文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
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当社は、『品質至上を核に社会の信頼に応える』を経営理念として掲げ、直流安定化電源装置の開発・製造・販売を通じて、今後益々発展、高度化するエレクトロニクス社会に積極的に貢献していく企業でありたいと考えております。 現在、私たちを取り巻く事業・社会環境は、グローバル化の進展とビジネス構造の大きな変化、技術革新に伴う競争の激化、デジタル化の進展・普及などにより、大きな転換点を迎えています。こうした環境変化をチャンスと捉え、お客様の多様化するニーズへの対応による価値提供を通じて、豊かで持続可能な社会の実現に貢献していきたいと考えております。 そのために、社会的責任を果たすための企業経営の基本であるコーポレートガバナンスを継続的に改善・整備し活動してまいります。 |
当社の経営理念「核の概念図」 |
また、ビジョンとして“顧客起点のニーズを捉え、高付加価値製品とサービスの早期実現を図る”を掲げ、「持続的成長に向けた事業改革・改善」、「新しい価値を創造するための技術革新へのチャレンジ」、「一人ひとりの成長・組織の進化」など、全社一丸となって経営基盤の強化を図り、競争優位性の高いビジネスモデルを構築し、持続的成長の実現を目指してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、経営指標として、連結ROE(自己資本利益率)、連結ROA(総資産利益率)が安定的に二桁を維持でき、長期的な指標としては連結売上高経常利益率 20%を安定的に維持できる経営体質を目指しております。
(3)第9次中期経営計画の進捗状況と課題
第9次中期経営計画における初年度2020年度の目標・客観的指標とその達成状況は次のとおりであります。
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項目 |
第8次 (最終年度) 2019年度実績 |
第9次中期経営計画 |
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2020年度(当年度) |
2021年度 |
2022年度 |
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計画 |
実績 |
計画 |
計画 |
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連結売上高(百万円) |
23,865 |
26,000 |
27,020 |
28,000 |
30,000 |
|
連結営業利益(百万円) |
1,668 |
1,900 |
3,020 |
3,360 |
4,500 |
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連結営業利益率(%) |
7.0 |
7.3 |
11.2 |
12.0 |
15.0 |
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連結ROE(%) |
0.7 |
3.3 |
2.8 |
6.0以上 |
8.0以上 |
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連結ROA(%) |
3.8 |
4.4 |
7.9 |
10.0以上 |
11.0以上 |
第9次中期経営計画の初年度である2020年度は、新型コロナウイルス感染症や米中摩擦など、グローバルな経営環境変化の影響を受けたものの、中国経済の早期回復や米国の経済対策効果による回復基調への移行、巣ごもり需要の増加、技術革新の進展に伴う5G関連・半導体製造装置関連需要の増加などにより、売上高、営業利益は目標を上回ることができました。
第9次中期経営計画における初年度2020年度の取り組みの成果と問題・課題は、次のとおりであります。
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主要課題 |
成果 |
課題 |
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新しい付加価値製品・ サービスの創出 |
・重点業界向け新製品拡充 ・新製品を含む注力製品の受注増 ・デジタル化を活用した拡販プロセス強化 ・顧客ニーズ把握~企画・開発~拡販 |
・新製品の売上増加 ・顧客ニーズ把握~開発~拡販プロセスの強化 ・成長領域向け新製品投入 ・脱炭素ニーズに応える新製品研究・開発 |
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グローバルで競争力あるものづくり体質の創造 |
・自働化の推進による生産効率UP ・重要モデルラインの生産性向上 ・IoT活用による生産情報見える化 ・計画的在庫の仕組み充実 |
・生産性向上活動のグループへの展開 ・受注変動に対応できる生産管理統合システムの構築 ・安定調達のためのサプライチェーンの見直し |
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利益体質の確立 |
・高付加価値新製品リリース ・VA/CD推進 ・物流コスト低減 ・計画的投資による固定費の低減 |
・材料費・人件費高騰により、値上げ要求増加 ・VA/CDにつながるサプライチェーンの見直し |
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(4)今後の経営環境
