第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、国内では企業収益の持ち直しが継続し、欧州では景気の回復が見られた一方、米国新政権の動向や中東、アジアにおける地政学的リスクの高まりに加え、為替変動など先行き不透明な状況が続いております。

このような環境の下、企業価値である「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」を実現するため、社会の安全・安心に役立てる製品やサービスの創造に注力しております。国内では「音の報せる力」を競争力の核に、防災用に特化したスピーカーなど、お客さまの環境や用途に応じた製品の開発に努め、セキュリティ事業では「遠隔見守りサービス」の提供を開始いたしました。また、世界5地域での開発・生産・販売の推進をさらに加速させ、各国や成長市場への新商品の投入と販売網拡大による事業拡大を図ってまいりました。

当期の売上高は42,504百万円(前年同期比△3,336百万円、7.3%減)となりました。営業利益は2,935百万円(前年同期比△703百万円、19.3%減)となりました。経常利益は3,040百万円(前年同期比△582百万円、16.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,750百万円(前年同期比△342百万円、16.4%減)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(日本)

売上高は27,439百万円(前年同期比△960百万円、3.4%減)、セグメント利益(営業利益)は4,966百万円(前年同期比△291百万円、5.5%減)となりました。

減災・防災用に好評を頂いている「ホーンアレイスピーカー」や、新たにラインアップに加えた「防災用スリムスピーカー」の自治体向け販売が伸長した他、教育市場向けに非常用業務用放送設備の売上高が増加しました。また、屋外ドームカメラ一体型レコーダー「タウンレコーダー」の販売は好調でしたが、セキュリティ商品全体では売上高が減少したことや、駅舎や鉄道車両などの交通市場向け商品の売上高が減少した影響を受け、売上高、セグメント利益は減少しました。

 

(アメリカ)

売上高は3,140百万円(前年同期比△800百万円、20.3%減)、セグメント利益(営業利益)は△16百万円(前年同期比△110百万円)となりました。

北中米で官公庁や教育市場向けの売上高は増加しましたが、アメリカの鉄道車両向けで、受注済案件の納期変更などにより、売上高、セグメント利益は減少しました。

 

(欧州・中東・アフリカ)

売上高は4,377百万円(前年同期比△731百万円、14.3%減)、セグメント利益(営業利益)は345百万円(前年同期比△144百万円、29.5%減)となりました。

アフリカでは販路拡充や空港向け大口販売に伴い売上高は増加しましたが、欧州や中東、ロシアで減収となったことに加え、円高・ユーロ安の影響などにより、売上高は減少しました。また、欧州での販路拡充に向けた販管費増加などにより、セグメント利益は減少しました。

 

(アジア・パシフィック)

売上高は6,042百万円(前年同期比△273百万円、4.3%減)、セグメント利益(営業利益)は739百万円(前年同期比△45百万円、5.8%減)となりました。

ベトナムで官公庁や教育市場、商業施設向けの売上高が増加し、インドネシアでの販売は堅調に推移しましたが、タイでの販売が伸び悩んだことや、為替円高による売上高の目減りにより、売上高、セグメント利益は減少しました。

 

 

(中国・東アジア)

売上高は1,503百万円(前年同期比△569百万円、27.5%減)、セグメント利益(営業利益)は299百万円(前年同期比△123百万円、29.2%減)となりました。

商業施設向けの放送設備を中心に台湾での販売は堅調に推移した他、中国では商業施設向けに大口の販売がありましたが、官公庁や教育市場向けの売上高が伸び悩んだことなどにより、売上高、セグメント利益は減少しました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は19,161百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,248百万円の増加となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

税金等調整前当期純利益による増加額3,040百万円、減価償却費885百万円、売上債権の増加額△230百万円、たな卸資産の増加額△268百万円、仕入債務の増加額368百万円、法人税等の支払額△813百万円などにより、営業活動による資金の増加は3,040百万円となりました。

前連結会計年度との比較では、売上債権の増加による資金の減少が1,489百万円多かったものの、仕入債務の増加による資金の増加が1,162百万円多かったこと、法人税等の支払額が586百万円少なかったことなどにより、84百万円の収入の増加となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

