文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は1948年の創業以来、インターホンを中心とした通信機器の専門メーカーとして事業を展開し今日に至っております。
基本方針は、経営理念「自分の仕事に責任を持て 他人に迷惑をかけるな」の下、自社ブランドを基本とし、開発から生産・販売・アフターサービスに至るまで一貫して行い、お客様に満足していただける商品づくりを進めております。
また、経営ビジョンである「コミュニケーションとセキュリティの技術で社会に貢献する」と「顧客感動品質を創造し、世界中の人々に安心・安全・快適を提供し続ける」の下、「新しい安心をかたちに」をスローガンとして掲げ、新しい安心を実感できる商品やサービスを提供し、社会に貢献していきたいと考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、国内だけでなく広く世界約70カ国に輸出をしております。当社グループの発展のためには、国内の既存事業基盤の強化のみならず、新規事業分野の創造を図るとともに、海外における販売体制の強化、グローバルな生産体制のより一層の推進など海外展開の強化を進め、収益構造やコスト構造の改善を進めることが重要であると認識しております。具体的な経営指標につきましては、引き続き経営基盤の強化を図るため連結売上高営業利益率を重要な指標としております。また、より一層資本効率の向上を目指した経営を進めてまいります。
(3)経営環境、中長期的な経営戦略、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境としましては、新型コロナウイルス感染拡大により、先行不透明な状況ではありますが、情報技術の進化が加速度を増す中、新たなテクノロジーが生活の中に浸透し、生活のあり方そのものに様々な変化が生まれてくることが予測されます。そのような事業環境にあることを踏まえつつ、上記の経営の基本方針に基づいた長期的な経営目標の達成に向けて、2019年度から2021年度までの3カ年を対象とした第7次中期経営計画「AIPHONE Vision 2021」を策定しております。従来のビジネスモデルから発展し、「安心」「安全」「快適」「生産性と価値の向上」といった、お客様が真に求める価値を創造し提供し続ける企業へと“変身”するための3カ年と位置付けて邁進してまいります。
<第7次中期経営計画(2021年度)の業績目標>
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2019年度(実績) |
2021年度(目標) |
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連結売上高 |
484億9千4百万円 |
490億円 |
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連結営業利益 |
28億3千3百万円 |
30億円 |
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連結売上高営業利益率 |
5.8% |
6.1% |
<第7次中期経営計画(3カ年)の重点戦略>
①抜本的改革による開発基盤の強化
②マーケティング機能の強化
③ソリューション営業の推進
④スマート化による生産効率の向上
⑤重点商品浸透戦略による海外市場のさらなる拡大
⑥成長領域における品質保証体制強化
⑦環境変化に対応する人材の育成
⑧利益体質の強化
<国内市場>
住宅市場につきましては、今後、賃貸住宅の新設住宅着工戸数の伸張が一段落し、新築住宅での販売機会は縮小していくことが予測されますが、戸建住宅・集合住宅ともにリニューアルの需要は拡大が予測されます。また、病院市場の新設着工件数も増加することは期待できず、高齢者施設等においても高齢者の増加で需要自体は拡大するものの、介護従事者の人員不足等により市場環境といたしましては厳しい状況が予測されます。
・住宅市場
戸建住宅におきましては高い評価をいただいているワイヤレステレビドアホンに加え、付加価値の高い機能を搭載した新商品を積極的に投入することで販売を拡大してまいります。集合住宅におきましては、分譲物件では引き続き管理会社への営業活動を強化してまいります。賃貸物件におきましても、全国の管理会社との関係を強化し、引き続き小規模マンション・アパート向けシステムの販売を拡大してまいります。
・ケア市場
病院だけでなく、高齢化が進む社会のニーズへの対応を図るため高齢者施設や高齢者住宅等に対しまして、他のメーカーとのアライアンスによる商品開発と販売の拡大に努めてまいります。さらに、設備更新の需要は拡大が予測される中、介護施設等の現場での人手不足といった課題をIPネットワーク対応ナースコールシステムの提案で解決し、提供価値の拡大につなげてまいります。
<海外市場>
海外市場のセキュリティニーズはさらに高まるものと予測しております。主力販売地域の北米及び欧州を中心に販売を強化するとともに、オーストラリア、シンガポールでの販売拡大を目指して積極的な営業活動を進めてまいります。その他地域におきましても販路の開拓や販売体制の整備等を併せて推進し、海外市場売上の拡大を図ってまいります。
また、上記の各市場における活動とともに、現在の事業領域だけでなく新たな分野での価値提供を目指し、積極的な挑戦と投資を行ってまいります。
<生産活動>
ITやロボット活用による合理化やグループ全体最適の観点による生産体制の構築を進め、タイムリーで安定した商品供給と利益の創出につなげてまいります。
<商品開発>
