第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、電子部品メーカーとして常に市場が求めるものを、先進の技術力と徹底した品質保証体制に支えられた高性能・高品質な製品をタイムリーに供給することにより、エレクトロニクス市場の発展に貢献してまいりました。

AI技術やADAS(先進運転支援システム)技術等の急速な進化やIoE(全てのものがインターネットにつながる)の普及により、今後さらに高度化、多機能化する技術や製品が求められるエレクトロニクス市場に対し、独創性の高い先端技術でお客様の企業戦略をサポートし、世界のエレクトロニクス市場の発展に貢献してまいります。

また、環境活動につきましては、地球環境に配慮した活動を推進しており、ISO14001の取得、製品の省電力化、軽量化並びに環境管理物質の低減・全廃を推進し、環境負荷の低減対策に取組んでまいります。さらにカーボンニュートラルへの対応は企業の責務と認識し積極的な取組みと、適切な情報開示を進めてまいります。

 

(2)中長期的な会社の経営戦略

当社の属するエレクトロニクス業界は、デジタル化、ネットワーク化等めまぐるしい技術革新により急速に変化しており、さらなる発展が期待できる新製品・新技術が相次ぎ創出されております。スマートフォン及びタブレット端末やネット関連機器は、6Gを見据えた高速通信化や高機能化が見込まれており、従来の家電・AV市場、ゲーム市場とも融合しながら、さらに進化・発展し、急速に普及していくと思われます。また車載関連では、「CASE」や「ADAS」が普及拡大期に入っており、その結果、車載電子機器の高機能化が進み、使用される電子部品、デバイスの裾野(種類、数量)が拡大しております。さらに高齢者の増加による医療・健康・美容機器並びに介護・フレイル対策向けの電子機器市場の成長、また産業機器を中心とした生産性向上のためのIoE関連市場の拡大等も、十分に期待できることから、電子部品業界全体としては明るい見通しであると考えております。

 

この中にあって、当社は電子部品メーカーとして豊富な製品ラインアップ、顧客の多様なニーズを満たす技術力、顧客満足を第一としたきめ細かいサービスの提供等により、連結ベースでの売上高、利益の確保・拡大による企業価値の増大をはかってまいります。

 

技術面におきましては、当社及びグループ各社の技術・研究開発体制の強化を図る技術中期(3年)計画の達成に向けアクションを継続しています。過去技術の棚卸と自社製品(デバイス)の強みを再構築しており、開発のスピードアップ・効率化といった成果が出てきております。当社のコア技術である機構設計技術、高周波設計技術、音響設計技術、光学設計技術、回路設計技術、金型設計技術、シミュレーション技術、解析技術、ソフトウエア開発、EMC対策設計技術、センサ開発・応用技術等を進化させ、モジュール新製品、IoE向けセンサ・ユニットなど、市場ニーズに対応した独自技術製品の開発を強力に進めます。中でもIoE製品は工場DXツールとしての普及が本格化しており、少子高齢化・労働人口減少・人件費高騰という社会課題の解決に必要不可欠な機器としてよりニーズが増加しております。さらに、ライフラインや交通インフラの保全にも役立つ製品群の市場投入も計画しており、総合電子部品メーカーの立場から社会貢献を果たしてまいります。

生産面においては、産業用ロボットの活用など、スピード感を持って自動化・省人化を進め、コスト削減と品質の安定化をはかってまいります。

 

また、ESG経営、SDGsへの貢献は、企業・社会が目指す世界的な流れであり、当社としても積極的に取組んでまいります。

 

 

(3)経営環境

現状、当社グループの属する電子部品業界を取り巻く環境は、環境対応やADAS等の普及により、一層の電子化が進む自動車関連向け需要は着実に増加しております。また、AIサーバーやAI機器等も電子部品需要の大きな牽引マーケットとして期待されるとともに、クラウド化の進展に伴う高速・大容量化を目指したインフラ需要や、環境・省エネ・新エネルギー関連市場なども新たな部品需要を創出していくと期待されております。

 

 

(4)優先的に対処すべき課題

当社グループでは、ASEANを中心とした生産拠点の増強・新設の検討を行うとともに、経営全般の一層の効率化とスピードアップを進め、さらに生産性の向上、品質向上、原価力強化のため機械化、自動化、省人化を強力に推し進め、業績の向上、利益体質の強化に努めてまいります。

また、コンプライアンス体制、CSR(企業の社会的責任)体制、内部統制システム、情報セキュリティ管理体制、リスク管理体制等の充実・強化をはかり、企業価値の増大に努めてまいります。このために、サステナビリティ統括委員会を設置して、具体的な取組みを進めるとともに、適切な情報開示に努めてまいります。

品質については、全生産拠点でISO9001の認証を取得し、さらに自動車関連向けの生産拠点では、IATF16949の認証も取得しており、今後とも、品質の向上・安定化に努めてまいります。

