第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間(2020年4月~2020年12月)は、世界各地域における新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、急激な経済の減速が鮮明となりました。第2四半期以降は感染拡大が落ち着きを見せはじめたこともあり、回復途上にありました。しかしながら、年末にかけて世界各地域で感染症が再拡大しはじめたことにより、依然として経済の先行きは不透明な状況が続いております。地域別では、中国はいち早く感染拡大を抑制し、経済も堅調に回復していますが、欧米、日本では未だ低迷が続き低調に推移しました。

当社グループの属する電子部品業界におきましては、自動車関連向けや移動体通信関連向けは新型コロナウイルス感染症の影響により、第1四半期は販売台数が低迷していましたが、第3四半期より回復してきました。他方、PC関連向けやアミューズメント関連向けはテレワークや巣ごもり需要により好調な販売が続いております。しかしながら各製品の販売が回復してきていることから、市場では半導体不足の傾向が顕著になり、生産面に不透明感がではじめております。

 

このような状況の下で、当社グループでは、移動体通信関連向け及び自動車関連向けは減少したものの、アミューズメント関連向けは大きく伸長し、全体では増加いたしました。

 

これらの結果、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は189,701百万円(前年同期比14.4%増)、営業利益は9,964百万円(前年同期比1.3%増)、経常利益は為替相場変動に伴う為替差損(1,520百万円)を計上し、8,711百万円(前年同期比13.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は6,901百万円(前年同期比14.0%減)となりました。

 

報告セグメントの売上高及びセグメント利益または損失は、次のとおりであります。

 

機構部品につきましては、自動車関連向け及び移動体通信関連向けは減少したものの、アミューズメント関連向
けが大幅に増加したことにより、売上高は175,112百万円(前年同期比23.0%増)、セグメント利益は9,091百万円(前年同期比17.3%増)となりました。

音響部品につきましては、自動車関連向け、移動体通信関連向けが減少したことにより、売上高は8,688百万円(前年同期比27.0%減)、セグメント損失は46百万円(前年同期は710百万円のセグメント利益)となりました。

表示部品につきましては、自動車関連向けが減少したことにより、売上高は6,091百万円(前年同期比5.5%減)、セグメント損失は51百万円(前年同期は121百万円のセグメント利益)となりました。

複合部品その他につきましては、健康機器関連向けが増加したことにより、売上高は6,884百万円(前年同期比13.5%増)、セグメント利益は1,514百万円(前年同期比93.8%増)となりました。

 

(注)各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものです。

 

当第3四半期連結会計期間末の総資産は、有価証券、たな卸資産が減少したものの、売上債権の増加等により前連結会計年度末比7,096百万円増の157,258百万円となりました。また、負債につきましては、仕入債務の増加等により前連結会計年度末比1,561百万円増の50,955百万円となりました。

なお、純資産は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末比5,535百万円増の106,302百万円となり、自己資本比率は67.6%となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,431百万円減少(前年同期は14,762百万円の減少)し、61,218百万円となりました。

当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、2,504百万円の増加(前年同期は9,644百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益8,866百万円(前年同期は税金等調整前四半期純利益10,254百万円)、売上債権の増加15,293百万円(前年同期は15,509百万円の増加)、たな卸資産の減少6,598百万円(前年同期は14,053百万円の増加)、仕入債務の増加3,663百万円(前年同期は11,762百万円の増加)によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、1,256百万円の減少(前年同期は3,182百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,561百万円(前年同期は4,428百万円)によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、2,735百万円の減少(前年同期は1,599百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出1,186百万円(前年同期は0百万円)、配当金の支払1,461百万円(前年同期は1,461百万円)によるものであります。

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。

 

また、当第3四半期連結累計期間において、当社の会社の支配に関する基本方針の概要について、重要な変更はありません。

 

(4) 研究開発活動

    当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,850百万円であります。

    また、当第3四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更内容は、次の通りであります。

 

機構部品における研究開発

・車載機器向けに二重シールド構造の基板実装型同軸レセプタクルCMS1953を開発いたしました。独自の篏合構造を採用し、良好なロック感と堅牢性を実現いたしました。既に多くのカメラシステムで採用されている、業界最小クラスの小型中継プラグHPC1152と接続でき、配策自由度の向上にも貢献する設計となっております。動作温度範囲は-40~105℃で、5種類のキーバリエーションを取り揃え、統合ECUや全方位カメラシステムなどの複数個使いのニーズにも対応しております。車載用高速シリアルインターフェースの伝送用途をターゲットに、従来のアナログ信号用の同軸コネクタに対して、ブロードな周波数帯域とEMC対策の為の強固なシールド性能を確保しております。

