第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成27年4月~平成28年3月)の世界経済は、米国では、雇用環境を中心に景気は拡大傾向にありますが、利上げについては慎重な姿勢を見せています。欧州においては、緩やかな回復が続いておりますが、中国など新興国においては、景気の減速が鮮明で世界経済への影響が懸念されます。また、日本経済においては、企業の業績回復により景気は緩やかに回復しておりますが、年明けからの急激な円高により、先行きが不透明となってきております。

 

当社グループの属する電子部品業界におきましては、自動車関連向けは自動車販売の回復に加え、電装化の進展により需要が好調に推移しております。また、産業機器向けも堅調に推移しております。スマートフォンやタブレット端末関連向けも拡大しておりますが、年末頃からスマートフォン関連向けは急ブレーキがかかっており、第4四半期についてはマイナス成長となりました。

 

このような状況の下で、当社グループでは、自動車関連向けにつきましては、引き続き堅調に推移したものの、スマートフォンを中心とした移動体通信関連(携帯電話)向けは伸び悩み、アミューズメント関連(ゲーム機器)向けは低調な推移となりました。

 

これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は、1,399億49百万円(前連結会計年度比5.6%減)となりました。利益面では、営業損失は、28億35百万円(前連結会計年度は28億円の営業損失)、経常損失は、円高に伴う為替差損(24億52百万円)の発生があり、51億34百万円(前連結会計年度は18億19百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は固定資産の減損損失(34億29百万円)の計上及び繰延税金資産の取り崩しに伴い、法人税等調整額(17億20百万円)を計上したことにより、106億98百万円(前連結会計年度は1億22百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

報告セグメントの売上高は、次のとおりであります。

 

機構部品につきましては、移動体通信関連向けは増加したものの、アミューズメント関連向け等の減少により、1,093億56百万円(前連結会計年度比3.8%減)、セグメント損失は38億13百万円(前連結会計年度は35億21百万円のセグメント損失)となりました。

音響部品につきましては、自動車関連向け等が増加したものの、移動体通信関連向けの減少により、167億64百万円(前連結会計年度比0.0%減)、セグメント利益は10億63百万円(前連結会計年度比39.7%増)となりました。

表示部品につきましては、自動車関連向けが増加したことにより、91億12百万円(前連結会計年度比13.1%増)、セグメント損失は36百万円(前連結会計年度は1億77百万円のセグメント損失)となりました。

複合部品その他につきましては、情報事務機器関連向けが減少したことにより、45億92百万円(前連結会計年度比32.6%減)、セグメント損失は1億5百万円(前連結会計年度は15百万円のセグメント損失)となりました。

 

(注)各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものです。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ17億29百万円減少(前連結会計年度末は14億85百万円の増加)し、当連結会計年度末には540億15百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、41億56百万円の増加(前連結会計年度は76億41百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失87億66百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益14億49百万円)、減価償却費22億33百万円(前連結会計年度は22億18百万円)、減損損失34億29百万円(前連結会計年度は4億1百万円)、売上債権の減少58億70百万円(前連結会計年度は8億73百万円の減少)、たな卸資産の減少65億26百万円(前連結会計年度は28億64百万円の減少)、仕入債務の減少45億20百万円(前連結会計年度は7億58百万円の増加)によるものであります。

 

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、23億72百万円の減少(前連結会計年度は36億92百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出25億73百万円(前連結会計年度は37億90百万円)によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、29億86百万円の減少(前連結会計年度は27億85百万円の減少)となりました。これは短期借入金の減少7億62百万円(前連結会計年度は1億24百万円の減少)、自己株式の取得による支出16億円(前連結会計年度は20億円)、配当金の支払6億23百万円(前連結会計年度は6億61百万円)によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

108,933

△6.7

音響部品

16,519

△3.1

表示部品

8,936

20.0

複合部品その他

4,699

△29.5

合計

139,088

△6.0

  (注)  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

(2)受注状況

  当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

機構部品

108,356

△9.5

11,582

△9.4

音響部品

16,922

1.8

2,557

7.7

表示部品

8,966

11.6

2,147

5.3

複合部品その他

4,724

△27.9

702

△8.9

合計

138,970

△7.9

16,990

△5.5

  (注)  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

(3)販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

109,559

△6.6

音響部品

16,739

△1.0

表示部品

8,858

23.0

複合部品その他

4,792

△30.4

合計

139,949

△5.6

  (注)1  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

任天堂㈱

53,599

36.2

48,088

34.4

2  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

 