米中摩擦に加え、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が、世界経済の減速をもたらしました。この感染症の収束や落ち込んだ世界経済の本格的回復には、多少の期間を要するものと想定され、また、保護主義政策の広がりや各国の政治的対立も加わり、グローバル経済へのさらなる影響が懸念されております。
そのような中、当社グループが属するエレクトロニクス業界を取り巻く環境としては、今後、半導体製造装置や通信関連業界では、継続的な積極的投資が見込まれ、また、自動車関連や産業機械業界の需要も回復傾向に向かっていることから、全体的には、堅調な需要が見込まれるものとみております。一方、米中摩擦の影響拡大や新型コロナウイルス感染の再拡大、部材入手難の長期化など、不透明な経営環境が継続することも懸念されます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
第9次中期経営計画の初年度である2020年度においては、中国の景気回復、巣ごもり需要の増加、半導体製造装置関連の積極投資などにより、連結売上高及び連結営業利益については、目標を達成することができました。
この結果と今後の経営環境・市場動向の想定される変化への対応も踏まえ、当社グループにおける課題としては、引き続き、成長性や収益性を高める経営基盤を構築し、競争優位性の高いビジネスモデルへ変革していくことが必要と考えており、世界各地域の戦略の実行、そのための新製品開発、利益創出活動に注力してまいります。また、地球温暖化防止のための脱炭素化の取り組みにも重点をおき取り組んでまいります。
2)CSR活動及び組織能力向上の取り組み
① CSR経営課題への取り組み
当社グループは、経営理念である『品質至上を核に社会の信頼に応える』のもと、企業活動の基盤となるCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)活動として、お客様、株主・投資家、取引先様、地域コミュニティ、従業員など様々なステークホルダーの皆様と対話しながら、企業活動を行っております。社会的責任に関する国際規定(ISO26000)の中核主題をガイドラインとして、当社グループにおける7つの重要課題を設定し、「持続可能な社会の実現」に向けた目標(SDGs)と関連付けて、取り組みを行っております。
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ISO26000 中核主題 |
当社グループにおける |
関連するSDGs目標 |
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CSR重要課題 |
取り組み内容 |
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企業統治 |
1.企業市民としての法とその精神の遵守 |
□リスクマネジメント体制の充実 □理念浸透と法令遵守 |
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人権 |
2.グローバルな視野を持った意識と行動 |
□人権啓発への継続投資 □多様性理解の促進 |
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労働慣行 |
3.一人ひとりが活き活きと活躍できる職場・人財育成 |
□安全・安心な職場環境づくり □健康情報を活用した従業員の健康意識向上 □やりがい・働きがいのある職場環境づくり |
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環境 |
4.地球環境の保全 |
□脱炭素社会に向けた取り組み促進 □循環型社会形成の促進 |
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公正な事業環境 |
5.公平・公正な取引 |
□CSR調達体制の構築と運用 |
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消費者問題 |
6.ステークホルダーとのよい信頼関係の構築 |
□カスタマーサポート体制強化/品質保証体制の継続的改善 |
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コミュニティ参画及び開発 |
7.新しい価値の創造に向けた技術革新へのチャレンジ |
□顧客価値の実現に向けた営業/新製品開発の連携強化 □産学連携共同研究の促進 □社会的投資の継続実施 |
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(脱炭素社会に向けた取り組み)
2050年カーボンニュートラル(=脱炭素)の実現に向けた、気候変動対策・再エネ・省エネ等の取組みが世界中の企業に求められている今日、当社においても脱炭素社会に向けての取り組みを強化してまいります。
足掛かりとして、2030年度目標 温室効果ガス排出量50%削減(2013年度比)を設定し、小型、高効率、高信頼性の製品を開発していくことで市場における温室効果ガス排出を減らしていくとともに、自社のものづくりからの温室効果ガスの排出を削減する活動として、省エネ推進、太陽光発電設備の増設等による再生エネルギーの活用強化、空調設備更新による化石燃料の全廃など、全社一丸となって取り組んでまいります。
② 人財育成投資
