(1) 経営方針・経営戦略等
当社グループ(当社及び連結子会社)は、着実な財務体質の改善を背景に、「センサ&モジュールのHOKURIKU」という価値創造型企業への転換を経営方針として、時代にマッチした製品の提供と収益力の強化を通じて当社グループの企業価値の向上ひいては株主共同の利益の持続的確保を課題といたしております。
その具体的実現の一環として、2018年に、無線モジュールの企画、設計・販売を行っている野村エンジニアリング㈱を子会社化することで、無線関連事業の強化・拡大に取り組んでおります。
(2) 経営環境・優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
エレクトロニクス市場は、自動車電子化の進展、機器の高機能化、IoTなど、技術革新が進んでおります。当社グループとしては、このような変革する市場ニーズにマッチした製品の提案が急務であり、収益性の向上と財務体質のさらなる強化が喫緊の課題と認識しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2021年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態および経営成績の異常な変動
①経済変動の影響
当社グループは国内外で、主として抵抗器、モジュール製品等の電子部品を製造販売しております。当社グループ製品の大部分は顧客であるメーカーに販売されるため、経済動向に左右される可能性のある顧客の生産水準が当社グループの事業に大きく影響いたします。従って、当社グループは直接あるいは間接的に日本、欧米、アジアの各市場における経済状況の影響を受ける可能性があり、各市場における景気後退などは当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②価格競争の影響
電子部品の価格は、厳しい値下げ要請や同業者間の熾烈な競争により、恒常的に低下する傾向にあり、さらに一部の製品については、中国を中心とする東アジア地域の電子部品メーカーが低労務コストを背景に低価格品を販売しており、価格競争はさらに激化すると予想されます。
これに対して当社グループは、継続的かつ積極的なコストダウンを推進し、売上の拡大や収益性の向上に努めておりますが、価格競争の一層の激化により、不測の事態が発生し、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③原材料や部品の供給による影響
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を複数のサプライヤーから調達しています。これらのサプライヤーとは、安定的な取引を行っておりますが、市況の変化による価格の高騰、品不足、品質問題、製造の中止、取引条件の変更等、原材料や部品の不足が生じる可能性があります。その場合、製造原価の上昇、生産調整さらには生産停止を招く等、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、技術革新のスピードが速く、価格競争が激しい電子部品業界に属しています。そのため、顧客からの発注及び発注見通し並びに市場動向の分析に基づき生産計画を決定していますが、想定外の市場環境の変化などにより過剰在庫が生じる可能性があります。当該過剰在庫に係る評価損の計上により業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④技術革新の動向
当社グループが属する電子部品業界は、技術革新のスピードが速く、顧客要求の変化も頻繁であり、将来にわたって当社グループの売上高を維持・拡大していくためには、革新的な新製品の開発を適切なタイミングで実施していくことが重要となっております。
当社グループでは、新技術や新製品開発に必要な研究開発投資を積極的に行っておりますが、実行した研究開発投資は必ずしも将来の売上高ならびに収益向上に結びつくとは限らず、また、急速な技術革新に当社が遅れをとった場合、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤急激な外国為替および株価の変動
当社グループの当連結会計年度の海外売上高の割合は、54.4%(前期は68.4%)と高水準にあり、為替変動の影響を強く受けております。このため、為替予約および外貨建仕入の増加策等によるリスクヘッジを行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はありません。
また、当社グループでは時価のある有価証券を保有しており、株価の下落や低迷により、有価証券の減損が必要となるリスクがあります。
これらのリスクにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥減損会計の適用
今後、減損の兆候がある資産グループについて、将来のキャッシュ・フローにより固定資産の簿価を回収できないと判断される場合には、減損損失の計上により、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦税務に関するリスク
当社グループは、国外に製造拠点、販売拠点を有しており、グループ会社間の取引も多く発生しております。グループ会社間の国際的な取引価格に関しては、適用される各国の移転価格税制等の観点からも適切な取引価格となるよう留意しております。しかしながら、税務当局または税関当局との見解の相違等により、取引価格が不適切であるとの指摘を受け追加の税負担が生じる可能性があります。