3【対処すべき課題】

(1)中長期的な経営戦略

当社の属するエレクトロニクス業界は、デジタル化、ネットワーク化等めまぐるしい技術革新により急速に大きく変化しており、新たな発展が期待できる新製品・新技術が相次ぎ創出されております。スマートフォン及びタブレット端末やネット関連機器の分野は、従来の家電・AV市場、ゲーム市場とも融合しながら、さらに進化、発展し、先進国市場に加え、新興諸国でも大幅に拡大し、インターネットにつながる機器を個々人が身につけ持ち運ぶ流れが定着しつつあります。さらに環境にやさしいエコカーの増加や車の電子化の進展が車載電子機器の増加を後押しし、電子部品デバイスの裾野が拡大しており、加えて太陽光発電機器関連や医療・美容・健康機器関連、IoE関連にも充分期待できます。

 

この中にあって、当社は電子部品メーカーとして豊富な製品ラインアップ、顧客の多様なニーズを満たす技術力、顧客満足を第一としたきめ細かいサービスの提供等により、連結ベースでの売上高、利益の確保・拡大による企業価値の増大をはかってまいります。

 

重点的取り組み市場といたしましては、今後も引き続き成長が期待されるスマートフォン・タブレット端末を中心としたモバイル情報機器、安全、安心、快適を追及し高度化する自動車関連、アミューズメント(ゲーム機器)関連、太陽光発電機器関連、ウェアラブル機器関連、医療・美容・健康機器関連、さらにはネットワーク化が進む産業機器やIoE関連等の成長分野への事業を強化し、技術開発・生産・販売の連携をはかり、グローバルな視点をもって展開してまいります。

 

また、当社及びグループ各社の技術・研究開発体制の強化をはかり、電子機器の軽薄短小化、高性能化、多機能化、高速電送化やワイヤレス化、高周波化、デジタル化、モバイル化、省電力化等の技術トレンドに総合的に対応する新製品開発による高付加価値化、及び開発のスピードアップ・効率化に積極的に取り組んでまいります。

 

特にコア技術の深耕に注力し、機構設計技術、高周波設計技術、音響設計技術、光学設計技術、回路設計技術、金型設計技術、シミュレーション技術、解析技術、ソフト技術等の当社独自の技術による独自商品の開発を進め、また、生産性を高め、製品を市場にタイムリーに提供するため、グローバル規模での最適地での生産・販売体制の再構築を行ってまいります。


(2)会社の対処すべき課題

現状、当社グループの属する電子部品業界を取り巻く環境はデジタルカメラやパソコン向けなどの需要が低調に推移し、厳しい状況にありますが、より一層の電子化が進む自動車関連向け需要は着実に成長しております。エレクトロニクス技術の高度化に伴う新しい高付加価値部品の需要創出や、あらゆる産業分野での電子化の進展、新興国市場を中心としたグローバルでの機器需要増大が充分期待されます。ウェアラブル端末などの高機能モバイル端末や、車のエレクトロニクス化が電子部品需要の大きな牽引マーケットとして期待されると共に、クラウド化の進展に伴う高速・大容量インフラ需要や、環境・省エネ・新エネルギー関連市場などが新たな部品需要を創出していくことが期待されております。

 

このような状況下にあって、当社グループといたしましては、新技術・新製品開発及び高付加価値商品の開発促進として、伸びる市場、伸びるユーザー、伸びる商品、新しい市場、新しいユーザー、新しい商品へ向けて、自動車関連及びスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル機器等のモバイル機器、ネットワーク機器、アミューズメント機器、太陽光発電関連機器に取り組んでおります。加えて、新たに市場が拡大しつつあるエコカーを含む環境・省エネルギー関連、医療・美容・健康機器、IoE関連等の有望市場に対して、電子部品への顧客ニーズ及び基本技術仕様を着実にとらえ、スピーディー、かつ、タイムリーに新技術、新製品の開発、新規ユーザーの開拓に取り組み、受注・売上高の回復・拡大による営業利益の黒字化が最重要課題となっております。

 

さらに、経営全般の一層の効率化とスピードアップを進めると共に、生産性の向上、原価力、販売力の強化のため国内外の生産・販売拠点の見直し(新設、増強、縮小、統廃合他)を行い、機械化、自動化、省人化による品質向上と原価低減をはかり、経費削減等に取り組み、業績の回復・向上、利益体質の強化、及びコンプライアンス体制、CSR(企業の社会的責任)体制、内部統制システム、情報セキュリティ管理体制、リスク管理体制等の充実・強化をはかり、企業価値の増大に努めてまいります。

 

また、環境保全は企業経営にとって重要課題のひとつであり、地球環境に配慮した生産活動、グリーン調達、RoHS規制、REACH規則等による環境管理物質対策、省資源・省エネ活動、廃棄物削減、リサイクル等の環境負荷の低減に向けた取り組みをグループをあげて推進し、すべての企業活動において環境を考え、環境の継続的改善に今後も積極的に取り組んでまいります。