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経営基盤の強化、持続的成長や企業価値向上のための戦略の推進には、一人ひとりの成長・人財がその原動力になると考えています。 当社グループは、「次世代リーダーの育成につながる階層別教育」、「共通・普遍的業務知識・スキル向上」、「プロを目指す技術・技能の向上」など、人財育成体制を充実させ、一人ひとりが活躍できる領域を広げ、働きがいにつながるよう取り組むとともに、持続的成長の基盤構築に繋げてまいります。 |
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③ グループ共通の価値観の浸透のための取り組み
グループ全員が、大事にすべき企業文化や価値観を共有するということは、戦略の実行、目的・目標の実現のためには、重要な要素であり、経営そのものであると認識しております。
創業以来、当社に脈々と受け継がれてきた大事にすべき文化と価値観を示した「コーセル・マインド」を2018年度にまとめ上げ、全社共通の文化・価値観の浸透に向けた仕掛けをつくり、その取り組みを実施してまいりました。
全社一丸となって、第9次中期経営計画の目的・目標が達成できるよう、コーセル・マインドのさらなる浸透と充実の活動を継続してまいります。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、各リスクが顕在化する時期を合理的に予測することは困難であります。
(1)新型コロナウイルスについて
世界に拡大した新型コロナウイルス感染症は、当社のグローバルに展開する事業活動に大きな影響を及ぼしております。収束に向けたワクチン接種が全世界で進みつつありますが、新たなインド型変異株(デルタ株)による懸念もあり長期化が予想される中、当社の事業活動にさらに重要な影響を与える可能性があると認識しております。
当社は、前年度に引き続き、従業員等の健康と安全の確保、感染防止、事業継続を最優先課題として、対策会議を継続し、グループ各社との情報共有・連携のもと、処置・対策を講じてきておりますが、今後も社内外での感染・拡散防止の基本行動の徹底をはじめ、移動制限や在宅勤務、働く環境における3密防止策など、従業員等の健康・安全確保、顧客への供給責任を果たすための取り組みを継続してまいります。
(2)経済状況について
当社グループは、国内、海外(アジア、北米、ヨーロッパ)の各拠点を中心とし、また、幅広い業界向けに事業を展開しております。グローバル経済や各地域経済の状況、各業界動向によっては、経営成績や財政状態に大きな影響が及ぶ可能性があります。また、米中関係をはじめとする国際関係の変化に伴う政策や法規制の変更は事業活動にも大きく影響します。
当社グループは、外部環境や各地域の状況の変化、業界動向の把握に努め、スピード感をもって変化に対応していく体制と基盤強化のための体制づくりに取り組んでまいります。具体的には、部門横断による機動的改革活動の推進、新しい付加価値製品・サービスを創出し、グローバルで競争力あるものづくりを創造する体質づくりに取り組んでまいります。
(3)大規模災害や需要急増による影響について
当社グループは、国内や海外拠点の所在地における大規模な自然災害の発生や感染症の流行等により、事業活動が長期間停止する可能性があります。また、当社グループが製造販売する製品を構成する部品材料の多くはグローバルに調達をしており、近年の気候変動に伴う大規模な自然災害や巨大地震、取引先の大規模火災など予期できない災害等や需要の急増による部品供給の逼迫等は、当社グループの生産稼働の減少により経営成績や財務状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
その対応として、当社グループは、災害や感染症による事業への影響を最小限にし「製品供給責任」を果たすため、事業継続計画(BCP体制)の充実を図り、初動対応に活かしております。また、調達面においては短期的には、重要度に応じた適正在庫を確保するようにしており、長期的には、複数購買化や部品の共通化を進めてまいります。
(4)製品の品質について
当社グループは主たる工場及びグループ各社で品質管理及び品質保証のための国際規格(ISO9001) で認定された品質システムを構築し、設計段階から品質の作り込みを行ない、より高い製品品質、サービスの提供をしております。
しかしながら、全ての製品、サービスについて不良欠陥が発生しないという保証はなく、顧客において当社グループの製品・サービスにおける品質に起因する事故、市場回収、生産停止等が生じた場合、顧客の損失に対する賠償責任を問われる可能性があります。大きな市場クレーム、リコールなどが発生した場合には、多額の回収コストや賠償費用の発生又は販売の減少等により、当社グループの経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
その対応として、当社グループは、独自に保有する品質管理技術や情報等を活用し、設計審査、内部品質監査、購入先監査等を通じて製品・サービスの信頼性、安全性を確保出来るよう品質保証体制の継続的改善・改革を図っております。
(5)価格競争激化について
当社グループが属する電源市場におきましては、技術進歩、調達部品の低価格化等、価格による差別化が競争優位を確保する主たる要因の一つであります。さらに、最近では大手ユーザーが集中購買に伴う値下げ要請を行うことが多いため、競合電源メーカーとの価格競争が激化し、恒常的に低下する傾向にあります。市場からの価格引き下げの圧力はますます強まり、こうした価格動向が当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その対応として、当社グループは、こうした販売価格の低下に対して、継続的なコスト削減や付加価値のある新製品の市場投入等により、収益確保・収益性向上に努めております。