また、繰延税金資産については、実現可能と見込まれる利益計画およびそれに基づく将来の課税所得の見込みにより、回収可能性の評価を行っております。将来において利益計画が実現できない場合等に、繰延税金資産に対する評価性引当額の積み増しが必要となり、当社グループの当期純利益および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の取引先、製品、技術等への高い依存度
①モジュール製品の動向
液晶コントロールモジュールを主体とするモジュール製品の販売は、回路設計技術、高密度実装技術を背景として顧客の開発段階から参入し、資材調達、製造も含めた総合的な製品力を持って拡販するため、経営資源(人、物、金)投入の観点から、特定の顧客への依存度が高くなっております。
モジュール製品の当連結会計年度の売上高は15,354百万円(前期は20,415百万円)、連結売上高に占める割合は46.8%(前期は52.7%)であります。
モジュール製品は電子部品であり、消費者が使用する最終製品ではないため、その需要は、将来の予測できない顧客のパフォーマンスあるいはその市場の変化によって変動し、業績および財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②新製品の拡販
当社グループは、成長分野であるカーエレクトロニクス、IT関連をターゲットに、MEMSセンサ、小型湿度センサ、超薄型圧電積層素子、極小チップ部品、無線モジュールなどの新製品の拡販を図っております。
当社グループの製品は主に電子部品であり、消費者が使用する最終製品ではないため、電子部品を使用して最終製品を作る顧客の動向およびその市場の変化に大きく影響を受けます。また、新製品開発では同業他社と激しい競争を行っており、同業他社が当社より優位な製品を先駆けて販売する可能性もあります。
上記リスクをはじめとして、将来、当社グループが予測していない状況変化が生じ、新製品の拡販が未達となった場合、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 中国依存度の高まり
当社グループは、中国を有望な成長市場として、また、コスト・納期面で有利な海外生産拠点として、事業戦略に位置づけておりますが、政治・社会・経済情勢に変化が起こった場合あるいは予期せぬ災害等が発生した場合、業績に悪影響を与える可能性があります。
(4) 製造物責任に係るリスク
当社グループは、技術革新著しいエレクトロニクス業界における顧客の厳しい要求に対応するため、国際品質マネジメント規格(ISO9001、IATF16949等)に従い、徹底した品質管理を行い、多様な製品を製造しておりますが、現時点での技術・管理レベルを超える事故が発生し、提供する製品に欠陥が生じる可能性があります。また、製造物賠償責任保険に加入しておりますが、賠償額を十分にカバーできる保証はありません。
当社製品に欠陥が生じ、リコールや製造物責任の追求がなされた場合は、多額のコストや当社グループに対する評価の低下を通じて、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 国内外の法規制等のリスク
当社グループが事業を展開する国および地域における法令または規則の重要な変更は、当社の事業展開に影響を与え、種々の費用増をもたらすことが懸念されます。また、当社グループは、環境理念として、「地球環境の保全が人類共通の重要課題の一つであることを認識し、持続可能な社会の構築に向けて、企業活動のあらゆる面で環境の保全に配慮して行動する」ことを明示していますが、環境法令・規制の強化に伴う費用の増加が懸念されます。これらのことが、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 気候変動・災害等のリスク
当社グループは、生産設備における定期的な災害防止検査・点検を実施しており、またBCP(事業継続計画)を策定、社員安否確認システムを構築し、緊急時の対応を定めていますが、災害などによる悪影響を完全に阻止または軽減できる保証はありません。異常気象・気候変動等による不可避的な地震や津波、台風や洪水、浸水、火山の噴火等の自然災害やそれに起因する大規模停電、電力不足および未知のウィルス感染症等によって大きな被害を受ける可能性があります。それらの影響を受け、製造中断、輸送ルート寸断、情報通信インフラの損壊等の被害が生じた場合等には、受注や供給が滞り、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
新型コロナウイルスにつきましては、ワクチンが効きにくい変異株による感染が拡大した場合、当社や取引先の工場稼働の悪化要因になりサプライチェーンへも影響する等、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティにおけるリスク
当社グループは、グループ内や取引先の機密情報や個人情報を有しています。これらの情報は、グループ全体で管理体制を構築し、外部流出、破壊、改ざん等がないよう、運用管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、社員教育、訓練等を実施しております。しかしながら、悪意をもった外部からの攻撃や内部の過失等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざんまたは情報システムの停止等が発生する可能性があります。
