(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループ(当社及び連結子会社)は、着実な財務体質の改善を背景に、「センサ&モジュールのHOKURIKU」という価値創造型企業への転換を経営方針として、時代にマッチした製品の提供と収益力の強化を通じて当社グループの企業価値の向上ひいては株主共同の利益の持続的確保を課題といたしております。
その具体的実現の一環として、2017年11月に、㈱メイコーと包括的業務提携契約を締結し、電子機器のモジュール実装事業を中心に、当社のセンサ・抵抗器事業、㈱メイコーの電子回路基板事業など、関連会社を含む両社の経営基盤の有効活用に向け、着実に諸課題に取り組んでおります。
また、2018年10月に、無線モジュールの企画、設計・販売を行っている野村エンジニアリング㈱の株式95%を取得し、子会社化することで、無線関連事業の強化・拡大に取り組んでおります。
(2) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
エレクトロニクス市場は、自動車電装化の進展、機器の高機能化、IoTなど、技術革新が進んでおります。当社グループとしては、この変化に対応した取組みにより、収益性の向上と財務体質の強化を図ってまいります。
(3) 株式会社の支配に関する基本方針について
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
①基本方針の内容
わが国の資本市場においては、買収内容を判断するために必要な合理的な情報・期間や、経営陣との十分な協議や合意形成プロセスを経ることなく、突如として一方的な大規模買付を強行するといった動きがなされる可能性も決して否定できません。
当社株式の大規模買付行為が発生した場合に、株主の皆様が買付に応じるべきか否かを適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を受けること、当社取締役会が買付者と交渉・協議を行い、あるいは株主の皆様に当社取締役会としての代替案を提示すること等を可能とすることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を向上させることを基本方針としています。
②不適切な支配の防止のための取組み
イ.当社株式の大規模買付行為に関する対応策(以下、「本施策」という。)発動に係る手続きの設定
本施策は、当社株式保有割合が20%以上となる大規模買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討を行う時間を確保した上で、当社取締役会が買付者との交渉・協議を行うこと、あるいは株主の皆様に当社取締役会としての代替案を提示する等の手続きを定めています。
ロ.取締役会の恣意的判断を排除するための独立委員会の利用
本施策の導入にあたり、取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために、本施策の発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置します。独立委員会は、独立性の高い当社社外取締役、社外有識者から選任され、構成されています。
ハ.新株予約権無償割当ての利用
買付者等の行為が、当社の企業価値・株主共同の利益を損なう恐れがあると認められる場合には、当社は、当社の取締役会決議により、買付者等による権利行使ができない新株予約権を、当社取締役会が定める一定の日における全ての株主に対してその所有株式1株につき1個の割合で割り当てます。
ニ.本新株予約権の行使および本新株予約権の取得
本施策に従って本新株予約権の無償割当てがなされ、買付者等以外の株主の皆様により本新株予約権が行使された場合、または当社による本新株予約権の取得と引換えに、買付者等以外の株主の皆様に対して当社株式が交付された場合、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合は希釈化されることになります。
③不適切な支配の防止のための取組みについての取締役会の判断
本施策は、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
イ.株主意思が反映されていること
本施策は、定時株主総会で株主の皆様のご承認をいただいたうえで継続しております。有効期間は、2020年6月に開催予定の定時株主総会終結の時までですが、有効期間の満了前であっても、株主総会または取締役会の決議によって廃止または変更することができます。
ロ.取締役会の判断の客観性・合理性の確保
本施策においては、大規模買付対抗措置の発動要件を客観的かつ合理的に定めており、当社取締役会による恣意的な判断を排除しています。また、発動の手続きとして、当社取締役会から独立した独立委員会の勧告を最大限尊重するものと定めており、当社取締役会の恣意的な判断を排除しています。
ハ.買収防衛策に関する指針の要件を完全充足していること