国内外の市場ニーズに応じた魅力的な商品を創造するため、IoTやAIといった新技術に対応し、多様化するお客様ニーズに応えることができるよう、より積極的な開発への取組みを進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、当社グループはこれらのリスクを認識したうえで、その影響を最小限にすべく事業活動を行ってまいります。
(1)新設住宅市場への依存
当社グループの売上において、海外の販売を強化するとともにリニューアル市場での売上拡大に注力いたしておりますが、国内の新設住宅着工戸数の減少が経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2)品質問題の発生
当社グループでは、ねらいの市場品質情報を収集し、品質管理による新商品の開発、また既存商品の品質改善を適切に行い、必要とする期間お客様が安全で安心し満足してご使用できる状態をつくることを目的とした品質保証規程を定め、品質に対する管理体制には万全を期しておりますが、予期せぬ不具合等の発生に伴い製造物賠償責任が発生し、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3)法令等の違反・変更
当社グループでは、コンプライアンス体制を確立するため、行動規範や規程等を整備するとともにリスク管理委員会等を設置し、法令及び企業倫理に反しない企業を目指し啓蒙活動等を推進しておりますが、法令等違反が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、国内及び海外各国の法令・規制等の変更により、当社グループの事業活動が影響を受け、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)知的財産権の紛争
当社グループが保有する知的財産権の保護に関しましては適切な管理体制を敷くとともに、第三者の知的財産権を侵害することのないよう十分な調査等を行っておりますが、図らずも第三者との間で知的財産権に係る紛争が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5)自然災害等の発生
当社グループは、国内及び海外の各地に事業を展開しており、各事業拠点における地震等の大規模な自然災害の発生により被る損害を最小限に抑えるため事業継続マネジメントシステム(BCMS)等を構築しリスクマネジメントを行っております。しかしながら、想定を超える地震等の大規模な自然災害の発生や新型コロナウイルス等の感染症の世界的な感染拡大により、当社グループの事業拠点や供給元並びに販売先等のサプライチェーンに甚大な被害が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6)国際情勢の不安
当社グループは、海外の各地に事業を展開しており、当社グループ子会社及び取引先から情報の収集等を行っておりますが、各国の政治・経済の動向あるいは予期せぬ戦争、テロ等が発生した場合には、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7)為替の変動
当社グループは、海外の各地に事業を展開しており、各国の経済情勢や環境の変化等による為替変動が、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(8)情報の漏洩及び滅失の発生
当社グループが保有する個人情報を含む機密情報に関しましては、情報の管理体制を確立するため情報セキュリティ規程等を整備するとともに、運用環境の整備を継続的に行っておりますが、予期せぬ事態の発生に伴い保有情報が漏洩もしくは滅失し、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(9)株価の変動
当社グループは、事業戦略、取引先との関係強化、地域社会との関係維持等を総合的に勘案し、中長期的な企業価値を向上させるため株式を保有しています。個別の銘柄ごとに経済合理性等を検証し、保有意義が薄いと判断した株式は売却しておりますが、株式価値が変動した場合、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、高水準の企業収益を背景に設備投資につきましては堅調に推移し雇用環境につきましても改善が続きました。しかしながら、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動が表れ個人消費に落ち込みが見られるのに加え、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染の世界的な拡大により、景気の減速懸念が急速に高まり、今後の先行きにつきましては全く不透明な情勢となりました。当社グループを取り巻く環境につきましても、2月以降は需要の低下や営業活動への制限等が発生いたしました。
こうした状況の中、既存の集合住宅や病院・高齢者施設等のインターホン設備等の更新需要の掘り起こし活動により、販売の機会が増加いたしました。また海外市場におきましては、米国は業務市場を中心にセキュリティニーズが高く、引き合いが増加いたしました。
当社グループといたしましては、当期におきましてもお客様のニーズにお応えし、販売の拡大を図るべく、引き続き新製品の開発と積極的な営業活動を展開して業績の向上に努めてまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
(イ)財政状態
