第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、米国や欧州において内需の回復により、緩やかな景気回復が続き、国内では企業収益の改善傾向が見られた一方で、中国経済の成長率鈍化や、原油価格の下落による資源国経済の低迷など、先行き不透明な状況が続いております。

このような環境の下、企業価値である「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」を実現するため、社会の安全・安心に貢献出来るソリューション型商品・システムの提案や、コンサルティングなど新たな価値を付加したビジネスモデルの構築などに注力してまいりました。また、世界5地域において、地域のニーズに合致した商品を投入し、販売網を拡大いたしました。

当期の売上高は45,840百万円(前年同期比+688百万円、1.5%増)となりました。利益については原価率の上昇や販売費及び一般管理費の増加などにより営業利益は3,638百万円(前年同期比△601百万円、14.2%減)となりました。経常利益は3,623百万円(前年同期比△1,101百万円、23.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,093百万円(前年同期比△853百万円、29.0%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(日本)

売上高は28,399百万円(前年同期比△593百万円、2.0%減)、セグメント利益(営業利益)は5,258百万円(前年同期比△753百万円、12.5%減)となりました。

オフィスビル向けや、交通市場向けの売上高は増加しましたが、セキュリティ商品の販売が減少したことや、自治体向け減災・防災関連市場での販売が翌期以降にずれ込んだ影響を受け、売上高は減少しました。減収となったことに加え、為替円安による原価率の上昇などにより、セグメント利益は減少しました。

 

(アメリカ)

売上高は3,941百万円(前年同期比+471百万円、13.6%増)、セグメント利益(営業利益)は94百万円(前年同期比+47百万円、103.0%増)となりました。

BGM市場向けに卓上アンプの売上高が増加しました。また、アメリカや中米の官公庁向けに、インターカムの売上高が伸長した他、ワシントン地下鉄などの車両内コミュニケーションシステムの販売が堅調に推移し、売上高、セグメント利益は増加しました。

 

(欧州・中東・アフリカ)

売上高は5,109百万円(前年同期比△114百万円、2.2%減)、セグメント利益(営業利益)は489百万円(前年同期比△175百万円、26.4%減)となりました。

フランスでスポーツ関連施設向けや、中東で官公庁向けの放送設備の売上高は増加しましたが、ユーロ安による邦貨換算後の売上高の目減りや、原価率の上昇などにより、売上高、セグメント利益は減少しました。
 ベネルクスでの販売拡大を図るため、オランダに販売拠点を設立いたしました。

 

(アジア・パシフィック)

売上高は6,316百万円(前年同期比+590百万円、10.3%増)、セグメント利益(営業利益)は784百万円(前年同期比+33百万円、4.5%増)となりました。

インドネシアを中心に地域商品の売上高が増加し、ベトナムでは販路拡充により売上高が伸長しました。タイやマレーシアでの販売も堅調に推移し、売上高、セグメント利益は増加しました。

 

(中国・東アジア)

売上高は2,073百万円(前年同期比+334百万円、19.3%増)、セグメント利益(営業利益)は422百万円(前年同期比+124百万円、41.7%増)となりました。

中国で商業施設や学校向けに、地域商品のネットワークを介した放送システムの販売が増加しました。また、香港での売上高が伸長したことに加え、為替円安の影響もあり、売上高、セグメント利益は増加しました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は17,913百万円となり、前連結会計年度末に比べ318百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益による増加3,623百万円、減価償却費932百万円、売上債権の減少額1,259百万円、たな卸資産の減少額105百万円、仕入債務の減少額△793百万円、法人税等の支払額△1,400百万円などにより、営業活動による資金の増加は2,955百万円となりました。

前連結会計年度との比較では、売上債権の減少による資金の増加が2,371百万円多かったものの、仕入債務の減少による資金の減少が1,338百万円多かったこと、税金等調整前当期純利益が1,144百万円少なかったことなどにより、329百万円の収入の減少となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

生産設備や本社設備の取得による資金の減少859百万円などにより、投資活動による資金の減少は987百万円となりました。

前連結会計年度との比較では、有形固定資産の売却による収入が168百万円少なかったこと、事業譲受による支出94百万円があったこと、有形固定資産の取得による支出が63百万円多かったことなどにより、391百万円の支出の増加となりました

