文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社は、以下に掲げる企業理念・経営ビジョン・行動指針を踏まえながら、中期経営基本方針を定めております。
企業理念
社是、社訓に謳っております“明日をつくろう”、“誠実をもって仕事に励もう”、“責任を自覚しお互いに協力しよう”、“良い製品をつくり社会の発展に尽くそう”という創業以来のモノ造りへの精神は不変です。安心、安全、便利で有益な電子部品デバイス・モジュールを開発・提供することによって、お客様に信頼され社会に貢献する企業を目指します。
経営ビジョン
当社は“世の中にないモノを生み出すことに挑戦し、モノ造りを通じてイノベーションを起こす企業、社会に貢献する企業”を目指しています。“センサ&モジュールのHOKURIKU”として従前のご要望にお応えすることはもちろんのこと、持続可能な社会の実現に向けた様々な方面からの新たなニーズや課題への対応を最優先戦略として取組むことで、今後も継続成長してまいります。
行動指針
経営とは“事業継続”であり、“事業継続”の生命線は“拡大”であると考えております。またそのために必要な最重要要素の一つが“社会から信頼され続けること”だと信じています。それは企業ブランド価値が毀損すると“拡大”の長期的展開はなし得ないからです。
当社は定めている行動憲章を遵守していくとともにコンプライアンスを徹底し誠実かつ倫理的な企業活動を推進していきます。また品質と技術に対する至誠の精神を常に忘れず、よい製品をつくるために広い視野と高い目標を持って行動していきます。更に多様性を認め様々な人材の能力発揮で組織の力を高めつつ、社会からの信頼を得られるよう“サステナビリティ経営”を推進してまいります。
中期経営基本方針
2021年度までは事業の「新・選択と集中」活動を推進し事業基盤の強化に努めてまいりました。2022年度からは、これまでの活動をベースに、さらにサステナビリティを意識した事業展開や様々な社会環境変化(トランスフォーメーション)への積極対応で事業のレジリエンスをより強化し、企業価値を一段と高めてまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
2026年度に向けた中期経営基本方針を踏まえ、2022年度から2024年度までの3ヵ年の『中期経営計画2024:Plan2024』を策定しました。中期経営計画では、「コア事業の強化」、新需要への「マーケティング強化と事業化推進」、そしてサステナビリティへの取組を軸にした「経営基盤の強化」を経営・事業戦略として、以下の具体的な施策に取り組んでおります。
①コア事業の強化
・新技術(新製品)、新顧客、新分野への販売拡大を推進
・新製品開発への継続的投資と事業ポートフォリオの最適化
・BCP及び海外生産品のグローバル再編を考慮した事業拠点の強化
②マーケティング強化と事業化推進
・自動車部品、各種センサ等のマーケティング強化
・脱炭素、EV化やDX関連の製品開発を推進
③経営基盤の強化
・コーポレートガバナンスの充実化
・サステナビリティ社会への取組みの加速
(3) 目標とする経営指標
当社グループでは、中期経営計画の目標として、2024年度に売上高460億円、営業利益28億円、ROE10%維持を目指しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
世界経済は回復傾向にあるものの、地政学的リスクの高まり、インフレの加速、中国における都市封鎖など、先行き不透明な状況が続くと予想されます。エレクトロニクス市場におきましては、資源価格の高騰に伴う原材料価格の上昇が懸念されますが、DXの広がりやEV化の進展、サステナビリティへの意識の高まりなどから電子部品需要は拡大方向にあります。
このような状況の中、当社といたしましては、自動車の電子化、機器の高機能化、IoTなどの技術革新が進む市場の変化に対応した取り組みに努めてまいります。
また、中長期的な観点においても、「コア事業の強化」、「マーケティング強化と事業化推進」、「経営基盤の強化」の3つの方針を柱とする施策を推進してまいります。
①コア事業の強化
車の電装化やEV化が進む中で、ラインナップ増、高機能化など安心、安全な社会で要求される製品の量産化を進め、抵抗器、センサ、モジュール等のコア事業はバランスよく着実に伸長させてまいります。
②マーケティング強化と事業化推進
自動車部品や各種センサ等のマーケティングを強化する目的で組織と人員を充実させるとともに、脱炭素、EV化やDX関連の製品開発をより一層推進してまいります。
③経営基盤の強化
品質重視やコンプライアンスの徹底など、ガバナンス体制を充実させるとともに、当社のマテリアリティに対する取組みを進め、サステナビリティ社会への取組みを加速させてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、次のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2022年3月31日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態および経営成績の異常な変動
①経済変動の影響