本施策は、経済産業省および法務省が2005年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則((a)企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、(b)事前開示・株主意思の原則、(c)必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しています。また、本施策は企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に適合しています。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態および経営成績の異常な変動
①経済変動の影響
当社グループは国内外で、主として抵抗器、モジュール製品等の電子部品を製造販売しております。当社グループ製品の大部分は顧客であるメーカーに販売されるため、経済動向に左右される可能性のある顧客の生産水準が当社グループの事業に大きく影響いたします。従って、当社グループは直接あるいは間接的に日本、欧米、アジアの各市場における経済状況の影響を受ける可能性があり、各市場における景気後退などは当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②価格競争の影響
電子部品の価格は、厳しい値下げ要請や同業者間の熾烈な競争により、恒常的に低下する傾向にあり、さらに一部の製品については、中国を中心とする東アジア地域の電子部品メーカーが低労務コストを背景に低価格品を販売しており、価格競争はさらに激化すると予想されます。
これに対して当社グループは、継続的かつ積極的なコストダウンを推進し、売上の拡大や収益性の向上に努めておりますが、価格競争の一層の激化により、不測の事態が発生し、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③技術革新の動向
当社グループが属する電子部品業界は、技術革新のスピードが速く、顧客要求の変化も頻繁であり、将来にわたって当社グループの売上高を維持・拡大していくためには、革新的な新製品の開発を適切なタイミングで実施していくことが重要となっております。
当社グループでは、新技術や新製品開発に必要な研究開発投資を積極的に行っておりますが、実行した研究開発投資は必ずしも将来の売上高ならびに収益向上に結びつくとは限らず、また、急速な技術革新に当社が遅れをとった場合、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④急激な外国為替の変動
当社グループの当連結会計年度の海外売上高の割合は、69.0%(前期は69.3%)と高水準にあり、為替変動の影響を強く受けております。このため、為替予約および外貨建仕入の増加策等によるリスクヘッジを行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はなく、急激な為替変動等が生じた場合、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤減損会計の適用
今後、ある事業のセグメントならびに事業の各セグメントから独立したキャッシュ・フローがある賃貸資産および遊休資産等において、経営環境の著しい変動等予測できない状況変化が生じ減損損失を計上した場合、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の取引先、製品、技術等への高い依存度
①モジュール製品の動向
液晶コントロールモジュールを主体とするモジュール製品の販売は、回路設計技術、高密度実装技術を背景として顧客の開発段階から参入し、資材調達、製造も含めた総合的な製品力を持って拡販するため、経営資源(人、物、金)投入の観点から、特定の顧客への依存度が高くなっております。
モジュール製品の当連結会計年度の売上高は25,893百万円(前期は25,364百万円)、連結売上高に占める割合は57.5%(前期は57.9%)であります。
モジュール製品は電子部品であり、消費者が使用する最終製品ではないため、その需要は、将来の予測できない顧客のパフォーマンスあるいはその市場の変化によって変動し、業績および財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②新製品の拡販
当社グループは、成長分野であるカーエレクトロニクス、IT関連をターゲットに、MEMSセンサ、小型湿度センサ、超薄型圧電積層素子、極小チップ部品、無線モジュールなどの新製品の拡販を図っております。
当社グループの製品は主に電子部品であり、消費者が使用する最終製品ではないため、電子部品を使用して最終製品を作る顧客の動向およびその市場の変化に大きく影響を受けます。また、新製品開発では同業他社と激しい競争を行っており、同業他社が当社より優位な製品を先駆けて販売する可能性もあります。
上記リスクをはじめとして、将来、当社グループが予測していない状況変化が生じ、新製品の拡販が未達となった場合、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 中国依存度の高まり
当社グループは、中国を有望な成長市場として、また、コスト・納期面で有利な海外生産拠点として、事業戦略に位置づけておりますが、政治・社会・経済情勢に変化が起こった場合あるいは予期せぬ災害等が発生した場合、業績に悪影響を与える可能性があります。
(4) 製造物責任に係るリスク