生産設備や本社設備の取得による資金の減少638百万円などにより、投資活動による資金の減少は642百万円となりました。

前連結会計年度との比較では、有形固定資産の取得による支出が274百万円少なかったこと、前連結会計年度にあった事業譲受による支出94百万円が当連結会計年度には無かったことなどにより、344百万円の支出の減少となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

配当金の支払745百万円などにより、財務活動による資金の減少は796百万円となりました。

前連結会計年度との比較では、短期借入金の増加額が124百万円多かったこと、配当金の支払額が302百万円少なかったことなどにより、414百万円の支出の減少となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

13,363

△0.6

アメリカ

903

△41.1

欧州・中東・アフリカ

310

△37.8

アジア・パシフィック

5,938

△10.0

中国・東アジア

3,587

△9.5

合計

24,103

△7.4

 

(注) 金額は製造原価ベース(消費税等別)によって記載しております。

 

(2) 受注状況

当社は製品の性質上、原則として見込生産を行っております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

27,439

△3.4

アメリカ

3,140

△20.3

欧州・中東・アフリカ

4,377

△14.3

アジア・パシフィック

6,042

△4.3

中国・東アジア

1,503

△27.5

合計

42,504

△7.3

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

3 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

 (1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「プロの厳しい基準にかなう高い専門性を追求し、徹底した市場細分化と創造的な商品開発により、人間社会の《音によるコミュニケーション》に貢献する国際企業をめざす」という企業目的のもとで、

・顧客が安心して使用できる商品をつくる。

・取引先が安心して取引きできるようにする。

・従業員が安心して働けるようにする。

の「三つの安心」を経営基本方針として、創業以来一貫して、事業を進めてまいりました。また、当社グループは社会の公器として、顧客・株主・取引先・従業員など、すべてのステークホルダーの信頼と期待にお応えできるよう日々、経営を行っております。

 

 (2) 目標とする経営指標

当社は、主な経営指標として、ROE(自己資本当期純利益率)を活用しております。収益構造の変革、コストダウン、資産の効率的運用などによりその向上を図り、株主価値の一層の向上を目指して行きます。

 

 (3) 会社の経営環境、経営戦略と対処すべき課題

今後の世界経済は、中国経済の減速懸念や、中東、アジアにおける地政学的リスクの高まりが見られるなど、依然として厳しい情勢で推移することが予想されます。

次期は、3年間の「中期経営基本計画」の最終年度にあたります。企業価値を「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」と定め、人々の集まる社会に対し、「安心・信頼・感動」という価値をご提供することで、満足を超えた笑顔の実現を目指しています。

グローバル展開においては、世界を5つの地域に分け、地域ごとに地産地消のビジネスモデルを推進し、事業としての自立を見据えた「世界に5つのTOA」の姿を目指しています。事業拡大が進むアジア・パシフィック地域をモデルケースとし、これを他地域においても展開していくことを推進していきます。また、連結経営管理体制の強化のため、グローバル・マネジメント・システム(GMS)を導入し、迅速な意志決定を図ってまいります。次年度中に当社の海外販売拠点の90%をカバーいたします。ビジネスのあり方においては「ハードからサービスへ」の変革を行います。よい製品の供給だけに留まらず、付帯するソフトウェアやサービスなどを付加したソリューション型ビジネスを強化し、お客さまに認めていただける新しい価値を継続的に創造・提供し、継続的な利益につながるビジネスモデルを構築します。当期において新たに開始した、新型タウンレコーダーを用いたサービスを先行事例とし、この拡大を図るとともに、新たなサービスを継続して市場導入してまいります。

こうした成長と変革により、当社は「人々の社会生活にかけがえのない価値を提供する強い会社」であり続けることを目指します。

 

なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

 

基本方針の内容の概要は次のとおりとしております。

 

① 基本方針の内容の概要

 