環境に対する取組みについては、全生産拠点でISO14001の認証を取得し、地球環境に配慮した製品設計や生産活動、グリーン調達、RoHS指令、REACH規則等による環境管理物質対策、省資源・省エネ活動、廃棄物削減、リサイクル等の環境負荷の低減に向けて、グループ全体で環境マネージメントシステムの継続的改善に積極的に取組んでまいります。

さらにカーボンニュートラル達成に向けては、具体的な取組みを進めるとともに、適切な情報開示に努めてまいります。

資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応については、当社ではROEと株主資本コストの差をエクイティスプレッドと捉え、企業価値の創造にあたるとの認識をしております。一般的にはROEは8%程度を達成することが期待されている中で、当社のROEは8%超となっておりました。当社のROEが期待されている水準を超えているのにも関わらずPBR1倍を達成していなかった理由につきましては、株主資本コストの低減に対する取組みが十分に行われていなかったためとの考えで、2023年5月12日に「PBR1倍に向けた取組みに関するお知らせ」を開示し、株主還元策等に加え、投資家との対話推進としてIRの強化・充実を行っていく旨を表明しております。その後、さらに検討を重ね、この取組み以外に以下の施策を行っております。

・アナリスト向け決算説明会での解説内容、社長メッセージ、Q&Aのまとめを当社Webページで一般公開

・統合報告書内にて中期経営計画を開示

・株主、投資家との建設的な対話の中からアイデアを得て、経営改善を積極的に実行することにより株主、投

 資家との信頼関係を構築

・有価証券報告書の英文開示(一部)

今後さらにIRを強化してまいります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、売上高及び営業利益を経営上の目標としており、当連結会計年度の結果につきましては、4「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 に記載しております。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

  当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

  当社グループは、社会の持続可能な発展と、ホシデングループ(ホシデン株式会社及びその関係会社)の持続的な価値創造と競争力の向上を目指し、サステナビリティ全般に関するガバナンスとして、代表取締役社長を責任者とするサステナビリティ統括委員会が、地球温暖化対策委員会、CSR委員会及びリスク管理委員会を統括・監督し、3つの下部委員会の情報共有を図っています。地球温暖化対策委員会は気候変動の全社的な戦略を統括し、基本方針の策定や中長期的な計画を立案し、委員長から責任者である代表取締役社長に提案・報告しております。CSR委員会は「公正取引・倫理的な経営」、「人権・労働」、「安全衛生」、「環境保全」等の全社的な戦略を統括し、基本方針の策定や中長期的な計画を立案し、代表取締役社長に提案・報告しております。リスク管理委員会は、リスク管理体制が有効に機能しているかを継続的に監視し、代表取締役社長に提案・報告しています。代表取締役社長はこれら各委員会からの報告を受け必要に応じ取締役会に報告しております。取締役会ではこれらの報告に対する確認・検討が行われ監督機能を果たしております。リスク管理については、当社グループの事業目的の達成を阻害する可能性のある要因をリスクと定義し、リスクが顕在化することにより当社グループに与える損害を最小限に抑え、当社グループを取り巻く顧客、取引先、従業員、周辺地域などの利害関係者に重大な悪影響を及ぼさないようにすることを、リスク管理の基本方針としております。識別されたリスクは、適切に分類し、事業への影響度や発生頻度によって評価を行い、重要性の大きさに応じた対応策を検討し実施しております。また、機会については上記リスクとの対比で機会を特定・識別し、事業への影響度や発生頻度によって重要性の評価をしております。機会についても重要性の大きさに応じた対応策を検討し実施しております。

 

(2)重要なサステナビリティ項目

  上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

    ・気候変動

      当社では地球環境に配慮した事業活動を経営方針の一つとしており、ISO14001の取得、製品の省電力化、軽量化並びに環境管理物質の低減・全廃を推進し、環境負荷の低減対策に取組んでおります。環境負荷が引き起こす気候変動は当社の事業継続にも重要な影響があると認識しており、気候変動を重要なサステナビリティ項目として特定しております。

・人的資本

当社では中長期的な会社の経営戦略の一つとして、少子高齢化・労働人口減少・人件費高騰という社会課題の解決に不可欠な機器としてIoE製品の開発に取組んでいます。人材が不足する中、当社の人材の多様性の確保を含む人材の育成は当社の事業継続にも重要な影響があると認識しており、人的資本を重要なサステナビリティ項目として特定しております。

それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 

 ①気候変動

  気候変動関連のリスク及び機会に関する「ガバナンス」「リスク管理」「戦略」「指標及び目標」は以下の表のとおりです。

気候変動関連の
リスク及び機会

①ガバナンス

②リスク管理

③戦略

④指標及び目標

脱炭素の加速によるカーボンプライシングの導入によるコストの増加リスクがある。

気候変動に係るリスク及び機会への対応については、代表取締役社長を責任者とする「地球温暖化対策委員会」において、基本方針の策定、中長期的な計画の立案、TCFDに基づく情報開示等の検討を進めるとともに、代表取締役社長が必要に応じ取締役会に報告しています。
 地球温暖化対策委員会は気候変動に関する課題を担当する執行役員を委員長として、生産管理部門、経営管理部門、環境管理部門、技術管理部門、総務部門の責任者により構成されており、ホシデンの気候変動に対する全体的な戦略を統括し、温室効果ガス排出量削減目標の設定や再生可能エネルギーの導入などの検討をしています。地球温暖化対策委員会により協議された内容は社長に報告され、必要に応じ取締役会に報告されます。取締役会での決議が必要な内容は取締役会での承認をもって決定されます。

リスク管理において、ホシデン及び関係会社の事業目的の達成を阻害する可能性のある要因をリスクと定義し、リスクが顕在化することにより当社グループを取り巻く顧客、取引先、従業員、周辺地域などの利害関係者に重大な悪影響を及ぼさないようにすることを、リスク管理の基本としております。
 気候変動関連リスクは地球温暖化対策委員会とリスク管理委員会により気候変動関連のリスクの識別、評価、及び管理を行っております。識別されたリスクは、適切に分類し、事業への影響度や発生頻度によって評価を行い、重要性の大きさに応じた対応策を検討し実施しております。

リスク管理委員会では、リスク管理体制が有効に機能しているかを継続的に監視し、代表取締役社長に提案・報告しています。代表取締役社長はこれら各委員会からの報告を受け必要に応じ取締役会に報告しております。取締役会ではこれらの報告に対する確認・検討が行われ監督機能を果たしております。

各国の規制動向を注視するとともに、省エネや再エネ電力購入、再エネ電力設備の導入など、生産における脱炭素を推進していく。

 CO2排出量削減目標

(中期目標)

2025年度末までに原単位で2013年度比20%削減

(長期目標)

2030年度末までに2013年度基準で総排出量46%程度の削減に挑戦する。

 

 

製品の脱炭素対応(生産工程における脱炭素及び低炭素製品の設計開発など)ができず受注が減少するリスクがある。

生産工程における省エネ設備の導入、及び工程の効率化などの推進を行う。

また、製品設計における脱炭素材料や小型化・省電力化などを推進していく。

顧客からの脱炭素要求に対応できず受注の減少またはコストダウン要求における利益が減少するリスクがある。

市場要求レベルの脱炭素目標を立て、取組んでいる。2025年3月にSBTにコミットメントしてより野心的な取組みを推進していく。また、顧客からの個別要求に対しても、グリーン証書などによるオフセットを含めて対応を検討していく。

環境取組み不足による顧客評価の低下と受注減少。投資家様からの評価が低下し株価が下落するリスクがある。

SBT認定取得に向けた脱炭素の取組み強化を行う。また、CDP質問書などの外部評価機関による評価の向上に取組み、企業のイメージアップを行う。

温暖化に起因する風水害、干ばつによる生産の減少や操業停止リスクがある。

急性災害に備えて、生産移行などのグループの連携、及び自家発電設備による事業継続対策を行っている。

猛暑、熱波などの夏季の気温上昇に伴う空調使用率の増加によるコストの上昇リスクがある。

新規導入及び切替更新時に化石燃料から再エネへの切替及び省エネ設備への切替導入を実施している。

顧客要求を満足することで、受注の増加や新規受注獲得の機会がある。

脱炭素の取組みを強化し、顧客のScope3低減に貢献していく。SBT認定の取得は環境取組み強化を目的としている。

企業評価の向上による株価上昇は、事業投資拡大の機会となる。

脱炭素取組みに対しての積極的な公表・公開を行い、投資家様、顧客のご理解を深めていく。

(注)指標算出の前提は以下のとおりです。

CO2 換算方法

Scope1

・国内、海外ともに、環境省が公表する「算定方法及び排出係数一覧」(最新版)を使用。

Scope2(マーケット基準)

・国内:環境省が公表する「電気事業者別排出係数一覧」より各電力会社の「調整後排出係数」を使用して算出。

・海外:購入電力会社から契約している排出係数が取得可能な場合は、その排出係数を使用し、取得が困難な場合はIEA が公表する国別排出係数を使用。

 

なお、気候変動に関する取組みについては、2025年7月末に当社Webページで開示予定の「HOSIDEN REPORT 2025」の「Environment 環境」をご参照ください。

 