当連結会計年度末の財政状態は、総資産590億2千4百万円(前連結会計年度末比15億2千7百万円増)、負債108億4千5百万円(同6億6千3百万円増)、純資産481億7千8百万円(同8億6千3百万円増)となりました。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高484億9千4百万円(前連結会計年度比4.7%増)、営業利益28億3千3百万円(同4.4%増)、経常利益28億9千4百万円(同1.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益23億7千万円(同3.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりです。
(日本セグメント)
国内の住宅市場につきましては、戸建住宅におきまして、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数全体としては前期から増加したものの、大手ハウスメーカーの着工戸数が伸び悩み高機能商品の販売が減少するとともに販売価格の下落等もあり、売上は微減となりました。しかしながらリニューアルでは、ワイヤレステレビドアホンの販売が好調に推移したことにより売上は前期から微増し、戸建住宅市場全体としての売上は前期並となりました。
集合住宅につきましては、新築では当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が前期から減少したものの、分譲マンションへの販売が好調に推移したことにより売上は前期から増加いたしました。リニューアルでは、消費増税前の駆け込み需要等の影響により第2四半期までの販売が大きく増加したものの、第3四半期以降におきましてはその反動から販売が鈍化する動きも見られました。しかしながら、市場といたしましては潜在的な需要が継続しており、積極的な受注活動を推進したことにより売上は増加いたしました。この結果、集合住宅市場全体として売上は増加いたしました。
ケア市場につきましては、新築では高齢者住宅の販売が増加したものの、病院の新設着工件数が減少し、病院への販売が低迷したこと等により売上は減少いたしました。一方、リニューアルではソリューション営業と保守サービスの推進が功を奏し、病院・高齢者施設・高齢者住宅におきまして販売が増加したことにより、売上は増加いたしました。この結果、ケア市場全体として売上は増加いたしました。
業務市場につきましては、IPネットワーク対応インターホンシステムをバージョンアップしたことにより販売の裾野がさらに拡大し、売上は増加いたしました。
これらの結果、日本セグメントの売上高は437億4千1百万円(前連結会計年度比5.4%増)となりました。また、営業利益につきましては、販売費及び一般管理費の増加等もあり17億6千万円(同16.5%減)となりました。
(北米セグメント)
アメリカの販売子会社でありますアイホンコーポレーションにつきましては、社会的背景から学校や公共施設等におけるセキュリティニーズがさらに高まる中で、主要取引先と連携したプロモーション戦略等により、新たな機能を付加し発売したIPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
これらの結果、北米セグメントの売上高は77億1千5百万円(前連結会計年度比0.6%増)となりました。また、営業利益につきましては、グループ間取引価格の変更の影響等もあり3億1百万円(同13.6%減)となりました。
(欧州セグメント)
フランスの販売子会社でありますアイホンS.A.S.につきましては、主要販売エリアのフランスにおきまして新商品のWi-Fi対応テレビドアホンを中心とした工事店への積極的な営業活動が功を奏し、戸建住宅におきまして販売が好調に推移いたしました。
イギリスの販売子会社でありますアイホンUKにつきましては、IPネットワーク対応インターホンシステム及び集合住宅向けシステムの販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
これらの結果、現地通貨では前期比で増加したものの、為替の影響を受け、欧州セグメントの売上高は35億2千5百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。また、営業利益につきましては、販売費及び一般管理費の増加等もあり4千万円(同41.3%減)となりました。
(タイセグメント)
生産子会社でありますアイホンコミュニケーションズ(タイランド)は、当社グループ向けに製品等を生産・出荷しております。
タイセグメントの売上高は77億2千4百万円(前連結会計年度比4.5%減)となりました。また、営業利益につきましては、原価改善等もあり4億2千1百万円(同176.3%増)となりました。
(ベトナムセグメント)
生産子会社でありますアイホンコミュニケーションズ(ベトナム)は、当社グループ向けに製品等を生産・出荷しております。
ベトナムセグメントの売上高は32億2千8百万円(前連結会計年度比17.7%増)となりました。また、営業利益につきましては、原価改善等もあり1億3千2百万円(同66.7%増)となりました。
(その他)
報告セグメントに含まれない販売子会社といたしまして、オーストラリアの販売子会社でありますアイホンPTYにつきましては、戸建住宅へのWi-Fi対応テレビドアホンの販売及び業務市場へのIPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
シンガポールの販売子会社でありますアイホンPTE.につきましては、業務市場におきまして大型案件へのIPネットワーク対応インターホンシステムの販売や、Wi-Fi対応テレビドアホン等の販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。