当社取締役会は、上場会社として当社株式の自由な売買を認める以上、当社の取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。特定の者の大規模買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株式を保有する当社株主の皆さまの判断に委ねられるべきものであると考えます。従いまして、当社取締役会としては、株主の皆さまの判断に資するために、大規模買付行為に関する情報が大規模買付者から提供された後、これを評価・検討し、取締役会としての意見を取りまとめて開示することが必要と考えます。また、必要に応じて、大規模買付者と交渉することや株主の皆さまへ代替案を提示することも必要と考えます。

今後当社株式に対して企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するような大規模買付行為がなされる可能性は否定できず、大規模買付行為が発生した場合に、株主の皆さまのために必要な情報や時間を確保する重要性は他社となんら変わらないことから、当社取締役会は事前の対応策の導入が必要であると考えます。

 

 

② 取組みの具体的な内容の概要

(ⅰ)会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

 

当社は、昭和9年の創業以来、業務用・プロ用の音響設備とセキュリティ設備の専門メーカーとして、神戸の地から120ヵ国を超える世界の国々へ商品を送り続けてきました。当社グループでは、長年培った技術力やノウハウを武器に、商品の企画・開発から生産、販売、運営に至るまでの業務を一貫して手掛けています。“音”や“安全”を通じ、快適な暮らしを皆さまにお届けできるよう、音響、映像、ネットワークなどの分野でさらに技術力を高め、より良い商品を作り続けてまいります。

音響事業では、駅や商業施設のアナウンス設備やコンサートホールのアンプ・スピーカーなど、多彩な音響機器を通じて快適な日常を支えています。例えば、高度な音響システム技術が必要な空港の放送設備です。国内ではトップシェアを獲得し、海外でも多くの空港への納入実績があります。

セキュリティ事業では、防犯カメラシステムを中心とした防犯機器を扱っています。治安の悪化に伴い、防犯機器の需要は銀行や商店などから、街頭、マンション、学校などへと広がりつつあります。社会の安全を支えるこの分野を、当社では成長事業と位置付けています。

当社および当社グループは、今後も中長期的な視野に立ち、変革を続けていく中で、変えてはならない当社の技術力とモノづくりへのこだわりの継承を大きな強みとして、技術力の拡大、蓄積、創造をかさね、クオリティの高い商品とサービスを提供し、企業価値のさらなる向上を目指してまいります。

 

(ⅱ)基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 

当社取締役会は、大規模買付行為が一定の合理的なルールに従って行われることが、当社の企業価値・株主共同の利益に合致すると考え、次のとおり事前の情報提供に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」という。)を設定することといたしました。

 

大規模買付ルールの概要は次のとおりであります。

(イ)情報の提供

大規模買付者は、大規模買付行為の前に、当社取締役会に対して予定する大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報(以下、「本必要情報」という。)を提供していただきます。

 

(ロ)取締役会による評価と意見の公表

当社取締役会は、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した後、最大60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付けによる当社全株式の買付けの場合)または最大90日間(その他の大規模買付行為の場合)を取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下、「取締役会評価期間」という。)として設け、その取締役会評価期間を公表し、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。

 

(ハ)独立委員会の設置

本対応方針において、大規模買付者が当社取締役会に提供すべき情報の範囲の決定、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しているか否かの認定、大規模買付行為が企業価値・株主共同の利益を著しく損なうか否かの認定、対抗措置の要否およびその内容の決定等について、その客観性、公正性および合理性を担保するため、当社は、取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置します。当社取締役会は、かかる独立委員会に対して上記の問題を必ず諮問することとし、独立委員会は、諮問を受けた事項について審議し、その結果に応じて、当社取締役会に対して必要な勧告をすることとします。

当社取締役会は、対抗措置の発動または不発動について決議を行うに際して、必ず独立委員会の勧告手続を経なければならないものとし、かつ、独立委員会による勧告を最大限尊重するものとします。

 

 

大規模買付行為がなされた場合の対応方針の概要は次のとおりであります。

(イ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守する場合

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守する場合、当社取締役会は、大規模買付者から提供を受けた情報を総合的に考慮・検討した結果、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益に資すると判断したときは、その旨の意見を表明します。他方、当該大規模買付行為に疑義や問題点があると考えたときは、当該買付提案について反対意見を表明し、または、代替案を提案します。これらの場合には、当社取締役会は、当社株主の皆さまに対して、当該買付提案に対する諾否の判断に必要な判断材料を提供させていただくにとどめ、原則として、当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、当社株主の皆さまにおいて、当該買付提案および当社が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮のうえ、ご判断いただくことになります。