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払1,047百万円などにより、財務活動による資金の減少は1,210百万円となりました。

前連結会計年度との比較では、短期借入金の増加額が188百万円少なかったこと、配当金の支払額が101百万円多かったことなどにより、289百万円の支出の増加となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

13,449

△4.4 

アメリカ

1,533

+54.8

欧州・中東・アフリカ

499

△6.3

アジア・パシフィック

6,596

+0.9

中国・東アジア

3,962

+1.7

合計

26,040

+0.1

 

(注) 金額は製造原価ベース(消費税等別)によって記載しております。

 

(2) 受注状況

当社は製品の性質上、原則として見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

28,399

△2.0

アメリカ

3,941

+13.6

欧州・中東・アフリカ

5,109

△2.2

アジア・パシフィック

6,316

+10.3

中国・東アジア

2,073

+19.3

合計

45,840

+1.5

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

3 【対処すべき課題】

当社は、昭和9年の創業以来、音と映像の専門メーカーとして着実に成長を続けてきました。このたび、企業価値をあらたに「Smiles for the Public――人々が笑顔になれる社会をつくる――」と定め、人々の集まりである「Public(社会)」に対し、「安心・信頼・感動」という価値をご提供することで、満足を超えた人々の笑顔の実現を目指します。音と映像の強みを活かし、人命を守り、地域コミュニティを活性化し、人々がより幸福を感じる場面を創造します。とりわけ災害発生時における「音の報せる力」を競争力の核とし、社会の安全・安心に貢献する事業展開を行います。

グローバル展開において、当社はこれまで世界を5つの地域に分け、地域ごとに地産地消のビジネスモデルを推進してまいりました。本中期経営基本計画では、それをさらに加速させ、地域ごとに事業としての自立を見据えた「世界に5つのTOA」の姿を目指します。ビジネスのあり方においては「ハードからサービスへ」の変革を行います。よい製品の供給だけに留まらず、付帯するソフトウェアやサービスなどを付加したソリューション型ビジネスを強化し、お客さまに認めていただける新しい価値を継続的に創造・提供し、継続的な利益につながるビジネスモデルを構築します。こうした成長と変革により、当社は「人々の社会生活にかけがえのない価値を提供する強い会社」であり続けることを目指します。

 

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

 

基本方針の内容の概要は次のとおりとしております。

 

① 基本方針の内容の概要

 

当社は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者の大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきものであると考えます。したがいまして、当社取締役会としては、株主の皆さまの判断に資するために、大規模買付行為に関する情報が大規模買付者から提供された後、これを評価・検討し、取締役会としての意見を取りまとめて開示することが必要と考えます。また、必要に応じて、大規模買付者と交渉したり、株主の皆さまへ代替案を提示することも必要と考えます。

今後当社株式に対して企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するような大規模買付行為がなされる可能性は否定できず、大規模買付行為が発生した場合に、株主の皆さまのために必要な情報や時間を確保する重要性は他社となんら変わらないことから、当社取締役会は事前の対応策の導入が必要であると考えます。

 

 

② 取組みの具体的な内容の概要

(ⅰ)会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

 

当社は昭和9年の創業以来、業務用・プロ用の音響設備とセキュリティ設備の専門メーカーとして、神戸の地から120ヵ国を超える世界の国々へ商品を送り続けてきました。TOAグループでは、長年培った技術力やノウハウを武器に、商品の企画・開発から生産、販売、運営に至るまでの業務を一貫して手掛けています。“音”や“安全”を通じ、快適な暮らしを皆さまにお届けできるよう、音響、映像、ネットワークなどの分野でさらに技術力を高め、より良い商品を作り続けてまいります。

音響事業では、駅やデパートのアナウンス設備や、コンサートホールのアンプ・スピーカーなど、多彩な音響機器を通じて快適な日常を支えています。例えば、高度な音響システム技術が必要な空港の放送設備です。国内ではトップシェアを獲得し、海外でも多くの空港への納入実績があります。

セキュリティ事業では、防犯カメラシステムを中心とした防犯機器を扱っています。治安の悪化に伴い、防犯機器の需要は銀行や商店などから、街頭、マンション、学校などへと広がりつつあります。社会の安全を支えるこの分野を、当社では成長事業と位置付けています。

