文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
① 当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」により、事業戦略策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を探究し、「なくてはならない器材・サービスを創出し、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。
この理念を実現するため、幅広い分野で高度なご要望に応える製品・サービスを提供していくとともに、 AIやIoT等の技術を取り込んだ「モノづくりの進化」、世界各地の拠点ネットワークを活用した「グローバル経営」を進めています。加えて、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発力強化」に注力し、さらなる成長に向けた体質の改革と強みを進化させ、成長事業への革新に取り組み、企業価値の継続的向上をはかっています。
また、公正で透明性の高い経営を実践し、真に社会に有用な企業となることを目指して効率的な健全経営に取り組んでいます。
② 当社は、定期的に取締役会の実効性評価を行なっております。
直近では、2020年3月に各取締役に対するアンケートを実施し、その分析と評価を外部機関に委託しました。評価結果から、当社取締役会の実効性に問題はなく有効に機能していることが確認できましたが、今後更に実効性を高めるためには、以下の課題があることが分かりました。
・事業計画や経営上の重要課題に関する議論や対応の状況
・ESG関連の認識共有と議論の充実
・役員研修体制の充実
・後継者育成計画の議論の充実
なお、抽出された課題の対処方法につきましては、今後取締役会で議論してまいります。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、世界経済においては米中関係の動向や地政学的な緊張に加え、世界的規模の新型コロナウイルス感染症の拡大により経済活動が抑制され、急速に減速しています。当面、この影響が続くと見込まれ、景気はさらに下振れするリスクが強まっています。日本経済においても、感染症の影響による経済活動の停滞や消費増税の影響から消費マインドの低下が見られ、先行きについても厳しい状況が続くと見込まれます。
当社グループの関連市場は、自動車関連については、北米および欧州市場が感染症の影響からの回復に時間を要すると思われることに加え、中国市場の伸び率の鈍化が見込まれます。民生・産業機器関連では、中国市場の減速を予測しており、特にスマートフォン市場は5Gへの展開があるものの、普及機種のアセアンへの生産移転などにより、数量の減少が見込まれ、設備投資関連の状況にも弱含みが見られます。
一方で当社グループ製品のニーズの高まりとして、自動車関連市場ではコネクテッドや電動化等の技術革新による大変革が進むと予想され、電子デバイス関連事業のディスプレイやタッチセンサー、システムソリューション製品の市場拡大や、電動化関連部品の生産工程における生産器材事業製品への需要が見込まれます。産業機器関連ではインフラの老朽化による検査・監視ニーズや、感染症対策を含めた省人化・無人化ニーズからIoT機器やサーボ関連機器およびUAV関連機器への需要を見込んでおります。今後も変化を続ける市場ニーズをタイムリーにとらえ、成長分野を見極めてまいります。
(3)中期経営計画と目標とする経営指標
当社グループは次々変化する経営環境に対処するため、3カ年の中期経営計画を策定しております。
① 2017年4月から2020年3月までの中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2020)の振り返り
当社グループは「次代の発展の基礎固め」として「次期成長に向けた体質強化」「自社の強みを進化させ、成長事業へ革新」を基本方針に課題に取り組んでまいりましたが、自社の強みを生かした新製品の開発を進めるも主力製品の移行期を迎える中で、課題を残すこととなりました。
② 2020年4月から2023年3月までの中期経営計画について
2020年4月から3カ年の中期経営計画については、新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大している影響により不透明な状況が続いております。そのため今後の中長期的な経営環境への影響を見極め、詳細な市場分析により経営戦略を策定した時点で、新たな中期経営計画および目標とする経営指標を公表させていただくとともに、迅速に取り組んでまいります。
なお、新型コロナウィルス感染症の影響については、現時点では本年度末まで影響が残ると見ており、地域や市場、お客様毎の最新情報を踏まえ、次期の中期経営計画の策定を進めています。また、来年度以降の影響については、現在情報を精査し検討中です。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
事業別には、電子デバイス関連事業のディスプレイ製品やタッチセンサー製品では「ヒトとモノとの快適なインターフェイス」のニッチトップを目指し、大きく変わる自動車の未来に向けた次世代車載HMIデバイスの開発に注力します。
ディスプレイ製品では、素子技術とプロセス開発による高輝度化を強みに、有機EL製品は、フィルムタイプ、高視認性の差別化製品の開発と拡販、さらに非表示用途の事務機器光源等の高付加価値製品で用途拡大を進めるとともに、部材・工程の原価低減を促進します。
タッチセンサー製品では、飛散防止ガラス工法や独自開発ICを強みに、フィルムタイプ、大型曲面カバーガラスの独自構造・独自工法で差別化製品の拡販に注力し、さらに高い生産効率を追求します。
同じく電子デバイス関連事業のシステムソリューション製品では、「IoT、ロボティクス時代を支えるシナジー製品」の開発に注力します。
