第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日において判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社は、電子部品メーカーとして常に市場が求めるものを、先進の技術力と徹底した品質管理体制に支えられた高品質な製品をタイムリーに供給することにより、エレクトロニクス市場の発展に貢献してまいりました。

今後も、クラウドを活用したAI技術やADAS(先進運転支援システム)技術等の急速な発展に伴い、高度化、多様化するエレクトロニクス市場に対し、独創性の高い技術でお客様の企業戦略をサポートする企業として前進してまいります。

世界中の最新情報を分析し、次世代の独自技術を提案することにより、ユーザーのビジネスをサポートし、世界のエレクトロニクス市場の発展に貢献してまいります。

また、環境活動につきましては、全生産拠点でISO14001の認証を取得し、地球環境に配慮した活動を推進しており、製品の環境管理物質の削減・全廃、省電力化、軽量化を推進し、環境負荷の低減対策に取り組んでまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社の属するエレクトロニクス業界は、デジタル化、ネットワーク化等めまぐるしい技術革新により急速に大きく変化しており、新たな発展が期待できる新製品・新技術が相次ぎ創出されております。スマートフォン及びタブレット端末やネット関連機器の分野は、5Gをはじめとした高機能化が見込まれ、従来の家電・AV市場、ゲーム市場とも融合しながら、さらに進化・発展し、インターネットにつながる機器は急速に普及しております。自動車業界の新しいトレンド「CASE(※)」や「ADAS」は車載電子機器の増加を後押しし、電子部品デバイスの裾野が拡大しております。加えて医療・健康・美容機器関連、IoE(すべてのものがインターネットにつながる)関連にも充分期待でき、電子部品業界全体では、成長が見込まれます。

 

この中にあって、当社は電子部品メーカーとして豊富な製品ラインアップ、顧客の多様なニーズを満たす技術力、顧客満足を第一としたきめ細かいサービスの提供等により、連結ベースでの売上高、利益の確保・拡大による企業価値の増大をはかってまいります。

 

重点的取り組み市場といたしましては、安全、安心、快適を追求し高度化する自動車関連、アミューズメント関連、医療・健康・美容機器関連、産業機器関連、ウェアラブル機器関連、IoE関連分野への事業を強化し、技術開発・生産・販売の連携をはかり、グローバルな視点をもって展開してまいります。

 

また、当社及びグループ各社の技術・研究開発体制の強化をはかり、電子機器の高性能化、多機能化、高速伝送化やワイヤレス化、高周波化、デジタル化、モバイル化、省電力化等の技術トレンドに対応する新製品開発による高付加価値化の追求、及び開発のスピードアップ・効率化に積極的に取り組み、新規市場・新規顧客の開拓を進めてまいります。

 

特にコア技術の深耕に注力し、機構設計技術、高周波設計技術、音響設計技術、光学設計技術、回路設計技術、金型設計技術、シミュレーション技術、解析技術、ソフトウェア開発、EMC対策設計技術、センサー開発・応用技術等の蓄積、レベルアップ及び共有化をはかり、市場ニーズに対応した独自技術製品の開発を強力に進めます。

また、生産においては、産業用ロボットの活用など、スピード感を持って自動化・省人化を進め、コスト削減、及び品質の安定化を図ってまいります。

 

(※)CASE…自動車の次世代技術やサービスの新たな潮流を表す英語の頭文字4つをつなげた造語「C=コネクテッド(つながる)」「A=オートノマス(自動運転)」「S=シェアリング(共有)」「E=エレクトリシティ―(電動化)」

 

(3)経営環境

現状、当社グループの属する電子部品業界を取り巻く環境は、環境対応やCASE、ADAS等の普及により、一層の電子化が進む自動車関連向け需要は着実に増加しております。また、ウェアラブル端末やAI機器も電子部品需要の大きな牽引マーケットとして期待されると共に、クラウド化の進展に伴う高速・大容量化を目指したインフラ需要や、環境・省エネ・新エネルギー関連市場なども新たな部品需要を創出していくと期待されております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響は、自動車関連向け需要を下押しし、短期的には電子部品における上記増加要因を打ち消す状況となる可能性があります。また、移動体通信関連向けも買い控えや、高級品から中低位機種へと需要動向が変わる可能性があります。一方、アミューズメント関連は巣ごもり需要により、上振れる余地もあります。