当社および当社グループは、今後も中長期的な視野に立ち、変革を続けていく中で、変えてはならない当社の技術力とモノづくりへのこだわりの継承を大きな強みとして、技術力の拡大、蓄積、創造をかさね、クオリティの高い製品とサービスを提供し、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。

 

(ⅱ)基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 

当社取締役会は、大規模買付行為が、一定の合理的なルールに従って行われることが、当社の企業価値・株主共同の利益に合致すると考え、次のとおり事前の情報提供に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」という。)を設定することといたしました。

 

大規模買付ルールの概要は次のとおりであります。

(イ)情報の提供

大規模買付者は、大規模買付行為の前に、当社取締役会に対して予定する大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報(以下、「本必要情報」という。)を提供していただきます。

 

(ロ)取締役会による評価と意見の公表

当社取締役会は、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した後、最大60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または最大90日間(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」という。)として設け、その取締役会評価期間を公表し、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。

 

(ハ)独立委員会の設置

本対応方針において、大規模買付者が当社取締役会に提供すべき情報の範囲の決定、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しているか否かの認定、大規模買付行為が企業価値・株主共同の利益を著しく損なうか否かの認定、対抗措置の要否およびその内容の決定等については、その客観性、公正性および合理性を担保するため、当社は、取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置します。当社取締役会は、かかる独立委員会に対して上記の問題を必ず諮問することとし、独立委員会は、諮問を受けた事項について審議し、その結果に応じて、当社取締役会に対して必要な勧告をすることとします。

当社取締役会は、対抗措置の発動または不発動について決議を行うに際して、必ず独立委員会の勧告手続を経なければならないものとし、かつ、独立委員会による勧告を最大限尊重するものとします。

 

大規模買付行為がなされた場合の対応方針の概要は次のとおりであります。

(イ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守する場合

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守する場合、当社取締役会は、大規模買付者から提供を受けた情報を総合的に考慮・検討した結果、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に資すると判断したときは、その旨の意見を表明します。他方、当該大規模買付行為に疑義や問題点があると考えたときは、当該買付提案について反対意見を表明し、または、代替案を提案します。これらの場合には、当社取締役会は、当社株主の皆さまに対して、当該買付提案に対する諾否の判断に必要な判断材料を提供させていただくにとどめ、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、当社株主の皆さまにおいて、当該買付提案および当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮のうえ、ご判断いただくことになります。

もっとも、大規模買付ルールが遵守された場合であっても、当社取締役会において、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当であると判断したときには、当社取締役会は当社株主の皆さまの利益を守るために、当該大規模買付行為に対する対抗措置として無償割当てによる新株予約権を発行する場合があります。かかる場合の判断においては、外部専門家等および監査役の意見を参考に提供された本必要情報を十分に評価・検討したうえ、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。

 

(ロ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、無償割当てによる新株予約権の発行を内容とする対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。なお、対抗措置の発動を決定後に、大規模買付者が買付ルールを遵守する旨を表明した場合は、対抗措置の発動を取り消します。

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否かの認定および対抗措置の発動の適否・内容については、外部専門家等の助言および監査役の意見も参考にしたうえで、独立委員会の勧告を最大限尊重し、当社取締役会が決定します。

 

③ 取組みの具体的な内容に対する当社取締役会の判断およびその理由

 

(ⅰ)買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること

本対応方針は、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(1.企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、2.事前開示・株主意思の原則、3.必要性・相当性の原則)を完全に充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に関する議論も踏まえた内容となっており、合理性を有するものです。

 

(ⅱ)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

本対応方針は、大規模買付行為がなされた際に、大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆さまが判断し、あるいは取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆さまのために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるという目的をもって導入されるものです。

 

(ⅲ)株主意思を重視するものであること

本対応方針は、株主の皆さまのご意思を確認させていただくため、平成20年6月27日開催の第60回定時株主総会において承認可決されており、その後も、3年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会ごとに、継続の可否について承認を得るものとします。また、本対応方針は、有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により廃止することが可能です。このように、本対応方針には、株主の皆さまのご意思が十分に反映されることとなっております。

 