もっとも、大規模買付ルールが遵守された場合であっても、当社取締役会において、当該大規模買付行為が当社の企業価値・株主共同の利益を著しく損なう場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当であると判断したときには、当社取締役会は当社株主の皆さまの利益を守るために、当該大規模買付行為に対する対抗措置として無償割当てによる新株予約権を発行する場合があります。かかる場合の判断においては、外部専門家等および監査役の意見を参考に、提供された本必要情報を十分に評価・検討したうえ、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。

 

(ロ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、当社取締役会は、当社の企業価値・株主共同の利益を守ることを目的として、無償割当てによる新株予約権の発行を内容とする対抗措置をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。なお、対抗措置の発動を決定した後に、大規模買付者が買付ルールを遵守する旨を表明した場合は、対抗措置の発動を取り消します。

大規模買付者が大規模買付ルールを遵守したか否かの認定および対抗措置の発動の適否・内容については、外部専門家等の助言および監査役の意見も参考にしたうえで、独立委員会の勧告を最大限尊重し、当社取締役会が決定します。

 

③ 取組みの具体的な内容に対する当社取締役会の判断およびその理由

 

(ⅰ)買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること

本対応方針は、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(1.企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、2.事前開示・株主意思の原則、3.必要性・相当性の原則)を完全に充足しています。また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」に関する議論も踏まえた内容となっており、合理性を有するものです。

 

(ⅱ)株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

本対応方針は、大規模買付行為がなされた際に、大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆さまが判断し、あるいは取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保することや株主の皆さまのために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させるという目的をもって導入されるものです。

 

(ⅲ)株主意思を重視するものであること

本対応方針は、株主の皆さまのご意思を確認させていただくため、平成20年6月27日開催の第60回定時株主総会において、承認可決されており、その後も、3年以内に終了する事業年度に関する定時株主総会ごとに、継続の可否について承認を得るものとします。また、本対応方針は、有効期間中であっても、株主総会または取締役会の決議により廃止することが可能です。このように、本対応方針には、株主の皆さまのご意思が十分に反映されることとなっております。

 

 

(ⅳ)合理的な客観的要件の設定

本対応方針は、大規模買付者による買付提案に応じるか否かが最終的には株主の皆さまの判断に委ねられるべきであることを原則としており、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ対抗措置が発動されないように設定されております。このように、本対応方針は取締役会による恣意的な対抗措置の発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。

 

(ⅴ)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、本対応方針の導入にあたり、取締役会または取締役の恣意的判断を排除し、株主の皆さまのために、対抗措置の発動および本対応方針の廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会を設置します。

実際に当社に対して大規模買付行為がなされた場合には、独立委員会が大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれがあるか否か等を評価、検討し、取締役会に対して勧告を行い、取締役会はその勧告を最大限尊重して決議を行うこととします。このように、独立委員会によって取締役会の恣意的行動を厳しく監視するとともに、その判断の概要については株主の皆さまに情報開示をすることとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資する範囲で本対応方針の透明な運営が行われる仕組みが確保されています。

 

(ⅵ)デッドハンド型買収防衛策ではないこと

本対応方針は、株主総会で選任された取締役で構成される取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、大規模買付者が自己の指名する取締役を株主総会で選任し、かかる取締役で構成される取締役会により、本対応方針を廃止することが可能です。

従って、本対応方針は、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 当社グループの事業活動のリスクについて

当社グループは国内市場の販売力の強化に加えて、海外市場の開拓を積極的に進めております。当社グループの海外売上高はアメリカ3,456百万円、欧州・中東・アフリカ4,381百万円、アジア・パシフィック6,133百万円、中国・東アジア2,594百万円であり、これらの情報は、「第5 経理の状況」にあります(セグメント情報等)の(関連情報)として開示しております。また、当社グループの事業の製造・生産においては、生産子会社をインドネシア、台湾、ベトナム、中国に配置し、海外生産を拡大しております。これらの海外での事業活動において、各地域、各国の経済状況、為替変動の影響を受けております。