当社グループは国内外で、主として抵抗器、モジュール製品等の電子部品を製造販売しております。当社グループ製品の大部分は顧客であるメーカーに販売されるため、経済動向に左右される可能性のある顧客の生産水準が当社グループの事業に大きく影響いたします。従って、当社グループは直接あるいは間接的に日本、欧米、アジアの各市場における経済状況の影響を受ける可能性があり、各市場における景気後退などは当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②価格競争の影響
電子部品の価格は、厳しい値下げ要請や同業者間の熾烈な競争により、恒常的に低下する傾向にあり、さらに一部の製品については、中国を中心とする東アジア地域の電子部品メーカーが低労務コストを背景に低価格品を販売しており、価格競争はさらに激化すると予想されます。
これに対して当社グループは、継続的かつ積極的なコストダウンを推進し、売上の拡大や収益性の向上に努めておりますが、価格競争の一層の激化により、不測の事態が発生し、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③原材料や部品の供給による影響
当社グループは、製品の製造に使用する原材料や部品を複数のサプライヤーから調達しています。これらのサプライヤーとは、安定的な取引を行っておりますが、市況の変化による価格の高騰、品不足、品質問題、製造の中止、取引条件の変更等、原材料や部品の不足が生じる可能性があります。その場合、製造原価の上昇、生産調整さらには生産停止を招く等、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、技術革新のスピードが速く、価格競争が激しい電子部品業界に属しています。そのため、顧客からの発注及び発注見通し並びに市場動向の分析に基づき生産計画を決定していますが、想定外の市場環境の変化などにより過剰在庫が生じる可能性があります。当該過剰在庫に係る評価損の計上により業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
④技術革新の動向
当社グループが属する電子部品業界は、技術革新のスピードが速く、顧客要求の変化も頻繁であり、将来にわたって当社グループの売上高を維持・拡大していくためには、革新的な新製品の開発を適切なタイミングで実施していくことが重要となっております。
当社グループでは、新技術や新製品開発に必要な研究開発投資を積極的に行っておりますが、実行した研究開発投資は必ずしも将来の売上高ならびに収益向上に結びつくとは限らず、また、急速な技術革新に当社が遅れをとった場合、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤急激な外国為替および株価の変動
当社グループの当連結会計年度の海外売上高の割合は、54.2%(前期は54.4%)と高水準にあり、為替変動の影響を強く受けております。このため、為替予約および外貨建仕入の増加策等によるリスクヘッジを行っておりますが、これにより当該リスクを完全に回避できる保証はありません。
また、当社グループでは時価のある有価証券を保有しており、株価の下落や低迷により、有価証券の減損が必要となるリスクがあります。
これらのリスクにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥減損会計の適用
今後、減損の兆候がある資産グループについて、将来のキャッシュ・フローにより固定資産の簿価を回収できないと判断される場合には、減損損失の計上により、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦税務に関するリスク
当社グループは、国外に製造拠点、販売拠点を有しており、グループ会社間の取引も多く発生しております。グループ会社間の国際的な取引価格に関しては、適用される各国の移転価格税制等の観点からも適切な取引価格となるよう留意しております。しかしながら、税務当局または税関当局との見解の相違等により、取引価格が不適切であるとの指摘を受け追加の税負担が生じる可能性があります。
また、繰延税金資産については、実現可能と見込まれる利益計画およびそれに基づく将来の課税所得の見込みにより、回収可能性の評価を行っております。将来において利益計画が実現できない場合等に、繰延税金資産に対する評価性引当額の積み増しが必要となり、当社グループの当期純利益および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の取引先、製品、技術等への高い依存度
①モジュール製品の動向
液晶コントロールモジュールを主体とするモジュール製品の販売は、回路設計技術、高密度実装技術を背景として顧客の開発段階から参入し、資材調達、製造も含めた総合的な製品力を持って拡販するため、経営資源(人、物、金)投入の観点から、特定の顧客への依存度が高くなっております。
モジュール製品の当連結会計年度の売上高は19,804百万円(前期は15,354百万円)、連結売上高に占める割合は49.0%(前期は46.8%)であります。