(ⅳ)合理的な客観的要件の設定

本対応方針は、大規模買付者による買付提案に応じるか否かが、最終的には株主の皆さまの判断に委ねられるべきであることを原則としており、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ対抗措置が発動されないように設定されております。このように、本対応方針は取締役会による恣意的な対抗措置の発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

 

 

(ⅴ)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、本対応方針の導入にあたり、取締役会または取締役の恣意的判断を排除し、株主の皆さまのために、対抗措置の発動および本対応方針の廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会を設置します。

実際に当社に対して大規模買付行為がなされた場合には、独立委員会が、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれがあるか否か等を評価、検討し、取締役会に対して勧告を行い、取締役会はその勧告を最大限尊重して決議を行うこととします。このように、独立委員会によって、取締役会の恣意的行動を厳しく監視するとともに、その判断の概要については株主の皆さまに情報開示をすることとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資する範囲で本対応方針の透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

 

(ⅵ)デッドハンド型買収防衛策ではないこと

本対応方針は、株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、大規模買付者が、自己の指名する取締役を株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本対応方針を廃止することが可能です。

したがって、本対応方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 当社グループの事業活動のリスクについて

当社グループは国内市場の販売力の強化に加えて、海外市場の開拓を積極的に進めております。当社グループの海外売上高はアメリカ4,268百万円、欧州・中東・アフリカ5,115百万円、アジア・パシフィック6,607百万円、中国・東アジア2,838百万円であり、これらの情報は、「第5 経理の状況」にあります(セグメント情報等)の関連情報として開示しております。また、当社グループの事業の製造・生産においては、生産子会社をインドネシア、台湾、ベトナム、中国に配置し、海外生産を拡大しております。これらの海外での事業活動において、各地域、各国の経済状況、為替変動の影響を受けております。

また、当社グループの事業では、新規製品を継続的に市場に投入していく必要があるため、研究開発力が経営の重要な要素となっております。そのため、将来の企業成長は主に新製品の開発の成果に依存する部分があります。

したがって、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として海外における景気変動、通貨価値の変動、海外各国の政治情勢、法制度、研究開発の成果などに起因すると考えられます。これらの変動は当社グループの経営成績と財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外活動にかかるリスクについて

当社グループは海外市場の開拓と海外生産を積極的に進めているため、海外各国における次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

① 海外各国、地域における景気後退や、それに伴う需要の縮小

② 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

③ 社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響

④ 不利な政治的要因の発生

⑤ テロ、戦争などによる社会的混乱

 

 

(3) 為替リスクについて

当社グループでは、海外生産子会社への生産移管、現地での原材料・部品調達を拡大し、構造的対応を図ることにより、保有する債権及び債務の為替リスクに対して、機動的に対処しております。しかしながら、予想外の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績と財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 研究開発活動および人材育成にかかるリスクについて

当社グループの連結売上高には新製品売上が毎期含まれております。当社グループが展開する市場においては新製品を継続的に投入していく必要があり、当期の一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費は2,887百万円、連結売上高に対して、約6%の投入を行っております。

しかしながら、研究開発の成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクが存在いたします。

また、当社グループの企業成長のためには特に研究開発に係る有能な人材に依存しますので、技術スキルの高い人材の確保と育成、並びに研究成果の適正な評価が重要となっております。このような人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの企業成長、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 訴訟等にかかるリスクについて

当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続の対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについては当社グループの法務部門が一括して管理しており、必要に応じて取締役会及び監査役会に報告する管理体制となっております。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 大規模災害にかかるリスクについて

当社グループは地震をはじめとする大規模災害に対し、生産面、資金面、情報システム面などから対策を進めておりますが、予想外の大規模災害が発生した場合には、原材料の調達、商品の生産や供給などに支障をきたし、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、①セキュリティ&セーフティ、②インフォメーション&コミュニケーション、③プロフェッショナルオーディオを事業領域とするメーカーとして、顧客ニーズを先取りし、高品質かつ自然や社会環境にも配慮した独創的な商品作りを目指し、音響、映像分野に加え、無線やネットワークなど通信関連の技術分野を中心に基礎技術、応用技術の研究及び新商品の開発を行っております。

これらの研究開発活動における開発関連部門の人員は当連結会計年度末現在で275名であります。また、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、2,887百万円であります。