無線通信技術、アクチュエータ一体化技術を強みに、産業用無線であらゆるものをネットに接続できる製品の拡販、サーボ製品は新市場・新規顧客のニーズ製品を開発し受注を獲得します。
産業用途ドローンシステムは機体制御技術と高い信頼性でインフラ保全、災害対策用途へ展開します。
複合モジュールでは新市場に向け付加価値を高めた液晶モジュールを拡販するとともに、無線技術とセンサーを活用したカスタム製品を提案してまいります。
生産器材事業では、「生産工程合理化を促す器材・サービス」の提供を目指し、変革が進むモノづくりの合理化をリードするビジネスモデルへ革新します。
既存製品の更なる生産性向上を行うとともに、加工技術開発や電子デバイスで培った材料開発を強みに、厚板 CFRPや電池部品供給製造システムの拡販を進めます。
さらに高品質なハード製品を核とした機械学習応用、電子機器開発、WEBサービス開発、自社の加工現場を強みとしたオンデマンド製造サービスや遠隔監視金型内計測システム、IoTモニタリングシステムの拡販を進めます。
また、全事業において社員が生き生きと活躍し、成長することが当社グループの成長につながるものと考え、個々人が自ら考え変革し、提案力と行動力で会社組織を動かし、世界に誇れる成果を成し遂げられる人財育成の仕組みの充実を図るとともに、多様な人材がやり甲斐を持って働き続けることができる環境を作ってまいります。
今後も株主の皆様の負託に応えることを経営上の最重要課題と認識し、継続的かつ安定的な利益還元を実施するとともに、コンプライアンスの浸透、リスク管理の強化に努めてまいります。
当社グループの経営成績および財政状態及びキャッシュ・フローの状況への重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。
これらのリスクに対応するため、平時および有事におけるリスク管理の定めに基づいて、リスクの把握とその評価を行い、対応方針の策定と整備を行っています。また、有事においては対策組織を立ち上げ、迅速かつ適切に対応することで、被害や損害の最小化を図っています。
なお、当該事項は有価証券報告書提出日(2020年6月26日)現在において判断した記載となっており、現時点では予測できない又は、重要と見なされないリスクの影響を将来的に受ける可能性があります。
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カテゴリー |
リスク項目 |
リスク内容 |
対応策 |
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事業戦略 |
市場ニーズ・技術の急速な変化 |
市場ニーズの急速な変化、技術の進化への適切な対応が当社の製品・サービスの付加価値となっており、十分な対応が取れないことや、成長分野への積極的投資等の回収計画未達により、業績や成長に悪影響を及ぼす可能性があります。 |
多様化するニーズや技術革新に対応するために、研究開発部門で技術動向による新たな固有技術の探求、営業部門で市場・顧客ニーズの把握を行い、それに基づき各事業で1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等の「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載の施策で取り組んでいます。 また、設備投資については、計画段階での審査に加え、定期的に回収状況を確認しています。 |
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競争の激化 |
それぞれの事業の関連する分野において、他業種からの新規参入も含めて価格競争が激化する可能性があり、想定を超える価格競争が発生した場合には、売上高、市場シェア、利益等に影響を及ぼす可能性があります。 |
各事業分野において、徹底した原価低減によりコスト競争力を高めるとともに、独自技術や品質・信頼性で競合他社と差別化を図り、シェア拡大を図っています。 さらに、市場の動向や競争の状況によって事業ポートフォリオの見直しを行っています。 |
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財務 |
金融市場の変化 |
取引先および取引地域が世界各地に渡っており、外貨建てで取引され、製品、サービス等のコストおよび価格が、為替変動による影響を受けます。また、金融変動、インフレ、デフレ等が予想を超えた場合、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 |
米ドル建てを主としており、一部は為替予約を実施し、定期的な外貨建て資産の見直しによる売却等で、リスクを軽減させる措置を講じています。 |
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製造およびサプライチェーン |
品質問題 |
製造販売する製品は技術製品であり、その用途が拡大するなどの原因により、未知の分野や予期せぬ環境での使用に伴う不具合の発生などで、信用低下につながる場合があり、業績および財務状況へ影響を及ぼす可能性があります。 |
IATF16949やISO9001の認証取得を含む品質保証体制の確立およびレベルの高いサービス体制の構築に努めています。また、万が一に備えPL保険等の損害賠償責任保険に加入し、賠償額の負担軽減を図っています。 |
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コスト競争力 |
グループ外調達により原材料、部品、サービスの供給を受けており、部品・材料・原油等の予想を超える価格の高騰が生じた場合の他に、歩留や生産性の低迷により、コスト競争力で他社に遅れを取る可能性があります。また、たな卸資産が陳腐化した場合には損失が発生し、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。 |
