第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年4月1日~2024年9月30日)における世界経済は、物価の上昇が落ち着きつつある一方で、景気後退が懸念される等先行き不透明な状況が続きました。

こうした中、わが国の経済は、マイナス金利解除、実質賃金の回復等により経済は緩やかな回復傾向にあるものの、為替の急激な変動等先行きが不透明な状況が継続いたしました。

 

①財政状態の状況

当中間連結会計期間末における総資産は749億6千8百万円(前連結会計年度末784億1千6百万円)となり34億4千7百万円減少いたしました。これは主に、棚卸資産が24億9千5百万円減少、投資有価証券が10億4千3百万円減少したことによるものです。

負債は103億2千7百万円(前連結会計年度末135億2百万円)となり31億7千5百万円減少いたしました。これは主に、預り保証金が16億9千7百万円減少、未払消費税等が6億1百万円減少、仕入債務が4億7千6百万円減少したことによるものです。

純資産は646億4千1百万円(前連結会計年度末649億1千3百万円)となり2億7千1百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金が3億8千5百万円増加、その他有価証券評価差額金が5億9千2百万円減少したことによるものです。

 

②経営成績の状況

当中間連結会計期間の経営成績は、売上高は309億7千7百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は21億1千7百万円(同29.9%減)、経常利益は20億7千万円(同40.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は16億9千4百万円(同35.8%減)となりました。

 

当中間連結会計期間におけるセグメントの経営成績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

会社名

日本

アイホン株式会社

北米

アイホンコーポレーション

欧州

アイホンS.A.S.、アイホンUK

タイ

アイホンコミュニケーションズ(タイランド)

ベトナム

アイホンコミュニケーションズ(ベトナム)

その他

アイホンPTY、アイホンPTE.

 

 

 

セグメント

売上高(億円)

営業利益又は営業損失(△)(億円)

中間会計期間

増減率(%)

中間会計期間

増減率(%)

2024年

3月期

2025年

3月期

2024年

3月期

2025年

3月期

日本

266.0

278.4

4.7

26.1

18.5

△29.0

北米

65.0

61.1

△5.9

5.7

△3.1

欧州

19.5

22.0

12.5

0.1

0.0

△97.3

タイ

51.0

49.8

△2.5

1.6

2.6

60.5

ベトナム

27.4

35.4

29.5

1.0

1.4

30.5

その他

6.6

7.9

20.0

0.1

0.2

75.2

 

(日本セグメント)

売上高は278億4千4百万円(前年同期比4.7%増)となりました。営業利益は研究開発費の増加等もあり18億5千2百万円(同29.0%減)となりました。

(戸建住宅市場)

売上高は19億8千6百万円(前年同期比6.0%減)となりました。

新築では、ハイグレードモデルを中心に価格改定の効果が見られたものの、当社の納入時期にあたる住宅着工戸数の減少や、前年同期の商品供給の安定化に伴う一時的な売上増加の反動もあり、売上は減少いたしました。

リニューアルでは、商品の供給難に起因する受注納入残が解消された前年同期と比べて、主力のワイヤレステレビドアホンやスタンダードモデルの販売が大幅に減少し、売上は大幅に減少いたしました。

(集合住宅市場)

売上高は、152億9千8百万円(前年同期比8.9%増)となりました。

新築では、当社の納入時期にあたる住宅着工戸数が減少し、分譲マンション向けの販売は減少したものの、賃貸マンション向けの主力商品の販売が好調に推移し、売上は増加いたしました。

リニューアルでは、旺盛なセキュリティニーズを背景に、積極的な受注活動を推進したことにより分譲マンション向けの大型案件の受注が増加したことに加え、賃貸マンション向け主力商品の供給の安定化や価格改定に伴う駆け込み需要により販売が好調に推移し、売上は大幅に増加いたしました。

(ケア市場)

売上高は、33億9千2百万円(前年同期比3.2%減)となりました。

新築では、病院向けの小規模案件が増加するとともに、医療・介護従事者不足の解消に向けた「見守り支援」ニーズを背景に、高齢者施設向けの販売が好調に推移したことにより、売上は増加いたしました。

リニューアルでは、第1四半期から引き続き「見守り支援」ニーズは高水準を維持しており、補助金活用によるシステム導入が進められているものの、商品の供給難に起因する受注納入残が解消された前年同期の販売水準には至らず、売上は減少いたしました。

