第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「プロの厳しい基準にかなう高い専門性を追求し、徹底した市場細分化と創造的な商品開発により、人間社会の《音によるコミュニケーション》に貢献する国際企業をめざす」という企業目的のもとで、

・顧客が安心して使用できる商品をつくる。

・取引先が安心して取引きできるようにする。

・従業員が安心して働けるようにする。

の「三つの安心」を経営基本方針として、創業以来一貫して、事業を進めてまいりました。また、当社グループは社会の公器として、顧客・株主・取引先・従業員など、全てのステークホルダーの信頼と期待にお応えできるよう日々、経営を行っております。

 

(2)目標とする経営指標

 2026年3月期を最終年度とした中期経営基本計画の連結業績目標として、連結売上高52,000百万円、連結営業利益4,500百万円、ROIC(投下資本利益率)6~7%を経営指標に設定しておりましたが、現時点での2026年3月期の連結業績の見通につきましては、売上高54,500百万円、営業利益4,500百万円、経常利益4,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,750百万円を予想しております。

 

 

(3)会社の経営環境、経営戦略と優先的に対処すべき課題

 当社グループでは、企業価値を「Smiles for the Public -人々が笑顔になれる社会をつくる-」と定め、人々の集まりである「Public(社会)」に対し、「安心・信頼・感動」という価値を提供することで、人々の「Smiles(笑顔)」を実現することを目指しております。

 その実現に向け当社グループは、お客さまに選ばれる良い音体験の継続的提供を通じ、社会課題の特定、解決、改善の一連のサイクルをお客さまと共に実現してゆく頼れるパートナーとして2030年を見据えた経営ビジョン「Dr. Sound -社会の音を良くするプロフェッショナル集団- になる」(以下、経営ビジョン2030)を掲げております。

 当社グループの企業価値を将来に渡り実現していくにあたっては、「Public(社会)」において今後も当社グループの強みである「音の報せる力」の果たすべき役割・責任は大きいものと認識しております。また、今後においては、これまで当社グループが提供してきた屋内外の各種環境や人々の多様性に応じた「聴こえる音、聴き取り易い音」に加え、私たちを取り巻くパブリック空間の音=「社会の音」がもたらす人々の「安心・信頼・感動」の体験そのものの創出に、よりアプローチできる価値の実現・提供が重要になると考えています。

 具体的には、今後より多様化・複合化が進むパブリック空間において、日々刻々と変化する用途・目的に応じた最適な音環境をタイムリーに提供するために、人々を見守る目としてのカメラ端末のエッジセンシングや各種官民データの活用のもと、当社グループが培ってきたエンジニアリング・ノウハウとAI技術を組み合わせることで、最適なソリューションやコンテンツの提供の自動化・自律化を進めてまいります。

 加えて、将来的にはパブリック空間の音とその音が人々にもたらす様々な効果との相関についても実証を重ねることでノウハウを蓄積し、人々の体験がより良いものへと常に進化していくことができるプラットフォームとして「つながるビジネス」を進化させてまいります。

 こうした取組みは、これまで当社グループが培ってきた音の明瞭化技術や音と映像の遠隔伝送・制御技術、さらに各現場環境に応じこれら技術をお客さまの体験として最適化するエンジニアリング・ノウハウが基盤となることに加え、その展開において各地域・マーケットに根差した活動を進めてきた当社グループだからこそ実現できるものと考えます。

 同時にこの様な活動を進めて行く上では、パブリック空間の形成に関わる各関与者と一体となってお客さまの体験向上に努めていくことが重要と考えており、これまで以上に産学官との共創や連携を深めてまいります。

 一方で、こうした成長を着実に遂げていくためには、その成長の原資となる収益を持続的かつ安定的に創出していく必要があり、そのベースとなる商品の収益力向上に向け、これまで培ってきたグローバルで地域に密着したマーケティング力のもと、本社、生産事業場、各地域事業部連携による開発体制を強化させ、商品の企画開発の推進およびグローバル全体での商品ラインナップの最適化に取組んでまいります。

 

 経営ビジョン2030の実現に向け、2022年3月期から2023年3月期までの中期経営基本計画フェーズ1においては、収益力と競争力の向上、成長基盤の構築、新成長分野の探索と創造を進めてまいりました。そして中期経営基本計画フェーズ2となる2024年3月期から、最終年度である2026年3月期においては、フェーズ1での取組みの成果を最大限に発揮し、付加価値をより拡大させ、収益基盤を強化し、新成長分野の探索と創造を通じて成長を加速させてまいります。一連の取組みを加速させるために、デジタルシフト推進と人材育成に注力しております。

 フェーズ2の2024年3月期から2025年3月期においては、デジタルシフト推進として、お客さまとのつながり強化や社内コミュニケーションの活性化、意思決定の迅速化に資するデジタルツールの整備を行い、更に蓄積されたデータを活用したタイムリーな提案による需要の獲得や新たなビジネスの創出のための投資を行ってまいりました。また、人材育成として、従業員のデジタルスキルの可視化やそれを踏まえた更なる育成・活用施策の検討を進めてまいりました。

