第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(平成28年4月~平成29年3月)の世界経済は、米国では、雇用環境の改善を中心に景気は拡大を続けており、欧州においては、英国のEU離脱問題があったものの、景気は個人消費を中心に緩やかな回復となりました。中国では、一時経済成長の減速感もありましたが、最近ではそれも落ち着いております。また、日本経済においては、上期は円高の影響もあり、景気回復に停滞感がありましたが、下期は円安に振れたことや、個人消費が堅調だったこともあり、全体的には景気は緩やかに回復いたしました。

 

当社グループの属する電子部品業界におきましては、自動車関連向けはADAS(先進運転支援システム)を始め、電子化が進み堅調に推移しております。上期のスマートフォン市場はやや低調に推移いたしましたが、下期からは回復の兆しがみられます。また、産業機器向けも緩やかに回復しております。

 

このような状況の下で、当社グループでは、自動車関連向けは好調な伸びを示しており、下期ではアミューズメント関連(ゲーム機器)向けが好調、スマートフォンを中心とした移動体通信関連向けも堅調に推移いたしました。

 

これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は、1,500億82百万円(前連結会計年度比7.2%増)となりました。利益面では、営業利益は、23億73百万円(前連結会計年度は28億35百万円の営業損失)、経常利益は、為替変動に伴う為替差損(6億55百万円)を計上し、18億4百万円(前連結会計年度は51億34百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、20億53百万円(前連結会計年度は106億98百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

報告セグメントの売上高及びセグメント利益は、次のとおりであります。

 

機構部品につきましては、アミューズメント関連向け及び移動体通信関連向けが増加し、1,172億19百万円(前連結会計年度比7.2%増)、セグメント利益は7億25百万円(前連結会計年度は38億13百万円のセグメント損失)となりました。

音響部品につきましては、自動車関連向け等が増加したものの、移動体通信関連向けの減少により、167億58百万円(前連結会計年度比0.0%減)、セグメント利益は17億1百万円(前連結会計年度比60.0%増)となりました。

表示部品につきましては、自動車関連向けが増加したことにより、103億97百万円(前連結会計年度比14.1%増)、セグメント利益は6億17百万円(前連結会計年度は36百万円のセグメント損失)となりました。

複合部品その他につきましては、情報事務機器関連向けが減少したことにより、35億65百万円(前連結会計年度比22.4%減)となったものの、セグメント利益は90百万円(前連結会計年度は1億5百万円のセグメント損失)となりました。

 

(注)各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものです。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ85億57百万円減少(前連結会計年度末は17億29百万円の減少)し、当連結会計年度末には454億57百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、15億72百万円の減少(前連結会計年度は41億56百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益23億6百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純損失87億66百万円)、減価償却費18億78百万円(前連結会計年度は22億33百万円)、売上債権の増加118億68百万円(前連結会計年度は58億70百万円の減少)、たな卸資産の増加59億72百万円(前連結会計年度は65億26百万円の減少)、仕入債務の増加130億34百万円(前連結会計年度は45億20百万円の減少)、法人税等の支払12億22百万円(前連結会計年度は19億35百万円)によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、34億56百万円の減少(前連結会計年度は23億72百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出40億10百万円(前連結会計年度は25億73百万円)によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、31億92百万円の減少(前連結会計年度は29億86百万円の減少)となりました。これは短期借入金の減少6億73百万円(前連結会計年度は7億62百万円の減少)、自己株式の取得による支出20億27百万円(前連結会計年度は16億円)、配当金の支払4億91百万円(前連結会計年度は6億23百万円)によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