これらの結果、セグメントに含まれない販売子会社におきましては、売上高は8億9千6百万円(前連結会計年度比5.0%増)となりました。また、営業利益につきましては、2千9百万円(前連結会計年度は営業損失2千5百万円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ25億9百万円増加し、169億4百万円となりました。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は41億2千9百万円(前連結会計年度比19.5%増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益29億4百万円に加え、減価償却費9億6千8百万円の計上があったものの、法人税等の支払額12億7千9百万円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は6億5千9百万円(同26.9%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出7億4千5百万円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は8億4千6百万円(同54.3%増)となりました。これは主に、配当金の支払額8億円等があったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
32,656 |
103.5 |
|
タイ |
8,005 |
100.1 |
|
ベトナム |
3,300 |
121.0 |
|
合計 |
43,962 |
104.0 |
(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(ロ)受注実績
当社グループは、主として需要見込による生産方式をとっておりますので記載を省略しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
日本 |
36,395 |
106.4 |
|
北米 |
7,681 |
100.8 |
|
欧州 |
3,523 |
96.0 |
|
その他 |
893 |
104.6 |
|
合計 |
48,494 |
104.7 |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
当連結会計年度末における資産は590億2千4百万円(前連結会計年度末574億9千7百万円)となり15億2千7百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が24億5千5百万円増加、繰延税金資産が5億2千7百万円増加、売上債権が4億6千6百万円減少、投資有価証券が4億6千6百万円減少、たな卸資産が3億8千6百万円減少したこと等によるものであります。
負債は108億4千5百万円(前連結会計年度末101億8千2百万円)となり6億6千3百万円増加いたしました。これは主に、未払費用が9億3千2百万円増加、退職給付に係る負債が1億7千3百万円増加、製品保証引当金が1億4千万円増加、未払消費税等が1億9百万円増加、仕入債務が6億2千3百万円減少、未払法人税等が2億5千万円減少したこと等によるものであります。
純資産は481億7千8百万円(前連結会計年度末473億1千4百万円)となり8億6千3百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益23億7千万円による増加、剰余金の配当8億円による減少、為替換算調整勘定が4億6千9百万円減少、その他有価証券評価差額金が2億8千8百万円減少したこと等によるものであります。
(ロ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、484億9千4百万円(前連結会計年度比4.7%増)となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 (ロ)経営成績」に記載しております。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上総利益は、217億3千6百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。主な増加要因としましては、売上高の増加によるものであります。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、189億3百万円(前連結会計年度比3.9%増)となりました。主な増加要因としましては、人件費や研究開発費の増加によるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、28億3千3百万円(前連結会計年度比4.4%増)となりました。主な増加要因としましては、販売費及び一般管理費が増加したものの売上高の増加に伴う売上総利益が増加したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、28億9千4百万円(前連結会計年度比1.5%増)となりました。主な増加要因としましては、営業利益が増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、23億7千万円(前連結会計年度比3.7%増)となりました。主な増加要因としましては、経常利益が増加したことによるものであります。