なお、当社グループの事業では、新規製品を継続的に市場に投入していく必要があるため、研究開発力が経営の重要な要素となっております。そのため、将来の企業成長は主に新製品の開発の成果に依存する部分があります。

従って、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として海外における景気変動、通貨価値の変動、海外各国の政治情勢、法制度、研究開発の成果などに起因すると考えられます。これらの変動は当社グループの経営成績と財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外活動にかかるリスクについて

当社グループは海外市場の開拓と海外生産を積極的に進めているため、海外各国における次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

① 海外各国、地域における景気後退や、それに伴う需要の縮小

② 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

③ 社会的共通資本(インフラ)が未整備なことによる当社グループの活動への悪影響

④ 不利な政治的要因の発生

⑤ テロ、戦争などによる社会的混乱

 

 

(3) 為替リスクについて

当社グループでは、海外生産子会社への生産移管、現地での原材料・部品調達を拡大し、構造的対応を図ることにより、保有する債権及び債務の為替リスクに対して、機動的に対処しております。しかしながら、予想外の変動が生じた場合には、当社グループの経営成績と財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 研究開発活動および人材育成にかかるリスクについて

当社グループの連結売上高には新製品売上が毎期含まれております。当社グループが展開する市場においては新製品を継続的に投入していく必要があり、当期の一般管理費及び当期製造費用に含まれる研究開発費は3,042百万円、連結売上高に対して、約7%の投入を行っております。

しかしながら、研究開発の成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクが存在いたします。

また、当社グループの企業成長のためには特に研究開発に係る有能な人材に依存しますので、技術スキルの高い人材の確保と育成、並びに研究成果の適正な評価が重要となっております。このような人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの企業成長、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 訴訟等にかかるリスクについて

当社グループは、国内及び海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続の対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについては当社グループの法務部門が一括して管理しており、必要に応じて取締役会及び監査役会に報告する管理体制となっております。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 大規模災害にかかるリスクについて

当社グループは地震をはじめとする大規模災害に対し、生産面、資金面、情報システム面などから対策を進めておりますが、予想外の大規模災害が発生した場合には、原材料の調達、商品の生産や供給などに支障をきたし、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、①セキュリティ&セーフティ、②インフォメーション&コミュニケーション、③プロフェッショナルオーディオを事業領域とするメーカーとして、顧客ニーズを先取りし、高品質かつ自然や社会環境にも配慮した独創的な商品作りを目指し、音響、映像分野に加え、無線やネットワークなど通信関連の技術分野を中心に基礎技術、応用技術の研究及び新商品の開発を行っております。

これらの研究開発活動における開発関連部門の人員は当連結会計年度末現在で260名であります。また、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,042百万円であります。

なお、これらの研究開発活動は全報告セグメントを対象とするものであり、その成果として、当連結会計年度に発売した主な新商品は以下のとおりです。

・海外市場において、中小規模モスク向けデジタルミキサーアンプを発売いたしました。徹底した市場調査を実施し「高音質、信頼性、簡単」をキーワードに、必要とされる機能を過不足なく1台に集約しました。デジタルプロセッサによるクリアサウンド出力、ハウリング抑制等が簡単な操作で実現でき、信頼ある音作りに役立ちます。

・IPネットワークを利用して高品位な音声信号をリアルタイムに伝送する、ネットワークオーディオアダプター「NX-300」を発売いたしました。従来機種「NX-100」シリーズの上位機種にあたり、内蔵メモリーへの音源データ実装を可能とした他、音声入出力が1系統から2系統へ増加しました。音質面でも48kHzサンプリングでCD以上の高音質化を実現しております。本店から支店への放送や鉄道の各駅への放送など、遠隔地にある多地点への放送システムを、既存のネットワークに接続するだけで構築することができます。