モジュール製品は電子部品であり、消費者が使用する最終製品ではないため、その需要は、将来の予測できない顧客のパフォーマンスあるいはその市場の変化によって変動し、業績および財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
②新製品の拡販
当社グループは、成長分野であるカーエレクトロニクス、IT関連をターゲットに、MEMSセンサ、小型湿度センサ、超薄型圧電積層素子、極小チップ部品、無線モジュールなどの新製品の拡販を図っております。
当社グループの製品は主に電子部品であり、消費者が使用する最終製品ではないため、電子部品を使用して最終製品を作る顧客の動向およびその市場の変化に大きく影響を受けます。また、新製品開発では同業他社と激しい競争を行っており、同業他社が当社より優位な製品を先駆けて販売する可能性もあります。
上記リスクをはじめとして、将来、当社グループが予測していない状況変化が生じ、新製品の拡販が未達となった場合、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3) 中国依存度の高まり
当社グループは、中国を有望な成長市場として、また、コスト・納期面で有利な海外生産拠点として、事業戦略に位置づけておりますが、政治・社会・経済情勢に変化が起こった場合あるいは予期せぬ災害等が発生した場合、業績に悪影響を与える可能性があります。
(4) 製造物責任に係るリスク
当社グループは、技術革新著しいエレクトロニクス業界における顧客の厳しい要求に対応するため、国際品質マネジメント規格(ISO9001、IATF16949等)に従い、徹底した品質管理を行い、多様な製品を製造しておりますが、現時点での技術・管理レベルを超える事故が発生し、提供する製品に欠陥が生じる可能性があります。また、製造物賠償責任保険に加入しておりますが、賠償額を十分にカバーできる保証はありません。
当社製品に欠陥が生じ、リコールや製造物責任の追求がなされた場合は、多額のコストや当社グループに対する評価の低下を通じて、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5) 国内外の法規制等のリスク
当社グループが事業を展開する国および地域における法令または規則の重要な変更は、当社の事業展開に影響を与え、種々の費用増をもたらすことが懸念されます。また、当社グループは、環境理念として、「地球環境の保全が人類共通の重要課題の一つであることを認識し、持続可能な社会の構築に向けて、企業活動のあらゆる面で環境の保全に配慮して行動する」ことを明示していますが、環境法令・規制の強化に伴う費用の増加が懸念されます。これらのことが、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6) 気候変動・災害等のリスク
当社グループは、生産設備における定期的な災害防止検査・点検を実施しており、またBCP(事業継続計画)を策定、社員安否確認システムを構築し、緊急時の対応を定めていますが、災害などによる悪影響を完全に阻止または軽減できる保証はありません。異常気象・気候変動等による不可避的な地震や津波、台風や洪水、浸水、火山の噴火等の自然災害やそれに起因する大規模停電、電力不足および未知のウィルス感染症等によって大きな被害を受ける可能性があります。それらの影響を受け、製造中断、輸送ルート寸断、情報通信インフラの損壊等の被害が生じた場合等には、受注や供給が滞り、当社グループの事業、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 情報セキュリティにおけるリスク
当社グループは、グループ内や取引先の機密情報や個人情報を有しています。これらの情報は、グループ全体で管理体制を構築し、外部流出、破壊、改ざん等がないよう、運用管理とITセキュリティ、施設セキュリティの強化、社員教育、訓練等を実施しております。しかしながら、悪意をもった外部からの攻撃や内部の過失等により、これらの情報の流出、破壊もしくは改ざんまたは情報システムの停止等が発生する可能性があります。
このような事態が生じた場合には、信用低下、損害賠償、復旧費用等の発生、または業務の停止等により、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8) 新型コロナ感染症によるリスク
新型コロナ感染症につきましては、ワクチン接種が普及しているものの、ワクチンが効きにくく、かつ感染力や毒性が強い変異株による感染が拡大し、社会経済活動の規制が強化された場合は、当社およびサプライチェーンにおける工場稼働率の低下、部材調達および製品出荷の停滞、受注の減少等が想定されます。
また、中国におきましては、ゼロコロナ政策により、上海市などで都市封鎖が実施されましたが、今後再び主要都市で同様の規制が実施されたり、規制が長期化することも考えられます。
このような事態を想定した場合の経営成績に係る対応策、事業活動に係る対応策、特別な会議体や管理体制は明確に定まっておりませんが、具体的な対応策が策定された時点で情報提供いたします。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスのワクチン普及および大型経済対策により欧米では個人消費等が持ち直しに向かいましたが、変異株の感染拡大による供給面での制約が重しとなり、全体としては緩やかな回復となりました。