(6)知的財産について
当社グループが保有する知的財産権は、重要な経営資源の一つであり、知的財産権の保護や知的財産権にからむ係争の回避は重要な経営課題であります。仮に、当社グループが、第三者の知的財産権を侵害しているとの主張を受けた場合、係争となる可能性があり、当社製品の生産・販売の制約や、損害賠償金等の支出が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。
その対応として、当社グループは、専門委員会を設置しており研究開発及び設計にあたって、第三者の知的財産権の調査を実施しております。
(7)為替変動について
当社グループでは、当社と海外子会社並びに海外子会社と外部顧客の取引を外貨建てで行っており、為替変動に伴う製品の海外市場における競争力低下、輸出採算等により当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、2021年5月期において海外売上高が連結売上高の36.6%を占めており、今後も積極的な海外市場への事業展開により、海外事業比率は高まると想定しています。
その対応として、当社グループは、外貨建原材料購買の増大や海外拠点で消費する資材の現地調達化を進めており、加えて中期的には海外生産拡大も進めてまいります。
(8)M&Aについて
当社グループは、ヨーロッパ市場における営業力・技術競争力を強化することを目的として、2018年6月にPowerbox International ABを子会社化し、当社グループの業績に寄与することを見込んでおります。しかしながら、前年度においてコロナ禍の中で事業が計画通りに展開できず、結果的に “のれん”の減損処理(1,097百万円)を実施いたしました。内容については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容、1)重要な会計方針及び見積り、① のれん等無形固定資産の減損処理」に記載の通りであります。
今後の対応として、ヨーロッパ事業の再編や、経費の削減も進めてきたことから、経済活動が回復する中で営業力と技術競争力の強化により、最大限のシナジー効果を発揮できるよう取り組んでまいります。
(9)情報セキュリティについて
当社グループは、事業における重要情報や入手した取引先等の秘密情報、個人情報等を保有しております。これらの情報に関して、盗難・紛失等による情報漏えい、不正アクセスなどのサイバー攻撃による消失や改竄、窃取等があった場合、事業活動に支障をきたし、その結果、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その対応として、当社グループは、情報セキュリティ基本方針、情報セキュリティ規定を制定し、情報セキュリティに関する管理体制やルールを整備、情報リテラシーを高めるための社員教育、情報の取り扱いに関するリスク評価・対策、各種法規制強化への対応等により、ITガバナンス体制の強化を図っております。
(10)環境規制について
大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、廃棄物、製品に含有する環境化学物質等に関する種々の環境関連法令及び規制等は、年々強化されてきております。当社グループでは、これら法令及び規制等を遵守することが、企業の社会的責任の1つとして位置づけ、事業活動を行っております。
しかしながら、今後、これらの要求に対応した製品をタイムリーに市場に投入できない場合や法令及び規制等がより厳しくなることにより、対応のための多額の投資が余儀なくされるような場合には、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
その対応として、当社グループは、環境に関する国際規格(ISO14001)で認定された環境マネジメントシステムを構築し、環境関連法令及び規制を遵守するための取り組みを行っております。また、環境方針・行動指針を定め、製品企画・開発設計から部材調達、生産、流通、販売、保守サービスに至る事業活動全体において環境負荷低減に取り組んでおります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大によって大きな影響を受ける中、中国の市況が早期回復し、その他地域においても徐々に事業環境が改善しつつあります。また、各国で経済活動再開に向けたワクチン接種が広がりつつあります。しかしながら、依然として新型コロナウイルス感染症再拡大への懸念や米中関係の停滞による影響等、先行きは不透明な状況であります。
エレクトロニクス業界におきましては、自動車やスマートフォン向け需要の回復や、リモートワークの普及・外出制限による巣ごもり消費等でデータセンターやゲーム機器関連の需要が増加しました。また、これらの需要増加による世界的な半導体需要の高まりから、半導体製造・増産を目的とした設備投資が急速に進みました。
このような情勢の中で当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響によりお客様への訪問営業が制限される中、電話・メール・ウェブを使った拡販活動に注力してまいりました。
新製品につきましては、IoT用途に対応した一般産業機器向けの小型・高効率AC-DC電源「PCA1500F」、小型力率改善回路内蔵AC入力パワーモジュール電源「TUNS1200F」、小型基板単体マルチスロットタイプAC-DC電源「RBC300F」、小型高絶縁DC-DCコンバータ「MHシリーズ」2モデル、単相交流入力用ノイズフィルタ「NACシリーズ」電流拡充3モデルをそれぞれ市場投入いたしました。また、海外市場向けに医用電気機器規格に対応した、ユニット型シングル出力AC-DC電源「PJMAシリーズ」2モデル、ユニット型AC-DC電源「WMAシリーズ」2モデルをそれぞれ市場投入いたしました。