118,775

9.0

音響部品

16,791

1.6

表示部品

10,325

15.6

複合部品その他

3,727

△20.7

合計

149,619

7.6

  (注)  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

(2)受注状況

  当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

機構部品

137,754

27.1

30,263

161.3

音響部品

16,743

△1.1

2,574

0.7

表示部品

10,607

18.3

2,337

8.8

複合部品その他

4,370

△7.5

1,208

72.0

合計

169,476

22.0

36,383

114.1

  (注)  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

(3)販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

119,073

8.7

音響部品

16,726

△0.1

表示部品

10,418

17.6

複合部品その他

3,864

△19.4

合計

150,082

7.2

  (注)1  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

任天堂㈱

48,088

34.4

53,480

35.6

Samsung Electronic Vietnam Thai Nguyen

11,731

8.4

16,360

10.9

2  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日において判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は、電子部品メーカーとして常に市場が求めるものを、先進の技術力と徹底した品質管理体制に支えられた高品質な製品をタイムリーに供給することにより、エレクトロニクス市場の発展に貢献してまいりました。

今後も、マルチメディアやテレコミュニケーション等の急速な発展に伴い、高度化、多様化するエレクトロニクス市場に対し、独創性の高い技術でお客様の企業戦略をサポートする企業として前進してまいります。

 

世界中に張り巡らされたネットワークを通じて得た最新情報を分析し、次世代の独自技術を提案することにより、ユーザーのビジネスをサポートし、世界のエレクトロニクス市場の発展に貢献してまいります。

また、環境活動につきましては、全生産拠点でISO14001の認証を取得し、地球環境に配慮した活動を推進しており、製品の環境管理物質の削減、省電力化、軽量化を推進し、環境負荷の低減対策に取り組んでまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社の属するエレクトロニクス業界は、デジタル化、ネットワーク化等めまぐるしい技術革新により急速に大きく変化しており、新たな発展が期待できる新製品・新技術が相次ぎ創出されております。スマートフォン及びタブレット端末やネット関連機器の分野は、従来の家電・AV市場、ゲーム市場とも融合しながら、さらに進化、発展し、先進国市場に加え、新興諸国でも大幅に拡大し、インターネットにつながる機器を個々人が身につけ持ち運ぶ流れが定着しつつあります。さらに環境にやさしいエコカーの増加や車の電子化の進展が車載電子機器の増加を後押しし、電子部品デバイスの裾野が拡大しており、加えて太陽光発電機器関連や医療・美容・健康機器関連、IoE(すべてものがインターネットにつながる)関連にも充分期待できます。

 

この中にあって、当社は電子部品メーカーとして豊富な製品ラインアップ、顧客の多様なニーズを満たす技術力、顧客満足を第一としたきめ細かいサービスの提供等により、連結ベースでの売上高、利益の確保・拡大による企業価値の増大をはかってまいります。

 

重点的取り組み市場といたしましては、今後も引き続き成長が期待されるスマートフォン・タブレット端末を中心としたモバイル情報機器、安全、安心、快適を追及し高度化する自動車関連、アミューズメント関連、太陽光発電機器関連、ウェアラブル機器関連、医療・美容・健康機器関連、さらにはネットワーク化が進む産業機器やIoE関連等の成長分野への事業を強化し、技術開発・生産・販売の連携をはかり、グローバルな視点をもって展開してまいります。

 

また、当社及びグループ各社の技術・研究開発体制の強化をはかり、電子機器の軽薄短小化、高性能化、多機能化、高速電送化やワイヤレス化、高周波化、デジタル化、モバイル化、省電力化等の技術トレンドに対応する新製品開発による高付加価値化の追求、及び開発のスピードアップ・効率化に積極的に取り組んでまいります。

 

特にコア技術の深耕に注力し、機構設計技術、高周波設計技術、音響設計技術、光学設計技術、回路設計技術、金型設計技術、シミュレーション技術、解析技術、ソフト技術、EMC対策設計技術等における当社の独自技術を生かした製品の開発を進め、また、製品を市場にタイムリーに提供するため、グローバル規模での最適地での生産・販売体制の再構築を行ってまいります。

 