 

(3)会社の支配に関する基本方針

当社の会社の支配に関する基本方針の概要は以下のとおりであります。

上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案またはこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を充分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると判断し、このような考え方をもって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたしております。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日において判断したものであります。

 

(1)経済状況

当社グループの殆どの製品は、セットメーカーが製造する最終商品に搭載される部品であることから、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパを含む主要市場における景気後退により、最終商品を製造するセットメーカーの生産が縮小し、それが当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替レートの変動

当社グループは世界各地で事業を展開しており、為替レートの変動による影響を受けています。海外及び国内市場での売上高の大部分は円、米ドル及びユーロ建であります。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が悪影響を受ける可能性があります。

(3)価格競争

当社グループが属するエレクトロニクス業界における競争は大変厳しいものとなっており、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面することが予想されます。当社グループの競合先の一部は、研究開発、製造および販売について当社グループよりも優れた資源を有している可能性があります。当社グループの主要市場における価格下落圧力は今後も強まると予想され、価格競争が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料の価格変動と供給状況

当社が生産する製品には種々の金属及び石油化学製品が原材料として使用されています。当社グループは重要な資材については政策的な調達活動を行っていますが、急激な原材料価格の高騰や原材料供給状況の悪化により、当社グループの生産やコストに重大な影響を及ぼす可能性があります。

(5)技術革新と需要動向

当社グループの事業に関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受けます。業界での頻繁な技術革新により、比較的短期間で当社グループの既存製品が陳腐化する可能性があります。また当社グループが業界と市場の変化を充分予想できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。更に当社グループの売上高の34.4%は、任天堂株式会社に対するものであり、同社からの受注動向や、アミューズメント(ゲーム)機器の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)海外事業に関するリスク

当社グループの生産及び販売活動の相当な部分は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等の日本国外で行われております。特に近年は中国の生産拠点への依存度を高めつつあり、中国をはじめとする、これらの地域における海外事業は、さまざまな不確定要素による影響を受けやすく、特に以下に掲げるいくつかのリスクが内在しております。

①不利な政治または経済要因

②予期しない法律または規制の変更

③人材の確保に関わる障害

④潜在的に不利な増税の影響

⑤戦争、テロ、伝染病、地震、災害、その他の要因による社会的混乱

(7)その他の要因

上記の要因に加えて、主要顧客との取引条件の変更にともなう在庫リスク、訴訟リスク、移転価格税制他税金問題、知的財産権、製品品質問題(PL、リコール他)、環境管理物質規制、金融収縮による資金不足、保有投資有価証券価格の下落、収益性の低下による棚卸資産や固定資産の評価額の下落、法令等の規制・変更、情報漏えい、火災・地震・津波・風水害・原発事故等の大規模災害に伴う被害、当社グループの市場やサプライチェーンに悪影響を与える事象等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(8)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度におきましては、営業損失28億円、経常利益18億19百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1億22百万円となり、当連結会計年度においては営業損失28億35百万円、経常損失51億34百万円、親会社株主に帰属する当期純損失106億98百万円となりました。

このような状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しておりますが、「第2  事業の状況  7財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (7)継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施することにより収益力の回復に努めており、また今後の運転資金を十分に確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、連結財務諸表への注記は記載しておりません。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は22億12百万円であります。

また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。

(1)  機構部品における研究開発

①  自動車のドアハンドル部に組込むリクエストスイッチを開発いたしました。スイッチユニット部の標準化とラバー部及びケース部のカスタム対応を可能にすることで、小型で汎用性の高いIPX8相当の完全防水構造を実現しております。

②  車載用途向けにUSB3.1Gen1対応コネクタを開発いたしました。今回開発したコネクタは5Gbpsの伝送速度、定格3Aの給電を可能としております。また、勘合保持力とEMC性能を確保し、車載製品に求められる仕様を満足しております。車両組立時の配線工数削減を目的とした2連モデルも開発いたしました。

(2)  音響部品における研究開発

①  ハイレゾ音源の高音質なヘッドホン需要の高まりに対応し、デジタル信号処理技術Dnoteを採用したフルデジタルヘッドホンを開発いたしました。デジタル信号を直接スピーカに入力することで、外部ノイズの影響を受けにくく、高出力音圧・高レスポンスな再生が可能で、高音質・低歪みを実現しております。USBバスパワー駆動により、バッテリーが不要で、世界最軽量のデジタルヘッドホンであります。