・通信機能を有した屋外ドームカメラ一体型レコーダー「タウンレコーダー」1機種を発売いたしました。1920×1080ピクセルのフルHDの高精細映像での撮影・録画に対応したほか、小型筐体を採用しポールや壁面への取り付けスペースを従来の約6割に低減しました。また、カメラ本体に通信モジュールを内蔵し本機単独でのLTE通信が可能となり、パソコンやスマートフォンを通して遠隔地からリアルタイム映像を確認できるほか、本機の動作状況や状態異常を担当者にメールで通知する機能も有しています。本シリーズは、2013年10月より発売を開始し、通信機能を有する本機の発売で計2機種のラインアップとなりました。

・高効率な小型スピーカーユニットを搭載し、業界最小サイズを実現した「小型天井埋込型スピーカー」5機種を発売いたしました。高効率な8cmスピーカーユニットを搭載し、取付穴径が10cm、スピーカーパネルは外径12cmと、業界最小サイズを実現し、空間デザインの意匠を損なわずに設置することが可能です。また、日本消防検定協会認定品のため、非常用放送設備のスピーカーとして使用が可能です。

・IPネットワークに接続し、大規模で高音質な放送システムが構築できる「ネットワークPAシステム」5機種を発売いたしました。放送システムの制御信号やアナログ音声をデジタル信号に変換し、構内LANなどIPネットワークを利用して伝送。離れた場所にある機器同士を繋げ、高品位な音声を必要なエリアへ、必要とするタイミングで届けることができる、次世代の放送システムです。さまざまな放送機器と組み合わせることができるほか、防犯カメラや連絡用インターカムなど当社システム商品と連携し、施設全体の状況を確認しながらの通話や放送が可能なPAシステムが構築できます。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

売上高は42,504百万円(前年同期比△3,336百万円、7.3%減)となりました。

日本国内では、減災・防災用に好評を頂いている「ホーンアレイスピーカー」や、「防災用スリムスピーカー」の自治体向け販売が伸長した他、教育市場向けに非常用業務用放送設備の売上高が増加しました。また、屋外ドームカメラ一体型レコーダー「タウンレコーダー」の販売は好調でしたが、セキュリティ商品全体では売上高が減少したことや、駅舎や鉄道車両などの交通市場向け商品の売上高が減少した影響を受け、売上高は減少しました。

海外におきましては、アメリカ地域では、アメリカの鉄道車両向けで、受注済案件の納期変更などにより売上高は減少しました。欧州・中東・アフリカ地域では、欧州や中東、ロシアで減収となったことなどにより売上高は減少しました。アジア・パシフィック地域では、タイでの販売が伸び悩みました。中国・東アジア地域では、官公庁や教育市場向けの販売が伸び悩みました。

 

② 営業利益

原価率の改善や販売費及び一般管理費の減少はありましたが、減収により、営業利益は2,935百万円(前年同期比△703百万円、19.3%減)となりました。

 

③ 経常利益

為替相場の変動による為替差損が減少したことなどにより、営業外収支は、前連結会計年度に比べ120百万円増加しました。

これらの結果、経常利益は3,040百万円(前年同期比△582百万円、16.1%減)となりました。

 

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における特別損益の発生はありませんでした。

税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ582百万円減少し、3,040百万円となりました。

また、親会社株主に帰属する当期純利益は1,750百万円(前年同期比△342百万円、16.4%減)となりました。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末における資産総額は54,294百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,429百万円の増加となりました。これらの要因は、現金預金の増加などによります。負債総額は11,987百万円となり、前連結会計年度末に比べ694百万円の増加となりました。これらの要因は、仕入債務の増加、短期借入金の増加などによります。また、純資産につきましては42,307百万円となり、前連結会計年度末に比べ735百万円の増加となりました。これらの要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によって利益剰余金が増加したことなどによります。

当社及び子会社における資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金、研究開発費が主なものであり、内部資金のほか、間接調達により十分な資金枠を確保しております。また、当社は複数の金融機関とコミットメントライン(特定融資枠契約)を締結しております。これらは、大きく変動する市場環境のなかで、事業成長のための資金需要に迅速に対応するためのものであります。

 

(3) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況」の「1 業績等の概要」の「(2) キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますので、ご参照ください。