(3)経営環境

現状、当社グループの属する電子部品業界を取り巻く環境はデジタルカメラやパソコン向けなどの需要が低調に推移し、厳しい状況にありますが、より一層の電子化が進む自動車関連向け需要は着実に増加しております。エレクトロニクス技術の高度化に伴う新しい高付加価値部品の需要創出や、あらゆる産業分野での電子化の進展、新興国市場を中心としたグローバルでの機器需要増大が充分期待されます。ウェアラブル端末などの高機能モバイル端末や、車のエレクトロニクス化が電子部品需要の大きな牽引マーケットとして期待されると共に、クラウド化の進展に伴う高速・大容量化を目指したインフラ需要や、環境・省エネ・新エネルギー関連市場などが新たな部品需要を創出していくことが期待されております。

 

(4)会社の対処すべき課題

このような状況下にあって、当社グループといたしましては、新技術・新製品開発及び高付加価値商品の開発促進として、伸びる市場、伸びるユーザー、伸びる商品、新しい市場、新しいユーザー、新しい商品へ向けて、自動車関連及びスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル機器等のモバイル機器、ネットワーク機器、アミューズメント機器、太陽光発電などの製品開発に取り組んでおります。加えて、新たに市場が拡大しつつあるエコカーを含む環境・省エネルギー関連、医療・美容・健康機器関連、IoE関連等の有望市場に対して、電子部品への顧客ニーズ及び基本技術仕様を着実にとらえ、スピーディー、かつ、タイムリーに新技術、新製品の開発、新規ユーザーの開拓に取り組み、受注・売上高の拡大による営業利益の増大をはかってまいります。

 

経営全般の一層の効率化とスピードアップを進めると共に、ASEANでの生産拠点の増強・新設の検討を行い、さらに生産性の向上、品質向上、原価力強化のため機械化、自動化、省人化を強力に推し進め、業績の向上、利益体質の強化、及びコンプライアンス体制、CSR(企業の社会的責任)体制、内部統制システム、情報セキュリティ管理体制、リスク管理体制等の充実・強化をはかり、企業価値の増大に努めてまいります。

 

また、環境保全は企業経営にとって重要課題のひとつであり、地球環境に配慮した生産活動、グリーン調達、RoHS指令、REACH規則等による環境管理物質対策、省資源・省エネ活動、廃棄物削減、リサイクル等の環境負荷の低減に向けた取り組みをグループをあげて推進し、すべての企業活動において環境に配慮し、環境マネージメントシステムの継続的改善に今後も積極的に取り組んでまいります。

 

(5)会社の支配に関する基本方針

当社の会社の支配に関する基本方針の概要は以下のとおりであります。

上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案またはこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。

当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると判断し、このような考え方をもって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたしております。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日において判断したものであります。

 

(1)経済状況

当社グループの殆どの製品は、セットメーカーが製造する最終商品に搭載される部品であることから、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパを含む主要市場における景気後退により、最終商品を製造するセットメーカーの生産が縮小し、それが当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2)為替レートの変動

当社グループは世界各地で事業を展開しており、為替レートの変動による影響を受けています。海外及び国内市場での売上高の大部分は円、米ドル及びユーロ建であります。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が悪影響を受ける可能性があります。

(3)価格競争

当社グループが属するエレクトロニクス業界における競争は大変厳しいものとなっており、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面することが予想されます。当社グループの競合先の一部は、研究開発、製造および販売について当社グループよりも優れた資源を有している可能性があります。当社グループの主要市場における価格下落圧力は今後も強まると予想され、価格競争が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料の価格変動と供給状況

当社が生産する製品には種々の金属及び石油化学製品が原材料として使用されています。当社グループは重要な資材については政策的な調達活動を行っていますが、急激な原材料価格の高騰や原材料供給状況の悪化により、当社グループの生産やコストに重大な影響を及ぼす可能性があります。