生産面では、前期から継続して新型コロナウイルスの感染予防に努めるとともに、先行きの不透明感から増加している先行受注への対応として、部材の安定調達及び生産能力の増強を進めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、受注高は281億37百万円(前年同期比6.4%増)、売上高は270億20百万円(同13.2%増)となりました。利益面におきましては、売上高の増加、経費削減活動の効果や新型コロナウイルス感染症の影響による経費支出の先送りに加え、為替差益を計上したことにより、経常利益は34億32百万円(同109.7%増)となりました。また、当社連結子会社であるPowerbox International AB(本拠地:スウェーデン)においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、同社買収時に計上した無形固定資産の一部を減損処理し、減損損失10億97百万円を計上しております。これにより、親会社株主に帰属する当期純利益は10億77百万円(同254.5%増)となりました。
セグメントの経営成績は、以下のとおりであります。
① 日本生産販売事業
日本国内では、前第4四半期からの新型コロナウイルス感染症の感染拡大を見越した先行発注による受注急増の反動として、顧客・販売店の在庫及び発注調整があり、第2四半期までの需要は全体的に低調だったものの、それ以降は半導体製造装置関連需要の急回復に加え、第4四半期からはFA関連需要も同様に急回復しました。また、通信分野においては5G関連投資需要が堅調に推移しました。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当社が重視してきた訪問面談が制限される中、販売店との情報共有強化を図り、お客様とのウェブ面談やメールを中心とした拡販活動に取り組んでまいりました。
この結果、前期末の先行発注による受注残の消化もあり、外部顧客への売上高は、171億38百万円(前年同期比14.5%増)、セグメント利益は29億37百万円(同85.2%増)となりました。
② 北米販売事業
米国では、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による需要の減少を、FAや半導体製造装置関連の需要で補い、好調に推移しました。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により活動が制限される中、ウェブやメールを中心にファクトリーレップとの連携を図りつつ、拡販活動に注力してまいりました。新製品につきましては、動画を用いてプロモーション強化に取り組んでまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、20億53百万円(前年同期比17.5%増)、セグメント利益は2億12百万円(同89.1%増)となりました。
③ ヨーロッパ生産販売事業
ヨーロッパでは、新型コロナウイルス感染症の再拡大の影響を受け、需要が低迷しました。スウェーデンに本拠点を置くPowerbox社のカスタム電源ビジネスにおいては、下半期からFA、医療、計測機器関連需要の回復傾向がみられたものの、全体としてはヨーロッパ経済の低迷を受け、低調に推移しました。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により自由な移動ができない中、テレワーク中心になっており、ウェブを使った拡販活動に注力してまいりました。
この結果、外部顧客への売上高は、49億8百万円(前年同期比3.5%減)、セグメント損失は4億65百万円(前年同期はセグメント損失4億1百万円)となりました。
④ アジア販売事業
アジアでは、中国においては早期に経済活動を再開し、生産活動や投資活動が回復したこともあり、FAや医療機器関連の需要が堅調に推移しました。また、下半期から韓国を中心に半導体製造装置関連の需要が回復しました。
営業活動につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、電話・メール・ウェブを使った拡販活動が中心になっており、特に新規開拓のためのウェブマーケティングに注力しております。
この結果、外部顧客への売上高は、29億19百万円(前年同期比41.8%増)、セグメント利益は1億52百万円(同197.4%増)となりました。
⑤ 中国生産事業
中国生産事業におきましては、新製品の立上げを推進してまいりました。また、既存製品の生産能力向上のため、増員及び生産設備の増強を進めております。なお、新型コロナウイルス感染症による中国市場への影響が早期に解消したこともあり、受注・出荷は増加傾向にあります。
この結果、セグメント間の内部売上高は、13億87百万円(前年同期比20.3%増)、セグメント利益は1億38百万円(同31.9%減)となりました。
財政状況につきましては、当連結会計年度末の総資産は、現金及び預金、売上債権、有価証券、たな卸資産が増加した一方で、有形固定資産及びのれん等の無形固定資産、投資有価証券が減少したことにより、前連結会計年度末に比べ22億14百万円増加し、445億6百万円となりました。負債の部では、買掛金、未払金、未払法人税等の増加により前連結会計年度末に比べ11億31百万円増加し、51億52百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金、為替換算調整勘定の増加により前連結会計年度末に比べ10億83百万円増加し、393億54百万円となりました。この結果、自己資本比率は88.3%(前連結会計年度末は90.4%)となりました。