当社グループといたしましては、この状況は長期化する可能性があると認識しており、その場合には、経営戦略の見直しを検討してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループといたしましては、新技術・新製品開発及び高付加価値商品の開発促進として、伸びる市場、伸びるユーザー、伸びる商品、新しい市場、新しいユーザー、新しい商品へ向けて、自動車関連機器、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル機器等のモバイル機器、アミューズメント機器などの製品開発に取り組んでおります。また、次の柱となる市場の構築に向け、医療・健康・美容機器、産業機器等の市場、さらには新たに市場が拡大しつつある環境・省エネルギー関連、IoE関連等の有望市場に対して、電子部品への顧客ニーズ及び技術トレンドを着実にとらえ、スピーディー、かつ、タイムリーに新技術、新製品の開発、新規ユーザーの開拓に取り組み、受注・売上高の拡大をはかってまいります。

 

ASEANでの生産拠点の増強・新設の検討を行うと共に、経営全般の一層の効率化とスピードアップを進め、さらに生産性の向上、品質向上、原価力強化のため機械化、自動化、省人化を強力に推し進め、業績の向上、利益体質の強化、及びコンプライアンス体制、CSR(企業の社会的責任)体制、内部統制システム、情報セキュリティ管理体制、リスク管理体制等の充実・強化をはかり、企業価値の増大に努めてまいります。

 

品質については、全生産拠点でISO9001の認証を取得し、更に自動車関連向けの生産拠点では、IATF16949の認証も取得しており、今後とも、品質の向上・安定化に努めてまいります。

 

また、SDGs(持続可能な開発目標)を意識し、地球環境に配慮した生産活動、グリーン調達、RoHS指令、REACH規則等による環境管理物質対策、省資源・省エネ活動、廃棄物削減、リサイクル等の環境負荷の低減に向けた取り組みをグループをあげて推進し、すべての企業活動において環境に配慮し、環境マネージメントシステムの継続的改善に今後も積極的に取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日において判断したものであります。

(1)経済状況

当社グループの大半の製品は、セットメーカーが製造する最終商品に搭載される部品であることから、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパを含む主要市場における景気後退により、最終商品を製造するセットメーカーの生産が縮小し、それが当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらのリスクは、新型コロナウイルス感染症の拡大により一部顕在化しており、2021年3月期の連結売上高への影響が考えられます。

※「(8)新型コロナウイルス感染症に関するリスク」を参照願います。

 

(2)為替レートの変動

当社グループは世界各地で事業を展開しており、為替レートの変動による影響を受けています。海外及び国内市場での売上高の大部分は円、米ドル及びユーロ建であります。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が悪影響を受ける可能性があります。

これに対する対策として、顧客への販売通貨と当社の生産・仕入通貨を一致させるよう取り組んでおります。また、必要に応じ為替予約を行っております。その結果、為替レートの変動による、営業利益に係る影響は軽微であります。一方、営業外収支に係る影響は、外貨建債権債務の残高によりますが、1米ドルの変動1円当たり、数億円の影響(外貨建債権が多い場合、円安局面では為替差益)となる場合があります。但し、米ドル以外の各国通貨の変動にも左右されます。

 

(3)価格競争

当社グループが属するエレクトロニクス業界における競争は大変厳しいものとなっており、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面することが予想されます。当社グループの競合先の一部は、研究開発、製造および販売について当社グループよりも優れた資源を有している可能性があります。当社グループの主要市場における価格下落圧力は今後も強まると予想され、価格競争が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)原材料の価格変動と供給状況

当社が生産する製品には種々の金属及び石油化学製品が原材料として使用されています。当社グループは重要な資材については政策的な調達活動を行っていますが、急激な原材料価格の高騰や原材料供給状況の悪化により、当社グループの生産やコストに重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)技術革新と需要動向

当社グループの事業に関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受けます。業界での頻繁な技術革新により、比較的短期間で当社グループの既存製品が陳腐化する可能性があります。また当社グループが業界と市場の変化を充分予想できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。更に当社グループの売上高の58.4%は、任天堂株式会社に対するものであり、同社からの受注動向や、アミューズメント(ゲーム)機器の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)海外事業に関するリスク

当社グループの生産及び販売活動の相当な部分は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等の日本国外で行われております。これらの地域における海外事業は、さまざまな不確定要素による影響を受けやすく、特に以下に掲げるいくつかのリスクが内在しております。

①不利な政治または経済要因

②予期しない法律または規制の変更

③人材の確保に関わる障害

④潜在的に不利な増税の影響

⑤戦争、テロ、伝染病、地震、災害、暴動、その他の要因による社会的混乱

また、近年中国の生産拠点への依存度が高く、上記リスクが発生した場合の経営への影響が大きかったことから、主に東南アジアでの生産能力増強に力を入れ、リスク軽減に努めております。