(5)技術革新と需要動向

当社グループの事業に関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受けます。業界での頻繁な技術革新により、比較的短期間で当社グループの既存製品が陳腐化する可能性があります。また当社グループが業界と市場の変化を充分予想できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。更に当社グループの売上高の35.6%は、任天堂株式会社に対するものであり、同社からの受注動向や、アミューズメント(ゲーム)機器の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)海外事業に関するリスク

当社グループの生産及び販売活動の相当な部分は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等の日本国外で行われております。特に近年は中国の生産拠点への依存度が高く、中国をはじめとする、これらの地域における海外事業は、さまざまな不確定要素による影響を受けやすく、特に以下に掲げるいくつかのリスクが内在しております。

①不利な政治または経済要因

②予期しない法律または規制の変更

③人材の確保に関わる障害

④潜在的に不利な増税の影響

⑤戦争、テロ、伝染病、地震、災害、その他の要因による社会的混乱

(7)その他の要因

上記の要因に加えて、主要顧客との取引条件の変更にともなう在庫リスク、訴訟リスク、移転価格税制他税金問題、知的財産権、製品品質問題(PL、リコール他)、環境管理物質規制、金融収縮による資金不足、保有投資有価証券価格の下落、収益性の低下による棚卸資産や固定資産の評価額の下落、法令等の規制・変更、情報漏えい、火災・地震・津波・風水害・原発事故等の大規模災害に伴う被害、当社グループの市場やサプライチェーンに悪影響を与える事象等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(8)継続企業の前提に関する重要事象等

当社グループは、前連結会計年度においては、営業損失28億35百万円、経常損失51億34百万円、親会社株主に帰属する当期純損失106億98百万円となりましたが、当連結会計年度においては営業利益23億73百万円、経常利益18億4百万円、親会社株主に帰属する当期純利益20億53百万円となりました。しかしながら、前連結会計年度まで2期連続して営業損失を計上しており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在しているものと認識しております。

このような状況に対して、「第2 事業の状況 7財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等」に記載のとおり、当該重要事象等を解消するための対応策を実施したことにより、当連結会計期間においては営業損益が黒字化しています。また今後の運転資金を十分に確保できていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、連結財務諸表への注記は記載しておりません。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は22億7百万円であります。

また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。

(1)  機構部品における研究開発

①  自動車内で扱われる高速伝送用コネクタの需要増とUSB Type-C規格及びType-Cコネクタ搭載機器の普及拡大を見据え、USB Type-C規格のフルフィーチャーに対応し、10Gbpsの高速信号伝送が可能な「車載用USB Type-C信号対応24Pinコネクタ」を開発いたしました。

②  金属接点を用いた機械的接合の腐食・摩耗などの耐性問題を解決するため電磁界結合方式による電気的結合の無接点通信コネクタモジュールを開発いたしました。無線通信の伝搬遅延や相互接続性などの問題を解決することにより、従来のコネクタに置き換わる接続手段として提案できる技術であります。

(2)  音響部品における研究開発

①  高音質音楽プレーヤの普及に合わせ、5~45,000Hzの広帯域周波数特性のハイレゾ対応ヘッドホンを開発いたしました。ネオジウムマグネットドライバユニットやCCAWボイスコイルの採用により、高出力音圧と高レスポンスの音源再生を可能にしております。約180gの軽量設計と折り畳み、高級感のあるデザインを採用しております。

②  高音質携帯音楽プレーヤのブームに合わせ、5~45,000Hzの広帯域周波数特性のハイレゾ対応イヤホンを開発いたしました。ネオジウムマグネットドライバユニットの採用により、高出力音圧と高レスポンスの音源再生を可能にしております。ハイレゾ対応による高音域帯のみを強調させることなく、低音域帯とのバランスを考慮したチューニングを施し、音源を選ばないナチュラルでクリアな音質と質感の向上を実現しております。筐体は低価格を実現した樹脂タイプと高級感のあるアルミタイプを揃えております。