このような事態が生じた場合には、信用低下、損害賠償、復旧費用等の発生、または業務の停止等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、第1四半期には新型コロナウイルス感染拡大の影響により生産が停滞し個人消費が落ち込みましたが、第2四半期以降は財政拡大や金融緩和などの政策効果により総じて持ち直し基調で推移しました。
わが国におきましては、個人消費が持ち直し輸出も増加に転じましたが、11月以降感染が再拡大し、回復の動きは弱いものとなりました。
そのような環境下、エレクトロニクス市場におきましては、生産拠点の操業規制および世界景気の悪化に伴い、自動車関連、産業・FA関連において生産が減少し、電子部品需要は減少しましたが、7月頃から持ち直しに転じ、自動車販売の回復や巣ごもり需要を背景に回復基調で推移しました。
こうした状況のなかで、当社グループにおきましては新規分野への拡販活動を進める一方、固定費および諸経費の抑制に努めました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、各品種総じて受注が前期比減となったことから、売上高32,825百万円(前期比△15.2%)、営業利益572百万円(同△31.3%)、経常利益655百万円(同△28.6%)となりました。
また、投資有価証券評価損197百万円を特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は、447百万円(同△32.6%)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
・電子部品
自動車関連向けに受注が減少したことを主因に、モジュール製品、抵抗器等各品種総じて売上が減少し、売上高31,966百万円(前期比△15.5%)、営業利益1,455百万円(同△17.8%)となりました。
・金型・機械設備
金型はアミューズメントおよび車載向けに受注が減少したことにより、また、機械設備は設備投資の停滞により、それぞれ売上が減少したことから、売上高656百万円(同△16.3%)、営業利益19百万円(同△51.5%)となりました。
・その他
商品仕入及び不動産業等に係る事業であり、売上高435百万円(同△12.7%)、営業利益96百万円(同△13.4%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ829百万円増加し、6,849百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,046百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益558百万円、減価償却費1,087百万円に対し、売上債権が570百万円増加したものの、たな卸資産が387百万円減少し、仕入債務が471百万円増加したことが主因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は590百万円となりました。これは、固定資産の取得による支出456百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は558百万円となりました。これは、配当金の支払い251百万円、リース債務の返済による支出233百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品(百万円) |
31,894 |
△15.1 |
|
金型・機械設備(百万円) |
382 |
△41.8 |
|
合計(報告セグメント)(百万円) |
32,276 |
△15.5 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の報告セグメントに属していない「その他」に含まれる商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
その他(㈱大泉製作所商品仕入) (百万円) |
179 |
△20.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品 |
35,315 |
△4.7 |
9,561 |
+53.9 |
|
金型・機械設備 |
382 |
△41.8 |
8 |
△95.1 |
|
報告セグメント計 |
35,697 |
△5.3 |
9,570 |
+50.1 |
|
その他 |
328 |
△0.7 |
17 |
+98.4 |
|
合計 |
36,026 |
△5.3 |
9,587 |
+50.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.為替換算による差額等は、受注高に含めて調整しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品(百万円) |
31,966 |
△15.5 |
|
金型・機械設備(百万円) |
539 |
+4.1 |
|
報告セグメント計(百万円) |
32,505 |
△15.2 |
|
その他(百万円) |
319 |
△13.6 |