 ②人的資本

a) ガバナンス及びリスク管理

「人権・労働」については企業の社会的責任(CSR)に関するホシデングループ行動規範を策定し、グループ全社に周知徹底しています。また、「人材のダイバーシティ」及び「人材育成」については、人事部長を委員長とする人財開発委員会において、基本方針の策定、中長期的な計画の立案等を行い、具体的な検討事項を代表取締役社長に提案・報告しています。「社内環境整備」については、安全衛生委員会において社内全般における危険防止及び社員の健康保持・増進のための施策の立案等を行い、具体的な検討事項を代表取締役社長に提案・報告しています。代表取締役社長はこれら各委員会からの報告を受け必要に応じ取締役会に報告しております。取締役会ではこれらの報告に対する確認・検討が行われ監督機能を果たしております。なお、当社グループの事業目的の達成を阻害する可能性のある事項はリスク管理委員会へ報告され審議を行うこととしています。

 

b) 戦略

○人権・労働

ホシデングループは外部の利害関係者を含む全ての人の人権及び従業員の労働的権利を尊重します。具体的な方針は以下のとおりです。

・全ての従業員をその自由意思において雇用し強制的な労働はさせない。また最低就業年齢に満たない児童労働者は一切雇用しない。

・全ての人の尊厳と権利を尊重し、人種、民族、国籍、性別、宗教などに基づく差別、及び虐待やハラスメントなどの非人道的な行為は行わない。

・所在国の法定最低賃金を保障するとともに、法令で定められた労働時間を遵守するため従業員の労働日数・時間・休日を適切に管理する。

・ 法令に基づく労働組合への加入や団体交渉などの労働者の権利を尊重する。

 

○人材のダイバーシティ

多様な人材の個性を尊重し、全ての社員が活躍できる職場環境の実現を目指しています。具体的な方針は以下のとおりです。

・女性が活躍できるフィールドを整える。

・外国人採用を積極的に行う。

・シニア社員が活躍できるフィールドを整える。

 

○人材育成

経営理念を実現するため、会社の経営・業績に貢献できる自主・自立・自己責任型の「強い社員」の育成を目指し、教育体系を目的別に以下のカテゴリに分類して人材育成に取組みます。具体的な方針は以下のとおりです。

・階層別教育…年次別、職位別に求められる知識やスキル、マインドの醸成を図る。

・機能別教育…ロジカルシンキングやプレゼンテーションスキルなど、「強い社員」に欠かせないスキルのレベルアップを促す。

・グローバル人材教育…将来的な海外での活躍を視野に、グローバルマインドの醸成と語学教育を行う。

・外部教育受講サポート…業務上必要となる専門知識やスキルの習得、社員の自己啓発を促進するため、受講費用を一部負担し、社外セミナーや通信教育の受講を支援する。

 

○社内環境整備

安全衛生に関する法令遵守はもとより、社員が心身ともに健康で安全に働ける社内環境を形成するための取組みを行います。具体的な方針は以下のとおりです。

・安全衛生パトロールやリスクアセスメント実施による社内の危険・不衛生個所の抽出と改善を行う。

・健康保険組合との連携による保健指導の利用勧奨を行う。

・PCログ記録を活用した労働時間管理、長時間労働抑制のための一斉退社時間やノー残業デーの設定をする。

・冬季の運転注意やインフルエンザ予防、熱中症への注意等時期に併せた社内周知の発信を行う。

・社員とともにそのご家族も健やかに過ごせるよう扶養配偶者が受診した人間ドック費用の補助を行う。

 

c) 指標及び目標

上記の方針に関する指標、目標及び実績は以下のとおりとなります。

○人権・労働

方 針

指 針

目 標

実 績

全ての従業員をその自由意思において雇用し強制的な労働はさせない。また最低就業年齢に満たない児童労働者は一切雇用しない。

強制労働及び児童労働者雇用数

0件

0件

全ての人の尊厳と権利を尊重し、人種、民族、国籍、性別、宗教などに基づく差別、及び虐待やハラスメントなどの非人道的な行為は行わない。

非人道的な行為

0件

パワーハラスメント1件

再発防止策実施済み

所在国の法定最低賃金を保障するとともに、法令で定められた労働時間を遵守するため従業員の労働日数・時間・休日を適切に管理する。

法令違反

0件

0件

法令に基づく労働組合への加入や団体交渉などの労働者の権利を尊重する。

法令違反

0件

0件

 

○人材のダイバーシティ

 

 

 

方 針

指 針

目 標

実 績

女性が活躍できるフィールドを整える。

新卒における女性採用者の割合

10%

2025年4月入社 5%

外国人採用を積極的に行う。

新卒における外国人採用者数

若干名

2025年4月入社 2名(新卒)

シニア社員が活躍できるフィールドを整える。

シニア社員制度

制度導入~適正運用

2025年4月制度導入

(注) 本指標における取組みは、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、目標及び実績は提出会社の数値を記載しております。

 

○人材育成

方 針

指 針

目 標

実 績

階層別教育…年次別、職位別に求められる知識やスキル、マインドの醸成を図る。

階層別研修の受講者満足度(1~5段階、5が最高点)