 フェーズ2の最終年度にあたる次期においては、以下の取組みを実施してまいります。

 デジタルシフト推進においては、2025年4月からは新たにDX本部を設置し、全社の業務について自動化・効率化を図り、デジタルシフトの加速を強固に推進いたします。さらに、サプライチェーンのマネジメント拡大においてはデジタルツールを駆使し、世界の市場においてデジタルマーケティングによるデマンド創出を進め、集客ノウハウを一元管理して効果的な施策を迅速に展開いたします。また、商品では、ネットワーク技術とオープン規格を活用した新たなコミュニケーションシステムの発売を予定しており、先行する事例である大阪・関西万博における取組みの成果もフィードバックしながら、新たなソリューションによる課題解決を加速してまいります。

 人材育成においては、積極的な対話を通じた信頼関係の醸成、多様性を活かすための人材配置や仕組みづくり、安心して働ける環境の整備を進めており、デジタル技術を活用できる人材の育成により付加価値向上および生産性向上を実現してまいります。具体的には、社内インターンシップ制度や自己成長に向けたスキルの棚卸、自己啓発の機会の創出、生成AIツールの活用など、全社で推進するアクションテーマを新たに設定しており、これらの取組みを進めてまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティの考え方

 当社グループは企業目的および経営基本方針「三つの安心」を定め、かかる経営理念のもと行動規範「TOAグループ企業倫理規範」を制定し、企業価値「Smiles for the Public −人々が笑顔になれる社会をつくる−」の実現を目指しています。

 現在、2030年を見据えた経営ビジョン2030として「Dr. Sound −社会の音を良くするプロフェッショナル集団−になる」を掲げ、社会の課題を解決する製品やソリューションをお客さまと共に生み出し続け、「社会の音を良くする」ことで人々が笑顔になれる持続的な社会の実現を目指しています。

 

(2)サステナビリティの取組み

 社会および当社グループの持続性を高めていくための重要分野として、5つのマテリアリティ(「社会課題解決に向けたソリューション」、「安全・安心なモノ・コトづくり」、「従業員の安心づくり」、「地域社会との共生」、「コーポレート・ガバナンス」)を特定し、取組みを進めています。

 当社は1934年の創業以来、拡声放送機器の製造・販売により、火災など緊急時の避難を呼びかける非常用放送設備を中心に、屋外での減災・防災放送システム、交通インフラを支える案内放送システムなど、様々な「音」で社会に貢献してまいりました。さらに当社は「音」だけでなく防犯カメラや画像センシングなど「映像」を掛け合わせた技術も磨いてまいりました。これら当社グループが保有する技術や知見に産学官との共創・連携を深め、誰もが安心して過ごせる社会を実現するために、「社会課題解決に向けたソリューション」を提供することが当社の使命と考えております。

 社会課題解決に向けたソリューションを生み出すプロセスにおいては、これまでも品質・安全性の向上、環境保全や省エネの取組み、情報セキュリティの強化などを進めてまいりました。これからの社会の変化を見据え、さらなる「安全・安心なモノ・コトづくり」の実現に向けて取組んでまいります。

 同時に、すべての活動は従業員が安心して活動できることが前提になると捉え、従業員との積極的な対話を促進するダイアログ活動、一人ひとりの成長を促す社外者との交流や主体的な挑戦の場の醸成、多様な人材が活躍できる職場環境づくりなどを進めております。また、健康経営の推進や働き方改革といった環境整備も継続し、今後も様々な観点から「従業員の安心づくり」に取組んでまいります。

 また、事業活動を通じて培ってきた技術や自社資源を活用し、防災人形劇による子どもたちの防災意識の醸成や、産学連携による防災講座を通じた社会の安全・安心に貢献できる人材の育成、文化・芸術活動や地域のスポーツ振興へのサポートといった「地域社会との共生」に継続的に取組むことで、今後も地域社会の発展に貢献してまいります。

 当社グループの経営上もっとも重要で恒久的な課題とする持続的な企業価値の向上に向けては、「コーポレート・ガバナンス」の継続的な強化が不可欠であると認識しております。株主・顧客・取引先・従業員等、全てのステークホルダーに対して遵法性が確保された健全かつ透明性の高い企業経営を実践するとともに、社会の変化を踏まえた各ステークホルダーへのアカウンタビリティーの充実、迅速かつ適切なディスクロージャー等の実践に積極的に取組むことで、より一層のコーポレート・ガバナンスの強化を図ってまいります。

 

(3)ガバナンス

 当社ガバナンス体制(「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等」に記載)に基づき、全取締役で構成する経営会議において、サステナビリティへの取組みを中長期の経営戦略に関する重要事項として継続的な議論を重ねております。具体的には、持続的な企業価値の向上に向けた経営課題およびその対策の検討の中で、当社が解決していくべき社会課題、気候変動への対応、人的資本の育成・強化等について議論を重ねてまいりました。