当社グループは、技術革新著しいエレクトロニクス業界における顧客の厳しい要求に対応するため、徹底した品質管理を行い、多様な製品を製造しておりますが、現時点での技術・管理レベルを超える事故が発生し、提供する製品に欠陥が生じる可能性があります。また、製造物賠償責任保険に加入しておりますが、賠償額を十分にカバーできる保証はありません。
当社製品に欠陥が生じた場合は、多額のコストや当社グループに対する評価の低下を通じて、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 国内外の法規制等のリスク
当社グループが事業を展開する国および地域における法令または規則の重要な変更は、当社の事業展開に影響を与え、種々の費用増をもたらすことが懸念され、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 災害等のリスク
当社グループは、生産設備における定期的な災害防止検査・点検を実施しておりますが、災害などによる悪影響を完全に阻止または軽減できる保証はなく、また、不可避的な自然災害により情報、物流インフラに大きな影響が生じた場合等には、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、米国では個人消費を中心に拡大基調が続きましたが、中国では投資および個人消費が減速基調となり、欧州でも減速がみられました。
わが国におきましては、設備投資や個人消費を主体に緩やかな回復基調で推移しましたが、海外経済の弱含みにより、不透明感が漂ってきました。
そのような環境下、エレクトロニクス市場におきましては、自動車の電子化が進展したことから、電子部品需要は汎用部品を主体に拡大しましたが、秋口より、情報通信機器需要の停滞感が強まってきました。
こうした状況のなかで、当社グループにおきましては、拡販を図る一方、引続き生産効率の改善に努めました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、各品種総じて受注が増加したことから、売上高は45,034百万円(前期比+2.8%)、営業利益1,344百万円(同+5.1%)となり、米ドル高円安シフトに伴い為替差益236百万円を営業外収益に計上したことから、経常利益は1,564百万円(同+67.7%)となりました。
また、米国における集団民事訴訟の和解契約締結に伴い、訴訟和解金339百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、776百万円(同△29.5%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・電子部品
電子部品は、自動車向け需要の拡大を背景に、モジュール製品、抵抗器など各品種総じて受注が増加したことから、売上高43,934百万円(前期比+2.6%)、営業利益2,288百万円(同+4.1%)となりました。
・金型・機械設備
金型・機械設備は、機械設備の売上は増加しましたが、金型受注がアミューズメント向けに振るわず、売上高940百万円(同△4.6%)、営業利益42百万円(同+3.5%)となりました。
・その他
その他は、商品仕入及び不動産業等にかかる事業であり、売上高は584百万円(同+19.5%)となり、営業利益は104百万円(同+18.5%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、3,831百万円減少し、4,004百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、1,222百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益1,172百万円、減価償却費1,033百万円に対し、売上債権が3,847百万円、たな卸資産が417百万円、それぞれ増加し、仕入債務の増加は344百万円に留まったことが主因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1,355百万円となりました。これは、固定資産の取得による支出887百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、1,318百万円となりました。これは、借入金の純減910百万円、配当金の支払い251百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品(百万円) |
43,182 |
△1.6 |
|
金型・機械設備(百万円) |
526 |
△32.1 |
|
合計(報告セグメント)(百万円) |
43,708 |
△2.1 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の報告セグメントに属していない「その他」に含まれる商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
その他(㈱大泉製作所商品仕入) (百万円) |
311 |
+39.8 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品 |
44,678 |
+2.8 |
6,996 |
+12.4 |
|
金型・機械設備 |
526 |
△27.5 |
26 |
△82.7 |
|
報告セグメント計 |
45,205 |
+2.3 |
7,023 |
+10.1 |
|
その他 |