|
合計(百万円) |
32,825 |
△15.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
無錫夏普電子元器件㈲ |
7,251 |
18.7 |
5,035 |
15.3 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(事業全体の経営成績)
・売上高
売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響から、上期において、各品種総じて受注が落ち込んだことを主因に、前期に対し5,886百万円減少(前期比△15.2%)し、32,825百万円となりました。
・売上原価
売上原価は、売上高の減少に伴い、前期に対し5,216百万円減少(同△15.8%)し、27,792百万円となり、売上原価率は固定費および諸経費の抑制に努めたこと、ならびに材料費率の高いモジュール製品の売上高ウエイトが低下したことを主因に、84.7%と、前期(85.3%)に対し低下しました。
・販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費におきましては、減収に伴ない休業の実施や経費の抑制に努めた結果、前期に対し409百万円減少(同△8.4%)し、4,460百万円となりましたが、販管費率としては、13.6%と、前期(12.6%)に対し上昇しました。
・営業外損益(営業外収益及び営業外費用)
営業外損益の純額は82百万円の益(前連結会計年度は85百万円の益)となりました。為替差損益は、前期が為替差益19百万円に対し、当期は為替差損128百万円となりましたが、当期は貸倒懸念債権の回収に伴う貸倒引当金戻入益や雇用調整助成金などを計上しております。
・経常利益
営業利益の減少を主因に、前期に対し262百万円減少し、655百万円(前期比△28.6%)となりました。
・特別損益(特別利益及び特別損失)
特別損益の純額は96百万円の損(前期は17百万円の損)となりました。前期は特別利益、特別損失とも特段の計上はありませんでしたが、当期は特別損失として投資有価証券評価損197百万円、特別利益として保険解約返戻金135百万円を計上しております。
・税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)
税金等調整前当期純利益は、558百万円となり、前期に対し341百万円減少(前期比△37.9%)し、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した税金費用合計としては、前期に対し125百万円減少(同△52.9%)し、111百万円となりました。
税金等調整前当期純利益に対する税金費用合計の比率は、前期26.3%に対し、当期19.9%と低下しましたが、これは投資有価証券評価損および貸倒引当金の減算に伴い、それらの繰延税金資産に対する評価性引当額が減少したことが主因であります。
・親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益、特別損益(損)、税金費用の計上などから、447百万円(同△32.6%)となり、1株当たり当期純利益金額は53.47円(前期は79.24円)となりました。
(事業全体の財政状態)
・現金及び預金
受注回復に伴ない売掛債権は増加しましたが、たな卸資産の減少および仕入債務の増加分が上回り、設備投資も抑制したことから、現金及び預金は前期末に対し1,033百万円増加(前期比+14.3%)し、8,262百万円となりました。
・売上債権(受取手形及び売掛金)
売上高が増加基調となったことから、前期末に対し646百万円増加(同+8.5%)し、8,295百万円となりました。
・たな卸資産
生産の減少に伴ない、前期末に対し352百万円減少(同△6.7%)し、4,934百万円となりました。
・有形固定資産及び無形固定資産
減価償却費1,087百万円に対し、設備投資は435百万円となったことなどから、前期末に対し729百万円減少(同△7.4%)し、9,197百万円となりました。
・繰延税金資産
繰延税金資産は、法人税等調整額△27百万円(益)により増加しましたが、その他有価証券評価差益(含み益を有する銘柄のみ)の増加に伴ない、損益を通さずに計上する繰延税金負債による相殺額の増加が上回ったため、前期末に対し9百万円減少(同△0.6%)し、1,425百万円となりました。
・仕入債務(支払手形及び買掛金)
仕入債務は年度末にかけ増産基調となったことから、前期末に対し497百万円増加(同+9.0%)し、6,024百万円となりました。
・退職給付に係る負債
勤務費用と利息費用の計上により209百万円増加し、退職給付の支払いにより310百万円減少した他、未認識数理計算上の差異が58百万円発生(負債増)したことなどから、当期末の退職給付に係る負債は、前期末に対し44百万円減少(同△1.0%)し、4,586百万円となりました。
・有利子負債(短期借入金、長期借入金)
有利子負債は、前期末に比べ72百万円減少(同△0.8%)し、9,266百万円となりました。
・純資産の部
純資産の部の合計は、前期末に対し630百万円増加(同+5.0%)し、13,287百万円となりました。
純資産の部の増減の概要は次のとおりであります。