2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ46億88百万円増加し、129億62百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、24億36百万円(前年同期比19.4%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益24億76百万円に加え、減価償却費12億49百万円、減損損失10億97百万円を計上した一方で、為替差益4億49百万円、売上債権の増加額9億31百万円、たな卸資産の増加額5億24百万円、法人税等の支払額4億24百万円があったこと等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、27億29百万円(前年同期は得られた資金2億19百万円)となりました。これは主に、投資有価証券の償還による収入33億円があった一方で、有形固定資産の取得による支出6億円があったこと等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、8億16百万円(前年同期比55.3%減)となりました。これは主に、配当金の支払額7億62百万円があったこと等を反映したものであります。
3)生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度の生産実績、受注実績及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
a.生産実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年5月21日 至 2021年5月20日) |
前年同期比(%) |
|
日本生産販売事業(千円) |
21,637,586 |
120.0 |
|
北米販売事業(千円) |
- |
- |
|
ヨーロッパ生産販売事業(千円) |
3,733,418 |
98.0 |
|
アジア販売事業(千円) |
- |
- |
|
中国生産事業(千円) |
1,737,003 |
148.6 |
|
合計(千円) |
27,108,008 |
117.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価額によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高(千円) |
前年同期比 (%) |
|
日本生産販売事業 |
17,371,969 |
102.4 |
4,527,681 |
105.4 |
|
北米販売事業 |
2,018,128 |
120.0 |
492,028 |
93.2 |
|
ヨーロッパ生産販売事業 |
5,954,613 |
111.1 |
3,887,167 |
133.4 |
|
アジア販売事業 |
2,792,336 |
114.7 |
551,025 |
81.6 |
|
中国生産事業 |
- |
- |
- |
- |
|
合計 |
28,137,047 |
106.4 |
9,457,903 |
112.4 |
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年5月21日 至 2021年5月20日) |
前年同期比(%) |
|
日本生産販売事業(千円) |
17,138,178 |
114.5 |
|
北米販売事業(千円) |
2,053,911 |
117.5 |
|
ヨーロッパ生産販売事業(千円) |
4,908,703 |
96.5 |
|
アジア販売事業(千円) |
2,919,951 |
141.8 |
|
中国生産事業(千円) |
- |
- |
|
合計(千円) |
27,020,744 |
113.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2019年5月21日 至 2020年5月20日) |
当連結会計年度 (自 2020年5月21日 至 2021年5月20日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱リョーサン |
3,445,765 |
14.4 |
4,753,134 |
17.6 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成に当たりましては、資産・負債及び収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要とします。そのため、これらの見積りについては過去の実績や状況に応じ、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積りに不確実性があるため異なる場合があります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される判断と見積りに重要な影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響は経済や社会、企業活動に広範な影響を及ぼす事象であり、今後の感染症拡大や収束時期、その影響の程度を合理的に予測することは困難な状況にあります。