482 |
+33.3 |
48 |
+273.6 |
|
合計 |
45,687 |
+2.6 |
7,071 |
+10.7 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.為替換算による差額等は、受注高に含めて調整しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品(百万円) |
43,934 |
+2.6 |
|
金型・機械設備(百万円) |
653 |
+5.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
44,587 |
+2.6 |
|
その他(百万円) |
446 |
+21.4 |
|
合計(百万円) |
45,034 |
+2.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
無錫夏普電子元器件㈲ |
8,067 |
18.4 |
7,724 |
17.2 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計方針に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、将来事象の結果に依存するために確定できない場合または既に発生している事象に関する情報を適時にあるいは経済的に入手できないために確定できない場合、会計上の見積りを行っており、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、会計上の見積りと異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(事業全体の経営成績)
・売上高
売上高は、電子部品セグメントにおいて、自動車向け需要の拡大を背景に、モジュール製品、抵抗器など各品種総じて受注が増加したことから、前連結会計年度に比べ、1,229百万円増加(前期比+2.8%)し、45,034百万円となりました。
・売上原価
売上原価は、電子部品セグメントにおける売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ1,040百万円増加(同+2.8%)し、38,572百万円となり、売上原価率は、85.7%と、前期と同率になりました。
・販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費におきましては、前連結会計年度に比べ122百万円増加(同+2.5%)し、5,117百万円となり、販管費率としては、11.4%と、前期と同率になりました。
・営業外損益(営業外収益及び営業外費用)
営業外損益の純額は220百万円の益(前連結会計年度は345百万円の損)となりました。前連結会計年度は年明けからの円高シフトに伴ない、為替差損を384百万円計上しましたが、当連結会計年度は、円安にシフトにしたため、為替差益を236百万円計上したことなどによるものであります。
・経常利益
営業利益の増加および為替差損益の良化を主因に、前連結会計年度に比べ631百万円増加し、1,564百万円(前期比+67.7%)となりました。
・特別損益(特別利益及び特別損失)
特別損益の純額は392百万円の損(前期は358百万円の益)となりました。これは、特別損失として、米国における集団民事訴訟の和解契約締結に伴なう訴訟和解金339百万円などを計上したことによるものであります。
・税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)
税金等調整前当期純利益は、1,172百万円となり、前連結会計年度に比べ、119百万円減少(前期比△9.2%)しましたが、課税所得算出における税務調整を主因に、法人税、住民税及び事業税は、81百万円の増加となりました。
また、法人税等調整額としては、前期は税務上の繰越欠損金の回収可能性が高まったことから、△16百万円となりましたが、当期は連結納税上の繰越欠損金を使い切り、105百万円となりました。税金費用合計としては、前連結会計年度に比べ204百万円増加(同+107.8%)し、394百万円となりました。
・親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益、特別損益(損)、税金費用の計上などから、776百万円(同△29.5%)となり、1株当たり当期純利益金額は92.70円(前期は131.46円)となりました。
(事業全体の財政状態)
・現金及び預金
前期は売上高が年明けから減少し、高まっていた売上債権の回収により、現金及び預金は期末にかけて増加したものの、当期は受注回復に伴ない運転資金が必要となったことから、前連結会計年度末に比べ3,680百万円減少(前期比△41.2%)し、5,257百万円となりました。
・売上債権(受取手形及び売掛金)
売上高が増加基調に転じたことから、前連結会計年度末に比べ3,489百万円増加(同+35.7%)し、13,259百万円となりました。
・たな卸資産
生産の増加に伴ない、前連結会計年度末に比べ290百万円増加(同+4.5%)し、6,805百万円となりました。
・有形固定資産及び無形固定資産
減価償却費1,033百万円に対し、設備投資は1,223百万円となったことや、株式取得により、野村エンジニアリング㈱を連結したことなどから、前連結会計年度末に比べ154百万円増加(同+1.6%)し、9,733百万円となりました。
