して12,402百万円となりました。

これらの結果、当第3四半期連結会計期間末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末の9.8%から10.6ポイント上昇して20.4%となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比較し4,860百万円増加の14,921百万円(前年同四半期比5,951百万円のプラス)となりました。活動毎のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における営業活動による資金は、プラス要因として、税引前四半期利益2,418百万円、減価償却費及び償却額2,334百万円、棚卸資産の減少2,488百万円があったものの、マイナス要因として、子会社株式売却益2,665百万円、持分法適用に伴う再測定による利益1,740百万円、営業債権の増加931百万円、未払費用の減少709百万円、引当金の減少1,843百万円、法人所得税の支払額872百万円があったこと等により、1,570百万円のマイナス(前年同四半期比1,931百万円のマイナス)となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における投資活動による資金は、マイナス要因として、有形固定資産の取得による支出1,911百万円、持分法で会計処理されている投資の取得による支出710百万円があったものの、プラス要因として、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入3,293百万円があったこと等により、654百万円のプラス(前年同四半期比481百万円のプラス)となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当第3四半期連結累計期間における財務活動による資金は、マイナス要因として、リース負債の返済による支出414百万円があったものの、プラス要因として、株式の発行による収入4,932百万円、短期借入金の純増加額1,059百万円があったこと等により、5,577百万円のプラス(前年同四半期比5,210百万円のプラス)となりました。

 

(4) 研究開発活動

当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,192百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。