 また、2023年度より各本部長・部門長で構成するサステナビリティ推進会議を設置し、サステナビリティ推進に向けた議論を拡充しています。本会議では、サステナビリティに関する課題への対応方針の検討や業務執行における実行の推進を図るとともに、経営会議や取締役会への報告・付議を通じてガバナンス体制を整え、当社グループのさらなるサステナビリティの取組み強化を目指しております。

 

 

(4)リスク管理

 当社グループは、変化の激しい企業環境において多様なリスクに適切に対応することが重要であると認識し、リスク情報収集、リスク局面の低減を図るため、下記委員会を中心としたリスク管理および対応を行っています。

 

①リスクマネジメント委員会

リスクマネジメント委員会では、組織横断的リスクの状況監視および全社的対応に向け、各部門およびグループ会社からの情報を集約し、重大なリスクに関しては職制の部門に伝達を行い、全社的対応が必要な場合は対策本部を設置する等の対応を行うものとしております。また、事業継続計画(BCP)を策定し、大規模災害等により社会インフラ機能の維持に関わる中核事業の継続に支障がある場合に備えて毎年訓練を実施しております。

 

情報セキュリティ委員会

当社グループではお客様が安心して当社と取引きできるようにするために情報セキュリティの確保は重要課題のひとつであると捉え、情報資産保護を目的とした情報セキュリティ基本方針を定めています。同委員会では、情報セキュリティ基本方針にもとづき全社的な情報セキュリティマネジメント、情報セキュリティに関する教育・評価、情報漏えい事故発生時の対策本部の設置などを通じ、情報セキュリティの強化に努めております。

 

③安全保障輸出管理委員会

安全保障輸出管理委員会では、日本国内法(外国為替および外国貿易法)に基づく遵法性を確保するため、当社グループにおける安全保障輸出管理を行っています。同委員会では安全保障輸出管理に関する方向性、課題の審議を行うとともに、必要に応じた研修の実施、規則・ガイドラインの制定および改定などを行っています。

 

(5) 重要なサステナビリティ項目

上記、ガバナンスおよびリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下のとおりであります。

・気候変動

・人的資本

それぞれの項目に係る当社グループのサステナビリティに関する考え方および取組みは、次のとおりであります。

 

①気候変動

当社グループでは、地球温暖化をはじめとする気候変動への対応として、脱炭素を推進することが競争力強化につながる重要課題と位置付けており、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同するとともに、当社グループと社会のサステナビリティ実現に向けた検討と施策の実行を進めております。

今後も気候変動に伴うリスクを適切に管理しつつ、当社グループの技術・ノウハウを活かして事業成長と共に脱炭素の貢献へと繋がる取組みを進めてまいります。

 

(ガバナンス)

サステナビリティ推進会議にて、主要課題である温室効果ガス排出量削減のPDCAや気候変動におけるリスク/機会のモニタリングなど、テーマ別に企画・検討・実行を推進しております。サステナビリティ推進会議にて、それらの状況を確認・協議することで、関連部門と適宜連携を図ると共に、重要事項については取締役会・経営会議へ付議を行う体制としています。

 

(戦略)

2030年を見据え、気候変動が事業活動に及ぼす影響を適切に把握・管理するため、以下の1.5℃シナリオおよび4℃シナリオを用いて、当社事業に対する気候変動のリスクと機会を抽出し、事業への影響評価を行いました。

・1.5℃シナリオ:パリ協定での目標どおり、環境規制強化により気温上昇が1.5℃以下に抑えられ脱炭素社会への移行が実現している想定

・4℃シナリオ:気候変動対策が浸透せず、経済活動を優先した結果、気温上昇が4℃を超え温暖化が進行した想定

 

 

 

 

 

■シナリオ分析結果

シナリオ

2030年を想定したリスク/機会

事業影響

1.5℃

(移行リスク)

環境負荷低減のための法的規制強化

 

・低炭素素材普及に向けた規制強化により、低炭素に係る原材料コストが増加する。

・電化促進による関連素材や半導体の品薄化が進み、低炭素に関わる原材料の需要が増加する。

供給元の価格転嫁が進み、原材料価格の上昇が想定される。また、特定の原材料の調達が困難となり、商品生産に滞りが生じる可能性がある。

 

 

 

1.5℃

(移行リスク)

環境負荷低減のための法的規制強化

 

・省エネ、再エネの推進と普及が進み、グリーン電力価格が上昇する

・炭素税の税率が上昇する。

水道光熱費の上昇や租税公課の費用が増加する可能性がある。

 

 

1.5℃

(移行リスク)

環境負荷低減に寄与する技術の普及

 