4.0点

3.8点

機能別教育…ロジカルシンキングやプレゼンテーションスキルなど、「強い社員」に欠かせないスキルのレベルアップを促す。

機能別研修の受講者満足度(1~5段階、5が最高点)

4.0点

4.1点

グローバル人材教育…将来的な海外での活躍を視野に、グローバルマインドの醸成と語学教育を行う。

グローバル研修の受講者満足度(1~5段階、5が最高点)

4.0点

4.0点

外部教育受講サポート…業務上必要となる専門知識やスキルの習得、社員の自己啓発を促進するため、受講費用を一部負担し、社外セミナーや通信教育の受講を支援する。

通信教育修了率

70%

80%

(注) 本指標における取組みは、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、目標及び実績は提出会社の数値を記載しております。

 

○社内環境整備

方 針

指 針

目 標

実 績

安全衛生パトロールやリスクアセスメント実施による社内の危険・不衛生個所の抽出と改善を行う。

社内での労災発生件数

0件

0件

健康保険組合との連携による保健指導の利用勧奨を行う。

特定保健指導対象者のうち指導を受けた割合

45.0%

 

26.8%

PCログ記録を活用した労働時間管理、長時間労働抑制のための一斉退社時間やノー残業デーの設定をする。

月当たり1人平均残業時間

8.0時間

9.4時間

冬季の運転注意やインフルエンザ予防、熱中症への注意等時期に併せた社内周知の発信を行う。

通達にて社内周知

4回

5回

社員とともにそのご家族も健やかに過ごせるよう扶養配偶者が受診した人間ドック費用の補助を行い扶養配偶者の受診を増やす。

 

扶養配偶者が人間ドックを受診した割合

70.0%

70.4%

(注) 本指標における取組みは、連結グループに属する全ての会社では行われてはいないため、目標及び実績は提出会社の数値を記載しております。

 

 

なお、人的資本に関する取組みについては、2025年7月末に当社Webページで開示予定の「HOSIDEN REPORT 2025」の「Social 社会」をご参照ください。

 

 

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日において判断したものであります。

 

(1)経済状況

当社グループの大半の製品は、セットメーカーが製造する最終商品に搭載される部品であることから、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパを含む主要市場における景気後退により、最終商品を製造するセットメーカーの生産が縮小し、それが当社グループの事業に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)為替レートの変動

当社グループは世界各地で事業を展開しており、為替レートの変動による影響を受けています。海外及び国内市場での売上高の大部分は外貨建てであります。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されており、換算時の為替レートにより、円換算後の価値が悪影響を受ける可能性があります。

これに対する対策として、顧客への販売通貨と当社の生産・仕入通貨を一致させるよう取組んでおります。また、必要に応じ為替予約を行っております。

 

(3)価格競争

当社グループが属するエレクトロニクス業界における競争は大変厳しいものとなっており、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面することが予想されます。当社グループの競合先の一部は、研究開発、製造及び販売について当社グループよりも優れた資源を有している可能性があります。当社グループの主要市場における価格下落圧力は今後も強まると予想され、価格競争が当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)原材料の価格変動と供給状況

当社が生産する製品には種々の金属及び石油化学製品が原材料として使用されています。急激な原材料価格の高騰や原材料供給状況の悪化により、当社グループの生産やコストに重大な影響を及ぼす可能性があります。現在、原材料の価格高騰が続いており、当連結会計年度の業績に影響がありました。また、2026年3月期の業績にも影響がある可能性があります。

 

(5)物流に関するリスク

当社が製品を生産・販売するには、供給元からの材料、部品の納入及び顧客先への納品が必要ですが、これらに係る物流の停滞や費用の高騰によるリスクがあります。当連結会計年度において、世界的な船便の遅れ、輸送費の高騰、コンテナ不足により、当連結会計年度の業績に影響がありました。また、2026年3月期の業績にも影響がある可能性があります。

 

(6)技術革新と需要動向

当社グループの事業に関わる市場は、技術の急速な変化やこれに伴う顧客の需要の変化に影響を受けます。業界での頻繁な技術革新により、比較的短期間で当社グループの既存製品が陳腐化する可能性があります。また当社グループが業界と市場の変化を充分予想できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。さらに当社グループの売上高の57.4%は、任天堂株式会社に対するものであり、同社からの受注動向や、アミューズメント(ゲーム)機器の需要動向が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(7)海外事業に関するリスク

当社グループの生産及び販売活動の相当な部分は、アジア、アメリカ、ヨーロッパ等の日本国外で行われております。これらの地域における海外事業は、さまざまな不確定要素による影響を受けやすく、特に以下に掲げるいくつかのリスクが内在しております。