・繰延税金資産
繰延税金資産は、法人税等調整額105百万円(損)による減少を主因に、前連結会計年度末に比べ87百万円減少(同△5.8%)し、1,423百万円となりました。
・仕入債務(支払手形及び買掛金)
仕入債務は生産の増加に伴ない、前連結会計年度末に比べ、284百万円増加(同+3.9%)し、7,601百万円となりました。
・退職給付に係る負債
勤務費用と利息費用の計上により229百万円増加し、退職給付の支払いにより373百万円減少した他、市場金利の低下に伴ない割引率が低下したことを主因に、未認識数理計算上の差異が21百万円発生(負債増)したことなどから、当連結会計年度末の退職給付に係る負債は、前連結会計年度末に比べ122百万円減少(同△2.5%)し、4,754百万円となりました。
・有利子負債(短期借入金、長期借入金)
有利子負債は、前連結会計年度末に比べ846百万円減少(同△6.4%)し、12,471百万円となりました。
・純資産の部
純資産の部の合計は、前連結会計年度末に比べ24百万円増加(同+0.2%)し、12,641百万円となりました。
純資産の部の増減の概要は次のとおりであります。
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益により776百万円増加しましたが、剰余金の配当により251百万円減少したことなどから、前連結会計年度末に比べ523百万円増加(同+4.5%)し、12,294百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、アジア通貨安円高により為替換算調整勘定が367百万円減少したこと、株安によりその他有価証券評価差額金が180百万円減少したことを主因に、前連結会計年度末に比べ507百万円減少(同△59.9%)し、339百万円となりました。
非支配株主持分は、当期において野村エンジニアリング㈱の株式95%を取得し、連結子会社としたことから、当連結会計年度末は、7百万円(前連結会計年度末は-)となりました。
(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが、税金等調整前当期純利益、減価償却、売上債権の増加などにより△1,222百万円となり、投資活動によるキャッシュ・フローが設備投資および連結子会社の株式取得を主因に△1,355百万円、財務活動によるキャッシュ・フローが借入金の純減を主因に、△1,318百万円となったことなどから、当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3,831百万円減少(同△48.9%)し、4,004百万円となりました。
b.財務政策
運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資などの長期資金は、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としております。
c.重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源
当連結会計年度後1年間の設備投資は、総額1,700百万円を計画しておりますが、その所要資金は主として、自己資金および金融機関からの長期借入金をもって充当する予定であります。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、ROE6%以上を目標としておりますが、当連結会計年度におけるROEは6.2%で、前期(9.1%)に続いて目標を達成しております。
当社は、自動車の電子化の進展に伴い、安定受注で、かつ高付加価値が見込めるカーエレクトロニクス分野への製品の拡販と開発に注力しており、徐々に成果に現れてきたものと考えておりますが、情報通信機器向け需要において成長に鈍化がみられるため、成長力、収益力ともに、総合的にはまだ低い水準にあると認識しております。
従いまして、変革する市場ニーズにマッチした製品の提案が急務であり、当社のセンサ技術と回路設計技術に加え、無線モジュールを手掛ける会社を子会社化し、IoTなどの新分野への参入に取り組んでおります。
(セグメントごとの経営成績等)
・電子部品
チップ抵抗器において車載向け受注の増加に対応し、国内において約4億円の増産投資を行い、モジュール製品においては、前期末にかけて停滞した情報通信機器向けの受注が回復基調となったことから、2期連続の増収増益となりました。
・金型・機械設備
機械設備の売上は増加しましたが、金型売上はアミューズメント向けを主体に停滞しました。金型事業におきましては、LED分野などの新規需要に対応するよう取り組んでおります。
・その他
売上高は、㈱大泉製作所製品の受注増により、前期比増となり、利益は不動産業を主体に前期比増となりました。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、電子部品事業を主体にグローバルに展開する顧客の声を第一として、市場ニーズの変化に迅速に対応し、スピーディーに新製品を送り出すため、(1)センサ・デバイス開発及びセンサ・デバイスに回路やソフトウエアを含めたトータルソリューションとしての商品展開や、各事業本部にまたがる案件のプロジェクト推進を図る開発部門、(2)既存製品の応用開発及び製造技術の改善を図る当社並びに子会社の開発部門の2組織で構成されております。また、新たに次世代高速通信(5G)や電気自動車(EV)等の次世代技術のマーケッティング及びビジネス構築を行う部門を設置し、開発の効率化・スピードアップ化を図っております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(1) 電子部品