・環境負荷を低減する新技術の誕生、汎用技術の普及が進む。

製品開発における環境関連技術の採否が競争力とコストに影響を及ぼす可能性がある。

1.5℃

(移行リスク)

顧客嗜好の変化(低環境負荷嗜好へ移行)

 

・受発注の評価基準において気候変動対応状況や製品の省エネ性能の比重が高まる。

製品の省エネ性能見直しや顧客にとっての環境・経済合理性の高い商品づくりを推進することで売上高増加が期待できる。

 

1.5℃

(移行リスク)

投資家・社会嗜好の変化(低環境負荷嗜好へ移行)

 

・環境課題への対応・情報開示へ積極的な企業への嗜好が強まる。

環境課題への対応、情報開示に不足があれば、ビジネス機会の減少、企業イメージの低下、株価の低下、人材確保の困難等を招く可能性がある。

4℃

(物理的リスク)

気象災害の激甚化

 

・世界的な気象災害の激甚化・頻発化。

 

自社拠点の被災、物流網の分断、サプライヤーの被災による販売機会の損失や生産ライン・販売・管理業務への支障が生じる可能性がある。

4℃

(物理的リスク)

気象災害への適応に関する需要の変化

 

・世界的な気象災害の激甚化・頻発化に伴い、早期警戒システム等の防災減災への意識が高まる。

 

音声による情報伝達ソリューションの販売機会、市場期待が高まる。

一方、競合他社の商品・サービスの強化や情報伝達に関する代替品の台頭が想定される。

 

 今後これらの財務影響評価や顕在化する時期など、分析の精緻化を進め、情報開示の充実化と具体化に努めてまいります。

 

(リスク管理)

サステナビリティ推進会議において、気候変動に係るリスクと機会に対し的確な管理・実践を行うために、事業活動への影響の評価および対策について協議を行っております。気候変動で生じる移行リスクや物理的リスクについては、想定される事象がサプライチェーンや自社拠点への影響など、既知の事業リスクと共通点も多いため、リスクマネジメント委員会(「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)リスク管理」に記載)と連携したリスク管理を行っております。

 

(指標及び目標)

当社グループは、2050年のカーボンニュートラル達成を視野に入れ、2022年度よりGHGプロトコルに基づいた温室効果ガス排出量の集計を実施し、バリューチェーン全体での排出量のモニタリングと削減に向け、Scope1とScope2における中長期的な削減目標を設定しております。

電気自動車や省エネルギー設備の導入をはじめとする全社的な省エネ・エコ推進の取組みを進めており、これらの施策と並行して再生可能エネルギーに関する情報収集と精査を継続し、それらの適切な調達手段・時期等を踏まえた目標達成への削減計画の具体化を実行してまいります。

 

■当社グループの温室効果ガス排出量削減目標

対象範囲

基準年度

目標年度

目標削減率

Scope1+Scope2

2021年度

2030年度

31%

 

Scope3を含むサプライチェーン全体で温室効果ガス排出量を見た場合、販売した製品の使用(Scope3カテゴリ11)の割合が高く、自社製品の環境負荷低減を重要課題と捉え、サステナビリティ推進会議にて、脱炭素に貢献する事業成長を目的として協議を重ねております。

 

■当社グループの温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2)

スコープ

算定対象

排出量(t-CO2)

2021年度
(基準年度)

2022年度

2023年度

Scope1

自社での燃料の使用や工業プロセスによる直接排出

1,156

1,421

1,416

Scope2

自社が購入した電気・熱の使用に伴う間接排出

5,905

5,241

5,736

 

なお、気候変動への取り組みにつきましては、以下の当社ホームページにて公開しております。

また、最新の温室効果ガス排出量(Scope1、Scope2)につきましては、当社ホームページにて公開予定です。

https://www.toa-global.com/ja/sustainability/environment/tcfd

 

②人的資本

当社グループでは、性別や国籍などの属性に関係なく、品性および能力を第一主義とする人物本位の人材登用を実施し、属性に捉われない、従業員本位の活躍の促進・育成を実施しております。持続的な成長と企業価値の向上を実現させるためには、お互いが多様な生き方、働き方を尊重し合うことが重要であり、その上で一人ひとりが最大限に能力を発揮することで、あらゆる創造が生まれてくると考え、多様性を活かすための人材配置・確保・育成および環境整備を推進しております。

 

 

(戦略)

 社内環境整備に関しては、経営ビジョン2030の実現に向け、『人材育成』・『エンゲージメント向上』・『ダイバーシティの推進』、およびそれらを支えるデジタルシフト、グローバル視点の醸成を重点課題として掲げ、取組みを進めております。

 『人材育成』においては、「成長が実感できる人材育成」として、各種階層別教育を実施し、さらには社内インターンシップ制度を2025年度より新たに導入いたします。また、「デジタル技術活用人材の育成」として、これまで実施してきたデジタルスキルの可視化、それを踏まえた育成・能力発揮の施策検討を進めております。