①不利な政治または経済要因

②予期しない法律または規制の変更

③人材の確保に関わる障害

④潜在的に不利な増税の影響

⑤戦争、テロ、伝染病、地震、災害、暴動、その他の要因による社会的混乱

 

当社グループは、米国において製品の販売を行っております。今後、米国政府による通商政策の変更、特に関税の引き上げや輸入制限の強化等が実施された場合、当社グループの米国向け輸出品に対するコストが上昇する可能性があります。これにより、当社製品の価格競争力が低下し、売上高及び利益に悪影響を及ぼす可能性があります。

ロシア・ウクライナ情勢につきましては、現在当社グループに直接の影響はありませんが、サプライチェーンの混乱による顧客の工場稼働停止で、需要の減少が起きる可能性があります。これらの社会的混乱は、今後その他の国でも起こる可能性があります。

 

(8)サイバー攻撃

当社グループでは、事業活動で入手したお客様及び自社の機密情報を保持しております。近年多様化・巧妙化するサイバー攻撃により、万が一攻撃を受けた場合、重要なデータの破壊、改ざん、漏洩などを引き起こし、当社グループの事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。

これに対する対策として、当社グループでは攻撃の侵入部分のセキュリティを強化するとともに、サイバー攻撃を検知し、分析と通報を行う仕組みを導入することで、検知後の対応も強化しています。また、重要な情報の取扱いに関するルールを策定し、従業員への教育や啓蒙を行っています。

 

(9)株式の希薄化

当社グループは転換社債型新株予約権付社債を2024年12月19日に発行しました。当該新株予約権が行使された場合、株式へ転換される割合に応じて、当社の1株当たりの株式価値は希薄化し、その希薄化が株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)感染症に関するリスク

WHOは新型コロナウイルス感染症について、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)は終了するとし一般の感染予防対応となりましたが、今後も新興再興感染症によるパンデミックの発生が危惧されています。パンデミックが発生すると、集団感染やロックダウン等により顧客の需要や当社グループやサプライチェーンの工場稼働に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)環境関連の規制強化に関するリスク

カーボンニュートラル、SDGs達成への貢献、ESG経営については、近年投資家はもとより、顧客からも求められる事案であり、特にカーボンニュートラルに関する取組みが遅れた場合、顧客からの受注削減に晒されるリスクがあります。一方、これらに取組むことによる費用負担増も考えられますが、当社グループでは、積極的に環境対策に取組むことで、投資家、顧客からの要望に応えるべく、対応をとってまいります。

 

(12)少子高齢化に伴うリスク

我が国では、少子高齢化が特に進んでおり、人材獲得が計画どおりに進まないリスクがあります。これに対し、当社では超過勤務削減をはじめとする働き方改革を進めるとともに、新卒採用と同様に中途採用の強化を行い、優秀な人材確保に取組んでまいります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(2024年4月~2025年3月)の世界経済は、米国では個人消費を中心に堅調に推移し、欧州ではインフレ率の低下による個人消費の回復を背景に緩やかな成長となりました。一方、中国では不動産不況により個人消費の伸びが鈍化しました。我が国の経済は、一時停滞感を強めたものの個人消費の持ち直しなどにより回復基調を維持しております。一方、ロシアウクライナ問題や中東情勢の緊迫が世界経済に不透明要素を与えていることに加え、期後半には米国の大規模な関税の引き上げ方針により、米国を含む世界経済の悪化懸念が高まりました。

当社グループの属する電子部品業界におきまして、自動車関連市場につきましては、多くの自動車メーカーは、販売計画を達成していないものの微増で推移しております。また、移動体通信関連市場につきましては、完全には回復していないものの、販売は回復基調にあります。

このような状況の下で、当社グループでは、アミューズメント関連向け、移動体通信関連向け、自動車関連向けが増加し、全体での売上は増加となりました。

利益面におきましては、前年同期程の円安による利益の押上げ効果がなかったものの、売上増加及び移動体通信向け事業の収益率の改善等により営業利益は増加いたしました。一方、為替差益は45百万円と前年同期の4,214百万円ほど大きくなく、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は減少いたしました。

 

これらの結果、当連結会計年度の連結売上高は、247,571百万円(前連結会計年度比13.1%増)となりました。利益面では、営業利益は、13,573百万円(前連結会計年度比5.0%増)、経常利益は、為替相場変動に伴う為替差益45百万円を計上し、14,776百万円(前連結会計年度比18.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、10,037百万円(前連結会計年度比13.7%減)となりました。

 

報告セグメントの売上高及びセグメント利益又は損失の状況は、次のとおりであります。

 

機構部品につきましては、アミューズメント関連向け及び移動体通信関連向けが増加したことにより、売上高は214,651百万円(前連結会計年度比16.1%増)、セグメント利益は10,781百万円(前年同期比15.8%増)となりました。

音響部品につきましては、自動車関連向けが増加したことにより、売上高は20,997百万円(前年同期比4.0%増)、セグメント利益は1,851百万円(前年同期比20.8%増)となりました。