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益により447百万円増加しましたが、剰余金の配当により251百万円減少したことなどから、前期末に対し194百万円増加(同+1.5%)し、12,896百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、アジア通貨高円安により為替換算調整勘定が127百万円増加したこと、株価上昇および含み損を有していた銘柄の減損処理に伴ない、その他有価証券評価差額金が299百万円増加したことを主因に、前期末に対し436百万円増加し、390百万円(前期末は△45百万円)となりました。
(セグメントごとの経営成績等)
・電子部品
下期より自動車向けを主体に各品種とも、売上は増加基調となりましたが、上期における受注落ち込みの影響を埋め切れず、前期比減収減益となりました。
・金型・機械設備
金型はアミューズメントおよび車載向けに受注が減少したことにより、また、機械設備は設備投資の停滞により、前期比減収減益となりました。
・その他
売上高は、㈱大泉製作所製品の受注減により、前期比減収減益となりました。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、ROE6%以上を目標としております。ROEは前々期は6.2%でしたが、前期は5.2%、当期は3.5%と、目標には届きませんでした。
情報通信機器向け需要において成長に鈍化がみられるなかで、当社は、自動車の電子化の進展に伴い、安定受注で、かつ高付加価値が見込めるカーエレクトロニクス分野への製品の拡販と開発に注力しており、徐々に成果に現れてきていましたが、前期は環境規制の厳格化などによる自動車生産の世界的減速の影響を受け、当期は新型コロナウイルスの世界的感染拡大の影響を受けました。
エレクトロニクス市場におきましては、米中貿易摩擦の動向や、短期的には世界的な半導体不足による自動車生産への影響、貴金属等原材料価格の高騰などが懸念されますが、電子部品需要は増加方向にありますので、当社としましては、変革する市場ニーズにマッチした製品の提案が急務と認識しており、当社のセンサ技術、回路設計技術、無線技術の融合を図ることでIoTなどの新分野への参入に取り組んでおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが、税金等調整前当期純利益、減価償却、たな卸資産の減少および仕入債務の増加を主因に2,046百万円となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資の抑制により△590百万円に留まり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い251百万円、リース債務の返済による支出233百万円などにより、△558百万円となったことなどから、当期末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前期末に対し829百万円増加(同+13.8%)し、6,849百万円となりました。
b.財務政策
運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資などの長期資金は、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としております。
c.重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源
当期後1年間の設備投資は、総額1,500百万円を計画しておりますが、その所要資金は主として、自己資金および金融機関からの長期借入金をもって充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
新年度に入りましても、新型コロナウイルス変異株による感染再拡大が発生しておりますが、ワクチンの普及や各国の財政政策を背景に、世界経済は緩やかな回復基調に向かうものと考えており、将来長期にわたる経営環境の悪化は想定しておりません。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、電子部品事業を主体にグローバルに展開する顧客の声を第一として、市場ニーズの変化に迅速に対応し、スピーディーに新製品を送り出すため、(1)センサ・デバイス開発およびセンサ・デバイスに回路やソフトウエアを含めたトータルソリューションとしての商品展開や、各事業本部にまたがる案件のプロジェクト推進を図る開発部門、(2)既存製品の応用開発および製造技術の改善を図る当社ならびに子会社の開発部門の2組織で構成されております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(1) 電子部品
モバイル分野は、スマートフォンがコロナ禍の影響から回復基調に戻りつつあり、さらに次世代高速通信である「5G」通信への実用化が進み始めております。また、新たな成長分野としてあらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」関連分野が生産部門を中心に普及、加速しております。また、自動車分野は、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)を中心に大きな変革の時代を迎えており、特に脱炭素社会に向けて海外メーカーを中心にEVへの移行が進みはじめ、ADAS(先進運転支援システム)に代表される自動運転等の新技術が標準的に搭載されるようになり、センサや電装品の需要増加が期待されています。一方でコロナ禍の影響で、テレワーク等のコミュニケーションのデジタル化や、宅配等のサービス提供の非接触化、生産の省人化・合理化(非密化)等、世の中のDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進展し、社会・産業構造の転換が加速しております。