わが国におきましては、輸出や設備投資の持ち直しが見え始めたものの、変異株の感染が夏および冬に拡大したことなどから、景況は総じて停滞基調となりました。
そのような環境下、エレクトロニクス市場におきましては、中国、米国を中心とした自動車販売の回復や巣ごもり需要を背景に、電子機器生産および電子部品需要は好調な推移となりました。
こうした状況のなかで、当社グループにおきましては、付加価値率の高い新分野への拡販を図る一方、生産効率の改善を進めました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は、自動車向けを主体に受注が回復基調で推移したことから、売上高40,448百万円(前期比+23.2%)、営業利益2,075百万円(同+262.5%)、経常利益2,548百万円(同+288.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,949百万円(同+335.5%)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
・電子部品
自動車関連向け受注の回復を主因に、モジュール、センサ、コンポーネント部品等各品種売上が増加し、売上高39,508百万円(前期比+23.6%)、営業利益3,022百万円(同+107.6%)となりました。
・金型・機械設備
機械設備の外部顧客への売上が振るわなかったことを主因に、売上高680百万円(同+3.7%)、営業利益17百万円(同△9.1%)となりました。
・その他
商品仕入及び不動産業等に係る事業であり、売上高655百万円(同+50.5%)、営業利益94百万円(同△1.5%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,444百万円減少し、5,404百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は909百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益2,501百万円、減価償却費1,069百万円に対し、売上債権が2,402百万円、棚卸資産が2,712百万円、仕入債務が1,360百万円それぞれ増加したことが主因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,064百万円となりました。これは、固定資産の取得による支出1,153百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は23百万円となりました。これは、借入金の純増537百万円、配当金の支払い251百万円などによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品(百万円) |
39,898 |
25.1 |
|
金型・機械設備(百万円) |
425 |
11.1 |
|
合計(報告セグメント)(百万円) |
40,323 |
24.9 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の報告セグメントに属していない「その他」に含まれる商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
その他(㈱大泉製作所商品仕入) (百万円) |
397 |
121.4 |
(注)金額は販売価格によっております。
c.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
電子部品 |
45,934 |
30.1 |
15,987 |
67.2 |
|
金型・機械設備 |
537 |
40.4 |
132 |
1,545.3 |
|
報告セグメント計 |
46,471 |
30.2 |
16,120 |
68.4 |
|
その他 |
558 |
70.0 |
50 |
182.1 |
|
合計 |
47,030 |
30.5 |
16,170 |
68.7 |
(注)為替換算による差額等は、受注高に含めて調整しております。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
電子部品(百万円) |
39,508 |
23.6 |
|
金型・機械設備(百万円) |
412 |
△23.5 |
|
報告セグメント計(百万円) |
39,921 |
22.8 |
|
その他(百万円) |
526 |
64.6 |
|
合計(百万円) |
40,448 |
23.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
無錫夏普電子元器件㈲ |
5,035 |
15.3 |
6,766 |
16.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(事業全体の経営成績)
・売上高
売上高は、自動車向けを主体に受注が回復基調で推移したことから、前期に対し7,622百万円増加(前期比+23.2%)し、40,448百万円となりました。
・売上原価