・高速デジタル信号(6Gbps)対応の車載カメラ用同軸コネクタのリアケースAssy(プラグ)CMS2300と小型レセプタクルCMS2200を開発いたしました。リアケースAssyは、全周囲に継ぎ目のないGNDシェル構造と、リアケース内部を遮蔽する独自構造のシールドケースを採用し、従来品と比べ大幅にEMC特性が向上いたしました。さらに理想的な同軸構造を維持するインピーダンスマッチングによって優れた反射特性を有しております。また、映像出力側篏合部の形状はISO20860に準拠しております。

・スマートフォンや携帯電話用の小型・高出力ノイズフリーACアダプタを開発いたしました。充電用ACアダプタの小型、高出力の要望に応え、従来品と同等の小型サイズでありながら、スイッチング損失を低減する回路を採用することにより電力効率を向上し45Wの高出力化を実現いたしました。また、高周波帯域での低ノイズを実現し、端末の通信速度に影響を与えない設計としております。USB Power Delivery 3.0 PPS(Programmable Power Supply)対応の端末に接続して、より最適な出力への切り替えも可能であります。

・GIGAスクール用輪番タイマー付きUSB充電器を開発いたしました。2系統電源により順番に充電し端末をタイマー設定した時間通りに効率よく充電することが可能であります。本体は持ち運びできるコンパクト設計で、1本の主電源ケーブルをコンセントにつなぐだけで、複数の端末を充電でき、ACアダプタや電源タップを省略でき省スペース化に貢献いたします。学習教室のほか公共施設や会社など、多数の端末を同時に充電する需要に応え、USBポート数は、端末利用人数に応じて、22、20、11、10ポートの4タイプをラインアップしております。

・車載カメラ設置場所の自由度を高める車載カメラモジュール用の小型同軸プラグケーブルを開発し、ラインアップに追加いたしました。嵌合時のカメラケースからの突出量が10mm程度の低背化を実現しながら堅牢性と嵌合時の防水性を確保しており、独自のプラグシールド構造により6Gbpsの高速信号に対応できる優れた伝送性能とEMC性能を両立しております。カメラの設置場所によりストレートタイプとアングルタイプの2種類から選択できるほか、顧客要求に合わせたプラグ形状のカスタムメイドにも対応しております。また、車室内用途向けに非防水タイプも取り揃えております。

 

・快適で静かな車内空間を実現するためにロードノイズキャンセル機能の搭載が進んでおり、ロードノイズを感知するにあたり、配線を減らしてハーネス重量を低減できるA2B(Automotive Audio Bus)デジタル通信対応デバイスを組み合わせ、車載用コネクタ一体型A2B加速度センサを開発いたしました。過酷な環境にある車軸付近への搭載を想定し、コネクタ一体型の筐体構造により防水性と耐久性を確保しております。

 

音響部品における研究開発

・長年培った音響部品、接続部品の技術に、EMC対策技術を活用し、A2B(Automotive Audio Bus)マイクロホンの新製品を開発いたしました。業界最高水準の低域20Hzまでフラットな周波数特性を持つホシデン製MEMSマイクロホンユニットを搭載し、HF(ハンズフリー)/ANC(アクティブノイズキャンセリング)の共用が可能であります。ワイヤーハーネス付き1マイクタイプ(HHM1016)、指向性やノイズサプレッション効果を得られるワイヤー付き2マイクタイプ(HHM1005)、コネクタ一体型筐体構造で低価格化した小型タイプ(HHM1015)の3タイプを取り揃えております。

・スマートフォンやヘッドホンなどの市場に向け、高性能MEMSマイクロホンユニットを開発いたしました。当社従来品と比べ、低THD(全高周波歪み率)特性を維持し、高SNR(信号対雑音比)を3~4dB向上させ、低周波数帯域の収音性を高めております。低周波数帯域特性のフラット化により、低音域の収音をはじめ、低周波数帯のノイズキャンセルにも活用可能であります。THDとSNRは業界最高レベルで、低消費電力モードを備え、製品の省電力化にも貢献いたします。

車載用途に対応した高音圧スピーカユニットHDR9440-013030を開発いたしました。車載メータパネルのウィンカー音や警告音用途だけでなく、火災報知器や警報器など様々な用途に使用可能であります。500~3350Hzまで幅広い帯域でのフラットな周波数特性を持ちながら110dB以上の高音圧を実現いたしました。耐熱高分子フィルム素材の振動系、耐熱性樹脂フレームを使用し、動作温度範囲は-40~105℃で、IATF16949に基づく開発・製造プロセス管理のもとに、安定した品質での生産を行っております。