 『エンゲージメント向上』においては、マネジメント力強化のため、管理職を対象にマネジメント力の点検およびアップデートに資する企画実施を進めています。また、成長について上司と部下またはチームで話し合う「ダイアログ活動」を進め、従業員の働きがい・チームへの貢献意欲・成長実感を高めてまいります。

 『ダイバーシティの推進』においては、女性を含め多様な人材が活躍できる組織の形成を目指し、ダイバーシティを推進するための部門横断プロジェクトの活動を継続しております。また、多様な視点を醸成し多様な人材が活躍できる職場環境づくりとして、従業員が安心して働き続けるための健康経営の推進を継続して行うものとしております。

 

(指標及び目標)

(ⅰ)エンゲージメントに関する指標

2022年度から、個人と組織の成長を促すエンゲージメント向上のモニタリング指標として、エンゲージメントサーベイ(「Wevox」:株式会社アトラエが提供する従業員エンゲージメント測定・支援ツール)を定期的に実施しております。

当該モニタリング結果は各現場ごとで働きがいと心理的安全性に関する課題解決の実践に活用し、また経営報告も行っており、スコア向上を継続的な目標として取組んでおります。

■エンゲージメントサーベイ結果状況

 

2023年度(年間平均)

2024年度(年間平均)

総合スコアpt

64.5

66.3

 

(ⅱ)ダイバーシティ推進に関する目標

お客様に選ばれる価値を提供し続けるための発想力やイノベーション力の強化、グローバル市場での競争優位性の強化のためにも、ダイバーシティの推進は不可欠であるとの考え方から、管理職に占める女性労働者の割合を、「2027年度期初までに3.2%以上とする」ことを数値目標として定め、女性管理職の割合を増加させていくための取組みを着実に進めてまいります。

 

(ⅲ)健康経営推進の状況・指標

経営資源である従業員の心身の健康は、従業員の安心づくりに直結し、サステナビリティの推進には必要不可欠であるとの考え方から、従業員が健康で働き続ける健康経営を推進し、その一環として、継続的に健康経営優良法人(大規模法人部門)の認定更新を受けております。また、当社グループ全体視点で健康経営の取組みを展開・拡充する方針としており、指標の継続的な維持・向上を目標としております。

■健康経営に関する状況

 

2023年度

2024年度

健康経営度総合評価

(偏差値)

55.7

52.8

 

また、年次有給休暇の取得率を、「2027年度時点で75%以上とする」ことを数値指標として定め、取得率を向上させていくための取組みを着実に進めてまいります。

■年次有給休暇取得率

 

2024年度

2027年度(目標)

年次有給休暇取得率

()

70.9

75.0以上

 

なお、これらの指標は連結グループでの算出が困難であるため、提出会社の指標を記載しております。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業活動のリスクについて

 当社グループは国内市場の販売力の強化に加えて、海外市場の開拓を積極的に進めております。当社グループの海外売上高はアジア・パシフィック8,224百万円、欧州・中東・アフリカ6,533百万円、アメリカ3,295百万円、中国・東アジア3,498百万円であり、これらの情報は、「第5 経理の状況」にあります(セグメント情報等)の(関連情報)として開示しております。また、当社グループの事業の製造・生産においては、生産子会社をインドネシア、台湾、ベトナムに配置し、海外生産を拡大しております。これらの海外での事業活動において、各地域、各国の経済状況、為替変動の影響を受けております。

 また、当社グループの事業では、新規商品を継続的に市場に投入していく必要があるため、研究開発力が経営の重要な要素となっております。そのため、将来の企業成長は主に新商品の開発の成果に依存する部分があります。

 これらのことにより、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクは、主として海外における景気変動、通貨価値の変動、海外各国の政治情勢、法制度、研究開発の成果などに起因すると考えられます。これらの変動は当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)海外活動にかかるリスクについて

 当社グループは海外市場の開拓と海外生産を積極的に進めているため、海外各国における次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

① 海外各国、地域における景気後退や、それに伴う需要の縮小

② 予期しえない法律・規制、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

③ 不利な政治的要因の発生

④ テロ、戦争などによる社会的混乱

 

(3)為替リスクについて

 当社グループは外貨による輸出入取引を行っており、海外に生産及び販売子会社を有しております。外貨建てで取引されている価格については、為替相場の変動により経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、海外子会社の外貨建ての売上、費用、資産、負債等は連結財務諸表作成時に邦貨換算されるため、為替相場の変動による影響を受ける可能性があります。

 当社グループでは、地産地消ビジネス推進による同一通貨取引や輸出によって得た外貨で輸入の支払いをする為替マリー等の活用により、為替リスクの低減を行っておりますが、為替相場の急激な変動等が生じた場合には、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)研究開発活動および人材育成にかかるリスクについて