当社グループは、感染症の影響につきましては、ワクチン接種の進展により、翌連結会計年度の前半には経済環境が回復に向かうとの仮定に基づき見積りを行っております。
① のれん等無形固定資産の減損処理
当社グループは、減損会計の対象となるのれん、技術資産及び顧客関連資産を有しております。今後、市場の動向や業績の状況に基づき見積られた将来キャッシュ・フローの総額の見積りが、帳簿価額を下回った場合に、減損損失の計上が必要になる可能性があります。
なお、2018年6月に連結子会社化した Powerbox International ABの株式取得の際に計上した無形固定資産(のれん、技術資産及び顧客関連資産)合計額は35億36百万円であり、定額法により償却を行っております。
当連結会計年度において、Powerbox International AB は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、営業活動の制限や顧客からの納期調整などにより、業績が低迷したことに加え、のれん、技術資産、顧客関連資産の償却負担により連続して営業損失を計上したことから、減損損失の認識の要否について検討を行った結果、見積られた割引前将来キャッシュ・フローの総額が同社に関する固定資産の帳簿価額を下回ったことから、減損損失10億97百万円を計上しました。
これら無形固定資産の当連結会計年度末の帳簿価額合計は14億80百万円であり、今後、現時点の事業計画に比べ同社の業績が低調に推移した場合、減損損失の計上が必要になる可能性があります。
② 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入先の株式等を保有しております。これらの株式等は株式市場等の価格変動や投資先の業績悪化等による実質価額変動のリスクを負っており、投資価値が50%以上下落した場合、投資の減損を計上しております。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性を評価しております。その見積りにより全部又は一部が回収できないと判断した場合には繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
④ 退職給付費用
当社の従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期収益率などが含まれます。実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、翌期において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
期待運用収益率と実際の結果が異なる場合、又は予定利率等前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
売上高:270億20百万円(前期比13.2%増)、経常利益:34億32百万円(同109.7%増)、売上高経常利益率は12.7%(前期:6.9%、5.8ポイント上昇)、親会社株主に帰属する当期純利益は10億77百万円(同254.5%増)となりました。
① セグメント別業績
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
② 売上原価、売上総利益
前連結会計年度に比べ材料費等の変動費比率が0.2ポイント改善したことに加え、労務費や減価償却費、製造経費など固定費比率が2.4ポイント低下したことにあり、売上原価率が2.6ポイント改善しました。その結果、売上総利益率は30.7%(前期28.1%)となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
前連結会計年度末に比べ、人件費が72百万円、減価償却費及びのれん等の償却が36百万円、その他経費が1億11百万円増加したことにより、販売費及び一般管理費は2億32百万円増加しました。この結果、売上高営業利益率は11.2%(前期7.0%)となりました。
④ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループでは、生産活動に必要となる運転資金、販売費及び一般管理費等の営業活動費用、研究開発費によるものの他、投資活動において、生産設備の増強、新製品開発等を目的とした設備投資を適宜行う予定としております。
これらの資金に対しましては、自己資本比率が88.3%と十分な資本を維持しているため、自己資金にて充当する方針であります。今後も安定した収益基盤を確立し、一層の利益追求に取り組んでまいります。
3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、長期的財務目標として、連結ROE、連結ROAが安定的に二桁を維持できる経営体質を目指しており、第9次中期経営計画において、最終年度である2022年度の数値目標値「連結売上高300億円、連結営業利益45億円」を掲げ、連結ROE 8.0%以上、連結ROA 11.0%以上を目指し、持続的成長と企業価値向上を実現すべく経営体質の改善に取り組んでまいります。
該当事項はありません。
当社グループの研究開発活動は、日本生産販売事業セグメントにおいては、当社開発部でスイッチング電源及びノイズフィルタ製品の設計開発と顧客に対する技術サポートを担当し、研究室において電源の基礎研究、新事業・分野の研究を担当しております。ヨーロッパ生産販売事業セグメントにおいては、Powerbox International ABでスウェーデン及びドイツを主要拠点とし、スイッチング電源の設計開発を行っております。
当連結会計年度の研究開発費の総額は