③  高音質ハイレゾイヤホンに真鍮ハウジングを採用したモデルを開発いたしました。真鍮ハウジングは削り出し加工により、筐体の不要な振動を抑え、低域から高域まで歯切れの良いクリアな聴感を実現しております。また、真鍮素地に微細なヘアラインを施し、高級感のある外観に仕上げております。

(3)  複合部品その他における研究開発

①  市場需要が急速に高まりつつあるBluetooth low energy technologyに対して次世代チップを採用した無線モジュールを開発いたしました。従来製品と比較して内蔵プロセッサの性能が飛躍的に向上している一方で消費電流は約半分に抑えられており、過去より培っている高性能アンテナ設計のノウハウと融合させることで長距離通信と低消費電力化の両立を可能にしております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

  当社は、連結財務諸表の作成に際し、貸倒債権、たな卸資産、投資、法人税等、財務活動、退職金や偶発事象等に関し、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。見積りには、特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合もあります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における売上高については、自動車関連向けは好調な伸びを示しており、下期ではアミューズメント関連(ゲーム機器)向けが好調、スマートフォンを中心とした移動体通信関連向けも堅調に推移し、全体では前連結会計年度比7.2%増の1,500億82百万円となりました。

利益面では、営業利益は、23億73百万円(前連結会計年度は28億35百万円の営業損失)、経常利益は、為替変動に伴う為替差損(6億55百万円)を計上し、18億4百万円(前連結会計年度は51億34百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は、20億53百万円(前連結会計年度は106億98百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

当社をとりまく事業環境は非常に競争が激しく、アミューズメント関連部品や移動体通信機器用部品等の当社グループ主力製品の需要は、これらが搭載される最終商品の需要の変動に大きく影響を受けます。またエレクトロニクス業界における頻繁な新技術の導入は、当社グループの需要動向の予測や研究開発活動の動向と密接に関わっており、経営成績に重大な影響を与える要因となっております。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

  当社グループの資金状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度は41億56百万円の資金を得ましたが、当連結会計年度では15億72百万円のキャッシュを使用しました。これは主に、税金等調整前当期純利益23億6百万円、売上債権の増加118億68百万円、たな卸資産の増加59億72百万円、仕入債務の増加130億34百万円によるものであります。

  投資活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より10億83百万円多い34億56百万円のキャッシュを使用しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出によるものであります。

  財務活動によるキャッシュ・フローでは、前連結会計年度より2億6百万円多い31億92百万円のキャッシュを使用しました。これは、自己株式の取得による支出20億円27百万円、短期借入金の減少6億73百万円、配当金の支払4億91百万円によるものであります。

  これらの活動の結果及び為替レートの変動が海外子会社の現金及び現金同等物の円換算に与えた影響により、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度の540億15百万円から85億57百万円減少し、454億57百万円となりました。

 

(5)継続企業の前提に関する重要事象等を改善するための対応策等

当社グループには、「第2  事業の状況  4  事業等のリスク」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が当連結会計年度において存在しておりますが、以下の対応策を実施したことにより、当連結会計年度においては営業損益が黒字化しており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高についても454億57百万円であり、当面の十分な手元資金を確保しております。

 

①受注・売上の拡大

新規市場への拡販、特に自動車市場はエレクトロニクス化が進み、成長が期待される分野であり、当分野への主力製品であるタッチパネル、マイクロホン、コネクタ、スイッチユニットについて競争力を強化し、また新製品の開発スピードを速めることで、既存顧客に対する取扱い製品の拡大と新規顧客への拡販を図り、受注・売上の拡大を目指します。加えてアミューズメント関連新製品も販売が好調であり、引き続き受注・売上の拡大を目指します。

②生産性の向上・原価低減

機械化、省人化、省力化による生産性の向上、加えて工程改善、内製化、最適な生産地の選別への取り組みを一段と強化することにより、引き続き原価低減に取り組んでまいります。