(業務市場)

売上高は、14億3千万円(前年同期比2.7%増)となりました。

新築では、国内企業における生産拠点の国内回帰の増加を背景に工場向けの販売が好調に推移したものの、テナントビルや物流、鉄道駅等における省人化・無人化ニーズへの対応に一服感が見られたことにより、売上は減少いたしました。

リニューアルでは、引き続き学校や金融機関等における連絡用設備更新の受注が好調に推移するとともに、新紙幣対応に向けた設備更新需要も追い風となり、売上は大幅に増加いたしました。

 

(北米セグメント)

売上高は現地通貨ベースで大幅に減少するとともに、円貨ベースにおいても61億1千7百万円(前年同期比5.9%減)となりました。営業損失は売上高の減少やグループ会社からの仕入価格増加の影響等により3億1千6百万円(前年同期は営業利益5億7千7百万円)となりました。

小・中規模物件への主力テレビドアホンの提案活動が奏功したものの、バックオーダーの解消による前年同期の売上増加からの反動減が生じるとともに、集合住宅市場の中心である東海岸都市部において競合企業からの価格攻勢が激化し販売が苦戦したことにより、現地通貨ベースの売上は大幅に減少いたしました。

 

(欧州セグメント)

売上高は現地通貨ベースで増加するとともに、円貨ベースにおいても為替の影響により増加し、22億3百万円(前年同期比12.5%増)となりました。また、営業利益は原価率悪化の影響等により0百万円(同97.3%減)となりました。

欧州経済の停滞は底を打ち緩やかな回復基調が見られるものの、主要国フランスでは、主力の戸建住宅市場の新築着工戸数が大幅に減少するとともに、パリオリンピック開催の影響により第2四半期前半において多くの物件動向が停滞した影響を受けました。しかしながら、集合住宅市場への積極的な受注活動とともに、業務市場に向けたソリューション提案を強化したことが奏功し、IPネットワーク対応インターホンシステムの販売が好調に推移した結果、現地通貨の売上は増加いたしました。

 

(タイセグメント)

生産拠点として、売上高は49億8千万円(前年同期比2.5%減)となりました。営業利益は、グループ会社への販売価格増加の影響等もあり2億6千7百万円(同60.5%増)となりました。

商品在庫の適正化に向けた計画的な生産調整を継続しており、生産量が前年同期を下回ったことから、売上は減少いたしました。

 

(ベトナムセグメント)

生産拠点として、売上高は35億4千9百万円(前年同期比29.5%増)となりました。営業利益は、売上高の増加等もあり1億4千2百万円(同30.5%増)となりました。

第1四半期に引き続き生産量が前年同期を上回ったことから、売上は大幅に増加いたしました。

 

(その他)

売上高は7億9千4百万円(前年同期比20.0%増)となりました。営業利益は、2千6百万円(同75.2%増)となりました。

(オセアニア)

売上高は、4億7千2百万円(前年同期比7.7%増)となりました。

主要国オーストラリアでは、IPネットワーク対応インターホンシステムを中心に、政府案件の大型プロジェクトとともに小規模案件での採用も増加するなど業務市場での販売が好調に推移したものの、集合住宅市場向け主力商品の販売が苦戦した影響が大きく、現地通貨ベースの売上は微減となりました。しかしながら、為替の影響により円貨ベースの売上は増加いたしました。

(東南アジア)

売上高は、3億2千1百万円(前年同期比44.1%増)となりました。

主要国シンガポールを中心に、各国において中国の不動産危機の影響により不動産投資が停滞し集合住宅市場が大きく低迷したものの、インドネシアやフィリピンでの医療インフラの拡充を背景にナースコールの販売が好調に推移したことにより、現地通貨、円貨ともに売上は大幅に増加いたしました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ14億5千3百万円増加し、230億4千万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は28億2千万円(前年同期比43.8%減)となりました。これは主に、棚卸資産の減少額24億9千8百万円などがあったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、獲得した資金は1億5千4百万円(前年同期比83.7%減)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入4億9千8百万円、有形固定資産の取得による支出3億7千3百万円などがあったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は14億3千5百万円(前年同期比88.3%増)となりました。これは主に、配当金の支払額13億9百万円などによるものです。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は、21億2千9百万円であります。

 

3【経営上の重要な契約等】

 当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。