売上原価は、売上高の増加に伴い、前期に対し5,694百万円増加(同+20.5%)し、33,486百万円となり、売上原価率は付加価値率の高い新分野への拡販および生産効率の改善を主因に、82.8%と、前期(84.7%)に対し低下しました。
・販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費におきましては、前期は休業を実施していたこと、増収に伴う物流費等の増加などから、前期に対し425百万円増加(同+9.5%)し、4,885百万円となりましたが、販管費率としては、12.1%と、前期(13.6%)に対し低下しました。
・営業外損益(営業外収益及び営業外費用)
営業外損益の純額は472百万円の益(前連結会計年度は82百万円の益)となりました。当期は前期計上した貸倒懸念債権の回収に伴う貸倒引当金戻入益や雇用調整助成金などはありませんでしたが、為替差損益が、前期が為替差損128百万円に対し、当期は為替差益392百万円となりました。
・経常利益
営業利益の増加および為替差損益の良化を主因に、前期に対し1,892百万円増加し、2,548百万円(前期比+288.7%)となりました。
・特別損益(特別利益及び特別損失)
特別損益の純額は46百万円の損(前期は96百万円の損)となりました。前期は特別損失として投資有価証券評価損197百万円、特別利益として保険解約返戻金135百万円を計上しましたが、当期は特段の計上はありませんでした。
・税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)
税金等調整前当期純利益は、2,501百万円となり、前期に対し1,942百万円増加(前期比+347.5%)し、法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額を合算した税金費用合計としては、前期に対し440百万円増加(同+395.9%)し、552百万円となりました。
税金等調整前当期純利益に対する税金費用合計の比率は、前期19.9%に対し、当期22.1%と親会社の法定実効税率30.5%に対し2期連続で大きく下回りました。前期は投資有価証券評価損および貸倒引当金の減算に伴い、それらの繰延税金資産に対する評価性引当額が減少したことが主因でしたが、当期は収益力の改善に伴い、退職給付引当金や税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産に対する評価性引当額が減少したことが主因であります。
・親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益、特別損益(損)、税金費用の計上などから、1,949百万円(同+335.5%)となり、1株当たり当期純利益金額は232.89円(前期は53.47円)となりました。
(事業全体の財政状態)
・現金及び預金
生産水準の上昇に伴い、売上債権および棚卸資産の増加が仕入債務の増加を上回り、設備投資も減価償却費を上回ったことから、現金及び預金は前期末に対し1,256百万円減少(前期比△15.2%)し、7,006百万円となりました。
・売上債権(受取手形及び売掛金)
売上高が増加基調となったことから、前期末に対し2,770百万円増加(同+33.4%)し、11,065百万円となりました。
・棚卸資産
生産水準の上昇および部材調達難を背景に、前期末に対し2,983百万円増加(同+60.5%)し、7,917百万円となりました。
・有形固定資産及び無形固定資産
減価償却費1,069百万円に対し、設備投資は1,215百万円となったことなどから、前期末に対し91百万円増加(同+1.0%)し、9,289百万円となりました。
・繰延税金資産
繰延税金資産は、法人税等調整額△155百万円(益)の計上を主因に、前期末に対し103百万円増加(同+7.2%)し、1,528百万円となりました。
・仕入債務(支払手形及び買掛金)
仕入債務は生産水準の上昇に伴い、前期末に対し1,467百万円増加(同+24.4%)し、7,491百万円となりました。
・退職給付に係る負債
勤務費用と利息費用の計上により206百万円増加し、退職給付の支払いにより352百万円減少した他、未認識数理計算上の差異が△7百万円発生(負債減)したことなどから、当期末の退職給付に係る負債は、前期末に対し151百万円減少(同△3.3%)し、4,435百万円となりました。
・有利子負債(短期借入金、長期借入金)
有利子負債は、運転資本の増加に伴う短期借入金の増加を主因に、前期末に比べ537百万円増加(同+5.8%)し、9,803百万円となりました。
・純資産の部
純資産の部の合計は、前期末に対し2,663百万円増加(同+20.0%)し、15,950百万円となりました。
純資産の部の増減の概要は次のとおりであります。
株主資本は、親会社株主に帰属する当期純利益により1,949百万円増加しましたが、剰余金の配当により251百万円減少したことなどから、前期末に対し1,715百万円増加(同+13.3%)し、14,611百万円となりました。
その他の包括利益累計額は、アジア通貨高円安により為替換算調整勘定が939百万円増加したことを主因に、前期末に対し948百万円増加し、1,338百万円(前期末は390百万円)となりました。
(セグメントごとの経営成績等)