 

(7)株式の希薄化

当社グループは転換社債型新株予約権付社債を2017年9月21日に発行しました。当該新株予約権が行使された場合、株式へ転換される割合に応じて、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、その希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)新型コロナウイルス感染症に関するリスク

まだ世界的な収束が見えない新型コロナウイルス感染症につきましては、当社グループが属するエレクトロニクス業界に市場縮小の影響を与えており、サプライチェーン寸断のリスク、従業員の移動制限等による工場等の稼働率低下リスクもあります。さらには、当社グループの従業員が感染することにより、工場等の稼働や部品調達及び販売網にも影響を与えるリスクが、少なからずあります。取締役会では、顧客の需要動向や工場稼働状況、当社グループ及びサプライチェーンの稼働状況や物流状況などが報告され、従業員の感染対策や生産活動維持の為の対策などを検討いたしております。具体的には、工場や営業所の稼働などを各国当局の指示に従うことは当然として、従業員の感染を防ぐため、在宅勤務、時差出勤、WEB会議の推奨、マスクやアルコール消毒液の備蓄などの対策を行っております。生産面におきましては、複数拠点での生産を行うことにより、当該リスクの最小化に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2019年4月~2020年3月)の世界経済は、2019年中は、米国では良好な雇用環境が継続し、欧州におきましても英国の「合意なき離脱」が一旦回避され、景気は緩やかに回復しておりました。しかしながら、年明けから拡がり出した新型コロナウイルス感染症が欧米共に猛威を振るい、2020年3月になると景気は急激に悪化しております。中国では、2019年中は米中貿易摩擦の影響、2020年になってからは世界で最も早く新型コロナウイルス感染症の影響を受け、景気は大幅に悪化しております。日本経済につきましても、2019年は、景気は緩やかに回復していたものの、やはり新型コロナウイルス感染症の拡大により、景気は大きく悪化しております。

当社グループの属する電子部品業界におきましては、自動車関連向けは、販売台数が減少傾向にあったところに加え、新型コロナウイルス感染症が追い打ちをかける状況となりました。スマートフォン市場向けにつきましては、5G関連での伸びが期待されておりましたが、やはり減少は避けられない状況となっております。

 

このような状況の下で、当社グループでは、健康機器関連向けは増加したものの、上記市場の影響を受けた自動車関連向け、移動体通信関連向けに加え、アミューズメント関連向けも減少いたしました。

 

これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は、211,912百万円(前連結会計年度比9.2%減)となりました。利益面では、営業利益は、11,219百万円(前連結会計年度比2.1%減)、経常利益は、11,353百万円(前連結会計年度比15.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、9,433百万円(前連結会計年度比11.9%減)となりました。

 

報告セグメントの売上高及びセグメント利益は、次のとおりであります。

 

機構部品につきましては、アミューズメント関連向け、移動体通信関連向けが減少したことにより、179,862百万円(前連結会計年度比10.2%減)となったものの、セグメント利益は9,223百万円(前連結会計年度比2.8%増)となりました。

音響部品につきましては、自動車関連向け、移動体通信関連向けが減少したことにより、15,383百万円(前連結会計年度比15.6%減)、セグメント利益は794百万円(前連結会計年度比34.2%減)となりました。

表示部品につきましては、自動車関連向けが減少したことにより、8,577百万円(前連結会計年度比8.4%減)、セグメント利益は214百万円(前連結会計年度比46.2%減)となりました。

複合部品その他につきましては、健康機器関連向けが増加したことにより、8,143百万円(前連結会計年度比27.9%増)、セグメント利益は1,126百万円(前連結会計年度比19.8%増)となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金、有価証券が減少したものの、売上債権、たな卸資産の増加等により前連結会計年度末比16,690百万円増の150,161百万円となりました。又、負債につきましては、仕入債務の増加等により前連結会計年度末比10,036百万円増の49,394百万円となりました。

なお、純資産は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末比6,653百万円増の100,767百万円となり、自己資本比率は67.1%となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,411百万円減少(前連結会計年度末は15,655百万円の増加)し、当連結会計年度末には62,649百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、2,122百万円の増加(前連結会計年度は25,593百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益11,532百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益13,603百万円)、減価償却費3,213百万円(前連結会計年度は3,233百万円)、売上債権の増加5,173百万円(前連結会計年度は8,759百万円の減少)、たな卸資産の増加15,965百万円(前連結会計年度は11,935百万円の減少)、仕入債務の増加11,650百万円(前連結会計年度は10,979百万円の減少)、法人税等の支払2,872百万円(前連結会計年度は1,970百万円)によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、4,775百万円の減少(前連結会計年度は5,168百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5,996百万円(前連結会計年度は3,999百万円)によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、2,147百万円の減少(前連結会計年度は4,544百万円の減少)となりました。これは主に配当金の支払1,461百万円(前連結会計年度は1,486百万円)によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