・車載ハンズフリーマイク、音声認識用に小型薄型ビームフォーミングマイクモジュールを開発いたしました。MEMSマイクロホンを採用し、ECMでは達成できない薄さを実現しております。動作温度範囲は-40~85℃で、周波数特性の安定化も確保し、電気的なロジック制御による指向性切り替え機能を備え、指向軸を180度対面2方向に切り替えて集音可能であります。

 

表示部品における研究開発

・ウルトラリープ社との共同開発技術をもとに、画面に触れずに操作でき、同時に空中で操作感触を得られるエア フォースフィードバック タッチパネルを開発いたしました。単純なON/OFF操作だけでなく画面のアイコンを選択決定する一連の動作を空中で操作でき、各アイコンに合わせた触覚パターンを生成することにより、非視認状態で、どのアイコンを選択しているかを認識することが可能であります。

・革調でありながらデッドフロント効果を持つ照光構成を実現可能な車載内装向けのタッチセンサモジュールを開発いたしました。手をかざすと革調表面の中から照光表示が現れ、タッチ操作が可能となります。複雑化するコックピット周辺の操作表示に対して、必要な時だけ現れることにより運転時に視界に入ることを回避し操作負荷を軽減するとともに、デザイン性の向上にも貢献いたします。高信頼な貼合技術、高感度設計技術、EMC対策技術を基に、表皮、センサ、照光、振動に関するトータルな設計・サポートが可能であります。

・ドアハンドルに触れることにより、ドアの開錠信号を出力できる低消費電力タイプの静電容量式タッチセンサモジュールを開発いたしました。センサには、自己静電容量式と相互静電容量式のハイブリッドタイプを採用し、低消費電流対応(25µA)となっており、軽自動車や電気自動車などバッテリー負荷を軽減させたい車のドア開錠システムに適しております。また、厚さ5.6mmの低背タイプでありながらモジュール単体で防水構造を備えているため、ドアハンドル側での防水対策を省略することが可能であります。

 

複合部品その他における研究開発

・車載用途向けSoC(System on Chip)タイプのBluetooth Low EnergyモジュールHRM3012を世界に先駆けて開発いたしました。SoCを含む全ての搭載部品は、AEC-Q認定取得部品を採用し、モジュール自体もIATF16949に基づく開発・製造プロセス管理のもとに生産しております。ホストCPU無しで様々なアプリケーションを組み込むことができ、また高性能なパターンアンテナの搭載により小型でありながら安定した通信品質を確保しております。動作温度範囲は-40~105℃で、モジュール形態は端面スルーホール形式を採用し、メイン基板へ実装後のはんだ付け状態を容易に確認することが可能であります。

 

・シリアル通信が可能なソフトウェアを搭載したBluetooth Low Energy モジュールを開発いたしました。外部 MCU(Micro Controller Unit)とUART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)で接続し、通信相手と任意のデータを送受信することが可能であります。また、セントラル、ペリフェラル両方の機能を持ち、スマートフォンやPC相手だけでなく、モジュールを組み込んだ製品同士での通信用途にも利用可能で、セントラルモードでは、最大8台のペリフェラル機器との同時接続が可能であります。

・工場内ネットワークや工作機械・ロボットにおけるイーサネット信号の無接点通信化のニーズに応え、多値のイーサネット信号と2値のNRZ信号を相互変換し、無接点高速通信モジュールと組み合わせ、イーサネット信号での無接点通信を可能にするモジュールキットを開発いたしました。ユーザのセット仕様に合わせて、モジュールサイズや無接点通信距離等のカスタマイズ、相互変換モジュールと無接点通信モジュールの一体化も可能であります。また、チャンネル間の干渉を軽減する独自の設計を用いて全二重通信を実現し、キットの無接点通信モジュールは無限回転可能な構造となっております。

・当社独自で、水の侵入経路となる音孔が無い構造を実現しながらも、一般的な音孔があるマイクロホンと同等性能を確保して、世界初のIPX9K対応可能な完全防水マイクロホンユニットの開発を実現いたしました。無音孔マイクロホンを使用することで、外気にさらされた過酷な環境下でもマイクロホンの集音が高品質で可能となり、さらに音声認識技術と融合させることで、各種用途での使用が可能となり、車載用に限らずあらゆる分野の機器への搭載が可能となっております。特に車室外用途での高圧洗浄機による洗車等の使用環境に耐えうる構造となっております。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

当第3四半期連結累計期間の生産、受注及び販売の実績における著しい増減は、ありません。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析

  キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 2経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

  当社グループの資本の財源及び資本の流動性につきましては、次の通りです。

  当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

  当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

  短期運転資金は、自己資金及び銀行等金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金、銀行等金融機関からの借入及び新株予約権付社債の発行などによる調達を基本としております。

3【経営上の重要な契約等】

  当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。