 当社グループの連結売上高には新商品売上が毎期含まれております。当社グループが展開する市場においては新商品を継続的に投入していく必要があり、当期の一般管理費及び製造費用に含まれる研究開発費は3,267百万円、連結売上高に対して、約6%の投入を行っております。

 しかしながら、研究開発の成果は不確実なものであり、多額の支出を行ったとしても必ずしも成果に結びつかないというリスクが存在いたします。

 また、当社グループの企業成長のためには特に研究開発に係る有能な人材に依存しますので、技術スキルの高い人材の確保と育成、並びに研究成果の適正な評価が重要となっております。このような人材を確保または育成できなかった場合には、当社グループの企業成長、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)訴訟等にかかるリスクについて

 当社グループは、国内および海外事業に関連して、訴訟、紛争、その他の法律的手続の対象となるリスクがあります。これらの法的なリスクについては当社グループの法務部門が一括して管理しており、必要に応じて取締役会及び監査役会に報告する管理体制となっております。当連結会計年度において当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟は提起されておりませんが、将来重要な訴訟等が提起された場合には当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)大規模災害、感染症にかかるリスクについて

 当社グループは地震をはじめとする大規模災害や感染症の発生に対し、生産面、資金面、情報システム面などから対策を進めておりますが、予想外の大規模災害や感染症のまん延が発生した場合には、原材料の調達、製品の生産や供給などの事業活動に支障をきたし、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)調達リスクについて

 当社グループは製品の生産のため、外部から原材料や半導体を含む電子部品等を調達しております。機能・品質の向上や原価低減を目的とした仕様変更を継続的に行うと共に、部材調達においては事前の発注予測に基づく調達のリードタイムの調整等、適正な在庫水準の維持に努めております。

 しかしながら、原材料や電子部品等の調達難・価格の高騰などが継続して発生した場合には、当社グループの生産活動、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対処するため、当社グループは生産工程の自動化や生産キャパシティの拡大、生産管理システムの共通化などを行い、品質を担保した上でのコストダウンと生産効率化の取組みを実施いたします。また、商品価格の改定を実施しております。

 

(8)情報セキュリティにかかるリスクについて

 当社グループは、事業活動における重要情報および事業の過程で個人情報や取引先の秘密情報を保有しております。また、当社グループの製品およびサービスには、ネットワークを介して連携するものが含まれております。そのため、不正アクセスのような外部からの攻撃、従業員の不注意のような内部の行為等による、各種情報の漏えいや破壊、製品の誤作動、サービス停止などのリスクが存在します。このようなリスクが現実化した場合、当社グループおよび製品ならびにサービスに対する信用低下や損害賠償等の費用発生など、当社グループの経営成績および財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。

 このようなリスクに対処するため、当社グループでは、情報セキュリティ委員会を中心に、情報セキュリティ基本方針に基づく全社的な情報セキュリティマネジメントとして情報セキュリティに関する従業員教育・運用状況評価を継続的に実施するとともに、情報漏えい事故発生時には対策本部を設置して迅速に対応することとしております。また、製品およびサービスにおけるセキュリティ向上のため、セキュアな開発プロセスの構築および脆弱性管理の体制づくりに取り組んでおります。当社グループは、これらの取組みを通じて全社的な情報セキュリティの強化を進めております。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度における当社グループを取り巻く環境は、インバウンド需要の増加や設備投資意欲の高まり、雇用・所得環境の改善など国内景気は回復傾向が見られるものの、原材料価格の高止まりや物価の上昇、不安定な国際情勢による地政学的リスクに加え、米国新政権による経済政策の動向や為替相場の急速な変動など、世界経済は先行きが不透明な状況が続いております。

 このような環境の下、当社グループでは企業価値である「Smiles for the Public ――人々が笑顔になれる社会をつくる――」の実現に向け、2030年を見据えた経営ビジョンとして、「Dr.Sound -社会の音を良くするプロフェッショナル集団-になる」を掲げております。お客さまに選ばれる良い音体験の継続的提供を通じ、社会課題の特定、解決、改善の一連のサイクルをお客さまと共に実現してゆく頼れるパートナーとして、人々の安心・信頼・感動の価値実現を目指しております。

 当期においては、2024年9月に当社グループにおいてオランダのPA-Vox Holding B.V.(以下、「PAX 社」といいます。)の発行済株式の全てを取得し、PAX 社傘下の事業会社3社を含む4社を連結子会社といたしました。各事業会社は空港施設と航空会社向けに36言語に対応した多言語自動アナウンスコンテンツを提供する高度なソリューションを保有する企業です。PAX 社を当社グループに加えることにより、当社が得意とする空港市場向け放送システムとの相乗効果を発揮し、欧州・中東・アフリカ地域をはじめ当社グループ全体の事業拡大が見込まれます。2024年12月には原材料費や人件費、物流費などの継続的なコスト上昇の対策として、国内の一部商品の価格改定を実施いたしました。また、2025年4月開幕の大阪・関西万博に向けて、会場全体を「未来の街」のモデルと捉え、会場内の放送設備をネットワークで結び、必要な情報を必要なタイミングで届けられるネットワーク統合型の放送システムの実装を進めてまいりました。これらの取組みをもとに収益基盤を強化し、新成長分野の探索と創造を通じて成長を加速させてまいります。