モバイル分野は、牽引役だったスマートフォンの成長が鈍化してきている一方で、次世代高速通信である「5G」通信への実用化が進み始めており、更に新たな成長分野としてあらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」関連分野が生産部門を中心に普及、加速しております。また、自動車分野は、CASE(コネクティビティ、自動運転、シェアード、電動化)を中心に大きな変革の時代を迎えており、EVへの移行やADAS(先進運転支援システム)に代表される自動運転等の新技術が搭載されはじめ、センサや電装品の需要増加が期待されています。
こうした市場環境の変化に対応すべく、当社は、市場のニーズをいち早く察知し、新規顧客の開拓と製品開発を強力に推進しております。センサ関連では、小型で低消費電流タイプの電流センサを開発しました。センサ素子は自社開発の磁気センサを使用しております。取付け易いクリップ構造であり、既存設備にも後付け可能です。太陽光発電のストリング監視システムの他、電力の見える化等各種電流計測用に最適です。
また、従来からの抵抗式湿度センサに加え、2ミリ角と超小型の容量式湿度センサを開発しました。
MEMS製品では、2.2ミリ角、厚さ0.9ミリの世界最小クラスの非接触温度センサを開発しました。チップ内にセンシングとリファレンスの2つのセンサ部を形成し、その差分を出力する方式となっているため、サーモパイル式等の他の赤外線センサに比べ、環境温度に影響されにくいことが特長です。小型低背で表面実装可能である利点を生かし、各種分野への用途開発を進めています。また、日常の動きである人体の運動や腕の軽い動きに合わせて発電することが出来る円盤形の小型発電機を研究開発しております。円盤形であるため回転数の計測にも使用可能であり、今後IoT分野を始めとする各種分野への展開が期待されます。
また、フォースセンサは、従来品に加えて2.2×1.8×1.0ミリと超小型のフォースセンサを開発しました。小型・低背かつ出力がリニアで使いやすく、荷重の微小変化が直線的に検知できるため、調理家電やスタイラスペン等への用途に最適であり、更に高信頼性が要求される医療用や車載用向けに対応すべく開発を推進しております。一方、従来からの主力製品である半導体圧力センサの応用展開として、給湯器や白物家電向けの省エネ対応機器用に水位センサ、2.5ミリ角と小型サイズの気圧センサを製品化しております。
無線モジュールは、150MHz帯、920MHz帯の特定小電力無線モジュールの開発を進め、今後の拡大が予想されるIoT関連分野をはじめ、各種分野への用途開発を推進しております。
圧電部品は、車載向けを中心に用途開発を強化するとともに、更なる材料開発を行い性能向上と展開エリアの拡大を図ると共に、シミュレーション解析による応力・熱膨張・セラミック駆動・固有振動解析等による検証を積極的に導入し、開発のスピードアップを図っております。
安全部品では、回路保護用にチップヒューズを製品化しております。各種電子機器に対応出来るように、1005サイズ、1608、2012をラインナップしております。
抵抗器は、信頼性が要求されるHEV、EV等の車載分野やパワーエレクトロニクス分野向けに高電力(長辺電極)チップ抵抗器や耐サージ形高電力チップ抵抗器等の高機能チップ部品を開発し、展開しております。耐サージチップ抵抗器及び高電力(長辺電極タイプ)チップ抵抗器は、宇宙開発用信頼性保証チップ形皮膜抵抗器として宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認定も取得しております。また、更なる高電力の要求に対応すべく3W、5Wタイプのハイワッテージタイプもシリーズ化しました。この他、ますます用途が拡大している電流検出用のチップ金属板抵抗器は、3216サイズで1W品を開発し、ラインナップを強化しております。スイッチは、洗濯機に代表される白物家電向けを主な用途とした防水型タクティールスイッチに新たにSMDタイプを追加し、ラインナップを強化しました。
新製品の開発に当たっては、大学等の公共研究機関をはじめ、ソフトウエアメーカーや材料メーカー、その他メーカーとのコラボレーションを積極的に実施し、高機能化と市場ニーズにあった製品の開発をスピーディーに推進しております。
環境対応としましては、環境推進室を中心に、ISO14001体制を推進し、省エネ活動を実施するとともに、RoHS指令やREACH規則等の特定有害物質使用制限の対策を全社的に強力に展開しております。
なお、当事業に係る研究開発費は、
(2) 金型・機械設備
金型分野においても、ユーザーのプレス・成形部品の小型化、多層化、高密度化及びマルチ化等の構造的変化が著しく、これに対応すべく金型製造技術の高度化を図っておりますが、研究開発費としては金額的に重要性が乏しく区分管理は行っておりません。
(3) その他
主として仕入販売事業であり、当社グループとしては特に研究開発活動は行っておりません。