第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

 当企業集団は、2021年度以降のV字回復を可能とし、将来的な発展の足がかりとすべく、会社の体質強化(収益力を強化させるビジネスモデルへの転換)を目指して2023年3月期を最終年度とする「中期経営計画2023」をスタートさせております。

 当第3四半期連結累計期間は、昨年の年初から続くコロナ禍の影響による大幅な落ち込みから徐々に持ち直す動きが継続しました。早期に抑制された中国などでは急速な回復が見られた一方で、米州では対策の遅れから回復の速度は遅く、欧州など再度感染拡大となった地域ではロックダウンが始まったことから、今後の先行きが懸念される状況となりました。いずれの地域においても、抜本的な解決には至っておらず、「密」を避けるという行動指針は当企業集団の経営環境に大きな影響を与えております。

 当企業集団は、IPトランシーバーの無償貸出を実施するなど社会貢献を兼ねた販促策で需要の掘り起こしを図るとともに、官公庁案件の受注獲得に注力しましたが、売上高及び利益ともに伸び悩みました。

 品目別では、アマチュア用無線通信機器が新製品効果に加え巣ごもり需要の増加から欧米を中心に好調に推移したことで増収となりました。海上用無線通信機器は主要市場である欧米地域で行動制限が行われたことから需要が減少し、陸上業務用無線通信機器も各種イベントの自粛や規模縮小など経済活動停滞の影響が大きかったことから減収となりましたが、第2四半期連結会計期間以降はいずれも減収幅が縮小しました。

 地域別では、予算措置のある官公庁案件は散見されるものの民需の落ち込みは大きく、当初は大きく減収となりましたが、その後、徐々に減収幅は縮小し、特に欧米地域ではアマチュア用無線通信機器の巣ごもり需要増加で第3四半期連結会計期間において対前年同期比で大幅な増収に転じました。

 

<参考>地域別売上高

 

前第3四半期連結累計期間

(自2019年4月1日

  至2019年12月31日)

当第3四半期連結累計期間

(自2020年4月1日

  至2020年12月31日)

増減率

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

金額

(百万円)

構成比

(%)

国内

7,724

37.2

7,344

38.8

△4.9

 

北米

5,691

27.4

5,630

29.8

△1.1

欧州(EMEA)

3,079

14.8

2,940

15.5

△4.5

アジア・オセアニア

3,706

17.8

2,567

13.6

△30.7

その他(含む中南米)

589

2.8

441

2.3

△25.1

海外計

13,066

62.8

11,580

61.2

△11.4

合計

20,790

100.0

18,924

100.0

△9.0

 

 

 これらの結果、売上高は189億2千4百万円(前年同期比9.0%減)、売上総利益は78億9千7百万円(前年同期比9.5%減)となりました。販売費及び一般管理費は経費削減により4億7千1百万円減少して74億2千7百万円となりましたが、営業利益は4億6千9百万円(前年同期比43.1%減)、経常利益は5億4千4百万円(前年同期比36.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は2億6千万円(前年同期比54.1%減)となりました。

 また、当該期間に適用した米ドル及びユーロの平均為替レートはそれぞれ106.36円及び122.13円であり、前年同期に比べ対米ドルでは2.4%の円高水準、対ユーロでは0.2%の円安水準で推移しました。

 

売上高(百万円)

営業利益(百万円)

経常利益(百万円)

親会社株主に帰属する四半期純利益

(百万円)

当四半期連結累計期間(2020年12月期)

18,924

469

544

260

前四半期連結累計期間(2019年12月期)

20,790

824

854

568

前年同期比増減率

△9.0%

△43.1%

△36.3%

△54.1%

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

① 日本[当社、和歌山アイコム㈱、アイコム情報機器㈱]

 国内市場において、アマチュア用無線通信機器は新製品の発売により増収となりましたが、陸上業務用無線通信機器では、官公庁案件を受注し、IPトランシーバーの回線料収入も売上に寄与したものの、各種イベントの中止や規模縮小が継続したことから品目としては減収となりました。海外市場においては、欧州地域で、アマチュア用無線通信機器は、巣ごもり需要の増加や新製品の寄与で増収となりましたが、他の品目は行動制限や経済活動の停滞により減収となりました。アジア地域でも、回復の早かった中国やベトナムでは堅調な売上となりましたが、インドネシア、タイなど主要国では経済停滞の影響を受けて減収となりました。これらの結果、本セグメントの外部顧客に対する売上高は107億3千6百万円(前年同期比16.2%減)となりました。