・電子部品
自動車向け受注の回復を主因に、各品種とも前期比増収増益となりました。
・金型・機械設備
機械設備の外部顧客への売上が振るわなかったことを主因に、前期比では増収ながら減益となりました。
・その他
売上高は、㈱大泉製作所製品の受注増により、前期比では増収となりましたが、収益は若干減少しました。
(経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)
当社グループは、2022年5月10日に発表した中期経営計画におきまして、ROE10%以上を目標として掲げました。ROEは、前期は新型コロナウイルス感染拡大の影響から、3.5%に留まりましたが、当期は13.3%となりました。
当社は、自動車の電子化の進展に伴い、安定受注で、かつ高付加価値が見込めるカーエレクトロニクス分野への製品の拡販と開発に注力してきましたが、ようやく成果に現れてきました。
エレクトロニクス市場におきましては、中国のゼロコロナ政策による都市封鎖の影響や資源価格高騰に伴う貴金属等原材料価格の上昇などが懸念されますが、電子部品需要は拡大方向にありますので、当社としましては、変革する市場ニーズにマッチした製品の提案が急務と認識しており、当社のセンサ技術、回路設計技術、無線技術の融合を図ることで自動車の電子化、機器の高機能化、IoTなど技術革新が進む市場の変化への対応に取り組んでおります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローが、売上債権および棚卸資産の増加を主因に△909百万円となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは設備投資を主体に△1,064百万円となり、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い251百万円、借入金の純増537百万円などにより+23百万円となったことなどから、当期末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前期末に対し1,444百万円減少(同△21.1%)し、5,404百万円となりました。
b.財務政策
運転資金は、自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資などの長期資金は、自己資金および金融機関からの長期借入を基本としております。
c.重要な資本的支出の予定およびその資金の調達源
当期後1年間の設備投資は、総額1,400百万円を計画しておりますが、その所要資金は主として、自己資金および金融機関からの長期借入金をもって充当する予定であります。
③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
2022年4月より中国における上海市などの主要都市においてゼロコロナ政策による都市封鎖が広がったことから、自動車などの生産におけるサプライチェーンの混乱に伴い、顧客からの受注が減少するとともに、当社グループの製造販売拠点につきましても活動停止による収益の減少が避けられない見通しであります。今後も同様の事態が発生するリスクはありますが、これまでの影響につきましては、一時的なものと考えております。
また、税効果会計における税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収額の算定におきまして、将来の損益計画を使用してはおりますが、業績向上により税務上の繰越欠損金自体の水準が小さくなっており、計画に対して損益が下振れした場合の影響は限定的であります。
該当事項はありません。
当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発体制は、電子部品事業を主体にグローバルに展開する顧客の声を第一として、市場ニーズの変化に迅速に対応し、スピーディーに新製品を送り出すため、(1)センサ・デバイス開発およびセンサ・デバイスに回路やソフトウエアを含めたトータルソリューションとしての商品展開や、各事業本部にまたがる案件のプロジェクト推進を図る開発部門、(2)既存製品の応用開発および製造技術の改善を図る当社ならびに子会社の開発部門の2組織で構成されております。
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、
(1) 電子部品
ICT分野は、次世代高速通信である5G通信への普及が進み始めております。また、新たな成長分野としてあらゆるモノがインターネットにつながるIoT関連分野が生産部門を中心に普及、加速しております。また、自動車分野は、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)を中心に大きな変革の時代を迎えており、特に脱炭素社会に向けて海外メーカーを中心にEVへの移行が進みはじめ、ADAS(先進運転支援システム)に代表される自動運転等の新技術が標準的に搭載されるようになり、センサや電装品の需要増加が期待されています。一方でコロナ禍の影響で、テレワーク等のコミュニケーションのデジタル化や、宅配等のサービス提供の非接触化が進展し、更には原材料等の高騰の影響もあり、生産の省人化・合理化、間接部門の効率化等、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進展し、社会・産業構造の転換が加速しております。