製品設計や材料のVA/VE、コスト競争力のある部品・材料の調達の他に、自動化および最適地生産も含めコスト削減を図っています。また、たな卸資産の停滞や過剰の発生を極力抑え、評価損等を軽減させる取り組みも行っています。なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「災害」カテゴリーの記載をご参照ください。 |
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カテゴリー |
リスク項目 |
リスク内容 |
当社の対応策 |
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研究開発 |
技術革新 |
世の中の技術革新が急激に進化し、その対応に遅れるだけでなく、新たな表示デバイスの出現や代替品の出現等で、当社の既存製品が陳腐化し、市場を奪われ、業績や事業等に影響を及ぼす可能性があります。 |
「なくてはならない器材・サービスを創出することで、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としており、顧客価値を追求した事業モデルの開発、先鋭化(新技術の探求、要素技術開発)、外部リソースを融合したソフト要素や共鳴する技術の獲得に取り組んでおり、成長分野への積極投資も行っていきます。 |
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知的財産権 |
独自に開発した技術などが、グローバルな競合の中で、第三者より知的財産権に基づく権利の主張を受ける可能性が常に存在します。また、営業秘密の予期せぬ流出により、競争力が低下することもあり、その場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。 |
製品の差別化と競争力強化のために、独自に開発した技術を特許権などとして権利化するとともに、ノウハウなどの営業秘密については、企業秘密管理規定により管理しており、それらを活用した市場競争力のある新製品の開発に注力しています。 |
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人財 |
人財の確保・育成 |
営業部門、研究開発部門、技術部門、製造部門、間接部門の全ての部門において、優秀な人財を確保する必要があります。しかしながら、少子高齢化に伴い、若手社員の確保が難しくなり、優秀な社員の引き抜きや、今後の定年退職者の増加により技能の継承が出来ず、将来の事業運営等に影響を及ぼす可能性があります。 |
継続的に優秀な人財を確保するために、新卒の他に、専門性の高い人財の中途採用を継続的に行うとともに、人財の定着にも配慮しています。また、人員不足に対応すべく技能に頼らない自動化生産体制の構築も行っています。 さらに、資格取得支援、研修制度を体系化し人財の育成に注力しています。 |
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災害 |
自然災害・感染症 |
南海トラフを原因とする巨大地震や首都圏直下地震をはじめとする火災、風水害、火山噴火等の自然災害の他に、新型インフルエンザや、新型コロナウイルス等の感染症が発生した場合、リスクとして取引先の倒産等による影響を含め全てを回避することは困難であり、昨今の気象変動などに伴う災害の大規模化も含め、事業運営および業績や財務状況等に影響を及ぼす可能性があります。 |
当社グループでは、大地震等の大災害発生時における対応策を予め策定・準備し、日頃より各種災害対策訓練の他に、大災害が発生した場合も、社長自らを本部長とする災害対策本部を設置し、人的・物的被害を最小限に抑え、事業を中断することのないようにBCP(事業継続計画)を準備しています。また、政府から発信される情報に基づき、感染症などへの対応も行っています。 なお、2020年1月より顕在化した新型コロナウイルス感染症が世界的に流行しておりますが、当社グループは対策組織を立ち上げ、事業継続や社員の健康および感染拡大の防止などの対応を図っています。ただし、提出日現在の新型コロナウィルス感染症の影響については、当社グループおよび取引先の生産拠点において、工場の稼働停止や稼働率の低下などから、受注の変動や供給体制の問題も生じており、部材の入手難や納期遅延、輸送費などのコストの上昇などが発生していますが、今後の市場変化やその影響額については継続的に経営会議等で検討しています。 |
経営成績等の概要
(1) 経営成績
当期の経営成績
当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調で推移しましたが、自然災害の影響や消費増税に伴う駆け込み需要の反動による個人消費の落ち込み、輸出の低迷による製造業の収益悪化等により、停滞感の強い状況が続いています。
世界経済につきましても、米中貿易摩擦の影響により景気が減速したほか、英国のEU離脱決定や中東情勢の行方による影響など、全体としては不透明な状況で推移しました。また、新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響により、国内外での経済活動が抑制されており、当面は感染症による影響が続くものと見込まれます。
こうした経済情勢下にあり、当社グループは中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2020)に基づき、この期間を「次代の発展の基礎固め」と位置付けて、経営基盤の強化に努めましたが、市場環境の悪化の影響を受け、業績は低迷しました。
なお、当期に実施した主な取り組みは、以下のとおりです。