 このような状況の下、当期の売上高は50,626百万円(前年同期比+1,812百万円、3.7%増)となりました。利益については、国内の収益性の改善などにより、営業利益は3,589百万円(前年同期比+560百万円、18.5%増)、経常利益は3,920百万円(前年同期比+210百万円、5.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,364百万円(前年同期比+367百万円、18.4%増)となりました。

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 

(日本)

 売上高は29,562百万円(前年同期比+1,112百万円、3.9%増)、セグメント利益(営業利益)は6,620百万円(前年同期比+271百万円、4.3%増)となりました。

 海外の鉄道車両向けの売上高は減少しましたが、工場や教育市場、道路などの交通市場向けの売上が伸長しました。さらに、大阪・関西万博関連の納入が進んだことなどにより、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。

 

(アジア・パシフィック)

 売上高は9,994百万円(前年同期比+627百万円、6.7%増)、セグメント利益(営業利益)は1,927百万円(前年同期比+196百万円、11.3%増)となりました。

 ベトナムでは大型都市開発プロジェクトや商業施設への納入が進み、インドネシアでは首都移転に伴う官公庁向けやスポーツ施設、タイでは教育市場や宗教施設、鉄道施設への納入が進みました。為替の影響もあり、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。

 

(欧州・中東・アフリカ)

 売上高は6,532百万円(前年同期比+196百万円、3.1%増)、セグメント利益(営業利益)は811百万円(前年同期比+69百万円、9.4%増)となりました。

 ドイツなどの欧州や中東では市況の停滞もあり売上高は減少しましたが、アフリカでの売上高が増加しました。大型案件としては、中東では住宅開発プロジェクトや商業施設、官公庁向けの納入が進み、イギリスでは鉄道施設向け、アフリカではオフィスビルへの納入が進みました。為替の影響もあり、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。

(アメリカ)

 売上高は2,706百万円(前年同期比+91百万円、3.5%増)、セグメント利益(営業利益)は167百万円(前年同期比+41百万円、32.9%増)となりました。

 アメリカでは小売店向け、カナダでは病院向けの納入が進みました。為替の影響もあり、セグメント全体の売上高は増加し、セグメント利益は増加しました。

 

(中国・東アジア)

 売上高は1,830百万円(前年同期比△216百万円、10.6%減)、セグメント利益(営業利益)は107百万円(前年同期比△49百万円、31.7%減)となりました。

 香港では官公庁向けの納入が進み売上高は増加しました。台湾では売上高は減少しましたが、引き続き半導体を中心とした工場向けの納入が進みました。中国では空港向けの納入が進みましたが、不動産不況による販売の伸び悩みもあり、セグメント全体の売上高は減少し、セグメント利益は減少しました。

 

 当連結会計年度末における総資産は68,630百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,895百万円の増加となりました。資産の部は、現金及び預金の増加や投資有価証券の増加などにより増加しました。負債及び純資産の部は、その他有価証券評価差額金や為替換算調整勘定、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加などにより増加しました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動では5,619百万円の資金の増加、投資活動では2,403百万円の資金の減少、財務活動では2,085百万円の資金の減少となり、これらに加え現金及び現金同等物に係る換算差額により、前連結会計年度末と比べて1,859百万円増加し、15,951百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 法人税等の支払額1,120百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益3,920百万円、減価償却費1,644百万円、棚卸資産の減少額954百万円などにより、営業活動による資金の増加は5,619百万円となりました。

 前連結会計年度との比較では、未払金の減少による資金の減少が453百万円多かった一方、為替差益が306百万円少なかったこと、棚卸資産の減少による資金の増加が269百万円多かったこと、仕入債務の増加による資金の増加が330百万円多かったことなどにより、545百万円の収入の増加となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 生産設備および情報インフラ基盤などの固定資産の取得による支出870百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出829百万円、定期預金の預入および払戻による支出666百万円などにより、投資活動による資金の減少は2,403百万円となりました。

 前連結会計年度との比較では、関係会社株式の取得による支出が400百万円少なかった一方、定期預金の預入および払戻による支出が1,087百万円多かったこと、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が829百万円多かったことなどにより、1,475百万円の支出の増加となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 配当金の支払1,201百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出491百万円などにより、財務活動による資金の減少は2,085百万円となりました。

 前連結会計年度との比較では、短期借入金の返済による純減額が825百万円少なかったこと、自己株式の取得による支出が2,318百万円少なかったことなどにより、3,141百万円の支出の減少となりました。

 