表示部品につきましては、自動車関連向けが減少したことにより、売上高は2,201百万円(前年同期比11.3%減)、セグメント損失は270百万円(前年同期は431百万円のセグメント損失)となりました。

複合部品その他につきましては、健康機器関連向けが減少したことにより、売上高9,721百万円(前年同期比14.5%減)、セグメント利益は1,210百万円(前年同期比51.8%減)となりました。

 

当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金、有価証券が減少したものの、売上債権、棚卸資産の増加等により前連結会計年度末比25,271百万円増の200,279百万円となりました。また、負債につきましては、未払法人税等が減少したものの、仕入債務の増加等により前連結会計年度末比19,825百万円増の59,962百万円となりました。

なお、純資産は、利益剰余金の増加等により前連結会計年度末比5,446百万円増の140,317百万円となり、自己資本比率は70.1%となりました。

 

 

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ29,892百万円減少(前連結会計年度末は10,644百万円の増加)し、当連結会計年度末には46,769百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金は、18,228百万円の減少(前連結会計年度は26,931百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益14,229百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益17,210百万円)、減価償却費3,540百万円(前連結会計年度は3,150百万円)、売上債権の増加10,032百万円(前連結会計年度は12,963百万円の減少)、棚卸資産の増加40,172百万円(前連結会計年度は10,073百万円の減少)、仕入債務の20,912百万円の増加(前連結会計年度は11,796百万円の減少)、法人税等の支払5,617百万円(前連結会計年度は6,354百万円)によるものであります。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金は、5,931百万円の減少(前連結会計年度は8,345百万円の減少)となりました。これは主に、定期預金の預入による支出15,048百万円(前連結会計年度は12,372百万円)、定期預金の払戻による収入12,629百万円(前連結会計年度は10,247百万円)、長期性預金の払戻による収入3,000百万円(前連結会計年度は発生しておりません)、有形固定資産の取得による支出6,262百万円(前連結会計年度は2,742百万円)によるものであります。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金は、5,312百万円の減少(前連結会計年度は7,940百万円の減少)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出3,000百万円(前連結会計年度は2,817百万円)、配当金の支払3,264百万円(前連結会計年度は3,798百万円)によるものであります。

 

 

 

③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

  当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

214,225

15.9

音響部品

20,375

2.8

表示部品

2,033

△12.2

複合部品その他

9,570

△17.1

合計

246,204

12.7

  (注)  金額は販売価格により表示しております。

 b.受注実績

  当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

機構部品

271,389

45.9

82,301

222.0

音響部品

21,154

5.8

4,876

3.3

表示部品

1,495

△23.8

698

△50.3

複合部品その他

8,909

△28.8

3,349

△19.5

合計

302,950

37.4

91,225

154.5

  (注)  金額は販売価格により表示しております。

 c.販売実績

  当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

機構部品

214,651

16.1

音響部品

20,997

4.0

表示部品

2,201

△11.3

複合部品その他

9,721

△14.5

合計

247,571

13.1

  (注)1  主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

任天堂㈱

121,483

55.5

142,221

57.4

Samsung Electronic Vietnam

Thai Nguyen

26,804

12.2

2  金額は販売価格により表示しております。

3  当該割合が100分の10未満の金額及び割合については、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

当社を取り巻く事業環境は非常に競争が激しく、アミューズメント関連部品や移動体通信関連部品等の当社グループ主力製品の需要は、これらが搭載される最終商品の需要の変動に大きく影響を受けます。またエレクトロニクス業界における頻繁な新技術の導入は、当社グループの需要動向の予測や研究開発活動の動向と密接に関わっており、経営成績に重大な影響を与える要因となっております。

 

当社は、売上高及び営業利益を経営上の目標としており、当連結会計年度の目標値は、売上高は227,000百万円、営業利益は9,200百万円としておりました。実績値は、売上高は247,571百万円、営業利益は13,573百万円となりました。

売上高につきましては、主力顧客向けの販売が計画より好調であったことにより、目標を達成しました。

営業利益につきましては、売上が目標を上回り、さらに為替も想定より円安で推移したことにより、目標を達成いたしました。

 

 

②キャッシュ・フローの分析

  キャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

  当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。

  当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

  当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

  短期運転資金は、自己資金及び銀行等金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金、銀行等金融機関からの借入及び新株予約権付社債の発行などによる調達を基本としております。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

  当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

  当社は、連結財務諸表の作成に際し、貸倒債権、棚卸資産、投資、法人税等、退職金や偶発事象等に関し、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられるさまざまな要因に基づき、見積り及び判断を行っております。見積りには、特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合もあります。

(貸倒引当金)

  貸倒引当金につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

(棚卸資産の評価)

  棚卸資産の評価につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

(退職給付費用及び退職給付に係る負債)