 利益面では、減収により2億2千8百万円の営業利益(前年同期比59.4%減)となりました。

② 北米[Icom America,Inc.、ICOM CANADA HOLDINGS INC.、ICOM DO BRASIL RADIOCOMUNICACAO LTDA. ]

 アマチュア用無線通信機器は堅調な巣ごもり需要に支えられ、新製品効果も寄与し増収となりましたが、感染防止対策で経済活動が制限されたことの影響は大きく、陸上業務用無線通信機器及び海上用無線通信機器は減収となり、前年同期に比べ対米ドルは2.4%の円高水準で推移したこともあり、本セグメントの外部顧客に対する売上高は60億9千6百万円(前年同期比3.2%減)となりました。

 利益面では、経費節減により営業利益は1億1百万円(前年同期比64.4%増)となりました。

③ ヨーロッパ[Icom(Europe)GmbH、Icom Spain, S.L.]

 コロナ禍により行動範囲が制限されたことで陸上業務用無線通信機器及び海上用無線通信機器が減収となりましたが、アマチュア用無線通信機器は巣ごもり需要の増加や新製品効果により大きく増収となったことで、本セグメントの外部顧客に対する売上高は13億2千1百万円(前年同期比32.0%増)となりました。

 利益面では、増収により営業利益は1億1千6百万円(前年同期比72.8%増)となりました。

④ アジア・オセアニア[Icom(Australia)Pty.,Ltd.、Asia Icom Inc.、PURECOM CO.,LTD、ICOM ASIA CO.,LTD]

 主力市場となるオーストラリアにおいて、第1四半期連結会計期間では同国の経済低迷の影響を受け全品目で減収となりましたが、第2四半期連結会計期間以降は順調に回復が進んだことから全品目増収となり、アマチュア用無線通信機器の新製品効果も加わったことで、前年同期に比べ対オーストラリアドルは2.8%の円高水準で推移したものの、本セグメントの外部顧客に対する売上高は7億7千万円(前年同期比14.3%増)となりました。

 利益面では、アジア地域の資材調達拠点を整理中であることから営業利益は3千5百万円(前年同期比41.7%減)となりました。

 

(2)財政状態の状況

(資産)

 総資産は前連結会計年度比19億6千8百万円減少し、597億3千5百万円となりました。

 主な内訳は、たな卸資産(合計)の増加29億6百万円、投資その他の資産のその他の増加7億9千万円及び有価証券の増加2億円等の増加要因と、受取手形及び売掛金の減少28億円、現金及び預金の減少26億7千1百万円及び流動資産のその他の減少3億2千8百万円等の減少要因によるものであります。

 なお、投資その他の資産のその他の増加7億9千万円の主な内訳は、投資有価証券の増加12億5千円等の増加要因と、差入保証金の減少4億9千5百万円によるものであります。

 また、流動資産のその他の減少3億2千8百万円の主な内訳は、信託受益権の減少8億円等の減少要因と、未収消費税等の増加2億7千1百万円及び未収還付法人税等の増加1億3千万円等の増加要因によるものであります。

 

(負債)

 負債合計は前連結会計年度比6億3千7百万円減少し、54億6千2百万円となりました。

 主な内訳は、固定負債のその他の増加1億2千万円の増加要因と、賞与引当金の減少3億8千1百万円、買掛金の減少2億1千4百万円、未払法人税等の減少5千7百万円及び退職給付に係る負債の減少5千5百万円等の減少要因によるものであります。

 なお、固定負債のその他の増加1億2千万円の主な内訳は、繰延税金負債の増加1億3千7百万円等の増加要因によるものであります。

 

(純資産)

 純資産合計は前連結会計年度比13億3千万円減少し、542億7千2百万円となりました。

 主な内訳は、親会社株主に帰属する四半期純利益による増加2億6千万円、その他有価証券評価差額金の増加1億6千3百万円及び為替換算調整勘定の増加1億3千8百万円等の増加要因と、自己株式の取得による減少11億4千2百万円及び剰余金の配当による減少7億7千1百万円等の減少要因によるものであります。

 以上の結果、自己資本比率は90.1%から90.9%に増加いたしました。

 

(3)経営方針、経営環境及び優先的に対処すべき課題等

 当第3四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間における当企業集団全体の研究開発活動の金額は、27億5千万円であります。

 なお、当第3四半期連結累計期間において、当企業集団の研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結等はありません。