なお、当社グループが経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としている連結売上高営業利益率は売上高が増加したものの販売費及び一般管理費も増加したことにより、5.8%(前連結会計年度比0.0ポイント減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、持続的な成長のための積極的投資と株主への利益還元に必要な資金の確保、並びに強固な財務基盤の維持を目指し、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。運転資金需要の主なものは、製品を生産するための材料仕入、外注費等の製造費用や新商品開発のための新商品開発費及び販売費であります。また、設備資金需要の主なものは、製品を生産するための機械装置等の固定資産購入であります。なお、当社グループはこれらの資金を全額自己資金で充当しております。
また、株主還元につきましては、長期的な視点に立った安定的な配当を実施するとともに、経営基盤の強化と収益見通しを勘案しつつ積極的な配当を検討しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が経営成績等に重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染拡大により、先行不透明な状況ではありますが、当社において入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(製品保証引当金)
製品保証引当金は、将来発生する修理費用の見積額を計上しております。修理費用の見積額は、過去の発生実績率や特定案件の合理的な見積りに基づいて計上しておりますが、実際の発生実績率または修理費用が見積りと異なる場合、製品保証引当金に影響を及ぼす可能性があります。
(退職給付債務及び退職給付費用)
退職給付債務及び退職給付費用は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、退職給付債務及び退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、当社(セグメントの名称:日本)で集中して行っており、その成果の概況は以下のとおりであります。
当社では、電気通信機器の事業分野において一流のメーカーを目指し、市場のニーズに合わせた研究開発に重点をおいて取り組むとともに長期的な視点に立った基礎的研究も同時に行っております。現在、当社グループの研究開発には172名(従業員数の8.7%)の従業員が従事しております。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、
(1) 戸建住宅市場の分野では、シンプルなデザインで利便性を高めたテレビドアホン「JS-12、JS-12E」を開発いたしました。
居室親機の画面に3.5型モニターを採用し、玄関等に取付するカメラ付玄関子機には夜間照明LEDを内蔵することで、夜間でもカラー映像で来訪者を確認することができます。また、カメラレンズの角度調整は従来品の上下に加え、左右や斜めにも調整可能となったため、取付位置の制限や、別途角度調整台を用意する必要がなくなり、設置の自由度を高めました。デザイン面ではモニター付親機、モニター付子機のスピーカースリットを底面へ配置することで、凹凸を少なくし、表面の手入れがし易い構造にいたしました。インテリアのデザインとの調和を図り、操作性とともに“シンプルさ”にこだわりました。
(2) ケア市場の分野では、医療施設・介護施設の従事者向けにコミュニケーションを円滑にする、スマートフォン用アドレス帳アプリケーション「CareRings Contact(ケアリングス コンタクト)」を開発いたしました。
このアプリケーションは、医療施設・介護施設で働く方々の出勤者情報や検索機能、定型メッセージ機能等により、リアルタイムに内容が確認でき、円滑なコミュニケーションと業務の効率化や省力化に寄与いたします。また、オプション機能として施設内で移動している医療・介護従事者の位置情報を把握することができ、スタッフ間の更なるスムーズな連携を可能といたしました。
(3) 海外市場の分野では、通信技術にIPの技術を用いた「IXGシステム」を開発いたしました。
このシステムは、当社グループ初の通信プロトコルがIP化された集合住宅向けインターホンシステムであり、IP化されたことによる拡張性や施工性により幅広い顧客のニーズに対応することができます。機能面では海外市場では一般的となっているインターホンの呼出をスマートフォンアプリで応対できる機能を搭載し、在宅・外出を問わず来訪者の確認や応対ができるようにいたしました。また、エントランスに設置する集合玄関機につきましては、従来機器では表面にあった呼出を操作するためのボタンを無くし、全ての操作を7型タッチパネルで行うようにいたしました。これにより凹凸の少ない薄型デザインとし、高級感のあるマンションのエントランスにもマッチするデザインを実現いたしました。施工面では集合玄関機やモニター付居室端末をLANケーブルで接続し設定するだけで施工ができるため、施工性の改善による省力化にも貢献しております。また、当社グループが業務市場で販売しているIXシステムと相互接続が可能であり、商業施設と集合住宅が一体となった複合ビルにおいては、一つのシステムとして構築することができます。さらにIP化されたことで監視システムやホームオートメーションシステムなど他設備との連携が容易であり、今後、より拡張性が向上していくシステムであります。