180,907

△9.4

音響部品

14,810

△19.5

表示部品

8,668

△5.0

複合部品その他

7,897

22.9

合計

212,283

△9.2

  (注)  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

 b.受注実績

  当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

機構部品

205,818

15.0

43,908

146.8

音響部品

15,276

△15.6

3,130

△7.4

表示部品

8,738

△11.3

2,849

7.1

複合部品その他

8,939

15.4

3,743

27.4

合計

238,773

11.2

53,631

100.3

  (注)  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

 c.販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

179,701

△10.0

音響部品

15,525

△14.3

表示部品

8,550

△7.6

複合部品その他

8,134

27.8

合計

211,912

△9.2

  (注)1  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

任天堂㈱

141,117

60.5

123,708

58.4

2  金額は販売価格(消費税等抜価格)により表示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

当社をとりまく事業環境は非常に競争が激しく、アミューズメント関連部品や移動体通信機器用部品等の当社グループ主力製品の需要は、これらが搭載される最終商品の需要の変動に大きく影響を受けます。またエレクトロニクス業界における頻繁な新技術の導入は、当社グループの需要動向の予測や研究開発活動の動向と密接に関わっており、経営成績に重大な影響を与える要因となっております。

 

当社は、売上高及び営業利益を経営上の目標としており、当連結会計年度の目標値は、売上高は245,000百万円、営業利益は8,000百万円としておりました。実績としては売上高は211,912百万円、営業利益は11,219百万円となりました。

売上高につきましては、上期はアミューズメント関連向けが牽引し、全体的には堅調だったものの、下期は、アミューズメント関連向けをはじめ、移動体通信関連向けや自動車関連向けも想定ほど伸びず、通期では目標未達成となりました。営業利益につきましては、売上高全体では目標未達成だったものの、高収益の製品の売上が想定より増加したこと、機械化等生産性向上によるコストダウンや固定費の削減により目標を達成いたしました。

なお、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の影響は、一時的に工場の稼働が止まったものの、軽微でありました。

 

②キャッシュ・フローの分析

  キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

  当社グループの資本の財源及び資本の流動性につきましては、次の通りです。

  当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

  当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

  短期運転資金は、自己資金及び銀行等金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金、銀行等金融機関からの借入及び新株予約権付社債の発行などによる調達を基本としております。

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

  当社は、連結財務諸表の作成に際し、貸倒債権、たな卸資産、投資、法人税等、退職金や偶発事象等に関し、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っております。見積りには、特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合もあります。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響についての仮定につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

(貸倒引当金)

  債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。

退職給付引当金)

  従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引
当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加
味して計上しております。

(繰延税金資産)
  繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減
算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更
が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,371百万円であります。

また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりであります。

・  機構部品における研究開発

  車載用コネクタは、データの大容量化や高速化、リアルタイム性により一層の高速伝送対応が求められています。10年前にはほとんどアナログ伝送方式であったディスプレイやカメラのインターフェースは、数年毎に倍々のペースで高速化し、最近では4~6Gbpsの車載用高速インターフェースが登場しています。当社では、その様な車載インターフェースの急速な高速化のニーズに対応すべく、様々な高速伝送用コネクタを開発いたしました。CMS1953は、独自構造の堅牢な同軸デジタル信号伝送用コネクタで、車載特有の厳しい機械的特性と高速伝送特性を両立し、当社独自の中継コネクタと共に、全方位カメラを含むECU等での採用が進んでいます。CMS2200は車載カメラ用の小型の基板実装同軸コネクタで、実装時の専有面積を縮小し、カメラの小型化と高速伝送の要求に対応しています。IPX9K対応のリアケースコネクタ(CMS230Xシリーズ)と防水FAKRAソケットケーブル(HPC234Xシリーズ)をラインナップし、カメラの防水仕様を満足すると共に、カメラ~ECU間の伝送路をトータルで提供・サポートしています。これらの新製品は、いずれも、6Gbps以上の高速デジタル信号伝送に対応しており、次世代の高速インターフェース用途での開発を進めています。