こうした市場環境の変化に対応すべく、当社は、市場のニーズをいち早く察知し、新規顧客の開拓と製品開発を強力に推進しております。
IoT関連商品では、429MHz帯、920MHz帯をはじめ全6種類の周波数帯を揃えた特定小電力無線モジュールのほか太陽電池と無線ネットワーク+センサをワンパッケージにした商品を製品化しています。さらに富山県立大学と共同で登山者の位置検知システム(ヤマシスト ネットワークシステム)を開発しました。携帯電話が通じない場所でも利用でき、遭難者の迅速な救助につなげることができます。登山者の持つ専用端末(ヤマシスト)が発信したGPS位置情報付きSOS信号を、検知局を配置した山小屋で受信することができます。さらに登山者捜索機能を有しており、ヤマシストを持っている登山者の意識がない状態でも、山小屋から登山者のGPS位置情報を検知することができます。また、ヤマシスト同士で、「助けが必要ですか」などの定型文をやり取りする機能もあります。なお、ヤマシストは従来品に比べ小型化(10.4×6.9×2.6)を達成し、ポケットなどに入れて持ち運びやすくなっております。
システム開発に関しては、さらに用途開発を推進し、今後とも拡大が予想されるIoT分野への用途展開を推進しております。
センサ関連では、応答速度が世界最速の容量式湿度センサを開発しました。応答速度が従来品の10秒に比べ1秒と大幅に短縮した上、大きさは2.0×2.0×1.25ミリと業界最小クラスであり、自動車のエアコンの省エネ用途やヘルスケア分野等各種分野への用途開発を図っております。また、小型で低消費電流タイプの電流センサを開発しました。センサ素子は自社開発の磁気センサを使用しております。取付け易いクリップ構造であり、既存設備にも後付け可能で、太陽光発電のストリング監視システムの他、電力の見える化等各種電流計測用に適しています。
MEMS製品では、従来品に加えて2.2×1.8×1.0ミリと超小型のフォースセンサを開発しました。小型・低背かつ出力がリニアで使いやすく、荷重の微小変化が直線的に検知できるため、調理家電やスタイラスペン等への用途に最適であり、さらに高信頼性が要求される医療用や車載用向けに対応すべく開発を推進しております。一方、従来からの主力製品である半導体圧力センサの応用展開として、給湯器や白物家電向けの省エネ対応機器用に水位センサ、2.5ミリ角と小型サイズの気圧センサを製品化しております。
圧電部品は、車載向けを中心に用途開発を強化するとともに、さらなる材料開発を行い性能向上と展開エリアの拡大を図るとともに、シミュレーション解析による応力・熱膨張・セラミック駆動・固有振動解析等による検証を積極的に導入し、開発のスピードアップを図っております。
安全部品では、独自の素材、構造によって強力なアーク抑制特性を実現した速断タイプのチップヒューズを開発しました。サイズは1608サイズの小型低背でありながら、定格電圧が75Vと高電圧です。優れた耐アーク性能により、過電流・過電圧が印加されても溶断時の発煙・発火の危険性が極めて少ないことが特長であり、高電圧が加わる二次側回路の保護や、小サイズ・低コストが求められるセンサ回路の過電流・過電圧保護に最適です。また、回路保護用にチップヒューズを製品化しております。各種電子機器に対応出来るように、1005サイズ、1608、2012をラインナップしております。
抵抗器は、信頼性が要求されるHEV、EV等の車載分野やパワーエレクトロニクス分野向けに高電力チップ抵抗器や耐サージ形高電力チップ抵抗器等の高機能チップ部品を開発し、展開しております。耐サージチップ抵抗器及び高電力チップ抵抗器は、宇宙開発用信頼性保証チップ形皮膜抵抗器として宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認定も取得しております。また、さらなる高電力の要求に対応すべく3W、5Wタイプのハイワッテージタイプもシリーズ化しました。このほか、ますます用途が拡大している電流検出用のチップ金属板抵抗器は、2012サイズの0.5W品から、11.4×6.9ミリの5W品迄を取り揃え、ラインナップを強化しております。スイッチは、洗濯機に代表される白物家電向けを主な用途とした防水型タクティールスイッチに新たにSMDタイプを追加し、ラインナップを強化しました。
新製品の開発に当たっては、大学等の公共研究機関をはじめ、ソフトウエアメーカーや材料メーカー、その他メーカーとのコラボレーションを積極的に実施し、高機能化と市場ニーズにあった製品の開発をスピーディーに推進しております。
なお、当事業に係る研究開発費は、
(2) 金型・機械設備
金型分野においても、ユーザーのプレス・成形部品の小型化、多層化、高密度化及びマルチ化等の構造的変化が著しく、これに対応すべく金型製造技術の高度化を図っておりますが、研究開発費としては金額的に重要性が乏しく区分管理は行っておりません。
(3) その他
主として仕入販売事業であり、当社グループとしては特に研究開発活動は行っておりません。