②  高音圧環境下で歪率を低減したデジタルMEMSマイクロホンユニットを開発しました。今回開発したデジタルMEMSマイクロホンユニットは、入力音圧130dBの高音圧下で歪率2%まで低減し、クリアな集音を実現しております。また、プログラマブルASICを搭載することで、感度公差を±3dBから±1dBに抑え、Standard/Low Power/Sleepの3つの消費電力モードに対応し、低消費電力化を図っております。

③  当社従来品と比較して体積比で約75%に小型化したリバース音孔タイプアナログMEMSマイクロホンユニットを開発いたしました。プログラマブルASICを搭載することで、感度公差を±3dBから±1dBに抑え、SN比を62dB(typ.)から65dB(typ.)に高性能化を実現しております。

(3)  複合部品その他における研究開発

①  当社従来品と比較すると、消費電力を約半減したBluetooth Smartモジュールを開発いたしました。このモジュールは長期間にわたる保守・メンテナンスが求められるIoT/IoE市場において最適のモジュールとなっております。通信距離が短い場合、無線出力を低く設定することで、電池寿命を長くすることができます。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

  当社は、連結財務諸表の作成に際し、貸倒債権、たな卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金や偶発事象等に関し、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。見積りには、特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合もあります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における売上高については、自動車関連向けは、引き続き堅調に推移したものの、スマートフォンを中心とした移動体通信関連(携帯電話)向けは伸び悩み、アミューズメント関連(ゲーム機器)向けは低調となり、全体では前連結会計年度比5.6%減の1,399億49百万円となりました。

利益面では、営業損失は、28億35百万円(前連結会計年度は28億円の営業損失)、経常損失は、円高に伴う為替差損(24億52百万円)の発生があり、51億34百万円(前連結会計年度は18億19百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は固定資産の減損損失(34億29百万円)の計上及び繰延税金資産の取り崩しに伴い、法人税等調整額(17億20百万円)を計上したことにより、106億98百万円(前連結会計年度は1億22百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社をとりまく事業環境は非常に競争が激しく、アミューズメント関連部品や移動体通信機器用部品等の当社グループ主力製品の需要は、これらが搭載される最終商品の需要の変動に大きく影響を受けます。またエレクトロニクス業界における頻繁な新技術の導入は、当社グループの需要動向の予測や研究開発活動の動向と密接に関わっており、経営成績に重大な影響を与える要因となっております。

 

(4)経営戦略の現状と見通し

当社グループといたしましては、このような状況を踏まえて、現在の主力製品であるコネクタ、スイッチユニット、マイク、ヘッドセット、レシーバ、タッチパネルの競争力強化により、アミューズメント関連部品、移動体通信機器用部品、デジタル家電用部品、自動車関連部品等の伸びる市場、伸びる商品で強固な地位を確保するとともに、新たな主力製品の開発に注力し、成長が期待できる太陽光発電機器、スマートフォン、タブレット端末、スマートグリッド関連機器、健康・医療機器、安全・住設機器等の有望市場の開拓についても、積極的に取り組んでまいります。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より34億85百万円少ない41億56百万円のキャッシュを得ました。これは主に、税金等調整前当期純損失87億66百万円、たな卸資産の減少65億26百万円、売上債権の減少58億70百万円によるものであります。

  投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より13億19百万円少ない23億72百万円のキャッシュを使用しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

  財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より2億円多い29億86百万円のキャッシュを使用しました。これは、自己株式の取得による支出16億円、短期借入金の減少7億62百万円、配当金の支払6億23百万円によるものであります。

  これらの活動の結果及び為替レートの変動が海外子会社の現金及び現金同等物の円換算に与えた影響により、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度の557億44百万円から17億29百万円減少し、540億15百万円となりました。

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  3.対処すべき課題」に記載のとおりです。

 

(7)継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等

当社グループには、「第4  事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が当連結会計年度において存在しておりますが、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は540億15百万円であり、当面の十分な手元資金を確保しております。

 

また、当社グループは、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況を早期に解消または改善するため、以下の対応策を進め、営業利益の確保に取り組んでまいります。

 

①受注・売上の拡大

新規市場への拡販、特に自動車市場はエレクトロニクス化が進み、成長が期待される分野であり、当分野への主力製品であるタッチパネル、マイクロホン、コネクタ、スイッチユニットについて競争力を強化し、また新製品の開発スピードを速めることで、既存顧客に対する取扱い製品の拡大と新規顧客への拡販を図り、受注・売上の拡大を目指します。

 

②生産性の向上・原価低減

機械化、省人化、省力化による生産性の向上、加えて工程改善、内製化、最適な生産地の選別への取り組みを一段と強化することにより、引き続き原価低減に取り組んでまいります。