① ディスプレイ事業の有機ELディスプレイにおいてグループ全体の最適化を検討し、生産拠点を双葉モバイルディスプレイ株式会社(茨城県北茨城市)に集約し、経営の効率化と生産の合理化をはかりました。
② 中期経営計画に掲げる取り組みである「生産工程合理化を促す器材・サービス」として、社内リソースを融合した「工作機械IoTモニタリングシステム」の開発を推進しました。
その結果、当連結会計年度における売上高は572億9百万円(前期比14.7%減)となりました。このうち海外売上高は334億3千4百万円(前期比18.3%減)となり、国内売上高は237億7千5百万円(前期比9.1%減)となりました。
収益面では、営業損失は36億9千8百万円(前期は営業利益3億2千3百万円)となりました。
また、経常損失は33億4百万円(前期は経常利益14億6千万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失を計上したことにより101億1千8百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失160億1千5百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(電子デバイス関連)
(主な製品:蛍光表示管、有機ELディスプレイ、タッチセンサー、複合モジュール、産業用ラジコン機器、
ホビー用ラジコン機器等)
<蛍光表示管の売上高の状況>
各用途ともに低迷し、売上げは前期を下回りました。
<有機ELディスプレイの売上高の状況>
海外の映像・通信機用途を中心に大幅に増加したことから、売上げは前期を上回りました。
<タッチセンサーの売上高の状況>
国内の車載用途は順調でしたが、コモディティ化の影響などにより構成比の高い海外の車載用途が大幅に減少したことから、売上げは前期を下回りました。
<複合モジュールの売上高の状況>
国内の計測器用途は好調でしたが、POS用途が大幅に減少したことから、売上げは前期を下回りました。
<産業用ラジコン機器の売上高の状況>
農業関連向けは順調でしたが、トラッククレーン向けは低調に推移しました。なお、セントラル電子制御株式会社をグループ化したことにより、売上げは前期を上回りました。
<ホビー用ラジコン機器の売上高の状況>
国内および北米を中心に販売が低迷したため、売上げは前期を下回りました。
(生産器材)
(主な製品:プレート製品、金型用器材、成形合理化機器)
<国内売上高の状況>
国内市場は、モールドおよびプレス金型用器材の需要が引き続き低迷し、成形合理化機器も市場環境悪化の影響を受け不振であったことから、売上げは前期を下回りました。
<海外売上高の状況>
主力の韓国では、自動車向けが好調でしたが、携帯電話向けは大幅に減少したほか、為替による影響も受け、売上げは前期を下回りました。また、中国市場においても低迷したことから、海外全体の売上げは前期を下回りました。
(2) 当期の財政状態の概況
(資産、負債、純資産及びキャッシュ・フローの状況に関する分析)
① 総資産は、受取手形及び売掛金や現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ218億1千3百万円減少し、980億3千7百万円となりました。
負債は、支払手形及び買掛金や電子記録債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べ28億5千万円減少し、109億1千1百万円となりました。
純資産は、利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ189億6千3百万円減少し、871億2千5百万円となりました。この結果、自己資本比率は79.1%となりました。
② 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は295億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億6千9百万円減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、15億1千6百万円(前期は12億1千3百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失94億2千5百万円や減損損失58億2百万円、売上債権の減少額37億3千7百万円、たな卸資産の減少額30億4千5百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は、5千7百万円(前期は21億5千3百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出17億9千7百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入13億5千4百万円、有形固定資産の売却による収入6億4千4百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、42億6千万円(前期は40億4千4百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額37億3千2百万円などの支出によるものです。
(3) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
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電子デバイス関連(百万円) |
23,871 |
72.3 |
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生産器材(百万円) |
26,742 |
90.0 |