  従業員の退職給付に備えるため、各連結会計年度末における退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき引
当計上しております。これらは割引率、昇給率、死亡率、年金資産の長期期待運用収益率等の重要な見積りを加
味して計上しております。

(繰延税金資産)
  繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減
算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るに当たって、前提とした条件や仮定に変更
が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

 

5【重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当連結会計年度における当社グループの主な開発製品の研究開発費の総額は2,073百万円であります。

また、当連結会計年度における主な開発製品の研究開発活動のセグメントごとの状況は、次のとおりでありま

す。

 

(1)機構部品における研究開発

 ①車載用コネクタのさらなる小型化ニーズに応えるべく、現在量産中のコネクタ比で約8%の低背及び約25%実装面積の削減を実現した車載用8pinコネクタを開発いたしました。本品は、USB Type-C®(USB2.0)の接続に最適なピン数を備え、USB Type-CポートのPower Delivery電源ユニット等のインタフェースコネクタとして最適なものとなっております。また、照光機能付きのUSB Type-C電源、USB Type-A×2ポートや、ADAS機器やカメラECU等のLVDS用インタフェースコネクタとして使用可能です。さらに、安定したGND接続のためにシェル内側にプラグカバーと接触する複数の側面バネを配することで、高いEMC性能を実現しております。

②自動車の予防安全性能の進展に伴い車載カメラの高解像度化及び省スペース化が求められていることから、車載カメラ用高速デジタル信号に対応した超低背同軸カメラコネクタを開発いたしました。2025年4月から車載用カメラモジュール向けにサンプル販売を開始しております。本製品は超低背型でありながらも、レセプタクルに位置ズレ吸収構造を有しており、最大位置ズレ状態においても車載SER/DES(SERializer/DESerializer

  )の6Gbps高速伝送に対応しております。

③車両の電装化が進む中でインパネ周りに多数の部品が配置されるため、USBチャージャ等のインタフェースを搭載するスペースの確保が問題となっていることから、省スペース化に寄与できるスロットインコネクタを開発いたしました。インタフェースにはUSB Type-AやUSB Type-C、HDMIを組み合わせた多彩なラインアップをご用意しております。また、インタフェースの周囲に照光機能を追加することで、視認性を向上させることも可能となっております。

(2)音響部品における研究開発

 完全防水(IPX9K)に対応した防水マイクAssyを開発いたしました。風雨に晒される屋外における音声操作や音声検知、車両のエクステリアに設置して緊急車両のサイレン音の検知に利用可能であるほか、キッチンやお風呂などさまざまな状況下でお使いいただける汎用性の高いマイクロホンとなっております。

(3)複合部品その他における研究開発

①高精度、高品質な温湿度センサモジュールを開発いたしました。本製品を用いて室内環境を精度よくモニタリングすることにより、エアコンや加湿器等の温湿度を最適なバランスで調整でき、省エネと環境負荷の軽減に貢献いたします。

②既に製品化しております60GHzミリ波を用いた測距センサに加え、さまざまな用途を想定し汎用性をもたせたミリ波測距センサを開発いたしました。ミリ波は外乱耐性に優れており、光学式、超音波式、圧力式など他の測距方式と比較してキズ・埃・水滴・汚れや外乱ノイズの影響を受けずに対象物を測距し続けることができるため、工場・インフラ設備等のさまざまな液体のタンク残量検知、暗渠・側溝の水位監視、水田水位監視等のさまざまな液面監視に利用可能であるほか、レーザ式・カメラ式では必須の透過窓が不要であることから、公共トイレの在室監視、オフィス・ホテル・飲食店の在室・在席監視などプライバシーに配慮した人感センシング用途にもお使いいただけます。また、低消費電力設計によりバッテリー駆動を可能とし、電源のない屋外環境でも容易に設置いただくことが可能です。さらに、製品ラインアップの拡充として防爆対応品の開発も進めております。

③製造業における機械設備、インフラ業界における橋梁などにおいては、劣化に起因する重大事故を避けるためのメンテナンスを目的として、センサによる状態モニタリングが行われています。中でも故障に向かう状態推移を測定するのに振動状態の監視が有効であり、近年、取付け対象が増えてケーブル配線や電源確保の煩わしさを解消できる無線方式の振動センサのニーズが増えてきております。そこで、センサ自身に正常/異常を判定する機能を設け、判定結果のみを無線通信する振動センサを開発いたしました。無線方式ではデータ通信量の制約があり、モニターした振動情報全てを伝送することができずに分析が不十分になり異常状態を見過ごす懸念がありますが、本製品は自己判定機能を有することでその懸念を解消しております。また、ISO10816に準じた異常判定に加え、ユーザ自身が自由に設定できる機能(周波数スペクトル上の閾値設定)を備えており、ユーザビリティの向上を図っております。