こうした市場環境の変化に対応すべく、当社は、市場のニーズをいち早く察知し、新規顧客の開拓と製品開発を強力に推進しております。
IoT関連商品では、429MHz帯、920MHz帯をはじめ全6種類の周波数帯を揃えた特定小電力無線モジュールのほか太陽電池と無線ネットワーク+センサをワンパッケージにした商品を製品化しています。さらに富山県立大学と共同で登山者の位置検知システム(ヤマシストネットワークシステム)を開発しました。携帯電話が通じない場所でも利用でき、遭難者の迅速な救助につなげることができます。登山者の持つ専用端末(ヤマシスト)が発信したGPS位置情報付きSOS信号を、検知局を配置した山小屋で受信することができます。さらに登山者捜索機能を有しており、ヤマシストを持っている登山者の意識がない状態でも、山小屋から登山者のGPS位置情報を検知することができます。また、ヤマシスト同士で、「助けが必要ですか」などの定型文をやり取りする機能もあります。なお、ヤマシストは従来品に比べ小型化(10.4×6.9×2.6)を達成し、ポケットなどに入れて持ち運びやすくなっております。
システム開発に関しては、さらに用途開発を推進し、今後とも拡大が予想されるIoT分野への用途展開を推進しております。
センサ関連では、応答速度が世界最速の容量式湿度センサを開発しました。応答速度が従来品の10秒に比べ1秒と大幅に短縮した上、大きさは2.0×2.0×1.25ミリと業界最小クラスであり、自動車のエアコンの省エネ用途やヘルスケア分野等各種分野への用途開発を図っております。また、小型で低消費電流タイプの電流センサを開発しました。センサ素子は自社開発の磁気センサを使用しております。取付け易いクリップ構造であり、既存設備にも後付け可能で、太陽光発電のストリング監視システムの他、電力の見える化等各種電流計測用に適しています。
MEMS製品では、従来品に加えて2.2×1.8×1.0ミリと超小型のフォースセンサを開発しました。小型・低背かつ出力がリニアで使いやすく、荷重の微小変化が直線的に検知できるため、調理家電やスタイラスペン等への用途に最適であり、さらに高信頼性が要求される医療用や車載用向けに対応すべく開発を推進しております。一方、従来からの主力製品である半導体圧力センサの応用展開として、給湯器や白物家電向けの省エネ対応機器用に水位センサ、2.5ミリ角と小型サイズの気圧センサを製品化しております。
圧電部品は、車載向けを中心に用途開発を強化するとともに、さらなる材料開発を行い性能向上と展開エリアの拡大を図っております。加えて、シミュレーション解析による応力・熱膨張・セラミック駆動・固有振動解析等による検証を積極的に導入し、開発のスピードアップを図っております。
安全部品では、独自の素材、構造によって強力なアーク抑制特性を実現した速断タイプのチップヒューズを開発しました。サイズは1608サイズの小型低背でありながら、定格電圧が75Vと高電圧です。優れた耐アーク性能により、過電流・過電圧が印加されても溶断時の発煙・発火の危険性が極めて少ないことが特長であり、高電圧が加わる二次側回路の保護や、小サイズ・低コストが求められるセンサ回路の過電流・過電圧保護に最適です。また、回路保護用にチップヒューズを製品化しております。各種電子機器に対応出来るように、1005、1608、2012の各サイズをラインナップしております。更に、静電気放電の回路保護素子として、表面実装タイプのESDプロテクタを製品化しました。1005、1608,2012サイズを取り揃えております。
抵抗器は、信頼性が要求されるHEV、EV等の車載分野やパワーエレクトロニクス分野向けに高電力チップ抵抗器や耐サージ形高電力チップ抵抗器等の高機能チップ部品を開発し、展開しております。耐サージチップ抵抗器及び高電力チップ抵抗器は、宇宙開発用信頼性保証チップ形皮膜抵抗器として宇宙航空研究開発機構(JAXA)の認定も取得しております。また、さらなる高電力の要求に対応すべく3W、5Wタイプのハイワッテージタイプもシリーズ化しました。このほか、ますます用途が拡大している電流検出用のチップ金属板抵抗器は、2012サイズの0.5W品から、11.4×6.9ミリの5W品迄を取り揃えております。スイッチは、洗濯機に代表される白物家電向けを主な用途とした防水型タクティールスイッチに新たにSMDタイプを追加し、ラインナップを強化しました。
新製品の開発に当たっては、大学等の公共研究機関をはじめ、ソフトウエアメーカーや材料メーカー、その他メーカーとのコラボレーションを積極的に実施し、高機能化と市場ニーズにあった製品の開発をスピーディーに推進しております。
なお、当事業に係る研究開発費は、
(2) 金型・機械設備
金型分野においても、ユーザーのプレス・成形部品の小型化、多層化、高密度化及びマルチ化等の構造的変化が著しく、これに対応すべく金型製造技術の高度化を図っておりますが、研究開発費としては金額的に重要性が乏しく区分管理は行っておりません。
(3) その他
主として仕入販売事業であり、当社グループとしては特に研究開発活動は行っておりません。