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合 計 (百万円) |
50,614 |
80.7 |
(注)1.セグメント間の内部売上高又は振替高を含んでいます。
2.金額は売価換算値で表示しています。
3.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
② 受注実績
製品の性質上、原則として需要予測に基づく見込み生産を主体としていますので記載を省略しています。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前期比(%) |
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電子デバイス関連(百万円) |
27,058 |
80.3 |
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生産器材(百万円) |
30,151 |
90.3 |
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合 計 (百万円) |
57,209 |
85.3 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。
3.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当
該割合が100分の10以上の相手先が無いため、記載を省略しています。
(4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準により作成されており、詳細は当有価証券報告書「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表[注記事項]」に記載しています。決算数値に影響を与える将来の見積りおよび条件設定に関して、当社経営陣は将来の事業環境動向および過去の実績などを合理的な分析手法、客観的データにて判断し、さらに当社の経営戦略を加味して策定しています。当社は、貸倒引当金の設定、たな卸資産の評価、金融商品の時価評価、固定資産の減損会計、税効果会計および退職給付会計などに関わる会計方針が重要であると認識しています。
② 経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの売上高は572億9百万円、営業損失は36億9千8百万円、経常損失は33億4百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は101億1千8百万円となりました。
売上高については、前期比14.7%減となりました。収益面では、売上げの減少などにより営業損失は36億9千8百万円(前期は営業利益3億2千3百万円)、経常損失は33億4百万円(前期は経常利益14億6千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、減損損失を計上したことから101億1千8百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失160億1千5百万円)となりました。
③ 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金や現金及び預金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ218億1千3百万円減少し、980億3千7百万円となりました。
当連結会計年度末の負債は、支払手形及び買掛金や電子記録債務の減少などにより、前連結会計年度末に比べ28億5千万円減少し、109億1千1百万円となりました。
また、当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ189億6千3百万円減少し、871億2千5百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末79.9%から0.8ポイント減少して79.1%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べて429円24銭減少して、1,828円69銭となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
・ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は295億8千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ32億6千9百万円減少しました。
営業活動の結果獲得した資金は、15億1千6百万円(前期は12億1千3百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失94億2千5百万円や減損損失58億2百万円、売上債権の減少額37億3千7百万円、たな卸資産の減少額30億4千5百万円などによるものです。
投資活動の結果獲得した資金は、5千7百万円(前期は21億5千3百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出17億9千7百万円や投資有価証券の売却及び償還による収入13億5千4百万円、有形固定資産の売却による収入6億4千4百万円などによるものです。
財務活動の結果使用した資金は、42億6千万円(前期は40億4千4百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額37億3千2百万円などの支出によるものです。
・ 資金需要及び財務政策
当社グループでは、今後もグローバルな市場への展開のために、主に日本における研究開発が不可欠であると考えており、そのための研究開発投資とグループ内の事業投資を今後も継続していきます。