なお、これらの研究開発活動は全報告セグメントを対象とするものであり、その成果として、当連結会計年度に発売した主な新商品は以下のとおりです。

・中国市場向けに、ネットワークを介して音声をやり取りする「ネットワークPAシステム」を発売いたしました。既存放送設備にネットワーク用インターフェイスを組み込むことで、専用ソフトウェアをインストールしたパソコンやタブレットから音声放送の制御が可能となることに加えて、ソフトウェア上で設備の状態監視が可能となり従来より施工性・メンテナンス性が向上いたしました。

・北米市場向けに、火災以外の災害用緊急放送システムで必須とされるUL規格を取得した「非常用スピーカー」を発売いたしました。屋外向けと屋内向けの2機種を同時発売、UL規格認証スピーカーの設置を必須とする案件に幅広く対応いたします。屋外向けホーンスピーカーは、難燃性の素材を使用し、使用温度範囲が広く(-40℃~+66℃)、過酷な気象環境下でも明瞭度の高い音声伝達が可能です。また、屋内向けボックススピーカーは、最小限に抑えた奥行きが室内建築意匠になじみ、金属製の筐体で耐火性、耐衝撃性に優れています。

・アセアン諸国向けに「非常用放送設備」関連商品を拡充し、モニターパネルやアンプ切替パネル等9機種を発売いたしました。既に発売済のパワーアンプパネル等と組み合わせることで、よりニーズに応じた柔軟なシステム設計を行うことが出来ます。非常用放送設備において日本で高いシェアを有する当社グループの技術を活かし、火災時など緊急時における避難誘導放送をスムーズに行うことが可能です。

・商業施設や公共施設での定時放送・注意喚起・案内放送の用途に適した録音・再生可能な「デジタルアナウンスマシン」を発売いたしました。設定ソフトウェアを使用して簡単に音源書き換え・設定・制御ができます。付属のメモリーカードにチャイムやウエストミンスターなどのプリセット音源を収録しています。別売のラックマウント金具を使用すれば、EIA規格に適合するラックに取付けることができます。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

売上高は45,840百万円(前年同期比+688百万円、1.5%増)となりました。

日本国内では、オフィスビル向けや、交通市場向けの売上高は増加しましたが、セキュリティ商品の販売が減少したことや、自治体向け減災・防災関連市場での販売が翌期以降にずれ込んだ影響を受け、売上高は減少しました。

海外におきましては、アメリカ地域では、BGM市場向けに卓上アンプの売上高などが増加しました。欧州・中東・アフリカ地域では、ユーロ安により邦貨換算後の売上高は減少しました。アジア・パシフィック地域では、ベトナムでの販売が伸長しました。中国・東アジア地域では、中国国内でネットワークを介した放送システムの販売が増加しました。

 

② 営業利益

原価率の上昇や販売費及び一般管理費の増加などにより営業利益は3,638百万円(前年同期比△601百万円、14.2%減)となりました。

 

③ 経常利益

為替相場の変動による為替差損が増加したことなどにより、営業外収益は、前連結会計年度に比べ293百万円減少し、営業外費用は、前連結会計年度に比べ206百万円増加しました。

これらの結果、経常利益は3,623百万円(前年同期比△1,101百万円、23.3%減)となりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における特別損益の発生はありませんでした。

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ1,144百万円減少し、3,623百万円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は2,093百万円(前年同期比△853百万円、29.0%減)となりました。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末における資産総額は52,865百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,505百万円の減少となりました。これらの要因は、売上債権の減少、たな卸資産の減少などによります。負債総額は11,292百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,706百万円の減少となりました。これらの要因は、仕入債務の減少、未払法人税の減少などによります。また、純資産につきましては41,572百万円となり、前連結会計年度末に比べ200百万円の増加となりました。これらの要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によって利益剰余金が増加したことなどによります。

当社及び子会社における資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金、研究開発費が主なものであり、内部資金のほか、間接調達により十分な資金枠を確保しております。また、当社は複数の金融機関とコミットメントライン(特定融資枠契約)を締結しております。これらは、大きく変動する市場環境のなかで、事業成長のための資金需要に迅速に対応するためのものであります。

 

(3) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」の「(2) キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照ください。