 当社および子会社における資金需要は、製品の製造販売に関わる部材購入費や営業費用などの運転資金、設備投資資金、研究開発費が主なものであり、内部資金のほか、金融機関からの借入、コミットメントライン(特定融資枠契約)、資本市場からの資金調達等により事業活動に必要な資金を確保しております。これらは、大きく変動する市場環境のなかで、中長期的な企業価値向上に向けた資金需要に迅速に対応するためのものであります。

 

 

(3)生産、受注及び販売の状況

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

 

① 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

日本

26,794

△3.3%

アジア・パシフィック

430

+27.1%

欧州・中東・アフリカ

456

△23.8%

アメリカ

71

+211.5%

中国・東アジア

147

△6.2%

合計

27,900

△3.2%

(注) 金額は製造原価ベースによって記載しております。

 

② 受注状況

 当社グループは製品の性質上、原則として見込生産を行っております。

 

③ 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

日本

29,562

+3.9%

アジア・パシフィック

9,994

+6.7%

欧州・中東・アフリカ

6,532

+3.1%

アメリカ

2,706

+3.5%

中国・東アジア

1,830

△10.6%

合計

50,626

+3.7%

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りが必要となる事項の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

 

5【重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「Public Safety」、「Public Communication」、「Public Space Design」を事業領域とするメーカーとして、顧客ニーズを先取りし、高品質かつ自然や社会環境にも配慮した独創的な商品作りを目指し、音響、映像分野を中心に基礎技術、応用技術の研究及び新商品の開発を行っております。

 これらの研究開発活動における開発関連部門の人員は当連結会計年度末現在で273名であります。また、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、3,267百万円であります。

 なお、これらの研究開発活動は全報告セグメントを対象とするものであり、当連結会計年度の主な成果は以下のとおりです。

・超大規模防火対象物向け非常用放送設備「FS-A2500シリーズ」から、非常断24V出力拡張パネル「FS-A2500EM」を発売しました。

 「FS-A2500シリーズ」は、場所や危険度に合わせた放送を行うことができる段階鳴動機能を搭載しており、火災などの非常時に安全で円滑な避難誘導を実現します。本製品を「FS-A2500シリーズ」に接続することで、放送エリアと連動した非常制御信号の制御と出力系統の拡張が可能になり、危険度の低いエリアや特定施設の放送を止めない運用により、避難時の混乱を最小限に抑えることができます。

 

・多彩なバリエーションからシーンを選ばずに利用可能なコンパクトスピーカー「Fシリーズ」から、ハイインピーダンスモデル6機種と、ローハイ兼用の防滴モデル6機種、サブウーハー2機種を発売しました。

 2023年にリニューアルした「Fシリーズ」は完全自社設計のスピーカーユニットの導入、取付金具の改良などにより、空間に調和するシンプルなデザインとスムーズな施工性を実現し、フラットな音響特性により様々な施設でBGMやアナウンスなどの利用シーンに合わせた空間演出に貢献します。

 

・デジタル会議システム「TS-D1100シリーズ」から、マイクユニットとスピーカーユニットを発売しました。

 本製品は卓上の限られたスペースを有効活用できるコンパクトなシステムとして、小規模な会議に最適です。同シリーズの他ユニットと接続し、会議規模に応じたシステム拡張が可能です。また、システム動作に必要な機器を含む「ハイブリッド会議セット」を導入することで、手軽かつリーズナブルに明瞭な音声でのハイブリッド会議を実現できます。

 

・IPネットワーク経由で映像の監視や録画を行える「TRIFORAシリーズ」から、屋内外用のPTZカメラ2機種とPoE+対応8ポートスイッチを内蔵したネットワークレコーダー2機種を発売しました。

 PTZカメラ2機種はいずれも光学30倍ズームと12倍電子ズームにより遠くの被写体でも鮮明に監視可能なほか、最新の画像センサーの採用により夜間でもカラー映像の撮影が可能となる新機能「カラーナイトモード」を搭載し、従来品と比較して暗所での視認性が向上しました。また、ネットワークレコーダーは、業界初の「PoEオートリブート機能」を搭載し、接続機器の自動再起動を可能にすることで、監視システムの信頼性向上とメンテナンスコスト削減に寄与します。

 

・高解像度防犯カメラシステム「4メガAHDカメラシリーズ」から、屋外ドームカメラ、デジタルレコーダー、ドライブユニットを発売しました。

 「4メガAHDカメラシリーズ」は、AHD規格を採用した「AHDカメラシステム」のシリーズで、4メガ(2560×1440pixel)での撮影が可能な防犯カメラシステムです。

 これらのラインナップ拡充により寒冷地や冷凍倉庫などの監視が可能になるほか、最大16台のカメラを接続できるデジタルレコーダーにより、高解像度の映像を複数同時に記録できます。また、ドライブユニットはレコーダーを介さずにカメラ映像をモニターに出力可能なため、防犯のみならず業務効率化のためのシンプルなカメラシステムとして導入できます。