また、当社グループでは引き続き財務の健全性を堅持し、営業活動によるキャッシュ・フローを生み出すことによって、当社グループの成長に必要な資金を調達していくことが可能であると考えています。
⑤ 経営者の問題認識と今後の方針
経営者の問題認識と今後の方針については、本項に記載のほか、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
該当事項はありません。
当社グループ(当社および連結子会社)における研究開発費は、
(1) 電子デバイス関連
電子デバイス関連については、蛍光表示管および有機ELディスプレイを中心とする電子ディスプレイ、投影型静電容量方式のタッチパネルおよびそのモジュール、各種のラジコン・UAV機器・アクチュエーターなどの製品をいち早く市場に投入すべく研究開発を行っています。
有機ELデバイスについては、蛍光表示管で培った小型ディスプレイ市場を有機ELディスプレイにて継承し、加えて有機ELプリントヘッドの用途展開により事業拡大していきます。当期は車載ディスプレイ製品の高輝度化(従来比50%向上)と、薄型・軽量で曲面配置に対応可能なフィルム製品の低コスト化(従来比50%低減)を実現し拡販を開始しました。市場価格低下に対応し販売を拡大していくため、車載製品やフィルム製品にも共通に適用可能な新技術開発により大幅な低コスト化を進めています。また有機ELプリントヘッドでは現在生産中の民生用途に加え、業務用途への展開に向けた技術開発と製品開発に取り組んでいます。
投影型静電容量方式タッチパネルについては、車載センターコンソール用表示の大型化や曲面化のニーズに対応すべく、フィルム方式のタッチセンサーと大型・曲面の加飾カバーガラスの開発を推進しました。さらに、これらを複合化した製品の開発も進め、タッチセンサー機能を内蔵したディスプレイでは実現できない領域にも、対応していきます。また、進化する未来志向の車載インテリアデザインや形状の多様化に対応したセンサー・スイッチのニーズに対し、3D形状のタッチセンサーの技術開発を開始しました。静電容量式センサー部品を中心に、当社のカスタム制御ICを使ったセンサー制御技術を組合せて、デバイスだけでなく、アプリケーションの提案も進め、お客様の多様なニーズに応えていきます。
サーボ関連については、小型高トルクブラシレスサーボを市場投入すると共に、非接触角度センサー、ブラシレスモーターを採用する事で、従来品よりも耐久性を向上させたUAV用の製品を市場投入し、標準ラインナップを拡充するため、防水(ⅠP67)、CANインターフェースに対応した開発を進めていきます。
UAV関連については、長距離飛行で求められる1台のドローンを2台の送信機(操縦者)で受け渡しを可能にするS.BUS切替えアダプターを市場投入し、顧客の多様なニーズに対応したドローンシステムの開発を行っていきます。
エンジン製品については、競技車用製品のOEM受注を推進する事でシェアNo.1を維持していきます。無人機用途への動力源として、電子制御燃料噴射と高効率出力安定化回路付き発電システムを装備した4サイクル2気筒エンジンの開発を進め、農業・搬送・空撮・計測・調査を主体とする国内外企業へ販売展開を進めています。
産業用ラジコン機器については、農業、物流、放送、インフラ市場に向け、免許不要な周波数帯を利用したテレコンおよび音声通信用無線機を市場投入し、拡大するIoT市場へ展開するため、システムインテグレーターと協業し、920MHz帯IoTゲートウェイと周辺端末の開発を進めていきます。画像伝送システムについては、5G Hz帯でFull-HDの画像を高画質のまま低遅延で伝送可能な屋外仕様の製品開発を行っています。
表示モジュールについては、多言語・可変フォント・簡易動画機能などを搭載したコマンド式TFT-LCDモジュールの標準ラインナップに加え、画面拡張やラズベリーパイ等に接続可能なものや、多種のインターフェースを搭載した製品開発を行っています。さらに、お客様の多様なニーズにお応え出来るよう製品開発を進めています。
ホビー用ラジコン機器については、車用ハイエンドクラスの7チャンネルプロポをマイナーチェンジし、車用ハイエンド用サーボなどを開発し市場投入しました。
以上を含め、当事業における研究開発費は、
(2) 生産器材
生産器材については、金型基礎器材から成形技術までのトータルサプライヤーとして、成形現場の支援につながるシステム開発や成形合理化製品および新製品の開発を進めました。
金型基礎器材では、お客様の器材調達を合理化する仕組みとして、フタバオーダーサイトをリニューアルいたしました。寸法指定プレートだけでなく、プレス金型用部品、モールド金型用部品、モールドマーシャリングシステム等、取扱い製品を大幅に追加しました。金型用部品につきましては、標準品だけでなく、追加加工にも対応いたしました。国内関連会社の株式会社カブクと連携し、更なる器材調達の合理化を図るべく、システム開発を進めています。
成形合理化製品では、成形サイクルタイム短縮や樹脂量削減につながるホットランナシステムにおいて、耐摩耗性・耐腐食性の向上を図り、高機能樹脂に対応しました。金型内の「見える化」を実現するモールドマーシャリングシステムにおいては、「MT法」を活用した成形異常判定機能を盛り込み機能アップした新商品を投入しました。さらに、プレス成形分野においては、二次電池用電極材切断金型や包材絞り金型を二次電池部材メーカー様に納入しています。
新製品開発では、モールドマーシャリングシステムで取得した情報をクラウドで一元管理するシステムや、工作機械の稼働状況をクラウドで一元管理する工作機械IoTモニタリングシステムの開発、および機能部品用の新素材として、炭素繊維複合強化プラスチック(CFRP)プレートの量産技術開発に取り組みました。いずれも、サービス体制を整え、市場投入への準備を進めています。
以上を含め、当事業における研究開発費は、